モバP「僻見への反抗」 (67)

モバマスSSです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435488660

こんばんは。
デレソニにてアニメの情報が色々公開されたみたいですね。

古典シリーズです。

周子の部屋

周子「なんだかんだ言って一人暮らしの家ってたまり場みたいになるよね」

凛「…ごめん」

美嘉「ごめんってば~」

周子「いや、怒ってはないんだけどね」ヤレヤレ

卯月「一人暮らしって大変ですか?」

周子「んー、慣れたらそうでもないかな」

周子(隣Pさんだし)
美嘉「良き隣人もいるしねー」

凛「杏も近くだし」

周子「杏はどっちかと言うと近くにいると色々大変な気がするけどね」

卯月「そうなんですか?」

周子「まぁ、Pさんに杏を一緒に連れてこい。って言われるくらいだけど」

凛「なんだかお姉さんみたいだね」

周子「絶対と言っていいほど寝てる杏はある意味凄いなぁとは思う。はっか飴あげると嫌そうな顔して起きるけど」

美嘉「手馴れたもんだね…」

卯月「あ、これ作ってきたんですけどどうですか…?」ソロー

凛「あ、これ美味しい」

卯月「へへーん!頑張った甲斐がありました」

美嘉「カワイイカワイイ」

卯月「へっ!?」

美嘉「いや、なんとなく仕草が幸子に似ててね」

周子「へへーんって辺りだね」

凛「あ、言われてみれば」

卯月「だ、だって…頑張ったんだもん…」ブツブツ

凛「…可愛い」ボソ

周子「聞こえてるよ凛」

凛「別に聞かれても問題ないし…」

美嘉「赤くなっちゃってカワイー★」

卯月「り、凛ちゃん…」カァァ

凛「…うぅ」

周子「そ、そう言えば気になってたことがあるんだけど」

美嘉「ん?」

周子「いや、大したことじゃないんだけどこの間、凛がスカウトされた時の話聴いたじゃん」

凛「喋ったっけ?」

周子「うん。青い炎が点いたって」

周子(あれ?Pさんから聞いたんだっけ?ま。いっか)

凛「…そうだね」

凛(他人が言ってるのを聞くのは…少し恥ずかしいかな)

卯月「他の事務所の誘いを蹴ってこっちに来てくれたんだよねー」ニコニコ

凛「う、うん」

卯月「ですよねー。ありがとねっ」ペコリ

周子「そうそう。美嘉のそういう話聴いたことなかったなって」

美嘉「アタシの?」

周子「うん。二人は知ってる?」

凛「まぁ…私の後に来たから」

卯月「懐かしいですねぇ…」

美嘉「へ、変なことをはしてないよ?」

周子「そうなんだ。てっきりすったもんだがあったのかと思ったけど」

美嘉「な、なかったと思う…ね?」チラ

凛「えっと…でも…」

卯月「あはは…」

美嘉「でも。って!」

美嘉(何かあったっけ…?)

周子「と言う訳で今日は美嘉のスカウトされた話を肴に女子会でもしましょうか」

卯月「そうしましょう!」パチパチ

美嘉「えー…」

美嘉「まぁ、いいけど。普通の話だと思うよ?」

>>
商店街

美嘉「じゃーねー」

美嘉「んー…夜ご飯は食べるってママに言ったから少ししたら帰らないと…」

「すみません。少しいいですか?」

美嘉「はい?」

美嘉(だ、誰…?)ススス

「あ、私こういう者ですが…」

美嘉「は、はぁ…」

美嘉「プロダクション…?」

P「あ、私そのプロダクションでプロデューサーをやってまして…」

美嘉「プロダクション…?っアハハハ!」ケラケラ

P「?」

美嘉「アタシになんでそんな人が名刺なんて渡してくるのさ。面白いね!」

P「冗談でもないんですけどね」

美嘉「あ、そうなんだ。でも、別にアイドルなんてなる気はないけどね」

P「そうですか…」

美嘉「ま。そういうことで。じゃね~!」

P「あ、はい…」

バス内

美嘉「さっきのなんだったんだろ」

美嘉「新手のナンパとかなのかな?」

美嘉(真面目そうな人だったから違うと思うけど…)

美嘉「んー、こんなカッコだから声掛けられたのかな?」

美嘉(チョロいだろう。って思われたのかな?)

美嘉「皆が皆そういう訳じゃないんだけどね」ヤレヤレ

美嘉「ま。話のネタにはなったかな」

美嘉「…アイドルか。似合わないねー」

美嘉(アイドルってこう黒髪で清楚って感じの子がウケるイメージだし)

翌日

美嘉「なんか暇だね」

「そーだね」

美嘉「カラオケも飽きたしねー」

「週に三回はねー。お金もなくなっちゃうし」

美嘉「だよね」

「花とか興味…ないよね」

美嘉「ごめんね。全然ないかも」

「そっかそっか。いや、想像はついてたけど」

美嘉「やっぱり?」

「うん。でも、ほら、女の子っぽくない?お花とか好きって」

美嘉「自分で言っちゃう?」

「私の場合はそういうのじゃない気もするけど」

美嘉「男ウケ狙ってやってる訳じゃないもんね」

「だね。分かってくれると嬉しいな。って思うこともあるけど」

美嘉「そうなんだー。アタシも一緒に何かやってくれる人がいいなぁとかはあるけどね」

「あれ?この間告白されてなかった?」

美嘉「ん?あ、そうだね。でも何か違うなーって」

「あ、そうなの?」

美嘉「そうかな?なんだかドキドキもしないし、この人といて楽しい。って思える感じでもなかったしね」

「まぁ、無理に付き合うことはないと思うけど」

美嘉「だよね。アタシは暫く夕美とこうやってだべってればいいかなって思うよ」

夕美「それは私も思うけど」

美嘉「あ、そうだ。昨日ね」

夕美「うん」

美嘉「アイドルにスカウトされちゃった★」

夕美「へー。凄いんじゃない?」

美嘉「なんか予想してたリアクションと違うんだけど…」

夕美「うわっ!ホントに!?お姉ちゃんすごーい☆」キャピ

美嘉「莉嘉の真似?」

夕美「うん。似てた?」

美嘉「全く同じこと言われた…」クスクス

夕美「それでアイドルになるの?」

美嘉「へ?いや、ならないって」

夕美「そうなんだ」

美嘉「だって、アタシがアイドルなんて変じゃない?」

夕美「そう?」

美嘉「だって。こうアイドルっぽくないじゃん」

夕美「そういうことはアイドルのイメージを持ってるんだ」

美嘉「夕美だってそれくらいは持ってるでしょ」

夕美「ん。あるよ」

美嘉「そういうもの。それにスカウトしにきた人をそんなに簡単に信用していいかわかんないし」

夕美「確かにね。事務所に連れ込まれて……」

美嘉「そこから先はいいって。なんとなく想像着いたから」

夕美「そっかそっか」クスクス

夕美「でも、私達よりも下の年で活躍してる子もいるのは凄いよね」

美嘉「だねー。凄いと思うよ。アタシらが15歳の時とかなにしてたっけ?」

夕美「なんだろ…。授業もほどほどに受けて遊んでたりしてた気がする」

美嘉「カラオケとかだっけ?」

夕美「結局今と変わってないじゃん」

美嘉「だね」アハハ

美嘉「きっと最初から違うのかなーって思う。やる気とか諸々」

夕美「かもね。子役とかからやってる子もいるかもだし」

美嘉「そうだよね」

夕美「ま。美嘉だったらやり始めたら一番取らないと!って感じだし結構良い所まで行くかもね」

美嘉「…そうかな」ポリポリ

夕美「まだ、ファンは一人だけどね」

美嘉「だれ?」

夕美「私」

美嘉「へ?」

夕美「やるならだけどね」

美嘉「……夕美はどう思うの?」

夕美「なにが?」

美嘉「アタシがアイドルになる!って言ったら」

夕美「…ちょっと笑うかも」

美嘉「笑うの!?」

美嘉(てっきり応援してくれる流れかなぁって思ったのに)

美嘉「…ハズいなぁ」ポリポリ

夕美「まぁまぁ。それだけ美嘉が魅力的に見えたってことなんだから自信持とうっ!」

美嘉「う、うん…」

夕美「それじゃあね」

美嘉「あ、ばいばーい★」

商店街

美嘉「そう言えばこの名刺の所は本当にあるのかな…?」

美嘉「えっと…プロダクションの名前を打って…と」

美嘉「あ、出てきた。えっと…うーん。まだそんなにアイドルがいる訳じゃないんだ」

美嘉(なんか不安な気が…)

美嘉「あ、でも、見たことある子がいる。全員アタシより年下だけど」

美嘉「ま。すぐ潰れるような感じじゃないのかな…」

P「あ……」

美嘉「……あ」

美嘉(ここら辺でスカウトしてるのかな?)

P「どうも」

美嘉「……」ペコリ

P「えっと…どうですかアイドル」

美嘉「え、んー。分かんない…です」

P「…そうですか」

美嘉「は、はい」

美嘉(何となく…悪い気もしてきた。バス来るまでなら話しててもいいかな。明るいし)

キラッ

美嘉「ん?」

P「どうかしましたか?」

美嘉「いや、男の人にしては珍しいキーホルダー点けてるなって」

美嘉「確かこれアタシら位の年の子が付ける奴だよ」

P「そうでしたか」

美嘉「彼女にでも貰ったんですかー?」

P「いえ、その…何と言いますか」

美嘉「…?」

P「実は――」

美嘉「あはははっ!」

P「……」ポリポリ

美嘉「い、いやさ、流石にアタシらの気持ちを理解する為にキーホルダーを付けるとこからってそりゃないでしょ!」アハハ

美嘉「まどろっこしすぎ!」

P「やっぱり違いましたか…」ハァ

P(ちひろさんめ…)

美嘉「プロデューサーさんだっけ?面白いね!」

P「そうですかね」

P(なんか自分がみじめな気が…)

美嘉「真面目というか何と言うか…」

P「ですよねぇ…このキーホルダーいります?」

美嘉「折角だけどいいかな」

P「そうですか…しかし、どうなんですか?」

美嘉「なにが?」

P「こういうキラキラしたものって好きなんですか実際」

美嘉「嫌いじゃないよね。女の子なんだし」

美嘉「ただ、その言い方だとアレだよね…カラスみたい」

P「あぁ、確かに」

美嘉「自分もキラキラなものを付けたら輝けそうじゃない?」

美嘉「あ、多分男の人が付けてもダメな気がするけど…」クスクス

P「ですよねぇ…」

P「キラキラと言えば…」

美嘉「ん?」

P「アイドルのライブを見たことはありますか?」

美嘉「テレビのニュースとかでたまにやってない?」

P「あ、いえ、実際にです」

美嘉「ないね。好きなアーティストはいるけど」

P「そうでしたか」

P「来てみませんか?」

美嘉「いや、アイドルはいいって」

P「あ、いや、ライブに」

美嘉「ライブ?」

P「はい。そこまで大きなライブではありませんが数日後にありまして…」

美嘉「ふーん。準備がいいね」

P「これは偶然ですよ」

美嘉(これは…?)

美嘉「まぁ、受け取るだけならいいけど。行くか分からないけどいいの?」

P「勿論。そこを強制するつもりはないです」

美嘉「ならいいけど…」

P「はい。あ、バス来ましたね」

美嘉「ん。そうだね。乗るの?」

P「いえ、私は次のです」

美嘉「そっか。それじゃ貰うだけ貰っとくよ」

P「はい。お願いします。あ、最後に一つだけ」

美嘉「なに?」

P「私はあなたはアイドルに向いてる気がします」

美嘉「…友達にも言われたよ。それじゃ」

事務所

P「ただいま戻りました」

ちひろ「あ、おかえりなさい」

P「ただいまです。それよりちひろさん」

ちひろ「なんですか?」

P「いや、女の子の好きなキーホルダー付けて徐々に若い子の気持ちを知る作戦失敗ですよ」

ちひろ「あら、ダメでしたか」

P「えぇ、笑われましたから」

ちひろ「はい?」

P「だから女の子に笑われました」

ちひろ「話す切っ掛けにはなったんですね」

P「あー……」

ちひろ「結果オーライじゃないですか」

P「言われてみればそうですね」

ちひろ「私の真の作戦が身を結びましたね」フフフ

P「本当ですか?」

ちひろ「け、結果オーライです!」

P「やっぱり…」

ちひろ「い、いいじゃないですか」

P「いいんですけどね」

ちひろ「そ、それで、どうなったんですか?」

P「普通に話して終わりました」

ちひろ「話は出来たんですね」

P「えぇ、バス待ちだったようで」

ちひろ「そうですか」

P「ちひろさんはキラキラしたものは好きですか?」

ちひろ「なんですか?プレゼントでもくれるんですか?」

P「欲しいんですか」

ちひろ「えぇ、そりゃまぁ…」

P「今ならスタドリ差し上げますけど」

ちひろ「私が売ったものじゃないですか」

P「えぇ、今ならお安くしときますよ」

ちひろ「結構ですーっ」

P「と言うのはまぁ、半分冗談ですが実際どうなんですか?」

ちひろ「え?あーえーっと…そうだと思いますよ?」

P「ですよね」

ちひろ「来てくれるといいですね…」

P「そうですね」

ちひろ「ちなみに何枚あげたんですか?」

P「一応二枚ですね。一人じゃ来づらいかと思って」

ちひろ「なるほど」

凛「なんの話?」

卯月「お仕事のお話ですか?」

P「あ、お帰り」

ちひろ「おかえりなさい」

凛「ただいま」

卯月「ただいまです」

P「あぁ、えっとだな…」

ちひろ「プロデューサーさんがナンパしたって話です」

凛「…ふーん」

卯月「意外ですけど、そういうの得意なんですか?」

P「滅相もない」

凛「そうなんだ」

P「俺がナンパしても。って思うだろ?凛」

凛「どうだろ。ある意味私の時もナンパに近いと思うけど」

P「そんなことないって」

凛「まぁ、軽い感じじゃなかったのは認めるけど」

卯月「前にお話してくれたよねー」

P「そうなのか」

凛「…普通に話しただけだよ」

卯月「え?」

凛「なんで卯月がそこで『えっ?』って言うの…」

卯月「だって――」

凛「と、とにかく普通にスカウトされて来たって話をしただけ。この話は終わりっ!」

P「まぁいいけど…」

ちひろ(なんでしょう…なんとなく想像がつくんですけど)

卯月「私の時はオーディションでしたもんね」

P「だったなぁ」

凛「やっぱり、ウチより大きい所からスカウトされたりしたの?」

卯月「ううん。全然ダメだったよ…」

凛「あ、そうなんだ…ごめん」

卯月「ううんっ!おかげで凛ちゃんと会えたんだし!」

凛「そう言ってくれるなら嬉しいかな…」ポリポリ

美嘉の部屋

美嘉「んー……」

美嘉「どうしたもんかね…」

美嘉「行かないのも悪い気もするし行って見つかったらそれはそれで面倒だし…」

美嘉(別にどうしてもやりたいって訳じゃないし)

莉嘉「お姉ちゃん?」

美嘉「あ、莉嘉。どしたの?」

莉嘉「何してるのかなぁって」

美嘉「あ、これ?これさ――」

莉嘉「すっごいじゃん!」

美嘉「えっ?」ビクッ

莉嘉「だって、アイドルになれるんでしょ?あのテレビとか雑誌に出てる!」

美嘉「い、いや、すぐなれるかは分からないけど…」

莉嘉「でもでも!なれる可能性があるんでしょ!」

美嘉「ま、まぁ…そうかもしれないけど」

莉嘉「ぜーったいやるべきだよ~」

美嘉「そうかなぁ」

莉嘉「むぅ…お姉ちゃんがやらないならリカをアイドルにして貰うもん!」

美嘉「ちょっ、そんな危ないって」

莉嘉「危ない?」キョトン

美嘉「ほら色々…っていや、そういう話じゃなくて!」

莉嘉「うーん…わかんないけど。とりあえず一緒にライブだけでも見にいこ!」

美嘉「んーそうだね」

莉嘉「実はお姉ちゃんだってスカウトされて嬉しいくせに~」

美嘉「なっ!」

莉嘉「だって、ちょっと口元緩んでたよ?」

美嘉「そう?」

莉嘉「うん!」

数日後

美嘉「えーっとここかな」

莉嘉「どっかのドームとかでやるかと思ったけどそんなことないんだねー」

美嘉「まぁ、そんな所でやるチケットはポイポイ配れないんじゃない?」

莉嘉「結構いい値段するもんね」

美嘉「そういうこと。それじゃ行こっか」

莉嘉「うん!」

会場

美嘉「ふーん。こんな感じなんだ」キョロキョロ

莉嘉「あ、お姉ちゃん!ペンライトがあるよ」

美嘉「振るのかな?」

莉嘉「そうでしょ!」

美嘉(ちょっと楽しみになってきたかも…)

美嘉「折角来たんだし楽しまないとね!」

美嘉「アゲアゲでいこっ★」

莉嘉「いこー!」

美嘉「あっ始まる…」

ワーワー

美嘉「ひゃっ!」ビクッ

美嘉(な、なに?)

卯月「皆さん今日は来てくれてありがとうございまーす!」

ワーワー

幸子「ボクがカワイイから来てくれたんですね!」

カワイイー

幸子「当然ですね!」ドヤ

凛「全く…。えっと…来てくれてありがとうございます。後悔させないように頑張るので応援宜しくお願いします」ペコリ

卯月「しまーす!」

幸子「お願いします」

凛「それじゃ、一曲目行きます…―――」

莉嘉「すっごかったね!」

美嘉「うん!結構盛り上がってたし」

莉嘉「男の人だけかなーって思ってたけどそんなこともなかったね」

美嘉「そうだね。アタシらみたいのもいたね」

莉嘉「おねぇちゃんもああいう感じなれるのかな!」

美嘉「ど、どうだろ。それは分かんないや」

莉嘉「えー。こういう時は任せてよ★って感じじゃないの~?」

美嘉「…そうだね。アタシならヨユーだよ」

莉嘉「さっすがお姉ちゃん!」

莉嘉「ねねっ!さっきのアイドルの人達に会えたりしないのかな?」

美嘉「いや、それは難しいんじゃない?」

莉嘉「んー、まぁ、今ここで会うのは難しいかなぁ…」

美嘉「なにかしたいの?」

莉嘉「すごかった!って言いたいなって」

美嘉「そうだね。凄かったよねー!」

美嘉(アタシが出来るとは思えないや…)

莉嘉「うんうん!初めて見たけどよかった~!」

美嘉「折角だから何か出来たらいいよね~」

美嘉(名刺に事務所の番号が書いてあった気がするし…)

数日後

事務所

ピリリリリ

ちひろ「はい。もしもし」

美嘉「あ、あの。アタ、私…城ケ崎と申します」

ちひろ「はい?」

美嘉「あ、えっと…プロデューサーさんいます、あ、いらっしゃるでしょうか…?」

ちひろ「あ、はい。ちょっと待って下さいね」

ちひろ「プロデューサーさーん」

P「なんです?」

ちひろ「城ケ崎さんって方から連絡です」

P「城ケ崎さん?」

ちひろ「女の子みたいですよ?」

P「とりあえず出てみますね」

P「はい。もしもしー」

美嘉『あ、もしもし――』

P「あ。どうもお久しぶりです」

美嘉『う、うん。そっか名前言ってなかったね』

P「そうでしたね。どうかしました?」

美嘉『あ、えっと…この間ライブ行ったんだ』

P「あ、そうなんですね。ありがとうございます」

美嘉『それで…莉嘉、あ、妹と一緒に行ってて、妹がアイドルの人に凄かったです!って言いたいみたいで…』

P「なるほど」

美嘉『そういうの出来たり…するの、するんですか?』

P「いいですよ。バラバラかもしれないですけど」

美嘉『よ、よかったぁ…それじゃ、お願いしまーす』

P「あ、そうだ」

美嘉『ん?』

P「名前。教えて貰ってもいいですか?」

美嘉『美嘉。城ケ崎美嘉って言うから』

P「分かりました。城ケ崎さん」

美嘉『はーい』

ちひろ「結局どなただったんですか?」

「以前話したチケットを渡した子です」

ちひろ「あ、その子なんですね。てっきり私は――」

P「私は?」

ちひろ「夜のお店とか…」

P「行ったことないですし、そもそも苗字を名乗る夜の人はいない気もします」

ちひろ「言われてみれば…」

P「ま。分からないですけどね」

ちひろ「それで、どうしたんですか?」

P「なんでも妹さんの方がアイドルを見て感動したらしくて」

ちひろ「はい」

P「会いたいみたいで」

ちひろ「いいですね。直接応援されると励みになるでしょうし」

P「そうですね」

数日後
事務所

P「そんな訳で三人とも集めて悪いな」

幸子「別にいいですよ。ファンの方とお会いするのもお仕事ですし」

卯月「なんだか嬉しいですね」

凛「…うん」

ガチャ

美嘉「こ、こんにちは」

莉嘉「こんにちはー!」

P「あ、どうも」

美嘉「あ――」

莉嘉「あ、ホントにいる!ありがとね!」

P「えぇ。こちらこそ。楽しんで頂けてたら幸いです」

莉嘉「うん。皆可愛いかったし、カッコいいなー!って」

卯月「ありがとうございますっ!」

莉嘉「なんかキラキラして凄いなぁって!」

凛「…ふぅん。そう見えるんだ。ステージって」

莉嘉「ステージって言うか、皆一人一人がキラキラって感じ!」

幸子「す、ストレートな言葉は少し照れますね…」ゴホン

莉嘉「あ、えっとね――」

美嘉(意外と普通な感じのコらなんだ…)

P「この間のライブ来て頂いてありがとうございました」ペコリ

美嘉「あ、やっ、莉嘉が行きたいって言うから…」

P「それでもですよ」

美嘉「ん。ならいいけど…」

P「意外と変わらないでしょう?」

美嘉「な、なにが?」

P「アイドルの子ってやっぱりテレビとか出てるから違う。とか考えていたのかなと思いまして」

美嘉「エスパー?」

P「いえ。そんな超能力は生憎持ち合わせてないですけどね」

美嘉「ふぅん。そうなんだ。でも…ちょっと正解」

美嘉「なんだかキラキラしててさー。凄いなぁって思ったよ」

美嘉「ま。実際凄いんだろうしね。だけど、あっちで莉嘉と喋ってるのを見るとずっとそうい訳じゃないのかもーって思うよ」

P「妹さんの方がアイドルっぽいかもしれないですね」

美嘉「それはどうだかね」アハハ

美嘉「さっき普通の子って言ったじゃん」

P「はい」

美嘉「ってことはあれだけのステージに立たせるためのお膳立てはプロデューサーがやったんだ?」

P「恥ずかしながら…」ポリポリ

美嘉「凄いんだねー」

P「凄いのは彼女たちのポテンシャルですよ」

美嘉「またまたー♪」

P「私としては城ケ崎さんも負けないとは思いますよ」

美嘉「確証ない癖に言うねー」

P「確証ですか…」

美嘉「ま。イジワル言ってるの分かってるし。確証あったらあったでつまんないとか言ってそうだけどね」

美嘉「莉嘉。帰るよ」

莉嘉「あ、うん!ありがとうございました!」

卯月「こちらこそですっ!元気分けて貰いました」

幸子「どうもありがとうございました」

凛「うん。これからも応援してくれたら嬉しいかな」

莉嘉「うんっ!お姉ちゃんもアイドルになるかもだからその時は――」

美嘉「り、リカ!そういうことはいいの!それじゃありがとうございました~」

P「ありがとな」

卯月「いえ!こちらこそ元気が出ました」

幸子「最後の一言はどういう意味なんでしょうか…?」

凛「スカウトしたからライブに来て、ここにも来たってこと?」

P「うーん。声は掛けたけどアイドルになってくれるかは分からないなぁ」

幸子「まぁ、全員が全員なってくれる訳じゃないですしね」

卯月「それはしょうがないとは思います」

凛「…私達とは結構毛色が違うタイプだね」

P「毛色?」

凛「上手く言えないけど…ギャルっぽい人だったから」

P「あぁ、そういうことか」

凛「違うタイプも入れてみたいとかってこと?」

P「うーん。ビビッと来たからって感じだけどな」

美嘉の部屋

美嘉「楽しかった?」

莉嘉「うん!皆いい人だったよ!」

美嘉「そんな感じだったね」

莉嘉「お姉ちゃんはアイドルになりたくない感じ?」

美嘉「んー分かんない」

莉嘉「分かんない?」キョトン

美嘉「自分がやりたいのか分からないって感じかな」

莉嘉「夕美ちゃんとかはなんて言ってたの?」

美嘉「応援はしてくれるって」

莉嘉「なら平気だと思うけどなー。お姉ちゃんイケイケだし」

美嘉「ありがとねー★」

数日後

帰り道

美嘉「雨降りそうだねぇ」

「だねぇ」

「どうするどっか行く?」

「なんかなー」

美嘉「今日ムリしてどっか行かなくてもだよねー」

「だよねー」

「雨に降られたら下がるしね」

「このまま帰ってバイトでも行くかなー」

美嘉「あ、そうそうこの間さ、アタシらと同じ制服着たコがさ、スカウトされてたよ」

「うっそマジで」

「どこのクラス?」

美嘉「いや、そこまでは分かんないけど。もしかしたらウチのガッコからアイドルとか出ちゃうかもね」

「マジかー」

「なんかいいね」

美嘉「例えばスカウトとかされたらどうする?」

「アタシはいいかなー」

「アタシもー」

美嘉「そうなの?」

「だって、ミスッたら恥ずかしくね?ガッコでバカにされそうだし」

「分かる分かる。すぐ消えたら恥ずかしいし」

「名前だけ有名になってさらし者になるかもだしねー。そうなったらダサいし」

美嘉「なるほどねー」

美嘉「あ、ごめん。アタシ今日こっちなんだ!」

「そなんだー。雨気を付けてね」

「ばいばーい」

「ばーい」

美嘉「そっかー…恥ずかしいかー…ダサいかぁ…」

ポツポツ

美嘉「ウソっ!雨?マジかー…」

美嘉(結構強いし…どっか入らないと……)

美嘉「あの喫茶店でいっか!」

カラン

美嘉「あの…一人。空いてますか?」

店員「申し訳ありません。先程埋まってしまいまして…」

美嘉「そう…ですか」

美嘉(コンビニで傘買うまでにズブ濡れだろうなぁ…サイアク)

「あ、すみません。その方は私の連れです」

美嘉「えっ?」

P「こんにちは」

美嘉「あ、どうも…」

すみません。
少し中座します。

喫茶店

美嘉「あ、えっと…すみません」

P「秘密にしてくださいね」

美嘉「…?」

P「こんな所でコーヒー飲んで休憩していたの」

美嘉「ぷっ!」クスクス

P「事務所の人に知られたら何を言われるか…」

美嘉「そんなことしなさそうなのに…」

P「人は見た目によらないんですよ」

P「これどうぞ」

美嘉「タオル?」

P「まぁ…濡れたでしょうし。その何というか…」

美嘉「…ん?」

美嘉「あっ!」

美嘉(透けて…)カァァ

美嘉「ま、まぁ、プロデューサーなんて仕事してたらこういうのは見飽きてるんだろうけどね」

P「そんな訳ないですって。そういう所は範疇じゃないですし」

美嘉「ふーん…?」チラ

P「…やめましょう」

美嘉「間があったね」

P「…気のせいです」

美嘉「嘘くさっ」

P「そう言えば、アイドル…どうですか?」

美嘉「んー。遠慮しとこうかなって」アハハ

P「…えっ」

美嘉「ん?」

P「あ、すみません。少し意外で」

美嘉「そう?やっぱりさ、失敗したらダサいじゃん」

美嘉「恥ずかしいし」

P「気持ちは分からなくないですが…」

美嘉「でしょ?ガッコで変に浮くのもなぁって」

美嘉「勿論、こうやって声掛けてくれたのは嬉しいんだけどね~」

P「まぁ、色々な付き合いがあるとは思いますが」

美嘉「……」

P「残念ですが、城ケ崎さんのお気持ちが変わらないなら、無理強いは出来ませんね」

美嘉「ごめんなさい…」ペコリ

P「…雨止みませんね」

美嘉「でも、走れば…なんとか」

P「止むまで…世間話でもしませんか?」

美嘉「ま、まぁいいですけど…」

美嘉(何話すんだろ…?)

P「なんとなくですが、世の中レッテルを貼られてるなぁとか思いませんか?」

美嘉「…ん?」

P「例えば、体育とかで太ってる子がキーパーとかキャッチャーとかやってたじゃないですか」

美嘉「あー、言われてみれば同じようなのがやってるかも」

P「実はそのキーパーが凄いフォワードなのかもしれないのに」

美嘉「それは知らないけどね」

P「先入観で全部決めるのはどうかなって私は思うんですよね」

美嘉「まぁ、そうだよねー」

美嘉(どっちでもいいけど)

P「見た目がギャルだからって中身もそういうわけじゃない」

美嘉「……」ピク

P「そうなのかなと」

美嘉「まー、どう思うかは人次第だよねー。アタシは頭も良くないしそんな大した人間じゃないのかなぁとは自分で思ってるけど」

P「ま。勝手に思っただけですから」

美嘉「そっかそっか。うん。きっとプロデューサーってば意外にイケてるからスカウトとか簡単に上手くいくって」


美嘉(アタシがならなくても)

P「ありがとうございます」

美嘉「あ、雨も止んできたみたいだしそろそろ――」

P「最後に一つだけよろしいですか?」

美嘉「ん?なになに?」

P「ライブどうでしたか?」

美嘉「ん?楽しかったって莉嘉が言ってたよ?」

P「妹さんのお話は聞きましたけど、城ケ崎さんの感想は聞いてないな。と思いまして」

美嘉「キラキラしててよかったと思う」

P「ありがとうございます」

美嘉「…正直、ちょっといいかなって思った」

P「……?」

美嘉「でもさー、あー!」ガシガシ

P「……?」

美嘉「もうカッコ悪いけど、ぶっちゃけさっきのは友達の意見なんだよね」

美嘉「自分がスカウトされたらどうするか?って質問でさー」ハァ

P「そうだったんですか」

美嘉「意外に驚かないんだね」

P「そうかなとは思ってました」

美嘉「あらま」

P「伊達にこの仕事してませんから」

美嘉「うん。そっかそっか」

P「えぇ」

美嘉「言ってることも尤もだとは思うけどねー。でも、莉嘉とか知り合いの中で応援してくれるって人もいたんだよね」

P「そうですか」

美嘉「ん。結構嬉しいよね。そういうこと言ってくれる人がいるって」

P「私も応援しますよ」

美嘉「だからこうしてスカウトしてるんでしょ?」アハハ

美嘉「正直ね」

P「はい」

美嘉「友達が言ってることも分かるんだよねー、ミスッたらハズいとか。そういうことも全部」

P「私も分かります」

美嘉「だけどなんていうのかなー、やっぱりそういう所に一瞬でも憧れを持っちゃったらさー、自分で行きたいなって思っちゃうじゃん」

美嘉「自分がサイコーに輝ける場所を見つけたいって思うじゃん」

P「分かります」

美嘉「だよねー。ギャルにも意地があるんだよね」

美嘉「あー、プロデューサー…さん?」

P「なんです?」

美嘉「さっきのセリフ取り消しって効く?」

P「さっきの?」

美嘉「あー、えっと…アイドルになるの遠慮するって話」

P「それは構いませんけど」

美嘉「アタシはさ、欲張りだからあそこに立つくらいじゃ満足しないよ?」

美嘉「ステージごとキラキラにして見せるから。見てる人もそこに立ってる人も」

P「その意気です」

美嘉「ギャルの心意気ってのを見せたげるから」

美嘉「あ、晴れてる…」

P「天気雨みたいでしたね」

美嘉「またバス乗って帰るの?」

P「えぇ。いい話も出来ましたし」

美嘉「アタシのこと?」

P「えぇ。ちひろさんにも話そうかと」

美嘉「よろしくって言っといて~」

P「はい。分かりました」

美嘉「んじゃ、そこまで歩こっか」

P「欲張りって言ったじゃないですか」

美嘉「言ったね」

P「欲って漢字は谷が欠けると書きますよね」

美嘉「ん?あーそうかも。自信ないケド」

P「山は望みが叶った頂点みたいなものです」

P「加えて谷がないってことは常に登り続けられるってことですよね」

美嘉「あー、そんな感じかな」

P「一気にシンデレラまで駆け上がりましょうね」

美嘉「プロデューサーはなにしてくれるの?」

P「そうですね…魔法でも掛けましょうか」

美嘉「魔法?随分とファンタジーなことを言うね」クスクス

P「まぁ、確かにファンタジーですね」

美嘉「それで、どんな魔法を?」

P「それはまだ、秘密です」

美嘉「…思いついてないならそれでもいいけど?」

P「そ、そんなことはないです…多分」

美嘉「あはは!正直と言うか、嘘が吐けないと言うか…とにかく宜しくね」

P「こちらこそ」

周子の部屋

美嘉「――ってな感じだったと思うけど」

周子「十分凄いと思うんだけど…」

周子(何と言うか…Pさん凄い努力したんだなぁ…)

卯月「莉嘉ちゃんと一緒に来た時はびっくりしたよー」

凛「確かにね」

美嘉「まぁ、なんだかんだで今までこうやってやれてるから感謝しかないけどね」

周子「感謝だけ?」

美嘉「感謝だけだって」

凛「直接言ってみたら?」

美嘉「うえっ!?」

周子「あー、隣だしね。よしっ!」ガバッ

美嘉「え、あ、ちょっ!」

コンコン ガチャ Pサーン

美嘉「え、マジで呼んじゃうの?」

卯月「折角ですしね!」

凛「うん。口に出した方が向こう喜ぶと思うよ」

美嘉「…まぁ、たまにはね」

P「どうした?」

凛「こんばんは」

卯月「こんばんはー!」

美嘉「ど、どうも…」

P「借りてきた猫みたいに大人しいのが一人いるけど」

美嘉「あ、いや、ちょっと昔話をしててさ」

P「うん」

美嘉「ありがとっ!そ、それだけ!」カァァ

P「お、おう。こっちこそよろしくな」

車内

卯月「えっと…ごめんなさい」

凛「ごめん」

美嘉「わざわざ送ってくれなくても…」

P「それは気にしなくていいけどさ」

P「しかし、美嘉が入った時の話か。懐かしいな」

美嘉「アタシも久々に思い出したよ」

P「本当に莉嘉以外にファンになってくれる。って言ってくれた子には感謝だよな」

凛「そうだね。じゃないと美嘉はここにいなかった訳だし」

美嘉「あれ夕美だから」

P「あ、そうなのか」

美嘉「うん。だからある意味夕美のおかげ」

卯月「あ、ここで大丈夫でーす」

凛「ばいばい」

P「お疲れ様」

卯月「また明日からも頑張りますっ!」

美嘉「ばいばーい」

凛「あ、ここで。ちょっと買い物していかなきゃ」

P「あんまり遅くなるなよ?」

凛「心配してくれるんだ」

P「当たり前だろ」

凛「大丈夫だって。遅くはならないから」

美嘉「じゃね」

美嘉「ごめんね」

P「いや、だから車で送るのはいいって」

美嘉「ならいいけど…」

美嘉「周子の部屋でさ、とりあえずお礼言ったけどさ。改めて言うね…ありがと★」

P「どうしたんだ?」

美嘉「あの時、アタシが遠慮します。って言った時にそのまま頷いて帰っちゃったらアタシはここにいなかったじゃん」

美嘉「自分の中じゃちょっと興味あったのに他の人の意見に流されてさ」

美嘉「絶対後悔してたと思う。あの時なんで……ってね」

P「結局選んだのは美嘉だよ」

美嘉「勿論そうだけどね」

美嘉「あの時、Pさんがアタシをしっかり見てくれて、引き止めてくれたから今ココにいるんだって」

P「物は言い様だな」

美嘉「そそ。そういうこと~」

美嘉「そう言えば一つ聞いていい?」

P「なんだ?」

美嘉「アタシにはどんな魔法を掛けたの?」

P「……あー」

美嘉「え、忘れてた?マジ?」

P「いや、忘れてはいない。ただ、言うのが恥ずかしくてな」

美嘉「もうアタシらの仲じゃん」ニヤニヤ

P「…一歩」

美嘉「ん?」

P「俺は別に本当の魔法使いじゃないから火を出したりは出来ないからな」

美嘉「そういう魔法は流石にいらないかな。あったらあったで面白そーだけど」

P「だから、一歩。アイドルになろうって決めるための一歩を踏み出させるって魔法だな」

美嘉「……」

P「我ながら恥ずかしいセリフだと思う」

美嘉「ほんっとに恥ずかしいセリフだよね!」

美嘉(聞いてるこっちが恥ずかしいよ…)カァァ

P「いつかはさ、美嘉が履いている靴をガラスの靴に変えてやる!とか言ってみたいんだけどな」

美嘉「クサすぎだって!」アハハ

P「俺も昔を思い出しちゃってさ」

美嘉「確かに昔のが初々しかった気がする」

P「シンデレラになるまでの道って結構厳しいと思うんだ」

美嘉「それは分かってるって」

P「たまにさ、自分がどこにいるかわからなくなることもあるかもしれない」

P「でも、美嘉の道は常に月の光が照ってるから道に迷うことはなさそうだよな」

美嘉「……?」

P「深い谷には月の光は届かないかもしれないけど、谷が欠けた山には光は届くから」

美嘉「あっ!」

P「だろ?」

美嘉「…うん」クスクス

美嘉「アタシは欲張りだからね」ニコ

美嘉「あ、ここで」

P「莉嘉にもよろしくな」

美嘉「上がってく?」

P「いや、遅いから遠慮しておくよ」

美嘉「そっか。ありがとね」

P「明日からも頑張ろうな」

美嘉「もち。言われなくても!」

美嘉「あ、そだ」クルッ

P「ん?」

美嘉「明日もがんばろーね!投げキッス★」チュ

P「なっ…!」

美嘉「ばいばーい!」

終わりです。
読んで下さった方ありがとうございました。

今回は解説と言う解説はないので、ここに書いてしまいますが、『欲』が谷を欠く。

というような解釈はとある野球漫画から引用しています。

実際の語源とは違いますが、こっちの方がいいなと思いました。

失礼いたします。

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