最強兄妹の、最悪兄妹仲。 (38)

人生初のSS挑戦です
色々と大目に見てください


某県某市のとある一戸建て住宅
二階建ての庭付きと、この辺りでは平均的な家だ。

表札には『鬼柳』と書いてある

鬼柳家の家族構成を紹介しよう


夫  鬼柳五兵衛(きりゅうごへえ) 身長185㎝体重80㎏(52歳) 現役の刑事
妻  鬼柳五十鈴(きりゅういすず) 身長164cm体重50kg B87・W57・H89(41歳) 専業主婦
長男 鬼柳虎松(きりゅうとらまつ) 身長210㎝体重105㎏(18歳) 高校三年生
長女 鬼柳小百合(きりゅうさゆり) 身長143cm体重32kg B73・W49・H73(17歳) 高校二年生
飼い犬 鬼柳武蔵(きりゅうむさし) 体高120㎝以上、体重120㎏以上 犬種:シェンコッタ・ドッグ


鬼柳五兵衛 柔道二段・剣道三段
鬼柳五十鈴 書道五段
鬼柳虎松  空手三段・柔道二段・剣道三段・合気道二段
鬼柳小百合 小学生から現在まで、常に全教科の成績一位。


こんなハイスペック家族を書こうと思います
タイトルにもある通り、基本的に主要人物は虎松と小百合です。

駄文になると思いますが、よろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1434104283

>>1 (書き忘れ)オリジナルです

月曜日
それは大半の学生、社会人にとって最も嫌な曜日。
休日気分が抜けず、慌ただしくなる家もあるだろう。

それは鬼柳家も例外ではない


「小百合早く起きなさい!虎松も、いつまでもトレーニングしてないで早く朝ごはん食べて!」


五十鈴は二人の子供を呼びながら、テキパキと朝食を準備していく。


「ふぁ~……お母さんおはよ……」
「おはよう小百合。ちゃっちゃと顔洗って朝ごはん食べなさいよ」
「うん……お父さんは?」
「もうとっくに行ったわよ。なんか今日中には帰ってこれないかもしれないらしいわ」
「へ~……」


小百合は眠そうに目を擦りながら、顔を洗う為に洗面所に向かった。

小百合が洗面所の扉を開けると、そこには兄の虎松がパンツ一丁で身体を拭いていた。


「なっ……なっ……」
「なんだ小百合か。顔洗うならとっとと洗え」
「朝っぱらから何汚いもん見せてんだクソ兄貴!!」


虎松は日課の早朝トレーニングを終え、シャワーを浴びていた。
そしてシャワーを浴び終えて身体を拭いている所に、偶然小百合が入って来たという形だ。


「朝っぱらからデカい声出してんじゃねえよクソが」
「テメエの地声も十分デカいんだよ。デカいのは身体だけにしろや」
「喧しいわ幼児体型」
「黙れよ世紀末体型。核戦争で滅びた世界でヒャッハーしてろや」


2人とも一歩も引かず、罵り合いが始まる。


「二人とも!早く来ないと朝ごはん片付けるわよ!」
「「今行く!」」


しかし母の一言で罵り合いは収まった
虎松は制服(特注)を着て、小百合は顔を洗ってリビングに向かった。

「ごちそうさま」
「虎松。アンタ今日帰りは?」
「空手部の新入部員達を絞り上げるから遅くなる」
「ほどほどにしてあげなさいよ?アンタのペースでいくと皆部活辞めちゃうわよ」
「解ってるって。じゃあ行ってきます」


虎松は小百合よりも早く家を出る


「小百合。アンタも早く食べなさいよ」
「解ってるよ。クソ兄貴と一緒に登校したくないだけだから」
「全く……それなら何で同じ学校を受験したのよ」
「家から一番近いから」
「志望動機は兄妹で同じなのよね……」
「ごちそうさま。行ってきます」
「はい。気を付けてね」


3年6組。虎松が在籍する、男女半々の30人クラスだ。


「ウーッス」
「オッス虎松」
「おはよう虎松君」
「今日もデカいな虎松」


虎松が教室に入って挨拶をすると、ほぼ全員が挨拶を返してくる。
クラス長は虎松ではないが、実際一番人望があるのは虎松だ。


「お兄ちゃん!」


虎松が席に座り友達と喋っていると、突然教室のドアが開かれて小百合が入って来た。


「お兄ちゃんちょっと来て!」
「あ?っておい……」


小百合は有無を言わさず虎松の手を引いて教室を出ていく


「いいよな~虎松は。あんな可愛い妹がいてよぉ」
「小百合ちゃん可愛いよぉ!」


虎松と高校からの付き合いの友人は、虎松と小百合の仲を知らない。

小百合と虎松は屋上にいた
教室に入って来た時とは打って変わって、小百合は虎松を思いっきり睨んでいた。


「屋上まで連れてきて何の用だよ。それと、お前の猫かぶりマジでキモイからそろそろやめろ。」
「何の用?テメエが弁当忘れたから届けに来てやったんだよ。泣いて感謝しやがれ」
「は?どうせ母さんに頼まれて逆らえずに嫌々持ってきただけだろ。感謝ならするぜ母さんにな」


そう言って虎松は小百合の鞄から弁当を取る
その速度は、一般人に視認できない速度だった。


「アッ!?この人外野郎が!」
「どうせ『渡してほしかったら跪け』とか言いたかったんだろ。甘いんだよお前は」
「チッ……クソ童貞野郎」
「喧しいぞクソビッチ」
「あ゛?」
「お?」


キーンコーンカーンコーンキーンチャーンラーメーン

兄妹喧嘩が始まろうとした瞬間、予冷が鳴り響いた。


「チッ」


小百合は仮面優等生なため、予冷が鳴ったら必ず教室に戻る。
虎松を睨み、舌打ちしながら教室に戻って行った。


「舌打ちしてえのはこっちだぜ」

小百合の体重を32㎏から、36㎏に変更します。
ご指摘ありがとうございます



授業が終わった。これから部活動の時間だ
虎松はいつも通り、空手部が活動している道場へと向かった。


虎松は空手部の主将で段違いの実力者のため、練習メニューや練習試合の申し込み等の全てをやっている。
なので当然、新入部員の面倒を見るのも虎松の役目と言うわ訳だ。

男子5名、女子3名。合計8名が今年の新入部員だ。


「よし、皆集まってるな。各自道着に着替えて準備体操!」
「「「「押忍!」」」」
「新入生は体操服に着替えて準備体操。その後は隅で正座しとけ」


部員達は素早く道着に着替え、各々準備体操を始める。


「大会近いから、怪我しないように念入りにやれよー」


大体3分ほどで準備体操が終わり、部員達が整列した。
虎松は師範の立ち位置なので、部員達の正面に向かい合って立っている。


「これより、本日の稽古を始めます。先生に礼!」
「「「「「押忍!」」」」」
「お互いに礼!」
「「「「「押忍!」」」」」
「三戦立ち用意……構えて!」
「「「「「セイッ!」」」」」
「両拳水月。右拳引いて……正拳中段突き!」
「「「「「押忍!」」」」」
「30本気合入れて!」


こんな感じで始まった部活動
平日は3時間。休日は6時間ほどやるみたいです


小百合は学校が終わると、すぐに家に帰っていた。

そして私服に着替え、すぐに出かける準備をしている。


「あら、今日も出かけるの?」
「うん。なんか元カレから呼び出された。」
「1人で大丈夫?危なくない?」
「大丈夫大丈夫。この辺で父さんとクソ兄貴に目を付けられるような事する奴はいないよ」
「あら、虎松とは仲悪いでしょう?」
「私が、周囲にクソ兄貴は超が付くほどのシスコンってデマを流してるからね。あの人外クソ兄貴も、使い方しだいじゃあ役に立つんだよ。」
「全く……お兄ちゃんを使うだなんて。誰に似たのかしらね?」
「知らない。いってきま~す」


今日はここまでです

昼休み
虎松は屋上でトレーニングをしていた
ちなみに本来なら屋上は立ち入り禁止なので、他に生徒が来る事はない。

はずだったのだが……


「鬼柳君。お弁当作って来たから……食べて?」
「つ、作り過ぎて余っちゃっただけなんだからね!」
「わ、私のお弁当も食べてください!」


何故か転校生3人が屋上に弁当を持ってきて、虎松に渡そうとしていた。


「お前等どこの回し者だ?」


虎松は呆れたような口調でそう言う


「え?」
「何言ってるの?」
「回し者って……」
「いやいや、こんなん俺じゃなくても怪しいと思うだろ。何で今日転校してきたばっかの奴等が、3人揃って1人に弁当作ってきてんだよ。それからな、俺の嗅覚嘗めてんじゃねえぞ?」


虎松の眼光が鋭くなる


「お前等から硝煙の臭いがプンプンする。普通の学生から……いや、堅気からそんな臭いがするなんて有り得ねえんだよ。それからその弁当」


虎松は放心している3人の手から弁当を奪い取る


「『非合法な薬』の臭いがプンプンするぜ?この臭いは最近開発された新種か?これを持ってるって事は……中国マフィアか。あれ、そういやあ中国マフィアの日本支部長で、日本人の中高生を男女問わず侍らせてる変態野郎がいたよな……お前等そこの刺客だろ。」


虎松が喋り終わると、3人の雰囲気が豹変する。


「チッ……まさか硝煙と薬の臭いが解るなんて……」
「仕方ないわね。そこまで知られてるなら、生かしておけないわ。」
「覚悟しろ……」


3人はスカートの中からナイフを取り出し、一斉に虎松に襲い掛かる。


「そ、そんな……」
「なんで……?」
「うそ……よね?」


ナイフを持った3人の攻撃を、虎松は避けなかった。
しかしナイフは虎松に刺さる事は無かった

何故なら、ナイフが虎松に触れた瞬間へし折れたからだ。

虎松の肉体は鋼鉄のように鍛え上げられており、ナイフはおろか弾丸すら通さない。


「無駄無駄。俺にそんな玩具は効かねえよ」


虎松はそう言いながら三つの弁当を開ける


「おぉ、かなり大量に薬混ぜ込んだなぁ。じゃ、いただきます。」


そう言って虎松は物凄い勢いで弁当を食べ始めた


「え!?」
「ちょ!?」
「なにを!?」


3人が驚くのも無理はない
先程、虎松自身が見破ったのだ。
『非合法な薬』が入っていると

しかし、虎松は何の躊躇も無くその弁当を食べ始めた。


「ごちそうさま」


そして数十秒で完食した


「ん?お前等何驚いてんだ?」
「い、いやいやいやいや!アンタ馬鹿なの!?なんで薬入ってるって解ってて食べちゃうの!?」
「食い物を粗末にする奴は屑。俺の持論だ」
「だ、だからって薬が入ってるのを解ってて食べるなんて……」
「別に問題ない」
「へ?」


虎松は腕を組み、自信満々な表情をする。



「俺にとっちゃあ『非合法な薬』なんて何の効果もありゃしねえ。俺は癌細胞より強いんだぜ」
「「「む、無茶苦茶だ……」」」

「さて、飯も食ったし……残りの授業サボって寝るか。」
「「「はぁ!?」」」


虎松は3人の刺客を気にも留めずにその場に寝転がった


「き、貴様……どういう状況か解っているのか!?」
「解ってるぜ。マフィアに雇われた刺客3人が目の前にいる」
「そんな状況で寝る?嘗めてるのか!?」
「嘗める?いやいやまさかそんな。お前等を敵として認識してないだけだ。」
「それを嘗めてるって言うんだよ!!」


虎松の言葉に激昂した3人はナイフよりも遥かに刃渡りが長い短刀を取り出し、全力で斬りかかった。

しかし、結果はナイフの時と変わらなかった。


「だから無駄だって。お前等はガキが振り回す紙の剣で死ぬか?死なねえだろ」
「紙の……剣?」


3人は絶望した表情を浮かべて項垂れる


「まあ、寝る時に横でギャーギャー騒がれたら気持ちよく寝れんわな。」


虎松は立ち上がり、項垂れている3人の前まで行く。


「中国マフィアのことだ『鬼柳虎松の抹殺に失敗しました』だなんて言ったら、想像もつかねえような厳しい罰を受けるんだろうな。」


虎松の言葉に、3人はビクッと怯える。


「俺はお人好しじゃねえからな。お前等がどんな目に合おうが知った事じゃねえ……とっとと失せろ!」
「「「ヒッ!?」」」


虎松の威嚇に3人は本気でビビり、下の階まで全速力で逃げて行った。

効果が無いと言っていた虎松だが、薬の影響で身体に変化が起きていた。
髪と目の色が血の様な赤に変色した

しかし本人は気付いていない



「チッ……まさか鬼柳虎松があれほど規格外な化け物だったなんて!」
「完全に想定外だわ!薬も刃物も効果がないんじゃあ、私達で太刀打ち出来る訳ないじゃない!」
「で、でもどうする?鬼柳虎松が言ってた通り、このままだとボスに何て言えば……」


3人が階段を下りていると、踊り場である人物と遭遇して立ち止まる。


「お困りのようね……先輩方?」
「鬼柳小百合……?」
「嘘……アンタは鬼柳虎松に対する人質として、柊が捕えに行ったはず!」
「あのイケメン?中々だったわよ彼……」
「中々……?」
「何か私を人気のない教室に連れてって、口説いてくるもんだから(性的に)食べちゃった。顔に似合わず中々良いモノ持ってたわよ。まあ、張り切り過ぎちゃって腹上死しちゃったけどね」


小百合はそう言って微笑む


「それから、私を人質にしても何の意味もないわよ?」
「なに!?」
「私達、お互いに大っ嫌いなんだもん。いつも喧嘩していて、殺し合った事だってあるのよ?」
「じ、実の兄妹で殺し合いを……?」
「何か変かしら?よくアニメや恋愛小説なんかで『好きなったら性別も歳も、血のつながりも関係ない。』って言うじゃない?だったら、嫌いになったら血のつながりなんて関係ないんじゃないかしら?」
「く、狂ってる……」


楽しそうに笑う小百合に、3人は完全に恐怖している。


「恐がらなくてもいいのよ?貴女達を助けてあげるわ。マフィアからも警察からも、クソ兄貴からも。」


小百合は3人に手を差し伸べ、ニヤリと笑う。

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