空から降って来たのはムスカでした。 (18)


冒頭シーン


ズルッ


ムスカ「うわあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」



ドーラ「しまった、飛行石が!!」




―――――
―――
――


OP「君を乗せて(instrumental)」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435411402


***


パズー「親方ー! 空からおっさんが降ってきた!!」

親方「おっさん? 仕事の邪魔だ! その辺に捨てとけ!」

パズー「あーい!」ポイッ

ムスカ「」ヒュー



***

パーッパパッパ パーッパパッパ パーパラッパッパー


ムスカ「む……ここはどこだ……? くぅ! ズキズキする! この正露丸みたいなラッパを止めろ!! 頭が割れそうだ!!」

パズー「おっさん、気がついたかい?」

ムスカ「……君はだれかね?」

パズー「僕はパズー。おっさんは?」

ムスカ「私はムスカ大佐だ」

パズー「へえ。よろしく、おっさん」

ムスカ「ムスカ大佐ッて呼びたまえ!」

パズー「おっさん、空から降ってきたから堕天使じゃないかって心配してたんだ」

ムスカ「つくづく失礼だね、君は」

パズー「変なペンダントもつけてたしね」チャラッ

ムスカ「はッ! それは飛行石ッ!! 返してくれッ!!」

パズー「だめだね。これはおっさんを助けた礼にもらっとくよ」

ムスカ「か、金ならいくらでも払う! そうだ、金貨をやろう!!」

パズー「ひゅう! なら返すよ!」

ムスカ「……というか本当に助けてくれたのかね? 全身が痛くてこのベッドから起き上がることもできんのだが……」

パズー「まぁ炭鉱に落ちて生きてただけでも奇跡だよ」

ムスカ(飛行石を持っていたから本当なら無傷のはずなのだが……)

パズー「どっから降ってきたのか知らないけど、えらくゆっくり落ちてたね。もしかしたらこのペンダントが関係してるのかも! 光ってたし」

ムスカ「や、やっぱりこの石は光っていたか!」

パズー「うん。僕がおっさんを受け止めたときに光が消えちゃったけど。炭鉱に捨てたときも光ってればけがをせずに済んだのにね」

ムスカ「捨てた!? 空から降ってきた私を一旦受け止めて、そのあと捨てた!?」

パズー「親方のいうことには逆らえないんだ」

ムスカ「パズー君、君はひどいやつだ……。本当にひどいやつだ……」

パズー「まぁ後で悪かったと思ったからこうしてベッドまで運んであげたんだよ。感謝こそすれ、恨まれる筋合いはないね」

ムスカ「……くそ! 早く軍が来てくれんことには、海賊共に見つかってしまう……」

パズー「海賊に襲われたのかい?」

ムスカ「そうだ。飛行船を海賊に乗り込まれ、逃げようとして誤って落ちてしまったのだ」

パズー「おっさんも災難だったね」


ピンポーン


パズー「ん? 誰だろう、こんな朝早く……」

ムスカ「待て! 奴ら、海賊だ! 私を狙ってきたんだ!!」

パズー「そりゃ大変だ」

ムスカ「頼む、私はいないと言ってくれ」

パズー「お安い御用さ」




ガチャッ


パズー「どちら?」

ルイ「よぉ、昨日おっさんがこの辺にこなかったかい?」

パズー「さあ、知らないね」

ルイ「金貨をやろう」

パズー「部屋の奥で寝てるよ」

ムスカ「はあああああああああああああ!?」

ルイ「助かるぜ」


ムスカ「待て、離せ! 痛い痛い!! 動かしちゃダメだろ、今はまだ!!」

ルイ「うるせえ、だまれ!」グイッ

パズー「ねぇ、そのおっさんをどうするの?」

ルイ「あ? ああ、俺たちが興味あるのはこの石だ。この石に関する情報さえ聞けたらあとは用はねえな」

パズー「開放するの?」

ルイ「いや、ばらす」ドッコイセ

ムスカ「うわああああ!! やめろおおおおお!!! 私はラピュタ王なのだぞー!!」ジタバタ

パズー「落ちたときに頭を打ったみたい」

ルイ「そのようだ。邪魔したな」ガチャッ バタンッ

パズー「後日、シータとか言う女の子が挨拶にきた」

パズー「私とこの世界を救ってくれたとか、よく分かんないこと言ってたけど、まあ悪い気はしなかった」

パズー「それから町はずれに住んでる爺さんが、空から畑におっさんが降ってきたとか言っていた」

パズー「即死だったらしいが、落とされる前にかなり手ひどい拷問を受けた跡があったらしい」






おしまい

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom