【艦これ】提督「那智が好意に気づいてくれない」 (51)


・艦これより、妙高型重巡二番艦那智のSSです。嫁のSSが少なかったので自分で書くことにしました

・作者はスレ立ても初めてなら、SSを公開するのも初めてです。いろいろと拙い点があるかと思いますがご容赦願います

・作者の癖として、三点リーダ(…)を多用する点が挙げられます。人によってはウザったく感じられるかもしれませんがご了承下さい

・基本、メモ帳に書いたものを貼り付けていくだけ & 短めなのでさくっと終わると思います

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1434803956


提督「――んだけど、どうしたらいいかな?」

妙高・足柄・羽黒「……………………」

提督「えっ、なにその沈黙」

足柄「いや、だって」

妙高「そもそも…」

羽黒「司令官さん、姉さんのことが好きだったんですか?」

提督「あれっ、気づかれてなかった?」

羽黒「はい、全く……」


提督「うーん……毎日秘書艦に指名したり、毎回旗艦に任命したり、毎晩寝酒に付き合ったりしてたから、てっきり那智以外にはバレバレなのかと」

足柄「ああ…そう言われると、確かにそうかなって思うけど」

妙高「私たち姉妹の中で…いえ、重巡の中で最も早く着任したあの子に、戦友としての気安さで接しているものだとばかり思っていました」

提督「あー…那智の方はそう思ってるかもしれんが」

三人「でしょうねー」

提督「そう思うだろ? あいつにとって俺はどこまで行っても戦友でしかないのかなーとか考えるとさ、理由もなく焦るわけよ」


妙高「それで、姉妹艦である私たちに相談を?」

提督「ああ。俺が那智と結ばれるため、ぜひ協力してほしい」

羽黒「私は姉さんにも司令官さんにも幸せになってほしいですから…協力します!」

足柄「あ~あ、那智が羨ましいわねぇ。提督と那智をくっつけたら、私もいい人探そうかしら」

妙高「…そうですね、提督は軽薄で規律に緩く、私生活もだらしない人間ですが、それでも成果を出している不思議な方です」

妙高「提督になら、那智を任せてもいいでしょう」

提督「妙高さんの発言になんか釈然としないけど、三人ともありがとう! それじゃあ早速、策の提案を頼む――」


 作戦一・酔った勢いで告白

提督「……いきなりド直球すぎないか?」

足柄「何言ってるの、こういうのは勢いよ、勢い!」

妙高「そうねぇ、那智みたいに鈍感だとその方がいいのかも」

羽黒(お酒の場で愛を告げるなんて…なんだかオトナな雰囲気でロマンチックかも///)

提督「むう……ひとまずやってみるか」


 ――その夜

那智「…………」クイ

提督「よ、よう、那智」

那智「ん? …ああ、貴様か」

提督「一人か?」

那智「見ての通りだ。…よかったら、一杯どうだ?」

提督「そそそうだな、うん。せっかくだしな」


足柄(提督ったら、目に見えて動揺してるわね)

妙高(あの人、いつも肝心なところで失敗しますから…心配です)

羽黒(はわぁ…グラスを傾けあう二人…絵になってるなぁ)


那智「……」クイ

提督「……」クイ

那智「………」クイー

提督「………」クイクイ

那智「…………」フゥ

提督「…………」グビッ


足柄(あ~、じれったいわねもう~)

妙高(仕方ないでしょう。そろそろ酔いで気が大きくなる…はずです)

羽黒(ドキドキ)


那智「……何かあったか?」

提督「え! いや何も」

那智「そうか? ……いつもより随分ペースが早いようだが」

提督「あー…たまには、そんな日もある」

那智「……ふぅん?」

提督「…………」

那智「…まあいい。こうして貴様と飲む時間は……悪くない」ニコ

提督(キュン)


妙高(ここです!)

足柄(提督、押して押して!)

羽黒(キャー///)



提督「那智……!」

那智「うん……?」

三人(ゴクリ…)


隼鷹「――ヒャッハー! なっちゃん、今日もやってる~?」

千歳「お酒は楽しく飲まないとね~……あら、提督」

三人(ズコー)



 そして始まる酒豪たちの宴……

 提督の意識は一時間も経たないうちに……

 眠りに落ちていった……



 作戦一 D 敗北!


 作戦二・パンを咥えて曲がり角で激突

 ――翌朝

羽黒「お早うございます、司令官さん…」

提督「お早う、頭痛い……」ズキズキ

羽黒「あの、私も一応その、作戦を考えてみたんですけど…」

提督「おお、ありがとう……」ズキズキ

羽黒「その……パ、パンを咥えた状態で、曲がり角でぶつかるのはどうでしょうか!?」

提督「…………」

提督「あー……うん。ナルホドナー(棒」

羽黒「ダ、ダメですか……?(涙目」

提督「! い、いやあ素晴らしい考えだ! さすが羽黒、これで成功間違いなしだな! ハッハハハ」

羽黒(パアアアア)

提督(……こいつは難題だな)


羽黒「……姉さんは毎朝、この廊下を通って食堂へ向かいます」

羽黒「私がタイミングを教えますから、合図したら飛び出してください」

提督「う、うむ……」

羽黒「…! 来ました!」ササッ


羽黒(まだです……)

羽黒(待ってください、まだまだ……)

羽黒(近づいてきました……)

羽黒(もうすぐですよ……)

提督(…………)

羽黒(…………はい、今!)ドンッ

提督「うわたっ!?」


那智「むっ!?」

 ドカッ、ドササー

提督「つつつ……」

那智「何かと思えば貴様か……一体何をやっている」

提督「す、すまん…」

那智「……なぜ食パンを咥えているのだ?」

提督「……気に留めないでくれ」

那智「? …まあいい。これから朝食だろう?」

提督「え? …あ、ああ、そうなんだよ」


那智「昨夜は少し飲ませすぎたからな。二日酔いに効くものでも教えてやろうと思っていたところだ」

提督「おお、そりゃ助かる…」

提督(案の定と言うか、告白する空気にはなりそうもないが…)

提督(これはこれで成功と言えなくもないか? ありがとう羽黒…)

那智「何してる、行くぞ」

提督「おう…」


羽黒「…………」



羽黒「うう……司令官さん、すみませぇん……(涙目」



 作戦二 B 戦術的勝利?


 作戦三・とりあえずデートに誘うこところから

 ――同日昼

妙高「やはり無理がありました」

足柄「というと?」

妙高「鈍感な那智に、ヘタレな提督が、いきなり告白できるわけがありません」

足柄「冷静に考えると、確かに」

提督「えぇー…」

妙高「一緒に朝食を食べたぐらいで浮かれるとか……遅めの思春期でも来てるんですか?」

提督「…ぐうの音も出ない」


妙高「まずは目標を一歩下げて、那智をデートに誘いましょう」

羽黒「で、でぇと!///」

提督「でぇー…十分ハードル高いよ…」

妙高「だまらっしゃい」

提督「ハイ」

妙高「心配しなくても那智はデートだとは思いませんよ、おそらく。提督も変に意識せず軽い気持ちで誘って下さい」

妙高「自然体の那智と提督がどんな様子なのか……それを見て次の策を練ります」

提督「なるほど、分かった。……努力してみます」

妙高「…………『やります』と、言いなさい?」ニコ

足柄(ヒィッ)

提督「……や……やります」ガクブル


 ――同日午後

那智「…………」テキパキ

提督「…………」ボンヤリ

那智「……おい、手が止まってるぞ」

提督「……ん、ああ、すまん」

那智「…………」チラッ

提督「…………」ソワソワ

那智(やはり昨日から、様子がおかしいような……?)


提督(…………よし、言うぞ)

提督「…………なぁ」

那智「…何だ?」

提督「明日さぁ、お互い休日だろう?」

那智「ああ…そうだな」

提督「んー……よかったら、一緒にどっか出かけないか?」

那智「…………」

那智「ああ、構わんよ」

提督(ホッ)

那智(……何か相談事だろうか?)


 ――執務終了後

那智「…………」スタスタ

足柄「那智~、ちょっといい?」

那智「…足柄か。何だ?」

足柄「明日ショッピングに出かけるつもりなんだけどぉ、暇なら一緒に来てくれないかしら?」

那智「…無理だ。悪いが、司令官と先約があるのでな」

足柄「ふ~ん……デート?」ニヤ

那智「馬鹿を言え。昨日今日と、何やら妙な様子だったからな。何かの相談だろう」

足柄(……うーん、脈なしか)

足柄「…ま、そういうことなら仕方ないわね。妙高姉さんにでも頼んでみるわ、それじゃ」


足柄「――といった様子だったわ」

妙高「やっぱりデートという発想はないみたいね。それにしても提督の不器用さといったら……」

足柄「ともかく、これでどうなるか様子見ね」

妙高「本当、どうなるんだか…」

羽黒(はぐぅ、自分のことじゃないのに緊張して眠れそうにないよぅ///)


足柄「――といった様子だったわ」

妙高「やっぱりデートという発想はないみたいね。それにしても提督の不器用さといったら……」

足柄「ともかく、これでどうなるか様子見ね」

妙高「本当、どうなるんだか…」

羽黒(はぐぅ、自分のことじゃないのに緊張して眠れそうにないよぅ///)


 ――翌日

提督(ドキドキ)

那智「悪いな、待たせたか?」

提督「! い、いや、今来たところだ」

那智「そうか」

提督「えーと……そう、とりあえず、昼でも食べに行くか」

那智「そうだな。歩けばちょうどいいくらいか――」


妙高(――海沿いに歩いた後、やはり海の見える年季の入ったレストランで昼食……)

妙高(書店で時間を潰した後、寂れた映画館に行き……)

妙高(その後、古ぼけた喫茶店で一服した後……)

足柄「あー……何だって休日にこんな労苦を……」ゼエゼエ

妙高(山の中腹の展望台に向かう、と……)

妙高(ベタというか凡庸というか……そもそも選んだお店がすべてレトロな雰囲気なのはいったい……)

羽黒(今日の二人…お店の雰囲気と相まってますます絵画みたいだったなぁ…)

妙高型で羽黒が一番ポンコツなのって珍しいな


提督(ゼェハァ)

那智「おい、情けないぞ。もう少しだからしゃっきりしろ」

提督「は?(ゼェハァ)別に(ゼェハァ)疲れてなんて(ゼェハァ)ねーし…」

那智「そうか。……なら、もう少し足を速めても問題ないな」

提督「! …も、問題ねーし」ゼハーゼハー

那智(クスッ)


 ――夕刻

提督「あ゛ー、やっと着いた……」

那智「まったく、だらしないな」



足柄(……そう言いつつ肩を貸してあげているあたり、那智もまんざらではなさそうなんだけど)

妙高(というか、自分からこの場所を提案しておいてあの体たらく……本当にもう、提督ときたら……)

羽黒(で、でも、夕暮に染まる空と海がとても素敵ですよ)


提督「おお……」

那智「ほう、これは……」

那智「夕焼けの影響もあるが……こうして離れて見てみる海というのも、悪くないな」

提督「そう言ってもらえると、頑張って登った……もとい、誘った甲斐がある」

那智「そうか…」

提督「ああ…」


那智「…………」チラ

提督「…………」ハレバレ

那智「……少しは、気が晴れたか?」

提督「へ……?」

那智「先日から、何かは知らんが何事か悩んでいるのだろう?」

提督「あ、いや…」

那智「話せないというのなら、無理には聞かん。だがな」

那智「私でよければいつでも気晴らしに付き合ってやる。相談にも乗ってやるし、貴様を支えてやる」

那智「それだけ、覚えておいてくれ」

提督「…………那智」グイッ

那智「ん……!?」

三人(!!)


提督(……思わず抱きしめてしまった)

那智「…………」

提督(……嫌がられてはいないようだが)

提督(……ままよ)

提督「那智」

那智「何、だ……?」

提督(スゥーッ…… ハァーッ……)

提督「――好きだ、那智」

那智「ん…?」

提督「俺は、お前が。女として。好きだ」

那智「んん!?」



足柄「言ったッ……!」

羽黒(足柄姉さん、声が大きい!)


那智「き、貴様、何を言って……!」

提督「戦力として、期待している。秘書として、信頼している。戦友として、敬意を抱いている」

提督「だがそれ以上に……異性として、好きなんだ」

那智「それは……わ、私は……」

提督「好きだ。愛しい。慕っている」

那智「ま、待て!」

提督「大好きだ。愛している。添い遂げたい」

那智「わ、分かった、から……だから一度、離してくれ……」

提督「……無理だ」ギュッ

那智「え……?」

提督(愛しさが……止められない)


提督「お前を離したくない。その凛々しい瞳に見つめられたい。その長い黒髪を梳いてやりたい」

提督「お前の戦う姿が好きだ。楽しそうに酒を飲む姿が好きだ」

提督「泣いている駆逐艦を不器用にあやす姿が、時折見せる難しげな顔が、急な告白に戸惑い、照れるその表情が――どうしようもなく好きだ」

那智「~~~~!!」

提督「お前のことをもっと知りたい。お前にもっと近づきたい。お前にずっと側にいてほしい……」

那智「~~っ、すまん、もう無理だ!」ガシッ

提督「え?」

提督(那智に腕を掴まれた――と思った次の瞬間)

提督(俺の体は浮き上がり、地面が近づき――視界が暗転した)


提督(…………)

提督(…………?)

提督(……何か、優しさに包まれているかのような柔らかな感触が……)

那智「……き、気が付いたか?」

提督「う……那、智……?」

那智「その……さっきはすまかった」

那智「きゅ、急にあんなことを言われて、どうすればいいか分からなくなってだな」

提督(……徐々に意識がはっきりしてきた。俺は那智に膝枕されているようだ。恥と照れで赤面している那智も可愛い」

那智「ま、またそんなことを!」

提督(声に出てた)


提督「俺の方こそ、困らせてしまってすまない」

那智「あ、謝らないでくれ」

那智「…………」

那智「…………そ、それで、な」

提督「ん?」

那智「先ほどの…貴様の、その…(ゴニョ)こくはく(ゴニョ)…に対する…返事なんだが…」

提督「…………」ゴクリ

那智「…………」キュッ

提督(那智の手……)ギュッ

 ※ゲーム内でのケッコン(仮)セリフを使用してます。一応ネタバレ注意で



那智「私は貴様を…なんというか…嫌いでは、ない」

提督「……それはつまり、『好き』ということか?」

那智「……そういうことに、なるか」

那智「……と、ともかく! 私と共に在れば、もっと大きな勝利を約束する。絶対だ」

提督「……それは、この先もずっと側にいてくれるということか?」

那智「い、いちいち確認するな! ……まあ、つまりはそういうこと、だ」



妙高(……いい加減、退散しましょうか)

足柄(そうね)

羽黒(はぐぅ…///)


提督「那智……」

提督(握った手は離さず、もう片方の手を那智のうなじにかける。そしてそっと力を加え、頭を下げるよう促す)

那智「言葉だけでは、足りないか……?」

提督(足りるわけがない。初めて出会ってから今まで、どれだけ悶々とした日々を繰り返したことか)

提督(那智は抵抗しない。かすかに潤んだ瞳が近づく。那智が目を閉じる。那智の吐息が俺の肌に触れる――)

那智「んっ……」

提督「…………」レロ

那智「…………」ピクッ

提督「…………」レルレロ


那智「…………ぷはっ」

提督「…………幸せすぎる」

那智「…………」ボー

提督「那智?」

那智「…………駄目だ、もう」

提督「?」

那智「……好きを意識するのが、こんなに落ち着かないとは……」

提督「…………」グイッ

那智「んむ!? …………んんっ、ぷは」

那智「貴様……この……ばかぁ」

提督(愛しい……)

提督「……これからもよろしくな、那智」

那智「……ああ、よろしくお願いする」



 ――そしてもう一度、口づけを交わす



 作戦三 S 完全勝利!!


Extra Operation・翌日の二人

 ――朝

提督「……お、お早う」

那智「あ、ああ……」

提督「えーと……仕事しようか」

那智「うむ……」


 ――昼

提督「……腹減ったな」

那智「そう、だな」

提督「食堂行こっか……」

那智「うむ……」


 ――晩

提督「日が暮れたな……」

那智「ああ……」

提督「今日はこのへんにするか」

那智「うむ……」

提督「…………」

那智「…………」

提督「じゃあ……」

那智「…………」ドキ

提督「……また明日」ヘタレー

那智「う、うむ……そうだな」テレ



足柄「……初恋真っ盛りの中学生かっつーの」

妙高「ケッコンはまだ、当分先になりそうね…」



 Extra Operation C 戦術的敗北?



 艦

乙!


以上で終了です。読んでくれた奇特な方がいましたら感謝いたします。ありがとうございました

それじゃこれから那智さんとウイスキー飲んできます~ノシ


どうせなら夜戦まで書いてくれてもry

乙!


ええいEO2の実装はまだか!!

まだExtraOperationなのであってFinalOperationではないしな
期待しようではないか

おつですよー

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年06月22日 (月) 08:16:58   ID: 6mG6KiXQ

那智メインの作品は少ないから、個人的にはありがたいわー

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