勇者「俺と賢者が…弟姉!」(13)

――決戦前夜・城下高級ホテル
―男部屋

勇者「いやーさっぱりした。戦士、ここの温泉は凄かったな!」

戦士「あぁ、あんなに溜まってた体の疲れが一気に吹っ飛んだな!王様もこんなホテルを貸し切りにしてくれるとは…やっぱすげぇーぜ!」

コンコンッ

女の声「勇者にぃ!戦士くん!部屋にもどってるー?」

勇者「(この声は武道家か)あぁ、ちょうど今、部屋に戻ってきたよ。」

戦士「武道家、入っていいぞ!」

ガチャ

武道家♀「お邪魔しまーす…おぉ!《水も滴るいい男》とはまさに勇者にぃのことですなぁ~」

戦士「おい、誰か忘れてないか?」

武道家♀「ん?誰を?」

戦士「……いや。もういいです。」グスッ

勇者「おいおい。二人共、冗談はそれぐらいに(笑」

戦士「ところで賢者はどうした?一緒に温泉入ったんだろ?」

武道家♀「賢者ねぇはもう少し入るって、久々のお風呂だったからね!…それで、ボク1人はつまんないし、勇者にぃ達の部屋に来たんだよ♪」

勇者「まぁ、俺達以外は…従業員の人しか居ないからな。地下にカジノもあったけど…。」

戦士「お!カジノあるのか?ヘヘッ腕が鳴るな!武道家!」バチバチ

武道家♀「ほほう?それはボクにポーカーorbjで挑むということでいいのかな?」バチバチ

戦士「勇者…ということだ。男には負けられぬ戦いがある!」

勇者「はぁ…っ。わかったよ、ただし自分の小遣いだけにしとけよ?パーティー財布からは1gも出さん!」

武道家♀「勇者にぃ!カモからぶんどったら、美味しいアイスクリーム奢ったげるからねー!さぁ早く行こうよ、戦士くん」

ガチャ……バタン……ワーワー

勇者「(二人とも、明日は最終決戦だというのに…まるで、旅行にでも来てるかのようだな)」

勇者「…………。」

コンコンッ

勇者「(俺達は…本当に勝てるんだろうか?魔王――村を壊滅させ、母さんを殺し、父さんを手駒にした。)」

チャキンッ――剣を引き抜き
スッ――構え
ブワッ――斬りおろす
カチンッ――鞘に入れる

勇者「(魔王の前に必ず父さんと殺りあわなければならない、俺は…父さんを斬れるのか?)」

女の声「迷いは『隙』を生み、命を落とすことになりますよ?勇者様…。」

勇者「け…賢者!?いつの間に…。」

賢者♀「通路で戦士さんと武道家ちゃんに会って、勇者様は部屋に居ると聞いたのですが、ノックをしても返事がないので、入ってしまいました…ごめんなさい。」

勇者「そうか、こちらこそ気付かなくてごめん……。」

賢者♀「勇者様。0時になったら、屋上に来ていただけますか?お話したいことがあります。」

勇者「どうしたんだ急に?話ならここで……わかった。……戦士達には?」

賢者「可能な限り、二人っきりで……。では、失礼します。」

勇者「(少し、風にあたるか)」

ガチャ…(ベランダ)

勇者「………。」

――ホテル地下カジノ
―bjテーブル

戦士「(来い!aよ!…なんで、4!!)ふっ…この勝負もらった【14】」

武道家♀「(引いてすぐに目が泳いだから嘘だね)えー!もしかしてbj?!【20】」

戦士「賭け金は有り金全額にしよう」手持ち50g

武道家♀「すっごい自信だね?…負けたらボクが損だけど、勝ったら戦士くんは、下着だけになるからね!」手持ち20000g+28000g(戦士小遣い)

ディーラー「それでは、お二人…カードを一枚オープンしてください。」

戦士「つ【10】」
武道家♀「つ【q】」

ディーラー「10=10。それではもう一枚オープンしてください。」

武道家♀「つ【k】」ニヤッ

戦士「…………」

ディーラー「戦士さん?カードをオープンしてくださらないと、負けとさせていただきますが?」

武道家♀「いいですよ!ボクの勝ちだし。50gはもらうよー♪」

テヲノバス

ガシッ!テヲツカム

戦士「そうあせるな…小娘。」ニヤニヤ

武道家♀「!!!まさか!!」

戦士「獲物を前に舌舐めずりは素人のやることだ!!」

戦士「つ【a】」ドンッ

武道家♀「嘘だ!イカサマだ!」

ディーラー「はい。イカサマでございます。」

戦士「えっ?」
――――――――――
ベースはドラクエっぽく武道家と賢者に♀付けはわかりやすく。次は22時ぐらいに。

武道家♀「……」イライラ

ディーラー「当店におけるイカサマ行為は厳重に処罰を…しかし今回は武道家様との個人勝負。処罰に関しては武道家様の判断になりますが?」

武道家♀「それってボクが自由に決めていいの?」ニヤニヤッ

ディーラー「いかが致しますか?」ニヤニヤッ

武道家♀「んじゃあ…この城下に馬小屋があったからさ、戦士くんは今夜そこに泊まってくれるかな?」

戦士「まて!ちがっ…俺は!」

ディーラー「では黒服さん、戦士様を馬小屋にご案内して差し上げて。」

戦士「いーーゃーーダーー」

――こうして、戦士は長く冷える夜を馬小屋で明かすのであった――

武道家♀「はいっ!ディーラーさん!約束のスペシャル・ロイヤル・アイスクリーム♪」

ディーラー♀「わぁー!これ1度食べてみたかったんですー!!ありがとうっ!武道家ちゃん!」

――実は温泉で仲良くなったディーラーと組んでいた武道家。まんまと戦士を『カモ』として、大金を得た彼女達はショッピングを楽しんだあと。ディーラーの部屋にて一夜を明かすのだった――

――勇者部屋
―0時前

勇者「(戦士は馬小屋に連れて行かれたのか…笑゙…まったく、友として恥ずかしい。)」

勇者「(武道家は仲良くなった友達の部屋で休むみたいだし…アイツのあの明るさには見てるこっちも元気が湧いてくるよな。)」

勇者「(賢者…。どこか懐かしい。俺は彼女を―――いや、そんなわけ。おっと!もう時間か。)」
――ホテル屋上
―0時

賢者「暗い空を…月と星が埋め尽くしていて、とっても綺麗だと思いませんか?」

勇者「あぁ…。賢者は出会った頃から夜空が好きだったな?」

賢者♀「えぇ、幼い頃…流れ星にお願いをしたことがあって。数日と待たずにその願いが叶ったんです。それからというもの、辛い時や悲しい時に流れ星を探すようになり、夜空を見ることが好きになりました。」

勇者「そのお願いって一体?」

賢者♀「弟が無事に産まれますように…って。」

勇者「弟?そんなこと1度も…って!何してるんだ?!!」

賢者♀「この胸の聖痕に見覚えありますね?」

勇者「そ!それはっ……。俺の右手の甲にある!!」

賢者♀「この聖痕は勇者の血を引く者だけに現れます。つまり…」

勇者「俺と…賢者が姉弟!」

賢者♀「はい。紛れもない事実です…。」

勇者「……だったら何故!出会った時に言ってくれなかった!?何故?今になって姉だと名乗りでた!!」

賢者♀「この戦い……誰も死なずに勝利を飾る事ができると思っていますか?」

勇者「……!」

賢者♀「魔王は強大な力を保持しています……いくら伝説と呼ばれる剣でも。覚悟なき攻撃など魔王には効かないでしょう。」

勇者「……。」

賢者♀「姉であるということは、私の覚悟を決めるためにも告げさせていただきました…。」

賢者♀「話は以上です。勇者様もお休みください…では。」

――突如、賢者に姉であることを告げられた勇者…魔王の手に堕ちた父との避けられぬ戦い。複雑な気持ちを胸に、ゆっくりと部屋にもどると…倒れるかのように眠りについた――


―――――――
明日魔王戦φ(.. ;)

んーなんか微妙wwスマソ

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