平塚「比企谷八幡の誰でも出来る禁煙講座」 (325)




@部室



がららっ

結衣「やっはろー!」


雪乃「こんにちは、由比ヶ浜さん」

結衣「えへへ、ゆっきのーん」だきっ

雪乃「きゃっ……ど、どうしたの?」

結衣「ううんべっつに~、ゆきのんに会えて嬉しいだけ!」

雪乃「そ、そう///」

結衣「へへ///」




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435072372




雪乃「……そう言えば、比企谷くんは一緒じゃないのね」

結衣「うん。まだ来てない?」

雪乃「見ての通り、あなたが来るまで私一人よ」

結衣「おっかしいなー……ホームルーム終わったのけっこう前なんだけど」

雪乃「なら、また問題を起こして職員室にでも呼ばれているのかも」

結衣「ははは……」




結衣「でもさ、最近いっつもヒッキー来るの遅いよね」

雪乃「そう言われれば」

結衣「また皆に内緒で変なことに巻き込まれたりしてないかな……」

雪乃「……大丈夫だと、思うけれど」

結衣「心配だなー……」

雪乃「…………」





がららっ

八幡「うーっす」


結衣「あ、ヒッキー!やっはろー」

八幡「おう」

雪乃「比企谷くん、あなた何様のつもりか知らないけれど、随分な遅刻よ。罰としてその腐った両目を抉ってきて頂戴」

八幡「この部活開始時刻とか決まってたのかよ……ってか罰が重い。重いしグロい」

結衣「どこ行ってたの?ホームルーム終わってから時間けっこう経ってるよ」

八幡「あー……職員室だよ。職員室に呼ばれてた」

雪乃「はぁ……今度はどこの誰に変態行為を働いてしまったの?」

八幡「なんで俺がワイセツしている前提なの?誰にも何もやってません」

結衣「ヒッキー?……ホントに……?」

八幡「当たり前だろ。なんなのお前ら、いきなり人を変質者みたいに」

雪乃「その目が全てを語っているのよ。あなたの過去の罪を……」

八幡「強いて言うなら、この目が語ってるのは悲しみだよ。いきなり部活の仲間にあらぬ冤罪ふっかけられた深い悲しみ」

雪乃「なか、ま……?」

八幡「おーい、泣くぞー。そろそろ本気で泣いちゃうぞー」





結衣「まぁまぁ、それくらいで……それよりヒッキー、大丈夫なの?」

八幡「あん?まだ続ける気か、『それでも俺はやってない』ごっこ」

結衣「違うよ!そうじゃないの」

八幡「?」

結衣「最近、部活来るの遅いし……今日も職員室に呼ばれたって」

八幡「あぁ……大丈夫だ。お前が想像してるような事は無いから。ちょっとした野暮用で先生に呼ばれてただけだよ」

結衣「そっか」

八幡「おう」

雪乃「……なにか有るなら、力になるわ。私も由比ヶ浜さんも」

八幡「急に優しくすんなよ、心臓に悪い……ちゃんと分かってる」

雪乃「そう。なら良いけれど」


結衣(良いとこ持ってかれちゃった……)(´·ω·`) ショボーン





八幡「………」ぺらっ

雪乃「………」ぺらっ

結衣「………」ぽちぽち



<コツコツコツコツ……



結衣「あ、誰かの足音……もしかして依頼かな?」

八幡「マジかよ……めんどくさいな。奉仕部に来ませんように」

雪乃「そうね。出来るならそのまま素通りしていってくれないかしら」

結衣「もう、二人とも!」





平塚「比企谷!」がららっ


八幡「え?」



結衣「あ、先生だ」

雪乃「そうね」

結衣「やっぱり。また依頼だよきっと」

雪乃「……本当に、面倒なことでなければいいのだけれど」



八幡「なんですか」

平塚「なんですかじゃないだろう。さっき、何か大事なことを忘れていかなかったか?」

八幡「?職員室には手ぶらで行ったんで忘れ物とかは……」

平塚「違う!だから……その……」もじもじ





結衣「あれ、ちょっと様子変じゃない?」

雪乃「えぇ。あの体の震え……更年期障害かしら」

結衣「ゆきのん、よく分かんないけどそれ絶対に本人に言っちゃダメだよ?」



八幡「はて、何のことだか皆目見当がつかないんですが」

平塚「ほ、本当に?」

八幡「はい。さっぱり」

平塚「……そうか。すまない、邪魔をして」しょんぼり

八幡「…………」


平塚「失礼し……」がらっ

八幡「待て」ぎゅっ





八幡「………」ぐいっ

平塚「なんだ比企gんむっ!?」


ちゅっ


八幡「んっ……」ぎゅっ

平塚「ちゅっ……んちゅ」ぎゅっ



雪乃「は?」

結衣「へ?」



八幡「ん……」

平塚「んっ、じゅるっ、んぁ……んっちゅっ」

平塚「ちゅ、ちゅる、じゅぱっ、ちゅっ……んんっ」



雪乃「」

結衣「」





平塚「んちゅ、ぁ……///」

八幡「ぷはぁっ」



平塚「はぁ……はぁ……////」

八幡「忘れもの……これで良いっすか」

平塚「んっ……あぁ。ま、また後で頼みゅ///」

八幡「はいはい」


平塚「じゃ、じゃあな!しっかり部活に励むんだぞ……は、八幡////」

平塚「きゃー!!なんつって!なんつってな!/////」



がららら、ぴしゃん!





八幡「部活励めって……この閑古鳥部で何励めって言うんだ」

八幡「なぁ――」くるっ


雪乃「おい」がしっ


八幡「うおっ」


結衣「あわわ……」ぷしゅー





雪乃「今のは一体どういうことなのかしら」ぎりぎり……

八幡「顔が近ぇよ。あと俺の肩甲骨が変な音をたてて軋んでる」

雪乃「どういうことなのかと聞いているのよ」ぎりぎり……

八幡「ぉっぷ、ギブギブギブギブ!マジで割れる!折れるじゃなくて割れる!」

雪乃「…………」ぎろっ

八幡「なんつー目をしてんだ……いてて、なんでこんな攻撃……」

雪乃「あなたはそれだけの事をしたのよ。あと、目のことについてあなたにとやかく言われると死にたくなるわ。謝罪を要求します」

八幡「うん、俺も。身も心も傷つけられて死にたい気分だよ?」

雪乃「見なさい。由比ヶ浜さんなんてあまりのショックで廃人状態よ」



結衣「」ぼへー



八幡「……普段とあんま変わらな」

雪乃「………」ばしっ

八幡「いって!」





結衣「―――はっ!」


雪乃「気がついたわね、由比ヶ浜さん」

結衣「あ、あれ?今確かヒッキーが先生と……!」

結衣「あぅ……////」ぷしゅー



八幡「見た目はビッチなのにな」

雪乃「黙りなさい。ケダモノヶ谷くん」

八幡「もう語呂とかガン無視だな」

雪乃「ケダモノ」

八幡「あ、原型なくなった」





結衣「ちょ、ちょっとヒッキー!!あれどういうこと!?////」

八幡「キスの事か」

結衣「きっ……そ、そうだよ!//」

八幡「どういうことつってもな……」

雪乃「とぼけないで、私達にも分かるように説明してくれる?」

結衣「そ、そうだそうだ!」

八幡「…………」



八幡「……分かったよ。あれは確か―――」




取り敢えずここまで
また23時間後位に



中々素敵な荒れ具合
続きいきまっす




―――――――回想―――――――



――1週間前


@職員室




八幡「禁煙する?」




平塚「いかにも」

八幡「いや、『いかにも』じゃなくて……そんなんどうぞ勝手にやって下さいよ。わざわざ俺を呼び出して宣言することですか」


平塚「違うんだよ比企谷、何も君に禁煙宣言を聞いてもらう為にここに呼んだ訳じゃない」

平塚「それに関して一つ頼みごとがあるんだ」






八幡「……厄介事は御免ですよ」

平塚「なに、そんな大したことじゃないから安心しなさい。ほら、座りたまえ」

八幡「……まぁ、聞くだけ聞きます」

平塚「うむ」

平塚「では早速。頼みごとと言うのは他でもない」

八幡「…………」


平塚「この私でも――」



平塚「この意志薄弱な私でも、実践可能な禁煙方法を考えて下さい。お願いします」



八幡「…………」





平塚「…………」じっ

八幡「…………」



八幡「失礼しました」すくっ

平塚「待て、待つんだ比企谷!」

八幡「いや、僕部活に行かなくちゃいけないんで。これで」

平塚「急に真面目ぶりおって……ちゃんと話を聞くと言っただろう!」

八幡「だから、聞いたでしょ。その上で、想像してた10倍位しょうもない事だったので帰らせてください」

平塚「まだ話は終わっていない!とにかく座って、な?な!?」





八幡「はぁ……なんなんすか最近。『この前出来た新しいラーメン屋に行こう』とか」

八幡「『今度の同窓の集まりに着ていく服はどっちが良い?』だの、どうでも良いことで俺を呼び出して。職権乱用ですよ」


平塚「そ、それは……良いだろう別に!それに、私にとっては大事なことなんだ!」

八幡「だったら尚のこと俺みたいな一学生じゃなくて、成人男――っ!」

平塚「ん?成人……なんだ?」にっこり

八幡「……なんでもないです。ないですから、その血管浮いた拳を降ろして下さい」

平塚「そうか」

八幡(怖ぇよ。あんな怖い笑顔出来る人初めて見たよ)





八幡「とにかく、もう一々呼び出すのやめてくれませんか。他の先生方も『またあいつか』みたいな慣れ方して俺に反応すらしなくなってきてんすけど」

平塚「それに関しては申し訳なかった、反省する。だけど今回ばかりは真剣なんだ!」

八幡「今回……禁煙、ですか?」

平塚「そうだ」

八幡「………」


平塚「取り敢えず、話の続きをしてもいいかね?」

八幡「……どうぞ」





平塚「ごほんっ。つい一週間ほど前、私は禁煙しようと思い立った……訳は聞くな」

平塚「とにかくそれで職場、車、家―――身の回りの思いつく所すべてからヤツを排除したんだ」

平塚「吸おうと思っても物理的に吸えない状況を作り出せばいい、そう思ってな」


比企谷「なるほど」


平塚「タバコが周りに一切ない環境を作り上げた。完璧だ!」

平塚「匂いを嗅いだりして吸いたくならない様に居酒屋にも行かず、部屋で一人酒を食らった!

平塚「そう……一人で……」

平塚「……ヤツがいないせいで、心なしかガランとしている部屋の中で一人……一人で……」

比企谷「あの、話進まないんで……」





平塚「そ、そそうだな……まぁ、とにかくそうやって完璧に煙を断てたんだ」

平塚「やった!何だ、思ったより簡単じゃないか……その時はそう思った」


平塚「だが、そう思っていた私が甘かった!!」


平塚「その次の日のことだ……昼休みに……ハッと気がつくと私は、私はっ……」



平塚「タバコを咥えて火をつけていた……」



平塚「机の上には何故かタバコの箱が……なんというミステリー!」

八幡「間違いなく無意識に自分で買って吸ったんだろ」

八幡「ミステリーでも何でもない。しかも三日ともってねーし……」





平塚「禁煙作戦第一陣はあっけなく失敗に終わった……」

平塚「ダメだ。身の回りから排除するぐらいでは、私の中のたくましいスモーカースピリットが何処からか新しいブツを調達してきてしまう」

平塚「ならば次は、仕事を詰めてヤツに意識をいかせず手の伸びる隙を与えないようにしよう。空いている時間は何か他の趣味でも見つけて気を紛らわそう」

平塚「勿論、身の回りから全て排除した上でな」

平塚「今度こそ、いける!……そう思った……」

平塚「所がどうだ……いざ作戦を実行して、作業に没頭しているとな……頭の中に響いて来るんだ……」



『吸いたいだろう……吸わなくて良いのか?……ほら、あの味が恋しいだろう?……吸ってしまえ……』



平塚「という、声がッ!!」



八幡「………」

八幡(幻聴……)





平塚「やがてその声に押されるようにして……販売機のボタンを押していた……」

平塚「出てきたヤツを手に取りながら、『何をやっているんだ。禁煙するんじゃなかったのか?』と……自分はなんて意志が弱いのか」

平塚「そう思いながら火をつけていた……真っ暗な部屋で、一人……」


平塚「はは……笑ってくれ、この惨めな私を……」



八幡「いや、微塵も笑えないんですが……むしろ胸が痛い」

平塚「はは、ははは」

八幡(禁煙より前に先ず心のケアをすべきだこの人は)





平塚「という事なんだ。頼む!こんな私でも可能な画期的禁煙方法を考えてくれ!」

八幡「無茶言うな。俺にどうこう出来るレベルじゃないでしょ依存度が」

八幡「禁煙パイポ買うなり医者にかかるなりしてください」

平塚「えー……」



平塚「パイポは高いし、医者はめんどくさい」どーん

八幡「はっ倒しますよ」



平塚「お、おい比企谷、ここは学校だぞ?そういう卑猥な発言は慎みたまえ///」

八幡「やっぱ今すぐ病院行くべきです先生。禁煙外来じゃなくて脳外科か精神科に」





平塚「良いのか?そんな態度を取って……お前の国語の評定が煙突になっても……」

八幡「教師として最低の脅迫行為なんですけど。ってかさっきからちゃんと話は聞いてあげてるでしょうが」

平塚「無論、冗談だ……なぁ頼むよ比企谷、この通りだ!」ざっ


八幡「ちょ、土下座って。やめて下さいよ……おい、やめろ!」

平塚「こんなこと頼める相手、他にいないんだ……」

八幡「俺が言うのもなんですけど、あんた友達いなさ過ぎだろ」

平塚「……このまま禁煙出来ないと、私はこのまま売れ残り……孤独死……」

八幡「妄想飛びすぎ……」





八幡(たかだか禁煙でこの荒れ様……さてはまた男関係でやらかしたのか)

八幡(ホント、早く誰かこの人貰ってあげて。犯罪とかに走る前に)


平塚「後生だから……」ぐすっ

八幡「分かりました。引き受けます、引き受けますから泣きながら土下座しないで下さい。不憫すぎてもらい泣きしちゃいそうだし周りの視線が痛い」

平塚「あ、ありがとぅ……」ぐすっ

八幡「……はぁ……」



――――――――――――――――




今日はここまで
また明日


皆熱いねぇ
タバコの代わりにチョコバットでもチュパって落ち着くんだ
続きいきまっす




八幡「ってな事があってだな」

雪乃「………」

結衣「………」

八幡「?」


結衣「え?これで説明終わり?」

八幡「全部話しただろ今」

結衣「全然だよ!一番聞きたかった所がぜーんぶ抜け落ちてるよ!」

八幡「はぁ?」





雪乃「彼女の言う通り。私達が聞きたいのはそこじゃないの」

雪乃「あなたが禁煙の方法を考えてくれと頼まれた件ではなくて……たった今、ここで平塚先生とキスをしたことについてよ」

結衣「………///」


八幡「そっちか」

雪乃「初めからその事しか訊いてないわ」

八幡「そんな睨むなよ……」


結衣「ヒッキー!ちゃんと説明して!」うがー


八幡「キャンキャンうるさい。犬かお前は」

結衣「ワウ!!」

雪乃「由比ヶ浜さん落ち着いて」





八幡「じゃ説明すると……」

八幡「あの後、とにかく先ずは情報を集めないといけないと思ってな。google先生で調べた」

八幡「んで、俺なりに対策を考えたんだよ」


雪乃「……その結果が、さっきのアレということ?」

八幡「そうなるな」

結衣「うぅ……うん?」

八幡「詳しく話すからちょっと待ってろ」





八幡「先ずはそうだな……口唇欲求って知ってるか?」


雪乃「えぇ、知っているけれど……」

結衣「行進?欲求……え、なに?パレードがしたいってこと?」


八幡「うん、そうだな。いい子だからお前はこのMAXコーヒー飲んでおとなしくしてような」

結衣「もう、またそうやってバカにしてぇ!」

八幡「実際バカだろ」

結衣「うっさい!そ、それに…そのコーヒー飲みかけじゃん!」

八幡「ん、あぁ……じゃあこっちのストック缶を――」

結衣「ヒッキーのバーカ」ごくごくごくごく

八幡「結局飲むんかい。ってか悪態つきながらMAXコーヒー様を頂くんじゃねぇ」





結衣(えへへ……ヒッキーと間接キスしちゃった///)てれてれ

雪乃「………」(・ω・`)イイナー



八幡「話続けるぞー」




雪乃「……ごほん。どうぞさっさと話してくれるかしらゴミ」

八幡「すいません、呼び方もうちょっとオブラートに包んでくれませんか?ストレートすぎて胃に来る」


雪乃「あ゛ぁ?」


八幡「続きいきまーす……えぇと、口唇欲求の話だったよな?ざっくり言うとストレスを感じたとき無意識に口への刺激を求める習性だ」

八幡「タバコをよく吸う人って言うのは、ストレスを解消しようとする時、この口唇欲求からつい手を伸びて……って感じで吸ってしまうらしい」

八幡「飴舐めんのが好きとか、爪を噛む癖とかも同じ理由らしいな」

八幡「だから、この欲求を何が別の物で誤魔化しながら段々とタバコから離れさせるのが良いと考えた」





結衣「へぇーそうなんだ……でも何で?何でストレスでそうなるの?」

八幡「なんでも、まだ赤ちゃんの頃に母親のおっぱい吸ってたのを無意識に思い出すんだと。それで安らぎを求めようとす」



結衣「おっぱ……////」

雪乃「……クズヶ谷君」

八幡「え?」



結衣「ひ、ヒッキーのへんたい!えっち!////」

雪乃「いやらしい……もう2、3キロほど離れてくれるかしら。変態がうつると困るから」

八幡「何この理不尽な誹謗中傷。俺泣くよ?」





雪乃「泣いている暇など無いでしょう?早く続きを」


八幡「……取り敢えず、問題の内の一つは口唇欲求だと言う事が分かった」

八幡「だが難しいのはもう一つの問題……ニコチンに対する中毒症状だ」

八幡「これは正直、素人の俺がどうこう出来るモノじゃない。さっさと医者行けって話だ」


結衣「でも先生はお医者さん嫌だって……」

八幡「あぁ。だから仕方ない」

八幡「ここは気合と脅しで頑張って貰うことにした」





雪乃「脅し?」



八幡「『このままタバコ吸い続けたら、一生独り身ですよ……』てな」



結衣「うわ、さいてー……」

雪乃「悪魔ね。目つきもとても人間のものとは思えないわ」


八幡「なんで目の事絡ませてきたの?関係なくない?」





八幡「……まぁ良いわ」

八幡「と、ここまで考えて気がついた。気合と脅しじゃ、失敗した二回目の作戦と変わらないと」

八幡「そこで、更にもう一つの要素を加えようと思った」



八幡「『男』だ」

八幡「ここ数年、しくじり続けて感じることの出来ていない、男の充足感を味わえる何かを……」



結衣「ヒッキー、ほんっとさいてー。変態」

雪乃「死ねばいいのに」


八幡「あれ、何だか視界がぼやけてきた。なんだろコレ」





雪乃「……それで?結果あなたはどうすることにしたの?」


八幡「だから……それらの要素を全て入れて、一気に解決するには

八幡「キスしかないだろ、と」



雪乃「……ダメだわ。やっぱり最後の結論が理解できない」

結衣「そ、そうだよヒッキー!どうしてそうなっちゃうの!?」


八幡「はぁ?お前人の話ちゃんと聞いておけよ……だから静が禁煙するっt」


結衣「名前ー!今『静』って言った!『静』って言ったー!」

八幡「だから何だよ、うるさいな」

雪乃「とうとう誤魔化す事もしなくなったわね……」





雪乃「取り敢えず、百万歩譲って比企谷くんの言い分を聞くとしましょう」

雪乃「でも、あなたとあの人は生徒と教師という関係なのよ?禁煙を手伝う名目で所構わず平気でキスをするのは社会通念上、倫理的に、許されないことだと思うのだけれど」

雪乃「誰か他の男s……とにかく他の人に任せれば良かった事でしょう?あなたは方法を考えてくれと言われただけで、そのリハビリに付き合えと言われた訳ではないのだから」

八幡「俺も一応、方法を伝えたとき初めにそう言ったんだが」



平塚『早くしろォ!手遅れになっても知らんぞォ!!』

八幡『んぶっ!?』

ぶっちゅ~



八幡「つって無理やり」

雪乃「ほとんどレイプじゃない、それ」

結衣「れ、レイプってゆきのん……///」

八幡「だから、まぁ俺も被害者なんだよ、うん」





結衣「うぅ……で、でも!ヒッキーさっき帰ろうとしてたの引き止めて、自分からチューしてたじゃん!」

雪乃「!……そうよ。その事はどう説明するつもり?」

八幡「それは……」


結衣「………」じー

雪乃「………」じー



八幡「そのだな……」



結衣「………」じー

雪乃「………」じー





八幡「……涙目で落ち込んでるしず……平塚先生が可愛かったので、つい」



雪乃「由比ヶ浜さん、なにか鋭利な刃物のような物を持ってる?」

結衣「ごめんゆきのん……このちっちゃいハサミしかないや」

雪乃「なら、技術室からチェーンソーを借りてきてくれるかしら」

結衣「うん。分かった!」


八幡「分かった!じゃねぇよ、待て。本人を目の前にして物騒な殺人計画立てるのやめてくれる?」

雪乃「殺すつもりはないわ。その軽い脳味噌は当てにならないから、直接体に刻み込んであげるのよ。社会の常識を……」

八幡「同級生をチェーンソーで拷問しようという考えの方が、どう見ても社会常識から外れてるだろ」

結衣「ヒッキーが悪いんだよ!え、えっちなことばっかり考えてるから……おしおきなの!」

八幡「お前がやろうとしてるのはおしおきじゃなくて殺人未遂だからね?可愛く言ってもダメだから」





キーンコーンカーンコーン



八幡「ほ、ほら。下校時刻だ」

雪乃「チッ」

八幡「って訳で俺は帰る。じゃあな!」

結衣「え、ちょっと待って――」



がららら、ぴしゃん!





雪乃「………」

結衣「………」


雪乃「……取り敢えず、私達も帰りましょうか」

結衣「……うん。帰ろ」




今日はここまで
続きは多分、また明日

陽乃「あーあたしもタバコ止めたいなー」チラッチラッ

八幡「あなた元から吸ってないでしょ」



すまね、昨日は残業スペシャル
続きいきまっす




@校門


たったったった


八幡「っ……」

八幡「はぁ……はぁ……」


八幡「追いかけてまでは、来てないか……ふぅ」

八幡(いやー危なかった。目がマジだったもん、狩人の目だったもん)







八幡「……そうだ。あの人に連絡しねーと」がさごそ

八幡「あったあった……ん?」


受信件数:34件


八幡「…………」

八幡「oh……」

八幡(まさか……アイツら『逃げたらコロス』的なメールを)ぽちっ




 FROM 平塚静
 ――――――――――
 TITLE 今どこですか?
 ――――――――――
 早く会いたいです。
 至急連絡を下さい。




八幡「……こっちだったかー」



>>1はタバコすうの?




八幡「『今校門を出てすぐの所にいます』……と」

八幡「これd」


ピロリン♪


八幡「……って、返信速すぎだろ」




 FROM 平塚静
 ――――――――――――――――
 TITLE 迎えに行きます
 ――――――――――――――――
 いつもの場所で待っていて、あなた♥

 …………なんちゃって(笑)




八幡「浮かれすぎだろ」





>>134
俺は吸わない
ヘビースモーカーの友人を禁煙させるべくこのSSを作った

女をあてがうのか(困惑)



>>137
友人は女だから男を充てがうことになるな




八幡「とにかく行くか。アイツらに追いつかれてもヤバいし……」



沙希「何がヤバいの?」



八幡「っ!?」

沙希「?」

八幡「何だ、川…川……川淵」

沙希「ふんっ!」

八幡「ぎゃべしっ」






八幡「何すんだよ……」


沙希「名前間違ったら殴るって言っただろ」

沙希「あと、最近間違えるバリエーションが増えてるのもムカつく。覚える気ないねあんた」


八幡「そうカッカすんなよ。悪かった、川……」

沙希「………」ぎりっ

八幡「沙希さん、すいませんした」

沙希「なっ!?……くっ」ばしんっ

八幡「いって!おい!名前合ってるだろ!」



沙希(きゅ、急になんで下の名前を……///)






八幡「くそ……今日厄日だな」

沙希「……何かあったの?」


八幡「会う人会う人、俺を罵倒したりしばいたり」

八幡「もしかして俺、知らない内にリアル鬼ごっこの標的になってるんじゃ……」


沙希「さっきの『ヤバい』って、その事か」

八幡「YES」

沙希「ふぅん」


八幡「………」

沙希「………」






八幡「……あの、特に用が無いなら俺もう行ってもいいすか?」

沙希「え……あ、うん。ごめん引き止めて」

八幡「おう……あ、そうだ。ひとつ聞いていい?」

沙希「なに?」



八幡「タバコ吸ってる?」



沙希「……はぁ?なんで?」

八幡「いや、お前不良っぽいし。もしかして飲酒喫煙バリバリだったりしないかと」

沙希「オラッ!!」すがんっ

八幡「ぐっほおぁあ!」






八幡「おま、鳩尾に角は……」

沙希「いっぺん死んで来い」

八幡「う……」


沙希「ふんっ」

八幡「………」



八幡「……俺も早く行かないと、待ち合わせ……いてて」





今日はここまで

しかしお前らホントにホモ好きなww
落胆するな、俺にはヘビースモーカーな親友(男)もいる

続きはまた明日



すまね、昨日急用入った
取り敢えず皆ココアシガレットでもチュパって落ち着くんだ
続きいきまっす


おっといけない、トリつけちまった




八幡「ちょっとタイムロスったな……」

八幡(……またメール攻撃される前に早く着かないと……)


キキー!


八幡「ん?」



平塚「八っ……比企谷!ここにいたのか!」



八幡「あ、どうも」

平塚「『あ、どうも』じゃないだろ!心配したんだぞ」

八幡「す、すいませんっした」


平塚「いくら待ってても待ち合わせ場所に来ないし、連絡はつかない……」

平塚「何か犯罪に巻き込まれたんじゃないかと思って、もう少しで警察に通報を」


八幡「たかだか十分経たないくらいで大袈裟すぎるだろ、おい」





平塚「まぁ良い。こうして会うことが出来たんだからな」にっこり


八幡「……そうすか」

平塚「さぁさぁ!早く乗りたまえ」

八幡「いや、でもここ結構学校から近いですよ」

平塚「大丈夫だよ。見ての通り、この路地には人っ子一人いない」


平塚「要するに君と二人っきりという訳だ……きゃー///」プアー!

八幡「クラクションを鳴らすな!」





八幡「とにかく、さっさとここ離れた方が……」

平塚「そうだな。じゃ、好きな所に乗ってくれ」

平塚「助手席でも……私の上でも……///」

八幡「道交法違反ですよ。いつも通り助手席で」

平塚「ちぇ」

八幡「ちぇ、じゃない。さっきからはしゃぎすぎですよ、子供じゃあるまいし」

平塚「……少し位良いじゃないか、はしゃいだって」

八幡「は?」



平塚「寂しかったんだもん……」

八幡「………」






平塚「一昨日、昨日と、忙しくてちょっとしか会えなかったし……まぁ、私が悪いんだが」

八幡「あんた俺呼び出して一時間以上会ってただろ」

平塚「今日は今日で、久しぶりにちゃんと時間作って会えると思ってたら、あんな……き、キスされた上にお預けプレイ……///」

八幡「プレイ言うな!」


平塚「だから、このデーt……禁煙特訓を楽しみにしてたんだ」

平塚「君が、私のために考えてくれた……特別なものだから」


八幡「………」






平塚「なのに……」

八幡「………」

平塚「なのに、そんな冷たい言い方しなくたって――んむっ!?」


八幡「んっ……」

平塚「んんっ、じゅる……ちゅ、ちゅむっ」

平塚「ちゅぱっ、ちゅる……はち、まんんむっ、ちゅっ」

平塚「ちゅ、むちゅ……////」


八幡「はぁ……」

平塚「んはぁ……////」





八幡「……すいませんでした。ちょっと意地が悪かったかもしれないです」ぎゅっ

平塚「ぁ……うん////」

八幡「だから今のは、お詫びのしるしって事で」

平塚「わ、わかった……えへへ///」

八幡「じゃあ、行きましょう。先生」


平塚「……静」

八幡「え?」






平塚「先生、じゃなくて……静って、名前で呼んでくれ」

平塚「今は、八幡が私の先生……」


八幡「静……」

平塚「へ?んっ!……むちゅ、ちゅ、んんっ!///」







平塚「はぁ……はぁ……////」

八幡「……じゃあ、行くか。静」

平塚「う、うん。あなた♥///」

八幡「………」


八幡(ちょっとやりすぎたか……)


平塚「左手つないじゃお……えいっ///」


八幡(目の焦点が合ってない)

平塚「出発しんこ~う!」

八幡「……お願いですから、安全運転してください」





今日はここまで
明日は来れるかわかりっません
恐らく明後日にまた



遅くなってすみまめむ
続きいきまっす




――運転中



平塚「ふふ、ふふふふ……///」ちらっちらっ


八幡「……こっちチラ見してないで、運転に集中して下さい」

平塚「ご、ごめんなさい、あなた……きゃー////」プアー

八幡「だからクラクションを鳴らすな!」

平塚「す、すまない……少し取り乱した///」

八幡「…………」






平塚「~~~♪」ちらっちらっ


八幡「……はぁ」

八幡(ダメだ、何回言っても聞かないわ。馬耳東風ここに極まれり)


平塚「……愛の逃避行……でゅふふ///」

八幡「あれ、これ俺死んだかな」

平塚「ば、ばかもの!け、結婚するまで死ねるか!///」

八幡「…………」


八幡(……なんだろう。この死亡フラグコンボ)

平塚「もう少しで、家に着くからな///」






八幡「はい」

平塚「楽しみだ……るんるん♪」

八幡「ぶふぉっ!?」


八幡(る、るんるんて!良い年した大人が何言ってんだ……おまけに古い――)



ぎぎぎっ



平塚「……今、何か変なこと考えなかったか?」にっこり

八幡「考えてません。考えてませんから俺の手を握り潰そうとするのやめて下さい」

平塚「あ、静ったらいけなーい☆」

八幡「…………」


八幡(え、この人俺が気づかない内にヤバイ薬でもやったの?人格が大分おかしなことになってるんですけど)






@平塚宅



平塚「よーし、着いたぞ!」


八幡「……良かった……俺、生きてる」

平塚「はは、当たり前だろう。面白いことを言うな」

八幡「…………」



ガチャッ







平塚「適当な所に座って待っててくれ」

八幡「お邪魔します」



八幡「おぉ……」



平塚「どうした。何かあったのかね」

八幡「いや。前回来た時よりかなり部屋が綺麗になってるんで、びっくりしただけです」

平塚「ふふふ、そうかそうか」



平塚「今日のために、一週間前から毎日片付け・家磨きをした甲斐があった!」

八幡「さいですか」






八幡(どんだけ楽しみにしてたんだよ。子供か)


平塚「まぁ、家事は妻として嗜みの一つだからな!」

平塚「だから、安心してくれたまえ……八幡///」


八幡「何をどう安心しろって言うんですか」

平塚「何をって……もう!うちの旦那は照れ屋さんで困る///」

八幡「さっきから全然会話が成り立ってねぇよー。怖いよー助けて小町ー」

平塚「大丈夫だ、私がついているからな……///」

八幡「だからだよ。その焦点定まってない目で俺を見ないでー!」






平塚「それじゃあ、私は着替えてくるから」

八幡「はい、どうぞ」

平塚「の、覗くんじゃないぞ?」

八幡「ははは、当たり前でしょう。そんな命を捨てるようなことする訳ない」



平塚「…………」

八幡「…………」



平塚「……覗いて、くれないのか……」(´·ω·`) ショボーン

八幡「なんで落ち込んでるんですかね……」






平塚「そこは普通覗く所だろう!『はっ……約束はできねーな』『いやん』ってなる所だろうが!」

八幡「どこの世界線の普通?あと、仮に覗くとしても俺は絶対そんなこと言わないすから」


平塚「『な!?ほ、ホントに覗きに来たのか!このへんたい!』」

平塚「『うるせー!お前がこんなに色気ムンムンなのがいけねぇんだよ……』」


八幡「まさか続けるのかよ……しかもちょいちょい言葉選びのセンスが古い」


平塚「『きゃ、きゃー♥おそわれるぅー♥』」

平塚「『ぐへへ、今日は眠らせないぜ!』」


八幡「…………」


平塚「ふぅ……」

八幡「……満足しましたか」

平塚「まったく、教師を襲うなんて……君はとんでもない生徒だな///」

八幡「生徒の前でエロい妄想披露するヤツに言われたくないわ!」






平塚「じゃ、じゃあ行ってくる……///」

八幡「はい。なんで顔を赤らめながら言ってるのかについては聞かないんで、とっとと行ってきてください」



バタンッ



八幡「はぁ……」

八幡「…………」時計ちらっ


八幡(まだ家に着いて10分しか経ってないのか……)

八幡(ここは精神と時の部屋?ってくらい長く感じたわ)


八幡「こんな調子で今日大丈夫か俺……」





平塚「………///」どきどき





今日はここまで
続きはまた明日



遅れてすまそ
続きいきまっす




――十五分後



八幡「……遅いな」

八幡(着替えすんのにどんだけ時間かかってんの?レーザー○ーサーにでも着替えてんじゃあるまいか)

八幡(はぁ……誰か、一人暮らしの女性宅ですることもなく待ちぼうけを食らった時の対処法を教えてくれ)


八幡「……そうだ、小町に連絡入れておくか」

八幡(一応、『明日は帰り遅くなる』と昨日言っておいたが……念のため)


八幡「今日は遅くなる……何時になるかは未定、と」


ピロリン♪


八幡「…………」

八幡「暇だな」






ピロリン♪


八幡「お?」

八幡(返信早いな)ぽちっ




 FROM 小町
 ―――――――――――――――――
 TITLE どゆこと??
 ―――――――――――――――――
 さっき先生から連絡あったよ
 遅くなるって、今日泊まるんでしょ?
 
 今度は何したのか知んないけど……
 ま、取り敢えず頑張ってね☆




八幡「……は?」







八幡「連絡があった?泊まる?」

八幡「待て待て待て、一体どういうことd」



 “平塚『寂しかったんだもん……』 ”


 “平塚『だから、このデーt……禁煙特訓を楽しみにしてたんだ』 ”




八幡「…………」

八幡「……え、マジか?」

八幡(だとしたら……ヤバくない俺?)だらだら






ずんずんずん


八幡(いつまで引きこもって着替えてるつもりか知らんが、とにかくこの件について問い詰めないと)

八幡「先生!先生、ここですよね」コンコンッ


<ガタッ


八幡(…………)


<は、八幡!?何故ここに!?


八幡「何故ここに!?じゃないでしょ。先生が遅いんで様子見に来たんですよ」


<ま、まさか本当に覗きに来たのか!な、なんと……


八幡「様子見に来たっつってんでしょうが。話聞けよ」






<た、確かにさっきはあんな風に言ったが……ま、まだ心の準備が……///


八幡「え、もしかして俺の声ちゃんと向こうに届いてないのかこれ。話通じなさ過ぎなんだけど」


<わ、分かった。今行く……だけど、あとほんの少し……ほんの少しだけ……


八幡「……まだ待たせるんすか」



<あ、当たり前だろ!私はそんなにはしたない女じゃない!

<こんな恥ずかしいことおいそれと出来るわけないじゃないか!!////



八幡「何の話だ」

八幡(この人本当に現国教師?日本語の会話めちゃくちゃ……)


<はぁ……気合だ、気合で行けば……////


八幡「…………」

八幡(ただの着替えで何を興奮しているんですかねぇ……?)






<はぁ……はぁ……////


八幡「……あの、確認したいこともあるんでなるべく早く」


<わ、分かっている!存外鬼畜だなキミも!///


八幡「だから何の話だ」


八幡(あぁもうワケ分からん)

八幡(この人結構ワケ分かんないこと多いけど、今日は特にワケが分かんない)

八幡(……「ワケ分からん」がゲシュタルト崩壊しそう)



<……えぇい!何を怖気づいているんだ平塚静!!

<大丈夫、きっとヤレる……きっと……



八幡「物騒なこと言うのやめてください。ってか早く出ろ」






<い、いくぞ!!


八幡「はい」


<ほ、本当にいくぞ!!////


八幡「しつこいわ!」



ガチャ……



八幡「ったく……出てくんの遅すぎr……」



八幡「!?」





短いけどここまでで
続きはまた明日ー



おっす、休日なのに仕事だった
続きいきまっす




平塚「ど、どっどどどどうだ!!////」ばーん



八幡「どこぞの又三郎さんか……じゃなくて」




八幡「なんですか、そのスケスケの服は」

平塚「………///」




平塚「て、てへっ☆////」

八幡「てへっ☆じゃねーだろ」






平塚「ど、どうかね?か、感想は……?」

八幡「いや、感想って言われても……」



八幡(元から良いスタイルが更に強調される様なデザイン……)

八幡(それが透けてるもんだから、見えてはいけないあれやこれやが……)


八幡(……何と言うか……正直、たまりません」



平塚「!そ、そうか。たまらないか……ふふふ/////」

八幡「がっ!?」






八幡(しまった!声に出ていた!?)


平塚「来るこの日のために、ネット通販で買っておいたんだ……////」

平塚「君が……八幡が、歓ぶと思ってな////」


八幡「…………」


平塚「気に入ってもらえた様で何よりだよ////」

八幡「は、はぁ……」






八幡(……この人は、本当に……)


八幡「何で結婚できないんだろうか……」ぼそっ

平塚「へ?」

八幡「いえ、何でもないです。あと、服もう一度着替えてきてください」

平塚「っ!?な、何故だ!?」


八幡「その衣装は、刺激が強すぎます」

八幡「一応、俺これでも男なんで。その辺ちょっと考えてくださいよ」


平塚「…………」






平塚「……なるほど。つまり――」



平塚「今、君は私のこの姿に欲情していると!そういうことだな!!/////」にこにこ



八幡「なんでこっちがぼかした所全部言っちゃうんですか。あとその言い方止めて」

平塚「今すぐにでも襲いかかりたい位だと……そういうことなんだな!!////」

八幡「そこまで言ってない」

平塚「こ、この私を見て淫猥な感情を、私が彼の内なる野性を刺激して……はぅ////」

八幡「おーい」


平塚「もう!本当に仕方のない旦那様だまったく!今日だけだぞ////」いそいそ

八幡「何で俺の方に非がある感じになってんの?逆だよね?」






――数分後



ガチャッ


平塚「着替えてきたぞ!」


八幡「はい、ご苦労様です」

平塚「この服装なら問題あるまい」

八幡「確かに問題無いですけど」


八幡(シースルー着替えて今度はTシャツにジャージの下……これまた随分と差の激しい……)






平塚「なるべく地味なものを選んだから、ちょっとダサく見えるかも知れないが……」

八幡(まぁ、どう見ても安物のTシャツだからな……)

八幡(…………)


平塚「恥ずかしい話だが、家での普段着は大体こんな感じで……」

八幡「いや、でもよく似合ってますよ」

平塚「ふぇ?」






八幡「スタイルは良いから、野暮ったくならないですし。活動的な女性っぽい雰囲気でダサくはないですよ」

八幡(体型がハッキリ分かるのは変わらんし)

八幡(もとの素材が良いと、何着ても似合うって言うのはあながち間違いじゃないのかm)



平塚「は、はちまん!!」ぶわっ



八幡「うおっ」

平塚「うぅぅ!」ぎゅっ!

八幡「え、ちょ!なっ!」

平塚「八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡八幡」


八幡(何これ怖い怖い怖い!誰か助けてー!?)






平塚「そんな事を言われたのは初めてだ……」

八幡「は……はい?」



平塚「……皆初めは言うんだ『どんな姿のあなたも素敵だ』と」

平塚「でも、どうだ……しばらく関係が続いて、少しでも素の自分に近づいていくと……」

平塚「……『思っていたのと違う』だの、『そういう面があることを知らなかった』だの……」

平塚「どいつもこいつも……勝手な事を……」



八幡「…………」

八幡(そんな話をされて俺はどうすればいいんだ)だらだら

八幡(っていうか、やっぱこの人黒歴史多すぎ)だらだら






平塚「でも……君は違った……」

平塚「思えば、いつも……私がどんなにみっともない姿を晒しても、見捨てることはしなかった……」

八幡「いえ、そんなことは……」

八幡(俺結構見捨ててるからね?思い出補正かかりすぎ、美化しすぎワラエナイ)



平塚「やはり、君は他の男達とは全然違う……優しくて暖かい……」

平塚「私にはもう八幡、君だけだ……んっ……」


八幡「んっ……」



平塚「ちゅ……んむっ……///」

平塚「ちゅ、ちゅる……///」






平塚「んちゅ……ぷはぁっ////」

八幡「っはぁ……」



平塚「……ふふ///」

八幡「なんすか、急に」

平塚「別に良いだろう?今日は特訓するために君を呼んだんだ……んっ」

八幡「んぶっ」

平塚「ちゅっ……はぁ。ふふふふふ///」


八幡(なにこの可愛い生き物)





今日はここまで!
もし出来れば明日……無理なら明後日。ポッキーでもペロりながら待ってて

では、また明日



大変遅くなってしまってごめんちゃい
続きいきまっす




数十分後


八幡「はぁ……」

八幡(あれから調子乗ってキスしまくってしまった)



平塚「はぁ……はぁ……///」


八幡「先生……先生ってば」

平塚「でゅふふふ……///」

八幡「…………」

八幡(完全に薬キメちゃった人みたいになってるよ……)



八幡「(仕方ない……)……しーずーかー?」



平塚「!!」ガバッ!






平塚「な、なんだなんだ!?」

平塚「今、まるで『うっかり眠ってしまった新妻を優しく起こそうとする旦那様』の様な声が……」ごーん


八幡「アホなこと言ってないで、ヨダレ拭いて下さい。食いしん坊か」


平塚「そ、それは八幡が言うならいくらでも……///」

平塚「あ、あぁ!すまない……私は食べられる方か……きゃー////」


八幡「駄目だこいつ…早くなんとかしないと…」

八幡(俺の身と精神がもたない)






~仕切り直し~



八幡「…………」

平塚「さぁ、早速いつも通り禁煙トレーニングを頼む!」わくわく



八幡「……おい」

平塚「ん?」


八幡「ん?じゃないでしょ……なんで俺の膝の上に座ってるんですか」

八幡「この状態でどうやってトレーニングしろと」

平塚「えー……出来るよお前なら」ふりふり

八幡「…………」






平塚「だから、このままで……な?」

八幡(何この人すげぇ可愛い柔らかい良い匂い抱きしめたい)ぎゅっ

平塚「あんっ♥」



平塚「なんだ……文句言っておきながら、八幡の方から抱きついてきてるじゃないか////」ぎゅっ

八幡「しまった!」

平塚「八幡……////」


八幡(ダメだ、このままだと確実にキスの流れだ)

八幡(そしてもう一回~仕切り直し~することになる=どんどん俺の帰りが遅くな)


八幡「ん?」

平塚「?」



八幡(な、何か大事なことを忘れているような……嫌な予感が……)





短くてすまそ、ちょっと仕事忙しい
また明日



なんかすげぇ時間が空いてしまった、すまそ
続きいきまっす




~また仕切り直し~



平塚「……で、では……禁煙トレーニングの方を……///」

八幡「は、はい……」



八幡(結局また流されてキスしてしまった)

八幡(最近の俺のチョロすぎ。『理性の化物』は何処へ行ってしまったの?)



平塚「……八幡?」

八幡「え?……あぁ、すいません。ちょっと考え事を」


八幡(と、とにかく。さっさと終わらせよう。うん)






八幡「ごほんっ……では、先ず部屋の中のチェックを」

平塚「あぁ、頼むよ」

八幡「……自分から言っておいてなんですけど、本当に良いんですか?」

平塚「何がだね?」

八幡「部屋の中チェックって、勝手に色々見て回るって事ですよ」

平塚「なんだ、そんなことか。気にすることはない」



平塚「その内に一緒に暮らし始めるんだから……そんな些細なことを気にしなくても///」



八幡「おっかしいなー。部屋の中見られる事よりよっぽど問題ある発言が聞こえてきたなー」

平塚「ま、まぁお互いをよく知るという点で……はっ!それでは今度私も八幡の家に行かなければ……っ!」

八幡「聞いちゃいねぇ」






八幡(いかんいかん、この人の発言に一々反応してたらキリがない)

八幡(ここは心を無にして……)


八幡「じゃあ、先ずはこのリビングから見ていきますので」

平塚「親御さんへの挨拶は………あぁ、どうぞ!」

八幡「……では」


八幡(うん。今『親への挨拶』とか言ってたけど気にしない。もう何も考えない)






八幡「それにしても……」


八幡(相変わらず汚れてんなぁ……この部屋)がさっ

八幡(リビングがこれじゃあ、寝室の方なんて一体どうなってるか……)がさごそっ


八幡「ん、なんだ?脱ぎ散らかした服の山の下に、大きな――」ざっ




《ゼク○ィ 増刊号》




八幡「…………」


八幡(いきなりド頭からエラいもん見つけてしまった……なんでこんな所にゼ○シィがあるんだよ。しかも増刊号)

八幡(……待てよ……よく見たら部屋の中でここだけ妙に集中して汚れてる……)

八幡「まさか……」ちらっ



平塚「………///」さっ



八幡「…………」

八幡(あ、これ確信犯だわ)






八幡「……あの」


平塚「き、きゃー。この前買ったばっかりなの無くしたかと思ってたらこんな所にあったんだー(棒)」


八幡「…………」

平塚「もー、静ってばうっかりー(棒)」

八幡「おい」

平塚「あ、あー!でも八幡に見られちゃったー、どうしよー!(棒)」

八幡「おい!!」


平塚「は、恥ずかしいから、あんまり見ないでくれ……?/////」

八幡「ぶりっ子してる場合か。おいコラ、そこに座れ」

平塚「えっ!?///」ぼんっ


平塚「……ま、まさか、禁煙じゃなくてえ、エッチなトレーニングを……////」


八幡「……何を想像してるんですか?」





短いけどここまで
仕事一段落したから、コンスタントにできそう

また明日

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月22日 (水) 00:06:40   ID: NcvPdCFm

期待すぎる

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom