【安価】陽乃「優しい欺瞞に満ちた世界」【コンマ】 (30)

選択式ADVのような何か
コンマは判定用
好感度パラメーターは適宜更新公開予定
ヒロイン→八幡のパラメータはキャラ毎に違います
ぼっちメーター有(初期値50)
メータ100で強制ぼっちEND
メーター0で更生END
※メータ量により選択岐増減
予定ヒロイン
雪乃
結衣
いろは
三浦
折本
陽乃
姫菜

下に行くほど難易度高

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#0プロローグ

求めたのは何だったのだろうか

確かに俺はそれを求めていた

形容しがたい何かを俺は求めていた

一度は失ってしまった何か

彼女達が求めたモノ

俺が求めたモノ

その答えはそれぞれが違っていて決して重なり合うことはないのかもしれない

それでも俺は……求め続けていたんだ

八幡「……なんでこんなに人がいるんだ」

陽乃「ひゃっはろー」

いろは「遅いですよー先輩」

雪乃「本当にね。さっさと帰ってくれないかしら」

結衣「ま、まぁまぁゆきのん」

陽乃「ひどーい。実の妹なのにこんな事言ってくるよー比企谷くんー」

八幡(本当に何でいるんですかねぇ……)

いろは「うー送辞の原稿が終わらないんですよー」

八幡(こっちはこっちで何で終わってないんですかね。それかなり前に平塚先制に釘を刺されてなかったか?何してんの本当に)

雪乃「……だからと言ってここでやる必要はないんじゃないかしら?」

いろは「あ、あははー。ほら。ちょっと生徒会室じゃやりづらいっていうか何て言いますかぁ……それにここならもしかしたらどんな事を書けばいいかヒントを貰えるかなぁーなんて……紅茶も美味しいですし」

八幡(その両手の指を合わせるのはあざといから辞めろ?すげー可愛いから。小町とかよくそんな風にポーズとってお願いしてきたよ。何であんなに可愛いんですかねぇ)

雪乃「貴女ねぇ……」

いろは「ま、真面目にやりますから!」

陽乃「やーん。雪乃ちゃんこわーい」

雪乃「姉さんはさっさと出てって頂戴」

陽乃「助けてー比企谷くん」

八幡「……何でここ最近よく部室に来るんすか」

陽乃「んー母さんから雪乃ちゃんから目を離すなーって言われてるしねー」

八幡(だからって度が過ぎているように見える。目を離すなと言われてるのは本当なのかもしれないがそれとは違う何かの意図があるんだろう)

陽乃「まぁまぁ、仲良くしようよ。比企谷くん」

雪乃「……近いわよ。姉さん。離れなさい」

陽乃「あら?羨ましい?」

雪乃「そんな訳ないでしょう。風紀上の問題で指摘したまでよ」

八幡「ほら、大人しく離れてください」

陽乃「ちぇー」

八幡「……はぁ」


ここ最近雪ノ下陽乃はよく部室に来るようになった

部室に来ては雪ノ下をおちょくるような発言をしたり由比ヶ浜と話をしていたりする

何がしたいかは謎だ

その話題を持ち出すと彼女は何時も意味深な微笑みと共に話題を逸らしていく

いろは「はぁ……卒業式の後はまたすぐ入学式もあるんですよねぇ……祝辞もやらないとですねぇ……」

結衣「でもその前に春休みもあるよー」

いろは「それはそうなんですけどねぇ……ああ、そういえば先輩の妹さんって総武を受けたんでしたっけ」

八幡「……ああ、無事に合格したぞ」

いろは「じゃあもうすぐ会えるかもしれないですねー。その先輩が溺愛している小町ちゃんに」

八幡「お前に合わせるととんでもない事になりそうで怖いから却下だ」

八幡(これ以上小町があざとくなってしまったらお兄ちゃん困る)

いろは「ほんとこの先輩は酷いですねぇ」

結衣「ヒッキー小町ちゃんの事になると本気だもんねぇ」

八幡「当たり前だ」

結衣「即答で認めちゃうんだ!?どんだけ好きなのさ!」

八幡「戸塚を超えるぞ……いや。戸塚の方が……いや、小町……いや戸塚も」

結衣「彩ちゃんがそんだけ好きってのはわかったよ!?」

陽乃「ああ、そうだ」

最近何かがおかしい

前兆のような物もなかったと思う

だがそれは唐突に起こった

陽乃「ねぇねぇ比企谷くん」

雪乃「姉さんさっさと出てってくれないかしら」

八幡「……何ですか?」

この人が俺に何かを言う時は大抵良くないことが多いんだが……

また何か厄介の種を持ってきたのかと警戒をしたのだが

陽乃「比企谷くんのタイプって年上?年下?それとも同い年?」

八幡「……はい?」

拍子抜けした

……だが何故か部室の空気は明らかに凍りついた

いろは「年下ですよね?」

陽乃「年上かなぁ?」ニコニコ

雪乃「同い年よ」

結衣「うんうん!絶対同い年だと思う!てか年下だと絶対小町ちゃんに走るから駄目!」

いろは「……やっぱ先輩ってそういう人だったんですか。ドン引きですキモいです」

八幡(いや確かに小町を選べるというなら俺は間違いなく小町を選ぶ。と言うかそれしか見えないまであるが)

八幡「勝手に変な話を持ち出して決め付けるな」

陽乃「ふーん。お姉さんすっごく興味あるんだけどなぁ。ねぇ?雪乃ちゃん?」

雪乃「……わ、私は別に比企谷くんがあまりに度が過ぎる嗜好で捕まらないかが心配なだけよ」

八幡(心配しながら凄く失礼な事をいっているぞ雪ノ下)

結衣「あ、あたしは……興味ある……かも?」

八幡(どうしてそんなモジモジしながら聞いてくるんですか。ここでこそお前の何時ものアホのノリと突っ込みで話を流すところだろうが)

いろは「で!先輩どうなんですか!」ズイッ

八幡「近い近い近い」

陽乃「ふふ」

八幡(今度は何を考えてるんだこの人は……)

#1こうして彼ら彼女らの間違った話が始まる

部室

雪乃「こんにちは」

八幡「うす」

八幡「……由比ヶ浜は今日は三浦達と外に出るそうだ」

雪乃「ええ。メールが来ていたわ」

八幡「そうか」

八幡(俺が言うまでもないか)

雪乃「……紅茶を淹れるわね」

八幡「……悪い」

雪乃「いいえ」

雪乃「……」チラ

八幡「……」

雪乃「……」

八幡「……どうした?」

雪乃「い、いえ」

八幡(それは何かあったと言ってるようなもんだぞ雪ノ下。……それにしてもどうも歯切れが悪いな。何時もならズバズバ言う癖に)

八幡「何か聞きたいことでもあるのか?」

雪乃「そ、その……昨日の」

八幡「昨日?」

雪乃「あなたの……」

いろは「先輩助けてくださいーーー!」ガラガラ

雪乃「……っ」

八幡「送辞ぐらいは自分で書け……前年とかの参考にしろよ。今はネットだってあるんだぞ」

いろは「いや、それじゃなくてですね」

八幡「……今度は一体何なんだ」

いろは「その……」チラ

八幡「……?」

雪乃「……私は席を外したほうがいいかしら?」

いろは「いや、そういうんじゃ無いんですけど」

八幡「……」

雪乃「……」

いや、俺を見られてもな……

さて、どう考えても面倒な事になってそうだ

安価下1

1依頼ならここで聞く
2雪ノ下に席を外してもらう


八幡「……はぁ。外行くぞ」

いろは「え?あ、はい」

八幡(流石に雪ノ下を追い出すのは気が引ける。もうすぐ春とは言えまだ外は寒いしな。依頼をしてきたコイツが外に出ることは何も問題ないだろう)

八幡「……すこしだけ行ってくる」

雪乃「……ええ」

ほんの少しだけ雪ノ下は寂しそうに見えた

もしかしたら何故ここで聞かなかったのかと責めているのかもしれない

八幡(だが一色のあの感じ。雪ノ下に聞かせるのは戸惑う内容なのか。それとも余り公にしてはマズイ代物か)


廊下

八幡「……コーヒーでいいか?」

いろは「え?何ですか。さらっと気が利くアピールですかあざとすぎます。でもごめんなさい。でも頂きます。ありがとうございます」

八幡「……ほんといい性格してる」

いろは「私甘いのがいいです」

八幡(ほう。こいつも千葉の魅力を分かっていたのか。やっぱマッ缶だよな?)

俺は迷いなくマックスコーヒーを選ぶ

……と同時に後ろからうげぇと声が漏れた

え?マッ缶じゃだめなの?さっきの俺のお前への気持ち返して

少々考えながらUGGのコーヒーを買って手渡した

いろは「先輩ってそんなに甘党でしたっけ?」

八幡「何で?」

いろは「いえ、以前はブラックを飲んでいたんで」

八幡(意外とよく見ているんだな)

八幡「まぁ……たまにはブラックも飲みたくなるんだよ」

結局俺は曖昧に話を切り上げた

いろは「はぁ……てっきりブラック飲んでる俺まじ大人ってアピールしてたのかと考えちゃいました」

八幡「そんな事するか。……それでお前の話って?」

いろは「……それが……昨日」

八幡「……昨日?」

いろは「三浦先輩が葉山先輩に告白しちゃいまして……」

八幡「……は?」

いろは「それで……まぁ振られちゃったんですよね。三浦先輩」

八幡「……そうか」

意外……そう最初に思った

三浦は長いこと葉山との関係が停滞していた

むしろ三浦も葉山もその関係を維持していく事に重きを置いていた

それが何故このタイミングで

何かが起きるとしてもホワイトデーのときだと思ってたんだが

八幡「……で、お前は何を助けて欲しいって言ったんだよ」

三浦抜きに一色の立場から考えればある意味最大のライバルが消えたということにもなる

八幡「……告白の手助けとかなら俺は何もできないぞ」

いろは「は?何言ってるんですか」

八幡「お前その冷たい声音だすのやめろよ。まじで怖いから」

いろは「いや。先輩が悪いですよ。そもそも告白ぐらい自分ひとりでやりますよ、それは私の気持ちでほかの人が手助けするものじゃないと思います」

八幡「……そうか」

いろは「まぁ困ってるのはですね。三浦先輩と葉山先輩が気まずくなってしまうじゃないですか?」

八幡「……そうかもしれないな」

いろは「それで今の関係が壊れちゃうんじゃないかって思ってですね」

八幡「それは……」

いろは「まぁ……私もその……ちょっとだけ気まずかったですし……ちょっとだけですけど」モジモジ

いろは「べ、別にいいんですけどね?強力なライバルが減ってくれるのは大歓迎なんですけど……」

いろは「ただ……私はこれまでの関係も好きっていいますか……なんていうか……」

彼女もまた……気に入っていたのか

三浦がいて葉山がいて。由比ヶ浜や海老名さんがいて……そこにおまけで戸部をつけてもいい

そんな中で葉山を取り合って睨み合うのが好きだったと

八幡(……女ってのは怖い)

八幡「それでさっきは何で部室で言うのを躊躇ったんだ?」

いろは「だ、だって雪ノ下先輩はこんな時バッサリと切り捨てるタイプじゃないですかー」

まぁ……確かにそうかもしれない

いろは「それに雪ノ下先輩と三浦先輩って相性が悪いみたいですし」

それはあるかもな

八幡「……だが、あいつらの関係の変化について口出す権利は俺にはないぞ」

八幡(それは勿論雪ノ下にも……きっと由比ヶ浜でさえも)

いろは「結衣先輩ならって思ったんですけど……」

八幡「生憎今日は三浦と……」

おそらく今頃由比ヶ浜は三浦を気遣ってあれやこれやをやっているのだろう

いろは「そうですか……」

八幡「一応……今の話は心に留めてはおく。何が出来るわけでもないと思うけど」

いろは「はい。すいません」

八幡「ああ。さっさと戻って送辞書いとけ。本当に平塚先生にドヤされるぞ」

いろは「平塚先生って時々凄い怖いですよね」

八幡「ああ。そのうえ俺にはたまに正拳が飛んでくる」

いろは「うへぇ……」

そうなりたくなければ頑張ってくれ。そう言って一色と別れた



部室

八幡「ただいま」

雪乃「おかえりなさい」

八幡「ん。まぁ少し遅くなったか?」

雪乃「それほど掛かってないわよ」

八幡「……そうか」

雪乃「ええ。おかわり、いるかしら?」

八幡「……いや、さっき飲んできたから」

雪乃「……そう」

そんな顔されたら困るだろ……

八幡「……と、思ったけど……喉が渇いたから貰えるか?」

雪乃「……ええ。仕方ないわね」クス

八幡(どうしたものか……)

安価下1

1雪ノ下に事の顛末を話す
2まだ時期ではない。報告は後にする


紅茶を差し出してきた雪ノ下はその後黙ったままだ

読書をしているかと思えば時折こっちの様子を伺っている

八幡(一色はああ言っていたが……)

こと恋愛に関する相談……

特に今回の事はあの時の事に似ている

修学旅行……

俺はあの時のやり方を目の前の人物

そして今別のやり方で何かをしている由比ヶ浜に否定されてしまっている

あの時と今では状況が違う

同じ事をしないように俺は彼女に最低限の話はしなければいけないだろう

八幡「……雪ノ下」

雪乃「何かしら」

八幡「一色からの話を聞いてくれるか?」

雪乃「……」

八幡「……なんでそんな呆けた顔するんだ」

雪乃「……少し……いえかなり意外だったのよ」

そんな事を言われては俺もなんだかばつが悪くなる

雪乃「聞くわ」

八幡「……じつは」

俺は一色からの話を頭で整理しながら雪ノ下に伝えていった


雪乃「……なるほどね」

八幡「……」

雪乃「三浦さんには今由比ヶ浜さんがついてるし……私たちは今後どうするかを考えましょうか」

八幡「引き受けるのか」

雪乃「え?」

八幡「いや。何でもない」

俺も一色と同じで雪ノ下は否定的な意見を言うと思っていた

……少なくとも出会った当初の彼女なら一蹴していたと思う

雪乃「そう?……と言っても私も答えなんて見つかっていないのだけどね」

また、珍しい発言だと思った

雪ノ下雪乃がこのような発言をするとは

物思いにふける彼女の瞳は何を見つめているのだろうか

告白による関係性の変化

はたして、それは彼女彼だけの問題なのだろうか……

頭の片隅に芽生えた疑問を振り払うように俺は口を開いた

八幡「まぁ……深く考えるのは明日由比ヶ浜と話を聞いてからの方がいいだろ」


そう。自分に言い聞かせるように話題を逸した

雪乃「そう、ね」

彼女も歯切れ悪く俯いた


俺たちは黙って読書に戻っていくのであった


ぼっちメータが2減った
いろはの好感度が少し上がった

移動先
コンマ下1下桁
1.3.5.6.8自宅
その他なら廊下イベント


八幡「ただいま」

小町「あ、おかえりーお兄ちゃん」

八幡「おう」

小町「ご飯にする?お風呂にする?それともこ・ま・ち?」

うげぇとゲンナリするテンションで迫ってくるが今までの受験でのストレスを思いっきり発散しているのだと思えば無下にはできまい

俺は勿論

安価下1

1.小町とご飯を食べさせあいっこ
2.小町とお風呂
3.小町しかありえない


八幡「勿論小町だな」

むしろ小町しかありえない

愛してるぜ小町

小町「だ、駄目だよ……お兄ちゃん……」

もじもじと身体を捩りつつ少し火照って顔で俺を見上げる小町

小町「でも……お兄ちゃんがどうしてもって言うなら……」

いいよ?そう目で訴えかけてくる

八幡「ああ。任せろ」

小町「じゃあ、これお願いね♪」

八幡「……これは……」

小町「お使い」

八幡「お兄ちゃんショックだ」

小町「何いってんのお兄ちゃん」

八幡「はぁ……まぁ仕方ないか」

小町のお願いは聞いてやらないとな

小町「じゃ。小町も行くし準備しよー」

八幡「何だ。小町も来るのか?」

小町「うん。お兄ちゃんだけだと変な物も買っちゃうし」

八幡「そんな事はないぞ」

小町「まぁまぁ。久しぶりにお兄ちゃんと出かけたいの。あ、今の小町的にポイントたかい!」

八幡「その発言さえなければ本当に高いのにな」

小町「てへ」

八幡(あざとい。一色に余計似てきている。やめてよね?ほんとに。お兄ちゃん的にポイント低い)

八幡「じゃあ行くか」

小町「うん」

小町「もうすぐ入学かー」

八幡「……ああ」

小町「今度からはお兄ちゃんの後ろで楽ちんだなぁ」

八幡「……近くで下ろすけどな」

小町「まーたお兄ちゃんはそうやって私を気遣う」

八幡「そりゃ小町だし」

小町「その気遣いをほかの人に回してあげて欲しいよ……」

八幡「……」ポリポリ

小町「んっ」

小町がスッと手を出してくる

八幡「……」

その手を握り二人で歩いていく

いつかしたその時のように

小町「お兄ちゃんはまだ家を出る決意をしてないんだよねぇ」

八幡「……まぁな」

小町「本当にお兄ちゃんだなぁ」



翌日

八幡「さてと」

今日あたり由比ヶ浜に話を聞けるといいんだが……

もしかしたら今日も由比ヶ浜は三浦に付いていて来ないかもしれないな

話を聞くなら放課後になる前早の方がいいか……

小町「おはよーお兄ちゃん」

八幡「おはよ」

小町「かーくんもおはよー」

八幡「早いな」

小町「うんーたまたまね」

八幡「そうか」

小町「折角なので愛しの兄を見送ろうかと思ってね」

八幡「……何を買って来いと?」

小町「やだもーお兄ちゃん話が早くて助かるー」

こういう時はさっさと要件を聞いてしまって了承してしまう方が時間も取られない

それにどう足掻いても結局小町の頼みなら聞くしかない。喜んで聞くまである

小町「えっとねー日用品とうどんスープとー」

とは言え何も言わずにというのは兄の立場から考えても駄目な気もする

こんな風に人を顎で使う人にはなっちゃいけないんだよ小町

将来立派な上司になっちゃうから!

八幡「昨日は俺が一人で行くと変なものを買ってくるとか言ったくせに」

小町「昨日は昨日。今日は今日なんだよ!お兄ちゃん!」

そんな言い切られたら一瞬こっちがまちがっているように感じてしまったが明らかに向こうのほうが間違っているよな?

八幡「……わかったよ」

何を言われようが俺は、はいと答えるしかないのだ

行き先コンマ下1
0.4.6.8学校
その他バス停

素で川なんとかさんは書き忘れてた
めぐり先輩は卒業の時期的に尺が足りないと判断


学校

戸塚「あ、おはよう。八幡」

八幡「ああ。おはよう戸塚。朝練か?」

戸塚「うん。ちょっとだけね」

ジャージ姿で校門近くを走っていた戸塚がこちらに声をかけてくる

八幡「ご苦労さん。テニス部頑張ってるんだな」

戸塚「うん。でも僕たちだけじゃないよ?サッカー部とかバスケ部とかも朝練してるし」

八幡「サッカー部か」

戸塚「うん。葉山くんとかはとくに凄いって話題になってたよ?」

八幡「そうか。あいつらしいな」

もしかしたら朝練の最中に捕まえることも出来るかもしれない

そう考えが浮かんだがすぐに頭から除外する

わざわざ朝練しているのに邪魔をする事もないだろう

それに朝から葉山と顔を合わせて会話なんて俺も葉山もいい気分じゃないだろう

戸塚「八幡?」

八幡「いや。朝練の邪魔して悪かったな。走り込み頑張れよ」

戸塚「うん。ありがとう。また教室でね」


朝練か……

声はかけなくても様子を見ることはできるか

俺の足は勝手にグラウンドに向かっていた


葉山「ボール回せ!戸部!」

戸部「隼人くん!」


グラウンドで激しいボールの奪い合いをしていた

当然のように中心で動いているのは葉山だ

慌ただしく動くチームメンバーに次々と指示を出している

素人目だがその動きに乱れは無いように見える

少なくとも何かを気にしているような。そんな感じは見られない

そもそも葉山が変になることなど周りが認めない

周りが認めないならあいつは何時も通りの皆の葉山隼人を演じきる

八幡「……」

無駄足だと悟り教室に向かおうとする俺の視界の隅に影が映った

三浦「……」

今、彼女は何を思っているのだろうか

何時もと変わらない彼を見て

まるで何事も無かったかのように見る彼を見て---

彼を見る彼女の顔は見れない

ただ、ひっそりとグラウンドの隅から見つめている


八幡「……」


安価下1

1.その姿が他人事とは思えなかった
2.その姿を尻目に進む

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