-夜・is学園寮・ラウラとシャルの部屋-
ンモウ・・・ショウガナイナァ・・・
ラウラ「・・・・・・・・」
シャル「・・・ラウラ? 何見てるの?」
ラウラ「む? シャルロット」
ラウラ「いや、何・・・クラリッサから動画が送られてきたのでな」
ラウラ「日本文化を知る上で役に立つというのだ」
シャル「・・・アニメだね?」
ラウラ「うむ。 ・・・日本人の想像力というものは面白い」
シャル(ラウラの知識が偏っているのは、このせいか・・・)
翌日、私は シュバルツェア・レーゲンの調整の為、機密保持の観点から
is学園の敷地外で飛行を行っていた。
結果は良好で、どこにも問題は無かった。 私は本国にそのデータを送る。
もちろん三重のプロテクトをかけた、特別な暗号通信だ。
一連の作業を終え、私は気まぐれから 普段は足を踏み入れない
学園の裏にある雑木林に降り立った。
ラウラ「ふむ・・・たまにはいつもと違う場所に降り立つのも悪くない」
ラウラ「これも日本が治安の整った、法治国家であるからだな・・・」
ラウラ「地雷や突然の狙撃を心配しなくてもいい・・・ふふ・・・」
ラウラ「・・・む?」
ラウラ「・・・! こ、これは!?」
ラウラ「・・・・・・・・・・・・」 ゴクリ・・・
ラウラ「いや、待て待て! 私!」
ラウラ「いくらなんでも、アニメと現実の区別くらいはつける!」
ラウラ「こんな所に『も○もぼっくすぅ~』(似てない)があるわけがない!」
ラウラ「・・・・・・・・・・・」
ラウラ「・・・でも」
ラウラ「良く出来ているな・・・」
ラウラ「色といい質感といい」
ラウラ「少し時代を感じさせる内装といい・・・」
ラウラ「・・・・・・・・・・・」 ゴクッ・・・
ラウラ(・・・だ、誰も見てない・・・な?) キョロキョロ・・・
ラウラ(・・・・・・・・・・・)
ラウラ(ちょっ、ちょっとだけ・・・) ガチャ、キィ・・・パタン
ラウラ「・・・・・・」
ラウラ「もしも嫁が・・・じゃなくて」
ラウラ「もしも一夏が、私にぞっこんだったら!」
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリンッ!!
ラウラ「!!」
ラウラ(ほ、本当に鳴った!?)
ラウラ「あ、あわわっ・・・」 キィ・・・バタン!
ラウラ「・・・・・・・・・・・・」
ラウラ「・・・ま、まさか・・・な」
ラウラ「・・・・・・・・・・」
ラウラ(常識的に考えて、音が鳴るギミックが仕込まれていただけだろう・・・)
ラウラ(誰が・・・何のために・・・?)
ラウラ(・・・・・・・・・・・・)
ラウラ(・・・戻ろう) フウ・・・
-放課後・is学園寮・一夏の部屋付近-
コン コン
ラウラ「嫁よ、居るか?」
一夏「ん? ラウラか?」
ガチャ・・・
一夏「今日は、遅かったな?」 ニコ
ラウラ「・・・む? 遅い・・・とは?」
一夏「・・・? 何言ってるんだよ」
一夏「夏休みから、毎日の様に 俺の部屋に来てるじゃないか」
ラウラ「・・・!?」
一夏「どうしたんだ?」
ラウラ「い、いや・・・なんでもない」
ラウラ「は、入るぞ!」
一夏「ああ、どうぞ」 ニコ
ラウラ(・・・ど・・・どういう事だ?)
ラウラ(一体何が起きてる?)
ラウラ(そういえば、今日は すんなり部屋に入れてくれたし・・・)
ラウラ(・・・・・・)
ラウラ(まさか・・・)
ラウラ(本物・・・だったのか!?)
ラウラ(・・・・・・・・)
ラウラ(ということは・・・)
ラウラ(この一夏は・・・私にぞっこん・・・?)
ラウラ(・・・・・・・・) ///
ラウラ(・・・と、ともかく、もうしばらく様子を見よう) ///
一夏「ラウラ、麦茶でいいか?」
ラウラ「う、うむ。 それでいい」
一夏「おー」
ラウラ(・・・な、なんだか凄く自然だな・・・) ///
ラウラ(・・・・・・・・・・・)
ラウラ(・・・!)
ラウラ(あれは・・・!?)
ラウラ(・・・私の・・・私物だ)
ラウラ(しかも、こんなにたくさん・・・)
ラウラ(服に・・・下着・・・勉強道具は、教本を含めて全てある・・・)
ラウラ(・・・ほとんどここに住んでいるのか? 私は?)
一夏「ほら、ラウラ。 麦茶」
ラウラ「あ、ああ、すまない、一夏・・・」 ズズッ・・・
一夏「どうせ今日も泊まるんだろ?」
ラウラ「ぶふぉっ!?」
一夏「うわぁっ!?」
ラウラ「ゴホゴホッ・・・す、すまない・・・」 ///
ラウラ(よ、予測は出来たのに・・・) ///
一夏「どうしたんだ? ラウラ?」
ラウラ「な、なんでもない。 ちょっと咽せただけだ」
一夏「そうか? ・・・ならいいんだが」
ラウラ「・・・・・・・・・・」
ラウラ(落ち着け・・・) ///
ラウラ(こんな時だからこそ、落ち着くのだ!) ドキドキ ///
一夏「さて、そろそろ明日の予定を決めておくか?」
ラウラ「? ・・・明日の予定、とは?」
一夏「おいおい・・・そりゃないだろ。 冗談にしても笑えないよ」
一夏「デートに決まってるだろ? 俺とラウラの」
ラウラ「・・・・・・・・」
ラウラ「・・・えっ!?」 ///
一夏「・・・ラウラ、いい加減にしないと、本当に怒るぞ?」
ラウラ「!? す、すまない! い、色々あって、少し、失念していた!」
ラウラ「悪気はないんだ! ゆ、許してくれ!」 アセアセ ///
一夏「・・・まあ、確かにここ数日、忙しそうだったしな」
一夏「わかった。 許すよ」 ニコ
ラウラ「・・・ホッ」
一夏「それでだ、以前、行きたいって言ってた」
一夏「遊園地と動物園、どっちがいい?」
ラウラ「両方は無理なのか?」
一夏「ちょっと距離がありすぎる・・・」
ラウラ「そうか・・・」
ラウラ「・・・ふむ。 どちらかといえば、動物園に興味があるな」
一夏「よし、じゃあ動物園でいこう」
ラウラ(よ、よし! 嫁とデートだ!)
ラウラ(こんな事もあろうかと、クラリッサからデートにおける、服装についてのレクチャーも)
ラウラ(バッチリ受けている!) キラン☆
ラウラ(ふふふ・・・嫁よ、明日は最高の一日にしよう!) ///
一夏「そういや、そろそろ晩飯だな」
一夏「ラウラ、今日もこの部屋で食うか?」
ラウラ「・・・え?」
ラウラ(・・・? 食堂に行けばいいだけなのに・・・?)
ラウラ(だが、今、嫁は『今日も』と言った・・・)
ラウラ(・・・・・・・・・・)
ラウラ(・・・よくわからないが、さっきの事もある)
ラウラ(話を合わせておこう)
ラウラ「・・・ああ、もちろんだ。 ここで食べる」
一夏「だな。 じゃあ、もらって来てやるよ。 メニューは?」
ラウラ「まかせる」
一夏「おう、ちょっと待っててくれよ」
----------
ラウラ「ごちそうさま」
一夏「ごちそうさま」
一夏「食器は後で俺が返しておく」
一夏「置いておいてくれ」
ラウラ「・・・いいのか?」
一夏「ああ、千冬姉に用事があってな。 その時、ついでに返すから」
ラウラ「すまないな」 ニコ
一夏「構わないって。 後、眠くなったら先に休んでていいから」 ニコ
ラウラ「そうか。 わかった」
ラウラ「・・・・・・・・・」
ラウラ「シャワーでも浴びるか」
ラウラ「・・・そういえば、嫁はごく自然な感じで『泊まるか?』などと言っていたが」
ラウラ「ということは・・・夜は普通に一緒に寝ているはずだな」 ウムウム・・・
ラウラ「嫁のベッドを温めておこう」 フフフ・・・
※注 パジャマ着用した上で、です
-翌日・休日の朝・is学園寮・一夏の部屋-
一夏「おはよう、ラウラ」
ラウラ「・・・む」
ラウラ「う~ん・・・」
ラウラ「・・・!?」 ドキッ ///
一夏「? どうした?」
ラウラ「い、いや、なんでもない・・・」 ///
一夏「?」
ラウラ(お、おかしいな?)
ラウラ(前にも嫁とは、寝た仲なのに・・・) ///
ラウラ(嫁の優しい声と笑顔が間近にあって・・・なぜか恥ずかしかった) ///
一夏「どうしたんだよ、ラウラ?」
一夏「いつもは お前の方が俺を離さないのに」 クスッ
ラウラ「~~~~!!」 ///
ラウラ「そ、そろそろ起きよう!」 ///
一夏「そうだな」 クスッ
-同・モノレールis学園前駅前-
ラウラ「嫁よ! 待たせたな!」
一夏「おう」
ラウラ「・・・・・・」 ドキドキ ///
一夏「うん、スカートも良いな、ラウラ」
一夏「可愛いよ」 ニコ
ラウラ「・・・!」 ///
ラウラ「そ、そうか! 嬉しいぞ! 一夏!」 ///
ラウラ(クラリッサ・・・お前の見立て通り 『普段とは違う、ギャップ要素』 は) ///
ラウラ(一夏に好印象を与えたぞ!) ///
一夏(ラウラは、何を着ても似合うな~) ///
-午前中・動物園-
ラウラ「着いた!」 キラキラ☆
一夏「着いたな」 クスッ
ラウラ「先ずは、何処へ行くのだ?」
一夏「そうだな・・・、ラウラはどんな動物が見たい?」
ラウラ「う~む・・・」
ラウラ「可愛い動物が良いな!」
一夏「可愛い動物か・・・」 パンフ オープン
一夏「・・・じゃあ、ここかな?」
ラウラ「うわぁ・・・可愛い」 キラキラ☆
一夏「ふふ、とりあえず、リスな」
ラウラ「なんという名のリスだ?」
一夏「え~っと・・・ミケリスって名前だ」
一夏「マレー半島等に生息するリスで・・・」
一夏「その名の通り、三色の綺麗な毛並みが特徴だって」
ラウラ「うむ! 確かに綺麗な毛並みだ!」
一夏「フフフ・・・」 ニコ
一夏「じゃあ、次はこれ」
ラウラ「・・・? あの穴は何だ?」
ラウラ「・・・!?」
ラウラ「い、一夏! 何かが顔を出したぞ!」
一夏「可愛いだろ?」
ラウラ「・・・おお・・・」
ラウラ「よく見ると、愛嬌のある顔をしているな・・・」
ラウラ「うむ、可愛いぞ、一夏!」
一夏「ハハハ・・・」
ラウラ「プレーリードッグと言うのか」
一夏「ああ」
一夏「北アメリカ中部に生息している動物だって」
ラウラ「ふむ・・・。 なぜ『ドッグ』などと付いているのだろう?」
ラウラ「どう見ても大きめのネズミか、リスにしか見えないが・・・」
一夏「ええと・・・。 パンフにも書いてないな」
一夏「言われてみると、なんでだろう?」
ラウラ「学園に帰ったら調べてみよう!」
一夏「そうだな」 クスッ
一夏「さて、可愛いもののトリは、これだ!」
ラウラ「おお・・・」 キラキラ☆
一夏「フフフ・・・どうだ? ラウラ?」
ラウラ「一夏め・・・策士だな・・・」
ラウラ「だが、嬉しいぞ!」
ラウラ「ウサギは、我が部隊名でもあるからな!」
一夏「そんなラウラさんに、耳よりな情報が有ります」
ラウラ「?」
一夏「なんと、このウサギ達を触ることが出来ちゃいます!」
ラウラ「な、なんだと!?」
ラウラ「はわわ・・・」 ///
一夏「ちゃんと飼育員さんの言う通り、優しく触るんだぞ?」
ラウラ「わ、わかっている!」 ///
ラウラ「おお・・・部隊名のシュバルツェア・ハーゼ(黒ウサギ)までいるではないか・・・」 ///
ラウラ「よしよし・・・お前も可愛いぞ~」 二ヘラ~ ///
一夏(俺は・・・ウサギをナデナデするラウラを ナデナデしたい・・・) ///
----------
ラウラ「すまん・・・つい時間を忘れてしまった」
一夏「ふふ・・・別にいいって」
一夏「ラウラの可愛いお腹の虫の声を聞けたし」 クスッ
ラウラ「い、言うな・・・」 ///
一夏「ハハハ、じゃあ、昼飯にするか?」
ラウラ「うむ!」
ラウラ「どうした? 嫁よ?」
一夏「・・・すまん、ラウラ。 ミスった・・・」
ラウラ「・・・?」
一夏「園内に飲食店が無い・・・」
一夏「一度、園から出て、外で飯屋を探さないと・・・」 シュン・・・
ラウラ「・・・! そうか・・・」
ラウラ「いや・・・気にするな、一夏」
ラウラ「この程度のミスなど、私は気にならないぞ?」 ニコ
一夏「ラウラ・・・。 ありがとう」
-正午・モノレール○○駅・駅前レストラン-
ガヤ ガヤ・・・
ラウラ「凄い混みようだな・・・」
一夏「飯時だからな・・・」
ラウラ「む・・・、一夏、あそこが空きそうだぞ?」
一夏「どれどれ・・・?」
一夏「ああ・・・あれは遠慮しておこう」
ラウラ「?・・・なぜだ?」
一夏「あれは、大人数用のテーブル席だ・・・」
一夏「家族連れの皆さんに譲ってあげよう」
ラウラ「・・・しかし」
一夏「ふふ・・・子供って、なかなか融通が利かないからな」
一夏「親御さんの負担を考えてあげよう?」
ラウラ「むう・・・」
----------
ラウラ「やっと座れた・・・」 フウ・・・
一夏「お疲れ様」 クスッ
ラウラ「さて、何を食べるかな?」
一夏「俺は、ラーメンセットにしよう」
ラウラ「・・・むー、私はスパゲティにするかな」
ラウラ「ふむ・・・まあまあだな」 モグモグ
一夏「俺のも まあまあだな」 モグモグ
一夏・ラウラ(正直・・・学園の方が美味い・・・)
アリガトウ ゴザイマシター
一夏「さて、この後どうしようか?」
一夏「もう一度、動物園に行くか?」
ラウラ「ふむ・・・」
ラウラ「いや、動物園は また今度にしよう」
一夏「そうか・・・じゃあ、どうする?」
ラウラ「そうだな・・・」 ウ~ム・・・
ラウラ「ショッピングなんてどうだろう?」
一夏「ショッピングか・・・。 よし、決まりだな」
一夏「ところで、何を買うつもりなんだ?」
ラウラ「クラリッサに頼まれたものと、私好みの小物でも買おうかと」
一夏(・・・不吉な名前を聞いた様な)
一夏「じゃ、じゃあ行くか!」
すみません。 今回は三点リーダー勘弁してください。
次回から反映しますので。
-午後・某電気街-
一夏「」
ラウラ「? どうした? 嫁よ?」
一夏「い、いや、なんでもない・・・」
一夏(不吉な予感が当たってしまったか・・・)
ラウラ「?」
-同・本屋ホール オブ タイガー -
ラウラ「ふむ・・・これか」 バサッ
ラウラ「おっと、これもだな」 バサッ バサッ
一夏「・・・・・・・・・」
一夏(・・・blコーナー?)
一夏(・・・blってなんだろう?)
チーン☆ アリガトウ ゴザイマシター
ラウラ「よし、クラリッサの物は、これくらいでいいだろう」
一夏「・・・えっと、それ、随分薄い本だけど、結構高いな?」
ラウラ「クラリッサが言うには、それだけの価値があるのだそうだ」
一夏「ふうん・・・」
ラウラ「さて・・・後は、これをドイツに送る手続きをして・・・と」 カキカキ・・・
一夏(・・・手馴れてるなぁ。 これまでにも やってたっぽい)
ラウラ「待たせたな、次はこっちだ」
一夏「おう」
-同・ファンシーショップ-
一夏「へえ・・・こんな店があるのか・・・」
ラウラ「ああ、以前、シャルロットに教えてもらった」
ラウラ「ふふ・・・実は、普段から世話になっているシャルロットに」
ラウラ「何かプレゼントしたくてな」 ニコ
一夏「そうか。 それはいいことだな」 ニコ
一夏(ラウラ、仲直りしたんだな・・・)
ラウラ「しかし・・・何を選ぶかな?」
一夏「う~ん・・・難しいな」
一夏「ラウラ、これなんてどうだろう?」
ラウラ「手のひらサイズのぬいぐるみか。 悪くないな」
ラウラ「だが、シャルロットの好みでは ない気がする・・・」
一夏「そっか・・・」
ラウラ「シャルロットは、可愛い物は好きだが・・・」
ラウラ「それでいて実用度の高いものを 好んでいると思うのだ」
一夏「ああ・・・確かに。 わかる気がする」 ウンウン・・・
一夏「・・・だったら、こんなのはどうかな?」
ラウラ「ほう・・・小物入れか」
ラウラ「デザインも可愛いし・・・うん、これでいこう!」
一夏「おっと・・・気に入ったなら、もう一つどうだ?」
ラウラ「む? いや、いくらなんでも一つで十分だと思うが?」
一夏「もう一つは、ラウラの分だよ」
一夏「シャルロットとお揃いで・・・というのは、どうかな?」 ニコ
ラウラ「!!」
ラウラ「ああ・・・! いいな、それは!」 キラキラ☆
ラウラ「ぜひ、そうしよう!」 ニコ
アリガトウ ゴザイマシター
ラウラ「一夏、今日は楽しかったぞ!」
一夏「それは何より」 クス
一夏「途中ミスったから、あせったけどな・・・」 ハハ・・・
ラウラ「いや・・・それもまた楽しいハプニングだった」 クス
一夏「・・・・・・・・・・」
一夏「ラウラ・・・」
ラウラ「うむ?」
一夏「少し歩かないか?」
ラウラ「ああ・・・いいぞ」 ニコ
-夕方・どこかの街角-
ラウラ「この辺りは、初めて歩くな」
一夏「そうか。 実を言うと俺もそう」 クスッ
ラウラ「ふふ、ちょっとした探索だな」 クスッ
一夏「お? ここは・・・公園か?」
ラウラ「・・・? わざわざ石垣を積み上げて作ったのか?」
一夏「いや・・・。 だぶん城の跡だよ」
一夏「戦争なんかで焼けた 城蹟を改装して、公園にしているんだと思う」
ラウラ「ふむ・・・行ってみたいな」
一夏「ああ、構わないぞ」
一夏「思ったより小さいな」
ラウラ「私も考えていた物とは、随分違ってる」
ラウラ「城跡、というのだから、錆び付いた大砲とかあるのかと・・・」
一夏「ヨーロッパとは、設計思想が違うからな」 ハハ・・・
ラウラ「どう見ても・・・普通の公園だ」 キイ・・・(ブランコに着席)
一夏「・・・・・・・・・・」
ラウラ「・・・?」
ラウラ「一夏?」
一夏「ん?」
ラウラ「私の顔に、何か付いているのか?」
一夏「いいや」 クスッ
一夏「・・・ラウラに見とれてた」 ニコ///
ラウラ「・・・!」 ドキッ ///
・・・不意打ちだった。 その言葉で思わず動きを止めてしまった 私の唇に・・・
一夏が・・・優しく触れた。
何が起こったのか・・・それを理解するのに数秒かかってしまう私。
全身の力が・・・抜ける・・・。
私は、静かに目を閉じ、一夏の思うままに自分の身を任せた。
なんだろう・・・? 一夏を、嫁と宣言した、あの日・・・私が一夏にしたそれとは
まるで違うではないか・・・。
何が違う? どこが違う?
ああ・・・。 そうか・・・。 違うんだ。
一夏が・・・私にしてくれている。 そして、私もそれを望んでいる。
だから、違うんだ。
こんなにも・・・違うんだ・・・。 こんなにも・・・。
ラウラ「・・・・・・・・・」 ///
一夏「・・・・・・・・・」 ///
ラウラ「・・・きょ、今日は、ふ、不意打ちが、お、多いな・・・」 ///
ラウラ「で、でも、・・・き、嫌いじゃないぞ・・・うん」 ///
一夏「そ、そうか・・・」 ///
一夏「・・・その、この続きは、帰ってからしような?」 ///
ラウラ「・・・? 続き?」 キョトン
一夏「」
一夏「・・・えっと、また今度に訂正するな・・・」 クスン・・・
ラウラ「?」
ラウラ「・・・さて、日も落ちてきた。 そろそろ帰るか」
一夏「そうだな」 クスッ
ピピピ・・・ピピピ・・・
ラウラ「む・・・。 携帯・・・?」
ラウラ「!・・・情報端末の方か・・・」
一夏「? どうした? ラウラ?」
ラウラ「・・・すまない、一夏。 先に帰っていてくれ」
ラウラ「この端末からの連絡は、機密情報が含まれる・・・」
ラウラ「おそらく、is関連の事だろう」
一夏「・・・そうか。 わかった、大変だな」
一夏「じゃあ、夕食を部屋に運んで待っているから」 ニコ
ラウラ「ああ、楽しみにしている」 ニコ
ラウラ「・・・さて、いったい何だ? 定時連絡は済ませたはずだし・・・」 ピッ
ラウラ「・・・・・・? 暗号化されているな。 発信元は・・・」
ラウラ「シュバルツェア・ハーゼ・・・クラリッサからか?」 ピピ・・・ピ・・・
ラウラ「・・・・・・・・・・」
ラウラ(・・・送られた画像の編集作業を終了しました)
ラウラ(隊長のご武運を祈ります・・・?)
ラウラ(・・・・・・・・・・?) ピピピ・・・(暗号解除)
ラウラ(・・・・・・シャルロットだ)
私は自分の目を疑った。 その画像は・・・私の持ち物を破損させる
シャルロットが映し出されていたからだ・・・。
いや・・・シャルロットだけではない。 セシリアや箒、鈴・・・
そしてクラスメイトや、顔も知らない女生徒までが、それを行っていた・・・。
ラウラ(・・・・・・・・・・・) ブルブル・・・
ラウラ(・・・なんだ・・・これは・・・) ブルブル・・・
ラウラ(何が・・・起こっている?) ブルブル・・・
ラウラ(・・・・・・・・・・) ・・・ハッ!?
ラウラ(い、いや、落ち着け・・・)
ラウラ(ここは、この世界は・・・あの もし○ボックスで作られた世界なのだ)
ラウラ(・・・・・・・・・・・)
ラウラ(だとしても・・・気になるな)
ラウラ(こっちの私は、なぜこんな目にあうのだ?)
ラウラ(・・・クラリッサに聞いてみるか?)
ラウラ(・・・いや)
ラウラ(命令を出した私が、その詳細を聞くのは 不自然すぎる)
ラウラ(私の状況を説明しても信じてくれないだろうし・・・)
ラウラ(・・・・・・・・・)
ラウラ(・・・! そうだ!)
ラウラ(私の個人日誌なら・・・何か掴めるかもしれない!) ピピピ・・・
ラウラ(・・・よし、アクセスできた!)
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「今日、私は日本のis学園に転入したが・・・」
端末「極めて軽い内容の くだらない教育機関であると再認識した」
端末「そして・・・教官の弟・・・」
端末「あんな間の抜けた、クズ人間が 教官に汚点を残す結果を与えたのは」
端末「やはり許せない・・・!」
ラウラ(・・・・・・・・・・・・・・・)
ラウラ(・・・今見ると・・・恥ずかしいな) ///
ラウラ(す、少し飛ばそう・・・) ///
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「私は・・・笑った」
端末「理由は不明だ・・・」
端末「だが・・・実に気持ちが良かった」
端末「・・・・・・・・・」
端末「それと、教官の弟・・・」 ///
端末「この気持ちの正体も気になる所だ」 ///
端末「後でクラリッサに相談してみよう・・・」 ///
ラウラ「・・・・・・・・」 ///
ラウラ(もう少し先だな・・・) ///
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「福音事件は、なんとか幕を閉じたが・・・」
端末「嫁は、自分の不甲斐なさを恥じている様だった・・・」
端末「私は、一夏の傍らに居て、それを聞きながら優しく抱きしめてやった」
端末「・・・喜んでくれたかどうか わからないが、他の4人に邪魔をされ」
端末「それ以上の進展は無かった・・・。 残念だ」
ラウラ(・・・む?)
ラウラ(私の方は、箒といい雰囲気なってたから)
ラウラ(私達がそれを邪魔したのだが・・・)
ラウラ(・・・この辺りから私の世界と違う様だな)
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「夏休みに入って自由な時間が増えた」
端末「一夏は、実家に戻っているので、そこを訪ねようと計画している」
端末「服装は、シャルロットと買い物に行って選んだものを装備」
端末「嫁は・・・喜んでくれるだろうか?」
端末「結果が良好であることを祈る」
ラウラ「・・・・・・・・・・」
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「日本の「まつり」というものに参加した」
端末「・・・いつものメンバーと一緒であるが」
端末「それに、私以外は 日本の民族衣装を身にまとっていた」
端末「シャルロットの話では、箒の計らいで急遽決まったとか・・・」
端末「少々、疎外感はあったが、そんな私を嫁は気遣ってくれた」
端末「私にとって、いい結果となった」 クスッ
ラウラ「・・・・・・・・・」 クスッ
端末「・・・こ、個人日誌 私的記録」 ///
ラウラ「・・・?」
端末「お、驚きの出来事が・・・起きた」 ///
端末「嫁が・・・、一夏が・・・、」 ///
端末「私を、一番好きだと、言ってくれた!」 ///
ラウラ「・・・!?」 ドキ ///
端末「クラリッサも『おめでとう』と言ってくれた!」 ///
端末「これで・・・リア充だと・・・いちゃらぶできると・・・」 ///
端末「意味はわからないが、どうも楽しいことらしい。 楽しみだ」 ///
ラウラ(私も知らない単語だな・・・?)
ラウラ(それはともかく、うらやましい・・・)
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「あれから、充実した日々を送っている・・・」
端末「私が部屋に来ても、泊まり込んでも・・・」
端末「嫁は快く迎えてくれている」 ///
端末「ただ・・・、一つ条件を出された」
端末「ベッドでは、必ずパジャマを着用して欲しいとの事だった」
端末「どうしてか聞いてみたが、答えてくれなかった」
端末「だが、他ならぬ嫁の頼みだ。 おとなしく聞き入れる事にする」
ラウラ(・・・そういえば、どうしてなのかな?)
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「・・・・・・・・・・・・」
端末「・・・・・・・・・・・・」
ラウラ(・・・? どうしたんだ? 随分雰囲気が暗いな・・・?)
端末「・・・シャルロットが、口をきいてくれない」
ラウラ(!?)
端末「原因は・・・私だろう・・・」
端末「うかつだった・・・」
端末「一夏に好意を抱いていた事は・・・それなりに分かっていたのに」
端末「私は・・・配慮を怠った」
ラウラ(・・・・・・・・・・)
端末「他の3人も同様かもしれない」
端末「・・・遅きに失したが、一夏の部屋に行く事を控える事にする」
端末「・・・これで、関係の改善を図れればいいが」
端末「・・・・・・・・・・・」
端末「とにかく、様子を見ることにする」
ラウラ(・・・・・・・・・・)
ラウラ(雲行きが怪しくなった来た・・・)
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「・・・相変わらず、シャルロットとの会話は無い」
端末「そして・・・恐れていた事が現実になった」
端末「他の3人も同様の態度を取るように・・・」
端末「・・・・・・・・」
端末「うっ・・・・・・ぐすっ・・・・ひっく・・・・・・」
ラウラ(・・・・・・・・・・・)
端末「・・・もう、関係の修復は・・・無理かもしれない」
端末「いくら謝罪しても・・・、『一夏と別れる』事以外・・・」
端末「受け入れられないの一点張りだ」
ラウラ(・・・・・・・・・・)
端末「でも・・・それは・・・出来無い」
端末「私にとって一夏は、大切な存在なのだから」
ラウラ(・・・・・・・・・・)
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「・・・・・・・・・最悪な気分だ」
ラウラ(・・・・・・・・・・)
端末「今日から新学期が始まり、私は気の重いまま登校すると」
端末「シャルロットから『おはよう』と声をかけられた・・・」
端末「他の3人もぎこちないながらも、同様だった」
ラウラ(・・・? 喜ばしい事ではないのか?)
端末「その時は・・・訳がわからないながらも 嬉しく思ったが・・・」
端末「理由が判明した」
端末「一夏の前では・・・そうしている、というだけだった・・・」
ラウラ(・・・!!)
端末「・・・・・・・・・」
端末「どうすればいいのか・・・わからない」
端末「かと言って・・・誰かに相談しにくい内容だ」
端末「・・・もう少し考えてみることにする」
ラウラ(・・・・・・・・・・・)
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「最近・・・私の持ち物がよく無くなる・・・」
端末「・・・・・・・・・・・」
端末「・・・おそらく、そうなのだろう」
端末「・・・・・・・・・・・」
端末「かなり迷ったが・・・」
端末「一夏に・・・打ち明けてみようと思う」
ラウラ(!!)
端末「私は、もう・・・自力の関係改善は不可能と判断する」
端末「・・・・・・・・・・・」
端末「多少なりとも、好転すればいいのだが・・・」
端末「・・・・・・・・・・・」
端末「シャルロット・・・」
ラウラ(・・・・・・・・・・)
ラウラ(なんとなく、わかってきた・・・)
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「一夏は、私の話を聞いてくれたが・・・完全に信じて いないみたいだ」
端末「それでも、シャルロット達に注意してくれた」
端末「・・・・・・・・・・・・」
端末「一抹の不安はあるが・・・」
端末「これで、何とかなってくれる事を切に願う」
ラウラ(・・・・・・・・・・・)
端末「・・・個人日誌 私的記録」
ラウラ(・・・・・・・・・・・)
端末「・・・・・・状況は悪化した」
ラウラ(・・・!!)
端末「・・・4人だけでは無い。 なぜか、他の生徒も私に対して」
端末「同様の態度をとるようになった・・・」
端末「・・・・・・・・・・・・」
端末「私は・・・孤立した」
ラウラ(・・・・・・・・・・・)
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「私は、本日この時を持って・・・」
端末「4人を主犯格とし、周りすべてを『敵』として認識する」
ラウラ(・・・・・・!!)
端末「先ずは証拠集めと、拠点の移動だ」
端末「拠点は、一夏の部屋に 転がり込むことを考えている」
端末「後は、小型カメラの要所要所での配置・・・」
端末「クラリッサに協力を仰ぎ、カメラは数日で届くよう手配した」
端末「設置に多少の時間がかかるが・・・」
端末「面倒でも一人でやる」
端末「一人で戦う・・・!」
ラウラ(・・・・・・・・・・)
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「カメラの設置は完了」
端末「今は情報収集中だが・・・もうすでに何人か網にかかってる」
端末「・・・・・・・・・・」
端末「・・・・・・・・・・」
端末「・・・・・・く・・・ふふふ・・・」
ラウラ(・・・!?)
端末「アハハハハハハハハッ・・・」
ラウラ(・・・・・・・・・)
端末「・・・私は、何をした?」
端末「私がお前達に何かしたのか?」
端末「どうして、私がこんな目に遭わなければならない?」
端末「どうしてこんな事になったのだ!?」
端末「く・・・ふふふ・・・」
端末「ぐ・・・・・・・ううっ・・・・・・ひっく」
ラウラ(・・・・・・・・・・・)
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「データ収集は完了した」
端末「クラリッサに編集作業を依頼している・・・」
端末「・・・・・・・・・・」
端末「彼女は何も言わず、引き受けてくれた」
端末「本当にできた副官だ・・・」 クスッ・・・
ラウラ(・・・・・・・・・・)
端末「・・・個人日誌 私的記録」
端末「今日・・・久しぶりに 私とシャルロットの部屋を・・・」
端末「訪ねてみた」
ラウラ(・・・・・・・・・・)
端末「・・・多少驚いた表情を見せたが、すぐいつもの無言の態度になる」
端末「私は、例の動画の一部を見せた」
端末「・・・見る見る内に表情を変えるシャルロット」
端末「・・・・・・・・・・・」
ラウラ(・・・・・・・・・・)
端末「私は、週明けにもこれを教官に提出するつもりである事」
端末「また、マスターデータは、ドイツ本国に保存している事を伝えた」
ラウラ(・・・・・・・・・・)
端末「・・・・・・私は、なぜ、こんな事をしたのだろう」
端末「シャルロットに恐怖感を与えたかった?」
端末「シャルロットに優位性を誇示したかった?」
端末「・・・・・・・・・・・・」
端末「それとも」
端末「シャルロットに謝って欲しかったのか?」
ラウラ(・・・・・・・・・・)
端末「・・・答えは出ない」
端末「・・・個人日誌 私的記録 補足」
端末「今の私にとって、一夏の存在は大きい・・・」
端末「夜、眠る時も、朝、目が覚めた時も」
端末「・・・傍に居てくれるだけで、安心できる」
端末「私は・・・一夏に出会えた事を」
端末「幸せに思う」
ラウラ(・・・・・・・・・・)
-夜・is学園裏の雑木林-
ラウラ(・・・・・・・・・・) テク テク
ラウラ(・・・・・・・・・・) テク テク
ラウラ(・・・あった!)
ラウラ(・・・・・・) ガチャ・・・キィ・・・パタン
ラウラ(・・・・・・どうしてこうなった・・・か)
ラウラ(・・・あれは、確かに私の理想の一夏だ)
ラウラ(・・・・・・・・・・・・)
ラウラ(でも・・・)
ラウラ(こんな状況は・・・)
ラウラ(こんな世界は・・・)
ラウラ(望んでいない)
ラウラ(・・・・・・)
ラウラ(私も・・・)
ラウラ(気を付けなければな)
私は、意を決して、受話器を手に取った。
ラウラ「元の世界に・・・戻れ!!」
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリンッ!!
ラウラ「シュバルツェア・レーゲン!!」 スウウウウウウンッ!!
isを展開した私は、も○もボックスを持ち上げると、湖の中央に持ってゆき
それを勢いよく放り投げた。
ラウラ「キャノン砲!!」 ダンッ!
ドォォォォンッ!
爆発し、四散する ○しもボックス・・・。 それは、そのまま湖面に消えていった。
ラウラ(これでいい・・・)
ラウラ(あれは・・・存在しては いけないものだ・・・)
少し休憩します。 良ければ、支援願います。
④
もちろん千冬ルートもあるよな
-同・is学園寮・シャルとラウラの部屋-
シャル「あ、ラウラ、お帰り」
ラウラ「・・・ただいま」
ラウラ「・・・・・・・・・・」
シャル「・・・? どうしたの?」
ラウラ「・・・・・・・・・・」
ギュッ・・・
シャル「!?」
ラウラ「・・・・・・・・」 ブルブル・・・
シャル「・・・・・・・・」
シャル(・・・震えてる)
ラウラ「うっ・・・ぐすっ・・・・ひっく」
シャル(何か・・・怖い目にあったのかな・・・?)
シャル「・・・・・・・・・・・」 ギュッ・・・
シャル「・・・大丈夫だからね、ラウラ」
ラウラ「・・・・・・うん」
シャル「・・・・・・落ち着いた?」
ラウラ「・・・・・・・・」 コクッ・・・
シャル「・・・・・・・・・」
シャル「ご飯は、もう食べた?」
ラウラ「・・・あ」
ラウラ「そういえば・・・忘れていた・・・」
シャル「そっか・・・じゃあ、何か買ってくるよ」
シャル「ちょうどボクも小腹が空いたし」 クスッ
シャル「ええと・・・パンとかでいい?」
ラウラ「ああ・・・」
シャル「じゃ、ちょっと待っててね」
----------
シャル「ごちそうさま」
ラウラ「・・・ごちそうさま」
ラウラ「・・・・・・・・」
ラウラ「・・・・・・・・」
ラウラ「・・・シャルロット」
シャル「うん?」
ラウラ「くだらない、と、思われるかもしれないが」
ラウラ「話を聞いてくれるか?」
シャル「いいよ」 ニコ
ラウラ「・・・クラリッサに頼まれた『manga』をつい読んでしまってな」
シャル(・・・ど、どんな話になるの・・・?)
シャル「そ、それで・・・?」
ラウラ「その中の一冊に・・・こんな内容の学園物語があった」
ラウラ「・・・1人の男子生徒を5人の女生徒で取り合う、という物だった」
シャル「・・・・・・・・うん」
ラウラ「ある日、女生徒の1人が、渦中の男子生徒と結ばれるのだが」
ラウラ「他の4人の女生徒は、それを良しとしなかった」
シャル「・・・・・・・・」
ラウラ「結ばれた女生徒は、それからしばらくして・・・」
ラウラ「言われのない精神的虐待を 強いられるように・・・」
シャル「・・・・・・・・」
ラウラ「私は・・・怖くなった」
ラウラ「私も一夏と結ばれたら、こんな目にあうのだろうか?」
ラウラ「逆に・・・他の誰かが一夏と結ばれたら・・・」
ラウラ「私は、こんな陰湿な行為を する様になるのだろうか?」
ラウラ「考えれば考えるほど・・・恐ろしくなって・・・」 グスッ・・・
シャル「・・・・・・・・・」
シャル「・・・そのお話は、最後にどうなったの?」
ラウラ「わからない・・・。 途中で読むのを止めたから・・・」
ラウラ「話の筋からして、ハッピーエンドになるとは 思えなかったしな・・・」
シャル「そっか・・・」
シャル「・・・・・・・・・」
シャル「難しい事だね・・・」
シャル「先の事なんて誰にもわからないし」
ラウラ「・・・・・・・・・・」
シャル「でも・・・」
シャル「考えだしたらキリがないよ・・・たぶん」
シャル「人と人の繋がりは、いろんな要素や状況が絡んでくる・・・」
シャル「そんな中で正しい選択だけを・・・」
シャル「みんな傷つかないで済む選択だけをするなんて、誰にも出来ないと思うな」
ラウラ「・・・・・・そうか」
シャル「だけどね・・・」
ラウラ「・・・?」
シャル「ボクは、ラウラが こうやって話してくれた事・・・嬉しく思ってるよ」 ニコ
ラウラ「・・・シャルロット」
シャル「ボクも・・・その『manga』の登場人物みたいには、なりたくない」
シャル「それだけは、言える」
シャル「それだけは、確かだから」 クスッ
ラウラ「・・・そうか」
ラウラ「・・・そうだな」 クスッ
-翌日・昼休み・屋上-
鈴「お待たせ!」
シャル「あっ、鈴。 ふふ、いらっしゃい」
セシリア「それでは、食べましょうか? みなさん」
箒「うむ、そうだな」
ラウラ「いただこう」
鈴「それにしても何? 突然、一夏抜きで集まろうって?」
シャル「深い意味はないよ。 たまには、女の子同士でって思っただけ」
セシリア「まあ、たまにはいいですわね。 こういうのも」
箒「・・・不思議と落ち着くな」 クスッ
ラウラ「一夏が居ると・・・出来無い話もあるし」
鈴「へえ? 例えば?」
ラウラ「そうだな・・・生理用品の優劣とか」
鈴「・・・それは、確かにそうね」 ///
シャル「他にもあるよ? 服の好みとか」
箒「・・・? 別に一夏が居ても問題ないじゃないか?」
シャル「でも・・・それだと多分、一夏好みの服ばっかりになると思うな」
セシリア「ああ・・・なるほど。 必然的にそうなりそうですわ」
ラウラ「鈴は、どんな私服を持っているのだ?」
鈴「い、いきなり あたしに振らないでよ・・・」
鈴「そうね・・・今の時期なら、ショートパンツに tシャツが多いかな・・・」
ラウラ「鈴らしいな」 クスッ
セシリア「uvケアは、ちゃんとしてますの?」
鈴「あったり前じゃない! シミになったらどーすんのよ!」
シャル「紫外線は怖いよね~」 クスッ
箒「女の常識だな」 ウンウン・・・
ラウラ(・・・そうか皆は、ナノマシン無しだったな)
鈴「セシリアの私服は派手そうね~」 ニヤニヤ
セシリア「鈴さん・・・? なんだか引っかかる言い方ですわね?」 ピクピク
セシリア「誰かさんと違って、肌を直接出さない様に気を付けているだけですわ」 フフン
鈴「・・・あんたこそ突っかかる言い方してんじゃないわよ」 イラッ・・・
シャル「二人共喧嘩しちゃダメだよ」 クスッ
シャル「それよりさ、どこかで・・・みんなで遊ばない?」
箒「遊ぶ? ボウリングとかか?」
鈴「あたしは、カラオケがいい!」
セシリア「ふふ、面白そうですわね」
ラウラ「うむ! 異論は無い!」
ハハハ・・・
-同日・夜・is学園・屋上-
ラウラ「・・・・・・・・・」 カチャ・・・ピ・・・ピピ・・・
ラウラ「・・・個人日誌 私的記録」
ラウラ「実に・・・不思議な体験だった」
ラウラ「どうして学園裏の雑木林に も○もボックスが実在したのか」
ラウラ「わかるわけもないが・・・」 クスッ・・・
ラウラ「私は、可能性の未来を見たのではないかと思う」
ラウラ「・・・まさに、理想の一夏だった」
ラウラ「だが・・・彼を独り占めする事で、どのような結果になるか・・・」
ラウラ「極端ではあるが、いい実例、と言えるモノだった」
ラウラ「・・・シャルロットの言う通り、これから先の事など わからない」
ラウラ「彼女と他の3人との友人関係を保ちつつ、一夏と結ばれるなど」
ラウラ「不可能かもしれない」
ラウラ「・・・・・・・・・」
ラウラ「でも・・・」
ラウラ「まだ・・・そうなると決まったわけでもない」 クスッ
ラウラ「いずれにしても、これからなのだ」
ラウラ「・・・補足として」
ラウラ「あの世界で受信したデータは、無くなっていた」
ラウラ「どの道、消すつもりだったから構わないのだが・・・」
ラウラ「なぜか、買ったものは 手元に残っている」
ラウラ「これだけが・・・唯一の証拠と言えるが」
ラウラ「誰も信じてくれないだろう」 クスッ
ラウラ「・・・・・・・・・」 ピピ・・・ピ・・・ピピ・・・ピ・・・
ラウラ「・・・これでよし・・・と」
ラウラ「さて・・・そろそろ消灯時間だな」 スッ・・・ テク テク テク・・・
その証拠は今、私とシャルロットの部屋の机の上で、仲良く並べられていた。
おしまい
皆さん、お疲れ様でした。 ラウラ編、終了です。
書いている方 としては、ラウラが『ラブラブデート』している絵が浮かび辛く
>>1にとって凄い強敵でした。ラビッ党員の皆様、喜んでいただけたら幸いです。
後、セシリア編も書いていますけど、相当難産になりそうです…。
気長に待っていてください。
最後に、いつもながら支援してくださった方々、ありがとうございました。
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