八幡「許嫁?俺に?」小町「みたいだよ」 (227)
八幡「んなアホな」ヘラヘラ
小町「さっきお父さんから聞いた」
八幡「あのオッサン酒でも入ってたんだろ」
小町「えっとね、お父さんが一人でお酒飲んでたんだって」
八幡「ほれ見ろ、酒に呑まれて幻覚見てやんの」
小町「まあ聞いてよ、一人で飲んでたらお父さんと変わらない位の年の人達が話しかけてきたみたいでさ」
八幡「ふーん」
小町「その人達お兄ちゃんと同い年位の娘さんがいるんだって」
八幡「で?」
小町「しばらく話し込んでたら『娘が嫁に行くならその旦那は親父の俺達が選ぶ!』とか言い出したんだって」
八幡「…」
小町「で、同じ年頃の息子のいるお父さんがお兄ちゃんを話に出しちゃってさ」
八幡「おお…」
小町「よくよく聞いてみればお兄ちゃんと学校も同じだって分かってさ」
八幡「ま、まあぼっちだから分からんけどな。俺も相手も」
小町「結衣さんのお父さんがまず一人目」
八幡「!」ブハッ!
小町「まだまだ驚くよ、雪乃さんのお父さんが二人目」
八幡「金持ちが場末で飲んでんじゃねえ!」
小町「雪乃さんのお父さんも奥さんが怖いんだって」
八幡「ああ、なるほど」
小町「沙希さんのお父さんが三人目」
八幡「もう驚かんぞ」
小町「三浦さんって人が四人目」
八幡「三浦…あいつか」
小町「最後に娘さんはお兄ちゃんの一つ上らしいけど城廻さんって人が五人目ね」
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八幡「まあ酒の勢いだし無かったようなもんだろ」
小町「だといいけどね」
八幡「奉仕部の二人は有り得ないだろ?残り三人に至ってはほぼ無関係ときたもんだ、んな与太話にアルコールが入ったもんは流れるだろ普通に考えて」
小町「本気で言ってるのお兄ちゃん?」
八幡「?」
小町「…まあいいや、とにかくそういうことだから」スタスタ
八幡(今時許嫁自体ムチャだろ…本気にする奴はアホを超越した何かに決まってる。考えるだけムダだし寝よ)スタスタ
翌日
結衣「…」チラッチラッ
優美子「…」ジーーーーー
沙希「…」モジモジ
八幡(視線を感じる…やだ、ゴルゴかしら?)
休み時間
優美子「ヒキオ、ちょい来い」
八幡「?」
優美子「あんた、あれ聞いた?」
八幡「あれって?」
優美子「なんか許嫁とかなんとかの」
八幡「聞いてるぞ」
優美子「あんたはどう思う?」
八幡「別になんとも」ケロッ
優美子「え?」
八幡「酒の勢いで人を嫌な気分にさせた親父のことが申し訳ないくらいだな」
優美子「そうじゃなくて、あたしが相手なのは嫌?」
八幡「嫌も何も俺は誠意を見せるしかないだろ」(怒ったら土下座怒ったら土下座怒ったら土下座)
優美子「ふ、ふーん…誠意ねえ…」(コイツなりに嬉しいんかな…)
八幡「詫びに今度なんか奢るわ、あんまり高いのは勘弁な」(ブランド物とかマジ勘弁)
優美子「そっ、そそそそれって…」(コイツ意外と積極的じゃん!)ドキドキ
八幡「だから誠意を見せるっつっただろ」(瞬きする間に土下座する覚悟完了)
優美子「考えておくね!」(キャー!初めて男に誘われたー!キャー!)ダダダダダ
八幡「すげえダッシュだな…戻るか」
次の休み時間
沙希「…」ガシッ
八幡「お、おいなんだよ?」
沙希「…」ズルズル
八幡「…なんですか?」
沙希「…許嫁」ボソッ
八幡「ああ、あれか」
沙希「…」コク
八幡「もちろん(親父の不始末の)責任は取るつもりだ」キリッ
沙希「!」キュンッ!
八幡「俺(からのお詫び)で良いなら何でも言ってくれよ、出来る限りことならしてみせるから」(土下座とかパシリとか)
沙希「/////」コクコクコクコク
八幡「何をすればいいんだ?」(やべえ、普通にブン殴られるかも)
沙希「考えとく/////」タタタタタ
八幡「あいつもすげえダッシュだな…」
昼休み
八幡(親父に何してやろっかなー、袖車か三角締めで落とすか…肩車でもしてやろうかなー他界他界なんつって)スタスタ
めぐり「あ、いたいた」タタタタタ
八幡「先輩」
めぐり「お父さんから聞いたよ、ごめんね?」
八幡「いやいや!こっちこそすみませんバカ親父が」ペコペコ
めぐり「酔った勢いで大事なこと決めるなんてひどいよね」
八幡「あんなん流れでしょ、お詫びにしっかり『落とし』ますんで」キリッ
めぐり「ええ!?(私を)『オトす』の!?大胆だね!?」ビクッ
八幡「そりゃ失礼があったのはこちらなんですから責任を取らないと」
めぐり「そそそそっかぁ…」ドキドキ
八幡「前から決めてましたけどね、先輩と話してさらに決心が着きました。全力で行きますから!」ビシッ
めぐり「最初から私って決めてたんだ…嬉しいな」ボソッ
八幡「そうそう、それとは別にお詫びをしたいんですけど何かリクエストあります?」
めぐり「じゃあ、めぐりって呼んで?」////
八幡「え?そんなんでいいんですか?」
めぐり「うん…一番して欲しいことだよ」モジモジ
八幡「めぐり先輩」
めぐり「うーん…まあその呼び方もアリだね」ニコニコ
八幡「そりゃ先輩は先輩ですから」
めぐり「でも、いつか先輩は外してね!約束だからね!」タタタタタ
八幡「先輩を外せって留年でもするのか?」
放課後
キーンコーンカーンコーン
結衣「ヒッキーヒッキー」チョイチョイ
八幡「部活なら今から行くぞ?」
結衣「話しながら行こうよ」グイグイ
八幡「いいけど」スタスタ
結衣「ヒッキーはさ、どう思う?」ソワソワ
八幡「本当にすまないと思っている」スタスタ
結衣「じゃあさ、あの話を私がいいって言ったらどうする?」/////
八幡「あんなアホな話を真に受けてってことか?」
結衣「アホじゃないし!マジだし!」ブーブー
八幡「質問の意図が分からんがアルコール検知器が欲しくなるな」スタスタ
結衣「酔ってないから!マジメに答えてよ!」
八幡「今時許嫁って関係が分からんのが本音だな」
結衣「それを抜きにして考えて?」/////
八幡「…」ムムム
結衣「…」ドキドキ
八幡「……」ウーム
結衣「…」ドキドキ
八幡「ああ、そういうことか」ポンッ
結衣「!」パアッ
八幡「あの話がそもそも無いわけだから由比ヶ浜が良いって言う意味が無くなるな」
結衣「ヒッキーのバカっ!」プンプン!
八幡「いや、ちゃんと引っ掛け問題に答えられたじゃねえか」
結衣「もう知らない!忘れ物した!先行ってて!」ズカズカ!
八幡「えー…」
奉仕部
八幡「うぃーす、由比ヶ浜が忘れ物したから少し遅れるってよ」
雪乃「あらそうなの?分かったわ、あなた」
八幡「…あなた?」
雪乃「許嫁でしょう?主人をあなたと呼ぶ家庭は珍しくないわ」
八幡「あれを本気にしたわけじゃないよな?」
雪乃「あなたこそ冗談と思っていたの?」シレッ
八幡「いやいや、酒食らってゲロの代わりに出たような話をお前…なあ?」アセアセ
雪乃「私は素面でも正直反吐が出そうではあるのだけれど、許嫁になってしまったのだからあなたを愛して見せるわ」
八幡「嫌がってるじゃねえか、なら破談にしろよ」
雪乃「私の実家は政治家と経営者を兼任しているのは知っているわよね?」ニコニコ
八幡「ああ」
雪乃「婚約破棄に対する慰謝料諸々が天文学的な額になるわよ?」ニコニコ
八幡「…」サアー…
雪乃「増してこちらに断る理由もなく、そちらは晴れて名家の仲間入りを果たすのだけれど…」
八幡「いや、反吐が出るって」
雪乃「それは私の感情よ、実家はそうはならないの」
八幡「…」
雪乃「婿入りを覚悟しておいて頂戴、あ・な・た?」ニコッ
八幡「つまり、親父はシャレにならんマネをしやがったと」
雪乃「式は六月が良いわよね」ウキウキ
八幡「更に名字が変わっちまうと」
雪乃「新婚旅行は海外だからパスポートを申請しておいて頂戴」ワクワク
八幡「あんな恐ろしい義理の姉ができると」
雪乃「子供は二人欲しいわね」ルンルン
八幡「聞けよ人の話!」
雪乃「ペットは猫がいいわ」キラキラ
八幡「…」ガクリ
雪乃「あらどうしたの?」キョトン
八幡「なあ雪ノ下」
雪乃「あなたも雪ノ下姓になるのよ?雪乃って呼びなさい」
八幡「まだはええよ、つうかお前順応早すぎだろ」
雪乃「夫婦だからいいじゃない、それより子供の名前を決めましょう」
八幡「だからはええよ…」
雪乃「ふふふ、それもそうね、今しかいちゃつけないもの」ソッ
八幡「ひっ!」ビクッ!
雪乃「たっぷり二人の時間を楽しみましょう?」ダキッ
八幡「…」アワワ
雪乃「ふふふ…」
結衣「ヒッキーやっぱあたしと結婚する気…」ガラガラ
雪乃「…」スヤァ…
八幡「お、おう由比ヶ浜」
結衣「なにしてんの?」ゴゴゴゴゴ
八幡「雪ノ下が俺にもたれだして寝ちまってな」アセアセ
結衣「ふーん…ゆきのん疲れてるんだねー」ゴゴゴゴゴ
八幡「みたいだな」オロオロ
結衣「あたしも疲れたなー」ポスッ
八幡「お前までもたれたら動けねえだろ」
結衣「疲れたし仕方ないじゃん」ダルーン
八幡「はあ…」
結衣「あ、これいいかも」ウトウト
八幡「マジで寝る気かおい」
結衣「…」スヤァ…
八幡「何の罰ゲームだ…」
結衣「…」スヤスヤ
雪乃「…」ネムネム
八幡「動けない…」
優美子「おーいヒキオー」ガラガラ
八幡「いらっしゃいませ」
優美子「は?なにそれ?」イライラ
八幡「知るか、いきなりもたれ掛かられてこの状況だよ」
優美子「あんた優しいね」
八幡「動くとケガさせるかも知れんからな」
優美子「ならまた今度来るわ」ヒラヒラ
八幡「そうしてくれ」
優美子「バイバーイ」ピシャッ
八幡「あいつ、何しに来たんだ?」
優美子(うわー、あーし結構嫉妬深いかも…あれあーしもしてもらお)イライラスタスタ
八幡「…」カチコチ
結衣「…」ムニャムニャ
雪乃「…」スヤスヤ
八幡「!」ピーン
結衣「…」ムニャムニャ
雪乃「…」スースー
八幡「あ、猫だ」
雪乃「はっ!どこ!?」クワッ
八幡「ああ見間違えた、ビニール袋だ」
雪乃「残念ね」スヤァ…
八幡「おい」
雪乃「何かしら」
八幡「寝るなら家で寝ろ」
雪乃「あら、それもそうね、帰るわよあなた」
八幡「由比ヶ浜が起きん」
雪乃「人の主人に何故もたれかかっているのかしら?」ピキピキ
八幡「お前の旦那じゃねえから、17才の少年Aだから」
雪乃「時間の問題なだけじゃない」
八幡「いいから帰ってゆっくり寝ろ」
雪乃「浮気したら9桁代の慰謝料よ、覚えて起きなさい」
八幡「浮気は成立せんが由比ヶ浜を襲う気はないからな」
雪乃「いいわ、そこまで言うのなら信じてあげる。夫婦は信頼が大事だもの」ガラガラ
八幡「はあ…おい由比ヶ浜」ユサユサ
結衣「んー?」ゴシゴシ
八幡「起きろ、そんで帰れ」
結衣「…」ボー
八幡「おい」
結衣「んー」ダキッ
八幡「ちょっ…」グラッ
ガタガタドタン!
結衣「クー」スヤスヤ
八幡(押し倒された、なんとかどけないと)グイグイ
結衣「ん"ー」ギューッッッ!
八幡「おま…苦しい…」
結衣「…」ギリギリギリギリ
八幡「意地でも離れんのかこいつは」グイグイ
結衣「えへへ…」ムニャムニャ
八幡「起きろっつの」
沙希「比企谷、ちょっと聞きたいことが…」
八幡「あ」
結衣「…」ムニャムニャ
沙希「よし殺す」バキボキ
八幡「待て!由比ヶ浜が寝ボケてこうなっただけだ!」ワタワタ
沙希「…」ジー
結衣「クー」スヤスヤ
沙希「…仕方ない、手を貸してあげる」ズルズル
八幡「おお、あっという間に抜け出せた」スポッ
沙希「そもそもなんでこんなことに?」ジトー
八幡「説明するとだな…」
沙希「疲れたから枕代わりにされたってこと?」
八幡「こいつがそう言ってるし間違いない」
沙希「あんたバカ?」
八幡「俺は綾波派だけど」
沙希「何の話?」
八幡「通じないならいい」
沙希「?」
八幡「とにかく助かったありがとう」
沙希「気にしなくて良いよ」
八幡「さて、このアホをどう帰らせるか」ムムム
沙希「犬みたいな寝顔だね」
結衣「え!?犬!?サブレ!?」ガバッ
八幡「サブレなら家だろ、帰って見てこいよ」
結衣「うん!分かった!じゃあね!」ダダダダ
沙希「半分寝ぼけてないあれ?」
八幡「寝ぼけて大いに結構、部室の鍵を閉めたかったしな」チャリッ
沙希「部活終わりなの?」
八幡「雪ノ下が先に帰ってな」
沙希「珍しい」
八幡「んなこともあるだろ」カチャカチャ
沙希「チャンス」
八幡「ん?チャンス?」
沙希「そう、チャンス」
八幡「何のだよ、サマージャンボか?」
沙希「あんたに頼みがある」
八幡「あー依頼か」
沙希「あんたにしか頼めない、ね」
八幡「大げさだなおい」ケラケラ
八幡「なあ」
沙希「なに?」
八幡「スーパーで頼みってあれか、お一人様一点とかの」
沙希「そう、卵とキャベツと砂糖が安売りで」
八幡「あの二人いたらもっと買えたんじゃね?」
沙希「傷むから必要ない、由比ヶ浜は頼んだ物と違う奴を買ってきそうだし、雪ノ下は庶民を知らないから頼みたくない」
八幡「納得出来るのが奉仕部の素敵なところだな」
沙希「あんたはその辺はまあ普通の感覚だし問題ないと思った」
八幡「ご指名ありがとうございます、愛してるぜ」
沙希「あたしも愛してるよ」
八幡「わーお、ラブラブだなハニー」
沙希「そんじゃ旦那には隣のレジで会計してもらうね、これお金」チャリン
八幡「あいよ」スタスタ
沙希(ハニー…悪くない)ニヤニヤ
八幡「自転車に乗る範囲の買い物は楽だな」
沙希「米とかしんどいからね」
八幡「男手があるうちに買えば良かったじゃねえか」
沙希「安売りの日はまだだから」
八幡「完璧だな」
沙希「まあね」
八幡「まだお前の家じゃないのか?」
沙希「そろそろ着くよ」
八幡「任務完了も近いな」
沙希「完了ついでにお茶でも出すよ」
八幡「うーん、ありがたいけど家に帰りたいしな」
沙希「着いたよ」
八幡「うっし」ガサガサ
沙希「ありがとう」
八幡「んじゃこれで」
沙希「まあまあ、安売りだからつい買ったマックスコーヒーがあるんだけど」
八幡「先に言え愛してるぜチクショー」
八幡「お邪魔します」
沙希「いらっしゃい」
八幡「川崎」
沙希「あ、ちょっと待ってて」トトトト
八幡「おう」
アァン!?オキャクサン!?アァン!?ヒワイカ!?アァン!?
ドコデオボエテキタソンナノイイカラヘヤニモドレ
シカタナイネ
沙希「お待たせ」
八幡「今なんか異様な掛け声が…」
沙希「もう大丈夫だから安心して」
八幡「お、おう」
沙希「これ、つい貧乏性で買い込んじゃって」コト
八幡「マジか素敵過ぎるだろ」
沙希「あんたの素敵の基準が分からないよ」クスクス
八幡「マックスコーヒーが全国区じゃないことを知って千葉から出ないと決めたくらいだからな」
沙希「病気になるよ」
八幡「うるせえ、こちとらマックスコーヒーと出会ってから不治の病にかかったんだよ」
沙希「凄まじいね」
八幡「あれはもう魔力と言って差し支えないな」
沙希「それ程かな」
八幡「俺はそう思っている」
沙希「ふーん」
八幡「では早速いただきます」カシュッゴッゴッゴッ
沙希「すごい飲みっぷり」
八幡「はあ~、うめえ」
沙希「…」
八幡「どした川崎」
沙希「一口頂戴」
八幡「元々お前が買ってきたんだろ、ほい」
沙希「間接キス…!」フルフル
八幡「飲まんのか?」
沙希「飲む」チビッ
八幡「うまいだろ?」
沙希「甘い」
八幡「それがクセになるんだよ」
沙希「本当に…甘い」ドキドキ
八幡「うめえ」ゴクゴク
八幡「うまかった、長居も悪いし帰るわ」
沙希「夕飯食べていきなよ」
八幡「小町がいるからな」
沙希「それもそうか」
八幡「つーわけで帰るな」
沙希「シスコン」クスクス
八幡「うっせブラコン」
沙希「また頼むかも」
八幡「他に頼まれてなきゃいいぞ」
沙希「ありがと、またね」
八幡「お邪魔しました」
沙希(比企谷…あたしは…)ドキドキ
八幡「つーわけだ」ムグムグ
小町「沙希さん、残念って思ってるだろうなあ」
八幡「ん?なんで?」ムグムグ
小町(モテない期間が長すぎて色々マヒしてる…可哀想に)ブワッ
八幡「雪ノ下も明日は普通だといいんだけど」
小町「…まあ、雪乃さんの変わりようは小町もビックリしたけどね」
八幡「もはや別人だぞあれ」
小町「お父さんのせいだけどね」
八幡「ったく、帰ってきたら絞め落としてやる」
小町「小町しーらない」
八幡「風呂入って寝るわ」
小町「おやすみー」
八幡(ばばんばばんばんばん♪ばばんばばんばんばん)
小町(お兄ちゃんがモテ期のうちにお姉ちゃん決まるといいなー)
翌朝
八幡「…なんでいんの?」
小町「お兄ちゃーん、送ってってー…あれ?」
雪乃「おはようあなた、小町さん」
小町「んん?あなた?」
雪乃「夫婦ですもの、当然よ。こんな可愛い妹が出来て嬉しいわ」ニコッ
八幡「えー…」
小町「ちょっとお兄ちゃん!昨日聞いたより悪化してない!?」ヒソヒソ
八幡「だよな、どうしようこれ…」ヒソヒソ
雪乃「さあ乗って頂戴」
八幡「いや、通学は自転車時々徒歩って決めてるから」
雪乃「あら、それなら私も徒歩で通学するわね」
八幡「よかった、なら小町、行くぞ」
雪乃「待ちなさい」
八幡「ん?」
雪乃「私を置いていくの?」
八幡「自転車は精々二人乗りが限界だろ、お前は普通に車で行けよ」
雪乃「良いアイデアがあるわ、小町さんを車で送迎して、私があなたの後ろに乗るの」
八幡「アホか…」
小町「え!?良いんですかやったー!」
雪乃「いいのよ、私は姉ですもの」ニコッ
小町「うわー!こんな高そうな車で送ってくれるんだー!わー!」
雪乃「それじゃあ小町さんはお先にどうぞ」
小町「ありがとうございます雪乃さん!お兄ちゃん先行くね!」
雪乃「いってらっしゃい小町さん」
ブロロロロロ…
八幡「…」ポカーン
雪乃「さあ、行きましょう?あなた」ニコニコ
八幡「はあ…」
八幡「…」シャカシャカ
雪乃「あなたと一緒なら自転車も悪くないわね」
八幡「へいへい」シャカシャカ
雪乃「そろそろ着きそうね、名残惜しいわ」
結衣「あれ!?なんでヒッキーがゆきのん乗せてんの!?」
八幡「やむにやまれぬ事情があってな」
雪乃「あら由比ヶ浜さん、おはよう」
結衣「うんおはよー…じゃなくて!なんでゆきのんが乗ってんのってば!」
雪乃「おかしなことを聞くのね、私と彼は…」
八幡「このまま話してたら遅刻するぞ!」
結衣「あ、ホントだ」
雪乃「急ぎましょう」
八幡「間に合った」
結衣「ギリギリだったね」
八幡「ふう…」
結衣「で?なんでなの?」
八幡「説明が難しいんだが…」
結衣「いいから言う!」
八幡「朝に…」カクカクシカジカ
結衣「なにそれ」ブチッ
八幡「ゆ、由比ヶ浜…?」
結衣「ヒッキーは優しいから仕方ないけど無理やり乗っといてオマケに夫婦!?ありえないんだけど!」
八幡「夫婦はたしかに変だよな」
結衣「あたしとヒッキーが夫婦なのにさ!ゆきのん変だよ!」
沙希「あ?誰と誰が夫婦だって?」ガタッ
優美子「ヒキオとあーしっしょ?」
沙希「んだと?」
結衣「なにさ!?」
八幡「なんだこの状況」
静「出席とるぞー」
沙希「ちっ…」
結衣「…」
優美子「ふん」
八幡(助かった…)
昼休み
八幡(修羅場はイヤだしベストプレイスを目指したが)
結衣「ヒッキー遅いなー」
八幡(さあ場所を変えよう)
屋上
沙希「…」
八幡(あらやだ、ヤンキーがいるわ怖い怖い)スタコラ
中庭
優美子「ヒキオどこだし」キョロキョロ
八幡(どうしようかなー)
保健室
八幡(お、ここはナイスな感じだな。ベッドもあるし飯食ったら寝て過ごそう)
静「どこで食事をする気なんだ君は」
八幡「うおお!?先生!?」
静「やたら君の所在を聞かれていてな、事情を探りにきたのだよ」
八幡「実は」カクカクシカジカ
静「なるほどな」
八幡「勘弁して欲しいっすよ」
静「結婚願望は人一倍強い私だが同情するよ」
八幡「助かります」
静「事情は分かった、その4人だけには居所を伝えないでおく」
八幡「ありがとうございます」
静「許嫁かー、私にもいたら今頃なー」ウジウジ
八幡(誰かもらったげてよお!)ブワッ
八幡(平和だ…)ホケー
めぐり「あ、比企谷君ホントにいた」
八幡「あれ先輩、具合悪いんですか?」
めぐり「違うよ、先生が教えてくれたの」
八幡(ああ、先輩は無害だしな)「その言いようだと俺に用があるみたいなニュアンスですけど」
めぐり「オトしに来ないから私から来てみたんだけど…」/////
八幡「ん?」
めぐり「え?」
八幡「…?」
めぐり「…?」
八幡「一から話をしてみませんか?」
めぐり「私もそうしたかったの」
八幡「屋上のあの時から今まで俺が親父を絞め落とすのを先輩を口説くと勘違いしていたと」
めぐり「…」/////
八幡「…」
めぐり「死にたい…」プルプル
八幡「いやいや、段階飛ばし過ぎですから」
めぐり「…バカだ私…」プルプル
八幡「大丈夫ですから!アンジャッシュ的なネタで通せますから!」オロオロ
めぐり「私芸人だったんだね…いや、ピエロだね…」プルプル
八幡「芸人でもピエロでもないですよ!安心してください!」
めぐり「でも自分から口説かれに行く安い女だもん…」ドヨーン
八幡「先輩レベルの人を口説きに行く度胸無いだけです!先輩可愛いですから!」
めぐり「…ホント?」ピクッ
八幡「ホントホント、先輩の癒し系オーラにはよく助けられましたから」
めぐり「えへへ…嬉しいな」ニマニマ
八幡「それ!その笑顔が最高です!」
めぐり「ありがとう…」/////
八幡「元気だしてくれて良かったです」
めぐり「でも、私比企谷君に結局口説かれちゃったな」//////
八幡「!?」
めぐり「比企谷君となら許嫁でもいいなって//////」モジモジ
八幡(福山雅治さん!今すぐ助けて!お願いだから!)ワナワナ
キンコンカンコン
めぐり「もうこんな時間、残念だなあ」
八幡「そうですか」
めぐり「またね比企谷君!」
八幡「はいはい」
めぐり「ふんふふん♪」
八幡(俺も戻ろ)
八幡「ふう…」ストン
沙希「…」ジー
優美子「…」ジロジロ
結衣「…」ガルルルル
八幡(ヤンキーとギャルと狂犬にめっちゃ見られてる…)
放課後
八幡「…」
雪乃「…」
優美子「…」
結衣「…」
めぐり「…」
沙希「…」
八幡(すげえ気まずい、殺しの依頼か?)
雪乃「あなた達は何の用かしら?」
めぐり「比企谷君に用があって」
優美子「あーしもなんだけど」
沙希「あたしも同じ」
結衣「奉仕部的に無理だね」
雪乃「私なら手を貸せるわよ」
優美子「却下」
沙希「こいつ自体に用がある」
八幡(ヤンキーの用ってあれか、焼きそばパン買ってこいとかの)
めぐり「比企谷君がいいならいいでしょ?」
結衣「個人的な話ならヒッキーイヤでしょ?」
八幡「用件次第だろ普通」
雪乃「例えば?」
八幡「そうだな、時間の掛かる奴は嫌だ」
結衣「ってなるとどこかお店とか行くのはイヤなの?」
八幡「基本的に実家ラブだから、家からなるべく出たくねえ」
雪乃「だそうよ」ニヤニヤ
優美子「んじゃヒキオんちに行くわ」
めぐり「私も」
沙希「あたしも」
八幡「どういうことなの…」
雪乃「許可できないわ」
八幡「何でお前が決めてんだ、確かに勘弁してほしいけど」
結衣「あたし以外の女の子家に入れる気?」
沙希「あたしは比企谷を家に上げたけどね」
優美子「はあ!?」
めぐり「比企谷君!?」
結衣「ホントなのヒッキー」
雪乃「詳しく聞かせてもらえるかしら?」ニコニコ
八幡(私は貝になりたい)スヤァ…
結衣「起きる!」
八幡「アッハイ」シャキッ
八幡「ってなわけですはい」
沙希「ふん」ドヤァ
雪乃「腹立たしい顔ね川崎さん?」
結衣「っていうかサキサキあたしをバカにし過ぎだし!」
優美子「ふん、手を出されない色気のない女ってことだし」
めぐり「比企谷君奥手みたいだからね」
八幡「奥手も奥手っすよ、面倒は避けるか逃げるか押しつける主義なんで」
結衣「最低な発言だ!?」
雪乃「積極的な彼なんてもはや比企谷八幡に非ずよ」
沙希「だけど優しいとこもあるんだよ」
結衣「あ!それわかる!」
優美子「あーしの見込んだ男だしトーゼンっしょ」
めぐり「比企谷君、落ち込んだ私を励ましてくれたんだよ」
沙希「なにそれ羨ましいんですけど」
雪乃「先輩にはきちんと敬語を使うのね…」
八幡(お、今のうちに…)コソコソバビューン
優美子「つーか先輩何で落ち込んだん?」
結衣「あたしも落ち込もっかなー…ってあれ!?ヒッキーいないよ!?」
雪乃「…逃げられたわね」
沙希「先輩、今度話聞きに行きますんで」
めぐり「うん、いいよ」
優美子「ヒキオ探しても見つかんないだろうし帰るわ」
結衣「ばいばい優美子」
雪乃「彼は渡さないわよ」
沙希「あたしのセリフなんだけど」
結衣「あたしだよ!」
優美子「はいはい好きにしな、いつの間にかあーしとくっついてるから」
めぐり「私かも知れないよ?」
雪乃「今日は解散しましょう」
八幡(ぼっちスキルも使いようだな、目立たないから隙があれば帰れるし)
陽乃「ひっきがっや君♪」
八幡「ん?雪ノ下さん」
陽乃「雪乃ちゃんに聞きたいことがあるから都築呼んだらさ、何故か小町ちゃんがいてさ」
八幡「あー、あんたの妹が仕組んだんすよ」
陽乃「全部聞いた上でちょっと聞きたいんだけどね?」
八幡「なんすか」ホゲー
陽乃「女子会って知ってるかな?」
八幡「テレビでたまにみる奴ですか?」
陽乃「そうそう!それが昨日あってさ」
八幡「ほうほう、平塚先生の相手でも紹介してあげるんですか?」
陽乃「あたしと比企谷君が許嫁になったんだよね」
八幡「はい?」
陽乃「だから許嫁だってば」
八幡「そりゃ有り得ないですよ、あんたの妹が親父のせいでそうなったんですから。無効でしょうけど」
陽乃「いやいや、だから女子会で決まったんだってば」
八幡「あぁん?なんで?」
陽乃「あたしのお母さんと比企谷君のお母さんと一色さんだったかな、そのお母さんと鶴見さんっていう小学生の娘さんがいる人が女子会したらしいんだよ」
八幡「…」サアー…
陽乃「比企谷君のお母さん達が意気投合しちゃってさ。あとは分かるでしょ?」
八幡「子持ちの推定30後半達が女子会謳ってんじゃねえよ!」
陽乃「あたしもそこは思ったけど」ケラケラ
八幡「まあ、雪ノ下達の時と同じですよね?」
陽乃「うーん、多分同じだけど比企谷君の認識とは違うと思うな」ニマニマ
八幡「どういう意味?」
陽乃「あたしはこの許嫁の話ノリノリなんだよね」
八幡「Fuck♂you」
陽乃「まあまあ、比企谷君もその内慣れるって」ポンポン
八幡「救いは無いんですか!?」
陽乃「どうする?結婚する?」
八幡「するかべらんめい!」
陽乃「何で江戸っ子なの」ケラケラ
八幡「俺の意志なんか関係ない嫁なんざいらん!」
陽乃「あれ?雪乃ちゃんは比企谷君を婿入りさせるって聞いたけど」
八幡「入り婿以前の問題だよ!結婚はしない!」
陽乃「慰謝料とか面倒ごとは嫌いでしょ?」
八幡「げっ、忘れてた…」
陽乃「隼人の家に頼めばすごいことになるよ?」
八幡「…」
陽乃「たっぷり可愛がってあげるからね♪」
八幡「!」ゾッ
陽乃「楽しみだなー結納済ませちゃおっか!」
八幡(ヤバい、何か手はないか考えろ…)
陽乃「比企谷君」ソッ…
八幡「っ!」ビクッ
陽乃「絶対逃がさないからね」ニコッ
八幡(あ、詰んだかも)
八幡「ただいま」
小町「あ、お兄ちゃん大丈夫だった?」
八幡「もう俺はダメかも知らん」
小町「あちゃー…」
八幡「小町がどうとかじゃないからそこは気にするな」
小町「逆に罪悪感がスゴい…」
八幡「飼い殺しってこういうことなのかもな」フッ
小町「お兄ちゃん元気だして…」ワタワタ
八幡「無理だ」
翌日
八幡「おはよう」ヌボー
小町「おはよう」
八幡「学校サボりたい」ホゲー
小町「ダメだって言いにくい…」
八幡「まあ行くけど」モシャモシャ
小町「気をしっかり持ってねお兄ちゃん」
八幡「んー」ボヤー
小町「食べたら行くの?」
八幡「おう」
小町「朝は誰が来るやら」
八幡「なー」ズズー
ピンポーン
小町「はーい」トテテテ
八幡(鬼が出るか蛇が出るか)
小町「意外な人が来たよ」
沙希「おはよ」
八幡「おうおはようさん」
沙希「浮気者」
八幡「なんでやねんwww」
小町(なんで関西弁?)
沙希「あたしがいながら他の女とイチャついたから」
八幡「イチャついてねえよ」
沙希「雪ノ下とか由比ヶ浜とイチャついてた」
八幡「全ては親父が悪いのだよ、親父は好きなだけ殴っていいから俺は勘弁して下さい」
沙希「父親売るなよ…」
八幡「えーだって俺巻き込まれただけだし」
沙希「お義父さんを殴れるわけないでしょ」
小町(恐ろしくさりげない嫁宣言、小町じゃなかったら見逃しちゃうね)
八幡「他人様の親は殴れない良識に免じて婚約は勘弁してくれよ」
小町(お兄ちゃんのアホー!)ガクッ
沙希「良識があるからあんたみたいな男を旦那にするんでしょ」
八幡「あれか、ダメンズなんとかか」
沙希「ダメンズのままにしておくわけにはいかないから叩き直すけど?」
八幡「…具体的には?」
沙希「なんかやらかす度にスクワット百回とか逆立ち腕立て百回とか」
八幡「そんな奴と結婚するか!実家に籠もらせてもらう!」
小町(それ死亡フラグだよ!)
沙希「いいから学校行くよ、遅刻するし」ズルズル
八幡「川崎怖いでしょう…」
八幡「最近どうなん?」
沙希「……」
八幡「あぁんひどぅい…」
沙希「先に言っておくけど」
八幡「ん?」
沙希「雪ノ下とか由比ヶ浜に負けるつもりないから」
八幡「つまり、俺をイビり抜くために結婚すると」アワワワワ
沙希「あんたが元から真人間なら良かったんだよアホ」
八幡「だけどダメ人間な俺が俺なわけで」
沙希「あたしが叩き直したあんたもあんたでしょ」
八幡「ブラコンこじらせたのか?もはやダメ人間と見れば片っ端から叩き直したいのか?」
沙希「あんただけは叩き直したいかな」
八幡「なんで?」
沙希「さあね、きっかけはあんたから、ヒントは十分でしょ」
八幡「どういうことなの…」
沙希「分からないなら分からないでいいよ、あたしが結婚したげるからその内分かるだろうし」
八幡「???」
沙希「せいぜい悩みなよ」
八幡「んんん?」ハテサテ
沙希「もう学校だから時間切れ」クスクス
教室
八幡「…」ストン
結衣「やっはろーヒッキー」
八幡「なあ」
結衣「え!?なになに!?」ワクワク
八幡「昔の氷室京介は美男子だったけど今はスネイプ先生に似てないか?」
結衣「涼しそうな名前だね、有名人?」
八幡「だらしねえし…レジェンドだぞ」
結衣「そうなの?」
八幡「時代なんだろうな、マリオネットとかKISS MEとかミリオンヒットだったんだぞ」
結衣「なんかスゴい」
八幡「最近の音楽は何か物足りないんだよ」
結衣「ふーん」
八幡「そろそろ授業始まるぞ」
結衣「あ、そだね」タタタ
昼休み保健室
八幡(雨風の心配はなく、空調も万全でおまけに眠れるときたもんだ)モサモサ
めぐり「あ、いたいた」
八幡「先輩」
めぐり「また比企谷君いるんじゃないかと思って」
八幡「なんすか?新聞なら間に合ってますよ」
めぐり「いやいや、一言も新聞の話してないよ?」
八幡「もしかして、募金ですか?」
めぐり「比企谷君私をなんだと思ってるの?」
八幡「セールスの人?」
めぐり「その態度だと押し売りに近い扱いだよね!?」
八幡「トチ狂った契約内容じゃないですか」
めぐり「比企谷君が私を褒めるからだよ」
八幡「先輩チョロいです」
めぐり「比企谷君も婚約者いっぱいいるからチャラいよね」
八幡「マジパねえっす、チャラ過ぎて友達いないんすよ」ヘラヘラ
めぐり「演技力高いね!?」
八幡「見本が近くにいるんで」
めぐり「へえー」
戸部(教室にいる)「いっきし!」ズビ
八幡「新聞でも募金でもないならあれですね?」
めぐり「気付いてくれたみたいで嬉しいな」
八幡「宗教の勧誘でしょ?」
めぐり「比企谷君私で遊んでない!?」
八幡「あ、バレました?」ヘラヘラ
めぐり「もー!比企谷君のイジワルー!」ポカポカ
八幡「先輩の反応が面白くてつい」
めぐり「むー」プクー
しばらくして
八幡「とまあ、ららぽーとみたいなデカい商業施設はNシステムが導入されてるんですよ」
めぐり「そうなんだー、だから勝手にゲートが開くんだね」
八幡「たまに改造車が車高を落としたりナンバーを変な角度で付けたりしてるからその場合は駐車券がいるんですよ」
めぐり「私も見たことがあるよ」
八幡(ふむ、益体のないやり取りで婚約の話を煙に巻く作戦は効果的だな)「改造費用もバカにならんのによくやりますよね」
めぐり「あ、比企谷そういえば…」
キーンコーンカーンコーン
八幡「予鈴ですね」
めぐり「また明日ね」ヒラヒラ
八幡(こりゃいい、フェードアウトできるかもしれん)ニヤリ
放課後
八幡「…」ゴソゴソ
結衣「行こっかヒッキー?」
八幡「ん」
優美子「…」ジー
沙希「…」ジー
八幡(何故見つめる、素直におしゃべりできないだろうが)
結衣「最近ゆきのんゴキゲン斜めでさー」
八幡「そうなのか」
」
奉仕部
雪乃「遅いわよ」
八幡「チャイム鳴ってすぐ来たんだけど」
結衣「ねえねえヒッキー」
八幡「ん?」
結衣「子供って何人欲しい?」
八幡「いきなりなんだその質問」
雪乃「そうよ、大体私と彼は二人作ると決めているの」
八幡「お前が勝手に言ってるだけだけどな」
結衣「ゆきのんひどーい」
雪乃「ひどくなんかないわよ、由比ヶ浜さんこそ不躾よ」
結衣「ぶ、ぶしつけ…?」
雪乃「不躾と言うのは…」
八幡(かえろ、エコエコアザラクエコエコザメラク)スタスタ
八幡(あいつら、マリア様がみてるような展開になんねえかな)スタスタ
いろは「あ、ちょうどよかった」
八幡「おう、俺もちょうどよく帰るから」
いろは「帰らせるわけないじゃないですか」
八幡「あぁん?なんで?」
いろは「いやいや、例の件じゃないですか」
八幡「それなら無効だ、よかったな、葉山と好きなだけイチャつけるぞ」
いろは「先輩となら結婚してもいいですよ?」
八幡「おおそうか、それよりも葉山というイケメンで成績優秀、オマケに金持ちといったパねえ奴いるからそっちへどうぞ」
いろは「先輩の方がいいかなって」
八幡「いいか一色、酒に飲まれただらしねえ大人に将来を灰色にされてもいいのか?一色の名字が泣くぞ?」
一色「え?結婚したら私も比企谷ですよね?」
八幡「名字はどうでもいいけどなんで葉山がいながら俺と結婚するんだよ、托卵か?托卵なのか?」
いろは「そんなことして何のメリットがあるんですか?」
八幡「俺が知りたい」
いろは「先輩」
八幡「あん?」
いろは「襲っていいですか?」
八幡「やだ」
いろは「ですよねー、半分冗談ですよ」ケラケラ
八幡(後の半分は優しさだな間違い無い)「わかってるよそんなもん」
いろは「っとそうそう!先輩すぐ済むんですけど手伝って欲しかったんですよ」
八幡「すぐならいいぞ」
いろは「やった♪先輩大好き」ヒシッ
八幡「離せ暑苦しい」
いろは「まあまあ、着いてきてくださいね」
八幡「あいよ」
八幡「手伝うって体育倉庫なんだな」
いろは「そうなんです、これなんですけど」
八幡「ああ、マットなら確かに一人じゃ…」
いろは「えいっ」ドン
八幡「おお!?」ドサッ
いろは「先輩、覚悟は良いですか…?」ジリジリ
八幡「な、なにすんだいきなり」
いろは「すぐ済みますから、目をつむっている間に終わりますよ」ジリジリ
八幡「いかん危ない危ない危ない危ない危ない…」フルフル
いろは「ふふ…慌てる先輩可愛い」ジリジリ
八幡「一色、怖いからやめろ」ビクビク
いろは「嫌です」ガシッ
八幡「葉山にしとけ」ジタバタ
いろは「ダメです」ズイッ
八幡「とにかく離せ」ガタガタ
いろは「死んでも離しません」スリスリ
八幡「つうか騙したな」
いろは「騙される方が悪いんです」ペロッ
八幡「まだ間に合うから落ち着いてくれ!」
いろは「誰かに盗られるくらいなら学校中退してでも先輩の子供を産みます」ヌギヌギ
八幡「おまっ…本気か!?」
いろは「既成事実は早い者勝ちじゃないですか」カチャカチャ
八幡「脱がすな!」
いろは「先輩愛してます」ジッ
八幡「!」ドキッ
いろは「チャンスはモノにする主義なんで大人しく襲われてください」
八幡「離せやめろ結婚なんかしたくない!」
いろは「先輩…先輩…」チュッ…
八幡「体に吸い付くな!」
いろは「全身キスマーク付けたげます」チュッチュッチュッ
八幡「うあ…」ピクッ
いろは「弱点発見♪」クリクリ
八幡「っ!?」ビクッ
いろは「もっと声出してくださいよ」ペロペロ
結衣「何してんの?」
八幡「ゆ、由比ヶ浜!」ホッ
いろは「先輩を襲ってるんですけど」チッ
結衣「ダメだよ!ヒッキーあたしのだから!」
八幡「お前のでもねえ」
いろは「というかまだ校内にいたんですか?」
結衣「気付いたらヒッキーいなくなってて、探してたんだよ」
雪乃「私も合わせてね」ゴゴゴゴ
いろは「雪ノ下先輩怖っ!」
八幡「はあ~…」ヘタッ
雪乃「大丈夫?あなた」
結衣「怖かったね、もう大丈夫だからね」
いろは「こんなに可愛い後輩に襲われて嬉しくないんですか?」
八幡「嬉しくない、怖い」ブルブル
雪乃「こんなに怯えて…」
結衣「いろはちゃん、いくらなんでもヒドいよ」
いろは「うっ…」
八幡「…帰る」
雪乃「送っていくわ」
八幡「いい、しばらく女に近づきたくない」フラフラ
結衣「でもフラフラだよ?」スッ
八幡「っ!」ビクッ
結衣「あ…ゴメン」ピタッ
雪乃「一色さん、やってくれたわね」ゴゴゴゴ
いろは「ごめんなさい…」
八幡(帰って風呂帰って風呂帰って風呂帰って風呂)
八幡「ただいま」
小町「おかえりー」
八幡「先に風呂入るわ」
小町「はいはい…ってお兄ちゃんどうしたのそのアザ!?」
八幡「これは体育の柔道で」
小町「柔道でそんなアザ出来るわけないでしょ!?」グイッ
八幡「うわあああ!!」ビクッ!
小町「本当にどうしたの?」オロオロ
八幡「なんでもない」ブルブル
小町「と、とにかくお風呂入ってきてご飯食べよっか」
八幡「ああ…」ブルブル
小町(女の人の匂い…まさか)
八幡(震えが止まらない)ガタガタガタガタ
八幡(ううう!うううう!)ゴシゴシゴシゴシ!
八幡(一色のあの目だ…あの捕食者の目が焼き付いて離れない)ゴシゴシゴシゴシ!
八幡(とにかく、寝て忘れよう)ゴシゴシゴシゴシ!
小町(確実に何かされたんだろうけど…お兄ちゃんが正直に言うわけないし…)
八幡「…」パクパク
小町(妹の小町すら怖がるから無理も出来ないし)
八幡「…」パクパク
小町(うーん、とにかく雪乃さんか結衣さん、出来れば二人から話を聞いた方がいいかな)
八幡「ごっそさん」カチャカチャ
小町「え、あ、うんお粗末様」
八幡「寝るわ」スタスタ
小町「おやすみー…」
八幡「ん」
小町(話は普通に出来るのかな、いや、妹だからの可能性もあるか、明日はお兄ちゃんの学校に向かおう)
翌朝
八幡「行ってくる」
小町「お先にどうぞ」
八幡「おーう」
小町(昨日よりマシになったのかな、近寄ると冷や汗かいてたけど)
八幡(ジャニーズの歌う青いイナズマより作曲者の林田さんが歌う青いイナズマの方が素敵だと思う。ジャニーズの青いイナズマはイナズマじゃなくて静電気と思う青い静電気にタイトル変更しろよ)
学校
八幡「…」
結衣「ひ、ヒッキー大丈夫?」オロオロ
八幡「分からんが変な汗が出る」ダラダラダラ
結衣「ごめん、だけどいろはちゃんは反省させたから」
八幡「騙される俺も俺だしこの話はあまりしたくない」ダラダラダラダラダラダラ
結衣「あたしも戻るよ」
八幡「おう」ダラダラダラ…ピタッ(面白いくらい女が離れると汗も止まるな)
優美子「…?」
沙希(なんか比企谷のやつ変だな)
八幡(布袋の曲でも聞いとくか)
昼休み
八幡(自身のテーマにスリルを起用したエガちゃんの罪は重い)ムシャムシャ
八幡(にしても、今日は先輩来ないのな。助かる)ムシャムシャ
八幡「食ったし寝るか」モゾモゾ
八幡「…」スヤァ…
八幡「…」スヤスヤ
めぐり「♪」ニヤニヤ
八幡「うおおお!?」ガバッ
めぐり「わっ、ビックリした」
八幡「先輩」ダラダラダラダラダラダラ
めぐり「汗凄いよ!?」
八幡「急にこうなりまして」ダラダラダラダラダラダラ
めぐり「そ、そうなんだ」
八幡「少し離れてもらえると止まります」
めぐり「分かった」サササ
八幡「ふう」ピタッ
めぐり「本当に止まったね」
八幡「厄介な症状ですよ全く」
めぐり「寝顔見てたのに」
八幡「ベッドあるのに寝ない手はないですよ」
めぐり「だよね」
八幡「つうかそろそろ予鈴の時間ですね」
めぐり「そうだよ?時間が来たら起こそうと思って」
八幡「ああ、そういうことですか」
めぐり「起こせなかったから残念かな」
八幡「仕方ないね」
めぐり「私も戻るよ」
八幡「ありがとうございます」
放課後
八幡(ハートのジッパーこっそり開けたら立体ビジョンの夢が飛び出さねえかな)イソイソ
優美子「ヒキオ今日変じゃない?」
八幡「あぁん?なんで?」ダラダラダラダラダラダラダラ
優美子「いや、汗すごいし」
八幡「どっかで治るだろ」ダラダラダラダラダラダラ
優美子「まあいいや、あーしに付き合えし」
八幡「NO!NO!」ブンブン
優美子「んなハッキリ言われると落ち込むんだけど…」シュン
八幡「仕方ないね」ダラダラダラダラダラダラ
優美子「具合悪そうだから今度にしてもらうし」
八幡「ありがとうなぁトシ」ダラダラダラダラダラダラ
優美子「トシじゃねえし」ベシッ
八幡「じゃあな」ダラダラダラダラダラダラ
優美子(ホントなんなんだろ)ムムム
八幡(部活サボろ)スタスタ
結衣(ヒッキーはさすがに休みだね)
帰り道
留美「八幡」
八幡「なんだテメェ…」
留美「ほら、夏休みに会ったでしょ」
八幡「ああ、鶴見か」
留美「私と結婚するなんて八幡ロリコンなの?」
八幡「結婚しねえよ」
留美「あれ?だけどお母さんが言ってたよ」
八幡「酒に溺れてまともな判断が出来ない内に決まった話だからな」
留美「そうなの?」
八幡「そうだ、いくらモテない悲しいぼっちでも小学生は守備範囲外だ」
留美「それはそれで悔しい」
八幡「結婚相手は将来有望そうなヤツを見つけるこったな」
留美「結婚するなら年上がいい」
八幡「んじゃ高校から大学の内に大手企業に勤めてる高給取りの彼氏を作るんだな。みつを」
留美「どうやって?」
八幡「単に年下好きの男と合コンでもして捕まえたらいいだろ」
留美「…」ウーム
八幡「合コンに抵抗があるなら趣味とかのサークルに入って探せばいい」
留美(モテないのは本当かも、すごく鈍い)「よく分からない」
八幡「あー、難しい言い方だったか」ポリポリ
留美「いつか分かるかな」
八幡「そりゃあな、だけど急いで分かってもガッカリする事の方が多いからな」
留美「なるほど」
八幡「んじゃな」
留美「待って」
八幡「どうした」
留美「家の鍵を忘れてお母さんが帰って来るのを待ってるの」
八幡「ほう」
留美「だから八幡には私のお守りをして欲しい」
八幡「自分でお守りとか言っちゃうのか」
留美「お願い」
八幡「まあいいか、大したもんはないけど妹もいるから話し相手には困らんだろ」
留美「ありがとう」
八幡「たでーま」
小町(そういうことだったのかー)フムフム
留美「お邪魔します」
小町「あれ、お兄ちゃんその子は?」
八幡「この子が鶴見だよ」
小町「おお、この子が…」マジマジ
留美「お久しぶりです」(私の方が年下だけどこの人が妹になるんだ)
八幡「適当に茶菓子でも用意するわ」
小町「お兄ちゃんと結婚したい?」ニコニコ
留美「…」コクリ
小町「お兄ちゃん今は女の人怖いそうだからチャンスかもだよ?」
留美「?」
小町「簡単に言うと…」シカジカ
留美「有り得ない…!」ムカムカ
小町「相手がお兄ちゃんだからってやりすぎだよね」
留美「八幡は私が守る」
小町「お兄ちゃんも留美ちゃんなら平気みたいだからお願いね?」
留美「はい!」キラキラ
小町(なんという無垢な天使…お兄ちゃんにもったいない気がしてきた)
八幡「おーい、コーヒーしかないけどいいかー?」
留美「好き嫌いはない、嬉しい」
小町「小町もいいよー」
八幡「あいよー」
八幡「…」
小町「どしたのお兄ちゃん?」サクサク
留美「美味しい」サクサク
八幡「なんで俺の上に普通に座る」
留美「甘えたいから」シレッ
小町「かわいいなー留美ちゃん」ニヘニヘ
八幡「まあいいか」
小町(子供に弱いんだお兄ちゃん)
留美「…」サクサク
八幡(クッキー食べられないんだが)ムムム
留美「…」スヤァ
八幡「おいおい寝るなよ…」
小町「お兄ちゃん懐かれてるね」
八幡「それがおかしいんだよ、あの手段でここまで懐くって」
小町「頭が良いんだろうね、お兄ちゃんがしたことの芯を分かってる」
八幡「その割には甘えん坊だよな」
小町「そこが可愛いじゃん」
八幡「無効とは言え子供の内に勝手に結婚相手を決められるなんざグレるんじゃないか?」
小町「場合によってはあるかもね」
八幡「まあいいや、甘えたいこともあるだろ」
小町「捻デレの捻が無くなってただのデレだよね」ニヤニヤ
八幡「俺の考え方は悪影響を及ぼしかねんからな。恨みもないし、素直に甘えてきたならワガママにならん程度に甘やかすだろ」
小町「ぬっふっふっふ~」(^ω^)
八幡「しかし鶴見の母親、小学生の娘と高校生をくっつけるのに抵抗は無かったのか?」
小町「言われてみれば確かに」
留美「十年経ったら嫌でも分かるって」
八幡「十年後…俺は二十七か」
留美「私はどうなる?」
八幡「そりゃ今のお前から十年過ぎ去りゃ…あ」
留美「ね?私が有利でしょ」
小町「小町は二十半ばかあ…」
八幡「十年あれば俺のしょうもなさも分かるだろうし、好きな同年代の男も出来るだろ」
留美「八幡をずっと好きかもしれない」
小町「おお?」ニヤリ
八幡「保証のない話だからよく分からん、っつうかそろそろ親も帰ってくるんじゃね?」
留美(八幡のバカ)「そうだね、もう帰る。お邪魔しました」ペコッ
八幡「送ってくわ」
留美「!」////
八幡「最近どこも物騒だしな」イソイソ
留美「嬉しい///」モジモジ
小町「ちゃんと姫をお届けするんだよお兄ちゃん」
八幡「お任せください、命に代えましても護衛のお役を全う致します」ビシッ
留美「手繋いで?」キラキラ
八幡「はいよ」ニギ
小町「またね留美ちゃん」フリフリ
留美「ありがとうお姉ちゃん」フリフリ
八幡「家は近いのか?」
留美「歩いても疲れない距離」
八幡「そりゃそうか、たまたま出くわしただけだもんな」クククッ
留美「…たまたまじゃないけどね」ボソリ
八幡「ん?たまたまじゃないのか?」
留美「た、たまたま」アセアセ
八幡「だよな」
留美「また遊びに行ってもいい?」オソルオソル
八幡「たまにならいいぞ」
留美「事案とか大丈夫かな」
八幡「お前が弁解してくれないと社会的に俺が死ぬ」
留美「任せて」
八幡「頼むぞマジで」
留美「もちろん
八幡「そろそろか?」
留美「もう見えてる」
八幡「確かに近いな」
留美「ここでいい、ありがとう」
八幡「おう、んじゃな」
留美「バイバイ」フリフリ
八幡(そういや、子供は平気なんだな俺)
雪乃「あら、あなた」
八幡「っ!?」ダラダラダラ
雪乃「そうだったわごめんなさい、離れるわね」ササッ
八幡「ど、どうしたいきなり」ブルブル
雪乃「他意はないの、本当に偶然会ったから嬉しくて」
八幡「そ、そうか」ビクビク
雪乃「治るのに時間がいりそうね…」
八幡「いるだろうな、このザマだと」オドオド
雪乃「一色さんは反省させたわ。もう二度と同じことは起きないわ」
八幡「正直助かる」
雪乃「あなたの為ならお安い御用よ」
八幡「少し落ち着いてきたな」スーハースーハー
雪乃「よかったわ」ニコッ
八幡「今は小町にすら近付けないんだよ」
雪乃「ゆっくり慣らしましょう」
八幡「それしかないか」
雪乃「一色さんがきちんと謝りたいそうだから、私と由比ヶ浜さん監視の元一度会ってあげて頂戴」
八幡「…考えとく」
雪乃「早い内に伝えられて良かったわ」
八幡「まあ、な」
雪乃「それじゃ、また」
八幡「おう」
雪乃「♪」ルンルン
八幡(帰ろう)
八幡「二回目のただいまー」
小町「二回目のおかえりー」
八幡「なんか雪ノ下いたんだけど」
小町「なんでいたのあの人」
八幡「偶然らしいぞ?マジで俺に会うつもりはなかったみたいだし」
小町「運命?」
八幡「JーPOPかよ」
小町「君に巡り会えたそれって奇跡?」
八幡「JーPOPじゃねえか」
小町「軽い出会いは突然運命めいたものになる」
八幡「前から知っとるわ」
小町「これから全てを共にするような予感を感じた?」
八幡「……」
小町「言葉は今必要さを無くしてるね」
八幡「GLAYは偉大だと思います」
小町「ねー」
八幡「それよりトラウマを克服したい」
小町「ふむ」ズイッ
八幡「…」ダラダラダラ
小町「こりゃ重症だね」ササッ
八幡「精神性の発汗はベトつくから避けたいんだけどな」
小町「女の人怖い?」
八幡「怖すぎて高鳴るこの鼓動が聞こえてるか状態だな」
小町「重症だね」
八幡「動悸もすごいし…あれ?小町、なんで俺が女性恐怖症なのを知ってる?」
小町「雪乃さんと結衣さんから聞いた、だけど女性恐怖症は聞く前から分かったよ」
八幡「あんだけ取り乱したらな」
小町「子供は平気なのは今日で分かったし、気長に克服しようね」
八幡「しかしモテない男の代名詞の俺が襲われる日が来るとはな」
小町「少しやりすぎだよね」
八幡「実際やられると恐怖しかないぞあれ」
小町「そうなんだ」
八幡「押し倒されて、無理やり服脱がされて、全身舐め回されて…」ダラダラダラダラダラダラ
小町「ストップストップ!」
八幡「思い出しちまった…」ズーン…
小町「今のは自業自得だよ…」
八幡「マックスコーヒーで誤魔化すわ」
小町「切らしてなかったよ」
八幡「生きる意味を…失う!」ブワッ
小町「大げさだなあ、買いに行けばいいのに」
八幡「仕方ないね、行くわ」イソイソ
小町「いってらー」
八幡「行ってきまーす」
八幡(戸塚とレスリングがしたい)スタスタ
「ねえ」
八幡(もうこの際戸塚に目覚めてやろうか…)
「ちょっと」
八幡(しかし天使をけがすことになってしまう)
「おい」
八幡(あーあ、どっかの隣人部みたいに男の娘が実は女の子だったみたいな展開になんねえかなー)
「ふんっ」ゴスッ
八幡「い、痛ああああ!?」ヒリヒリ
沙希「シカトって良い度胸じゃん」バキボキ
八幡「か、川崎…」ダラダラダラダラダラダラダラダラダラ
沙希「え、ちょっと、すごい汗!大丈夫?」ワタワタ
八幡「離れてくれたら大丈夫だ」ダラダラダラダラダラダラダラダラダラ
沙希「分かった」サササ
八幡「すまん、考えごとしててな」
沙希「そうだったんだ」
八幡「何か用か?」
沙希「いや、見かけたから話しかけただけ」
八幡「そうか」
沙希「あの汗、何かあったの?」
八幡「思い出すと止まらないから今度話すわ」
沙希「分かった待っとく」
八幡「マックスコーヒーを買いに行くからまたな」
沙希「うん、また」
八幡「ただいま」
小町「おかえり」
八幡「今度は川崎と会ったんだけど」
小町「フラグをコツコツ立ててるね」
八幡「マジか、白フラグ立てないと」
小町「何で降参するの」
八幡「トラウマ」
小町「克服しようねって言ったばっかじゃん」
八幡「いやー、もう戸塚に目覚めようかと」
小町「うわあ…」
八幡「引くな引くな」
小町「真面目な話誰か選んだら?」
八幡「その前に克服だろ」
小町「そーなんだよねー」ズズイ
八幡「あわわわわわ」ダラダラダラダラダラダラ
小町「これだもんねえ」
八幡「これだもんなあ」
八幡小町「はあ…」
翌日
結衣「ヒッキーまだダメそう?」
八幡「あばばばばば」ダラダラダラ
結衣「ご、ゴメン!」ササッ
八幡「お前のせいじゃないしな」
結衣「いろはちゃんめ…」ピキピキ
八幡「何かいい方法ないかねえ」
優美子「別のトラウマにごまかしてもらうとか?」
八幡「併発のリスクを考えると却下」
沙希「あたしが叩き直す」
八幡「確実に人類そのものが怖くなる、却下」
結衣「動物と触れ合う?」
八幡「…アリかも」
結衣「よっし!」グッ
八幡「そんじゃ、差し当たり…」
結衣「うんうん」ワクワク
八幡「カマクラに相手してもらおう」シレッ
結衣「ぐはっ!」ガクリ
優美子「見え見え」
沙希「もはやサトラレ」
結衣「ぐはぐはっ!」
八幡「猫可愛いよなー」
八幡「お前結構神出鬼没だよな」
雪乃「猫あるところに私ありよ」ウキウキ
結衣「結局サブレが話題に出なかった…」ショボン
八幡「はっ!大事なことを忘れていた!」
雪乃「どうしたのあなた?」
結衣「も、もしかしてサブレ…」
八幡「戸塚のウサギがいたのに!」クワッ!
雪乃「…」ジトー
結衣「…」ガルルルル
八幡「明日は戸塚のウサギだな」ウンウン
雪乃「浮気相手が男性の場合、どう対処するのがいいのかしら?」
結衣「難しいね」
八幡「たでーま」
雪乃結衣「お邪魔します」
八幡「邪魔するんやったら帰ってー」
結衣「はいはい…ってヒドいよヒッキー!」
八幡「関西なら常識らしいぞ?」
結衣「そんな常識イヤすぎる!」
八幡「どうした雪ノ下?そんなに固まって」
雪乃「…」ポロポロ
八幡「え゛」ビクッ
結衣「なんでゆきのん泣いてるの!?」
雪乃「か、帰れって言われたら悲しくなって…」ポロポロ
結衣「ヒッキー!」
八幡「すまん…ついネタに走りたくなって」アセアセ
雪乃「違うの、それは分かっているの」シクシク
結衣「じゃあなんで?」
雪乃「彼と猫に会えないのが悲しくて…」シクシク
八幡「うっ…」ズキッ
このSSまとめへのコメント
なんかこう、途中で飽きたような投げやりな文章だな(笑)
これだけ人が多いと雑になるのは仕方がない
レスリングネタが寒い
次書いて読みたい
ㅇ
オワタ\(^o^)/