八幡「一色いろはを慰めることになった」 (48)


いろは「先輩、ちゃんとその荷物運んでくださいよ~」

八幡「いやいや、なんで生徒会の仕事を俺は手伝ってんの?」

いろは「それは、わたしを会長にした責任というやつですね」

八幡「その発言いい加減に時効にしない?」

いろは「だめです。あと、3年生になったんですから時間あるじゃないですか」

八幡「いや、受験控えてるしむしろないんだが…」


いろは「は~い、このこの教室に入れておいてくださいね」

八幡「聞いてないな…」

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いろは「奉仕部とか、3年になっても活動してるんですか?」

八幡「してないが…依頼は時々きてるぞ」

いろは「ああ、そういえばこの前来てましたね」

八幡「一色が知ってる時点でなんかおかしいけどね」

いろは「でも引退とかじゃ?」


八幡「普段は受験勉強してるな…由比ヶ浜とか気合い入ってるぞ」

いろは「結衣先輩が、そうなんですか」

スタスタスタ

八幡「ん?あれは…」

いろは「どうしたんですか?って…葉山先輩?」

八幡「みたいだな…校舎裏だぞ、この先は」

いろは「はは~ん、わかりましたよ」


八幡「なにが?」

いろは「葉山先輩、呼び出されたんですよ」

八幡「校舎裏でボコボコにされるのか」

いろは「違います~葉山先輩は恨まれるような人じゃないです、先輩と違って!」

八幡「わかってますよ、てことは告白の方か」

いろは「よ~し、覗いちゃいましょうか!」

八幡「…覗くの?お前的には微妙じゃねぇのか?」

いろは「大丈夫ですよ、葉山先輩断るに決まってますし」

八幡「…」

いろは「ほら、行きましょ、先輩!」

八幡「本当に行くのかよ…」



いろは「えっと…あ、あそこですね…」

八幡「見えるか?」

いろは「はい、声も聞こえそうですね…」

八幡「相手もいるのか…?」

いろは「はい…ただ…」

八幡「ただなんだよ…?」

いろは「葉山先輩を呼び出したの、三浦先輩みたいです」

八幡「三浦か…」(なんか嫌な予感が…)

いろは「…」

葉山「優美子、用っていうのはなにかな?」

三浦「隼人…多分さ、ここに呼び出した時点で察しはついてるだろうけど」

葉山「…」

三浦「あーしさ、隼人が好き…だから、付き合ってくれないかな…?」

葉山「優美子……」

三浦「……」

葉山「ありがとう、うれしいよ」

三浦「…」

葉山「わかった、俺でよければ付き合おうか」

三浦「え…?ほ、ホントに…!?」

葉山「ああ、俺も君のことは好きだからね」

三浦「は、隼人……」

いろは「……」

八幡「……はあ」

いろは「あ……」


八幡「おい、一色…」

いろは「せ、せんぱい……?」

八幡「まあ、その…元気出せよ…て」

いろは「あ…あ…」ポロポロポロ

八幡「お、おい…泣くなよ…こんなところで…」

いろは「せ、先輩~~~」ダキ

八幡「おい、一色…これは色々まずいからな?とりあえず、落ち着け…」

別の場所

いろは「…」ヒック ヒック

八幡「…落ち着いたか?」

いろは「……はい」

八幡「俺が言えることじゃないが…」

いろは「なんですか?」

八幡「お前、まだ葉山のこと諦めてなかったんだな」

いろは「それは……わかりません」

八幡(しかし、三浦の告白に葉山がOK出すなんてな)

八幡(ちょっと意外だった…でも、それが普通か?)

いろは「自分でも驚いてるんです…まさか、涙出てくるなんて…」

いろは「だってわたしは…」

八幡「ん?」

いろは「なんでもないです」


八幡「そうか…今日奉仕部来るか?」

いろは「え…?どういうことですか…?」

八幡「雪ノ下や由比ヶ浜と話せば、気分も変わるだろ」

いろは「先輩…気を遣ってくれてるんですか?」

八幡「…まるで俺が気を遣わないみたいな言い方だな」

いろは「そんなことないです、ありがとうございます」

八幡(あれ?そこはもっと蔑む言葉が来るところじゃないですかね?)

八幡(そんな素直な言葉が、一色から帰ってきたら…)

八幡「……調子狂うな…」


いろは「え?なにか言いました?」

八幡「いや、なんでも」

放課後 奉仕部

八幡「うーす」ガラガラ

結衣「あ、ヒッキー、やっはろー!」

雪乃「こんにちは、比企谷くん」

八幡「おう、二人共早いな」


雪乃「そういえば…」

結衣「なに?ゆきのん」

雪乃「あなた達は二人で来ないのね」

八幡「俺と由比ヶ浜か?」

雪乃「以前は来ていたでしょ?」

八幡「2年の時だろ、それ」

結衣「違うクラスになっちゃったしね」

八幡「別々に来た方が、節約っていうか」

八幡「わざわざ待ち合わせてもな…」

結衣「む…!」

雪乃「くす」

結衣「ゆ、ゆきのん……!」

八幡「ん?なんだよ…?」

結衣「え?あ、なんでもないよ!」

ガラガラ

いろは「あ、あの~…こんにちは」

雪乃「……こんにちは」

結衣「えっ…えっと…」

八幡(あからさまに遠慮気味だな…いままでの元気さはどこへいった)

八幡(雪ノ下も由比ヶ浜も驚いてるじゃねぇか)

結衣「え~と、いろはちゃん、やっはろーーー!」

いろは「あ…や、やっはろーですっ…結衣先輩」

八幡(一際大きなやっはろーで、空気を少し戻した…さすが由比ヶ浜)


いろは「いいですか…入っちゃって…?」

八幡「いままでの図々しさが、今日はないな」

いろは「そんなことないですけど…」

いろは「ていうか、図々しさとか失礼です、先輩!」

雪乃「あなたは部員ではないけど…今の奉仕部は受験勉強が中心だし」

雪乃「それの邪魔をしないのであれば、特に問題はないわ」

いろは「雪ノ下先輩……」

結衣「そうだよ、いろはちゃんがいないと活気が足りないからさ!」

いろは「結衣先輩…」

八幡「元気なのは由比ヶ浜だけでいい気もするけどな」

結衣「なんか、馬鹿にされてる気がする…」


いろは「じゃあ…お邪魔します…」ガタ

八幡(やっぱ元気ないな…というか、あれ見ただけでまさかここまで変わるとは)

八幡(あの一色がね…)

今日はここまで

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結衣「えっと、じゃあこれで解けばいいのかな?」

雪乃「そういうことになるわね」


結衣「ありがとう、ゆきのん」

雪乃「いえ、どういたしまして」

いろは「は~、やっぱり雪ノ下先輩は頭いいんですね、尊敬しちゃいます」

雪乃「ありがとう」

いろは「おまけに綺麗ですし~」

雪乃「…」

八幡(照れてますね、雪ノ下さん。顔が火照ってますよ…なんて言ったら、立ち直れない言葉浴びせられそうだ)

結衣「ちょっとは元気になったかな、いろはちゃん」

いろは「え…あ、はい」

雪乃「そう、よかったわ」

結衣「ヒッキーが何かしたの?」

いろは「え?ち、違いますよ」

八幡「あれ、俺ってそんな信用ないのかよ」

雪乃「あなたは備品だから…いくら優秀でも備品なのよ」

八幡「褒めたり落としたり、どっちかにしてくれ…疲れる」

結衣「まあ、ヒッキーがいろはちゃん悲しませたりしないのはわかってるって」

八幡「そりゃどうも」


いろは「……」

雪乃「じゃあ今日はこの辺りまでにして…比企谷くん」

八幡「なんだ…?」

雪乃「ちゃんと一色さんを送ってあげるのよ」

八幡「えっ…なに言ってんだ?」

いろは「ええ…あ、いえそんなことしてもらわなくても…」

雪乃「一色さんが嫌というなら仕方ないけど」

いろは「いえ…嫌では…」

結衣「じゃあ、ヒッキー。ちゃんと送ってあげなよ!」


八幡「わかったよ…お前らはどうするんだ?」

雪乃「私達は鍵を返して、それから帰宅するわ」

いろは「なら、雪ノ下先輩たちも…」

八幡「わかった、じゃあ行くか、一色」

いろは「え…?」

八幡「帰る用意だっての」

いろは「え~っと、わかりました」

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いろは「あの…先輩」

八幡「ん?」

いろは「よかったんですか?待たなくて」

八幡「察してくれたんだろ、雪ノ下も由比ヶ浜も」

いろは「どういうことですか?」

八幡「お前の元気ない事情、俺は知ってると思ったんだろ」

いろは「ああ、そういうことですか…ていうかわかり合ってるんですね」

八幡「そうか?」

いろは「さっきのやり取り見てて思いました」

八幡「まあ、昔よりはな…去年の年末から色々あったしな…」

いろは「よかったですね、先輩。それって先輩がほしかったものじゃないんですか?」

八幡「どうだろうな、積極的に動いたから手に入った物だろうけどな…」

いろは「積極的にですか…」

八幡「で、元気は戻りそうか?」

いろは「……先輩が元気づけてくれるんですか?」

八幡「まあ、一応当事者だしな…」

いろは「涙も見られちゃいましたしね」エヘヘ

いろは「女の涙見た罪は重いんですよ?」

八幡「え?そんなのあんの?」

いろは「じゃあ明日からも、生徒会の仕事とか手伝ってもらいますからね、先輩!」

八幡「わかったよ…ったく…」


いろは「あと、デートとかにも連れて行ってもらいますからね」

八幡「デート…なんか採点とかされそうだ」

いろは「もちろんありますし、50点はとってくださいよっ!」

八幡「葉山じゃないから-10点なんだろ?」

いろは「…」

八幡「ん?」

いろは「じゃあ、よろしくお願いしますね」

八幡「あ、ああ…」

しばらく経過 奉仕部の部室


結衣「ねえ、ヒッキー」

八幡「ん~?」

結衣「いろはちゃんさ、元気になってるよね?」

八幡「そうだな…もう大丈夫じゃないかとは思うが」

雪乃「あなた達、デートにも行ってるんでしょう?」

結衣「そうだよ、あとなんか付き合ってるとか噂あるし?」


八幡「べ、別に付き合ってねぇよ…」

結衣「デートしてるんだからさ、付き合っちゃえばいいのに」

八幡「…お前にそれ言われるとな…」

結衣「ヒッキー、あたしとのことは決着ついたじゃん。ヒッキーが振ったんでしょ…」

八幡「まあ…そうだけど…」

雪乃「比企谷くん」

八幡「な、なんだ…?」

雪乃「今の私たちの関係が、あなたの出した答えでしょ?」

八幡「…そうだな」

雪乃「嫉妬がないと言えば嘘になるわ…でも、あなたが別の誰かと付き合えるなら動かないと」

雪乃「もう二度と手に入らないかもしれないわよ?」

八幡「うわ…ひでぇ…」

生徒会

八幡「おっす」

いろは「あ、先輩…待っててくれたんですか?」

八幡「今日、部室来なかったろ?だから寄ってみた」

いろは「あ、ありがとうございます…」

八幡「そこはなんか悪口が飛んでくるところなんじゃねぇの?」

いろは「礼儀正しい後輩を演じたのになんですかその反応は~!」

八幡「演じてたのかよ…」


いろは「大体先輩は…あ」

八幡「ん?」

三浦「隼人~~どっかで夕食食べて行こ!」

葉山「そうだな、そうしようか」

三浦「うん、楽しみっ!」


八幡「…うまく行ってるみたいだな、あの二人」

八幡「一色…?」

いろは「……」グス

八幡「…」(もう大丈夫…か)

八幡(全然だったな…最近、葉山達を見てなかったから勘違いしてたが)

八幡(普段は元気そうにしてても…実際見ると悲しみが込み上げてくるか)

八幡(はあ、一色を慰めるのはまだまだこれからが重要ってことか…)

八幡(先は長そうだな…)


八幡「一色」

いろは「はい…?」

八幡「夕食、奢るから行くか?」

いろは「先輩…はい、行きます」


八幡(積極的に動いててにいれた奉仕部の信頼関係…)

八幡(俺は由比ヶ浜や雪ノ下と付き合わない選択肢をとった)

八幡(それにより、今でも受験勉強などに華を咲かせる関係をてにいれた)

八幡(俺が一色に対して積極的に動くことで交際が待ってるのか?)


八幡(この一色いろはを元気づける事の先に何があるのかは…まだわからないな)


おわり

短いですが、これで終わりです。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月05日 (日) 20:07:50   ID: yTfJdwba

続き楽しみ

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