楽「え、小野寺んちってコンドーム屋だったの!?」 小咲「……うん」 (88)

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楽「小野寺んちの和菓子屋が潰れたーーーッ!?」
楽「小野寺んちの和菓子屋が潰れたーーーッ!?」 - SSまとめ速報
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今度は千棘達も出てくるよ。
お楽しみにね!!

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楽「いやいや、小野寺んちって和菓子屋さんだろ!?」

小咲「ううん……実はね、本当はコンドーム屋さんなの!!////」

楽「はぁッ、だって俺がバイトに行った時は和菓子屋さんだったじゃないか!」

小咲「それはね……その……///」

春「ああーーーもうッ、先輩ったら本当にデリカシーのない人ですね!!!」

小咲「春っ!?」

楽「おおーー春ちゃんじゃん。てか、デリカシーないってどういうことだよ?」

春「もうッ、本当にあなたって人はーーー!! いいです、私の方から説明します。」

春「普通に考えみてください。女の子が自分の実家がコンドーム屋だなんて恥ずかしくて言えないでしょッ!?」

楽「え、あぁ……言われてみれば確かに」

春「全く、そんなこともわからないなんて、これだから男の人は……。」

楽「いや、でもよ、前行った時は明らかにコンドーム屋じゃなくて和菓子屋さんだったじゃねえかッ!? 実際に和菓子作る厨房まで入れてもらったし……あれはどう説明すんだよ!!」

小咲「待って一条君、それにはわけがあるの!!」

楽「ワケって……?」

小咲「そのね……お母さんにワガママ言って、一条君が来る時だけ和菓子屋さんに変えて貰ったの。」

楽「え……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」

小咲「そのね……、一条君がバイトに来た時だけ、お母さんにワガママ言って、その日だけ急遽和菓子屋さんにしてもらったの。一条君に、私の家がコンドーム屋さんだって思われるのがイヤでね///」

楽「っていやいやいや、おかしいだろうそんなの!! 俺が来た日だけ和菓子屋って、そんなこと出来るかよ普通。」

春「私達のお母さん、とても器用で普段から和菓子作りが得意なんですよ。だから一条先輩が来た日だけ和菓子屋さんとして営業してたってわけです!!」

楽「じゃ…じゃ……本当に普段はコンドーム屋で、俺が来た時だけ急遽和菓子屋のフリをしてたってことなのかッ!!?」

春「そうです!」

楽「いや待てよ、じゃ厨房はどうなるんだよ。本当に普段はコンドーム屋ならあんな立派な厨房ねぇだろ普通は?」

春「だからぁーーー、アレも一条先輩にコンドーム屋だと思われないようにするために用意したんですよ!!」

楽「信じられるかよそんなの、俺が来た時だけあんな厨房を用意するだなんて、都合が良すぎるじゃねえかッ!?」

小咲「ううん、春の言ってることは本当だよ一条君。あの厨房もお店の看板も、一条君が来る時のためだけに用意してもらったんだ。」

楽「そうだったのか……小野寺が言うのなら本当にそうなんだな。」

春「ムカッ……お姉ちゃんの言うことは信じて私の言うことは信じないんですね。」

楽「いやいや、そういうわけじゃないってー!」

楽「あ、でも、この間小野寺のお見舞いに来た時、お店の看板は和菓子屋おのでらだったはずだぞ。ほらこのシーン……」

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春「ああ〜二期9話のBパートの時ですか。この時はお店がお休みで、いつ誰が来ても良いように和菓子屋の看板にしてたんですよ。」

小咲「うん。お母さんが旅行に行っててね、万が一に一条君が来てもいいように和菓子屋さんのままにしてたの。」

楽「そういや俺、この時は店の中には入ってなかったな……」

小咲「うん。本当にうちは普段はコンドーム屋さんなの。」

楽「そうだったのか。」

小咲「ごめんね、今までなかなか言えなくてね。実家がコンドーム屋さんだなんて普通は変だよね。私……コンドーム屋の娘だなんて知られたら、一条君にヤラシイ子だと思われるかと思って……うぅぅ」シクシクッ

楽「いや、何言ってんだよ小野寺。小野寺んちが例え和菓子屋でもコンドーム屋でも、別にそれだけで小野寺のことを変な風に見たりしねえよ。」

小咲「一条君……本当に?」

楽「ああ、本当さ。それを言うなら俺んちなんてヤクザだぜ。それでも小野寺は俺に普通に接してくれるしよ、だから気にするなって。」

小咲「い……一条君///」

楽「んでさ、どうして今回はコンドーム屋さんだってことを俺に言ったんだよ。今まで隠してたのに。」

春「それはですね……うちの宣伝用のツイッターのことです。」

楽「ツイッター!? 小野寺んちってツイッターやってたのか。」

春「はい。お店の宣伝用につい最近作ったんですけど、ちなみにこれがそのアカウントです。」

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楽「ふーーん、で、これがどうしたんだよ。」

春「実はこのツイッター、宣伝用に作ったのはいいんですけど、実を言うと勢いで作っちゃったところがあって、あまり宣伝に役立ってないんです。」

楽「宣伝に役立ってないって……。そんなの、普通にお店のことを呟けばいいだけの話だろ。」

春「コンドームのことを堂々と呟けると思いますかッ?///」

楽「ならなんでコンドーム屋になんかしたの……」

小咲「それにはコンドームって、使う人限られてるでしょ。ツイッターで宣伝しても、世の中にはコンドームを使う相手すらいない寂しい人がたくさんいるから、いくら宣伝してもなかなか売り上げには影響しなくてね。」

楽「小野寺……何気なしにすげぇ毒吐いてるよ。」

春「そこで一条先輩に相談です。どうすればコンドーム屋であるうちの売り上げが上がるか、考えて欲しいのです!」

楽「いや……まあ俺に出来ることなら協力はすっけどさ、どうして俺なんだ?」

小咲「一条君には何度か手伝ってもらったし、何かいいアイディアが浮かべばいいなって思ってさ。」

楽「いいアイディアね……。ようはコンドームが売れて店の売り上げも上がればいいってことなのか。」

小咲「えっ……まあ平たく言えば。」

楽「そうだな〜コンドームを買ってくれるような人がたくさんいればいいのにな。」

楽「う〜〜〜ん…………っあ、そうだ!!」




一条家……

楽「てなわけでお前ら、コンドーム買ってくれねえか?」

ヤクザ達「お任せくだせぇ!!坊ちゃんのためならお安い御用でさぁーー!」

竜「っても、あっしら恥ずかしながらゴム使うような相手なんてそうおりやせんぜぇ……」

楽「何言ってんだ。いるじゃねえか、こんなにたくさん…………」

竜「へ………」



後日

小咲「あ、一条君。一条君のおかげでお店大繁盛したよ!」

楽「おお、それは良かったなぁ!」

春「でも、あんなにたくさんよく売れましたね。一体どこの誰が買ってくれたんでしょうか?」

小咲「たった1日で1000個近くも売れたし、何処かの団体さんが買ったのかな。」

楽「ああ……まあ、団体というか組織というか……あはは」

……………………………………
…………………………………
………………………………



組員A『アッーーーーーー!!♂』

組員B『オラオラッ、アッ、アッーーーーーー♂』
ズッコンバッコン……


組員C『ぼっちゃん……、いくらなんでも組員通しでヤラしてコンドーム使うってのは…………』

竜『バッキャローーーッ!!これもぼっちゃんのためだ。大人しくケツ突き出せやッ!!!』

楽『おうお前ら、この調子でバンバンヤりまくってコンドームたくさん使ってくれよな。』

竜『もちろんでっせェ、坊ちゃん!! ぼっちゃんの頼みとあれば何だってやりやすッ!!』

楽『よし、この調子で小野寺のちのコンドームを使いまくって売り上げを上げてやるんだ!!』

竜『さぁぼっちゃん!! 遠慮なんてしねえであっしのことも掘ってくだせえ!!』
ケツプリーーン



楽『よし、そんじゃコンドーム付けてっと……………』

ヌププププ……ズンッ!!

竜『アア…アッ、アッーーーーーー♂ ぼっちゃんのが、ぼっちゃんのがあっしの中にぃ〜〜〜〜!!』

楽『うおぉ………竜の中、熱くてキツキツじゃねえか。』

竜『ハァハァ……さぁぼっちゃん、遠慮せずに動いてくだせぇ////』

…………………………
………………………
……………………


てな感じで、俺はゴム屋おのでらから大量に購入したコンドームを集英組の者に使わせた。
おかげでゴム屋おのでらは大繁盛。組の連中はこれがきっかけで全員あっちの世界へと目覚めてしまった。
そう…………俺も含めて








楽「たっだいま。」

竜「おう、お帰んなせえぼっちゃん!今日は早かったんすね。」

楽「ああ、今日は飼育係の仕事もないし、みんなも用事あったからな。」

竜「さぁぼっちゃん。ご飯にしますか、それともお風呂にしやそうか?」

楽「そうだな…………、それじゃ」
バサッ!!

バサッ!!

竜「ひゃうッ…………ぼ、ぼっちゃん///」

楽「お風呂でお前を……頂こうかな」
キリッ




俺と竜はあの日以来、幾度となく身体と身体を重ね合わす関係となった。もちろん、俺は今でも小野寺に対して恋愛感情を抱いている。
だけど、俺はあのたった一度の竜との絡みを忘れることが出来ないのだ。竜は俺にとって大切な組の者だ。それは今までもこれからも変わりない。あくまで俺が好きなのは小野寺なのだ。
だが、あの時竜と関係を持った時から、身体が竜のことを求めてしまう。どうにも出来ないのだ。

ゴム屋おのでらにて………


春「あれからうちのお店のコンドーム、飛ぶように売れてるね。」

小咲「うん、でもあの日なんだか一条君少し元気がないような……」

母寺「まあなにはともあれ、うちは大繁盛してるし一条君には感謝しないとね。あ、ツイッター更新しとこ。」

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再び一条家にて……

楽「ふぅ………、今日は特にやること無いし暇だな。組のみんなは留守にしてるし、俺以外に誰もいないしな。」


ピンポーン・

楽「ん、誰だろう?」


ガラガラ……


千棘「よっもやし!」

楽「なんだ、千棘か!」

千棘「なんだとは何よ!せっかく近くを通ったから寄ってあげたってのに!!」

楽「まあ、上げれよ。」

千棘「おっじゃましまーす。」

楽「待ってろ、今お茶でも持ってくるから。」

千棘「ねえ、今日組の人たちは?」

楽「あぁ、今日は俺一人だよ。」

千棘「ふ〜ん、そうなん……って、え!!」

楽「なんだよ、急にどうした?」

千棘「ななな…なんでもないわよバカもやしッ!!」

楽「???」

千棘(てことは…今日はコイツと二人っきりぃぃーーー//// お、落ち着くの千棘、別にコイツと二人だけだからって何かあるわけじゃないじゃない////)

楽の部屋……

千棘(ううう……コイツと二人きりだってわかった途端急に意識しちゃったじゃないの////)

楽「さっきからソワソワしてどうした?なんだか様子が変だぞ。」

千棘「う、うっさいわねぇーーーもやしのくせにッ/// 別にソワソワなんてしてなんかいないわよ。」

ピンポーン

楽「お、また誰が来た。」

ガラガラガラ

小咲「やあ一条君、近くまで来たから寄っちゃった。」

楽「おお〜、小野寺!」

千棘「え、小咲ちゃん!?」

小咲「あれ、千棘ちゃんもいるの?」

千棘「うん、私もたまたま近くまで来たから寄ってみたんだ。」

小咲「そうなんだ。」

楽「まあここで話すのもなんだし、上げてってくれよ。」

小咲「うん、お邪魔します。」

千棘(ナイスよ小咲ちゃん、これでもやしと二人っきりにならなくて済むわ!!)



再び楽の部屋……

小咲「その…一条君。あれからどうかな?」

楽「ん、あれからって?」

小咲「一条君の家に、その……迷惑かかってないかなって。」

楽「何言ってんだよ。俺の方から望んで買ったんだし、それにウチの者も進んで使いまくってんだから、小野寺が心配することはねえよ。」

小咲「そう、それならよかった。」

千棘(ん、楽と千棘ちゃん何の話をしてるんだろう?)

楽「まあ、小野寺んちも売り上げ上がったんだし、気にすんなよ。」

小咲「本当にありがとうね。おかげさまでお母さんも喜んでるよ。」

千棘(小咲ちゃんちって和菓子屋だよね。楽んちで小咲ちゃんちの和菓子を多量に買ったってこと?)

楽「ウチの者もさ、小野寺んちで買ったやつ使ってみんな絶賛してたよ。薄くてほとんど付けてないみたいだって!!」

小咲「え、そう…それは良かったね///」

千棘(へっ……、和菓子屋で薄くて付けてないみたいってどうゆうこと!?)

楽「いやぁ〜俺も実際に付けてみたけど、アレは本当に凄いよな。あまりの薄さに付けていることがほとんど気にならなかったよ。」

小咲「え…、えぇぇぇぇーーーーーーー////一条君、付けたって…、ぇぇぇ!!?」

楽「わあぁぁぁぉーーーちちち、違うんだよ小野寺。付けてみたって言っても、一人で付けただけだよ。その……、別に誰かとやったってわけじゃねえから///」

千棘(さっきから一体何の話をしてるのよこの二人は!? これって和菓子の話じゃないの? さっきから"付けた"とか"薄い"とかって言ってるけど、和菓子で付けたって何よ………。それに二人の顔がなんだか恥ずかしそうに赤いし、なんだか怪しいわね…………)

小咲「わ、私、お手洗い借りてもいいかな。」

楽「あ、ああーどうぞ。」

スタスタスタ……


楽(あっぶねぇーーーーーー、思わず小野寺に竜とヤッたことバレそうになっちまった。小野寺に言えるわけねえよ、まさか小野寺んちで買ったコンドーム使って竜のことを掘っちまっただなんてな。)


千棘「ねえダーリン?」

楽「ん、なんだ?」

千棘「さっきの話、和菓子の話なの?」

楽「へっ…………あ、あぁ〜そうだけど。」

千棘「ふ〜〜ん………。」ジーーーーー

楽「な、何だよその疑いの眼差しは。」

千棘「いや別に…。たださ、どうして小咲ちゃんちの和菓子の話で"薄い"とか"付けてる"って話になるのよ?」

楽「ギクッ…………そ、それは」

楽「ほらあれだよあれ、最近の和菓子ってスゲー進化しててさ、驚くほど薄くて食べやすいんだよ。」

千棘「薄いって、味付けが薄いってことなの?」

楽「いやそのさ……、味はしっかりしてんだけど、たくさん食えるように一つ一つが凄え薄くなってんだよ。」

千棘「一人で付けたって何よ………?」

楽「いや、それは、一人で食ったって意味だよ!!」アセダラダラ……

千棘「付けてって、食べ物を一体何に付けるのよ?」

楽「それは……しょ、醤油にだよ!」

千棘「ふ〜ん、和菓子に醤油をね…………」

楽「えっと……いや、あのその……」
ガクガク

その頃、トイレにて……

小咲「ああ……ング、い、一条君…一条くぅーーーーーーん////」
クチュクチュ……ハァハァ

小咲「ハァハァ…うぅぅ、私ったら一条君の家で[田島「チ○コ破裂するっ!」]しちゃったよ////」

小咲「実家はコンドーム屋だし一条君の家で[田島「チ○コ破裂するっ!」]しちゃうし……私ったらなんていやらしい子なの////」

小咲「でも私、決めたんだから。今日こそは、今日こそはウチのコンドームを使って一条君とその……む、結ばれるんだからッ////」

再び楽の部屋……

千棘「ねぇ…ダーリン?」

楽「ハッハイ!!?」ビクッ

千棘「本当は一体何を買ったの?」

楽「いや、だからその…和菓子だって。」

千棘「怪しい………」

楽(うぅ、完全に疑われてる。てか、小野寺んちから大量のコンドーム買ってそれを集英組一同で使うためにホモセックスしただなんて言えるかよッ!)

千棘「ねえダーリン。何かやましいことでもあるんじゃないの?」

楽「んなこたねぇよッ、俺はただゴム屋おのでらから大量に買っただけでだなーー」

千棘「へっ………ゴム屋おのでらって何?」キョトン

楽「し、しまったぁぁぁぁぁーーーー!!」

千棘「ねえ何よ、ゴム屋おのでらって?」

楽「は、はぁ!?お前何言ってんだよ……和菓子屋おのでらの間違いじゃねえか?」
アセアセ

千棘「いやいや、あんたハッキリとゴム屋おのでらって言ったじゃない!!」

楽「はぁッ、そ、そんなのお前の聞き間違いだろ。」

小咲「あ、一条君お待たせぇ。」

千棘「あ、ねえ小咲ちゃん。ゴム屋おのでらって知ってる?」

楽「バッバカ!!小野寺に何か聞いてんだッ///」

小野寺「え……、えぇぇぇぇぇ////」

千棘「二人とも慌ててるし、やっぱり怪しいわ!!」

>>58
誤字った。

楽「怪しいことなんてねぇぞ、なあ小野寺?」アタフタ

小咲「そうそう、べべべ別に何もやましいことなんてないんだよ千棘ちゃん///」


ヒューーポロリ

千棘「ん? 小咲ちゃん何か落としたわよ。」

小咲「あっ、それは…!」

千棘「な……これって…、」

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千棘「………………」

小咲「はわわわわ/////」

楽「お、小野寺っ!? どうしてこんなもんを/////」





千棘「……………ねえダーリン」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

楽「ま、待て千棘!!これは別に俺が用意したんじゃなくて!!」

千棘「問答無用ッ、小咲ちゃんになんて物を持って来させてんのよ!! この変態がぁぁぁぁぁーーーーーッ!!!」

ドバギャアーーー!!!

楽「なんでぇぇぇぇぇーーーー!!」

キラーーーン

小咲「い、一条君〜〜〜〜!!」

こうして、私の恋は終わりました。
一条君に想いを告げる前に、一条君と結ばれる前に…………一条君は空の彼方へと消えて行きました。
千棘ちゃんに殴り飛ばされて空の彼方へと飛んで行った一条君は死体すら残らず、大気圏突入と共に燃え尽きて塵と化しました。
これにより集英組と千棘ちゃんの家のビーハイブは抗争を避けられなくなり、まず集英組の人たちが一条君の敵討ちだとして千棘ちゃんを斬り殺し、今度はビーハイブの人達は一条君の屋敷に火を放ちました。
集英組とビーハイブの抗争は激化の一途を辿り、遂には凡矢理市内全域を巻き込むまでになりました。
これを止めるため警察も動いたのですが、両組織は壊滅。一条君のお父さんも千棘ちゃんのお父さんももうこの世にはいません。

警視総監である万里花ちゃんのお父さんも今回の紛争に巻き込まれたらしく、現在意識不明の重体で病院にいるそうで、一条君を失ったこととお父さんが昏睡状態になったことから心身を壊した万里花ちゃんは今自宅からなかなか出れない状態のようです。
紛争は学校にも影響して、ビーハイブの人間である鶫ちゃんとポーラちゃんの命を狙って集英組の人たちが日本刀片手に押し入り、生徒や先生をはじめ多数の負傷者が出てしまいました。鶫ちゃんは胸を斬られて死亡、ポーラさんはなんとか一命を取りとめたのですが、鶫のことを知り後を追うように病室から飛び降り自殺をしてしまったのです。
私の妹の春はというと、学校に押しかけたヤクザの人にたまたまぶつかりレイプされ、ショックから今現在入院しています。いつ立ち直れるかわからないみたいです。
私のお母さんは今回のことで責任を感じたのか、ゴム屋を廃業しました。ゴム屋おのでらは本当に和菓子屋おのでらとなって、真面目に経営しています。
舞子君は何故か学校を辞めて大道芸人になるため修行しているとのことです。

るりちゃんも色々とショックを受けてますが、学校が再開するまで私のお店を手伝ってくれています。
そして私、小野寺小咲はというと……、
あの日、一条君が亡くなったショックから途方に暮れています。学校がいつ再開するのかめどは立たないけど、私は体調の良い日だけお店を手伝って、それ以外は部屋で一人大人しく過ごしてます。一条君の遺影を前にして………。



小咲「……………一条君。どうして、ねえどうしてこんなことになったの。」

小咲「もう、一条君はこの世にはいないんだね…………。」


どんなに悲しんでも、一条君はもうこの世にはいません。
告白する前に、一条君は塵と化しました。

小咲「はあ………一条君。私ね、一条君がいないとダメだよ。」


いっそのこと、私も一条君の後を。
一条君のいない世界になんて何の意味もない。

小咲「そうだ……どうせ死ぬなら一条君が最後にいたあの場所で死のう。うん………待っててね、一条君。」

私は決めました。
自ら命を絶つ場所に、かつて一条君が住んでいた屋敷があった集英組の屋敷の跡地に行こうと。
どうせなら、最期くらいなら、一条君と同じ場所で逝きたいと。

小咲「待っててね一条君、私もすぐに逝くからね。」

天国へ行ったら、一条君とまた会えるかな……。

集英組跡地……


小咲「よし、着いた。後は持参してきたこの激マズ料理をお腹一杯飲んで死ぬだけよ!!」

小咲「待っててね一条君、すぐに逝くよ………………ってあれ、あんなところにお婆さんが。」

謎の老婆「いらっしゃいませ。」

小咲「お婆さん、こんなところで何をしてるんですか?」

小咲「ん? 『使えない棺桶売ります。』」

謎の老婆「…………………」

小咲「お婆さん。この使えない棺桶って何ですか?」

謎の老婆「はい、"使えない"という意味でございます。」

小咲「え、いやだからその、使えないってどういう意味なんですか?」

謎の老婆「それは、お買いになられた方だけがわかるのでございます。」

小咲(なんなんだろうこのお婆さん。でもこの屋敷の跡地にいるってことは、一条君のお知り合いなのかな。)

それと同時に私は、何故だかそのお婆さんが売ってる使えない棺桶のことがとても気になったのです。

小咲「お婆さん、その棺桶っていくらなんですか?」

謎の老婆「はい、1000円でございます。」

小咲「え、こんなに大きな棺桶がたったの1000円なんですか!?」

謎の老婆「高いか安いかは、お客様次第でございます。」

小咲「うぅぅ………」

何故だかその時、私はその棺桶がとてつもなく欲しくなったのです。

小咲「うう………死ぬつもりで来たからお財布の中あまり入ってないや。あっ、そうだ!!」

小咲「お婆さん。今私あまりお金持ってなくて、足りない分はこの料理でいいですか?」

謎の老婆「…………………」

パクッ

謎の老婆「グワアァァァァァァーーーーーーッ!!!!」

ブクブク……バタッ!!

小咲「はわわわわわッ、おばあさんッ!?」

謎の老婆だったもの「…………………」
チーーーーン



小咲「ど、どうしよう………おばあさん死んじゃった!!この棺桶、貰ってもいいのかな。」

こうして私は、とりあえずその棺桶を持って自宅へと戻りました。


小咲「持って帰ってきたはいいけど、この棺桶、どうすればいいんだろうね。」



そもそも棺桶は亡くなった人を入れるためのもの。
私はこれから死ぬつもりでしたが、まだ生きてるためこの中に入っても意味がないし。
それに、一条君の亡骸を入れてあげたくても、一条君は死体すら残ってない。


小咲「あれ……、この棺桶、名前が書くところがある。」

せっかくなので私は、一条君の名前を書くことにしました。
一条君は死体すら残っておらず、お葬式も満足に挙げられなかったから、せめてこの棺桶に名前でも書いてあの世へと送ってあげることくらいしてもいいと思ったからです。

小咲「一条楽っと」カキカキ

すると、


棺桶ピカーーーン

ガタゴトガタ……!!

小咲「ひゃっ!!!な、なにぃ!?」

ガタガタガタ!!

小咲「か…棺桶が勝手に動いてる!?」


ガタゴトガタ……、キィーーーバタンッ



楽「うう…………あれ、ここは?」

小咲「い………一条君!!?」

楽「あれ、小野寺。てかここって小野寺の部屋…………どうしてここに!?確か俺は小野寺と千棘と俺の部屋で……」

ダキッ!!

小咲「一条くぅぅぅぅーーーーーーーんッ!!!!」

楽「うわぁぁッ、お、小野寺!?どうしたんだよ急に抱きついてきて////」

小咲「うえぇぇぇーーーーん、よかった。一条君にまた会えて、本当によかったよぉーーーーーー!!!」

楽「お、小野寺…………」




そう、あのおばあさんから貰った使えない棺桶の使えないとは、そこに名前を書かれた人は棺桶を使う必要がない、つまり死ななかったことになるという意味だったのです。
こうして私は、一条君とまた会うことができました。

一条君が復活して数年が経ちました。
学校が再開し私達2人は無事に卒業。卒業後は2人で和菓子屋おのでらを経営してます。小さなお店を2人で切り盛りする毎日、大好きな一条君……いえ、楽さんと毎日2人で力を合わせて頑張ってます。私は今、とても幸せです。

それから、ついでに言うと妹の春ですが一条君が蘇った嬉しさのあまり他のことを考えられず、放っておいたらいつの間にか死んでました。まあいいや。
あと舞子君ですが、交通事故に遭って死んじゃったそうです。まあいいや。
あとウチのお母さんとお父さんですが、楽さんと2人でお店をやりたいので追い出しました。
るりちゃんは、たまにお店の手伝いをしてくれてます。ちなみに今るりちゃんには風俗店で働く彼氏がいるようです。末長くお幸せにね!!



楽「さて、そろそろお店閉めようか小咲。」

小咲「ええ、そうしましょう楽さん。」



大好きな楽さんと2人で毎日楽しく生活してます。
私は今、とても幸せです。


楽「明日も頑張ろうな。これから生まれてくる俺たちの子のためにも///」

小咲「はい///」









END



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