シノア「セーラー服です♪」 (108)
前作
ミカエラ「……オネショタ?」
ミカエラ「……オネショタ?」 - SSまとめ速報
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シノアコスプレシリーズ
更新は不定期亀進行です
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優一郎「なんで今更そんなもん着てるんだよ」
シノア「それは優さんの趣味に合わせてです」
優一郎「そんな趣味ねーよ」
シノア「冗談ですよ」
優一郎「わざわざふざけに来たわけじゃねーんだろ?」
シノア「察しが良くて助かります。グレン中佐からの任務が出ました」
優一郎「お!また吸血鬼を倒しに行くのか?」
シノア「惜しいですね」
優一郎「はぁ、違ぇのかよ……」
シノア「今回は潜入任務ですよ」
優一郎「またかよ……」
シノア「以前行った池袋とは事情が異なってるみたいですよ」
(漫画読み切り版)
優一郎「どういうことだ?」
シノア「先日あった新宿襲撃の際に討ち漏らした吸血鬼が、新宿拠点にある学校に潜んでいるそうです」
優一郎「あー……あのときのか」
シノア「というわけで、私たちは新宿第一女子高への潜入の仕事が来ました♪よかったですね優さん」
優一郎「……は?」
シノア「どうかしましたか?」
優一郎「お前、今なんて言った」
シノア「新宿第一女子高に潜入です」
優一郎「ふざけんなよ!?」
シノア「どうしたんですか。優さんの大好きな女子高生が沢山いるんですよ?」
優一郎「俺は男だから入れねーよ!!」
シノア「なんだ。そんなことですか」
優一郎「そんなこと!?」
シノア「ちゃんと優さんのセーラー服を用意してあるので心配しなくて大丈夫です♪」
優一郎「そこじゃねぇ!!」
シノア「仕方がないじゃないですー」
優一郎「なら三葉と行けよ!」
シノア「みっちゃんには違う任務が来てます」
優一郎「なら与一!」
シノア「風邪引いて寝込んでますよね」
優一郎「治ってからで良いだろ」
シノア「出発は明日です。それに我々も暇じゃないですから」
優一郎「なら君月!」
シノア「君月さんは同じく新宿の別の高校に潜入です」
優一郎「なら俺もそこでいいだろ!?」
シノア「新宿女子高は敷地が広いので私一人では難しいので」
優一郎「くそっ!」
シノア「優さんは私と一緒じゃ、嫌ですか?」
優一郎「そうは言ってねーだろ……」
シノア「なら決定ですね♪」
シノア「私たちの出発は明日からです。必要な荷物は準備してあるので特に持ち物はありません」
優一郎「……分かったよ」
シノア「与一さんは回復し次第、君月さんと合流ですね。やっぱり一人では危ないですから」
優一郎「なら与一が後で女子高に合流でも良いじゃねーかよ」
シノア「優さん……」ウルウル
優一郎「やればいいんだろ!?やれば!」
シノア「はい、お願いしますね♪」
優一郎「こいつは……」
シノア「楽しみですね優さん!」
優一郎「任務に楽しいもくそもあるかよ」
シノア「それはそうですけど……」
優一郎「……あー、バカグレンに確認してくるか」
シノア「あれ?信用ないですね」
優一郎「前科が何回あると思ってるんだ」
シノア「さぁ?シノアちゃんは覚えてませんね」
優一郎「ついでに与一のお見舞でも行くか……」
シノア「何を言ってるんですか?」
優一郎「え?いや、だからお見舞だよ」
シノア「明日から任務なのに感染ったらどうするんですか!」
優一郎「そんなに酷いのか?」
シノア「感染症の疑いがあるので医療関係者以外は接触禁止ですよ」
優一郎「マジかよ……」
シノア「ですが治療は完了しているようなので、後は治るのを待つだけです」
優一郎「わかったよ。流石にそれじゃお見舞も無理だな……」
シノア「取り敢えず、中佐の所に行くならどうぞ」
優一郎「わかった。執務室にいるよな?」
シノア「先程行った時にはいましたよ」
優一郎「サンキュ」
シノア「……」
______________________
コンコン
グレン「入れ」
優一郎「おいグレン」
グレン「帰れ」
優一郎「まだなにも言ってねーだろ!?」
グレン「どうせその顔は文句でも言いに来たんだろ」
優一郎「半分はあってる」
グレン「なら帰れよ」
優一郎「シノアに任務の話を聞いたぞ」
グレン「そうか。明日からだ」
優一郎「わかってる。それで場所が女子高になってんだけどどういうことだよ」
グレン「あ?そう書いてあるなら女子高に行けよ」
優一郎「ふざけんな!」
グレン「うるせぇな……。そう書いてあんだろ?ならそれが命令だ」
優一郎「俺は男だぞ!」
グレン「女子高にだって男はいるだろ。なら良いじゃねーか」
優一郎「それは教師だろ!?生徒にはいねーよ!」
グレン「あーもう!時雨!摘まみ出せ!」
時雨「はい」グイッ
優一郎「何すんだよ!」
時雨「申し訳ありませんがお引き取りを」
優一郎「なんでだよ!」
時雨「……グレン様は新宿戦の時の傷がまだ完治していませんので無理をさせないでください」
優一郎「……っ」
時雨「お引き取りを」
優一郎「……わかったよ」
【回想】
………
……………
…………………
…………………………
シノア「柊シノアです」
グレン「……入れ」
シノア「なんのご用ですか?」
グレン「上から潜入の命令だ」
シノア「どうしてまた」
グレン「この前の新宿戦で暮人が討ち漏らした吸血鬼が新宿の高校に潜伏している可能性が出てきた」
シノア「……へぇ」
グレン「任務地と高校は俺が適当に決めておいた。後は伝えるだけだ」
シノア「ちょっと拝見させていただきますね」
シノア「みっちゃんの名前がありませんね」ペラッ
グレン「三葉には別の任務が降りている」
シノア「なるほど……」
シノア(私と優さんが別行動になってますね……)
グレン「一応隊長であるお前の意見を聞こうと思う。あくまで聞くだけだがな」
シノア「では中佐、支援要員の与一さんを君月さんとペアにしてここへ派遣。私と優さんをこちらの女子高にはいかがですか?」
グレン「理由は?」
シノア「まず第一に君月さんと優さんのペアはありえません。」
グレン「そうだな。任務中でも喧嘩されたらたまったもんじゃねぇ」
シノア「そして優さんと与一さんもダメですね」
グレン「なんでだ?」
シノア「優さんが暴走したときに与一さんでは止められません」
グレン「……なるほどな」
シノア「というわけでその組み合わせを提案します」
グレン「優は男だが女子高なのか?」
シノア「そこは私が説得するので大丈夫です」
グレン「そうか……。ならそういう形にしておこう」
シノア「ありがとうございます中佐」
グレン「だがシノア、私情を挟むのも程々にしろよ」
シノア「な、なんのことですかねー?」
グレン「……はぁ、これで深夜の勝ちだな」
シノア「どういうことですか?」
グレン「この組み合わせはわざとお前と優を別々にしたんだよ」
シノア「?」
グレン「お前がわざと優と一緒のペアになるように仕向けるか深夜と賭けただけだ」
シノア「な!?///」
グレン「くそ、あいつに負けるってのは気に食わねーな。おいシノア、さっきの変更は無しで提出するぞ」
シノア「えっ!ちょ、ちょっと中佐!」
ガチャ
深夜「はーいグレン♪ズルは無しだよー」
グレン「……ちっ」
深夜「ありがとうねシノアちゃん♪おかげでグレンに勝てたよ」
シノア「あ、あの……」
深夜「やっぱりグレンは恋する乙女の行動力を舐めてたね」
グレン「うるせぇな。俺はそういうものに興味がない」
深夜「あー、それって負け惜しみかな~?」
グレン「……ぶっ殺すぞ」
深夜「あははは、今度の支払いはグレンだからねー。」
グレン「さっさと出ていけ!」
深夜「シノアちゃん、グレンの言った通り私情は程々にね?」ボソ
シノア「……ぅう///」
グレン「……ほら、お前もさっさと明日に備えておけ。優にも説明してこい」
シノア「……きっとグレン中佐に文句を言いに来ますね」
グレン「はぁ、くそだりぃな」
シノア「それじゃ、書類はお願いしますね」
グレン「はいはい。とっとと出てけ」ヒラヒラ
シノア「失礼しました」
【回想終わり】
………………………………………
……………………………
……………………
……………
………
________________________
コンコン
シノア「与一さん、今よろしいですか?」
与一「あ、シノアさん!どうしたの?」
シノア「グレン中佐から任務が出ました」
与一「今度はなにするの?」
シノア「君月さんとペアを組んで新宿の高校に潜入です」
与一「うん、わかった!」
シノア「出発は二日後です。準備は手配してあるので着替えなどだけ用意しておいてください」
与一「了解です!……シノアさんと優くんと三葉さんは?」
シノア「みっちゃんは別の任務で、優さんは私と新宿第一女子高です」
与一「え?」
シノア「ですから、第一女子高です」
与一「女子高って、優くんは男……あっ」
シノア「それと今与一さんは感染症にかかってることになってますので」
与一「なんで!?どういうこと!?」
シノア「……さぁ?」
与一「絶対シノアさんがなんかやったんだよね!?」
シノア「よくわからないですね」
与一「なら優くんに聞きに行くね」
シノア「それだけはダメです!」
与一「なら話してよ」
シノア「……優さんと同じ班になるために裏からチョロっと」
与一「……はぁ。それ、僕を感染症にする必要ないよね」
シノア「いえ、与一さんが元気だと私と一緒に女子高に潜入することになってました」
与一「……」
シノア「というわけで、優さんにバレないように風邪引いてるフリをしてください」
与一「わ、わかったよ……(ごめんね優くん。僕も女装で潜入はムリだよ)」
シノア「あ、それと一つ残念なお知らせがあります」
与一「今度はなにさ」
シノア「用意するはずだった制服が男子二名と伝たのですが、男女一組のしか用意できませんでした」
与一「」
シノア「何しろ急な転校生役でしたので」
与一「そ、その場合って……」
シノア「同時に潜入する君月さんと相談して決めてください♪」
与一「そのくらいはなんとか用意してよ!」
シノア「もう少し早くに話が来ていればなんとかなったかもしれないんですけどね……」
与一「ぅう……」
シノア「それじゃ、私は戻りますね」
与一「はぁ……絶対僕が着させられるんだ……」
シノア「失礼しましたー」
________________________
シノア「では優さん、準備はいいですか?」
優一郎「おう、いつでも行けるぜ」
兵士「我々が護衛しますのでご安心ください」
シノア「ありがとうございます」
優一郎「はぁ……護衛なんていらねーだろ」
シノア「一応ですよ」
兵士「いざとなれば盾にはなりますので!」
優一郎「……はぁ」
兵士「では列車にどうぞ」
シノア「ほら、行きますよ」
優一郎「……行きたくねぇなー!」
シノア「出発進行ー♪」
_______________________
ガタンガタン
シノア「新宿に着いたら迎えが来ている手はずです」
優一郎「わかった」
シノア「そのあと、学校には向かわずに私たちが生活する寮に荷物の確認と制服に着替えます」
優一郎「なぁ、やっぱり女装しなきゃいけねーのか?」
シノア「そのまま入って構いませんよ」
優一郎「え?マジで!?」
シノア「変態の烙印を押されるだけですから、変態の優さんには関係ないですよね」
優一郎「ダメじゃねぇか!?」
シノア「ちなみに寮も男子禁制なので、バレたら大変ですよ」
優一郎「そこはどうにかしとけよ!」
シノア「顔を隠して入るしかないですね」
優一郎「日本帝鬼軍の制服でバレるだろ」
シノア「そうですか?」
優一郎「そうだろ。女子はスカートなんだし」
シノア「なら、私のを履きますか?」
優一郎「履かねぇよ!」
シノア「残念です」
優一郎「あー、帰りたい……」
シノア「まぁ、寮くらいなら日本帝鬼軍の息が掛かってますから入るのは難なくできるはずです」
優一郎「なら問題ないのか?いや、入ること事態が問題だけどよ」
兵士「間もなく到着いたします!」
シノア「覚悟を決めましょう優さん」
優一郎「……グレンのやつ、許さねぇ」
_____________________
兵士「では自分はこれで失礼します。お帰りの時にはまたお迎えに上がります」
シノア「はい、お願いします」
優一郎「おいシノア、迎えってどこにいるんだ?」
シノア「すぐ近くに来ているはずですよ。……あれじゃないですか?」
優一郎「お、手を振ってるから正解っぽいな」
シノア「行きましょう」
長井伍長「やぁ!派遣されて来る精鋭ってのは君たちだったんだね」
優一郎「あっ!オッサン!怪我は大丈夫なのか?」
長井伍長「あぁ、君たちのおかげでなんとかね」
シノア「それは良かったです」
長井伍長「立ち話もなんだし、車に乗ってくれ」
優一郎「オッサンが送ってくれるのか!?」
長井伍長「ああ、皆復旧作業で忙しくてな……。私は怪我が治ったばかりなので、この役目を受けたんだ」
優一郎「そっか……。なんか悪いな」
長井伍長「あははは、気にしないでくれ。むしろ生きているのは君たちのおかげなんだし」
シノア「ほら、何しているんですか?早く車に乗ってください」
優一郎「はいはい……って、なんでまた運転席に乗ってるんだよ」
シノア「前回のリベンジです。今回は底が厚めの」
20は途中で送信してしまいました
長井伍長「あははは、気にしないでくれ。むしろ生きているのは君たちのおかげなんだし」
シノア「ほら、何しているんですか?早く車に乗ってください」
優一郎「はいはい……って、なんでまた運転席に乗ってるんだよ」
シノア「前回のリベンジです。今回は底が厚めの靴を履いてきたので大丈夫です!」
優一郎「そういう話じゃねぇよ」
長井伍長「あ、あはは……」
優一郎「オッサンが困ってんだろ。早くどけよ」
シノア「……つまらないですね」
ガチャン
長井伍長「それじゃどこまで行けばいいかな」
シノア「新宿第一女子高です」
長井伍長「了解した」
…………………………………………
優一郎「……」
シノア「どうしたんですか?物思いになんか耽って」
優一郎「……別に」
シノア「……そうですか」
長井伍長「この先、少し迂回することになる。何故かクレーターの様なものがあってね。爆撃でもあったのかな」
シノア「へぇ、そうなんですか」チラッ
優一郎「……」プイ
長井伍長「崩れる心配もあってかしばらくは近付けないから」
優一郎「……そ、そうなんだ」
シノア「あ、お疲れでしたら私が運転代わりましょうか?」
優一郎「おい」
長井伍長「あははは、大丈夫だよ。それに休んでた分の勘も取り戻さないとね」
シノア「そうですか」
優一郎「ただお前が運転したいだけだろ」
シノア「そんなことないですよ?皆さんに目的地に着くまでスリルと恐怖を味わって貰おうと思っただけです」
優一郎「スリルと恐怖の違いはなんだよ」
シノア「んー、……ゾクゾクとゾワゾワですかね?」
優一郎「わかんねぇよ!」
シノア「この微妙な違いがわからないなんて優さんは子供ですねぇ」ヤレヤレ
優一郎「ぶっ飛ばすぞ」
シノア「最近のキレる若者は怖いですね!すぐに暴力に走るんですから!」
優一郎「オッサン、一回止めてくれ。こいつぶん殴るから」
長井伍長「あ、あはは」
シノア「優さん、私たちにそんなことしている暇はないんですよ」
優一郎「うるせぇよ!」
ガタン
長井伍長「おっと、この先は道が荒れてるから揺れるぞ。掴まっててくれよ」
シノア「はーい♪」ギュ
優一郎「俺に掴まるな」
シノア「えー?だって他に掴まる所なんてないじゃないですか」
優一郎「椅子にしがみついてろよ」
ガタンッ
シノア「うわっ!?」グラッ
優一郎「シノア!」ガシッ
ボフッ
シノア「……あれ?」
優一郎「たくよ、掴まってろって言われたばかりだろ……」
シノア「……えへへ///」ギュー
優一郎「おい」
シノア「やっぱり優さんにくっついてた方が安心ですね!」
優一郎「……はぁ、好きにしろよ」
シノア「好きにしてまーす♪」
優一郎「……」
シノア「……」
優一郎「……」
シノア「……んふぅ♪」グリグリ
優一郎「おい!頭を擦り付けるな!」
シノア「えー?ただのマーキングですよ?」
優一郎「お前は犬か!」
シノア「シノアワンだワン♪」グリグリ
優一郎「離れろ!」
シノア「可愛い犬の頭、撫でてもいいんですよ?」
優一郎「やだよ」
シノア「譲りませんね」
優一郎「それにどっちかというと猫だろ。お前は」
シノア「猫ですか?」
優一郎「勝手気ままな所とか特にな」
シノア「なるほど!……ふふふ」
優一郎「な、なんだよ」
シノア「シノアにゃんだにゃん♪優さんと遊びたいにゃん♪」
優一郎「……」
ガタンッ
シノア「うわっ!」ゴチン
優一郎「……」
シノア「いったぁ……。なんで助けてくれないんですか!?」
優一郎「あ、悪い」
シノア「罰として今ぶつけた所を撫でてください!」
優一郎「はぁ?」
シノア「いいから早く」
優一郎「……はぁ」ナデナデ
シノア「……許してあげます」
優一郎「へぇへぇ、ありがとうございます」ナデナデ
シノア「ふふん♪」
優一郎「……」ナデナデ
シノア「……こうしてみると、私が猫なら優さんは犬ですね!」
優一郎「なんでだよ」
シノア「言うことを聞かない素直になれない駄犬です」
優一郎「はぁ!?ふざけんな!」
シノア「妥当だと思いますよ?」
長井伍長「ゴホン!」
シノア・優一郎「……あ」
長井伍長「もうすぐ目的地に着くから」
優一郎「わ、わかった」
シノア「あ、ありがとうございます///」
長井伍長「あそこの建物がそうだ」
優一郎「へぇ、結構大きいんだな」
シノア「中には小中校も付属しているみたいですから」
優一郎「もし吸血鬼がいたらヤバイんじゃねぇのか?」
シノア「ヤバイでしょうね」
優一郎「気付かれないようにさっさと殺すしかねーな」
シノア「いなければそれが一番ですけどね」
長井伍長「ここで降りるかい?」
シノア「あ、近くの寮までお願いします」
長井伍長「わかった」
優一郎「取り敢えず着いたら着替えなきゃな」
シノア「時間は6時を回ったところですし、じゅうぶん間に合いますね」
キィー……
長井伍長「着いたよ」
シノア「さて、おりましょう優さん」
優一郎「おう」
バタン
長井伍長「それじゃ、何か困ったことがあったら言ってくれ。上からもサポートするように言われてるからな」
優一郎「なら俺と代わってくれ」
シノア「優さん!」
長井伍長「はは、そいつはちょっと難しいな」
優一郎「それもそうだよな……」
長井伍長「……気を付けてくれよ」
シノア「えぇ」
優一郎「オッサンもな」
長井伍長「それでは失礼する」
ブロロ……
シノア「行っちゃいましたね」
優一郎「さて、俺たちも行くか」
シノア「取り敢えずこれを」
優一郎「なんだこれ」
シノア「日本帝鬼軍の女子制服の下です」
優一郎「これをどうしろと」
シノア「取り敢えず履いてください。そうしないと寮の中に入れません」
優一郎「……はぁ」
…………………………………
優一郎「履いてきたぞ」
シノア「流石優さん!もう女装はお手のものですね♪」
優一郎「お前のせいでな!」
シノア「シッ、静かにしてください。そんな大声出したら男だって一瞬でバレますよ」
優一郎「……くっ」
シノア「さぁ、行きましょう」
ガチャ
シノア「失礼します」
寮監「……ん?」
シノア「あ、本日よりこちらでお世話になる柊シノアと、こちら百夜優です」
寮監「あぁ、上からは聞いてるよ。相部屋だからね。これ鍵」
シノア「ありがとうございます。行きましょう優さん」
寮監「……ちょっと待ちなさい」
優一郎「……」ビクッ
シノア「な、なんでしょう?」
寮監「そっちの百夜優ってのは挨拶もうなしかい?」
優一郎「……」ダラダラ
シノア「えぇっと、彼女は少し人見知りが激しくて!」
寮監「……そうかい。なら無理強いはしないよ」
優一郎「……」ホッ
シノア「行きましょう!」グイッ
_________________________
優一郎「ところでこういうのって、普通軍の施設から通うんじゃねぇのか?」
シノア「今回の場合、吸血鬼が寮の内部に潜伏している可能性もあるのでここを拠点にするわけです」
優一郎「こんな狭い所で先頭なんて平気なのか」
シノア「優さんの武器なら小回りが効きますし、私のしーちゃんでサポートはできるので大丈夫かと」
優一郎「ならいいや。そこら辺はシノアに任せる。俺は戦うだけだ」
シノア「でしたら着替えましょう」
優一郎「……はぁ」
シノア「こちらが優さんのです」
優一郎「……」
シノア「私は向こうで着替えるので何かわからないことがあれば聴いてください」
優一郎「はいはい」
………………………………………
シノア「優さーん!終わりましたか?」
優一郎「こっちに来ても平気だぞ」
シノア「それじゃ失礼しますねー」
優一郎「……こんなもんか?」ババーン
シノア「ブフッ……」
優一郎「おい」
シノア「い、いいと思います」プルプル
優一郎「必死に笑いこらえてるじゃねぇか!」
シノア「では気を取り直して優さんの変装といきましょう」
優一郎「これ以上なにするんだよ」
シノア「このままでも良さそうですけど、少しばかりメイクをして誤魔化しましょう」
優一郎「……それってこれから毎日」
シノア「はい、毎日です」
優一郎「……」
シノア「いまさら帰れませんよ。もう任務は始まってますから」
優一郎「いっそ殺せ」
シノア「じゃじゃーん。借りてきた化粧道具でーす♪」
優一郎「お前のじゃねぇのかよ」
シノア「え?だって私は化粧が要らないくらいの美少女ですよ?」
優一郎「もう何も言わねーよ」
シノア「シノアちゃん初めての化粧がまさか優さんだなんて……」
優一郎「はやくしろよ」
シノア「もー、のってくれてもいいじゃないですか」
優一郎「助けてミカ」
シノア「それじゃ始めますね」
………………………………………
シノア「えーっと、これをこうして……」
………………………………………
シノア「これを付けてみましょう♪」
………………………………………
シノア「こっちの方がいいですか?」
………………………………………
シノア「失敗しました」
優一郎「なんでだよ!?」
シノア「慣れないことはするべきじゃないですね」
優一郎「ぶっ飛ばすぞ」
シノア「この際ウィッグだけにしましょう」
優一郎「結局この様かよ!」
シノア「これでメイクを落としてください」
優一郎「まったくよ……」ゴシゴシ
シノア「えーっと、これが学生証です。名前は百夜優になってるので間違えて本名を言わないでくださいね」
優一郎「偽名と本名の差が少ないだろ。って……おい、この写真の美少女っぽいのは誰だ」
シノア「え?優さんですよ?」
優一郎「おかしいだろ!?なんでこうなった」
シノア「フォト○ョップで遊んでたら出来ました」
優一郎「人の写真で遊ぶな!」
シノア「でもでも、可愛いですよね?」
優一郎「自分の写真なら気持ち悪いだけだ!」
吸血鬼サイドはまだ1つですね
コンコン
シノア「は、はい」
寮監『すまない。さっき伝え忘れたことがある』
ガチャ
シノア「なんでしょうか?」
寮監「いや、風呂と食事についてをな」
シノア「わざわざありがとうございます」
寮監「風呂は18時から22時。それ以外は部屋のシャワーを使ってくれ。食事は朝は6時からで夜は同じく18時からだ」
シノア「分かりました」
寮監「門限は21時。……といってもそんなに出歩くこともまずないだろうがな」
シノア「そうですね」
寮監「それと一番大事なことだが……」
シノア「?」
寮監「異性の連れ込みは一切禁止だ」
優一郎「……」ダラダラ
シノア「それに関しては問題ありません。安心してください」
寮監「うむ。それでは遅刻しないようにな」
スタスタ……
シノア「いやー、異性が入ったらどうなるんですかねー?優さん」
優一郎「考えたくもねぇ……」
シノア「ドキドキですね!」
優一郎「身体に悪い方のな」
シノア「あ、忘れてましたがこれを」
優一郎「なんだこれ!格好いいな!」
シノア「通信装置です。壊しちゃダメですよ?」
優一郎「おう、気を付ける」
シノア「それじゃ、確認も終わりましたし行きましょう♪」
優一郎「気が重い……」
_________________________
優一郎「そういえば、さっきの寮監は軍の人間なのか?」
シノア「そうですね」
優一郎「なら俺が男だって伝えても良かったんじゃねーのか?」
シノア「そして女の子を襲う危険分子と判断されてしまうわけですね」
優一郎「襲わねぇよ!」
シノア「いやーん♪何も知らない無垢な少女立ちに優さんの毒牙が」
優一郎「朝からうるせぇよ」
シノア「優さん?言葉遣いに気を付けないと男だってばれちゃいますよ?」
優一郎「うぐっ……」
_______________________
シノア「難なく校舎に入れましたね」
優一郎「そうだな」
シノア「職員室に行きましょう。責任者の方に指令書を渡す必要があります」
優一郎「なんでそんなことすんだよ」
シノア「優さんの帯剣証とかを出さないといけませんから」
優一郎「あー……シノアのは伸縮自在だったな」
シノア「生徒には先生から適当な説明を入れて貰いますよ」
優一郎「難しいことは任せた……」
シノア「まったく、優さんは私がいないとダメなんですから♪」
____________________________
シノア「今日よりこちらで任務にあたる柊シノアです」
優一郎「……百夜優」ムスッ
校長「はい、わざわざご足労いただきありがとうございます」
シノア「よろしくお願いします」
校長「こちらが編入先のクラスの担任です」
教師「よろしくお願いします」
校長「それではお二人には早速クラスに行って頂きたいと思います」
優一郎「……」
教師「その刀が……」
シノア「はい、鬼呪装備です。けっして触れたりしないでください」
教師「わ、分かりました。生徒にも伝えておきます!」
シノア「その時、鬼呪装備というむねは秘密にしておいてください。吸血鬼にバレると厄介なので」
教師「はい」
______________________
教師「今日からこのクラスに仲間が増えるぞ!」
ザワザワ ザワザワ
シノア「柊シノアです♪皆さん、よろしくお願いしますね!」
カワイー!
シノア「ほら、優さんも」
優一郎「百夜優です……」
教師「……」
ナニアレー?
エッ!カタナー?
シノア「えーっと、優さんは凄くシャイで恥ずかしがりやさんですけど、仲良くしてください!」
教師「えー、百夜が持ってるのはご家族の形見だそうだ。あまり詮索しないでやってくれ」
「「「はーい!」」」
教師「席は後ろに二席用意してあるからそこに座ってくれ」
シノア「はーい♪」
優一郎「わかった」
「「「…………」」」
教師「よーし、授業始めるぞー」
________________________
教師「それじゃ今日はここまで。次は教室移動なんだから遅れるなよ」
キリーツ レイ
アリガトウゴサイマシター
生徒A「ねぇねぇ!二人は何処から来たの!?」
生徒B「さっきもそうだけど仲良しだよね!」
生徒C「まだ場所とかわからないよな?次は私たちと一緒に行こう!」
シノア「えーっと、あのー」
優一郎(シノアが珍しく戸惑ってる……)
生徒A「百夜さんのそれ、ちょっと見せて!」
生徒B「え?私もみたい!」
優一郎「え、えっと、これは大事な物だから!ごめん!」
生徒C「なんか、百夜さんて女の子っぽくないよね。声も低いし……」
優一郎(シノア……!)チラッ
シノア「!…」コクン
生徒B「腕もがっしりしてるよね」モミモミ
優一郎「ちょっ!?」
シノア「……実は私たち……つい最近日本帝鬼軍に保護されたんです」
生徒A「え?どういうこと?」
シノア「ずっと荒廃した世界を二人っきりでさ迷って……その間、私を守るためにずっと優さんが戦い続けてくれて……うぅっ」グス
生徒A「わわわ!!?ごめんね!そんなつもりじゃなかったの!」
生徒C「変なこと言ってごめんなさい!」
生徒B「ごめんね!百夜さん、柊さん……」
優一郎(よくもペラペラと嘘が出るな……)
シノア「いえ、私こそへんなこと言ってごめんなさい……。優さーん!」ギュー
優一郎「おい!」
シノア「本当にありがとうございますぅ!優さん大好きですよ!」ギュー
優一郎「離せ!!///」
生徒C「いいなー。羨ましい……」
生徒A「Cちゃん、その時は私が守ってあげるよ」キリッ
生徒B「うん、そういうのいいから」
生徒B「ほら、移動しなきゃ」
生徒A「うわぁ!置いてかないでー!」
生徒C「柊さんと百夜さんも行こ?」
シノア「良かったですね優さん。これで多少の男っぽさは仕方ないですみますよ」ボソッ
優一郎「いいから離れろよ」
シノア「……はぁ、あれほど注意したのに優さんてばぽろりぽろり男言葉を使うんですから」
優一郎「仕方ないだろ……」
シノア「絶対にバレたらダメなんですよ」
優一郎「…#」
シノア「バレたら、良くて死ぬだけです」
優一郎「死ぬのかよ!」
シノア「えぇ。社会的に」
優一郎「そっちかよ。いや、そっちもダメだ……」
生徒A「ほら、二人とも早くいこー!」
____________________________
生徒C「お腹空いたぁー」
生徒B「柊さんと百夜さんはお弁当ある?」
シノア「ないですね」
生徒B「なら食堂に行こっか」
優一郎「えーっと、あのもう一人はどこいったんだ?」
生徒C「あ、Aちゃん?呼び出し食らってるよ」
生徒B「そういえば、私たち自己紹介しないで絡んでたね」
生徒C「私はCです!よろしくお願いします!」
生徒B「私はB。好きに呼んで」
シノア「なら私もシノアって呼んでください♪」
優一郎「俺も下です呼んで貰えると助かる」
生徒A「ふむふむ、しーちゃんに優ちゃんですな!」
生徒B「あ、お帰り。どうしたの?」
生徒A「クラス委員の仕事頼まれただけよ!」
生徒C「遅ーい。もう置いてっていい?」
シノア「そうですねぇ。お腹空きましたし」
生徒A「おぉ……二人とも酷いなぁ……」
生徒B「早く行きましょう」
優一郎(……凄く居づらいなこれ)
シノア「優さん、一応周りに目を光らせてくださいね」
優一郎「わかってる」
生徒D「……」
優一郎「……?」
生徒D「……」サッ
シノア「どうしました?」
優一郎「……いや、なんでもねーよ」
シノア「なんか見つけたらしっかり報告してくださいね。勝手な行動は禁止ですよ」
優一郎「わかってるての!」
生徒A「んー?なになに?喧嘩かい?」
生徒C「え!?」
優一郎「あ、違うから!気にしないで!」
シノア「……優さんは今までの生活のせいで、常に気をはってるんです。四六時中周囲に殺気を飛ばして警戒してないと落ち着かなくて…」
生徒A「うぅ……そんなことが……。優ちゃん安心して。ここは日本帝鬼軍の管理下にあるから絶対に安全だから!ね?」
優一郎「お、おう」
優一郎(ここに吸血鬼が潜んでるかもしれませんなんて口が裂けても言えない……)
生徒B「シノアさん、優さん。着きましたよ。ここが食堂です」
優一郎「おぉ!」
シノア「なかなか広い場所ですね」
生徒C「全校生徒の三分の一が入れるからね!」
生徒A「にしても出遅れたかなー。やっぱり昼御飯の時間は混んでるや」
生徒C「そうだね。誰かさんが遅れたからね」
生徒A「私、悪くないよね!?」
優一郎「ん?あそこ空いてるじゃん」
シノア「そうですね」
生徒B「あそこはダメです!」
優一郎「なんで」
生徒C「あそこはここの学校で一番の荒くれものの席なんだよね」
生徒B「でも成績も良いから先生たちも手を焼いてるんですよ」
シノア「まるで君月さんみたいですね♪」ボソッ
優一郎「そうだな」
シノア「優さんは成績は悪いから違いますね」
優一郎「余計なお世話だ」スタスタ
シノア「あれ?今の話聴いて座るんですか?」スタスタ
優一郎「お前も座るんだろ?」
シノア「私は優さんを止めようとしてるだけでーす♪」
優一郎「白々しいわ」
生徒C「あわわわ」
ドスッ
生徒A「座ったぁぁぁぁ!!?」
優一郎「よし、席確保」
シノア「隣失礼しますね」
優一郎「ほら、こっちに来いよ」
生徒B「ほら、A呼んでるよ」グイッ
生徒A「酷いよ!?なんで私だけ!?」
生徒C「私やられたくないもん!」グイッ
生徒A「私だってやだよ!?」
優一郎「ん?来ねぇな」
シノア「優さんの変態オーラに気付いたんですかね」
優一郎「出してねーよ」
シノア「他に考えられる理由は、私たちに近付いてるあのやんちゃ集団を恐れてるからかもしれません」
生徒D「……どけ」
優一郎「悪いな。他をあたってくれ」
取り巻き1「どけって言ってんだろ!」ガシッ
優一郎「……離せよ」
取り巻き2「あ?」
優一郎「……離せっていってんだよ」
取り巻き1「ヒッ!?」バッ
生徒D「……行くぞ」
シノア「ゆ、優さん!知っての通り一般人に危害を加えるのは禁止ですよ!?」ボソッ
優一郎「出してねーよ。睨んだだけだ」
生徒A「ねぇ!今何したの!?」タタタ
生徒C「凄い雰囲気だっけど……」
優一郎「なんか快く譲ってくれたよ」
生徒A「それ嘘だよね!?」
生徒B「優さん、怪我はありませんか?」
優一郎「なんもないよ」
シノア「……気を付けてくださいね」
優一郎「少しは信じてくれよ」
シノア「勿論信じてますよ」
優一郎「どうだか」
シノア「あくまで潜入ですから目立つのは避けてください」ボソッ
優一郎「……わかってる。気を付けるよ」
優一郎「さて、席も確保出来たし昼にしよう」
生徒C「優ちゃんてもしかして大物なのかな」
生徒B「どうなんでしょうか」
シノア「あははは……」
生徒A「私も食べるぅ♪」
優一郎「よし、さっさと並ぼう」
生徒A「ゴー!ゴー!優さん!」グイッ
優一郎「お、押すなよ」
生徒B「あ、待ってください!」
シノア「……それにしても先程のひと、やけにあっさりと引きましたね」
生徒B「シノアさん!私たちも買いに行こう」
シノア「え?……あ、はい!」
__________________________
教師「それじゃ、気を付けて帰れよ」
「「「サヨナラー」」」
優一郎「シノア、この後はどうする?」
シノア「一旦部屋に戻って今日のことを纏めましょう」
生徒A「あれ?二人とも帰るの?」
優一郎「あぁ。ちょっとね」
生徒C「そっかぁ……」
シノア「ごめんなさい。やっぱり慣れない生活で少し疲れたみたいです」
生徒B「それは大変ですよね。明日からも学校ですからしっかり休んでください」
優一郎「ありがとう」
シノア「ありがとうございます♪」
生徒A「またねー!」
生徒D「……」
________________________
シノア「反省会を始めまーす」
優一郎「……」
シノア「おや?返事が聞こえませんね。もう一度だけ、反省会を始めまーす♪」
優一郎「さっさと始めろよ」
シノア「これだから優さんは空気が読めませんね」
優一郎「お前、ぶん殴るぞ」
シノア「それではちゃっちゃか終わらせましょう」
優一郎「俺は特にないぞ」
シノア「私は昼に絡んでたきた奴が少し気になりましたね」
優一郎「あ?……あいつか。あんなの俺にビビって退散したんだろ」
シノア「女の子に勝ったぐらいで恥ずかしくないんですか?」
優一郎「……うぐっ。てか、それが本題じゃねぇだろ」
シノア「その通りです。彼女については調査する必要がありますね」
優一郎「池袋の時みたいにサクサクおわらねぇか……」
シノア「そうですね」
優一郎「なんか引っ張りだす方法とかはねーのか?」
シノア「あの戦闘からもうだいぶ経ちますが、まだ人間への被害が出てないことから血を長らくとってないと思います」
優一郎 「つまりどういうことだ?」
シノア「吸血鬼の限界が近づいてきて、そろそろ被害が出ると思います」
優一郎「それってヤバイんじゃねーのか!?」
シノア「そうですね。激ヤバですね」
優一郎「激ヤバって、お前な」
シノア「ですがそう大々的に行動するとすぐ見つかって日本帝鬼軍に殺されちゃいますからね。もう少し賢くすると思いますよ」
優一郎「……後手後手じゃんかよ」
シノア「仕方がありません。今のところ打つ手なしです」
優一郎「……はぁ」
コンコン
シノア「どなたですか?」
生徒A『私だよ!』
優一郎「あいつらか……」
ガチャ
生徒A「優ちゃん!お風呂行こうぜ」
優一郎「行かない」
生徒A「即答!?」
優一郎「シノア行ってこいよ」
シノア「分かりました」
生徒A「優ちゃんもいこうよー」
優一郎「悪いな。パスだ」
シノア「行かないと怪しまれますよ?」ボソッ
優一郎「俺が男だってのを忘れるな。それこそ大惨事だろ」
シノア「そういえばそうでしたね」
優一郎「お前な……」
シノア「あまりにもその格好が堂に入ってたもので」
優一郎「さっさと行けよ」
シノア「はーい♪」
ガチャ……
優一郎「俺もシャワー浴びるか……。慣れって怖いな」
_______________________________
シノア「いやー、良いお湯でしたよ優さん!」
優一郎「おいシノア」
シノア「どうしました?」
優一郎「俺の着替えが女物なんだけど知ってるか?」
シノア「……さぁ?これに関しては本当に知りませんよ」
優一郎「自前で持ってきて良かった……」
シノア「場慣れしてますね」
優一郎「お前のおかげでな」
シノア「いやーん、そんな風に言われると照れちゃいますよ~♪」
優一郎「誉めてねーよ!」
_______________________
優一郎「俺は少し見回りしてくるから」
シノア「分かりました。突っ込んだりはしないでくださいね」
優一郎「へーきへーき」
シノア「あと女の子を襲うのも無しですよ」
優一郎「しねーよ」
生徒C「あれ?優ちゃんどっかいったの?」
シノア「冒険してくるそうです」
生徒A「うわっ!男らしいね!私には真似できないや!」
生徒B「暗に女を捨ててる発言はやめなよ」
シノア「好奇心旺盛なのも考えものですね」
生徒C「立ち入り禁止の所とかに行かないと良いんだけどね……」
シノア「そんな場所があるんですか?」
生徒A「なにそれ知らない!」
生徒C「というより、中からうめき声が聞こえて生徒が近寄らなくなっちゃったんだよ。それで先生達が立ち入り禁止にしたの」
シノア「……へぇ」
生徒A「シノアちゃんも興味津々かな?」
シノア「そんなことないですよ」
______________________
シノア「……ここですか」
………シーン
シノア「誰も近寄りませんよね」
優一郎「おい」
シノア「ひぅ!!?」ビクッ
優一郎「どうしたんだよこんな所で」
シノア「び、ビックリするじゃないですか!?」
優一郎「はぁ?声かけただけだろ」
シノア「……優さんこそ、何してるんですか」
優一郎「ちょっと噂を聴いてな」
シノア「優さんもですか」
優一郎「もってことは」
シノア「えぇ、私も確認にきました」
優一郎「一応聞くけど、日本帝鬼軍の施設とかじゃないよな?」
シノア「ここは一般教室が近くに並んでますから違いますね。普通は地下につくりますし」
優一郎「ならその鍵ぶっ壊すぞ」
シノア「え!?ダメに決まって」
優一郎「阿修羅丸……」スパッ
『こんなことで僕を使わないで欲しいなぁ』
優一郎「いちいち気にするなよ。ほら、切れたぞ」
シノア「勝手なことしたらダメじゃないですかぁ~優さ~ん?」ニコニコ
優一郎「わ、悪かったって……」
シノア「そもそも壊さずに鍵を借りれば良いじゃないですか!」
優一郎「めんどくせぇだろ」
シノア「後でグレン中佐に報告ですね」
優一郎「いや、グレンも絶対斬るって」
シノア「なら真似しないでください。鬼呪装備を出してらバレるかもしれないんですから」
優一郎「はぁ……わかったよ」
シノア「こんなことで作戦が台無しになるのも嫌ですし、……優さんに危険が及ぶのも嫌なんです」
優一郎「大丈夫だよ。俺は強いから」
シノア「そういう話じゃありません」
優一郎「俺もシノアに危険な目にあって欲しくないから任務を終わらせようとちょっと焦っちまったんだよ」
シノア「えっ!?あの、ゆ、優さん……?///」
優一郎「許してくれ」
シノア「そ、それじゃ仕方ないですね!もう!///」
優一郎(チョロい……)
優一郎「入るぞシノア」
シノア「え?あ、はい!」
ガチャ……
優一郎「埃っぽいな」
シノア「……何もありませんね」
優一郎「あぁ、“何も”ないな」
シノア「隠し扉の類いがあるかもしれませんね」
優一郎「秘密基地かよ」
シノア「そういうの憧れたりしますか?」
優一郎「別にしないけど」
シノア「私はしますよ?」
優一郎「どうでもいいわ」
コンコン
シノア「こうやって壁を叩いて調べましょう」
優一郎「地道だな……」コンコン
シノア「部屋を吹っ飛ばすという訳にも行きませんからね」
優一郎「……俺たちが立ててるこの音がまた噂になったりするのかな」
シノア「なるほど!」バンバンバン!
優一郎「なんだよ急に!」
シノア「どうせなら謎の噂を助長させようかと」
優一郎「なんの意味があるんだよ」
シノア「もしかしたら釣れるかもしれませんよ」ニヤリ
_________________________
シノア「何もありませんでしたね」
優一郎「潜伏してねぇんじゃねーのか?」
シノア「あと2週間ありますからそれまでに何もなければ撤退ですね」
生徒A「あぁ!二人とも午後の授業サボってなにしてたの!?」
シノア「……あはー♪見つかっちゃいましたね?……私たちが何してたか気になっちゃいます?」
生徒A「なるよ!なるなる!」
シノア「実はー、二人でデートしてました♪」
優一郎「嘘つくなよ」
生徒A「シノアちゃんって、実はそっちだったりするの!?」
シノア「いえ、私は至ってノーマルですよ。ただ私にとって優さんが特別なだけです♪」
生徒A「うわぁぁぁぁ!!ノロケだ!!?」
生徒B「Aうるさい」
生徒C「あぁ!見つかってよかった…」
シノア「心配をかけたようで、すみませんでした」
生徒B「お二人がいないのに先生も特に心配した様子がなかったのが変だったのですが……」
シノア「事前に休む旨を伝えたからですかね?」
生徒A「なぬ!?なら私も事前に連絡して休む!」
優一郎「いや、真面目に受けろよ」
生徒A「うへぇ……サボりんに怒られた」
優一郎「誰がサボりんだ」
生徒A「見つかったから一安心だよ」
生徒B「サボるのはよくないですよ」
優一郎「ごめん……」
生徒A「なんか理由があったんでしょ?もう済んだんだし帰ろーよ」
生徒C「うん……」
シノア「皆さん、お詫びにジュースを奢りますよ。優さんが」
優一郎「え!?」
生徒A「え!?ヤッター!」
生徒B「私は別に」
生徒C「私も……」
シノア「まぁまぁ、遠慮なさらずに、ね?」
優一郎「そういうのは金をだす奴がいうだろ」
シノア「優さんが何も言わなかったので」
優一郎「突然のことで唖然としてたんだよ」
生徒B「ですから私は」
優一郎「この際だ。遠慮しなくてもいいよ」
生徒C「でも……」
優一郎「使わないから貯まるばっかりでね……。ここらで少し減らそうと思ってるんだ」
生徒B「それ、なら……」
生徒C「……うん」
シノア「優さん!私はコーラで良いですよ?」
優一郎「自分で買えよ」
優一郎「ほら選びなよ」
生徒A「ありがとーございますー」ガチャコン
生徒C「あ、ありがとう」ガチャコン
生徒B「あ、ありがとうございます」ガチャコン
シノア「ありがとうございます♪」ガチャコン
優一郎「おい最後」
シノア「はぁー♪美味しいですねぇー!」
優一郎「……はぁ」
シノア「はい、優さんも一口どうぞ♪」
優一郎「いらねーよ」
シノア「私との間接キスですよ?」
優一郎「尚更いらねーよ」
生徒A「……ほーんと、恋人かよっていうくらいラブラブしてんなー」
生徒C「クラスにもそういう子はいるからね?」
生徒A「ここまで熱烈でもないでしょ。同性同士なのにそれを感じさせないなんて……」
シノア「べ、別に恋人なんかじゃないですよ!?///」
生徒A「なにこれ可愛い」
生徒C「うん」
生徒B「えぇ」
生徒B「優さんは普段お金を使わないのでしたら、なにをしているんですか?」
優一郎「基本的にトレーニングかな」
生徒A「女子力の欠片もないよ!」
生徒C「流石にそれは……」
生徒A「優ちゃん、そんなんじゃお嫁に行けないよ!?」
優一郎「行かないよ」
生徒B「他には?」
優一郎「料理、とかかな?」
シノア「優さんは料理も中々いけますよね」
生徒B「この時点でAよりはお嫁に行けますね」
生徒A「料理が出来なくて悪いか!?」
優一郎「適当だけどなー」
生徒A「趣味はトレーニングと料理……なんかときめいて来ちゃったよ。シノアちゃん!優ちゃんを頂戴!」
シノア「あ、あげませんよ!」
生徒A「そっかぁ、もう優ちゃんはシノアちゃん専用なのかぁ……」
シノア「な、なにを言って!///」
優一郎「本人をスルーするなよ」
__________________________
優一郎「シノア、電気消すぞ」
シノア「どうぞ」
カチッ
優一郎「……おやすみ」
シノア「おやすみなさい」
優一郎「……」
シノア「……」ジー
優一郎「……寝ろよ」
シノア「寝ますよ」
優一郎「こっち見るなよ」
シノア「嫌です」
優一郎「なんでだよ」
シノア「……」ジー
優一郎「寝るからな!」
シノア「どうぞ」
優一郎「……」
シノア「……」
優一郎「……zz」
シノア「……優さーん?」
優一郎「……zz」
シノア「寝てますね!」
ガサゴソ
シノア「失礼しますね♪」
優一郎「……ん」
シノア「おやすみなさい……」ギュッ
_________________________
シノア「優さん!遅刻しますよ!」
優一郎「ん、もうそんな時間か……」
シノア「さっさと着替えてください」
優一郎「お前は母さんかよ……」
シノア「ほら、しっかりしてくださいお父さん!」
優一郎「そっちじゃねーよ」
シノア「え?」
優一郎「え?」
シノア「私がお母さんで優さんはお父さん?」
優一郎「……寝ぼけてるのか?ほら、着替えるから向こう行けよ」
シノア「手伝ってあげます」
優一郎「いらねーよ!」
シノア「優さん、ウィッグです」
優一郎「あ、忘れてた」
シノア「今日はどうしますか?」
優一郎「また午後の授業をサボって見回りでもするかな……」
シノア「あんまりにも怪しい行動は控えてください」
優一郎「なら放課後か」
シノア「私は名簿と健康診断票を貰ってきます」
優一郎「任せた」
シノア「任されました」
優一郎「行くか」
阿修羅丸『格好つけるけど女装だよね』
優一郎「……」
シノア「どうかしましたか?」
優一郎「……なんでもねーよ」
________________________
優一郎「……疲れた」
シノア「授業中は寝てたじゃないですか」
優一郎「戦闘に備えて寝てたんだよ」
シノア「ものも言い様ですね」
生徒A「二人とも、次は体育だから着替えないと遅れるよ」ヌギヌギ
優一郎「」
生徒A「ん?優ちゃんどうしたの?」
優一郎「な、なんでここで脱いでんだよ!?」
生徒A「え?普通でしょ?」
生徒C「どうかしたの?」
生徒A「優ちゃんが私の身体に見惚れてるの」
生徒C「えー?そうなの?」
優一郎「違うからな!」
シノア「……」ムッ
生徒B「……シノアさんも着替えないと」
シノア「……そうですね」
生徒A「ほーら、優ちゃんも脱げー!」
優一郎「離せって!」
生徒A「優ちゃんの胸は何カップかなぁ~?」
優一郎「くっ!」ダッ
生徒A「うわっ!?」
タタタタッスタ
優一郎「具合が悪いから保健室に行くから!」
生徒ABC「」ポカーン
生徒C「いま、一瞬壁を走ってたような」
生徒B「凄い身体能力でしたね……」
生徒A「人間辞めてるんじゃないか!?」
シノア「……はぁ」
________________________
優一郎「……はぁ、はぁ」
阿修羅丸『もう!変なことに力を使わせないでよ』
優一郎「仕方がないだろ。緊急だったんだから」
阿修羅丸『鬼になっても、僕は知らないからね』
優一郎「わかってる」
__________________________
生徒A「なんで着替えるの嫌がったのかなぁ……」
生徒B「Aがセクハラするから」
生徒A「してないよ!」
生徒C「ねぇシノアさん。あの身体能力って……」
シノア「さぁ、私もビックリしました。人間、鍛えるとああいうことも出来るようになるんですね」
生徒A「鍛えるとああなるの!?」
生徒B「ならAも出来るようになるね」
生徒A「絶対無理!」
生徒D「……」
________________________
生徒A「うわー!マラソンとかめんどくさー!走りたくなーい!」
シノア「優さん……」
生徒C「心配なら後で様子を見に行こうよ」
生徒B「そうですね」
___________________________
優一郎「取り敢えず保健室で時間を潰すか……」
阿修羅丸『不良だね』
優一郎「うろうろしてるのもまずいんだよ……」
スゥ……ガンッ!!
優一郎「うっ!?」ガクン
阿修羅丸『ちょっと、優!?』
バタッ
…ズル……ズル
________________________
優一郎「……ん……?」
生徒D「……気がついたか」
優一郎「……おい、これはどういうことだ」
生徒D「動けないように拘束してる」
優一郎「何が目的だ」
生徒D「これからお前を殺す。ただそれだけだ」
優一郎「はぁ!?意味がわかんねーよ!」
生徒D「……吸血鬼は全員殺す。お前の仲間の女もだ」
優一郎「俺は吸血鬼じゃない!」
生徒D「女装してまで潜り込んどいてよくいう」
優一郎「……ぅ、それは」
生徒D「少し待ってろ。お前らの協力者を連れてきてやる」
ガチャン
優一郎「おい、待て!」
バタン
________________________
シノア「いませんね」
生徒A「帰ったのかな……」
シノア「流石にそんなことはしないと思いますけど」
生徒B「戻ったのかもしれない」
生徒A「でも、教室にもいなかったよ?」
シノア「入れ違いになったのかもしれませんね」
生徒C「そしたらすれ違うはずなんだけどな……」
生徒A「手分けして探そう」
シノア「そんな!悪いですよ!……授業もありますし、その内ひょっこり戻ってくるはずです!」
生徒A「そういうシノアちゃんが一番そわそわしてるんだもん」
生徒B「なら私はCと向こうを探しますね」
生徒C「そうだね」
生徒A「なら私はシノアちゃんと来た道を引き返すから!」
シノア「……皆さん、何があっても20分探して見つからなかったら教室に戻りましょう」
生徒A「おっけー!」
_______________________
シノア「どこに行ったんでしょうか」
生徒A「案外お花摘みに行ってるだけかもね」
シノア「寄ってみましょう」
生徒A「ほいさ来た!」
_______________________
生徒B「見当たりませんね」
生徒C「……うん」
生徒B「どうしたの?」
生徒C「な、なんでもないよ……」
生徒B「……そう」
生徒D「……動くな」チャキ
生徒B「え?」
生徒D「動くな!」グイッ
生徒C「それって……優さんの持ってた奴じゃ……」
生徒D「黙ってついて来い」
生徒C「……ひぅ……ぅぅ……」
生徒B「ここは従いましょう……」
______________________
シノア「……!」
生徒A「んー、どうしたの?」
シノア「くっ……」ダッ
生徒A「って速っ!?シノアちゃんまで!?」
シノア「教室に戻っていてください!それと、先生に緊急事態だと伝えて!」
生徒A「は、はいぃ!」
________________________
生徒D「入れ」
生徒B「ちょっと!痛い!」
生徒C「きゃあ!?」
優一郎「お前ら!大丈夫か!?」
生徒B「……優、さん?なんでここに!?」
優一郎「そいつに無理やり連れて来られたんだよ」
生徒B「ねぇ!なんでこんなことするの!?」
生徒D「……吸血鬼とその協力者は全員殺さなきゃいけないの!」
優一郎「てか、その刀を返せ!お前が触って良いもんじゃねぇよ!!」
生徒D「あぁ……さっきからね、声が聞こえるの……殺せって」
優一郎「バカ野郎!鬼になっちまうぞ!?」
生徒D「構わない!お前たちを殺せるなら!」
バンッ
シノア「動かないでください!」
優一郎「シノア!」
シノア「何捕まってるんですか……。人間だっから良いものの」
優一郎「……ぅ」
生徒D「来たな吸血鬼……動くとお前の仲間を殺すぞ!」グイッ
優一郎「うぐっ!」
シノア「優さん!?」
優一郎「やれ!シノア!こいつ、鬼になりかけてる!」
シノア「何武器まで取られてるんですか!?バカなんですか!?」
優一郎「仕方がないだろ!?後ろから襲われたんだよ!」
生徒D「……お前の武器を寄越せ!」
シノア「生憎ですけど、私は武装していません」
生徒D「ならこれで腕を拘束しろ!」
……ジャラ
シノア「……吸血鬼にこんなもの無意味だと思いますけど」
生徒D「いいからやれ!」
生徒D「……あと何人仲間が潜んでいる」
シノア「仲間なんて優さんくらいですよ」
生徒D「なんでここに来たんだ」
シノア「それは言えません」
生徒D「答えろ!こいつを殺すぞ!」
シノア「それでも言えません」
生徒B「ねぇ、さっきから大丈夫?」
生徒C「………な…………さい……」
生徒B「どうしたの?」
生徒C「ご…なさ…………めんなさい」
生徒B「ねぇ、ちょっと!」
生徒C「……みんな、ごめんなざい」
生徒B「……え?」
バリン!
ドゴンガシャーン!
シノア「なんですか!?」
吸血鬼1「ご苦労だったな、家畜」
生徒C「……」
生徒B「……ぇ…なんで…」
吸血鬼「もう用はないから血を捧げて死んでいいぞ」
生徒D「吸血鬼ぃぃぃぃ!!」
シノア「今ですしーちゃん!」
ガキィン
生徒D「うわっ!?」
シノア「優さん!」
優一郎「おう!」
ザクッ
優一郎「……」
シノア「……」
優一郎「……阿修羅丸」ダラダラ……
スパッ
阿修羅丸『もう、優のバカ!なに盗られてんだよー』
優一郎「うるせぇな。お前は見てたろ」
シノア「優さん、血が……」
優一郎「出てねぇ」
シノア「いや、あの」
優一郎「行くぞシノア」
生徒B「C!逃げるよ!」グイッ
生徒C「……ダメ……私はみんなを騙したから、ここで死なないと」
生徒B「そんなことない!」
吸血鬼「……目障りな家畜だな」
生徒B「ヒィ!?」
吸血鬼「死ね!」
優一郎「させるかぁ!」キン
吸血鬼「……チッ。家畜風情が!」
生徒B「ゆ、優さん!?」
優一郎「さっさと逃げろ!」
生徒B「で、でも」
優一郎「シノア!連れてけ!」
シノア「はい!」ガシッ
吸血鬼「……貴様、ただの家畜じゃないな」
優一郎「あ?俺たちは家畜じゃねぇよクソ吸血鬼」
吸血鬼「……」
優一郎「人間だ!」
___________________
シノア「……はぁ、はぁ」
生徒B「し、シノアさん」
シノア「すいません。一人置いて来ました……」
生徒C「……ごめんなざい。私が奴らを匿ったりしたから……」
シノア「そんなことは後で聞きます。教室に戻ってください!」
生徒B「シノアさんは!?」
シノア「優さんを一人には出来ません。戻ります」
生徒A「シノアちゃーん!!」ダッ
シノア「教室に戻ってください!!出てきてはダメです!!」
生徒A「ダメだよ!向こうに吸血鬼が出てきたんだよ!!」
シノア「な!?」
生徒A「みんなが襲われて……」グス
シノア「分かりました!行きましょう!」
_______________________
吸血鬼1「しぶといな……」ハァハァ
優一郎「そりゃどうも!」
ガシャーン!!
吸血鬼1「ふむ、そろそろ終わらせるか」
優一郎「そうだな、お前を殺して終わらせる」
阿修羅丸『ねぇ、なんで僕の力を使わないでいるの?』
優一郎「下手したらそこの不良娘を巻き込むだろ……」
阿修羅丸『なら一瞬だけ、ね?』
優一郎「……頼む」
阿修羅丸『うーん♪やっぱり優といると飽きないなぁ♪』
吸血鬼「死ねぇ!」
優一郎「お前が」
吸血鬼「!?」
優一郎「死ね!」
ザクッ
ボシュン……
優一郎「よし、終わったか……」
阿修羅丸『……いや、まだだね。残ってるよ』
優一郎「はぁ!?」
阿修羅丸『あははは♪あの子、今頃死んじゃってるかもね?』
優一郎「そんなわけあるか!」
阿修羅丸『フフフ、なら急がなきゃね』
優一郎「言われなくても」
生徒D「……ぅぅ…」
優一郎「……」
阿修羅丸『ほら、早くいかないと』
優一郎「……こいつも連れていく」
阿修羅丸『ふーん』
優一郎「……よし」
阿修羅丸『女の子を担ぐなんて流石は優だよ』
優一郎「なんか言ったか!?」ダッ
阿修羅丸『なーにも?』
シノア「一体どこですか!?」
生徒A「えっと、向こう!」
シノア「分かりました!」
生徒A「早く皆を助けて!」
シノア(……あれ?)
生徒A「そこの角を右」ダッ
シノア「……」ダッ
生徒A「はぁ、はぁ……そこのドアの向こうにいるの……」
シノア「……Aさん、ひとつだけ良いですか?」
生徒A「なに!?時間ないよ?」
シノア「どうして非武装の私にわざわざ“助け”を求めたんですか?」
生徒A「え!?な、なに言って」
シノア「……どう考えても非武装の人間がどうこう出来ることじゃないのに、なぜ私に迷わず助けを求めたんですか?」
生徒A「……」
シノア「……そういうことですか」
生徒A「……くっ!死ね!」ヒュン
シノア「吸血鬼の協力者ですね。大方家族でも人質に取られてるんですね。Cさんと同じく」ヒョイ
生徒A「黙れ!あいつは失敗した!なら私が家族を守らないと!」
シノア「家族の為にですか……立派ですねー♪」
生徒A「お前に何がわかる!?」ブン
シノア「わかりませんよ。私のたった一人の家族だった姉は死にましたし」ヒョイ
生徒A「……え?」
シノア「愚かにも一人で突っ走って死んじゃいましたよ。いやー、笑えませんね」
生徒A「……なんで平気でいられるんだ」
シノア「……だって、死んだ人は死んだままじゃないですか」
生徒A「な!?」
シノア「どんなことをしても死人は蘇らない。なら、私は生きている人の為に戦います」
生徒A「私だって、家族のために!!」
シノア「家族のためというなら、今すぐ抵抗をやめてください」
生徒A「ふざけるな!」
シノア「……日本帝鬼軍があなたの家族を救いましょう」
生徒A「そんなこと出来るわけ」
シノア「できます」
生徒A「出来るはずがない!吸血鬼は恐ろしく強いんだぞ!?」
シノア「私たちも強いですよ」
生徒A「人間なんか、敵うわけ……」
シノア「私たちのリーダーであるグレン中佐は貴族と張り合いが出来ます」
生徒A「……それでも」
シノア「それに、吸血鬼殲滅部隊『月鬼の組』には私や優さんもいますから」
生徒A「シノアちゃんや優ちゃん……」
シノア「……私たちを信じてください!」
生徒A「……」ガクン
ガシャン!!
吸血鬼2「所詮家畜がどうこう出来ることでもなかったな」
吸血鬼3「だが、時間稼ぎは出来たな」
吸血鬼4「仲間を回収しても私たちも撤退させて貰う」
シノア「逃がすと思ってるんですか?」
吸血鬼2「家畜風情が粋がるなよ」
シノア「月鬼の組をバカにされては困りますね!優さん!」
ガシャーン
優一郎「……その通りだシノア」
シノア「優さん……セーラー服がボロボロですよ」
優一郎「仕方がねぇだろ!?こいつ守るのに必死だったんだよ!」
生徒D「……ん」
優一郎「おいA!」
生徒A「は、はい!」
優一郎「こいつ連れてさっさと離れろ」ドサッ
生徒A「うわっ!?」
優一郎「さーて、女装で溜まった鬱憤をお前らにぶつけてやるよ」
シノア「そういってノリノリだったじゃないですかー♪」
優一郎「んなわけあるか!」
吸血鬼4「……ただの人間が!」
優一郎「阿修羅丸!」ブオン
ザシュン!
吸血鬼4「うぐっ!?」
優一郎「どうだ?吸血鬼。人間人間やられる気分ってのはよ!」
シノア「しーちゃん!」
四鎌童子『……』
優一郎「頼むぞ阿修羅丸」
阿修羅丸『はいはい。好きにしなよ』
吸血鬼2「くたばれ!」
吸血鬼3「仲間の怨み!」
優一郎「ふん!」キンキン
シノア「はぁ!」ブン
吸血鬼2「小癪な!」
シノア「足元がお留守ですよ?」
ザクッズバン
吸血鬼2「うぉ……ぐぅ!?」ボシュー
優一郎「よう、最後の一匹だな」
吸血鬼3「こうなれば!」ダッ
ガシッ
生徒A「うぐっ」
吸血鬼3「こいつが殺されたくなけれび道を開けろ!」
シノア「誇り高い吸血鬼がとても惨めですね」
吸血鬼3「さっさと武器を捨てろ!」
優一郎「……」ガシャン……
シノア「……」カチャン……
吸血鬼3「そのまま動くなよ!!」
優一郎「逃げるのか」
吸血鬼3「ふん!回復したらお前たちを真っ先に殺してやる」
シノア「次があれば、ですよね?」
吸血鬼「何をいって」
優一郎「与一!」
バシュンバシュンザクッ……
吸血鬼「なぜ、こんなに矢が……!?」
_______________________
与一「……ふぅ」
士方「お疲れさん」
与一「もういないよね?」
士方「あぁ、ここから確認出来る範囲にはいない」
与一「よかった……」
_______________________
優一郎「……ったくよ、なんで良いとこ取りをしてんだよ」
シノア「助かったんですから良いじゃないですか」
優一郎「……そうだな」
シノア「さて、私たちは……」
生徒A「……」
シノア「後処理が残ってますね」
………
……………
……………………
……………………………
優一郎「おい、大丈夫か?」
生徒B「……はい」
生徒C「……」
生徒A「私とCは……殺されちゃうんだよね」
優一郎「あ?んなわけあるかよ」
生徒A「なんで!?私たち騙してたんだよ!?」
優一郎「家族を守るためだったんだろ?」
生徒C「っ……」
優一郎「お前らは間違ったことはしてない。だから気にするな」
シノア「そんなこと勝手に約束しちゃって」
優一郎「どうせシノアも報告する気はないんだろ?」
シノア「……そうですけど」
生徒B「……優さんは男だったんですね」
優一郎「ま、まぁな」
生徒B「薄々感づいてはいましたけど……」
優一郎「」
生徒B「その、女装は趣味ですか?」
優一郎「違う!断じて違うからな!」
生徒B「そ、そういうことにしておきますね」
優一郎「本当に違うからな!?」
生徒A「……私たちはどうすればいいの?」
シノア「そうですね。暫くは日本帝鬼軍の元にいて貰うことになります」
生徒A「わかった」
生徒C「……うん」
シノア「家族のことは安心してください。いま、私たちの仲間がその根城を叩いてます」
優一郎「え?まじで?早くないか?」
シノア「みっちゃんの別任務がそれだそうです」
優一郎「そうか……。良かったな。お前らの家族は俺達の仲間が絶対助け出してるから」
生徒A「……うん」グス
生徒C「……ありがとう」ポロポロ
生徒D「……なんで殺さないんだ」
優一郎「ん?」
生徒D「そいつらは吸血鬼の手先だぞ!?さっさと殺さなきゃいけない!」
優一郎「何言ってんだよ。こいつらは人間だ」
生徒D「人間の敵だ!」
シノア「だいぶ頭に血が上ってますね」
優一郎「……そういえば、なんで俺たちを吸血鬼だと思ってたんだ?」
生徒D「……変な時期に転校してきただろ」
優一郎「それだけか?」
生徒D「それに、吸血鬼の姿は尋常ではない美貌だと聞いてる。その女はどこか人間離れしている姿だったからな」
シノア「あれ?これって誉められてるんですか?」
優一郎「きっとそうなんだろ」
シノア「え?なら優さんも私のこと、可愛いって思ってますか?」
優一郎「ああ、可愛いよ。すげー美少女だ」
シノア「も、もう優さんたら~♪///」
生徒D「……」
優一郎「悪い。続けてくれ」
生徒D「……決定的だったのはあの食堂の時だ」
優一郎「ん?……あぁ、あの時か……ってなんでだよ!?」
生徒D「……お前の眼光が私は恐ろしかった。こういったら悪いが、まるで化け物のようだった」
優一郎「」
生徒B「……優さん、自分のせいじゃないですか」
生徒D「それに、あの立ち入り禁止の教室に鍵を壊して侵入して行くのもみた」
生徒B「何しているんですか」
優一郎「いや、その……」
生徒D「……これで満足か」
優一郎「いやまだだ」
生徒D「……後はなんだ」
優一郎「お前、俺の鬼呪装備を持っただろ」
生徒D「……確かに勝手に刀を借りたな。悪かった」
優一郎「どこか不調はないか?」ピタッ
生徒D「な、な……!?///」
優一郎「どこかに異変はないか?」
生徒D「……そ、そういえばいつもより身体が重い気が……///」
優一郎「そうか……。おいシノア!」
シノア「……っ!…な、何ですか優さん!」
生徒A「まだトリップしてたんだ」
優一郎「オッサンに連絡してくれ!こいつを連れてって検査を受けさせる」
シノア「分かりました!」ダッ
優一郎「ほら、立てるか?」
生徒D「……んっ…くっ…すまん。無理だ」
優一郎「分かった。……ほら、背中に乗れ」
生徒D「はぁ!?///」
優一郎「動けないんだろ?さっさと乗れよ」
生徒D「……くっ///」
ギュッ
優一郎「よし、行くぞ!」
生徒B「男子が怪我をした女の子を助けてますけど、その実女装してるんですよね」
優一郎「うるせぇ!」
生徒D「……///」
与一「優くーん!!」
士方「おい、大丈夫か?」
優一郎「お前ら!」
与一「良かった。無事……」
優一郎「ん?どうしたんだよ」
士方「寄るな。変態が移る……」
優一郎「はぁ!?急に何言ってんだよ!」
士方「鏡見てみろよ。変態野郎」
優一郎「俺のどこがへんた……」
Withボロボロのセーラー服
与一「あ、あははは……」
士方「帰るぞ与一」
与一「ま、また後でね」
優一郎「」
生徒D「……大丈夫か?」
優一郎「……そっとしといてくれ」
_______________________
シノア「それではお願いします」
長井伍長「確かに身柄は預かったよ」
優一郎「頼んだ」
生徒D「……おい」
優一郎「なんだよ」
生徒D「……その……」
優一郎「なんも無いなら行くからな」
生徒D「…あ……あ、ありがとう///」
優一郎「……心配すんなよ。だぶん大丈夫だ」
シノア「……」イラッ
優一郎「よし、行こうぜシノア」
シノア「ふん!」ゲシッ
優一郎「痛ってぇ!?何すんだよ!」
シノア「……優さんのばーか」
優一郎「はぁ?わけわかんねーよ」
________________________
シノア「以上が報告になります」
グレン「ご苦労さん。下がっていいぞ」
シノア「……あの、中佐」
グレン「ん?」
シノア「あの、協力者の二人はどうなりますか?」
グレン「なんだ。気になるのか」
シノア「……一応」
グレン「まぁ、死刑は免れないわな」
シノア「なっ!?」
グレン「暮人に知られた場合の話だ」
シノア「そ、それじゃあ」
グレン「……協力者なんていなかった。シノアと優が吸血鬼をぶっ殺した。それで終わりだ」
シノア「私が言うのもあれですけど、いいんですか?」
グレン「なにがだ?お前の報告書にはそうあった。つまりはそういうことだろ」
シノア「……ありがとうございます」
グレン「用が済んだら出ていけ。このあと予定がある」
シノア「分かりました」
コンコン
グレン「入るな。帰れ」
ガチャン
深夜「はーいグレン♪飲みに行こうか。グレンの奢りで♪」
グレン「まだ仕事中だ」
深夜「すぐ終わるでしょ?ここで待ってるよ」
グレン「好きにしろ」
シノア「それじゃ、失礼します」
深夜「あ、シノアちゃん」
シノア「なんですか?」
深夜「お疲れ様♪」
シノア「……ありがとうございます♪」
______________________
優一郎「あの時は助かったよ」
士方「こっちがたまたま早く終っただけだ」
優一郎「それにしてもなんであんなに早く来れたんだよ」
士方「吸血鬼がお前らの所に集まるって話をしてたからな」
与一「伍長さんに車で運んで貰ったんだ!」
優一郎「そうか……」
三葉「おい!お前たち」
優一郎「ん?三葉か……」
三葉「なんでこんなところで談笑してるんだ!」
士方「なんだよ、任務でも入ったのか?」
三葉「私も誘え!」
優一郎「いや、疲れてるかと思って気を使ったんだけど」
三葉「そんなこと気遣いは無用だ!貧弱なお前たちと一緒にするな」
士方「あ?」
シノア「そういってますけど、さっきまで一人でぽつーんと寂しそうにしてましたよねー?」
三葉「う、うるさいぞシノア!」
シノア「ここまで連れてきてあげたのに、みっちゃんはそういう事を言うんですかー」
三葉「ぅう……それは……」
優一郎「……取り敢えず、久し振りに全員集まって与一の風邪も治ったんだから飯でも行こうぜ」
士方「はぁ?こいつが風邪?」
シノア「………」ダラダラ
優一郎「はぁ?お前知らなかったのかよ」
士方「バカ言ってんじゃねぇよ。こいつはずっとピンピンしてたぞ」
与一「……」ダラダラ
優一郎「……おい、どういうことだシノア」
シノア「えーっと、……どういうことでしょうね?」
与一「ゆ、優くんとおんなじ班になりたかっただけだよね?シノアさん」
シノア「ちょっと与一さん!それは秘密で」
士方「へぇ……」ニヤニヤ
三葉「ほぉ……」ニヤニヤ
優一郎「……え、いや……その」
シノア「…ぅう///」
「優ちゃーん!!」
優一郎「ん?」
「とう!」
ドスッ
優一郎「ぐはっ!」
シノア「優さん!?」
A「あれ?やっちゃった……」
B「ちょっとAってば!」
C「あちゃー……」
D「……」
優一郎「お前ら、なんでここにいるんだよ!?」
A「……私たちね、日本帝鬼軍で働くことに決めたの!」
C「いっぱい迷惑をかけたから、その分皆のためにね」
B「二人が行くっていうから……」
D「……」
優一郎「お前はなんでだよ」
D「……強くなって、吸血鬼に復讐するためだ」
優一郎「……そうか」
D「それに、……お前がいる」
シノア「……え?」
A「そ、そういうことだから!///」
D「……また会おう///」ニコ
優一郎「お、おう。またな」
士方「……なんだこれ。凄い光景が広がってるぞ」
与一「優くん、すっごいモテモテだね♪」
三葉「なっ!?私の知らない間に……。どういうことだ優!」
シノア「……え?」
士方「おい、こいつ固まってんぞ」
三葉「こーたーえーろー!!」ガクガク
優一郎「おい!離せ三葉!」
シノア「……これは、早急に手を打つ必要がありますね」
与一「あ、あははは……」
終わりのセラフ
以上です。
なんか適当ですいません。
HTML化依頼出して来ます。
このSSまとめへのコメント
シノア可愛い過ぎ(/ω\)
とても面白いので期待してます(*´∇`*)
頑張って下さいm(_ _)m
長編作って下さいm(_ _)m