夕立「もしもし、あたし夕立さん」 (64)
提督「」カキカキ
提督「」カキカキ
提督「ふぅー・・・」
提督「やっとここまで終わったか」
提督「」チラ
時計『02:05』
提督「もうこんな時間か・・・」
提督「(秘書艦の時雨も、もう寝かせてしまったしな・・・)」
提督「(俺も早く終わらせて寝よう・・・)」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435237989
提督「」カキカキ
提督「」カキカキ
時計『02:46』
提督「・・・よし、終わった」
提督「やっと終わった・・・」
提督「(これでやっと眠れる)」
提督「(最近は忙しい日が続くな・・・)」
提督「(そろそろ疲れてきたぞ・・・)」
内線『』チリリリリリリリリリリリン!!
提督「わあぁぁぁぁぁぁっ!?」
提督「な、なんだ!?」
内線『』チリリリリリリリリリリリン!!
提督「なんだよこんな時間に・・・!」
提督「(もう終業時間はとっくに過ぎているぞ!)」
提督「(司令室には誰もいないはずだが・・・?)」
提督「(・・・誰かのいたずらか?)」
内線『』チリリリリリリリリリリリン!!
提督「」ゾワ
提督「・・・・・・」
提督「・・・!」ガチャ
提督「・・・こちら執務室、どうした?」
内線『・・・・・・』
提督「・・・?」
提督「もしもし? どうした?」
提督「誰だ? 大淀か?」
内線『・・・・・・』
提督「おい、聞いているのか?」
提督「おーい、応答してくれ」
提督「(・・・? いたずらか?)」
内線『もしもし』
内線『あたし、夕立さん』
内線『今、鎮守府正面玄関にいるっぽい』
提督「ひっ!?」ビクッ
内線『』ガチャン
内線『』ツー ツー ツー
提督「夕・・・立・・・?」
提督「(確かに・・・夕立って、言っていたよな・・・?)」
提督「(夕立め・・・変ないたずらをしおって・・・!)」
提督「(明日はたっぷりお仕置きをしなくては・・・)」
提督「(・・・いや、待てよ)」
提督「(いたずら目的ならば、わざわざ自分から名乗り出るのはおかしい)」
提督「(しかし・・・あれは確かに夕立の声だった)」
提督「(それも、今まで聞いたことのない、とても冷たい声)」
提督「(それも何故こんな時間に・・・?)」
提督「・・・・・・」
提督「確かめなくては・・・」
『白露型駆逐部屋』
白露「...zzz」
村雨「...zzz」
時雨「...zzz」
五月雨「...zzz」
涼風「...zzz」
春雨「んっ・・・///」
提督「(・・・・・・)」ソー
提督「(夕立は・・・)」キョロキョロ
夕立「...zzz」
提督「(いる・・・か・・・)」
提督「(この部屋から司令室までは、かなりの距離がある)」
提督「(仮に今急いで戻ってきたとしても、間に合わなかっただろう)」
提督「(ということは、夕立は眠っていた?)」
提督「(夕立が犯人ではないのか・・・?)」
提督「(・・・・・・)」
提督「(・・・明日、夕立にはそれとなく聞いておこう)」
『翌日』
夕立「お電話・・・?」
夕立「夕立、そんな真夜中に提督さんにお電話なんかしないっぽい」
提督「・・・・・・」
夕立「確かに夕立はいたずらが好きだけど、自分の睡眠時間を削ってまで」
夕立「そんな手の込んだいたずらはしないっぽい」
提督「・・・そうか」
提督「そうだよな、はは・・・」
提督「悪いな、時間を取らせてしまって」
夕立「ううん、良いっぽい」
夕立「きっと、提督さんは寝ぼけていたんだと思うっぽい」
提督「いや、寝ぼけてはいなかった」
提督「確かにこの耳で聞いたんだがな・・・」
夕立「ううん、そんなことないっぽい」
夕立「提督さんは、疲れていたっぽい」
夕立「そして寝ぼけて」
夕立「変な声をたまたま聞いてしまった」
夕立「それだけっぽい」
提督「え・・・?」
夕立「ねぇ」
夕立「提督さん」
夕立「これはね」
夕立「ただの気の所為っぽい」
夕立「あまり深く考えてはいけないっぽい」
提督「いや、しかしだな・・・!」
夕立「提督さん」
夕立「何度言ったらわかるの?」
夕立「良い?」
夕立「これは気の所為」
夕立「 わ か っ た ? 」
提督「そ、そうか・・・」
提督「(・・・・・・)」
夕立「うん」
夕立「それじゃあ、夕立」
夕立「もう行くね?」
提督「あ、あぁ・・・」
夕立「」スタスタ
提督「・・・・・・」
提督「(夕立・・・?)」
提督「(・・・・・・)」
『司令室』
大淀「・・・確かに何者かが通信をした痕跡が見られます」
提督「やはりか・・・」
大淀「通信記録が残っています」
大淀「時間は・・・」カチカチ
提督「」チラ
提督「(あのときだ・・・)」
大淀「それで、肝心の音声の方なのですが・・・」
大淀「・・・・・・」ザザー
大淀「うーん・・・よく聞こえませんね」
提督「そうか・・・」
大淀「もう少しで何か聞こえそうなのですが・・・」ザザー
大淀「・・・・・・」
大淀「・・・・・・・・・」
大淀「うっ・・・!?」ガク
提督「!?」
提督「どうしたんだ大淀!」バッ
大淀「だ、大丈夫です・・・少し、立ちくらみが・・・」
大淀「う・・・! う・・・うぇぇ・・・!」ガタガタ
提督「た、大変だ! 今すぐ医務室に連れて行ってやるからな!」スッ
大淀「す、すいません・・・」
大淀「はぁはぁ・・・! だ、段々苦しくなって・・・!」ダラダラ
大淀「き、気持ちが悪いです・・・! ぐ、具合が・・・!」ガクガク
提督「大淀! しっかりするんだ!」
提督「(なんだ!? 一体どうしたというんだ!?)」
提督「(・・・その後、大淀の容態は回復した)」
提督「(少し重めの立ちくらみだったそうだ)」
提督「(大事を取って、今日はゆっくり休ませてあげることにした)」
提督「(・・・・・・)」
提督「・・・偶然だろうか?」
提督「大淀はとても熱心に何かを聞こうとしていた」
提督「それが突然、具合悪くなって倒れるなんて・・・」
提督「・・・・・・」
提督「・・・考え過ぎだな」
提督「今日も仕事がまだまだある」
提督「執務室に戻って、時雨と一緒にやるか」
夕立ちゃんのロメオYジュリエッタ・プリトス吸ってきます
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
提督「」カキカキ
提督「」カキカキ
提督「・・・今日もまた遅くなってしまったな」
時計『01:32』
提督「今日はあともう少しで終わりそうだ・・・」
提督「」カキカキ
提督「」カキカキ
内線『』チリリリリリリリリリリリン!!
提督「!?」ビク
提督「(また・・・)」
提督「・・・・・・」
内線『』チリリリリリリリリリリリン!!
提督「・・・・・・」
提督「・・・・・・・・・」
提督「」ガチャ
提督「・・・もしもし?」
内線『もしもし』
内線『あたし、夕立さん』
内線『今、食堂前廊下にいるっぽい』
提督「!?」
内線『』ガチャン
内線『』ツー ツー ツー
提督「・・・・・・」
提督「(どんどん・・・近づいている・・・?)」
提督「(・・・・・・)」
『翌日』
提督「・・・なぁ、夕立」
提督「そろそろいい加減にしてくれないか?」
夕立「? なんのことっぽい?」
提督「とぼけても無駄だ、電話のことだよ」
夕立「また電話の話っぽい? だから、それは夕立じゃ・・・」
提督「」バンッ!!!!
夕立「ひっ!?」ビク
提督「あれは確かにお前の声なんだよ!」
提督「他の誰でもない! お前のだ!」
提督「お前以外に考えられないんだよ!」
夕立「そ、そんな・・・!」
提督「いい加減にこんないたずらは止めてくれ!」
提督「こっちは夜遅くまで仕事をしているんだ!」
提督「業務の妨害は止めてくれ! 鬱陶しい!」
夕立「て、提督さん・・・!」
提督「どうやって上手く誤魔化しているかはわからんが」
提督「これ以上続けるならば、それなりの処罰を下すぞ!」
夕立「う・・・うぅ・・・!」ポロポロ
提督「はぁはぁ・・・!」
夕立「どうして?」
提督「・・・?」
夕立「どうしてそんなに夕立を責めるっぽい?」
夕立「夕立は何も悪いことをしていないのに・・・」
夕立「ねぇ」
夕立「どうして?」
夕立「提督さん」
提督「ゆ、夕立・・・?」
夕立「酷い提督さん・・・」
夕立「どうして夕立を信じてくれないっぽい?」
夕立「ねぇ、どうして?」
夕立「信じてよ」
夕立「夕立を」
夕立「ねぇ」
夕立「ねぇってば」
夕立「 ね ぇ 」
提督「」ゾワ
提督「・・・う、うるさい!」
提督「頭を冷やして、よく考えてこい!」
夕立「・・・・・・」
夕立「」シュン
夕立「」トボトボ
提督「ま、まったく・・・!」
提督「・・・・・・」
提督「(あとは・・・時雨に少し頼んでみるか)」
夕立「(提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん提督さん)」
時雨「・・・え? 夕立を監視してほしい?」
提督「あぁ、1度だけで良いんだ」
提督「夕立がちゃんと夜の間寝ているか、確かめてほしいんだ」
時雨「えっと、別に構わないけど・・・」
時雨「その・・・どうしてかな?」
提督「夕立がちょっといたずらをしているみたいなんだ」
提督「俺が注意をしても、全然聞いてくれなくてな・・・」
時雨「夕立がいたずらを・・・? あまり信じたくないけど」
時雨「そういうことなら、僕に任せてよ」
時雨「夕立にも聞いてみるし、夜も確かめてみるからさ」
提督「あぁ、頼むよ」
提督「・・・・・・」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
提督「・・・・・・」
提督「」チラ
時計『00:23』
提督「今日は早めに終わったな・・・」
提督「(また内線がかかってきたら、明日時雨に聞いてみるか)」
内線『』チリリリリリリリリリリリン!!
提督「!」
提督「(・・・? 段々時間が早くなってきている・・・?)」
提督「」ガチャ
提督「夕立! 何度言えば気が済むんだ!」
提督「こんな馬鹿げたいたずら、もう止めr」
内線『もしもし』
内線『あたし、夕立さん』
内線『今、執務室の前にいるっぽい』
提督「!?」
提督「」ダッ
提督「」バン
提督「」キョロキョロ
提督「・・・?」
提督「だ、誰もいない・・・」
提督「(な、なんだよ・・・なんだよこの胸騒ぎは・・・!)」ゾワゾワ
提督「」ガタガタ
提督「(が、我慢だ・・・! 朝までの我慢だ・・・!)」
提督「(朝になったら、時雨が報告してくれる・・・!)」
提督「(それで全てがわかるんだ・・・!)」
提督「は、早く寝てしまおう・・・!」
『翌日』
提督「・・・・・・」
提督「・・・嘘だろ?」
時雨「ううん、夕立は確かに眠っていたよ」
時雨「僕は眠っているフリをして観察していたけど」
時雨「夕立が1人抜け出したりはしなかったよ」
提督「・・・・・・」
時雨「ふあーぁ・・・ちょっと眠いかな?」
提督「・・・・・・」
時雨「・・・? 提督?」
時雨「大丈夫? 提督?」
提督「・・・・・・」
提督「・・・・・・・・・」
提督「(おいおいおいおいおい)」
提督「(嘘だろ?)」
提督「(夕立は犯人じゃない・・・?)」
提督「(じゃあ、あれは一体誰なんだよ・・・?)」
提督「(嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ)」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
提督「」カキカキカキカキカキカキカキカキ
提督「」カキカキカキカキカキカキカキカキ
時計『11:58』
提督「(早く・・・早く終わらせないと・・・!)」
提督「(また内線がかかってきたらどうするんだ・・・!)」
提督「(くっ・・・! 時雨に頼んで、一緒にいてもらえば良かった・・・!)」
提督「(でも・・・昨日は監視をさせて、眠そうだったし・・・)」
提督「・・・・・・」
提督「・・・って! いかん!」
提督「早く終わらせるんだ!」バッ
内線『』チリリリリリリリリリリリン!!
提督「ひいぃぃっ!?」ビク
内線『』チリリリリリリリリリリリン!!
提督「(出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない出たくない!!!!)」ガタガタ
内線『』チリリリリリリリリリリリン!!
提督「・・・・・・」
提督「・・・・・・・・・」
提督「・・・くっ!」ガチャ
提督「・・・・・・」
提督「 ・ ・ ・ も し も し ? 」
内線『 も し も し 』
内線『 あ た し 、 夕 立 さ ん 』
内線『 今 』
内線『 執 務 室 の 』
内線『 提 督 さ ん の 机 の 下 に 』
内線『 い る の 』
提督「え・・・・・・」
夕立さん「<●> <●>」
ザシュッ!!!! ビタビタビタ・・・・・・ ゴト
提督「」
夕立さん「(提督さん、最近あたしに構ってくれなくなったっぽい)」
夕立さん「(時雨を秘書艦にして、時雨ばっかり可愛がって)」
夕立さん「(あたしには冷たくして・・・許せないっぽい)」
夕立さん「(そんな夕立の負の感情から生まれたのがあたし)」
夕立さん「(そう、夕立さんっぽい)」
夕立さん「(人間でも艦娘でもなく、夢魔のような存在)」
夕立さん「(これで提督さんはあたしだけのものっぽい)」
夕立さん「(あたし達には、姿形なんていらないよね?)」
夕立さん「(声だけ・・・そう・・・声だけあれば十分っぽい)」
夕立さん「(あぁ・・・明日から何を話そうかしら?)」
夕立さん「(楽しみっぽい・・・)」
夕立さん「(あは・・・あははははははははは!!)」
夕立さん「(・・・提督さん、これからはずっと一緒っぽい?)」
夕立さん「(誰からも認識されず、夕立の声だけを聞いていく)」
夕立さん「(これでもう、提督さんは夕立しか仲間がいないっぽい)」
夕立さん「(ねぇ、提督さん)」
夕立さん「 ( こ れ か ら い っ ぱ い お 話 し し よ う ね ? ) 」
終わり
このSSまとめへのコメント
ヒェッ
ヒエッ
夕立さん怖えw
えっと・・・あれ?
理解できなかったの俺だけ?