恭介「球技大会をしよう。競技科目はサバイバルゲームだ!」 (59)



理樹「ふぁあ……」

理樹(2度目の修学旅行の最初の休日が始まる。恭介は野球の練習はしないと言っていたので明日は特に用事がなくなってしまった。僕もなんだかんだで暇だな)

真人「やっと金曜の夜かっ。明日は何して遊ぶ?」

理樹「そうだねぇ…」

ピロンッ♪

理樹「?」

理樹(差出人は…恭介からだ)

真人「おっ、恭介からメールが届いたぜ」

理樹「なんか着メロに出来そうなセリフだね」

理樹(真人と僕に同時に届くと言うことはもしかしてバスターズみんなに送っているのかもしれない。とりあえず読んでみる)

差出人:棗恭介
本文『明日の正午、バスターズのメンバーは全員体操服で来られたし。人数を集めたいので仲のいい友達を呼んでもいいぜ』

理樹(なんの話だろうと真人を振り返ったけど、真人は意味不明なのはいつものことだと肩をすくめた。とりあえず暇なのは暇なので行くことにする)



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次の日

グラウンド



理樹(グラウンドに着いた。真人と僕の他に誰も来てないところを見ると少し早すぎたかもしれない)

真人「しかし今度は何をしようってんだ?まさか野球に飽きてサッカーをしようなんて言うんじゃないだろうな?」

理樹「あり得なくもないのが恭介の怖いところだよね…」

理樹(と、話しているとぞくぞく人が集まってきた)

謙吾「おう、早いなお前たち」

理樹「やあ謙吾」

真人「相変わらずのジャンパー着てくんのな…」

謙吾「当たり前だっ!いいか?このリトルバスターズジャンパーにこめられた意味はな…」

「ヘイガーイズ!」

「ち、ちょっと引っ張らないで…」

理樹(元気いっぱいな声が長々と講義が始まりそうなところへ、タイミングよく邪魔してくれた)

真人「げえっ三枝!?……と、後ろのは誰だよ?」

佳奈多「うっ……」

理樹(葉留佳さんの後ろから現れたのは……二木さんだった…)

真人「ふ、風紀委員長だとぉ!?」

葉留佳「あははは!さっきから真人っち驚き過ぎですヨ!」

理樹「いやいやいや…誰だって驚くよっ」

謙吾「なに?二木が来たのか!?」

葉留佳「いやーだって恭介君が人呼んでも良いって言ってたし」

理樹(それにしたってとんでもない人を呼び出したねという言葉が飛び出しかけたけどすんでのところで飲み込んだ)

真人「それにしたってとんでもない奴を呼んでくるんじゃねえよ!」

佳奈多「はあ?それはいったいどういう意味かしら」

真人「あっ、いや…なんでも……ないです」

理樹(その後、西園さんと来ヶ谷さん、そしてクドに鈴がやって来た)

理樹「あとは小毬さんと恭介だね」

タッタッタッ

来ヶ谷「どうやら来たようだな」

理樹(2人の人影が見えた)

小毬「みんなこんにちは~」

理樹(1人は小毬さん。そしてもう1人は…)

笹瀬川「皆さん、ご機嫌麗しゅう」

理樹(笹瀬川さんだった!)

鈴「お前は…ささせがわささみ!?」

笹瀬川「だから私の名前は……って合っていましたわ…」

西園「小毬さんが呼んだようですね」

小毬「うんっ。なんだかよく分からないけど人が多い方がいいらしいからね~」

理樹「とりあえず誰かが他の人を呼んでない限りこれであとは恭介だけかな?」

謙吾「そういうことになるな」

理樹(と、言っていると更衣室のドアが盛大に開いた)

バンッ

恭介「やあやあ集まったか諸君!」

理樹(例によって恭介だった)

笹瀬川「まさか最初からずっとそこで待機していらしたの!?」

佳奈多「無駄過ぎる…」

理樹「まあ、そこは詮索しないであげてよ…いつものことだから」

恭介「ふむ…ふむふむ」

理樹(目線からして頭数を数えているんだろう)

恭介「…人数は……俺を入れて12か…」

謙吾「なあ恭介、今日は結局なにすんだよ?そろそろ教えてくれてもいいだろ?」

恭介「ん?ああ、そうだな」

理樹(ゴホンとわざとらしく咳払いをして恭介は手に持った巻き物を広げて宣言した)

恭介「あ~これより第一回!『優勝は誰だ!?炎の球技大会!!』を始める!はい拍手~」

理樹(これも例によってまばらな拍手だった。この恭介のセンスは小毬さんとクドの良心によって支えられている)

謙吾「おお!なんだそれは…とても心踊るタイトルじゃないかっっ!」

理樹「ここにもいた…」

笹瀬川「み、宮沢様…?」

理樹(笹瀬川さんがネジが外れた方の謙吾を見るのは酷なことだろうと思われる)

恭介「説明しよう。これから俺たちは球技大会をする。野球の練習がお預けなのもこの為だ」

理樹「また突飛だね」

恭介「まあそれが俺だからな」

西園「自覚はあったんですね」

佳奈多「いきなり連れてこられたかと思えば球技大会って…まあ、やるしかないんですかね……」

来ヶ谷「うむ、諦めがいい人は将来出世するぞ佳奈多君。ところで恭介氏、大会とはどの球技を?」

恭介「ああ、良い質問だ来ヶ谷。みんな!さっそく中へ入ってくれ!競技に使う道具が入っているぞ」

理樹(部室の中へ入ると凄いことになっていた)

真人「な、なんじゃこりゃーーっ!?」

小毬「ほ、ほわぁあ~~!?じじじじ銃がたくさん…!」

恭介「どうだ俺のコレクションは?」

理樹(部室の壁にはいろんな種類の銃が飾ってあった。僕はそれらを見て何故か既視感というか懐かしい気持ちになった。しかしそれよりも…)

理樹「き、恭介…とうとう犯罪を犯しちゃったんだね…」

恭介「えっ?」

葉留佳「影響されやすい人なのは知ってたけどこういうのは…なんていうんでしたっけ?」

恭介「いや、違…」

佳奈多「銃刀法違反よ。だけどこれ…」

クド「わふー!!き、恭介さん!お願いですっ今すぐ自首してください!そうすれば罪も少しは軽く…」

恭介「だから違うっつってんだろ!これはオモチャだよ!」

小毬「お、おもちゃ…?」

恭介「ああそうだ!冷静になって考えろよ、こんな量の実銃なんか持ってたらおかしいだろ」

来ヶ谷「いや、オモチャでもこの量を所持しているのはおかしいが…」

佳奈多「良い年してこんなものを持っていて何がしたいんですか?それにあなたは就職活動中の身でしょう棗先輩?」

恭介「……今日はみんなでコレで遊んでもらう」

理樹「強引に話を進めた!」

真人「しかも今こいつ遊ぶって言っちまったぞ…」

謙吾「これで…とはどういう事だ?まさかこのオモチャでおままごとをする気じゃないだろうな?」

恭介「ま、それに近いな。こいつはただのオモチャじゃない、なんと球が出るんだ!」

理樹(そう言って壁に掛けられた銃を一つ手に取ると奥にあった紙製の的に向かって引き金を引いた)

パンッ

葉留佳「うわあ!かっこいいー!」

恭介「だろだろ!?球と言ってもBB弾で当たってもさほど痛くはない。今日はこれでサバイバルゲームをしようと思う!」

理樹「サバイバルゲーム?」

恭介「ルールを説明しよう。みんなにはこの球の出る銃…エアガンというんだが、そのエアガンを貸す。各自散らばってもらってからゲームスタートだ!みんなは学校のどこかに潜んでいる敵をBB弾で当てればいい。当たったら失格としてここへ集合だ。そして最後まで残った奴が優勝」

西園「つまりバトルロワイアルということですね?」

恭介「そういうことだ」

佳奈多「危なそうな競技ですね…というか球技大会じゃなかったんですか?」

恭介「何を言う。これもちゃんとBB弾という球を使ったゲームじゃないか」

西園「てっきりタマの取り合いという意味でおっしゃったのかと…」

理樹「めちゃくちゃ怖いからそれ!」

恭介「そしてやはり後半まで潜まれてもゲームが長引くだけだから缶蹴りの時に使ったレーダーを配布する」

理樹「これか…」

理樹(以前缶蹴り大会をリトルバスターズのみんなとやった時に恭介が作った物だ。なんでもこれを持っている人同士が近づけば音が発生し、更に近づくほど音が大きくなるという)

恭介「といっても効果が出るのは半径5Mぐらいだからあまり過信はしないほうがいい」

笹瀬川「な、なんて野蛮な……しかし宮沢様も居ますしここで止めるわけには…」

理樹「あっ、そうだ。そういえば二木さんと笹瀬川さん今日は忙しくなかったの?練習や仕事があるかと思ったんだけど…」

佳奈多「それが私が寮長室に入った頃には何故か私の仕事が全部終わっていたものだから急に暇になったのよ」

笹瀬川「わたくしも今日は何故か顧問がソフトボール部全員にお休みを与えたんですの…意味が分かりませんわ」

理樹(うわぁ…絶対恭介何か仕掛けたな…)

恭介「まあそういう訳だ。何か質問は?無ければ各自好きなエアガンを持って行ってくれ。そしてこれから10分後に試合を開始する。危険なので屋内での発砲は無しだ。やるなら窓からだな」

葉留佳「はいはーい!」

恭介「なんだね?三枝君」

葉留佳「これって賞品とかあるんですカ?」

恭介「賞品か…そうだな……」

理樹(チラリとこちらを見る恭介。嫌な予感が……)

恭介「じゃあ最後まで生き残った奴は賞品として『一日中理樹と過ごせる権』を渡そう。女装させても構わん」

「「「!?」」」

理樹「いやいやいや!僕の人権は!?というか僕が勝ったらどうするのさ!?」」

恭介「まあ…その時はその時で……」

理樹(終わった……好きにイタズラできると分かれば本気で来る人が数名いるぞ…)

恭介「もう質問はないな?では始めよう。ちなみに俺も参加するからな」

理樹(ゲーム開始の合図は恭介が10分後にここでメールを打ってからということらしい)

恭介「じゃあ武器を選んでいってくれ。言っておくが持てる分だけだぞ?」

理樹(みんな思い思いに持っていった。僕が選ぶのは…)

・小回りの利く小ぶりのエアガン。球が飛ぶ飛距離は少し劣るが素早い行動が可能。

・スタンダードなエアガン。球が飛ぶ飛距離は充分。それほど重くもない。

・大型のエアガン。視覚した敵なら狙いさえよければどこからでも当たるが重力もそれなりにあるため移動速度は他に比べ劣る。

・ハンドガン。しかもリボルバー。男のロマン。



>>16

スタンダード

もしかして大富豪書いてた>>1
違ったらすまないが応援してる

理樹「これにしよう」

【直枝理樹はスタンダードなエアガンを手に入れた】

恭介「武器には様々な特性がある。出来るだけ自分に合った物で戦いたいものだな」

理樹(そう言うと恭介は去った)




理樹「はっ…はっ…!……この辺りでいいかな」

理樹(僕は中庭の茂みの中に隠れた。ここなら遠くから様子を見渡せられるし、同じ様に茂みに入ってこない限りレーダーにも引っかからない)

理樹「なんだか缶けりを思い出すな……」

理樹(しかしこれは前と違って全員が敵だ。しかも笹瀬川さんと二木さんの2人も参戦している)

ブーブー

理樹(マナーモードにしている携帯が震えた)

差出人:棗恭介
《ではこれよりサバイバルゲームを始める。部室を出た瞬間ドアの向こうに待ち構えてるとか無しだからな?それではゲームスタート!!》

理樹(いよいよ始まったか……)

続く

>>18
大富豪はまだ終わってないだろ…
俺はもう一人のほうだよ、ほら、なんかあっちで喚いてた奴

すまん、今日は描けそうもない

理樹(ゲームが始まった。よく考えると僕の隠れ場所は状況判断を間違えるとハチの巣に合う…たとえば誰かがここを通りかかったとして、隠れて撃ってもその現場を誰かに見られでもしたらアウトだ。しばらくはここに居ようか…)

ブーブー

理樹「?」

理樹(またメールが来た。今度も恭介からだった。なにか書き忘れでも…)

差出人:棗恭介
《撃たれちまったぜ……みんなも自分が撃たれたら自己申告で全員に分かるようメールを送ってくれ》

理樹(は、早すぎる!!やっぱり待ち伏せていた人が居たんだ…)

5分後

理樹(なかなか来ないなあ…あれから誰もアウトになってない様だし、やっぱりみんな最初は慎重に行っているのかな。僕は…)


・敵の散策に出向く
・ここで身を潜める
・メールで誰かと条約を結ぶ(これを選ぶ場合、相手の名前も。コンマ奇数で失敗。来ヶ谷を選ぶ場合だけコンマ70~99以外は失敗)

理樹(みんなが慎重に動いているならここで動くのは得策じゃないだろう。待ち伏せの可能性もあるし、場が動くのを待っていよう)



10分後

ピッ

理樹「……!」

理樹(レーダーから微かに音がなった…つまり誰かが僕に近付いているということだ!)

ピッピッ

理樹(レーダーのライトが段々、連続して光る!)

ガサガサッ

理樹「うっ……」

キョロキョロ

理樹(草木の掠れる音が聞こえてきた。しかしよく音が響く中庭のせいで共鳴し、どこからやってくるのかが分からない)

ピピピッ

理樹(レーダーの音が近くにいる人なら聞こえてしまう大きさになって行く!急いでこの茂みから移動しなくちゃ!)

ガサガサガサッ

理樹(敵も僕の思惑に気付いたんだろう。茂みの音は次第に激しさを増していく)

理樹「ハッハッ…!」

理樹(そうだ!そういえばこの近くには来ヶ谷さんが作ったカフェテラスがあったはずだ!あそこなら回りの様子が分かる。とにかくそこへ行けばなんとかなるはずだ)

ダダダッ

理樹「ふうっ…ふうっ…!」

バサッ

理樹(遂に森のような茂みを出た)

理樹「よし…これで…!」

バサッ

クド「わふー…に、逃げられたでしょうか……」

理樹「あっ」

クド「わ、わふー!?」



・撃つ
・冷静な話し合いを求める

理樹「ク、クド…ここは落ち着いて話し…」

クド「わ、わ、わ…!」

理樹(慌てたクドは僕の声を聞かず銃口を向けた。しかし…)

カチカチカチ

理樹「お、落ち着いてクド!」

クド「わふー!?なんで撃ってもBB弾が出ないですか!?」

理樹「だから落ち着いてってば…ほらそれ貸して」

クド「はい…故障でしょうか……」

理樹「ほら、ここにレバーがあるでしょ?これはセーフティと言ってこれを下げないと引き金を引いても撃てないんだ」

理樹(一から説明した)

クド「そうだったんですね。勉強になりました!」

理樹「いや…まあ、とりあえず自分の今の状況を考えたほうがいいと思うよ…」

クド「えっ…?……あっ!リキに銃を取られて絶体絶命なのですっ!?」

理樹(いや…まあ…)

理樹(クドに銃を返した)

理樹「とにかく一応クドに返すよ…僕は話がしたいだけだからさ」

クド「わふー?お話ですか?」

理樹「うん」

理樹(このメンツだと鈴や小毬さんはともかく謙吾や来ヶ谷さんに勝てる自信がない…だからここは1人、2人仲間が欲しいところだ)



理樹「…という訳でクド、仲間になってくれない?」

クド「わ、私ですか!?私が仲間になったところで足手まといになるような…」

理樹「いやいや、2人ならそれだけでも心強いよ」

クド「……?」

理樹「どうしたのクド?」

クド「そういえば…たとえば私たちが勝ち残ったらどうなるのでしょうか?優勝するのは1人じゃ…」

理樹「その時は2人で決闘かな?」

クド「わふー!?」


【クドリャフカが仲間に加わった】

ピロンッ

理樹「あっ、メールだ」

カパッ

差出人:神北小毬
《うーん撃たれちゃったよ~(T_T)》

理樹「小毬さんがアウトになったよ」

クド「あ、明日は我が身なのです…」

理樹(明日どころか一時間後には撃たれるかもだけど…)

「待てこらぁぁあーーっ!!」

「あはははっ!こっちこっちー!」

理樹「この声は…」

理樹(2人で茂みの間から顔を出してみた)

ダダダッ

真人「この野郎!」

葉留佳「嫌ですナー!女の子に野郎は違うと思いますヨ?」

理樹(真人と葉留佳さんが追いかけっこをしていた。それだけならいつもの光景だけど今回はお互いに銃を持っているから物騒に見える)

真人「はぁ…はぁ…!てめえズリいぞ!」

バババッ

理樹(真人は葉留佳さんに追いつけず、どんどん2人の間の距離は離れていった。それもそのはず、真人の両手にはトラックに取り付けてあってもおかしくないような軽機関銃を担いでいる一方、葉留佳さんは拳銃しか持っていなかったからだ。葉留佳さんに向けて撃つも走っているのでカスリもしなかった)

葉留佳「よーし!そろそろ…」

理樹(僕らの方を通り過ぎると、葉留佳さんは何を思ったかそのまま先にある水飲み場の物陰に隠れた)

真人「はっはっは!残念だったな三枝っ。とうとう追い詰めってやったぜ!」

理樹(銃を構える真人)

真人「そこからなら壁に反射させてお前にBB弾を当てることが出来る!」

理樹(もはや銃本来の戦い方じゃない!)

真人「覚悟しやがれ!!」

カチッカチッ

真人「……た、弾切れだと…!?ちくしょう…いったいどうしたら…!!」


・戦いを見守る
・茂みから出る

コロコロ…

真人「はっ…あんな所にBB弾があるぜ!」

理樹(水飲み場の少し前に不自然なBB弾の塊が転がっていた)

真人「いよっしゃあ!これで三枝をギャフンと言わせてやらぁ!」

理樹(近づいていることを気づかれないように慎重に歩み寄っていった)

真人「ほっ……ほっ……」

ズボッ

真人「うお?うおおお!?」

ズシャァーッ

理樹「お、落とし穴!?」

理樹(BB弾まで後一歩という所で真人が地面へ消えていった)

葉留佳「ふっふっふっ……引っかかったな井ノ原真人よ…」

理樹(ひょっこりと顔を出す葉留佳さん)

真人「な、なんじゃこりゃあ!?」

葉留佳「いやーやっぱりここまで綺麗に引っかかってくれるのは真人君ぐらいしかいないよね」

真人「お前が仕掛けたのか!?ここから出せ三枝ぁっ」

葉留佳「そーは問屋が卸しませんヨ…?」

理樹(そう言って葉留佳さんは拳銃を手にゆっくりと落とし穴の前まで近付いた)

葉留佳「じゃ、そういうことで」

チャキッ

真人「う、うわぁぁ!」

パンッパンッパンッパンッパンッパンッ

真人「ギャフンーー!」




理樹「真人がやられた!」

クド「このひとでなしー!なのですー!」

【井ノ原真人:戦闘不能】

葉留佳「おや?今の声は理樹くんとクド公ですかネ……?」

理樹(き、聴こえたか!)

理樹「クド…」

クド「はい、なんでしょう…」

理樹「ここは僕がおとりになるからクドが後ろへ回って葉留佳さんに撃って!」

クド「そ、そんな…当たるかどうか…!」

理樹「いや、やるしかないんだ!セーフティのはずし方は分かってるね?ほら、行ってっ」

クド「わ…分かりました……」

理樹(これなら僕が葉留佳さんを倒せるならそれでいいし、最悪僕が葉留佳さんにやられてもクドは逃げられる)

理樹「葉留佳さん!僕はここだよ!」

タタタッ

葉留佳「げっ!」

チュンッチュンッ

理樹「当たらない…!」

葉留佳「よーし!はるちんの銃撃を受けてみよ!」

パパパンッ

理樹「うわっ!?」

理樹(葉留佳さんの狙いは的確だった。茂みに隠れていたからよかったものの、このままでは簡単にやられてしまう!)

理樹「くっ……」ダダッ

葉留佳「おおっ、逃がしませんよー!」

理樹(葉留佳さんが茂みの中に入ってきた)

理樹「た、弾を装填しないと…」

ガシャンッ

理樹「あっ!」

理樹(マガジンを交換する拍子に銃を落としてしまった…しかし走るしかない)

葉留佳「待てー!」

理樹「うっ…」





ダダダッ

理樹「はぁ…はぁ…そ…そんな……!」

理樹(追いかけ回されているうちに行き止まりになってしまった)

ガサッ

葉留佳「ふぇっ、ふぇっ、ふぇっ!いつも追いかけ回されている私に、しかも学校の中で振り切ろうなんて甘い甘いっ」

理樹(やられた…おそらく葉留佳さんは風紀委員と走り回っているうちにここの逃走ルートなどを全て把握してしまったんだろう。絶体絶命だ…)

葉留佳「まーそう落胆することもないですヨ?どのみち理樹君が優勝しない限り誰かと一緒に過ごすのは確実だから」

理樹(その中でも葉留佳さんと一緒なら確実に変な目に遭いそうなんだけど……と、とにかくここはなんとか時間稼ぎをしないと…)

葉留佳「それじゃ理樹くんもごめんっ」

理樹(なにか言わないと!)

理樹「>>38!」

しくじった
安価下で

理樹「かかったな!罠だぞー!」

葉留佳「なにーっ!?………って何が?」

理樹「ふ、ふふ!実は僕は最初から餌だったのさ…もう君の周りには同盟を組んだ仲間が銃口を向けてるよ!」

理樹(まだその同盟の人はこっちに来てないけどね)

葉留佳「ハッ……!確かにさっきクド公の声も聞こえたような…」

理樹「でもまだ撃たないよ。葉留佳さんが仲間になってくれるなら他の人を倒すまでは停戦条約を結ぼう」

葉留佳「………」

理樹(さあ、どう来る…?)

葉留佳「うーーん!わちゃー!!」

ガバッ

理樹「へっ?」

理樹(葉留佳さんは僕と手を繋ぐともう一方の手で僕のこめかみに銃を当てた)

葉留佳「はるちんは孤高の狩人…誰かと一緒にいるのも悪くないけど一人で戦況を掻き回す事こそがマイポリシー!さあさあ、私を狙っている理樹くんのお仲間とやら!こいつが撃たれたくなければおとなしくどっかいけー!」

理樹(しまった!葉留佳さんに常識は通じないんだった!)



茂み

ドッカイケー

クド「はぁ…はぁ…あれは三枝さんの声…リキは……」



理樹「うっ…」

葉留佳「近くばよって目にも見よ!遠からん者は音にも聞けぇーっ」

理樹「いや今から逃げるんじゃないの!?」


クド「わ、わふー!?よく分かりませんがリキがピンチなのですっっ」カサッ

理樹「………!」

理樹(今のは………居た!クドだ!)

クド「あっ、リキと目が合っちゃいましたっ。わ、私はこの場合どうすれば……!?」

理樹(ごめんクド…こうなったらもう役に立てそうもない!クドは逃げるんだ!)

コクコク

クド「わふ!?頷くってことは…三枝さんを倒せと!?……わ、分かりました…ここで怯んでは名が廃りますっ!」

チャキッ

理樹(うわっ!?なんで銃を構えてるのさ!?だ、ダメだって!!)

クド「ふぁいあ!なのですっっ!」

葉留佳「そこから!?」

ババババッ


コンマ奇数で葉留佳にヒット

ボスボスッ

理樹「は…」

クド「外してしまいましたー!?」

葉留佳「そこかぁーっ!」

パンパンパンッ

クド「わ、わふ…アウトなのです…」

【能美クドリャフカ:戦闘不能】

理樹「ああ!そんな……」

葉留佳「さてさて、頼みの綱のワンコがアウトになったけど…どうしますカ?」

理樹「うっ……」


・どうか命だけは
・潔く撃って
・一か八か逃げる

葉留佳「ええーっ!?理樹君、案外諦めるの早いですヨ?」

理樹「いや、まあ…」

理樹(この状況からだったら…ねえ?)

葉留佳「ほんじゃまそういうことで~」

パンッパンッ






謙吾「さ、笹瀬川…俺とお前は敵同士じゃなかったのか?」

佐々美「いいえ!わたくしは直枝なんぞ興味がありませんの!…ただ宮沢様と一緒に居られるだけで…なんて」

ブーブー

謙吾「ん?メールか…また誰かアウトになったようだな」

差出人:理樹
《僕も撃たれちゃったよ…》

謙吾「な、なにィ!?」

佐々美「あら直枝がやられた様ですわ。もっと生き延びるかと思っていましたけれど…」

謙吾「あ、ああ…俺もそう思っていたところだ……」

ピッ…ピッ…

謙吾「静かに!誰か来るぞ…」

佐々美「は、はい…」ドキッ

ザッ…

来ヶ谷「む?先ほど音がしたと思ったんだがな…」



佐々美「……大丈夫のようですわ…まだ見つかってはいない…このまま忍び足で後退しましょう。彼女の噂は私も耳にしたことがありますわ…確かあの脳筋バカをオモチャの様に翻弄したと」

謙吾「ああ。確かに奴は強い…正直に言うと腕力だけじゃないこの勝負において、俺とサシならどちらが勝ってもおかしくはないだろう……」

ザッザッ

謙吾「だが!あいつはいずれは倒さなくてはならない相手だ!それに今はお前もいる…奴に勝機があるとしたらそれは今だっ!」

佐々美「宮沢様…」

謙吾「頼りにしているぞ笹瀬川」

佐々美「……!!」

佐々美「は、は、は、は、はい!この笹瀬川佐々美、期待を裏切らない主義ですわっ!どこまでも付いて行きますわ宮沢様ーーっ!」

謙吾「いや…別にどこまでもとは言わんが……」

来ヶ谷「……ふむ。なにやら騒がしいと思えば君達か」

謙吾「来ヶ谷!いざ、尋常に勝負っ!!」チャキッ

バババババッ

来ヶ谷「おっと」スッ

カンカンカンカンッ

来ヶ谷「ははははっ!!2対1で、しかも出会い頭に撃ってきて『いざ、尋常に』か!?」

謙吾「お前にはこれぐらいしないと対等とは言えんからなっ!…笹瀬川!」

佐々美「はいっ!」ススッ

パンパンッ

謙吾「今のうちに…」シャコッ

来ヶ谷「なるほど。一方が牽制で撃っている間に一方が弾をリロードしつつ前進か…それで私を追い込むつもりか?」

謙吾「弾は十二分にある。悪いが突っ切らせてもらうぞっっ」

来ヶ谷「そうは問屋がおろさんよ」カチッ

バンッ‼︎

佐々美「キャアーッ!?」

謙吾「笹瀬川!?」

バンッ‼︎

バンッ‼︎

謙吾「ど、どうなっているんだ!?あちこちからBB弾が爆発しているっ!」

来ヶ谷「最近はクレイモア型のBB弾発射装置なんてモノもあってな…これの良いところはリモコンで自由に操作が可能ということだ」

謙吾「これではまともに近づけない…いったい学校にいくつ仕掛けたというのだっ」

来ヶ谷「はっはっはっ。ま、ここは一旦引かせてもらうよ」

バッ

謙吾「あ…待て!」

佐々美「う……」

謙吾「笹瀬川!当たったのかっ!?」

佐々美「申し訳ありませんわ…もっと宮沢様のお役に立ちたかったのに……がくり」

謙吾「さ、笹瀬川ーーっ!!」

【笹瀬川佐々美:戦闘不能】

佐々美(ああ…宮沢様のお顔がこんなに近くに……!)

謙吾「う……クソッ…」

ザッ…

「そこに居るのは宮沢…?」

謙吾「……二木か…」

佳奈多「その様子だと笹瀬川さんはやられたようね。あなたがやったの?」

謙吾「いや…俺たちは停戦条約を結んでいた……やったのは来ヶ谷だ。巧妙に俺たちを返り討ちにしてどこかへ行ってしまった…」

佳奈多「そう…やはりもっとも厄介なのは来ヶ谷さんのようね」

謙吾「ああ…ところで撃たないのか?まさかお前も俺と手を握ると?」

佳奈多「どうしようかしら?ここまで生き残っているのは私達を除くと来ヶ谷さんと葉留佳、それに西園さんと棗鈴さん。葉留佳や鈴さんはともかく西園さんと手を組めたなら来ヶ谷さんに勝機があるかもしれない。最終的に対峙することになるなら、あなたはここで撃った方が…」

ブーブー

謙吾「すまん、電話だ」

佳奈多「はあ…どうぞ」

謙吾「…もしもし?」

「……ビデオ通話にする。画面を見たまえ」

謙吾「その声は来ヶ谷かっ!」

佳奈多「来ヶ谷さんから電話?」

ピッ



画面

葉留佳『あ、姉御ー!ちょっとタンマー!』

来ヶ谷『待たない。仕掛けてきたのは君じゃないか…』

謙吾「三枝が捕まったか…」

佳奈多「葉留佳!」

葉留佳『なんでもするから見逃しておくなんせえ~!』

来ヶ谷『ほお…なんでもか?なら何かモノマネをしてみろ』

葉留佳『え………?』

来ヶ谷『モノマネをしろ言ったんだ』

葉留佳『ええー!?…………ぼ、僕のハチミツぅ~』

来ヶ谷『ふっ…はっはっはっ……面白いな』

葉留佳『じ、じゃあ…』

来ヶ谷『くまは死ね!!!』

ズガガガガッ

葉留佳『ぎゃあーーっ!!』

来ヶ谷『ふはははは!』

来ヶ谷『次は貴様だ』

ブツッ…ツーッツーッ

謙吾「む、酷い……」

佳奈多「宮沢」

謙吾「……あ、ああ…なんだ?」

佳奈多「来ヶ谷さんを倒しに行くわよ。ついて来なさい」

謙吾「あ、ああ……」

裏庭

西園「……」パラ…

西園「……ふわぁあ…」

ザッ

鈴「…美魚か」

西園「おや、鈴さんですか」

鈴「なんでもいいがそれ引っさげて本読んでたらくちゃくちゃ怖いな」

西園「実はさっきから歩けども誰とも会わなかったのでここで本を読んで待つことにしたのです」

鈴「そーか。なら私が来てやったぞ!」

西園「はい。撃ちますか?」

鈴「まーな」

西園「それではどうぞもう少し近くで狙ってみてはどうでしょうか」

鈴「ん。それもそーだな」

トコトコ

キッ

鈴「……糸?」

西園「私はさしずめクモといったところでしょうか。騙してしまってごめんなさい。棗さん」

カパッ

ザザザザーッ

鈴「うにゃーーっ!?」

西園「糸に当たれば上からBB弾が降ってくる仕組みです。恭介さんは別にBB弾が当たればなんでもよいとおっしゃったので」

鈴「ひきょーだぞ美魚ーーっ!!」

西園「さて、残るは3人ですか」

【棗鈴:戦闘不能】

続く
次かその次ぐらいに終わる予定

グラウンド

来ヶ谷「………」カチャカチャ

謙吾「いたぞ…ベンチで銃の手入れをしている……なるほど、部室から新しく武器を調達していたのか」

佳奈多「なかなか舐められているわね…行くわよ」

ザッ

来ヶ谷「………」

佳奈多「覚悟!」

ズガガガガッ

来ヶ谷「う、うわっ!」

バタンッ

謙吾「い、今…全弾当たったよな?文句無しにアウトになる訳だが」

佳奈多「……私が言うのもなんだけど…ちょっとあっけないわね」

来ヶ谷「ううっ……」ポロッ

ファサッ

佳奈多「か、カツラ?」

来ヶ谷(理樹)「痛い……何か変なことが起きるとは思ってたけどひどいよ来ヶ谷さん…」

謙吾「り、理樹だとぉ!?」

理樹「うわ、最悪だ…よりによってまともな2人に見られた……!!」

佳奈多「ということは囮!?」

ドドドドドドッ

謙吾・佳奈多「!」

謙吾「銃撃!二木、隠れろーーっ!!」

サッ

佳奈多「壁が必要ね…直枝っ」ダキッ

理樹「ふ、二木さん!?」

バババババッ

理樹「ちょっ…痛いって!」

シュウウウ…

佳奈多「銃声が…止んだ?」

「………ふっ、惜しい惜しい」

ギィ

謙吾「なんだと…?部室に篭っていたのか……来ヶ谷!!」

来ヶ谷「うむ。次は外さん」

トコトコ

西園「グラウンドから音が聞こえますね…」

コツコツ…

西園「……後ろを取られましたか」

「…………」

西園「雰囲気からして今生き残ってる三人では無いようですね……誰ですか?」

「名乗る必要はない…」スッ

西園「……なるほど。カイザーソゼという事ですね…不覚でした」

パンッ

【西園美魚:戦闘不能】

同時刻

グラウンド



来ヶ谷「これで終わりだっ」ピンッ

ブンッブンッ

謙吾「ぐ、グレネードだ!多分あれは爆発すると広範囲でBB弾を飛ばすものだ!撃ち落とすぞ!」

佳奈多「くっ…」バンッバンッ

謙吾「はぁっ!」ズガガガガッ

シューッ

理樹「ダメだ!一つがこっちへ…」

佳奈多「直枝、あんた野球やってるんでしょ?」

理樹「えっ?」

ドンッ

理樹「うわっ!?」

佳奈多「この距離で撃ち落としても手遅れ。だからそのエアガンで打ち返して!」

理樹「ええーっ!!」

ヒューーッ…

理樹「もうっ!」ブンッ

カッキーンッ

来ヶ谷「何っ!?」

佳奈多「よし!」

部室

コテッ

コロコロコロ…

来ヶ谷「まさか、私の羊に手を噛まれるとはな…」

ドーンッ‼︎



謙吾「やった…!!来ヶ谷を倒したぞっ」

佳奈多「ふっ、流石直枝ね」

理樹「いやいやいや!さっきまで散々雑巾のように扱ってたのは誰なのさ…」

「………」ザッ

パンッ

謙吾「ガハッ…っ!?」

佳奈多「だれっ!?」クルッ

「………」

佳奈多「悪趣味な仮面ね……あなたも一応エアガンを持っているようだけど何者なの?今日参加するリストには載ってなかったようだけど」

理樹「………!?」

理樹(この仮面…何処かで見た事があるような……思い出せない…とても最近見た気がするというのに…)

謎の男「強いて言うなら、棗恭介の友人とでも言っておこうか」

理樹「ふ、二木さん…ダメだ……この人と戦っちゃダメだ……」

佳奈多「何を言ってるの直枝?ボイスチェンジャーまで使って正体を明かしたくないよくね…とにかく、参加資格はあるようだけどどのみちここで倒されたら名乗らなくても同じよっ!」ダダダンッ

シュンッ

佳奈多「は、早いっ!?」

謎の男「人の助言はちゃんと聞くんだな」

パンパンッ

佳奈多「きゃーっ!」

理樹「あ、ああ……」

謎の男「む?お前はもう失格となっていたか…」



屋上

ゴトンッ

「………」

カチャカチャ


謎の男「まあいい。これで俺の他に立っているものはいない…優勝は俺のものだ」

理樹「く、来るな……!」


「………風速5m/s…気圧899hPa…」スッ


謎の男「何を怖がっている?俺は優勝賞品を貰うだけだ」

理樹「だ、誰か助けてっ!!」


「アイアイサー!……BANG!」パシュッ


謎の男「!?」ドスッ


「……ミッションコンプリート…」


理樹「なんだ…?どこから弾が……!?」

パキンッ

謎の男(恭介)「………なるほど。やられちまったぜ」

理樹「き、恭介っ!?」



理樹部屋

謙吾「で、最後はその誰かが優勝をもぎ取った訳か」

理樹「というかなんで恭介あんな仮面を付けてまた参加したのさ?一度撃たれて失格になったんじゃないの?」

恭介「おいおい、他の人から俺を撃ったかどうか聞いたか?実は最初に俺はみずから最初に失格と嘘のメールを送ったんだ。そして後から謎の人物として登場……なかなか悪くない演出だっただろ?」

理樹「いやめちゃくちゃ怖かったんだけど……」

真人「にしてもよお…最後に恭介を撃った奴は誰なんだよ?」

恭介「さあ?……だが、優勝賞品は何と言っても理樹を一日中自由に出来る権だ。いつかあっちからお前の方に来るだろうよ。そう、いつかな…」

理樹(そういった恭介の顔は哀愁を帯びていた。もしかするとその人を恭介は知っているのかもしれない)

恭介「ま、とにかく無事に終わったしみんな楽しんでくれたんじゃないか?」

鈴「うん。私は楽しかったぞ。またやってもいい…次は騙されない」

真人「ああ!でもお前のことだからまた新しい遊びを用意してんだろ?」

恭介「まあな。次はこういうのはどうだ?たとえば大人数で………」




終わり

しばらくもうここでスレは建てない
俺はいままでその場その場でssを書いてきたけど次の作品は最後まで書き溜めてから投下してみるぜ

その作品はもちろんリトルバスターズだ!

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