八幡「相模となぜか仲良しに」 (103)
八幡「で、なんなんだよ…」
相模「なんなんだよってひどくない?うちとしてもお詫びの印ってことでさ」
八幡「お詫びね…よくわからんけど」
相模「こうして同じクラスになったんだし?ちょっとくらいいいじゃん」
八幡「お前が謝りに来たことがまず信じられん、お前変わってないように見えたんだけど」
相模「これでも反省したんよ、うちだって。なんかあんたの凄さもわかった気がするし」
八幡「は?凄さ?」
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相模「体育祭のときとか」
八幡「ああ、あの時ね…文化祭の時はびっくりするくらいヘタレだったよな、お前」
相模「うっわ、ひど…!」
八幡「カースト上位とは思えなかったぞ、三浦とは大違いだ」
相模「むかつく~!そりゃ三浦さんとは違うけど…!」
八幡(なんで、3年になってからまたこいつと同じクラスなわけ?)
八幡(戸部以外の葉山の取り巻きとも同じクラスになったけど…ほぼ接点ないか)
八幡「お前の取り巻きも最近見ないな」
相模「あ~違うクラスになっちゃってさ~」
八幡「喧嘩とかしたんじゃねぇの?」
相模「うっさいっての…色々あんのよ…ぼっちの比企谷にはわからないだろうけどさ」
八幡「そうですね、わかりませんよ」
相模「うわ…比企谷がぼっちとか…」
相模「冗談でも、そろそろ笑えないっての」
八幡(相模と同じクラスってわかってから…こいつ謝りに来たんだよな)
八幡(誤りに来たときは驚いた、正直…)
八幡「お前、あんま雪ノ下に会わない方がいいかもな…」
相模「あ…悪いことしちゃったしね…あの人にも…」
八幡「なんか他人行儀っていうか、なんか変だぞ」
相模「いや、もう頭上がらないかもね…なんて」
八幡「相模らしくねぇ…お前、そんなキャラだっけ?」
相模「人間変わるもんだっての、人間関係避けてた奴にはわからないだろうけど」
八幡「ま、そうだが…」
相模「…自虐もそこまでいくと面白いわ」
相模「雪ノ下さんや、結衣とかと仲良くやってるのに、ぼっちとか言わないでしょ」
八幡「相模、お前ってさ」
相模「なに?」
八幡「そういうステータスにもしかして弱いか?弱いよな」
相模「な…言ってくれるじゃん、比企谷のくせに」
八幡「葉山に媚び売ってたくらいだしな」
相模「う…」
八幡「で?俺に今度は媚び売んの?俺に売っても全く意味ないぞ?」
相模「…そんなんじゃないっての、あんたには悪いって思ってるよ」
相模「信じられないかもだけど…それは本当」
八幡「…ま、どうでもいいけどな」
相模「ぷっ、比企谷っぽい…」
八幡(とまあこうして、ひょんなことから相模との関係が近くなったけど)
八幡(雪ノ下があんま良い顔しなかった…かな)
八幡(由比ヶ浜も…少しとまどってたように見えるな…)
八幡(一色についてはようわからん)
相模「じゃね比企谷、うちちょっと用があるし」
八幡「ん?ああ」
周囲「…だよな」ヒソヒソ
八幡「……?」
奉仕部 部室
結衣「むむむ、このジグソーパズル難しい…」
雪乃「由比ヶ浜さん…なぜ、パズルなのかしら?」
結衣「たまには頭つかわないとさ、勉強の方も捗らないかなって」
八幡「頭使ってない自覚あったんだな…」
結衣「ヒッキー、ひどいっ!きもいっ!」
八幡「きもいは関係ないだろ」
雪乃「由比ヶ浜さんのパズルの件はどうでもいいとして」
結衣「どうでもいいんだ!ひどくないっ!?」
八幡「…俺か?」
雪乃「あの件はどうなってるの?」
八幡「…」
結衣「あの件…あ…」
雪乃「私としてはあまり好ましくないのだけど」
八幡「好ましくないのかよ…」
雪乃「あ、あなたは奉仕部の備品なのだし…一応、心配する義務があるから」
結衣「ゆきのん~無理があるんじゃないかな…あはは」
雪乃「そちらはいいとして、相模さんとあまり親しくするのは」
結衣「さがみんか~」
八幡「向こうから近づいてきたんだからな?」
八幡「しかも謝罪の意味で…仲良くとかは違うぞ?どっから仲良いとか出てきた」
雪乃「あまり良い噂がたってないのよ。そうよね、由比ヶ浜さん?」
結衣「うん…さがみんの陰口が最近多いみたいで…」
八幡「あいつに陰口ね…まあ、カーストから転落したらそうなってもおかしくないよな」
結衣「さがみんも根は悪い子じゃないと思うんだけど…」
雪乃「私が上履きを隠された時…ああいうタイプの子がいたのは間違いないわ」
八幡「タイプで話すとかナンセンスだな」
雪乃「そうね、意味のないことだわ。ちょっと失言だったかもしれないわね」
八幡「いや、そこまでは言わねぇけど」
結衣「あの…えと、勉強始めようか、勉強…!」
八幡「お前から、その言葉出るとか…」
結衣「ヒッキー、それひど過ぎだしっ!」
チッチッチッ
雪乃「今日も特に依頼はないようね…」
結衣「じゃあさ、このくらいで終わりにする?」
八幡「じゃあ俺、先に帰ってもいいか?」
雪乃「…なにか用事?」
八幡「相模じゃないからな?小町と用事があるんだよ」
結衣「そっか~もうここの1年生だもんね~」
八幡「まあな、悪いけど先行くな」
雪乃「ええ、わかったわ」
結衣「ゆきのん、やっぱり心配?」
雪乃「比企谷くんは、相模さんに何をされたのか忘れているわけじゃないと思うけど」
雪乃「……」
結衣「また変なことにならないか心配なんだよね」
雪乃「そうね…」
校門前
小町「あ、お兄ちゃん、こっちだよ~」
八幡「おう、少し遅れたな」
小町「そだね、ちょっとポイントダウンかな?」
八幡「で、話ってなんだ?」
小町「うん、歩きながら話そ」
八幡「いいけど」
スタスタ
小町「そういえばさ、結衣さん達はどうしたの?」
八幡「ん?先に帰るって言っておいたぞ」
小町「そうなんだ、まいいか」
八幡「そういや、今日は生徒会で一色が奉仕部に来ないめずらしい日だった」
小町「一色さんか~、あの人お兄ちゃん目当てて来てると思うよ」
八幡「は?そんなわけないだろ…いや、ある意味そうか…」
小町「おっ?」
八幡「あいつ、生徒会長にされたこと根に持ってたからな…」
八幡「俺をからかったり、手伝わせたりする気まんまんだし」
小町「やっぱり、ごみぃちゃんだ…」
八幡(小町が一年になってから…いきなり一色と仲良くなってしまって…)
八幡(お兄ちゃん心配ですよ…)
八幡(まあ、なんとなく雰囲気というか性格というか共通してる部分はあるか)
八幡「それで?本題はなんなんだ?」
小町「あ、それだった。お兄ちゃんさ、最近耳にピアスした人とよくいるよね?」
八幡「よく見てるね、お前…」
小町「小町の見間違いじゃなければあれは…」
八幡「…相模だな」
小町「お兄ちゃんが泣かせた…」
八幡「人聞き悪いこと言うなよ…」
小町「あの人…最近、評判よくないんでしょ?」
八幡「お前のところにも言ってんの?」
小町「ちょっとね…例の2年生の噂は有名だもん」
八幡「俺のことね」
小町「でも、そっちよりも、相模さんの方が有名でさ…」
八幡「ふ~ん、意外とあいつ有名なのか。三浦ならわかるが」
小町「小町的にはちょっとだけ心配なわけですよ、なんか不肖の兄が巻き込まれないかって」
八幡「それってあれだよな?一緒にいる奴もいじめの対象になるってやつ?」
小町「うん、そんな感じ」
八幡「大丈夫だろ…別に仲良しでもないしな、それに…」
八幡「よく話す奴がいじめにあったからって、自分が離れたら、やってること一緒じゃねぇか」
小町「…さすが当事者は語る」
八幡「うるせぇ、それにここはいじめはないだろ…多分」
小町「ま、どうなんだろうね」
八幡「雪ノ下もそういうこと言ってたが、一緒に対象になることを懸念してたのかよ」
小町「それわかるよ…だってさ」
八幡「ん?」
小町「お兄ちゃん、去年からがんばって色々な人から認められてるって聞いてるし」
小町「相模さんにはひどいことされたんだし…」
八幡「……」
小町「相模さんの問題で、お兄ちゃんまで被害受ける必要なんかこれっぽっちもないよ…」
八幡「…被害って言ってもな…俺なんて影薄いし問題ねぇよ」
小町「自己犠牲って格好悪いと思うんだけどな~」
八幡「誰が自己犠牲だ」
小町「それにさ、今は心配してくれる人多いじゃん、お兄ちゃん…」
八幡「…」
小町「そのことも考えてくれたらな~って思うんだよね…」
八幡「それ言いたかったのかよ」
小町「今の話、小町的にポイント高いんじゃない?」
八幡「高いな…俺のシスコン度合いがまた上がってしまった…川崎弟への体罰も増えるな」
小町「ああ…とうとう名前でも呼ばなくなった……」
このくらいで終わっときます
すまん
いじめの対象になりそうなのが相模で巻き込まれるのがヒッキーだよね?
逆じゃないよね?
乙
>>35
そうですね
翌日
八幡「今日も朝から気だるい」
小町「うわぁ…負のオーラが」
八幡「…」
小町「じゃあ、お兄ちゃん。小町こっちだから」
八幡「ああ、またな」
相模「あれ、比企谷」
八幡「相模か、おう」
相模「おうって…おはよ」
相模「比企谷、今日とか時間ある?」
八幡「は?時間?なんで」
相模「どっか寄って帰らない?」
八幡「はあ?」
相模「うわ、ひど…普通に傷つくんだけど」
八幡「いや、唐突過ぎてな。どういうことだよ?なんで俺さそうの?」
相模「比企谷と遊びに行ったらどんな感じかなって思ってさ」
相模「去年、結衣と夏祭り行ってたでしょ?」
八幡「あん時か…そんなこともあったな」
相模「よかったら、うちと帰らない?」
八幡「部活後でいいか?」
相模「いいよ~待ってるって」
八幡「マジか…?」
休み時間
八幡「……」
ヒソヒソ
八幡(どうもクラスの奴が相模のこと話題にしてるっぽいな)
八幡(マジでいじめられてんのか?)
八幡(まあ、文化祭とか体育祭での失態についてはあれだし、メッキが剥がれるのは仕方ないが)
八幡(俺みたいな影が薄い奴じゃなくて、そこそこ名の知れた奴だから尚更か)
八幡(といっても、三浦とか海老名さんとかが同じ失態してもこうなるとは思えんけど)
八幡(地力の差ってやつか)
廊下
スタスタ
八幡「…あれ?相模…?」
ジャーーー
八幡「水道なんか出して何してんだ?…なんか洗ってるのか?」
ゴシゴシ
八幡「相模」
相模「え…?うわっ、比企谷…!」
八幡「そんな驚くことないだろ…こっちが驚いたわ…」
相模「ごめん…あはは~」
八幡「なにやってんだ?」
相模「あ~いや…なんでもないっていうか…」
八幡「……それ靴じゃね?お前のか?」
相模「まあ…」
八幡「落書きされてるように見えるが…」
相模「……」
八幡「やっぱりか」
相模「うちがあんまよくない噂立てられてるの知ってるよね?」
八幡「そうだな」
相模「それで、さっき下駄箱見たら、やられてた…」
八幡「また、ずいぶん古典的なことしてるな…まだそんな奴いんのか」
八幡「原因とかは心当たりあんのか?」
相模「そりゃ…原因って言ったら…去年のあれしかないじゃん」
八幡「ま、そうだろうな」
相模「…あのさ」
八幡「なんだよ?」
相模「比企谷にこういうこと言うのも変だけど…やられてみてわかるね…」
八幡「…やられてみて痛感したんなら、成長したんじゃねぇの?お前も」
相模「そうかな?よかったって言っていいのかな…たはは」
八幡「しかし、いまさら感があるな…誰がやったかは知らんけど」
相模「いや…ホントは結構前から噂されてた気がするよ、最近エスカレートしただけで」
八幡「直接的には当時の実行委員の連中が発信源だろうな」
相模「やっぱそうなのかな…?」
八幡「去年の俺の噂もお前が発信源だし、あんな感じだろ」
相模「うう…あの時はマジでごめん…」
八幡(おいおい相模かこいつ?大分へこんでるんだな…)
八幡「で、お前どうすんの?」
相模「これ綺麗にしたら行く。ていうか、このままじゃ靴履けないし乾燥もさせないと駄目だし」
八幡「ん、わかった」
八幡(おいおい、いじめかよ…しかも古典的…これまずいんじゃないか?)
放課後 部室
八幡「……」
雪乃「ここはこうなって…」
結衣「うんうん、さすがゆきのん、わかりやすいよっ」
八幡(…どうする?言うか、こいつらに?)
八幡(多分相模のあれはこれからも続くだろうしな…でも今の相模じゃ一人で解決は無理…)
八幡(あいつとは色々あったし、見て見ぬふりが一番だろうが…)
八幡(俺もあの手の嫌がらせの辛さはわかってるからな…)
八幡(しかも知り合いで、ほっとくってのも目覚めが悪いしな…あ~くそ)
いろは「先輩、さっきから何若干キョドってるんですか?もう色々不審者レベルなんですけど」
八幡「なんで一色がここにいるんだよ、お前には言われたくない」
いろは「もう~わたしも部員なんですから~いい加減認めてくださいよ!」バシバシ
八幡「痛いッ……」
雪乃「部員ではないけれど、まあそれはいいわ」
雪乃「比企谷くん、なにか言いたいことがあるの?」
八幡「…なんでそうなるんだ?」
雪乃「いえ、なんとなくそういう表情をしていたように見えたから」
八幡「いや、そんなことねぇよ」
雪乃「そう?なら、いいけれど」
いろは「あ、ところで先輩っ!」
八幡「今度はなんだよ…」
いろは「この前、相模先輩と一緒に歩いてましたよね?」
八幡「見てたのかよ…」
いろは「付き合ってるんですか~?」
結衣「…」
雪乃「…」
八幡「一緒に歩いてただけで付き合ってるとか…飛躍しすぎだっての」
いろは「それもそうですね」
八幡「納得するの早いな…」
いろは「でも、あの人やりますね。先輩に近づくとか」
八幡「あいつは謝りに来ただけだっての」
いろは「わたしは先輩に気があるんじゃないかなとか思いましたけど~」
八幡「なんでそう思うんだよ…」
いろは「なんていうか目?ですかね~先輩見てる目が違うっていうか」
八幡(そういえば、俺のこと見直したみたいなことは言ってたが…)
八幡「あるわけないだろ、そんなこと」
いろは「え~そうですか~?」
雪乃「ええそうね。そんなことあるわけないわ」
結衣「あたしもあってほしくないけど…」
八幡「おまえら…」
いろは「よかったですね、先輩~春がきてっ」バシバシ
八幡「痛いっての…!肩をバシバシ叩くな…」
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雪乃「さてと、今日はこんなところでいいかしら」
結衣「そうだねっ」
いろは「先輩たち大変ですね、勉強とか…ただでさえここは進学校なのに」
八幡「お前も来年必ず通る道だからな」
いろは「ちょっと憂鬱ですかね…」
八幡「誰でも通るし仕方ないだろ」
いろは「それはいいんですけど…」
いろは「来年は先輩も結衣先輩も雪ノ下先輩もいませんし…」
いろは「葉山先輩も戸部先輩や三浦先輩たちもいなくなっちゃいますし…ちょっとつまんないかなって」
八幡「そういうことかよ」
いろは「う~ん、どうしましょうか」
八幡「戸部だけでも留年させるか」
いろは「あ、いいですね、そうしましょう!」
結衣「ひどい二人とも…」
雪乃「えっと、鍵返してくるわね」
結衣「あたしも行くよ」
八幡「あ、俺用事あるから先いくわ」
雪乃「…用事?」
八幡「そこに反応すんな」
八幡(相模と待ち合わせとは言わない方がよさそうだな…)
いろは「…じゃあ、わたしと行きましょ、先輩」グイ
八幡「え…お、おい…」
いろは「それではまた~さよなら~」
結衣「あ、行っちゃった…」
雪乃「まったく…しょうがないわね」
いろは「いや~あぶなかったですね」
八幡「どういうつもりだよ…」
いろは「なんとなく先輩が言いにくそうにしてたんで、助けてあげたんですよ」
八幡「それか…ま、ありがとな」
いろは「先輩、今日素直ですね、ちょっとトキメキました」
八幡「あっそ」
いろは「軽いですね…」
相模「…」
八幡「相模…どうしたんだ?」
相模「え…?あ、比企谷…」
いろは「下駄箱でどうしたんですかって…あれ?」
八幡「そこお前の下駄箱だろ?」
相模「……」
いろは「落書きされてますね…思いっきり」
八幡「…お前」
相模「あはははは…まさかここまでされるとはね~意外だったわ…」
いろは「噂の件ですかね、これって」
八幡「お前も知ってるのな」
いろは「はい、まあ」
相模「これ、なかなか消えなくってさ…ははは、消すの大変で」
八幡(こいつ気丈に振る舞ってるけど…震えてるな)
いろは「でも自業自得なんじゃないですか~?」
いろは「先輩に対してもあんなことしたわけですし」
八幡「おい、今言うことじゃねぇだろ…」
いろは「今言わなくていつ言うんですか~?」
いろは「それに…わたしも生徒会長になる前にこんなことありましたし」
八幡「あのときか…」
いろは「自分作って愛想振りまきすぎた結果でしたけど…友達からも言われましたよ…」
八幡「…」
相模「なんかごめん…うちも自業自得って思ってる…それは思ってるんだけど…」
相模「でもさ…やっぱさ…これきついよ…」
相模「うちの味方誰もいなくなったし……」
八幡「あいつらと仲違いしてるのはそういうことか…」
相模「うん…うちといると怖いってことで…離れていった…」
八幡「で、反省して俺のところに誤りに来たってことか」
相模「ごめん…」
八幡「謝る必要はないけどな」
相模「比企谷に謝りたかったのは本心だけど…やっぱりぼっちから解放されたいっていうのもあったかな…」
八幡「……」
いろは「で、どうするんですか?」
八幡「どうって言われてもな…ここまできたんだし、なんとかするしかないだろ」
相模「比企谷…」
いろは「先輩一人でですか~?」
八幡「あいつらには言えないしな…」
雪乃「なにが言えないのかしら?」
八幡「え…?あ…」
いろは「あ~あ、聞かれちゃってますよ~」
相模「あ…雪ノ下さん…」
八幡「聞いてたよな…?」
雪乃「私たちは鍵を返しに行っていただけよ?」
結衣「靴箱のところで話してたら聞こえるよ…」
八幡「そりゃそうだな」
雪乃「ふう、ごめんなさい相模さん。話は聞いてしまったわ」
相模「いえ…そんな…」
結衣「さがみん…」
雪乃「こういった行為は私としても腹立たしく思うわ」
相模「え?」
八幡「雪ノ下?」
雪乃「相模さん、もしもあなたが比企谷くんに助けを求めるのなら…」
雪乃「私も手伝わせてもらえないかしら」
結衣「あ、あたしも~!」
相模「え?え?でも…うちは…」
雪乃「あなたが比企谷くんにしたことを許すというわけではないわ」
雪乃「でもそれであなたがいじめにあっていいということにはならないもの」
雪乃「噂話程度ならまだしも、こういう露骨なものは特にね」
相模「雪ノ下さん…」
八幡「昔お前も上履隠されたりしてたんだろ?」
雪乃「そういうことを今言うなんて、どういうつもりかしら?」
八幡「なんでもねぇよ」
結衣「さがみん、どうかな?」
相模「結衣…うちは…えっと」
いろは「早く言ってくださいよ~相模先輩に待つ時間とかあまりないんですよ~?
八幡「追い詰めるね、お前…」
相模「わかってる…もう答えは一つだけどさ…」
相模「…」
相模「ごめんなさい、どのツラ下げてって感じだけど…た、助けてください…!」ペコ
相模「比企谷に同じことした、うちなんかが決して言えることじゃないんだけど…このままだと…」
相模「学校に行くのも怖くなりそうだから…!」
雪乃「わかりました、私たちができる限りサポートします」
八幡「結局協力してくれるのかよ、あれだけ言っておいて…相模のこと」
雪乃「あなた一人に任せるわけにはいかないからよ」
結衣「ヒッキーに任せたら、また自己犠牲で解決しそうだしっ」
いろは「先輩、それが格好いいとか思ってません?」
八幡「思うか、バカ」
いろは「バカってなんですか~」
相模「みんな…ほんとに…ありがとう……ほんとに…」
雪乃「さて、じゃあ対策の話に移りましょうか」
いろは「ここで話するんですか~?」
結衣「ここじゃなんだし、サイゼにでも行こうか」
八幡「ま、そっちの方がいいわな」
サイゼ
相模「は~~~」
八幡「なんだ、どうしたんだよ?」
相模「なんか新鮮っていうか…」
八幡「ま、そりゃ新鮮じゃね?」
相模「いや、比企谷やっぱりあんた凄いよね」
八幡「はあ?どうも…」
いろは「なに二人だけの会話みないなのしてるんですかね~?」
結衣「ヒッキー…」
八幡「な、なんだよ…怖いよ、なんか…」
雪乃「それはいいわ。本題に入りましょう」
八幡「どうやって相模のいじめを解消するか、だよな」
結衣「どうしよっか…」
雪乃「やり方はシンプルに越したことはないわ、現場で取り押さえるということでいきましょう」
いろは「うわ~直球ですね…」
雪乃「あとは罵声を浴びせつつ…どうしようかしら?」
八幡「待て、一つ一つ潰していくのか?」
雪乃「そうだけど…ダメかしら?」
八幡「それもいいけど時間がかかる。噂を鎮めるくらいの何かがあればいいんだろ?」
相模「噂を鎮める…?」
雪乃「そうだけど、具体的には?」
八幡「葉山グループを敵に回すぞってことにすればいい」
いろは「うわ…思いっきり人任せですね、先輩…」
八幡「自己犠牲すんなって言っておいて次はそれかよ…」
雪乃「それだと、彼らの許可も必要だけれど…」
結衣「あ、それは大丈夫だと思うよ」
八幡「マジか?いけそうか?」
結衣「優美子や隼人くんも言ってたもん、ヒッキー達には感謝してるって」
結衣「きっと協力してくれるよ」
八幡「あいつらがね…」
相模「あ、あの…それで…大丈夫なのかな…?」
雪乃「不安かしら?」
相模「そうじゃないけど……うちが言えることは何もないけど…」
相模「三浦さん達とも協力するんだよね?」
八幡「まあな…ていうか、そっちは気まずいか?」
相模「少しだけ…で、でも大丈夫がんばります」
雪乃「そう、よかったわ」
結衣「じゃあ明日早速、優美子達に言ってみるね」
雪乃「ええ、お願いできるかしら?」
結衣「任せて」
それからしばらくして……
相模「比企谷、おはよ」
八幡「おう」
相模「おうって…それ挨拶じゃないしさ…」
八幡「どうでもいいだろ」
相模「ま、いいけど…」
靴箱
相模「ほっ、今日もいたずらされてないみたい」
八幡「ビビり過ぎだっての」
相模「やっぱりまだ怖いんだってば」
八幡「いや、雪ノ下たちと現場押さえたし大丈夫だろ」
相模「あの時の雪ノ下さんの剣幕怖すぎなんだけど…」
八幡「あいつも色々されてきたらしいからな…」
相模「うん…だから嬉しかった…なんかイメージ変わったかも」
八幡「いや、イメージ通りだと思うけどなあいつは」
相模「今の雪ノ下さんに報告しとくわ」
八幡「やめろ…」
八幡(結論から言って作戦は簡単に終わった)
八幡(まあ、こんな古典的なことする奴らだから大した連中でもないと思ってたが)
八幡(実際やってたのは女子グループの数人程度、葉山の名前出すまでもなかった)
八幡(雪ノ下にビビりまくりだったしな、由比ヶ浜も控えてたし)
八幡(あとなんか俺にもビビってましたよ?あれですか?去年の文化祭みたいなことされるとか思ったのか?)
相模「なんかうちの存在忘れられるくらいに雪ノ下さんが目立っちゃったよね…」
八幡「あの現場取り押さえた時の罵倒が噂になってるからな」
相模「まだクラスでは噂されてるけど…そっちはうちがなんとかする」
八幡「あぶなくなったら言えよ?今度こそ完膚無きにまでって、雪ノ下も言ってたし」
相模「それ頼もしいけど怖いってば…」
相模「でも……ありがとう」
相模「ほんとに…」
八幡「礼言われることなんかしてねぇよ」
相模「言うと思った」
八幡「あと、礼言いたいなら奉仕部に来て、雪ノ下たちに言ってくれ」
相模「わかった、心の準備整えてから必ず行く」
八幡「心の準備なんて必要か?なんの準備だよ」
相模「いや、ライバル多いしね。雪ノ下さんと結衣と…あと生徒会長も?」
八幡「はあ?ライバル…てお前…バカそんなもんじゃねぇよ…なに言ってんだ」
相模「あれ気づいた?ま、いいけど~」
八幡「やめろよ…けっこう悶えたくなることとか色々あったんだからな」
相模「え?なに?聞かせてよ」
八幡「バカ言うな…」
小町「一色さん、やっはろーです!」
いろは「あ、小町ちゃん、やっはろ~!」
八幡「な…あいつら…これはいかん…小町が腐っていくのは」
相模「え、どうしたん?」
八幡「すまんが相模、話はまた今度だ。俺は妹を助けに行かないと駄目だからな」
相模「なにそれ?」
八幡「とにかく、またなっ」
相模「あ、比企谷、待って」
八幡「ん?なんだよ…?」
チュ
八幡「……は?」
相模「へへ~お礼。じゃ、またね」スタスタ
八幡「お、おい…こんな公衆の面前で…」
スタスタ
相模「うわ~~~しちゃったし、キスしちゃったし…!」
相模「いや、別にキスして照れる年齢でもないけどさ…あんな場所で…」
相模「大丈夫かな…?ちゃんと比企谷と教室で顔合わせられるかな?」
相模「でも、奉仕部にも行く必要あるし…こんなことで恥ずかしがってられないね」
教室 ガラガラ
相模「……」(なんか視線感じる…)
ヒソヒソ ヒソヒソ
相模「また、噂か…ちょっとはマシになってるけど…」
相模「比企谷に迷惑や助け乞うばかりじゃないってこと見せないとね」
相模「よしっ」
スタスタ
相模「ねえ、あんたらさ…いい加減にしてほしいんだけど?」
おわり
終わりました、ありがとうございます
すみません…HTML依頼出してしまいました
続き書くにしても別スレにしてみますね
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