提督「つーわけで、提督辞めるんで俺」
アーチャー「は?」
提督「あとよろしくねー正義の味方さん?」
ノシ。
アーチャー「いや、ちょ、呼んでいきなり何を言って、」
金剛「て、てーとくぅ?帰ってっ…」
金剛「あ、あなた誰デスカ?」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1433254067
すいません、なぜか2つできました。
片方消すように申請します
日常をのんびりやりたいです
アーチャー「……ア、アーチャーだ、よろしく頼む」
金剛「archer?えっ…と」
金剛「…あ、提督の手紙!?」
アーチャー「ん?ああ、さっき渡されたこれか?」
金剛「Yes!ちょっと貸してクダサイ!」
アーチャー「あ、ああ」
金剛「…………」
アーチャー「…………?」
金剛「……」ギリッ
アーチャー「…あー、その、どうしたんだ?」
くるっ
金剛「鎮守府にようこそデース!!」
アーチャー「は?」
似たようなのあるんですか?
すみません、わかりませんでした
削除依頼したほうがいいですか?
あー、とりあえずヒッソリとやる予定だったんで
下げながら続けます。
アーチャー「すまない、意味が」
金剛「今日から配属されたrookieな提督デスネ?私は英国で建造された帰国子女の金剛デース!」
アーチャー「いや、だからそうでなくててだな」
金剛「why?ど、ドウシマシタカー?」
アーチャー「はぁ…すまない、まず私に与え…いや知らされてる情報と色々齟齬が発生していてな」
金剛「齟齬、デスカ…?」
アーチャー「ああ、だから少々情報を整理させてくれ」
アーチャー「えーと、そうだな、まず今回私を呼んだのは君の、その、提督…でいいんだな?」
金剛「Yes!」
アーチャー「召喚理由は〝人類に害する深海棲艦と呼ばれる者達の殲滅〟で良いのだろうか?…あー、これ情報ミスか?その深海棲艦なるモンスターは実在するのか?」
金剛「why!?て、てーとくが倒すんですか?深海棲艦を?」
アーチャー「その反応から察するに実在するのか、この半人半船の亡霊じみたモンスターどもは」
金剛「む、ムリデース!深海棲艦は…」
アーチャー「ああ、いやそういうのはいい、いつもの事だ、続けるぞ?…それで場所もわかった、理由もわかった、敵もわかった、それで?その、君が私の魔力を供給するのか?見た所君は巫女か何かの…いや巫女かそれ?」
金剛「ま、魔力デスカ?」
アーチャー「…そうか、つまり魔術師は君の提督だけか…にしてもよくもまぁ、こんな召喚方法を知っていたものだ…」
金剛「あ、あのアーチャーは私達の提督…でイインデスヨネ…?」
アーチャー「…あー、その、だな、私は基本、いつも単独で戦うからだな、その提督…はおそらく指揮官の様な職務だろ?…ハッキリ言っておこう、無理だ私には務まらない」
金剛「oh…そんな…」
アーチャー「…期待に添えず申し訳な」
ヴーーーーーーーーーーー!!
金剛「え?ま、またデスカ、くっ…」
タッタッタッ……
アーチャー「ん?おい、どこに…」
アーチャー(…警報、という事は敵が来た、という事か?)
アーチャー(…情報と違う、深海棲艦は沖の方に出現する存在のはずだ)
アーチャー(…いや過去に港を直接襲ったデータもあるにはあるが…)
アーチャー(彼女の反応を見るに、一度や二度では無いのだろうな…さて)
アーチャー(どうしたものか)
アーチャー「まずは実際に見てみるか、それに彼女、いやここは基地のような物らしいからな、まずはこちら側の戦力を確認して動きを変えよう」
カツカツ…
アーチャー「……………」
カツカツ…
アーチャー「…………」
カツ、カッ。
アーチャー「…おかしい、部屋は多くある、だが気配がまるで無いじゃないか…半年以上手入れもされた形跡が無い。廃墟か?ここは?」
カツカツ…
アーチャー「ん?」
鈴屋「…だ、……もうやだよぅ…」ガタガタ…
アーチャー「…おい、そこに座っているの」
鈴屋「っ!!?」
アーチャー「先ほどの音は警報だな?見た所戦闘員か兵士のようだが、現場に向かわなくて……いや、悪かった、もう向かった後か?」
アーチャー(背中に火傷、体の至る所に銃火器による傷跡、そこは問題ないか……右脚と右腕の、なんだ?噛まれた後か?)
鈴屋「…あ、あんたは?」
アーチャー「…ここの提督に雇われた者だ」
鈴屋「て、提督が!?」
アーチャー「…ああ、済まないが勝手に手当てするから現状を話せ」
アーチャー(トレース、オン)
鈴屋「…鈴屋が偵察してたら、あいつらがいて…だ、だからみ、みんなに報告し、しようと思って、帰ろうとしたらあいつらに見つかって、な、何体かし、沈めたんだけどか、数が多くて…それで…」グスッ
アーチャー「…通信は?お前の今つけている装備にはそのような機能があるように見えるが…、消毒するが、けっこう染みるぞ?」
鈴屋「…いっつ!!…通信機器とか、そんなの使えたら使ってるに決まってるじゃん!!でも、、、」
アーチャー「…はぁ、わかった、ところで今海岸では誰が戦っている?あと今何時だ?」
鈴屋「…金剛さんと夕立ちゃんと、あと北上…、時間は、多分夜中の三時…」
アーチャー「…わかった、三人だな?」
鈴屋「…うん」
アーチャー「わかった、それと…」
スッ
アーチャー「涙はともかく、鼻水は出さない方が良いぞ?」
鈴屋「………?」
鈴屋「……あ///」
鈴屋「す、鈴屋の顔見てなんてこと言ってんのさ!!?こ、この変態!!」
アーチャー「フッ、ああ、わかったわかった、それだけ元気なら、変態は潔く退散しよう、後はせいぜい安静にしておけ」
………
アーチャー「…ああ、そうだ、そういえばそいつら」
アーチャー「…全て倒してしまって構わんのだろう?」
いつも使ってると一番大事なことを間違え…
すんません、急いで書いたら間違えました
鈴谷です
すいません、毎回ss書くと誤字りまくりで
ご指摘ありがとうございます
センスないよ書くのやめたほうがいい
……ドンッ……ボフッ…ドンッ…
金剛「っ!!夕立ィ!夕立返事してクダサイ!!?」
夕立「き、聴こえてます!!金剛さん!」
金剛「北上ハ!?」
夕立「…さっき敵の駆逐艦や軽巡に囲まれて、一人で応戦してた…っぽい」
金剛「……やっぱりflagship級?」
夕立「…ぽい」
金剛「…夕立?残弾と残りの魚雷は?」
夕立「…魚雷はあと二発っぽい、弾は…」
金剛「…フフ、私はもう弾がzeroデース!wow!!夕立、私よりずっと優秀ネ!!」
夕立「そんな…こと、ただ逃げ回ってただけ…です」
金剛「落ち込む事無いネ、北上も夕立も鈴谷も立派に戦ったネ…」
夕立「ごめ、ゴメンなさい…」
金剛「もう、なんで謝るネー!!cuteなfaceが台無しヨー?」ヨシヨシ…
金剛「…夕立?一つお願いして良いデスカ…?」
夕立「?」
金剛「…今から駆逐艦夕立は、全力で帰投する事を最優先、…北上の捜索はせずに全力で帰投してください」
夕立「え?…ま、待ってください!!?何言ってるんですか!!?」
金剛「旗艦命令デス…安心するネ、北上は私が絶対に生きて、帰すヨ」
金剛「だからここは私に任せるネー」
夕立「!?、む、無理です!なら私が探します!!」
金剛「旗艦命令デス」
夕立「だって弾も残って無いのに!?無茶苦茶です!!そんな命令いやです!!」
金剛「…旗艦命令デス…」
夕立「だから、そんな命令…」
金剛「旗艦命令だって言ってるデショ!!?」
夕立「っ!?」
金剛「オネガイだから…」
北上「その必要は無いよ。金剛さん」
>>29
ですかね〜
理解はしてるんですが、下手の横好きみたいなもんでして
まぁ、なんてか下手くそですいません
北上「あー、なんてかごめんね、なんか心配かけたね」
金剛「北上…!それ…だ、大丈夫なんデスカ!?」
北上「うん、いやさ、ホント困っちゃうよねぇー」
北上「とっとと沈められるのにさ、あいつら、わざと沈まないように手と頭だけ狙ってきてさ…」
北上「こっちが弾切れになったら、仲間のとこに行くように、わざと逃がしてさ……ほんっと最低だよね…あたし…!」
夕立「…え?」
北上「…ごめんね、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
北上「逃げたんだよ!!?みんなのとこに案内しないように逃げたよ!?手とか眼とか、喰われて、痛くって死にそうだったけど逃げたんだよ!!?だけどさ!!」
北上「……もう無理じゃん、生きてても辛いし、もう、アタシが沈んでも誰も困らないよ?」
北上「だからさ、一人で死ぬのも淋しいからさ、ほら、なんてーの?」
金剛「…北上、よく耐えたネ…偉いヨ」
北上「…や、やめてよ、根性無しで仲間裏切っただけじゃん…」
金剛「…それでも偉いネ」
北上「…あっ、やっぱダメ、お願いです金剛さん、あたしが食われますから逃げてください」
夕立「っ!!あんたが!!」
金剛「夕立、北上に怒るのはダメネ…北上、それ、もう無理ネ、ほらもう囲まれてるネ」
北上「…あ、あたし、あたしが」
金剛「北上、こっちに来るネ」
北上「あ、ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめ!……え?」ダキッ
金剛「ほら、もう怖くないよ、私がいるから、もう安心するネー」
北上「金剛…さん」
深海棲艦「Ahaaaaaaa!!!」
夕立「北上さん!!金剛さん!!」
ボシュッ!!
金剛「……え?」
夕立「…深海棲艦が」
北上「なん、で?」
……………
アーチャー「この手応え、戦艦とやりあえると聞いていたが…赤原猟犬(フルンディング)で爆散か…」
アーチャー「思ったより手間はかからなそうだな…」
ギリッ、ギギギギギ…
アーチャー「目視で…532…533…いや海中にまだいるな…面倒な」
ギチ…!!
アーチャー「…まとめて消すか」
バシュッ…
アーチャー「さて、小舟でも投影して救助する必要があるな…まったく手間のかかる」
……………
夕立「な、なにあれ!?」
北上「赤い、雨?」
金剛(What?この嫌な感じ)
(……く…な!!)
金剛「え!?夕立!北上!動いちゃダメネ!!」
…
ガッ
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ…!!!!
夕立「な、なにこれ!!?」
北上「新しい深海棲艦の攻撃…?」
金剛「違うネ、私たちを狙ったわけでは無いネ」
ガガガガガガガガガガガガガガガガッ…!!!
金剛「全弾、深海棲艦を狙っているネ!」
深海棲艦「「「「gyaaaaaa…!!!!」」」」
金剛(…海上と海中の、全て、しかも一体に最低でも6〜7発!!All、deadpointデ!!)
夕立「うぅ〜、こ、怖いっぽい!!」
北上「い、いつまで続くのさこれー!!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガッ…!!!
ガッガッ……ガッ…。
夕立「終わった…ぽい?」
ザバーッ…
金剛「!?夕立!!避けるネ!!」
北上「レ級が!!?海中から!?隠れて…」
レ級「………!!」
ガチャ!!
アーチャー「馬鹿が」
アーチャー「出て来なければ」
アーチャー「死なずにすんだかもしれなかったのだがな…」
………………………。
ドスッ…
レ級「Ah……?」
夕立「…え?」
北上「レ級の体に…?」
金剛「…sword?」
レ級「ah?a、a???」
ズブ、ゾブ、ズブ…。
アーチャー「さて、貴様だけは他のと少々格が違うと思ってな」
レ級「a、a、a、a!!?」
アーチャー「泣きそうな顔をするな、お前の体に抉りこんだ剣は」
レ級「!!?」
アーチャー「すぐに壊れて消える」
………
金剛(その後の記憶は途切れたネ)
金剛(ただ、最後に見たのは、内側から爆発して消えた深海棲艦と…)
金剛(それを1人で殲滅した……な顔をしていたアーチャーだけデシタ…)
金剛(以上、戦艦金剛からの報告を終わるネ)
金剛「そして私たちが眼を覚ましたのは、あの戦い一週間後の事デシタ…」
あ、しまった、夜中のテンションで…
軌道修正、できたら良いなぁ
金剛「…umm…」
モソッ…
金剛「…oh…てーとくそれ私のcurryじゃないネ…イキオクレcurryネ…」
モソモソッ…
金剛「umm…っ!!?」
ガバッ!
金剛「誰デスカ!?私のcurryにワカメを突っ込んだのは!?」
ドゴンッ!!
アーチャー「いった!?っ、人がせっかく看病してやっていると言うのに、起き上がりにヘッドバッドかますのは女子の裏マナーかなにかなのか!?」
金剛「oh…archerじゃアリマセンカ?どうしたデース?」
アーチャー「はぁ、スルーか、まぁいい、君がやっと寝返りや寝言を言えるくらいに回復したと報告を受けたから、包帯の替えと体を拭いて、あと、ほら、一応食事も作っておいただけだ」
アーチャー「…消化しやすいメニューを選んだつもりだが食べれるか?」
金剛「食事!!もちろん頂くデース!!thank youネ!archer!!」
カチャ、ハム、モムモムモム…
アーチャー「ほう…」
金剛「It's、fantalicious!!ん?どうかしたデース?」
カチャ、モムモムモムモムモムモム…
アーチャー「いや、素直に食べるな、と思ってな、あと食べ方が綺麗だ」
金剛「ただの淑女の嗜みネ!…あの子たちは食べてなかったデスカ?」
アーチャー「いや、食べたが…食べさせるまでがな…警戒心丸出しでどこぞの戦災孤児を相手にしてるようだったよ。…まあ、一口食べたら何度もおかわりされて…昔を思い出したよ」
金剛「そうデスカ、良かったデス」
アーチャー「…君も食いたいだけ食うが良い、どうせ料理は余るほどあるしな」
金剛「え?し、食料庫にはもう…!?」
アーチャー「ああ、空だったからな、数キロ先の市街地から自腹で買ってきたよ、ああ、魚は現地調達だ」
金剛「ご、ごめんナサイ、お支払い…」
アーチャー「しなくていいから速く食べろ、どうせ、はした金にすぎん金額だ」
金剛「で、でも……」
アーチャー「はぁ…いや言い方が悪かったな、私が勝手に君たちを助けたいと思ってやったことだ、つまりはおせっかいだ!なら君が支払うべきものは皆無だ!」
アーチャー「…そんなことより速く食べて食器を片付けてくれ」
金剛「…sorry」
カチャ、モグ、モグ、モグ…
アーチャー「…せっかく、君が紅茶好きと言うから暖めて用意しているのが冷めてしまうじゃないか…」
金剛「…へ?」
アーチャー「だから、ああもういい!片付けてしまうぞ!?」
金剛「紅茶!!ま、マツでーす!た、食べますから、ち、ちょっとマッテクダサーイ!!」
金剛「ング、ング、ング、プハー、い、生き返るねー!!」
アーチャー「」
金剛「ど、どうしたね?archer?」
アーチャー「ああ、いやすまない、私も数多くの大食漢や健啖家を見てきたが…10種の紅茶を混ぜて、ミルクぶち込んでジョッキで飲む女性は初めてだよ」
金剛「し、仕方無いネ!ここ四年間水しか飲んでないのヨ?!一種類じゃモノタリナクテ、だから、あうぅ…///」
アーチャー「いや、恥ずかしがってももう遅いぞ、金剛?もう一杯用意した、ミルクぶち込むのも計算した組み合わせだが、どうだ?」
金剛「わ、comforting…。アレ?今名前で呼びましたカ?archer?ング、ング、ング、ングプハー!!あ、それとこの前は助けていただいて感謝デース!!」
アーチャー「ふむ、呼んでほしくなければ呼ばないが?どこぞの仏像か戦艦が最初にイメージできてしまう名前は、まあ、キツかろう。熱い紅茶でジョッキも飽きてきただろうから今度はカチカチに冷やしておいた、イケ!!」
金剛「Oh、Yes!!金剛イックネー!!ングングングング、プハー!!archerサイッコーネ!!あ、仏像は言わない約束ネー、あとその戦艦がmeネ!」
アーチャー「そうだったな、確か記憶があるんだったか?紅茶クッキー山盛り、オールビッグサイズ、オール低カロリー、しかも全部別の紅茶で味付けしておいた、残すなよ?」
金剛「archer!youはgrandmaデスカ!?あ、あとモシャ、ひおくもふひもへんふそおってうエ(記憶も武器も全部揃ってるネ)!!、ゴクンッ!こ、こんなDeliciousなCookie!お婆ちゃん以来デース!!」
アーチャー「ふっ、ようやくあのご老体たちの足元に近づけたか。あらかたは他の三人に聞いている、だが、やはりにわかには信じがたい技術だな、過去に存在した軍艦に人格を認め、それを少女の形で再現した…か、この世界の科学者連中は過度の少女趣味か、変態なのか?」
金剛「もぐもぐ、んぅ?archerてどこから来たノ?この国にいて私たちを知らない人は初めてミマシタ、あと私達が女性なのは船のnameが女性に近いからとか聴きマシタ、あ、Cookie無くなったデース!」
アーチャー「なるほど、しかし女性に戦わせ…あ、いや、そこは個人の自由だな、すまない。ふむ、パーティ用特大大皿に乗せれるだけ作ったのだがな…フッ腕がなってきた!!さぁ、次は超特大山盛り紅茶シャーべ…」
鈴谷・北上「「アーチャアアァァァァァァァァァァァァァ!!!!」」
金剛「wow!!北上、鈴谷!元気だったネー!!…あと、本日最大の楽しみを邪魔された感じがするネ…orz」
鈴谷「あ、金剛さん、ちーす」
北上「北上も元気でーす」
アーチャー「どうした、鈴谷と北上、ケガ人の部屋だぞ?」
北上・鈴谷「「ど、どうしたじゃなーい!!!」」
アーチャー「綺麗にハモるな、漫才か?」
鈴谷「こっ、これ何!?」
アーチャー「ん?女性が自分の下着を男性に近づけるものじゃない、変な誤解を受けるぞ?」
北上「ちっがーう!!これ、あたしらが自分で洗濯するって言ってたじゃん!?」
アーチャー「そうだったか?すまない性分なんだ、いつまでも洗濯カゴから出さないのは、どうにも許せなくてな」
鈴谷「ば、バッカじゃないの!あんた、こ、これ、こ、ここに付いてたシミで察しろっつーの!!」
アーチャー「いや、察してるし、知ってるが…、ふむ、少々手こずったが綺麗に取れているじゃないか、いや電気が停められてたからな、苦労したよ」
北上「え….?」
鈴谷「え、ちょ、嘘だよね、嘘だよね!?、表にあった洗濯板とタライって、まさか…」
アーチャー「ああ、片付けを忘れていたか、そういえば他にもいろいろ発見したからな、なに、任せろ、例え年代モノのオリモノだろうが、私の《手洗い》でおとせ…」
金剛「archer?」
アーチャー「ん?」
金剛「二人の顔見るネ」
北上・鈴谷「「//////(泣+怒)」」
アーチャー「…あ」
北上・鈴谷「「シ・ズ・メェ!!この変態ヤロオオオオオオオオオオォォォォォ!!!!」」
ドパパパパパッ!!ヒュー…ドッカーン!!
後に鈴谷は思う
「なんとなくだけど、あの、『別に〜』のくだりが死亡フラグ臭かったよねぇ」
カチャカチャ…
アーチャー「…久々に死ぬかと思った」
夕立「でも、てーとくさん結局全部洗濯したっぽい、あ、こっちの部品で良いっぽい?」
アーチャー「だから提督ではない、ん?違う、そちら側のヤツだ…そう、それだ」
夕立「でも前のてーとくさんに言われたんでしょ?あとてーとくさんやけにスパナ似合うっぽい…発電機を修理してるんじゃないっぽい?」
カチャ、ガチャ、キュィィーン、ガガガ…
アーチャー「ああ、止められてるなら自家発電するしかあるまい、太陽光、風力、他可能な範囲の発電システムを取り付ける…それと、私は提督にはなれんよ」
夕立「ぽい?」
アーチャー「海戦経験は数あれど、指揮能力も未熟だし、カリスマも無い、第一、私はここの軍に所属していない。土台無理なんだ…」
ドガガガガガガガガガ…
夕立「…でも、アーチャーさんになら使われてもいい…ぽい」////
アーチャー「ん?すまない、工具がうるさくて上手く聴こえなかった。もう一度言ってくれるか?」
夕立「もう、てーとくさんの馬鹿!!」
金剛私室
金剛「と、10日!?10DAY!?」
北上「うん、とーか」
鈴谷「金剛さん、ずーっと寝っぱなしで死んだかと思ったよ」
金剛「sorry、で、でもその間深海棲艦ハ!?」
北上「あー、あの人が全部やっちゃったー、はは…」
金剛「why?」
鈴谷「あのアーチャーって野郎がさ…」
アーチャー『ああ、起きたのか、食事が食堂にあるから……ん?敵?ああ、近海にいたのは殆ど消したか、撤退したんじゃないか?』
アーチャー『さすがに深海までは私の目でもわからんよ』
鈴谷「…って言ってたし、多分大丈夫だと思うよ?」
北上「てか、あいつ超うざい、ご飯勝手に作って食べろって命令してくるし、勝手に基地内掃除するし!…髪勝手に結ってくるし…」
鈴谷「あたしなんか、いいって言ってるのに包帯取り替えたり、体拭かれたり、…頭撫でら…っ!!あームカつく!!」
ギャーギャーギャーギャー…
金剛「…………二人とも?」
鈴谷・北上「「はい?」」
金剛「archerをloveになるのも良いデスケド、ちゃ〜んとお礼言わないと嫌われマスヨ?」ニコニコ
鈴谷・北上「「っ!?」」////
「「ちっがぁぁぁぁぁーーーーーーーう!!!!!」」
別室
アーチャー「む!?爆発か?」
夕立「はは、多分違うっぽい…」
廊下
アーチャー「さて、これであらかた片付いたかな?」
金剛「wonderful!!archer!?これ全部10日で掃除と補修したデスカ!?」
アーチャー「はぁ…なぜ驚く必要がある?10日あればたかが基地の清掃と補修くらいわけないだろう…」
北上「いや10日ってか…」
鈴谷「あたしら起きた3日目の夜にはほぼ全部終わってたし…」
夕立「あの時は別の施設に運ばれたと思ったっぽい…」
アーチャー「ふむ、私はただ君たちの敵を倒しつつ、やってただけだが…」
金剛「す、凄すぎるネ、archerが提督になれば、もう怖いものナシネー!」
アーチャー「む?」
夕立「あーちゃーさんがてーとくさんなら夕立も嬉しい…ぽい」////
アーチャー「は?」
北上「んー、変態で、いちいちうざったいけど…、まぁ仕方ない、かな」
アーチャー「ち、ちょっと待て」
鈴谷「まぁ、料理も美味いし、掃除、洗濯できるなら言うこと無いっしょ、てなわけでよろしくね提督さん」
アーチャー「いや、だから……提督にはならない」
「「「「へ!?」」」」
鈴谷「あんたさぁ、…普通ここまでしておいて、その…それは無いんじゃない!?」
アーチャー「…いや、すまない、変に期待させるつもりはなかった」
アーチャー「だが私が受けた仕事は《深海棲艦の殲滅》だ…君たちの保護は本来任務外なんだ…」
アーチャー(…そもそも今の状態は守護者でなく、どうやったか知らないがサーヴァント…依り代たるマスターがいない今、単独行動と残存魔力で現界しているに過ぎない)
アーチャー(…深入りはするな。彼女達の戦況が見ただけでわかる危機的状況だとしても、今は敵を皆殺しにすることが優先だ…それで彼女達を救うことに繋がる)
北上「な、なんで?あ、あんなに優しくしてくれたんだから、あ、あたし達を助けに来てくれたんじゃ無いの?…」
アーチャー「…」
アーチャー(耐えろ、耐えろ。助けるんだ、結果的には助けるんだ、彼女達もそのほかの大勢も…!!)
夕立「えっ…と、嘘だよねてーとくさん!?だ、だって前の提督から頼まれたんだよね?その…かわりのてーとくさんになる紙をわたされたんだよね?」
アーチャー「…いや?全ての部屋も探したし、私を呼んだ前の提督からも委任状らしき物も渡されなかったが…」
(…無論それの役目を果たす書状もあった、前の提督の筆跡が記された手帳や拇印が押された書類も見つけている、偽造するのは容易い…だが今の私が長期的に存在するのは不可能だ…彼女達の戦線の長期間の指揮なんて最初からできるわけがない)
北上「や、やだよ、またあんな海に出てあ、あいつらにゴミみたいに喰われて死ぬなんて……誰にも優しくされないまま死ぬなんて……やだぁ…」
グスッ……ヒグッ……
アーチャー(…だから、〝涙〟に惑わされるな…お前が叩き潰してきた〝涙〟は、こんなものじゃないだろう…?)
アーチャー(少し、気を抜きすぎた…仮面を被れ…冷酷な、外道の仮面を……懐かれたのなら、二度と会いたく無いと思わせろ…貴様に慕われる権利は…ありはしないのだから…)
アーチャー「フッ、いったい何を勘ちがっ「三人とも!!archerが困ってるネ!!こういう時はsmileデthank youするのがmannerデース!!」」
アーチャー「っ!?」
金剛「archer、sorryネ!この子達も最近疲れてたデース!!だからちょっと誰かに甘えたくなっちゃったみたいネ!」
アーチャー「…」
アーチャー「そうか…」
金剛「そうネ!!それでarcherはどうするネ?今日と明日くらいは泊まっていくデスカー!?」
アーチャー「…いや、休むほど疲れて無いからな…荷物も特に無いし、このまま失礼する」
金剛「…そう、なら見送りは私がいくデース!!二人は北上を頼むネ!!」
アーチャー「いや、私は…」
金剛「街にはこっちが近いデース!!」
ぐいっ!
金剛「ホラ、archer?hurryネ!!」
アーチャー(……ああ、クソ)
アーチャー(…なんでいつもこんな顔を見せられるんだ…)
……………
鈴谷「ほら、北上、泣くのやめなって!!もう、わ、私まで涙出てきたじゃん!?」
夕立「……」
鈴谷「夕立ちゃんもて、手伝ってってばー!!?」
夕立「…金剛さんていつも笑ってるよね?」
鈴谷「グスッ…?」
夕立「ううんなんでもないっぽい、ただね……金剛さんて」
夕立「…いつも、泣いてたんだね」
テク…テク…
アーチャー(…夕陽か…今日は海も穏やかみたいだな…)
アーチャー(……これから…この10日で誘導し、集結させたこの海域の深海棲艦を全て固有結界に取り込み殲滅…)
テク…テク…
アーチャー(殲滅後、滅した深海棲艦の魂を捕食、魔翌力を補給し、別海域に移動、同じ方法でまた集め殲滅、捕食、誘導、殲滅、捕食……おそらく一月あれば全体の8割は消せるだろう)
テク…テク…
アーチャー(…人間だった時に機械だのなんだの言われた事があったが、あながち間違いではなかったのかもな…)
金剛「ドウシマシタカ?archer?」
アーチャー「…なにがかな?」
金剛「archerさっきからずーっと怖い顔してるネ…?もしかしてさっきの気にしてマスカ?」
アーチャー「フッ……いいや、あんなの飽きるほど見てきたからな…ただ…自分が…機械じみていると…思っただけだよ」
金剛「ぷっ、machineデスカ!?おもしろいjokeネ、archer、アハハ…」
アーチャー「……ああ、笑えるだろ?」
金剛「sorry、ゴ、ゴメンナサイ…アハハ…」
アーチャー「…涙が出るほど、笑えるかな?」
金剛「…ええ、だって…machineは私たちデス」
アーチャー「……ああ、そうだったな」
金剛「…だから、archerはそんな顔しないで、そんな事言わないで、人間なんですカラ……じゃなきゃ私たちmachineがどうしようもないヨ」
アーチャー「…すまない、先ほどのは失言だった、許してくれ…」
金剛「怒ってないデスヨ、ふふ、archer可愛いネ?」
アーチャー「…ん?」
金剛「アーチャー本当にsorry思ってるネ?だから顔がpuppydogみたいだったネ?」
アーチャー「…む、そこまで童顔ではないぞ?」
金剛「あー、その反応は自覚ありネ!?」
アーチャー「なっ、ち、違う!大人の男性をからかうのはやめたまえ、君のような美しい女性がそれをやると男性はわりと傷つくんだぞ、それに逆上して襲われる危険がある」
金剛「でもarcherはそれ、しないデショ?」
アーチャー「…………君と会って、最初に数分と今日でまだ1日も経ってないはずだが……どうしてそう言い切れる?」
金剛「…なんとなくデース」
アーチャー「…なんとなく?」
金剛「…強いて言えばデスネ、私はあの子達のお姉ちゃん代わりだからデース!お姉ちゃんなら妹から話を聴けばなんとなくわかるデース!」
アーチャー「…ふむ、姉妹艦という事か?」
金剛「違うネ、あの子達の姉妹艦も私の姉妹艦も、多分みんな沈んでるネ…」
アーチャー「…だから姉代わりか…」
金剛「……ハイ」
テク…テク……
……テク。
アーチャー「……………………………………………………はぁ…もういい、話せ」
金剛「why?え、な、なにをデスカ?」
アーチャー「全部だ、君たちに何が起こったか、今君たちはどんな状況に追い込まれているか……話を聞いてやる」
金剛「もう何言ってるネー!!そのjokeおもしろ…」
アーチャー「…女性がそんな笑い顔をする時は、何か助けて欲しいが、助けを求めてはいけない時だ」
金剛「…えっ」
アーチャー「……言ったろ?泣くときと苦しいときの顔は見飽きてるんだよ、だから…」
金剛「…あ、あれ、スミマセッ、目、目にゴミが入っ、ゴミが、あ、う、あれ?お、おかしいデス、こ、こしょうしちゃ……て」
ダキッ、ギュッ…
金剛「ふぁ…」
アーチャー「だから泣くなと言おうと思った直前に泣くな………泣き顔は見ないでいてやるから、さっさと私の服にかけてしまえ…」
金剛「あ、あーちゃーのお、おなかかたいデズ……ズビーッ!」
アーチャー「…鍛えてるから………っておい!今鼻をかんだ音が聞こえたぞ!?」
金剛「…えへへ、鼻かんじゃいまひた…」
………………………………………
………………。
金剛「えへへ〜背もたれ付きのarcherのchair落ち着くネ」
アーチャー「…なぁ?さすがに私を椅子にするならまだしも…」
金剛「もー、archer違うネ右手は私の頭の上デ、左腕は私のお腹を抱えるデース!」
アーチャー「…はぁ、こうか?」ナデナデ…
金剛「ふぁ…言わなくてもやってくれるarcher大好きデース…」
金剛「……異変があったのは10年前、当時私たちは多くの仲間と深海棲艦を相手に戦ってマシタ」
金剛「…当時はまだそこまで絶望的じゃなかったネ、たまに奥の海域でstrongな敵がたまに出てくるくらいで、むしろ私たちが有利だったデース」
金剛「…けど、ある日を境に急におかしくなったネ…」
アーチャー「というと?」ナデナデ…
金剛「アウゥ…あ、archer?た、体勢反対にするネ、ん〜、archerの腹筋とhipは抱きつき心地がいいネ〜」スリスリ…
アーチャー「真面目な話をしてる時に抱きついて欲しくないのだが…君のために鍛えた筋肉ではないのだぞ」ナデナデ…
金剛「…敵が強くなったネ、ただ、statusだけの強さじゃないヨ、イ級の群れでさえ軽々と大和や長門を中破させるのが当たり前の作戦を行えるようになったネ」
金剛「…それだけじゃないネ、爆発的に数が増えて、一度に行動する数が10体以上に増えテ……なにより…」
アーチャー「…改造されている…か?」
金剛「…Yes、アーチャーも見たんでしたネ。深海棲艦は自立進化するけどアレは明らかに異常ネ、あんな機構の砲撃私達は知らないネ」
アーチャー(…レールガンや牽引式榴弾砲のような兵器も幾つか使われてたが…やはりそういうことだったわけか…)
金剛「…戦線は半年で私達が追い込まれる立場になったネ…でもねarcher?」
アーチャー「…それが一番の原因では無いのだな?」
金剛「…うん、本部にね、変な男がネ…来たんだヨ…」
アーチャー(…なるほど、全身が震えて、誰かに抱きつかねばならぬほど…その男が恐ろしいか…あるいは…)
金剛「…そいつはネ…こう言ったんだよ…?」
『もう君たちはいらない、だから』
『君たちは今日から〝ゴミ〟だよ、だが安心してほしい』
『すぐにどうにも使えなくなるくらい、使い潰してあげる』
金剛『そいつは、坂上と名乗った男は政府にある〝商品〟を持ち込んだネ』
ドゴンッ!!
長門「ッ!?」
陸奥「長門ォ!!?」
金剛「ッ、長門大破!作戦通り金剛が指揮を引き継ぐネ!!ビスマルク!榛名!空の〝アイツ〟は後回しネ!敵空母を狙うネ!!」
長門「…陸奥!対空砲火!!」
金剛『商品は艦娘に変わる新たな人型の兵器、私たちより美しく、強く、より人間に近い姿の兵器、ただし彼女達には感情が無かったデス…当然当初は各国反対ばかりデース』
金剛「え?…….敵空母が消えた!?っ!!?イク、海中探査!!イタリア、ビスマルクは敵駆逐艦と〝アイツラ〟に集中して!!」
榛名「陸奥さん!!?避けてください!?」
陸奥「…え!?」
ヒュウゥゥゥゥゥ……
……………ドゴン!!
金剛『…けど、圧倒的な性能差がその意見を悉く覆していったネ…』
…………………………。
坂上「模擬戦終了…ですね」
佐竹提督「いや、いやいや!!素晴らしい!これが新型の性能ですか!?」
長門「陸奥……」
坂上「あぁ、申し訳ありません!あなたの艦隊から一隻損失を出してしまいました!ああどうやって償えば…」
佐竹提督「…いやいや、どうせただ燃料ばかりドカ食いする役立たずでしたよ、それより決めましたぞ、私もあなたの提案に乗りましょう!!」
坂上「…いやー、そうですか、それでは先ほど沈んだアレも浮かばれましょう?」
長門「…提督、陸奥が沈んだぞ?」
佐竹提督「…にしてもこの新型名前は何ですかな?いったいどの艦の記憶を入れてあるので?」
坂上「まさかぁ、コレには何も入れてませんよぉ!」
佐竹提督「ほ?つまりこれは艦娘じゃないのでは?!それでは人格が無く作戦に支障が…」
長門「…提督?」
金剛「て、テートクゥ!こっち見るネ!!長門の話を聴くネ!!」
坂上「…むしろ要らないでしょう?」
佐竹提督「いや、だからですな?」
坂上「だって、なぜ敗戦した武器の記憶なんぞ要るのです?」
…………………ぷつ
長門「キッサァマァァァァァァァア!!!!」
ガチャ!!
ガチャ!!
金剛「長門待つネ!!」
坂上「やれ」
???「ハイ…」
カチャ…
長門「………え?」
ドンッドンッドンッ………。
ドチャッ…………。
榛名「あっ…………あ、あ」
榛名「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!?」
金剛「っ!イタリア!榛名頼むネ!長門は私が!!」
佐竹提督「お、わ、私の長門が…」
坂上「御覧になられましたか?提督最強の部隊を軽々と倒し、さらに最強クラスの戦艦が反応すらできずに壊される…」
金剛「っ、大破しているヒトに…提督!!今すぐ入渠してありったけの高速修復材と資材を使うネ!許可をクダサイ!!」
佐竹提督「……」
坂上「なぜか?簡単ですよ、感情も思考も無いからです、計算、機能、自律兵器にはこれだけあればいい……それに艦娘と違い疲労も無ければ…あなたの要求を断る機能もない」
金剛「提督!!長門がシンジャウヨ!!」
佐竹提督「素晴らしい……!!」
坂上「….お気に召したようですね、それではサインを、あなたが賛成することでこの案は可決されます」
佐竹提督「……ああ、ああ、こんな、美しく、強力な兵器があれば艦娘なんぞ要らん!!…深海棲艦の奴らも潰せる!」
坂上「…それでいい、それではあなたの基地に同数の〝マキナ〟を送りましょう」
金剛「…提督!!」
佐竹提督「た、タダで良いんだな本当に!?」
坂上「えぇ、代わりにあなたのとこの旧式はこちらで預かりますので…」
佐竹提督「おお、処分の手間すら受け持つとはどこまでも気の利く!」
坂上「…いえ、いえただ、こちらも商売でして…」
金剛『…そして、艦娘の時代が終わったネ』
アーチャー「…それで、君たちはどうなった?」
金剛「…いろんなところに売られました…」
アーチャー「…売られた?」
金剛「ハイ…私達は全員廃棄処分になったネ…いえ、そういう理由でこの国はマキナと言う名のweaponと私達を交換したネ…」
アーチャー「…なぜ君たちを買ったのだろうな?」
金剛「…本当の理由はわからないデス、けどマキナは私達より生産コストも運用コストも少ないそうデス。逆に私達は……これでも四年前までは世界中で人気でheroだったからネ!」
アーチャー「……それは、さぞや〝そういう欲〟を持つ者は多かったろうな…」
金剛「…あの時ばかりは世間に私達を広めてた軍を恨んだヨ、兵装を取られて、specを人間以下に下げられて…」
金剛「…駆逐艦や潜水艦の子達は安くて個人が買っていったネ…何度かネットにupされてたあの子達の〝中身〟が壊されるMovieを見せられたヨ…」
アーチャー「…」
金剛「…軽巡や重巡の子達は…研究所が多かったネ……軍の秘匿事項を好きに研究できるっテ…北上の姉妹は…北上を庇いながら、どんどん壊されて、削られて、〝溶接〟されて…最後は北上が殺して……ああ、違うネ………〝壊させ〟られたんだったヨ…」
金剛「…あ、そうだったネ…重巡の一部の子達は一部のrichな家に売られて、幸せに…」
アーチャー「……鈴谷は…何をされた?」
金剛「…最初は…綺麗な服を着せてもらってたネ…でも、姉妹がだんだんと肌を隠すようになって…わかるデショ?」
アーチャー「…狂った嗜好を持った金持ちが手を出さないわけが無いからな…それで?」
アーチャー「…君は?」
金剛「…空母や私みたいな戦艦、特殊な子達は軍に残されたネ…」
アーチャー「…慰安か?」
金剛「…いくつかの子はネ…でも一番は〝マト〟だったネ…」
アーチャー「…マト?」
金剛「…毎日みんなでマキナ一機と鬼ごっこネ…」
アーチャー「…」
金剛「…最初はみんな本気で倒そうとしたヨ?〝倒せばまた艦娘の部隊結成を許可する〟…笑えないjokeネ…!」
金剛「一機、たった一機沈めれば、ッテ…そうすればまたみんなで笑えるッテ!!…ナノニ!!!」
アーチャー「……もはやただの見世物だったか?」
金剛「…加賀って子の手が取れたネ、そのままマキナがトビカカッテ、止めようとシタ赤城サンが足でふミくだカレテ、ミンナが全弾ウッタのにキズ一つ無くて…アイツが!あいツが榛名を、榛名ヲ!!!」
ガタ…ガタガタガタガタガタガタッ…
アーチャー「…思い出すだけで全身が震える…か…君はそうなると他の艦か、あるいは他にも姉妹がいたのか?」
金剛「…うん、うん…えっどぉ、えっとね…ひ、比叡と…グズッ…き、霧島って…い、妹が…いて…いてネ…」
アーチャー「…ああ」
金剛「ひ…比叡がいつも…かばってくれてね…?」
金剛「…き、霧島が…い、一生懸命ね?たおそうっ…考え…て…」
アーチャー「…妹に庇われ、妹が勝利の道を示して…〝君だけ〟を残した…か?」
金剛「うん…な、なのにネ…なのに…」
アーチャー「…終わるわけなかろう、あとは想像がつく…もう少し詳しく聞くべきだが…これ以上君を泣かすのも…な」
金剛「…ひっく…ぐすっ…だ、だいじょうぶネ……ふぇ?」
アーチャー「即席の毛布だ…夜になったからな…海辺では寒かろうと、思ってな…」
金剛「…アリガトウネ、archer…」
モフモフモフモフ…
アーチャー(私が作った投影品とはいえ、モフモフにしすぎたか?)
うと…うと…ガクッ、ハッ……うと…
金剛「…archer、のうで…と、これ…気持ち、良すぎて…ふぁー、眠くなってきた…デース」
アーチャー「…しまった、安心させすぎたか、こら起きろ、風邪ひくぞ!?」
金剛「…うー、ムリネー…このままarcherと毛布に包まれて…永眠する……デース」
モソモソ…
アーチャー「頭の悪いこと言うな!ほら後は君たちが、どうやってまた集まれたか……おい金剛!?」
金剛「…すぴー………むにゃ…」
ギューッ………
アーチャー「赤子であるまいに…毛布で包んだだけで爆睡……しかも全力で抱きついて離す気は全くナシときたか…」
ギューッ…………
アーチャー(藤ねぇ……)
アーチャー「…ほら、あとちょっとだぞ?」
アーチャー「………がんばれ、君ならできる」
アーチャー「………………あー、もう!!」
アーチャー「はぁ…わかったよ……助ける、助けるから……」
アーチャー「だから……だから、もう少し力を緩めてくれ……じゃないと…」
金剛「……むー………」
ギューッ……
アーチャー「ははっ…頼むよ…俺は、」
アーチャー「………俺は君の望むような英雄じゃ、ないんだよ………」
…あの人が泣いている夢を見ました…
…嬉しそうに、悲しそうに、ヒドく苦しそうに…
…一滴の涙も流せずに、あの人は泣いてたんです…
…だから…
…だからせめて私くらいは…
…救われたいと、思えたんデス…
チュンチュン…パタタッ…
金剛「…う…ん…?」
ガバッ!
金剛「archer!?行かないッ……エ?」
〝書き置き〟
〝昨日は君を抱えてどうにかここに帰ってきた、誓って変なことはしていない、ただ少しは寝相を改めること、嫁に行った時に旦那を仕事に行かせないでクビにしたくなければだが…〟
〝朝食はテーブルの上にホットケーキとを作って置いてあるので、バターでもシロップでも蜂蜜でもジャムでもぶっかけて食べること。ホットミルクは水筒の中に入れている、早めに飲め〟
〝着替えはこちらで用意したので入浴後、それに着替えること。というか女性なら仕事着以外も持ってるのは常識だ、白のセーターとジーンズで申し訳ないがあの格好より暖かいだろう〟
金剛「……archerはどこのママネ…?」
カパッ……コポコポ……
金剛「ズズーッ……ホッ…はむはむ……もぐもぐ……」
金剛「…archer……このfruitmix&mintジャムなんて、どこに売ってたネ……明らかに手作りネ…」
金剛「…ハムッ…もぐもぐ……pancake自体がおいしすぎて、何かければいいかわからないネ……全部かけよっト」
とろ……べちゃ…べちゃ……
金剛「…なかなかグロいネ……はむ…もっきゅもっきゅ…………!!?!」
グワッ…!!?
金剛「な、なんデスカコレ!!?口の中に猛烈な勢いで広がるまろやかで芳醇なSweetness!!ドロドロに塗ったはずなのに、気づいたら口の中からなくなっているほどの切ない食感と喉越し!!meが全部かけるの承知で味を調整していたとしか思えないネ!!?」
金剛「…くっ、ダメネ!こんなことで屈しちゃ!戦艦金剛の名が泣くネ!!…ゴクゴクッ……!?」
金剛「…………………」
金剛「フフ……………archer、私はまんまと誘導されたわけデスネ…普通milkがトドメとは思わないネ……」
………………………………………。
シャー………………キュッ、キュッ…
金剛「はふぅ……久しぶりにシャワーじゃなくてお風呂でゆっくり入渠したいデスネ…」
金剛「…?手にこんな痣…ありましたッケ…?」
ガラッ………てく…てく……
金剛「…ん!?こ、これ…何年か前に汚れてmyroomの片隅に置いてたブラの一つじゃ……」
金剛「……あ、は、入られたデス!?あの汚部屋見られたデス!?あ、あ…ぁ…」////
金剛「し、しかも一番汚れてた下着洗われて、だから…え!?えぇ!!?」
カーッ////////
金剛「うっ…うぅ…もうお嫁いけないデース…どっかの嫁にもらわれない狼になっちゃうデース…」シクシク…
金剛「ぐすっ、とりあえず付けるでーす…」
金剛「……wow、archer、このセーター袖が長すぎるネ……あとジーンズ、これ…ふとももとお尻のライン丸見えネ……でも」
モフモフ……
金剛「…これあったかいデース…」
北上『ちゃ…そっちに……』
アーチャー『…てる、ゆうだ……左翼にまわ……』
金剛「…ん?archer港にいるネ…?」
ドォン!!…ヒュン……ドンッ!ドンッ!!
アーチャー「…たわけ!北上!!上の敵は私が殲滅するから君は下の敵に集中しろ!!」
ザー……
北上『…わかってるよ!!つか今潰したよー!だいたいアーチャーに貰ったこの義眼と義手まだ使い慣れてないんだから!無茶言わないでよー!』
ザー…
鈴谷『…アーチャー!敵さん追加!距離はあたしらから20キロ先!!数は四十前後!!ヲ級?ツ級?あー、見たことない新型!!多分改造した奴!ってなにあのデカイ砲台!?』
アーチャー「了解した、こちらで目視できた、海上の奴は全て沈める!……ってあれ127mm砲か!!?…あー、クソ、面倒な武装をするなという!!」
ザー……
夕立『目視!?て、てーとくさんが何言ってるかわからないっぽい!!』
ギチッ…ギリギリギリ………
アーチャー「…我が骨子は崩れ歪む…」
シュッ……………………
アーチャー「壊れた幻想」
シュゥゥゥゥ……ドッゴォォォォン!!
ザーッ……
鈴谷『あー、敵艦隊三分の一消滅……あっ、残りも矢でハリネズミになったって!!』
アーチャー「ならさっさと残りの海中の奴らを倒してしまえ!!北上!」
ザーッ
北上『…よし、やっと見えた…さってーと!!スピアフィッシュだっけ!?この魚雷で沈んでよ!!?』
シュボッ……ボゴボゴ……
ドンッ……ドンッドンッドンッドンッ…!!
ザーッ…
北上『…目標、この眼の見える範囲では0、鈴谷〜偵察機で見える範囲ではー?』
ザーッ…
鈴谷『…ご苦労さん、U-2ちゃん…敵100キロ海域内には見えないって、もちろん海中の奴や潜水艦はわかんないけど!』
アーチャー「よしならもんだい無い、三人とも帰投!!ハッチに置いてある菓子を食べてから安め!!」
ザーッ
夕立『てーとくさんありがとうっぽい!!』
鈴谷『なになに!?カステラ?ケーキ?』
北上『北上様としてはカステラ希望かなー』
プツン…
アーチャー「ふぅ、修理した通信システム、なるべく盗聴しやすいようにしたが…動きを見る限り、深海棲艦にはそれができる機能がある…」
アーチャー「……だが、おかしい、127mm砲、MK42.5inchがあるのになぜ撃たなかった?……やはり深海棲艦は……」
アーチャー「…どちらにせよ金剛に127mm速射砲とイージスシステム取り付けよう…」
金剛「あ、archer!!」
アーチャー「ん?ああ、起きたのか、金剛。戦闘は終わったぞ?」
金剛「え、うん、ご、ゴメンナサイ、寝坊したデース…」
アーチャー「なに、気にするな。どの道君は出さなかったよ」
金剛「……え?ま、待ってクダサイarcher!!戦力外通告なんていやで…」
アーチャー「君の装備はちょうど弄りまわしてる最中だったからな、フッ、むしろ寝過ごしてくれて助かったよ」
金剛「…え、いじ…えぇ!!?archer!?私の大事な装備に何してくれてるデスカァ!!?」
アーチャー「仕方ないだろう、今日で確信したが敵の装備…あれは君たちの装備より上だ」
金剛「う…そんなこと知ってるデース…」
アーチャー「むしろ、あれら相手に四年も戦い続けた君らを称賛するよ…」
金剛「え、えへへ…ありがとうデース…」
夕立「夕立帰投しましたー!あ、金剛さん起きたっぽい?」
鈴谷「おー、おはよーっす金剛さん!」
北上「おはよーっす、ってアーチャー!!?この眼、ものっそい頭ガンガンくるんだけど!!?どうにかしてよ!!?」
アーチャー「仕方なかろうたわけ!!本来両目で使用する機能を君のオーダー通りの性能になるよう詰め込んだんだ!気合でどうにかしろ!!慣れろ!!」
北上「気合とか乙女に言うなぁぁ!あと慣れるかこんなん!30機沈めた時点で泣きそうになったよ!」
夕立「…夕立はてーとくさんがせっかく改造してくれたのに18機しか沈められなかったっぽい…」
鈴谷「あたしなんか三機、ってか敵艦載機がほとんどだしさ、気にすることないんじゃ無い?」
金剛「…なんかみんな余裕っぽいネ」
夕立「あっ、金剛さん夕立のアイデンティティ取らないで欲しいっぽい!!」
アーチャー「…いや攻撃性能と索敵、回避性能を上げただけだ、弾の速度はあちらを上回れるが、艦そのものの速度は夕立以外比較できたものではない…」
金剛「……それでも、ほとんど傷を負わず帰ってきたこの子たちは初めてデース…」
鈴谷「こ、金剛さんが女神みたいな表情してんだけど!ど、どうしたの!?」
金剛「…ふふ、なんでもないネ!あっ、ところでarcherのこってくれるネ?」
夕立・鈴谷・北上「「「え!!?」」」
アーチャー「いまさら……ああ、いや、そういえば当の本人に言ってなかったな……」
金剛「ん?」
アーチャー「……気が変わった、深海棲艦の殲滅…は、まず情報が揃ってからやろうと考えてな、殲滅して、またどこからか発生してはキリが無いからな、その間なら提督職をやろう…」
アーチャー(どちらにせよ守護者では無いからな、仕事はするが、強制力もあまり無い…)
金剛「…つまり情報収集の為にここに留まるデスカ?」
アーチャー「…そうだ、嫌ならこのまま」
金剛「ありがとうデース!!!」
ガバッ!ダキッ!!
アーチャー「なっ!?」
ドッボーン!!
夕立「あっ金剛さんズルいっぽい!」
鈴谷「いやそうじゃなくて!北上!?金剛さん頼んだ!」
北上「あー、もうっ!せっかく服汚さずに帰ってきたのにー!!」
アーチャー「がぼっ、がばぼっ」(腰に金剛がくっついて、でも霊体化は金剛が……う、うまく泳げ…)
金剛(archer、ダイスキ…!)
アーチャー(あっ、やばっ、凛にテムズ川に落とされた記憶が…!!?)
カン…カン…カン…
アーチャー「全く、酷い目にあった…」
北上「ははは、良かったじゃん、金剛さんのセーターごしの乳を感じて、そのあとビショビショの私ら拝めたんだから良しとしときなよー、私は提督の私服姿見れてラッキーだよ?」
アーチャー「…過去何度も女性に水の中に叩き込まれたが、まさか共に海底まで入水自殺しかけられたのは此処が初めてだよ…おかげさまで走馬灯を見る羽目になったしな」
北上「アーチ…提督はどんな人生送ってきたのさー、ほい防水シリコン」
アーチャー「…アーチャーでも提督でも呼びやすい方で呼ぶがいい、あと女の子には年中コキ使われてるような人生だよ、自分でも不思議だ。……む、ところで北上、風呂だが…これやはり石を積むより木製の方が良いだろう、女性の肌にはそちらの方が優しいだろうからな」
北上「へ、年中?……んーと、ぶっちゃけ私は入渠できれば良いけどさ、鈴谷あたりがうるさいからねー……檜の露天風呂とか言っちゃって良いかな?」
アーチャー「海岸の風景を鑑賞できる檜風呂か………まぁ今日、明日中には完成できそうだな……」
北上「え、良いの!?あ、じゃあさ!!ウォータースライダーとか、流れるプールとか、泥風呂とか、あ、あと温泉卵作れ…アーチャー?」
ニヤ…
アーチャー「ああ、善処しよう。岩風呂、釜風呂、サウナどんとこいだ、ところで北上?」
北上「えーっと、なに、かな…」
アーチャー「……意外と子供っぽいところあるじゃないか」
ドキッ!!
北上「なっ!!?」
アーチャー「いや、君の私室を掃除してたら可愛らしいプリント付きのパンツが大量に出てきたのでな…夕立のパンツかと思ったが……あれは君のだな?」ニヤッ
北上「ち、ちちちちがうよー?き、北上様はもっとこうアダルティなですね?ってちゃんと聴いてよー!?」
アーチャー「ああ、聴いてるぞ?豚さん、猫さん、わんちゃん…ああ、他にもいろいろあったがネズミがやけに多かったな?」
北上「ネズミじゃない!!アレはボケモンのギガチュウ!!そこんとこ、ま、ち……あっ」/////
アーチャー「フッ、やはり君のか、良いじゃないか?可愛らしいと思うぞ?」
北上「わ、笑うなー!!い、良いじゃんプリントパンツ!!あ、あれが一番安いしー!!」
アーチャー「ちなみにこの前街に買い物に出たら君と鈴谷のパンツの柄が何か当てるのが小学生から高校生までの男子と中年男性の話題のマトになっていたぞ?」
北上「ぶっ!?な、なんで!?」
アーチャー「当たったら宝くじに当たるとか、君達と付き合えるとか…まぁ、いろいろあったが…大人気みたいだな?……実際のところどうなんだアレ?」
北上「ば、馬鹿じゃないの!!?北上様がパンツの柄当てられただけで付き合うとかありえないし!!……ってなんでまた笑ってんのさー!!」
アーチャー「ん?……ああ、いやこの前から君がだいぶ無理をしていると思ってな…まだ痛むか?」
北上「…むぅ…もっと別の話題にしてよぅ、変態アーチャー………痛いけど、我慢して埋め合わせしなきゃ…だし」
アーチャー「……はぁ、すまない、また落ち込ませてしまったな……」
カン…カン…カン………
北上「…………」
アーチャー「…前にも言ったが…」
北上「……うん」
アーチャー「…君の青い瞳の義眼はここから、とても遠い、いや辿り着けない地の技術で作られている……〝神々の義眼〟と呼ばれる〝全てを見る眼〟を私風に解析し、解釈し、一部を機械的に再現した、いわばレプリカの欠陥品だ…それに私がアレンジを加えたシロモノだ……元々義肢は専門外でね…」
北上「…うん、だから…」
アーチャー「だから、代償は覚悟しておけ…….少なくとも君が今もつけている眼帯は残りの人生の大半外せない、外している間は眼の莫大な視覚情報の処理で絶え間無い激痛が君に降りかかる……」
北上「…うん、別に良いよ、妹と仲間にも何人か眼帯の子はいたしねー、あー、でも…」
アーチャー「…でも?」
北上「…うん、罰にはちょうどいいや………」
アーチャー「……そうか」
北上「……うん、そうだよ?」ニコ
カン…カン…カン……
なんでアーチャーが血界戦線の神々の義眼(仮)なんて作れるんだよwwww
アーチャー「…義手の方は心配いらない、私の知る限り最高の人形師の作品の技術を再現したからな、霊体を掴んだり、いろいろと仕込みも万全だ」
北上「ロケットパンチとか!?」
アーチャー「……親指の根元を押してみろ」
北上「え!?マジで!!?」
プニッ………ブシュー……
北上「」
アーチャー「………醤油が出る」
北上「…な、なんで人の腕にこんなん仕掛けたのさ!!?どうすんのさこれ!?しかも凄い勢いあるよコレ!?」
ブシュー……
アーチャー「あぁ、私も迷ったんだが…君にはやはり醤油かな…と」
北上「どういう意味!?……って、あーもうなんなのアーチャー!?」
アーチャー「っ、な、何がだ!?マヨネーズと七味も……!!」
北上「スベってばっかじゃん!!……つまんないよ!なんだよ!!言いたいことあるならハッキリ言いなよ!!」
アーチャー「…すまない、そもそも冗談が苦手なのは自分でもわかってはいるのだが……な」
北上「っ、じゃあなんなのさ!!わかってるよ!!どうせ私があの日仲間裏切ったこと気にすんなって言いたいんでしょ!!?」
アーチャー「…」
北上「知ってるよ!!だから元気にしてるじゃん!!な、なのに…」
アーチャー「……」
北上「…そんな風に腫れ物触るみたいにしないでよ!……必死に頑張ってる私が……」
アーチャー「…だから、一人で頑張るな」
北上「…え?」
アーチャー「……はぁ…昔、一人で国を救おうと戦い続ける女性がいてな…」
北上「…国!?」
アーチャー「フッ、ああ、そうだ、どうにも国が滅んだのが自分一人の責任だとかなんとか言ってな……」
北上「…その人は、どうしたの?」
アーチャー「……救えなかったよ……つまり…そうか…君があの時の彼女に少し重なったんだ、償いのために必死に戦う姿がね…」
北上「…そんな大それた人じゃないし…」
アーチャー「…そうかもな、だが、今、君のやってるような代償行為のために戦い続ければ、必ず孤立する…果てが無いんだ、償いには…」
北上「…それじゃ私も救われないね…」
カン…カン…ガンッ。
アーチャー「…ああ、だから、私が一緒に償ってやる」
北上「…へ?」
アーチャー「どうあれ、君達の味方になると決めたからな……それに、そうなってしまったら死ぬまで治らないのが大半だ…ならば、せめて君より重症の奴が上手く舵取りして、悪化しないようにしてやらねばならんだろう?」
北上「……あはは、なにそれー、アーチャーのが、やばいってそれってアーチャーのがヤバイ人みたいじゃん……アハハ」
ポタ………ポタ………
北上「…あー、あたしさ、結構甘えん坊だから、そんなこと言われたら、甘えちゃうよ…いいの?」
ポタ…ポタ……
アーチャー「好きなだけ甘えろ、嫌になるまで甘やかしてやる」
北上「…た、頼っていーの?」
アーチャー「むしろ頼って貰えるとありがたいのだが、ん…雨か……?」
ポタ…ポタ……
北上「あ、雨に決まってんじゃん!…えっと、じゃ、じゃあさ…」
アーチャー「…ああ、雨なら仕方ないな」
ポタ…ポタポタ……
北上「…ひっく、うぐっ…い、今から痛いって…こんなのヤダよって……泣いて…いい…かな…?」
アーチャー「はぁ、せっかく誤魔化してやったものを……それを最初に言えばよかったろ」
北上「い…言えたら…こんなに、泣いてないよ…大井っちの…隣以外で泣いたこと……ないもん…」
アーチャー「…泣いておけ、心が潰れるよりマシだ……」
ポタ……ポタポタ………ザーッ……
北上「 」
…………ザーッ…………
>>109
守護者の仕事でヘルサレムズロットに行ってたまたまレオ君かDr.ガミモヅを見かけたってことで……
すいません極限状態で書いてしまい、頭の中で世界が混ざりあってました…
コンコン……
金剛「archer?いるネー?秘書艦の金剛デース!」
アーチャー「入れ」
ガチャ
金剛「ヤッハローデース!!ん?archerの軍服なんか色変ね?汚れたネ?」
アーチャー「…いや、白の軍服はこの肌の色には合わんからな、黒主体、細部赤に作り直した…どうせ正式な衣装などなかろう?…箪笥の中が改造制服だらけだったぞ?…なんだ、このイカツイ眼と口が付いたセーラー服は?前の提督は馬鹿で変態だったのか?」
金剛「こら、archer、前の提督は女の子ヨ、馬鹿でしたが変態ではなかったネ」
アーチャー「(….女?)……それで何か報告でもあるのかな?」
金剛「あ、本部から委任状届いたネ!これで正式な提督デスネ!archer!」
アーチャー「……道路がキッチリ整備されて、車もある時代に二ヶ月は酷すぎないか?」
金剛「アハハ……なんか、shredderに入れる直前に人事が見つけたみたいネ…お詫びに一万円入ってたネ…『美味しいもの食べてください』だそうネ…」
アーチャー「…はぁ、では今日はすき焼きにしようか、ちょうど後は肉だけでできる…」
金剛「Really!?やったネ!今日は後100体深海棲艦倒してくるネ!!待ってるネ!!」
アーチャー「待て!あまり奥に進みすぎるな!囲まれたら今の君らでも」
金剛「わかってるネ!archerが強くしてくれたからネ…簡単に死ぬようなことしないネ…」
アーチャー「……フッ、ではその言葉を信じよう……帰ってこいよ?」
金剛「うん、行ってきます提督……」
ガチャ…バタン………
アーチャー「……行ったぞ鈴谷?」
鈴谷「………」ジー…
アーチャー「……はぁ、どうした?」
鈴谷「アーチャーさ、わりと女たらしだよね?」
アーチャー「……童貞ではない、それといつまでも机の下にいるな鈴谷!さっきから何をしている!?」
鈴谷「アーチャーの足に挟まれてるだけ…」
アーチャー「……そうか……いやいや待て待て!!?待て!なんだ?疲れか!?マッサージしてやるから出てこい鈴谷!?」
鈴谷「!!え!?マジで?ヤッホゥーなんかわかんないけどマッサージされる権ゲーット!」
キャハキャハ……
アーチャー「…クソ、嵌められたか…」
※前提督は纏なんとかちゃんでも、その子の怖いお姉ちゃんでもありません。
鎮守府から数キロ
金剛「第一防壁システム発動ネ、ファンネル十〜二十五は敵の背後からファイヤー!!」
ヒュン…ガガガガガガガガ…!!
金剛(…あの日以来archerを見るとたまに変な文字がarcherから浮かんで見えるようになったネ…)
北上「…ザ級、グ級は全滅!残りファ級ツェ級のみ、あーもう、鈴谷の奴サボりとか!明日あいつに一人で行かせない、金剛さーん?」
金剛(…よく観察してみるとarcherのstatusを数値化したものと、archerが何ができるか、というだとわかったネ…)
夕立「…鈴谷さんだけ行かせたら夜になっても帰ってこないっぽい、っと」
ガシッ
夕立「『機・殺戮女王の模爪(キラークイーン)』起動っぽい!」
ツェ級「ピ?ガ、ギガギガガググギ!?」
ポコ、ボコッボコボコボコ…ッバーン!!
北上「…敵を爆弾に変える爪とかどうなん?エグくない?」
夕立「…そう?っぽい?」
金剛(…身体能力値は正直比較対象が無いから良いか悪いかわからない。けどスキルの部分に気になるところが幾つかある…)
夕立「あ、北上さん下!!ファ級、来ます!!」
金剛「気をつけるネ!?デカイ鯨に十人乗りが来るネ!」
金剛(一つは『魔改造:B』…元来archerが持つ宝具の改造能力を意図的に昇華させたスキル。対象武具、遺物の擬似宝具化と能力付加、及び改造、変成。宝具が何かわからないけど、おそらく私たちの装備がこれの影響を受けてるはずネ)
北上「正確にはデカイ鯨に棲艦の上半身だけ十人乗りだけど、ね!!」
ファ級「FAAAAAAAAAAAAAAAA!!」
北上「う〜るっさい、よ!!」
カチャ………ガガガガガガガガッ…
金剛(二つ目は、『機構投影:B+』機械の投影の完成度を強化。『機械構造把握:A』機械や、機構の構造を視認した時点で把握、解析する能力…前者は本来、完成しなかったスキル、後者は元々あったが今まで発現が許されなかったスキルを昇華したもの。おそらくどちらも、まだarcherが使い慣れてないはずネ…)
北上「あーら、よ!!『偽・魔雷の焦熱世界(ザミエル・ヴァルキュリア)』発射!燃え尽きろー!!」
シュン、…ッカ…バリッ、ッドゴォォォォォォン……!!!
金剛(…ニシテモ…)
夕立「…再生能力ありっぽい…仕方ない、磁装・蒐窮(エンチャント・エンディング)!!」
金剛(……ニシテモ…)
北上「あっ夕立!私の獲物取るなー!!」
ファ級「GIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII!!」
夕立「…蒐窮開闢(おわりをはじめる)終焉執行(しをおこなう)虚無発現(そらをあらわす)―…」
パチッ……バチ…バチ、バチチチチ……
ファ級「!!?」
夕立「…電磁疾爪(レールガン)--“舞月”(マガツ)!!」
バシュ……
ファ級「Aッ!?」
夕立「…ごめん…遅すぎて細切れにしちゃった、っぽい」指ペロッ…
ファ級「……a、AaaAAaaAaAaaAAaaAAAaAAa!!?」
ザクっ、バビュ、ビュバ、ガグザリグジュベリバリバリババビババババババババ…!!!!
北上「…はぁ、どんだけ速いのさー」
夕立「雷くらい….でも燃料使い切ったっぽい…北上さんおんぶしてほしいっぽいー…」
北上「帰りの燃料くらい残しなよー、あー、これだから駆逐艦うざいってのー!」
金剛「…まぁまぁ、二人ともよく頑張ったネ」ナデナデ…
夕立「…えへへ〜」
北上「…むふぅ…」
金剛(これはやり過ぎだと思うネ!!ど、どんなwarしてきたネarcher!!?)
北上「…ん、あれって…」
……………………………。
アーチャー「へ…へっくち…噂されたか?」
鈴谷「…なに今の可愛いくしゃみ…」
元ネタ
キラークイーン→ジョジョ
焦熱世界・激痛の剣→diesirae
雷速剣舞・剣姫変生→diesirae
電磁抜刀・禍→装甲悪鬼村正
…………………………
モミ、モミモミモミ……
鈴谷「あ、や…だめだって…」
グ……グググ………
鈴谷「あ…はぁ……!!い…くぅ〜…!!」
アーチャー「…なにが『いく〜』だ!!足ツボマッサージじゃないか!!」
モミモミ…グググ〜……
鈴谷「…ん、はぁ、はぁ…ら、らってアーチャーにマッサージさせんの気持ちよすぎて…あ、股濡れたかも…」
アーチャー「自分の指揮官にマッサージさせるな…あと、その程度で濡れる女性はいない!」
グリッ!…
鈴谷「…ひゃう!?あ、アーチャーさん!!?そ、そこもっと優しく…あひっ…!?」
アーチャー「…はぁ……君に将来旦那ができた時が心配になってきた….そら、終わりだ、足首とふくらはぎのマッサージに移るぞ?」
ぽちゃん…カポッ…トクトク…カポッ……ぬりぬり…
鈴谷「あ…もうおしまい?…って冷た!?」
アーチャー「…マッサージオイルだ、すぐにポカポカしてくるから我慢しろ…」
ツー…シュリシュリ…シュリ……
鈴谷「…あ、あひー……アーチャーの指ってさ…なんか細くて…硬くて…冷たいのに…なんか安心するよね……あと黒いし……」
アーチャー「…ん?よくわからないな?普通に怖いだろ…そんな手に触られたら」
シュリ…シュリシュリシュリ……
鈴谷「…そう?……あたしはあんたの手……嫌いじゃ……ないかな…あ、そ、そこそこ!外側の、っ、あは〜!!」
アーチャー「自分からシリアスな雰囲気ぶち壊しやがった!?……いや、まぁ良いんだが…ほら、膝の部分はどうだ?」
クニクニ……
鈴谷「くひっ!?あ、アーチャー?…き、気持ちいい……っ!?」
アーチャー「…む!?」
鈴谷「ひゃう!?あ、アーチャー!?だ、ダメだから、膝より上に触っちゃ…あ、だ、ダメだって、言ってんのに〜!!?」/////
グニグニ……
アーチャー「…うわっ、太腿もだいぶこってるな…」
鈴谷「…うぅ…(一瞬感じちゃったじゃんか…ばかぁ…)」
アーチャー「これは………やむをえないか!鈴谷、上着とスカート脱げ、今すぐだ!!」
鈴谷「………は?え?」
アーチャー「…これ結構酷いぞ?尻や腰どころか背中や首からやらないとダメだ……」
鈴谷「…あ、アーチャー?い、いや提督!?か、からかった事は謝るからさ!鈴谷、そ、そんな心の準備、い、いや嫌じゃないんだけど!!」////
アーチャー「自分からマッサージを頼みに来てくれて助かった、まかせろ、お前の全身、全て揉みほぐそう!!」
鈴谷「…あれ?なんか会話噛み合ってな……」
アーチャー「英霊界で数少ないバトラーのクラス適性を持つ我が腕前、とくとご覧にいれよう!!」
鈴谷「え?え?なに?なんか私の思ってる展開と……あ」
ガシッ…エ、チョ…ポーン、ポーンスポポーン…キャアアア……
モミッ…アッ……モミモミモミ、グニュモニュモニュモリモミモミ……
コリッ………
「アアァァァアアアアアアアアアアアアアン…………・」////
カリッ…コリコリ…
鈴谷「……」
アーチャー「ああ…その…なんだ?…すまなかった…」
鈴谷「…すまなかったじゃすまないことって、あるよね?…」ジトー……
アーチャー「…だから詫びに耳掻きと、膝枕もしてやってるじゃないか…機嫌を直してくれ……」
鈴谷「…やーだー、ってかさ?普通マッサージだけで女の子何度もイカす!?馬鹿なの!?整体屋開いて毎日奥様の旦那さんキレさせて拳貰ってろって気分なんだけど!?」
アーチャー「…いや、まぁ、なんというか私も本気になりすぎた…悪気はなかったんだ……君に女性として恥をかかせてしまったことは謝る……すまない」
……カリッ……カリッ……
鈴谷「むー………」ジトー…
アーチャー「……ごめん」
鈴谷「わ、わかった…今度から気をつけてよ?」/////
鈴谷(…は、反則でしょ!?なに今の顔!?ってかドサクサに紛れてあたしも何頼んじゃってんのさ!?ひ、膝枕して耳掻きしてもらうとか……ふ、普通逆でしょうが〜!!?)ドキドキッ…
ガリッ
アーチャー「ん?」
鈴谷「な、なに?…言っとくけど二度目はゆるさ」
アーチャー「…結構デカイのがあるな…」
鈴谷「え…」
鈴谷(え!?嘘でしょ!?だってほぼ毎日耳掻きしてるし、ありえないでしょ!?)
アーチャー「…ふむ、鷹の目のスキルにこんな使い方があったのだな…動くなよ?」
カリコリカリ…カリッ
鈴谷「ひぅ!?」ビクビクッ…
鈴谷(今、ビリって、引っかかれる度にビリって!?あと深いっ!!?)
カリ…カリ……ベリッ!
鈴谷「ふぁ!?」
アーチャー「お、取れたな…落ちたら面倒だから…ジッとしてろよ?」
ベリッ…ベリッ……バサッ、ゴソゴソッ
鈴谷(あ、やばい?ヤバいヤバい!!なんか気持ちいい、白眼向いちゃう!耐えろ、耐えろあたしぃー!!)
バサッ…ゴソッ…ポロッ!
アーチャー「…よし、出せたぞ?見るか?親指の先くらいあるぞ?」
鈴谷「はぁ…はぁ…耐え…へ?」
鈴谷(え?なにこれ!?こんなん私の耳に入ってたの!?…ってかこれアーチャーに見られたってことじゃん!?)
鈴谷「あ…こ、これは…」///
アーチャー「…まぁ、爆煙ばかり吹き荒れる戦いしてたらこうなるか…ってちょっと待て動くな!」
鈴谷「ひゃ、ひゃい!?」
鈴谷(あ、終わった…あたしの初恋おわっ…)
アーチャー「…鼓膜の周りも酷いな…ほっといたら何年か後に難聴になりかねん……先ほどより慎重な作業になる、絶対に動くなよ、鈴谷?」
鈴谷「…ふぁい(泣)」
鈴谷(気にしてない?気にしてないよね?……よかっ…うぉほ!?)
カリッ…バリッ…バリッ…カリッ!
鈴谷(あ?え?駄目、駄目!気持ちいい!気持ちいいけど耐えて!!白眼晒したら今度こそアーチャーに嫌われる!!)
鈴谷「…はひ…はひ…」
アーチャー「…?何の音だ?」
バリッ…カリッコリッ…ベリッ!
鈴谷「んぎっ!?」
鈴谷(取れた!今なんか大きいの取れたぁ!)
アーチャー「…?後で基地内の機器をチェックしてみるか…」
ガリッ…バサッゴソッ…ポロッ
鈴谷「あ、あ…?」
鈴谷(終わった?終わった?気持ちいいの終わる?やっと…)
アーチャー「よしっ…さて、あとはベビーオイルでも塗るか…」
スー…スー………
鈴谷「…ひんやりしてて…おちつく…」
スー……スー………フーーー。
鈴谷「ひゅあ!?あーひゃー、そ、そ、れやめ…れ」
アーチャー「…?ベビーオイルは今やめたぞ?」
鈴谷「あ、あんた気づいてわざとやってなぃ…ひゃ!?」
フーーーーーー………。
鈴谷「あ、ひ、あ…」ビクンッ、ビクンッ…
アーチャー「さて、後は反対の耳も…って、白眼向いてヨダレ垂らしながら気絶しているだと!!?」
アーチャー「おい、大丈夫か!?鈴谷!!?」
後に鈴谷は語る。
「あれは執事とか、オカンとかそんなんじゃなくてもっと別の…。うっ、思い出しただけで全身敏感になってきた!!」
…ちなみに反対の耳をやっている間、鈴谷が覚醒と気絶を繰り返し、しまいには失禁したのでアーチャーが久々にこの世のものとは思えぬ恐怖を感じたとかなんとか…
鈴谷「…アーチャーはさ?助けなきゃいけない人を助けずに生き延びることについて、どう思う?」
アーチャー「なんだ?藪から棒に、というか、替えの服が体操服とブルマって…しかもそれ他人のだろう?『くまの』って書いてるじゃないか?」
鈴谷「…んー、これしかなかったからねー…、てかさ、ちゃんと答えようよ、アーチャー?」
アーチャー「……はぁ、さっき失禁した娘がいきなり体操着でマジメな顔するな……そうだな、次に助けれる人を探す…それだけだな」
鈴谷「…それだけ?」
アーチャー「…あぁ、それだけだったよ、私の場合はな…」
鈴谷「…そっか…じゃあさ、アーチャー、クイズ、いや質問…自分を守るために双子の姉妹が苦しんでます、あなたには武器がありません、少なくとも相手を殺すことはできないです……けど彼女が苦しんでる間自分は幸せです」
アーチャー「…なるほど」
鈴谷「…アーチャーならどうする?なにする?」
アーチャー「死ぬ」
鈴谷「は!!?」
アーチャー「…とか答えたんだろうな、昔の私なら….まぁ、世界の縮図みたいなものだよ…維持すればいい、その双子の姉妹もそれを望んだのならそれで良しとすべきだ」
鈴谷「…うわっ、血も涙も無いね」
アーチャー「嫌なら姉妹どちらでも好きに苦しみと幸福の椅子を勝手に替えられるはずだ……その質問から察するにな」
鈴谷「……金剛さんから少し聴いたの?」
アーチャー「本当に少しだけな…双子の姉妹、苦しんだのが妹の熊野、幸福だったのが姉の君か…」
鈴谷「うん……マキナが軍に正式採用されて私らはお役御免で晴れて退役軍艦になったわけ……でさ、私ら姉妹って大して強くもなかったのに…ほら、見た目、結構人気あんの、凄いっしょ?」
アーチャー「…はぁ……君ら元軍艦からしたら軽い侮辱どころではなかろう…元の船のフォルムや性能で評価されるならまだしも…」
鈴谷「まぁ、長門さん、武蔵さんあたりならそうかな…でもね、しょーじき嬉しかったんだぁ〜、だって…こんな特別な功績も性能も無いポンコツが女の子の形になったら必要としてくれる……私らにとっては蜘蛛の糸だったよ…」
アーチャー「……だった、か」
鈴谷「…だった、だよ」
鈴谷「……買い手は、どっかの社長、いやお貴族さまかな…私と熊野は能力制限を受けてさ、運び込まれたのは山の中の大きな洋館……着いた当日は二人してウキウキしてたっけ…?」
アーチャー「ほお…なぜだ?」
鈴谷「だって元々戦う気これっぽっちも無かったのに数十年ずうっ…と!!戦いっぱなし、挙句に敵は数は減らないわ、鬼畜かっつーくらい強化しまくってさ?こっちは時代錯誤な軍艦娘をいつまでも戦わせてんだよ?」
アーチャー「…数十年単位で君らは、ほとんど強化されないまま戦ってたのか?」
鈴谷「…ほとんどってより、全くかな…世間が黒電話からスマホに変わっていくところをマジマジと見てたよ、深海棲艦と戦いながらさ……そこにホラ、マキナ様ですよ、金剛さんが嫌うのもわかるよ?でもさ……キツかったんだよ…あたしらにはさ?」
アーチャー「…あぁ、わからないでもない」
鈴谷「…馬鹿だったんだよ、あの時のあたしはさ……熊野と一緒に送られたお屋敷はさ…天国だったよ、なんでも食べれた、なんでも着れた、欲しいものはなんでもくれたし、お屋敷に来る人はみんな優しかった……」
アーチャー「…『お屋敷に来る人は優しかった』?……屋敷の住人は?」
鈴谷「…ははっ、そんな人いたら『天国』なんて表現使わないって……ずーと熊野と二人…ベッドから起きたらじゃれあって、遊んだり、本読んだり、映画見たり、庭でバトミントンもやったかな…?欲しいものがあったら玄関の黒電話か入口のポストにメモ翌用紙挟んだらすぐに黒いヤツらが運んできたよ…」
アーチャー「…君にはまるで『ご褒美』だったわけだな…」
鈴谷「…かなぁ……たまに変な仮面付けた人が来たら一緒に夕飯を食べて、一晩泊めてあげなさい…なんて変な≪言いつけ≫だけあったのがネックだけどね〜…」
アーチャー「良かったじゃないか?……それで?…….『檻』にはどうして気づいたんだ?」
鈴谷「…引き取られて一年経ったときかな…夏だったよ、クソ暑い中さ、熊野のヤツ春用の長袖着てたからさ……」
鈴谷『どしたん?熊野ー?汗疹?薬塗ったげようか?』
熊野『別に…ただ、なんとなくですわ』
鈴谷「あはは……なんでかな、今もアーチャーが一瞬でわかっちゃったのに……なんで……」
鈴谷『えーっと…熊野?どっか切ったの?なに、その腕の包帯?』
熊野『いえ、別に…』
鈴谷『そ、そうなんだ?』
アーチャー「……違うな、なんとなく理解はしてたのだろう?」
鈴谷『く、熊野?たまには鈴谷とお風呂入ろ?…また洗って…』
熊野『一人で…入ります、だからさっさと先に入ってくださいませんか?』
鈴谷『ふ、二人で入った方がたのし』
熊野『……では先に寝ます、おやすみなさい…』
鈴谷『…え』
鈴谷「……うん、そだね、わかってたから………助けなかったんだっ…」
ギシッ、ギシッ……
熊野『……』
鈴谷『……(熊野?)』
ギシッ…ギシッ……ピタ。
熊野『……』
ガチャ….ギィ……
鈴谷『!?(大広間!?えっ?あそこ開かないはずじゃ……?)』
バタン…
鈴谷『……あ、そだ、たしか前にイタズラで入った監視カメラ観れる部屋!あそこに…』
その日、山奥の屋敷・監視室にて…
ガヤガヤ…ザワザワ……
『ハイでは今日もまずは熊野ちゃんから三つの誓い言ってみよー!はーい、まずその一!!』
熊野『…熊野は、あ、あなた方に逆らいません…』
ピュー…アハハ……
鈴谷「……なに、これ?」
『声が小さいねー?はいその二!!』
熊野『い、今よりう、受けるあらゆる激痛に耐え、ぜ、絶対に逃げません!!』
ヨシ、イッタゾ?…ザワザワ……イッタワ……イッチャッタネ…ザワザワ…
鈴谷「げきつう……?」
『あら?もうボロボロ泣いちゃいます?そんなんで良いのかな〜?お客様やゲストに三つ目言わないと困るのは熊野ちゃんだよ〜?』
熊野『ま、待って、待ってください!い、言わせて!お願いします!!』
ドッ、アッハッハハハハハハ………
鈴谷「…く、熊野らしくないよ?ねぇ?なんのお芝居してんの…?」
『そこまで言われちゃうとね〜、はいじゃあそのさ〜ん!!』
熊野『だ、だから…だからぁ…』
ボロ…ボロ……
鈴谷「……や、めて?やめてよ、熊野ォ!!」
『三つ目はぁ〜……!?』
熊野『鈴谷には、絶対に手を出さないで!!』
『ハイ!これにて契約は完了しました!!これより艦娘の拷問ショーを開催致しまーす!!皆さんお席から離れず!お見逃し無く!彼女の苦しみ喘ぐ姿に欲情ください!!!』
ワアアアアアァァァアアァァァ…!!
………
…………
……………。
鈴谷「…ずっと見てた、熊野が口に何度も死ぬほど水を飲まされて泣きながら吐き出して、また飲まされてるとことか…デカイ麻袋に詰め込まれて前も見えなくて四つん這いで逃げ回ってる熊野に変なおっさん達が拳やバットや金槌で殴りつけて麻袋が真っ赤になるまで殴ってさ…袋に穴が開いたら何十匹もネズミ入れて縛って、熊野が痛いとか嫌だとか泣いて泣かなくなったら修復材入りの水槽に入れていきができなくてあがろうとしたらなぐってもどしてまたなぐってすいそうがまっかになってくまのがいきしてなくてそれからっ…むぐっ!?」
アーチャー「…君がマヌケなのも馬鹿なのも救い難いヤツなのもわかったから…………わかったから…あぁ、逃げたんだな?妹を連れて…」
鈴谷「…うん」
アーチャー「…山を下りたのか?」
鈴谷「…うん」
アーチャー「…下りれたか?」
鈴谷「…うん、下りれた、なのに、なのに熊野がさ…」
熊野『…やっとあなたが休めるところを作ったのに』
アーチャー「……戻ったわけか?」
鈴谷「…意味わかんないよ、なんで…あんなトコに…」
アーチャー「…一種の依存だよ、君が最初にこんなポンコツでも必要としてくれるとか言ったな…君の妹は君に必要とされたくて…やがてそれと拷問者達が必要とすることが混同してしまったんだろうな……末期だったんだよ」
鈴谷「……」
アーチャー「……そして君は運良く助けられ、妹は今も屋敷で慰み者か?」
鈴谷「…ううん、山登ってたら土砂崩れに巻き込まれて死んだ」
アーチャー「……そうか」
鈴谷「…うん、だからさ」
Q.この世で一番大好きだった妹を追いつめ殺した私はどのような罰を受けるべきでしょうか?
アーチャー「…」
鈴谷「笑えるよね〜…艦娘は同じ末路を辿る…だっけ、はは…熊野は故郷に帰れなかったから帰れなかった。私は仲間を助けたのに、助けられなかった…どういうことかわかんないよ…」
アーチャー「…なぜ私にそんなことを聞く?……君の妹の墓前で言えば良いだろう?」
鈴谷「熊野はもういないからね…だからさアーチャー…鈴谷はあんたに裁いてほしい、罰してほしい…」
鈴谷「理由はただ辻褄合わせだとか、罪悪感だとか、自分が許せないだとか色々あるけどさ……多分一番の理由は鈴谷はあんたに助けられ、あんたが『罰する人間』だと思ったから……じゃダメかな?」
アーチャー「…意味がわからん、なぜ私が『罰する人間』なんだ……思い込みも甚だしいぞ?」
鈴谷「違わないよ、だってアーチャーからは血の匂いばかりするのに、こんなに優しいじゃん……自分の為に人を殺す人はこんなに優しくないよ?」
アーチャー「……だから私に何度も触れるようにしたのか…」
鈴谷「…うん、ゴメン……」
アーチャー「……どう…罰してほしいんだ?」
鈴谷「……なんでも良いかな…」
アーチャー「…なんでもとはまた、偉く適当だな…」
鈴谷「うん、お好きにどうぞ?犯しても、抉っても、潰しても、轢いても、焼いても、殺してもいい……兎に角、鈴谷が納得できるまで…痛めつけて、苦しめて……殺してよ……」
アーチャー「…着任早々艦娘の方から殺してほしい、なんて願い……私以前に君の今の姉代わりが許さないだろう?」
鈴谷「…だよね、だから金剛さんが留守の今頼んでんの………もうね耐えらんないんだよ……」
アーチャー「…幸せなことがか…」
鈴谷「…ほら、やっぱ理解できてんじゃん……そだよ、鈴谷はね、ここで苦しんで!泣いて!痛がって!絶望して死ななきゃいけなかったんだよ!!…なのにあんたが来たから……死ねなくなっちゃった……」
アーチャー「……」
鈴谷「…だからさ、アーチャー……責任持って鈴谷を苦しめて、犯して、殺してよ…」
ギシッ…
鈴谷「簡単だよ?…ほら、こうやって片手で首をね占めて、もう片方で殴ったり、服破ったり……なにされても黙ってるからさ…やってよ…アーチャー?」
アーチャー「………そうだな、ならば……こうするとしよう……」
トンッ…ギシッ……
鈴谷「…アーチャーは押し倒し派なんだ〜?…私は乗られたい派だから意外と相性良いかもよ…あたしらさ」
アーチャー「…そうかもな…始めよう…」
鈴谷「…別に言わなくても良いよ…?」
スッ……
鈴谷(……ああ、アーチャー…あたし犯さないんだ…熊野の体操着…けっこう自信あったんだけどなぁ…)
鈴谷(……首を片手で折るのかな…アーチャーの手ならできるかもね……この手なら、うん、いいかな…)
鈴谷(…あれ?…あたし、今いいかなって思った……駄目じゃん、駄目だよ…なんで鈴谷が、一番良い死に方しようとして……)
….………….……バチコーン!!
鈴谷「ほぐわぁ!!?」
アーチャー「よし、終わりだ」
鈴谷「…は!?えっと、アーチャーさ?鈴谷の話ちゃんと聞いてた!?…デコピンじゃん!?」
アーチャー「聞いてたが?なんだ、一発じゃ不満か?」
バチコーン!!
鈴谷「アブクァ!!?…い、痛い痛い!アーチャー、ふざけ…」
バチコーン!!!バチコーン!!
鈴谷「あびゅ!!?ふにゅ!!?…うぅ??」
アーチャー「…君は最初にこう言ってたな…『こんなの、もうやだよ』…とな」
鈴谷「…?言ったっけ?」
アーチャー「覚えていないのか!?言ったわ、ガクガク震えながらな!」
鈴谷「…えっと、だから?」
アーチャー「…はぁ…君は頭がたまに空っぽなのかと思うことがあるが…ここまでとはな…」
グッ………バチコーン!!
鈴谷「ぴにゃ!!?」
アーチャー「…敵前でガタガタ震えながらな現実逃避、ましてや私のデコピンで一々奇声を発するような女の子が、私から苦しめて欲しいなど…無理があるだろう?」
鈴谷「っ!鈴谷は真面目に!!」
アーチャー「真面目に考えてたら…」
バチコーン!!
鈴谷「きゃう!!」
アーチャー「…そんな顔はできん」
鈴谷「…ひ、酷いじゃん!せっかく鈴谷が真剣に話してたのに!!」
アーチャー「……とある姉妹の話だ」
鈴谷「…はぁ?」
アーチャー「…とある姉妹の妹が余所の家に引き取られた…姉妹は再開を約束して別れた…残された姉は必死に努力した…自分が努力して苦しめば…妹が楽に、幸せになれると信じ続けたんだ」
鈴谷「…鈴谷とは違うって」
バチコーン!!
鈴谷「ぅあいた!!?」
アーチャー「…やがて成長した妹と姉は再開する…だが姉は喜ぶどころか、愕然とした……」
鈴谷「…?なんで?」
アーチャー「妹はバケモノにされていた….引き取られた先で妹は心が壊れるほどの苦しみを味わされ続けていたんだ………姉はすぐさま妹を治そうと懸命に努力した…努力したんだがな……」
鈴谷「…どうしたの?」
アーチャー「…ああ、だがな…君と彼女には違いがある…彼女は自分の意思で殺した、そして彼女は生涯を駆け抜けた…たまにドジして転びまくったがね…」
鈴谷「…鈴谷にもそうし」
バッチコーン!!
鈴谷「ぶふぉ!!!?」
ドンガラガッシャーン!!……
アーチャー「む、すまない楽しくなってきてつい力を込めすぎた…」
鈴谷「デコピンで……寝た姿勢の相手吹っ飛ばすとかぁ……!!」
アーチャー「…別に彼女みたいに生きろなんて、ふざけても言えんよ…ただな、死んだ妹に謝りに行く前に自慢話くらい用意しておいても損はなかろう?…少なくとも謝罪だけで地獄の刑期は退屈だろう?」
鈴谷「いっつっ…じ、地獄の刑期って何年?」
グシッ……
アーチャー「焦熱地獄で5京4568兆9600億年だな…」
鈴谷「な…なが!!?」
ズズッ…ズーッ……
アーチャー「…そうか?無間地獄に比べたらまだマトモだぞ?……まぁ、だからいい加減思い切り泣け…」
鈴谷「ズズッー!!な、泣かない!熊野はこれくらいじゃなか…」
シュ…ズドン!…
鈴谷「ぅおわ!!?な、なんか矢がと、とんできた!?」
アーチャー「ふむ、ならば泣くまで追い回して矢を掠らせようか……どうせ後衛サポートに回りすぎて運動不足みたいだったからちょうど良かろう?」
鈴谷「な、なんでこんなこと、すんのさ!!す、鈴谷はただ殺して…」
シュ…ズドドドドン!!
鈴谷「は、はわわ…あ、アーチャーさんもしかして…怒ってる?」
アーチャー「ああ、なんだまだ気づかなかったか?……わりと本気で泣かす気だぞ?今の私はな……」
鈴谷「え…な、なぐさめようとしてたんじゃ…」
ズドン!!………
鈴谷「」パク…パク…
アーチャー「それもない事もなかったんだ…まぁ、あれだ涙腺と足腰使ってストレス発散して、リフレッシュしたまえ……それとな鈴谷?」
鈴谷「…ふぁい(泣)」ガタガタ…
アーチャー「私にあれだけ世話焼かせておいて、さらに殺して欲しいとか……次は君が私の気分転換に付き合うべきだよな?」ニッ…
鈴谷「う、うわぁぁぁぁぁぁぁーん!!こん、ちくしょぉぉぉぉぉぉぉー(泣)!!!」
ダダダダッ………!!!
アーチャー「…そら、遅いぞ!!文字通り!!泣き叫べ!!体操着で良かったじゃないか!!」
シュン!シュン!ガガガガガガガガガガっ……!!
鈴谷「うわっ!!ひぐっ!ぐすっ!もう、なんでこうなったのさぁ(泣)!!?
ダダダダダダダダッ…!
アーチャー「そら、どうした!?言っておくが最低3時間は頑張ってもらうぞ……!?」
ダダダダダダダダッ…!
鈴谷(……あれ?足なんでこんな必死に動くの?死にたかったんでしょ?鈴谷はさ……?)
シュン、シュン、ドッゴーン!!……
鈴谷(…あぁ、そっか、そだよね?…)
鈴谷「ひっぐ、うぐ、うぅ…!!」
ダダダダダダダダダッ…!!
鈴谷(…熊野が頑張って守ったんだもんね、この体は!!……じゃあさ)
シュン…シュン…ズガンッ!
アーチャー「…む、一本ずらされたか?………ふっ」
鈴谷「ズビーッ!ズズッ…ひひ…」
鈴谷(じゃあさ、とりあえずこいつから3時間逃げ続けて自慢話にするから待っててね、熊野!!)
A .英霊提督の攻撃から3時間逃げ続けてあの世で自慢しましょう。
妖精さんA「鈴谷さん死んじゃったです?」
鈴谷「…し、死んでないよ〜、た、ただ、ちょっと…ぜはー!!ぜはー!!」
妖精さんB「ぜはー?」
妖精さんC「ぜはー!」
妖精さんD「セバにゃん?」
鈴谷「…はぁ、はぁ、えっと、大丈夫っす!!だから心配してくれてあんがとさん!」ニッ!
妖精さんA「根性いるです?」
妖精さんC「尻だすです」
アーチャー「君達は基地内の修繕を頼む、あとこいつの装備の修理もな」
妖精さんA「えーゆうさん、きたー」
妖精さんB「でも、めんどくさいです」
妖精さんC「ニートさいこー」
妖精さんD「きょうも一日中家でフロムゲーです」
アーチャー「今日のおやつは特大バームクーヘンだが?」
妖精さんABCD「「「「さーいぇっさー!
」」」」
アーチャー「よし、他のメンバーにも通達後、即時取りかかれ!」
妖精さんD「ゲーム…」
アーチャー「…」
こちょこちょこちょ…
妖精さんD「や、ら、らめー!」
鈴谷「……そういえばさ?」
アーチャー「ん?」こちょこちょ…
鈴谷「私らのとこの妖精さ五人もいなかったはずだけど、なんか増えたよね?」
アーチャー「ああ、昔行ったせ…国で餌付けしてな、来て一週間くらいして電話して来日してもらった」こちょこちょ…
鈴谷「なんか百匹以上いない…?」
アーチャー「…今見たのはこの基地の妖精と私が呼んだ妖精のハイブリッドなんだろう……楽しかったら勝手に増えるんだ、彼ら…」こちょこちょ…
鈴谷「…なにそれこわい」
アーチャー「…大半は君と金剛と夕立のテンションで増えたんだがな…お陰様でエサの量が増えて困る」こちょこちょ…
鈴谷「…お菓子作り楽しんでんじゃん、このオカン」
アーチャー「…楽しんでいるのは否定しないが…オカンはやめなさい」こちょこちょ…
鈴谷「…じゃあお兄様」
アーチャー「…それもナシで」こちょこちょ…
妖精さんD「も、もーやめてー!」ビクンビクン…
ドン!!
金剛「hey!!archer!!緊急事態ネ!!…ってなにネ!?この惨状は!?」
鈴谷「馬鹿アニキが壊しましたー」
妖精さんD「あ、もう…こわれ」ビクビク…
金剛「基地内を!?妖精サンを!?」
アーチャー「ふむ、それで?どうした、金剛?」
金剛「…個人的にはパパ希望デース」
鈴谷「いや、そこまで甲斐性な…ありそう!」
アーチャー「…緊急事態なのだろう?」
金剛「はっ!?そうだったネ!?マキナが攻撃してきて、それで…」
ドンッ!!ゴンッ!!ガキンッ!!…
アーチャー「…つまり、なぜかマキナがいきなり攻撃してきて、逃げようとしたら港まで追ってきた……か?」
金剛「Yes!!archer状況飲み込むの速くて助かるデース!」
鈴谷「ちょ!?じゃあ今あの二人で引きつけてんの!?」
アーチャー「む……そうだな、急ごう」
………………………………
ガンッ!ドンッ!…ドゴンッ!!
夕立「…っちぃ!こんのぉ!!」
ガシッ!
夕立「『機・殺戮女王の模爪(キラークイーン)』!!発動っぽい!!」
シーン………
マキナ「……こうげき……?」
北上「…やっぱ効かない?」
ガンッ…ガンッ…ドンッ!!
夕立「…みたい、っぽい…北上さん!!」
北上「はいっ、よ!!」
カチャ、ガガガガガガガガ…バシュッ……
マキナ「てき……北上かいに…みとうろくそうびしょじ……きていいはん…しんせいかくにん…ほんぶとのつうしんふ」
ドッゴーン!!………
北上「…そのセリフ5回目だってーの、通信不可なら、私ら襲うなっつーの!」
マキナ「…こうせんいしアリ、ハイジョ」
北上「あー、やっぱ効かないし!!なんでだよー!!?」
マキナ「……だいよんかんぽう『メグレズ』セット…」
ガチャ…シュゥゥゥゥ……
夕立「…ぽい?なんで上に砲身向けて…?」
金剛「夕立!!北上!!」
北上「あ、金剛さん報告おわっ」
金剛「二人とも速く私の後ろに隠れるネ!!」
マキナ「はっしゃ」
シュゥゥゥゥ……カチ…ドンッ!!……
夕立「うわっ!」
北上「ちょ、ま、あいつなにやって!?」
…パチン…バヂッ…ピシ、バヂッ……
金剛「…マキナ第四艦砲は上空に一度莫大な電力を撃ち込み、それを上空のユニット間で増幅して…」
バヂッ…バヂバヂ…
金剛「…数万の落雷を敵に一点集中して上空から撃ち出す…!二人とも私の後ろから離れちゃダメネ?」
金剛「第ニイージス…《異能再現機構》起動!!」
バヂバヂ…バヂッ……!
マキナ「せんめつ」
カッ……バヂッ…ドッゴオォォォォォン…!!!
金剛「ベクトル反射システム!『全方捻じ曲げる黒白の偽翼(ベクトル・アクセラレーション)』起動ネ!!」
ドンッ!!…バヂッバヂバヂ……
夕立「え!?なんか止めた…っぽい!?」
北上「アーチャー…どんなん作ってんのさー…」
マキナ「…じだん……だいいちかんぽ」
金剛「もう!まだ、次撃たないで欲しいネ!…だ、だったら、コレ全部、返品するネー!!!ベクトル変換!!」
バヂッ、ドッゴオォォォォォ……ン!!
バヂッ…バヂッ……シュー……
夕立「…終わった、ぽい?」
金剛「……まともに当たってればネ……shit!!…無断で返品してやるべきだったネ!」
北上「…うん、寸前で防御してた、あと、どうでも良いけどドンドンうるさくて耳痛いんだよー!」
アーチャー『ザーッ…聴こえるか?』
金剛「archer、sorry、仕留め損ないマシタ…」
アーチャー『ああ…わかってる…君らは帰投しろ…』
北上「北上様はまだいけるけど?」
アーチャー『…いや私が実際に見ておきたいんだ……少し気になることがあってね….』
夕立「……てーとくさん大丈夫、ぽい?」
アーチャー『むしろ少々スッキリしてるから問題は無い、だから…』
ガチャ……
マキナ「し…ネ…」
ビシュ…ドンッ!!
マキナ「あ…?」
ギロッ……
…………………………
アーチャー「…とっとと、こちらまで上がって来い、今から貴様の相手はこの私だ…」
アーチャー「…さて」
金剛『ザーッ…ほら速く撤退するネ!』
鈴谷「ど、どーすんのさアーチャー!?マキナこっちガン見してんじゃん!マジギレしてんじゃんか!!」
アーチャー「さがっていろ鈴谷…少なくとも半径50メートル内には近づいてくれるなよ?」
鈴谷「へ?」
マキナ「にんげん…こうげき?」
アーチャー(…体格は人間程度…肌の色と髪は、蒼白…瞳は蒼か…髪が長いな…非効率だな…全身は…なんだ?スーツか?レオタードか?もしや裸ではあるまいな?…背に6枚のブレード状の飛行機関があるが……基本的には足と一体化してる方のブレードで海面スレスレを浮いてるわけか……まるで少女の肉体に直接機械を寄生させて、天使か亡霊でも作ったような造形だな…)
マキナ「…かいとうは?」
アーチャー(無表情…魔力を込めただけとはいえ私の矢を受けて欠損部位無しとは……予想通りか……)
マキナ「…むし……ころす?」
鈴谷「っ、アーチャーくるよ!!」
アーチャー「…投影開始(トレース・オン)」
ヒュ……………ガガガッ、ガキンッ!!ドゴンッ!!!
マキナ「…ひとが…うけとめた…?」
鈴谷「な、なんで!?今あっちの海面に…!?」
グググ…ギチギチ…キシッ…!!
アーチャー(…一瞬で両腕を刃物に変え、水面から私のいる陸地まで跳躍し四発も打ち込んでくるとは……おまけに…)
ギチッ…ギギ…バキンッ!!
鈴谷「剣が!?」
アーチャー「ちぃ!!…莫耶をへし折るか…」
マキナ「だいさんかんぽう『ろくそん』きどう…」
カ…
アーチャー「構造把握完了…なるほど両刀身を共鳴させた音波による超振動か!!」
マキナ「え???」
アーチャー「させん!!」
ガキンッ、ドンッ!!
鈴谷「おぉー、ぶっ飛ばしたー!?」
マキナ「っ……?…?」
アーチャー「…その薄い刀身で私の干将をもろに受け止めて、ヒビが入る程度……物理的にありえないな…やはり!」
マキナ「っ!!ようちゅういたいしょうとはんだん!!!はいじょ!!」
アーチャー「ようやく本気になったか!鈴谷!!死にたくなかったら、離れていろ!!……投影開始(トレース・オン)!!」
鈴谷「え!?う、うん!!」
ドゴンッ!!ヒュン、ガキンッ!バキッ!ズバシュ!!ザシュ!バキンッ!!………
マキナ「…これでおわり!!」
ガチャ!!
アーチャー「…まだだ!!」
ガキッ…バキンッ!!
マキナ「!?」
アーチャー「どうした?まさか、それで全力か?」
マキナ「っ…!!」
鈴谷(…なにこれ?アーチャーって弓使うからアーチャーじゃなかったの?…)
キンッ!!ガンッ!バキッ、シュ!!ドゴンッ……
鈴谷(近づいたら剣で斬り合って、飛んだり、離れたらマキナが撃つより速く矢を何十発も叩き込んで、圧倒してる……なんで私達が追えないマキナの動きについていけてんの!?)
キンッ…ヒュン、ドゴンッ!ガンッガンッ!!ザシュ!…
アーチャー 「ふっ…」
鈴谷(…怖い…見てるだけで、体が怖くて震える…私達の領域の殺し合いじゃないってわかる…なのに……なんで)
ゴ、ガガガガガガガッ!!ヒュン…キンッ、バシュッ!!…ガキンッ…
マキナ「ぐっ……」
ギチ…ギチギチ………
アーチャー「…この程度で音を上げるのか?」
鈴谷(…どうして、アーチャーがいまだに手加減しているように見えるんだろう…)
アーチャー「……やはりそういうことか…」
ギチギチ…ギチ……
アーチャー「貴様の構造を解析してわかったことがある…」
マキナ「……」
アーチャー「一つ、貴様の『かんぽう』…メグレズとろくそん、つまり禄存は北斗七星の星のことだな?…貴様の体を解析した結果…貴様に先ほどのような莫大な電力を生み出す科学的機構は存在しなかった…」
マキナ「……」
鈴谷「え、ど、どうゆうこと、それ!?でもさっき確かに…」
アーチャー「…つまり、『かんぽう』とは『艦砲』ではなく『神法』、つまり北斗七星を軸にした魔術なのだろう?…北斗七星はあらゆる神話や伝説で出てくる星々だ、関連するものとしてオーディン、トール、オシリス、アーサー…どんな魔術基盤にも接続でき、強大な威力で多様な魔術行使が可能だろう、それにこの世界より遥か先の科学理論で強化したのが先ほどの雷撃だ…」
マキナ「…」
アーチャー「…その証拠に貴様の体内は発電するシステムは無いが、数秒ごとに形を変える数十の魔術回路が存在する……おまけに心臓は竜の炉心を真似ているな…?」
ギチギチ…
マキナ「…」
アーチャー「…二つ目だ、貴様は…いや、マキナの構成概念はあくまで『艦』だった…つまり貴様らは」
マキナ「…あ、あああぁぁあ!!」
バキンッ!ドゴンッ!
アーチャー「ちぃ!!…おとなしくしてろ!!」
ズバシュ!!…ブシュ!…
マキナ「がっ!?…」
北上「うげっ、来たらいきなりマキナの両腕無いじゃん!?」
夕立「ぐ、グロい…っぽい」
アーチャー「二つ目、つまり貴様らは艦娘か…深海棲艦に近い存在という事になる……十中八九、艦娘か深海棲艦を改造したのが貴様らの正体だ…」
金剛「………え?」
マキナ「…ち、が……」
アーチャー「…違わないさ、体内の構成は彼女達がベースなのは間違いない………だが、私が聞きたいのはそれではない!!」
金剛「アーチャー?な、なに怒ってるデス?」
……………チャキ。
アーチャー「….…これで最後だ…終わらせてやる…一撃で首を飛ばして楽にしてやるから……最後に一つだけ…意思を振り絞って、呪縛に抗ってみせろ…!」
マキナ「………ぁ」
アーチャー「……君を『宝具』に化えたのは、私の同類か?」
….…….……….…….……….…
….……….…….……
….……….…
….….ニコッ
マキナ「………ろ………し…て…?」
ツー…….…ポタッ。
…ザシュ!!
アーチャー「…….…….…」
金剛「…archer?一つ聞きたいデース」
アーチャー「…なんだ?」
金剛「…さっきのマキナの最後、笑ってたデス…けど」
金剛「泣いたのはarcherとマキナどちらデスカ?」
アーチャー「…….」
アーチャー「…………」
アーチャー(……結局、いつもどおりか…)
アーチャー(……マキナは魔術的、超科学的に改造され『宝具化』された、この世界の艦船だ……)
アーチャー(……本来、この世界において…)
アーチャー(…単純に兵器の技術が向上し、その上で彼女達が淘汰された…だけなら問題はなかった……私も彼女達が安全に暮らせる基盤を作り、深海棲艦を殲滅して消えるだけだった……)
アーチャー(…だが、もしこの状況を作ったのがサーヴァント、英霊なら話は別だ……)
アーチャー(…自己進化の領域を超えた深海棲艦のデタラメな強化、これはおそらくそいつの実験に違いないだろう)
アーチャー(実験…となるとそいつは生前そのような能力を持たなかった存在か?……研究職の英霊の可能性もなくは無いが…対象の宝具化、あるいはサーヴァントに匹敵する)
コンコン…ガチャ
金剛「archerソファで寝て、気分良くなったネ?」
夕立「てーとくさん、頭抑えてる…まだ頭痛い、っぽい?」
アーチャー(宝具昇華は英霊の中でも作家に属する者達の専門だ知識内にあるのは…アンデルセン、シェイクスピア、デュマ……まず、アンデルセンは長期間かけて一人を究極に昇華させるタイプだ、この状況にそぐわない…)
金剛「…archerまだ気分悪いネ…夕立、あんまりnoisyしちゃ駄目ヨ?」
夕立「うん、わかったっぽい、てーとくさんヨシヨーシ、はやく元気になるっぽい」
ナデナデ……
アーチャー(シェイクスピア、こいつは今の状況を創り出せる…奴が深海棲艦について筆を走らせれば如何様にも強化できる、宝具化も可能だろう……いや、違うな…)
アーチャー(…奴は劇的に書くのは好むが、あることないことデマを丸々書くのは好まない…どちらにしてもすぐ悲劇になり自滅しているはずだ……マキナはもう何年も存在している…奴が悲劇にしないのはおかしい……)
金剛「…meも膝枕…してもいい…カナ?」
夕立「?金剛さんいつもなら言われなくても勝手にやるのにどうしたの?」
金剛「べ、別になんでも無い…デース」
アーチャー(…最後にデュマ…一番あって欲しく無いが…一番噛み合う……)
アーチャー(…近代兵器への関心、魔術とのハイブリッド、おそらくまともな魔術を使う英霊は許さないことを平然とやり、かつ、乱造はお手の物だ…性格も合致する……だが、これでも説明しきれない……)
ナデナデ…
夕立「ヨシヨシ…てーとくさんの頭…撫でてるとなんかギュってしたくなってきた…ぽい…」
金剛「いくら童顔でも、こんな大きな大人にそれやったら失礼ネ…archerだって30代のgentlemanネ」
夕立「ぽい?金剛さん、もしかして知らないっぽい?」
金剛「?」
アーチャー(…守護者である私が今まで見たことの無い技術を作家であるデュマが習得しきる事が可能か…否だ、とてもじゃないが解析するのに18発の接触が必要とするものをどうやってデュマが習得できる…?)
ナデナデ……
夕立「夕立と一緒にお風呂入ってる時のてーとくさん、髪下ろすとどう見ても二十代前半、ぽいよ?」
金剛「ゆ、ゆ、ゆ…」
アーチャー(…やはり可能性としては〝同類〟しか…)
金剛「夕立とお、お風呂ォォォォォォォォォォォ………!!!?」
ビクッ!!
アーチャー「!!?な、なんだ!?何事だ!!?」
夕立「あびゅ!?こ、金剛さん、どうしたの!!?って、てーとくさん起きちゃったぽい!?」
金剛「な、なに考えてるデス!?は、犯罪ネ!!?archer、い、今からけ、警察、い、いや憲兵さんに…!」
アーチャー「ち、ちょっと待て落ち着け金剛、とりあえず砲口をこちらに向けるんじゃあない!!」
夕立「……ナデナデ楽しかったのに…ぽい…」
坂上「…海の夢を見る」
坂上「……どこまでも続くと思ってた懐かしい夢」
坂上「……そう思ってたんですよ…」
坂上「……?ああ、意味がわからない?」
坂上「…これだから軍人はいけない…浪漫や想像力が欠片もない…」
坂上「…年柄年中悲観的未来予測をしないと生き残れない?…馬鹿ですか?」
坂上「……未来は観測者の予測に大なり小なり従うのです…そんな予測ばかりしてりゃ、あんな結果にもなりますよ……」
坂上「…え?マキナが一機潰された?だから?…」
坂上「…気にしませんよ?だってあれ深海棲艦に一撃貰って通信システム壊した奴でしょう?」
坂上「…いや、だから欠陥機一つ別に良いですよ?残骸から情報が漏れる?」
坂上「ハッ…マキナは私以外作れないし、弄れませんよ…」
坂上「……海が綺麗だ…風も心地よい」
坂上「…ん?ああ、そういえば、そうでしたね…」
坂上「あのマキナの素材は良い声でした…なんて言うんですかね?」
坂上「…聴いてると落ち着く、だから」
坂上「皮剥がしたんですよ、ははっ、あのゴミ楽しかったなぁ…」
坂上「左胸から綺麗に、一部一部丁寧に…切るごとに悲鳴が……艦娘なんて言ってもアソコのヒダハサミで……」
坂上「…え!?憎かったか?当たり前でしょう?」
坂上「だってあのゴミどもとこの国は私の罪の証じゃないですか!?できれば残りの艦娘もこの糞みたいな軍も拷問して、拷問して、殺してくださいってねだっても殺さないで百年生きたまま箱詰めに……」
坂上「…なのに、あのマキナの検体ときたら……」
坂上「子宮引きずりだして、中で無茶苦茶に変形させた胎児を目の前で八つ裂きにしたらショックで死にやがった…」
坂上「…あー、まぶたがあれば少しはマトモだったかもしれませんね…失敗したなぁ…」
坂上「……ん?ちょっと待て」
坂上「そのマキナの破壊した範囲は?都市一つくらい…」
坂上「…は?破壊した建築物…無し!?」
坂上「…マキナの暴走を極小で……?」
坂上「…………いますねぇ、何体?」
坂上「さすがにアレで終わるとは思ってませんでしたがねぇ、まさか…」
坂上「………そうか、あの女か…」
坂上「……は?消えた?あの女が?…」
坂上「追えよ、探して連れてこい…」
坂上「……あのマキナの素材?こだわりますねぇ…」
坂上「…知りませんよ、やたらチビで実験中に原型無くなるわ、話せなくなるわ、発狂するわで名前とかすぐに忘れましたよ…多分た……なんとかだったでしょ」
坂上「…さて、今日のお話はこれまで……え?」
坂上「…なんでそんなことしてるか?決まってるでしょう?」
坂上「…日本は救わんといけんから……ですよ、だってそうでしょう?」
坂上「…全部私が悪いんですから……」
金剛「…何度注意しても夕立が勝手に入ってくるのはわかったネ…裸を見てるのも許すネ…でもぜーったいに腰のタオルは!」
アーチャー「…外してないし、彼女の前で今後外す気もない、というかするはずがないだろう、子供に見せるモノじゃない事くらいわきまえてる」
金剛「…むぅ…」
アーチャー「もう6時間正座してるんだが…いい加減許してくれ……それと、何の報告だったんだ?」
金剛「あ、そうだったネ!archer、建造許可欲しいネ!」
アーチャー「建造?」
妖精さんD 「…」ぷるぷる…
金剛「Yes!!この前破壊した…あの子ね…archerが解析してたよネ?」
アーチャー「…?ああ、あの後、君が構造図を描いてくれって言ったから描いたが…普通にアレを海に水葬するより解体したほうが良かったんじゃないか?」
金剛「…archerはあの子が苦しんでるって思ったから、あの殺し方を選んだんだよネ…それなのに、そんな言い方…ダメネ…」
アーチャー「…失言だった、すまない……それで、マキナを私たち用に作り直すのか?」
金剛「違うネ、妖精さんが構造図を解析して原型を割り出したネ!もう設計図も出来上がったネ!!」
アーチャー「…深海棲艦だった場合は?」
金剛「妖精さんが百パー艦娘言ってるネ!!しかも多分BIGNAME確実ネ!!」
妖精さんD「あ…ひぅ…」ぷるぷる…
アーチャー「妖精さんなら間違いないが…肝心のその艦の名前は?」
金剛「えっ………………とぉ…(汗)」ダラダラ…
アーチャー「…わからないんだな?」
金剛「sorry…私たちの設計図は昔dataごと抹消されたから調べられないネ…」
アーチャー「…なるほど?別に人出は増えるのは構わないが……経過は?」
妖精さんA「材料たりねーです」
妖精さんB「人間の材料はガキのこづかいで買える〜」
妖精さんC「でもかんむすさんのよさんは国家よさんくらいいるです」
アーチャー「……だ、そうだが?」
金剛「う〜、私の三時のオヤツあげたのにー!!」
妖精さんC「クッキーの半分のしごとはこれくらいです」
妖精さんA「ほうしゅういじょうの仕事は法律で禁止されてるです」
妖精さんD「あ…あ…う…」ぷるぷる…
アーチャー「……ホールケーキ」ボソッ
妖精さん×3+α「「「!!?」」」「あひっ!」
アーチャー「…やるな?」
妖精さんB「えーゆうさんえーゆうさん」
アーチャー「ん?珍しいな即断じゃないのか?」
妖精さんA「えーゆうさんがせーたい部位のメモリートレースしてくれるならできるです」
妖精さんB「むしろそこがムリ〜」
妖精さんC「てかしたくない〜」
妖精さんD「あぅ…(笑)」こくこく…
アーチャー「…つまり私に記憶作成をしろと?…別に構わないが元のその艦娘の部位がないと不可能だぞ?…あと記憶をどうやって移す?」
妖精さんA「入手済み」
妖精さんB「このヘッドギアで記憶をしょしゃせんたく〜」
アーチャー「取捨選択…まぁ、いいだろう」
金剛「…ところで妖精さん?」
妖精さんC「?」
金剛「その子なんかオカシイネ、どうしましたカ?」
妖精さんD「ぷびっ!……ゆゆっぱい、きもちー…」
妖精さんA「…この子?」
金剛「うん…」
妖精さんB「Dは今あっちにたましいかいしゅう中〜」
金剛「…あっち?」→
妖精さんB「あっち」↑
アーチャー「…よせ金剛、案内されたら戻れんタイプの話だ」
金剛「?」
アーチャー「…まぁ、話はわかった出来上がったら呼んでくれ」
妖精さんD「あ、よーむちゃんの……ぱんつ…あひっ!…ひけ…つばめがえ…あひっ!?」
金剛「…なんか話しかけづらいネ」
アーチャー「…ほっとけ」
「おじさんの金の玉と赤い玉!一等と二等大当たり〜!!」
カランッ!カランッ!
テクテク……
アーチャー「…どう思う?」
金剛「シンデレラプロジェクトのLIVEticketとμ'sのLIVEticketがデパートのくじ引きで当たったのに開催日が同じデース…」
ズーン……
夕立「しかもどっちのライブ会場にも新曲発表と限定グッズ販売と握手会、さらには投票券配布が確定してるっぽい!!」
アーチャー「あ、ああ、そっちか…どっちも年末が近いからな、今年へのサヨナラLIVEなのだろう…」
金剛「蘭子ちゃんやエリーチカに会いたいデース(泣)!!」
夕立「夕立もみくにゃんやことりちゃん見たいっぽい!!」
金剛・夕立「「archer(てーとくさん)なんとかして!!(っぽい)」」
アーチャー「はぁ……どっちも行けばいいだろ?」
金剛・夕立「「えっ!?」」
アーチャー「よく読め、μ'sのLIVEは早朝から夕方まで、シンデレラプロジェクトのLIVEは19時から深夜0時過ぎまで…会場もタクシーを使えば30分で着く」
金剛・夕立「「……あ」」
アーチャー「おまけにシンデレラプロジェクトのチケットはスポンサー指定席じゃないか、後から列に並ばずに会場に入れるんだ問題無いだろう?」
夕立「で、でも握手会とグッズと投票が…」
アーチャー「君たちが楽しんでる間にグッズは私が全て買いこむから、終わったらすぐに握手会に並べ、だが投票は諦めろ…」
夕立「て、てーとくさん…」
金剛「あ、archerあなたって人は…」
ガバッ!!×2
アーチャー「ちょっ!?」
金剛・夕立「「さいっこー(ネ・っぽい)!!」」
アーチャー「ばっ、やめんか!往来のど真ん中で!!しかも私たちは今、お一人様三パックの卵の入った袋を…!?」
金剛「嫌ネ〜!」
夕立「このままで帰るっぽい!」
通りすがりのオバちゃん「おや〜パパさん昼間っから熱いねぇ〜」
アーチャー「っ!?そ、そんなんじゃ!!ほらやめなさい!」
夕立「パパ〜!だっこ〜!」
金剛「アナタ〜!だっこネ〜!」
アーチャー「ぐっ、クソ、このままでは夕食のメインの卵が……ひとまず近くの喫茶店に連れ込んで落ち着かせないと…!!」
ズルズル……
アーチャー「ん、メイド喫茶?……いけ好かないがやむを得まい…」
ズルズル…
カランッ……!
メイド鈴谷&メイド北上「おかえりなさいませ!ごしゅ…」
アーチャー「」
金剛「」
夕立「ぽい?」
ポロッ……グシャ………
夕立「あ、卵全滅っぽい…」
ガチャガチャ……
鈴谷「ね、ねぇ兄貴や、やめてにゃん!?」
北上「そ、そうだよ!そんな嘆くことないじゃん!くまー!」
アーチャー「嫌だ、やっぱり私にはできない!!」
アーチャー「炸裂したが…まだ卵はパックから漏れてないんだ!!今ならまだ間に合う!!間に合うんだぁ!!」
夕立「もう!てーとくさん喫茶店の入り口で変なこと言わないでっぽい!!」
金剛「……てか、北上と鈴谷のメイド服と語尾と何してるかに対するツッコミをまずするネ……どんだけ卵に執着してるネ…」
鈴谷「金剛さん、これダチョウかペンギンの卵かにゃんか?もしかして産まれる予定あったにゃん?」
金剛「どっからどーみてもニワトリの無精卵ネ…」
アーチャー「…お一人様三パック、計九パック……今夜の卵料理が、チクショウ、チクショウ……!!」
金剛「…いやキャラ崩壊しすぎネ!?今晩どんだけ本気出す気だったネ!!?」
北上「もう!とりあえずアーチャーはキッチンに連れてくから、鈴谷、あっちの席に金剛さんと夕立連れてって!くまー!」
鈴谷「えー!?鈴谷一人で金剛さんに怒られるにゃん!?汚いよ北上にゃん!」
北上「どーせ、こっちは冷静になったアーチャーに叱られんだから分散したほうがいいくまー!!」
鈴谷「うぅー……にゃん…」
アーチャー「卵、くっ、うぅ…」
北上「ほら!アーチャー、キッチン使わせたげるから、ね?立って歩くま?」
アーチャー「…たまご…」
北上「その卵使って良いから!!ほら、後ろに他のお客さん来ちゃってるから、
ね?マジで店長に怒られちゃうくま!」
アーチャー「!!?…いいのか?今日、全部使って……?」
北上「良いって!はやくキッチン来るくまー!」
ガシッ、ズルズル………
鈴谷「えーと、さ、さぁていらっしゃ、」
ガシッ!
鈴谷「ひっ!!?」
金剛「猫のMaid?あなたのmasterは今ここにいるデース?さ、速く席に案内するネ?」
鈴谷「あ、あちらの席はまんせ」
金剛「wow!!maidあっちの奥の席でじぃっ……くり!!話を聞かせるネ!?」
鈴谷「え、えっと、え、えへへ……」
金剛「ん?」ニコニコ….………
ゴゴゴゴゴゴ………!!!
鈴谷「あの、金剛にゃん?」
金剛「……ネェ、猫ちゃん?」
鈴谷「にゃ、にゃん!!?」
金剛「…いい加減にしないと、お姉さん……怒りますヨ?」
鈴谷「ハイ、タダイマオセキニゴアンナイシマース!!」
夕立「ぽい!」プンプン!
????「メイド喫茶『アーネン・エルベ・オルレアン』にようこそ〜ワン!!……ん?あれ?今北上さんといた人……まさか……」
ガヤ…ガヤ……
ナデナデ………
金剛「鈴谷?なんで今怒られてるかわかるネ?」
鈴谷「う…軍に所属してるのに提督や秘書艦に無断でバイトしてたから……です」
金剛「なんでバイトしてたネ?」
鈴谷「え、えっと…アーチャーからの小遣いが…少なくて…」
ナデナデ…
金剛「……毎月生活費、食費、差し引いて5万円自由に遊べるお金貰えるのに?…他の子だってそんなに貰ってなかったヨ?」
鈴谷「だって…新しい服や化粧品や生理用品ですぐなくなるし…」
金剛「archerが防衛省に直接交渉してくれて、何かあった時の保険として貯金した上でお小遣い渡してるの…わかるよネ?鈴谷……隠し事はバレバレだからお姉ちゃんに話すネ?」
ナデナデ…
鈴谷「話す、話すから…いい加減店内で膝枕しながら、頭撫でくりまわすのやめてください金剛さん!!すっごう恥ずいからっ!!」/////
ナデナデ…
金剛「もうなに恥ずがしがってるネ〜?archerが来る前は毎晩膝で泣いてたのニ〜!久々に可愛がらせるネ〜!!」
鈴谷「ちょ!お客さんみんな見てるじゃないっすか!?や、やめてよぅ…」
金剛「え〜!?こんな可愛い鈴谷が恥ずかしそうにナデナデされてたら誰だって見るネ〜!!ほらcatな鈴谷の顎をゴロゴロするね〜!」
ナデナデ…
鈴谷「ゴ……ゴロゴロ…ゴロゴロ…」///
夕立「ぷっ…上手い…っぽい」
鈴谷「ちょ!?夕立あんたなに笑って…!?…ゴロゴロ…」///
金剛「catでmaidな鈴谷可愛いネ〜!!verycuteヨ!!あ、ところでどこまで話したデース?あと耳ハムハムして良いですカ〜?」
鈴谷「本題忘れてんじゃん!?ひゃう!……ら、らめ金剛さん、そこ噛んじゃ…」
夕立「えっと、バイトの本当の理由っぽい!あ、猫じゃらしのオプションあるっぽい!」
鈴谷「ちょ!や、やめてよ夕立!?」
金剛「そーだったね〜!!ほ〜ら鈴にゃん?イイコイイコしてあげるから速く話すネ!さもないと、この『極悪発情マタタビエキス一気飲みオプション』を10セット頼むネ?てか頼むネ!!」
鈴谷「は、話します話しますから!それだけは、ってか受付に秘密の合言葉を言わないと出してくれない隠しメニューをなんで持って!?」
夕立「最近のネットは便利っぽいb」ビシッ!
※b=天に指差す親指立て
鈴谷「あからさまに居間に置いてあったバイト募集のチラシはお前かぁぁぁ!!」
????「お待たせしましたワン!どうぞ、こちら『極悪発情マタタビエキス一気飲み』、本日は原液dayですワン!」
金剛「あ、キタヨ!」
鈴谷「ちょ、店ち…メイド長!!?」
????「諦めて腹くくるワン!b」ビシッ!
金剛「速くごっくんするネ〜!鈴にゃんの可愛いとこ見たいネ〜!」
鈴谷「う、うわーんアーチャー助け、モゴ!…んぐ…んぐ……」
夕立「b」ビシッ!
????「b」ビシッ!
………………………………
ナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデ…
鈴谷「ひっく…えっとね、鈴谷ね、あのね?…にゃ〜ん!!」
夕立「くく…ふ…だ、だれかたすけwwwwwwwww…」(笑いすぎて腹の筋肉がつって蹲っているがさらに笑い続けてる図)
金剛「か〜わ〜い〜い〜ネ〜!!!」(ハゲにする勢いで撫でまくる姉馬鹿の図)
鈴谷「ひっく…うぅ、さびしいヨゥ、撫でて?鈴にゃんの頭撫でてぇ?」
ナデナデ…
鈴谷「は…ふぅ、えっとね?アーチャーにね?鈴にゃんと北くまでプレゼントしよーとしたのぉ…」
ナデナデナデナデ…
鈴谷「ふふぅ〜…それでねそれでね!?かぁ〜くぃい服選んでね!送ろうとしたんだよぉ〜こんごーおねえちゃんスゴイ!?スゴイ!?」
ナデナデナデナデナデナデ…
鈴谷「あはっ!…だってアーチャーの着てる服ねぇ?なんかぁ〜地味なのばっかだから赤いジャケットとワンちゃんみたいな首輪あげよって北くまがね〜…」
ナデナデナデナデナデナデナデナデ…
鈴谷「・ぇ?…もうもってたの?どうしよ?どうしよどうしよ!?こんごーおねえちゃん!!」
ナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデ…
鈴谷「ひぐ、ぐす…え?いっしょに選んでくれるにょ!?…うん…うん…わかったー!!じゃあ言うねー!?」
ナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデ…!!
鈴谷「すぅ〜…こんごーおねえちゃんいつもありがと!だーいすき!にゃん!!」
ナデ………プッシャァァァァァァーーら!!!
夕立「こ、金剛さーん!!?」
金剛「はふ、はふ…て、手が、手が震えて動かないネ!!?」
夕立「それより鼻血ですっぽい!?あと手、これ……多分疲労骨折してるっぽい……」
鈴谷「ナデナデは?おわり?……じゃあぎゅーってして!!」
ガバッ!!
夕立「鈴谷さん今やったらダメっぽい!!」
プッシャァァァァァァ!プシャ!プシャ!プッシャァァァァァァ……
夕立「こ、金剛さーん!!!」
金剛「ゆ、夕立…もう無理ネ…なんか目の前真っ暗デ」
夕立「喫茶店でブラックアウトしてるっぽい!?」
鈴谷「こんごーおねえちゃん…しんじゃった?ひぐっ…さ、さびしーよぉ、ゆ、ゆーだちちゃーん!」
ガバッ!
プッシャァァァァァァ…!
夕立(……気づいたら大量の鼻血が天井に向かって噴出してた…あと天井に先人たちの黒ずんだ鼻血がたくさんあったっぽい…その時私は思った)
夕立「…次は絶対…北上さんにやらせる…ぽい」
ガクッ……
<バッドエンドな平行世界の一ヶ月後…>
金剛「…その先は地獄だヨ?」
夕立「…これが私たちが忘れたものです…」
金剛「…血が足りなかったネ…そしてまた足りなくなるネ!だからもうやめるネ!夕立!」
夕立「…たとえ、この人生がマタタビエキスにまみれようと…それでも私は…」
夕立「このメイド喫茶に通い続ける!!っぽい!!」
カラ〜ン!
????「いらっしゃいませ〜お嬢様〜ワン!!」
きっと既に今できる限りの極上の品に昇華中なんだろう
カツ…カツ……スッ…カチャ…
アーチャー「こちら、ニシンとカボチャのパイだ、熱いうちに食べると良い…」
アーチャー「ん?どうした?顔色が悪いぞ?……あぁ、では、力を抜いてくれ…」
アーチャー「おっ、よく食べるな?…君みたいに、よく食べる子は好きだよ」
北上「…ねぇ、アーチャー…あのさ、やめるクマ?」
アーチャー「ん?…あぁ、どうしたんだ?お嬢様…そちらのケーキならこちらの紅茶が…」
北上「おーい…アーチャーってば!!」
アーチャー「むっ!どうした!?」
北上「なに、当たり前みたいに執事服着て働いてるクマ!?っつか、なんで女性客こんな増えてるクマ!?ここは!メー、イー、ドー、喫茶クマ!!執事喫茶じゃないクマ!!」
アーチャー「仕方ないだろう…男性用の従業員服はこれしかないし…それに、あの卵を今日中に有効に使うにはもはやお菓子を作るくらいしかないし…君らのオヤツ分を差し引いてもかなり残るからな、私が直々に接客して少しでも客を増やして…」
北上「だから、増やしすぎだっクマ!!ほらっ!!これ!」
アーチャー「?…Twit◯er?……
桂言葉『最近誠君とも会えなくて寂しくていっそ誠君の◯◯だけ切り取って二人でどこか行こう……なんて危ないこと考えてたんですが、最近新しい恋を見つけたんです!このメイド喫茶で働いてるおいしい紅茶とお菓子を作れる執事さんの………』
美樹さやか『やばい、恭介以来なんだけど、こんな気持ち…てなわけで、あのメイド喫茶の執事に明日告ります!』
撫子『今日行った喫茶店のお菓子と紅茶おいしかった…今度、あのメイド喫茶の執事さんに……』
なんだこれは…?」
北上「なんだこれは?じゃないっクマ!?こんなんが二時間くらい前から乱立してるクマ!?おかげで店前行列できてるクマ、なにしたのさアーチャー!?」
アーチャー「いや、なにをと言われても、ただ普通に執事として接するように…というか、私が接客したくらいで惚れた、だのなんだのなるわけがないだろう?」
北上「はぁ……いちおー、あんたみたいな顔でも需要はあるんだよ…女の子にはさ…」
アーチャー「ふむ…にしても熊語わりと様になっているじゃないか…」
カチャ…ピコピコ
北上「…お、お姉ちゃんに得意な奴がいたんだよ…」
ピコピコ……
アーチャー「…なるほどな」
北上「ん?どしたの?スマホ見ながら何度も頷いて…クマ?」
アーチャー「たしかに需要はあるみたいだな…」ニヤリ
北上「ん?なんのことクマ?」
アーチャー「フっ….ほら」
『眼帯してる北上様メイドマヂヤバい』
『熊耳、熊語、眼帯、北上様…prpr』
『…ふぅ…襲われたい』
アーチャー「いや、大人気だな北上?」
北上「…こんな眼帯してる子が可愛いとか一部の変態くらいでしょ、嬉しくもなんともない……、それよかあっちのお客さんが呼んでる、はよ行けクマ…」
アーチャー「…はいはい、わかったよ、あぁ、そうだ」
北上「なに?まだなんかあるクマ?」
アーチャー「私も君のその格好、と語尾可愛いと思うぞ?」
北上「………ぅえ!!?」/////
アーチャー「…もっともメイドとしてのマナーがまだまだ不足しているから帰ったら徹底的に叩き込むがね」
北上「…う…ば、バカ言ってないで速く行くクマ」/////
アーチャー「フっ……あぁ、わかったよ」
カツ…カツ…
北上「…うぅ、顔、赤くなったじゃんか〜……」/////
????「全く、いきなり私のお店で女の子を赤面させるなんて最低ですよね?」
北上「あ、メイド長来てたんだ?」
????「……その…一瞬で顔色戻すとこがなんかマイペースっていうか…可愛げないっていうか…」
北上「もー、なんなのさ?なんか用事あるんじゃなかったの?」
????「あ、そうでした…私今から休憩入りますから、あとあなたたちでお店回せますね?」
北上「え!?いやいや無理無理だって私らまだ入って一週間しか経ってないしお客さん今、行列作ってるし!!」
????「できます」
北上「…で、できる?」
????「ええ、必ずできるので頑張ってください」
北上「わ、わかった」
タタタタ………
????「…発言を絶対に信じさせることができても…たまに悪い気がしますね…さてアーチャー、ですか…またアーチャーですか…」
????「…ですが、もう手段がありません…最悪」
????「令呪を使ってでも従わせます」
>>221
エッグサルベージでキャラ崩壊し続けるアーチャーを書いてたのですが、話の方向が料理漫画の流れに行っちゃったので、強制的に流れを戻す展開にしてました…
さすがに厨房に行ったら黒執事と料理対決は自分でもやりすぎた感に襲われまして…
というか、エッグサルベージ回が丸々消えてたもので…セバスチャンとの料理対決後からと脳内処理して頂けると助かります…勝敗はあなた次第です…
????「ヘイ!そこの白くて浅黒い執事さん!!私と付き合ってみないかワン!?」
アーチャー「断る。…フッお嬢様、私を喜ばそうとしているのは嬉しいが…さすがにホールケーキ30個は…」
????「な、なんでワン!?胸もおっきくて、首輪ついてて、さらに犬耳、尻尾付きの神風怪盗系メイドなのにワン!?」
アーチャー「あざとい。……こちらの、ジンジャーティーはサービスだ、見た所かなり無理をしているな、お嬢様?仕事を辞めたい?頑張れ、疲れたなら私が話を聞いてやるから…」
????「金髪三つ編み、おまけにミニスカワン!はっ……もしや執事さんは不能…」
アーチャー「中身が見えるミニスカに興味はない。………ん?これを私に?どうした?大丈夫か?震えてるぞ?顔もなにやら赤いし…って、ちょ、投げつけるなお嬢様!!」
????「とりあえず一度こっち向いてワン!!一目見れば一発で発情するワン!フランスではそうだったワン!!」
アーチャー「必死すぎて萎える。…………ん?こらこら、お嬢様、包丁なんぞ店内に持ち込んではダメだろ?没収だ、なに?『あなたも私を裏切るの?』…執事でいる間はご主人様を裏切らないよ、安心してくれ….」
????「くぅ〜ん…(あざとすぎる鳴き声と視線)」
アーチャー「虫酸が走る。………どうしたお嬢様!?なぜ泣いている!?ん?『好きな人に告白しようとしたけど、本体が石ころの私みたいなバケモノ嫌われるよね?』…だと?たわけ、その程度のハードル三日もすれば慣れるのが男だ!私の周りとかその手の問題ばかりの女性しかいなか……」
????「その…あの、ふざけたの謝りますから…そろそろこっち…向きません?」
アーチャー「卵消費するのに忙しい。…………『ゲーム内で恋愛始めたけど、彼氏の中二病とゲーム脳が治らない上、他の女の子に手を出しまくって辛い』…か、付き合い切れなかったらすぐに別れるべきだ、その手の男は生涯治らないんだ…」
????「ですよね、忙しいですよね…私なんて…割れた卵以下の女ですよね〜」
アーチャー「『最近まで黄昏の女神だとか言われてたけど、いきなり来たインド三つ目小僧に八つ裂きにされて神の座から落ちて、ようやく復活したら彼氏が不良みたいなイメチェンしてて近づきづらい』……私もよく言われたよ、だがな怖がったまま近づかれると意外と傷つくんだ、心の準備ができてから会いに行くといい…」
????「ひぐっ、ぐすっ…う、うわーん!!とうとう受け答えすらしてくれなくなったー!!…こ、こっち見るくらい…い、良いじゃないですかー!!」
アーチャー「ん?どうした『オルレアンの聖女・ジャンヌ・ダルク』?店内で騒ぐと邪魔だからバックルームに行こう」
ガシッ(アイアンクロー)…ズリズリ…
ジャンヌ「ちょ!痛い痛い!!あ、あなたに泣かされたんですよ!?というか、なんで私だけ扱いがこんな酷いんですか!?」
アーチャー「…同じ英霊が情けない格好をしてたら視線を黙ってそらすのがマナーだと≪英霊の座登録研修合宿≫で習ったろ?」
ジャンヌ「え!?そ、そんな楽しそうなのあったんですか!!?」
アーチャー「……女性陣は今度世界ヌーディストビーチ巡りだったか…」
ジャンヌ「え!?ビーチですか!行きます行きます!わー楽しみです!」
アーチャー(多分彼女とどっかの赤いローマ皇帝くらいしか…いや、さすがのあの皇帝も参加拒否するよな…)
私服に着替えた後、近くのモ◯バーガー店内。
ガツガツッ…モグモグ…ゴクン…ガツガツ…
アーチャー「…そういう食い方だと習ったのか?ジャンヌ、いやルーラー?」
ルーラー「ふぁい、はんはーふぁはほうふるのがふーふらっれ(はい、ハンバーガーはこうするのがルールだって)、ング、スープとかはちゃんとマナー守って食べますよ?」
ガツガツ…!
アーチャー「…ハンバーガーも無理して詰め込まなくていいからゆっくり食べろ、それで…なぜ《裁定者》のクラスのサーヴァントがいる?」
ルーラー「ゴクン……気づいているのでしょう?あなたが守護者以外で召喚されているということの意味を…」
アーチャー「…聖杯戦争か?」
ルーラー「…はい」
アーチャー「…だが、私には今回ルールや知識の付与が全くないぞ?…それにここ数ヶ月見て回ったが君以外に他のサーヴァントの気配は感じて…」
ルーラー「だが、宝具は見た…違いますか?」
アーチャー「…そうだ」
ルーラー「…あなたが散策してあなた以外発見できてない理由は簡単です、聖杯戦争はこことは別の平行世界で行われ…すでに終了しているから…です」
アーチャー「…どういう事だ?あと白い服着たままモ◯バーガーをガツガツ食ってると…あ、ああもう!シミになるから速くそのコート脱げ!」
ルーラー「え!ちょ、し、下ノースリーブしか無いんですよ!?…え、きゃ、うぅ寒い……開催地はイギリス、全七騎の中に世界に影響を与えうる存在を確認したためルーラー、つまり私は召喚されました…」
フキフキ…フキフキ…
アーチャー「…クラスと真名は?」
ルーラー「…《セイバー》ランスロット、《アサシン》ジャック・ザ・リッパー、《キャスター》アレイスター・クロウリー、《ランサー》クーフーリン、《バーサーカー》ベオウルフ」
ガツガツ…ゴクン…モグモグ…ジュ〜…
アーチャー「シェイクは頬を凹ませて唇を伸ばして飲むものじゃない、あれはCMだけだ……なるほど、知名度補正を十分に受けられるラインナップなわけだ、それで《アーチャー》と《ライダー》は?」
…フキフキ…
ルーラー「…《ライダー》は不明です…会ってませんので、ただ《アーチャー》はギルガメッシュでした…」
アーチャー「ちぃ、頑固なシミめ、やはり洗剤はいるか、投影、開始(トレース、オン)!………なるほど、それはたしかに最悪だ…だが妙だな、《アサシン》に接触できたなら《ライダー》に会えない道理がわからない…奴らの特徴は広範囲に移動することだ…君らルーラーにはたしか…」
ルーラー「…はい、固有スキルとして視認するだけで真名を看破する《真名看破》と参加サーヴァントに対する二角の絶対命令権、10キロ四方に渡る知覚能力が付与されてます…ですが…」
ガツガツ…モグモグ…ガツガツ…
アーチャー「…よし!取れた!…それをもってしても発見できなかったか……だが、これでわかった、その戦争優勝者はギルガメッシュだ、そしてこの世界で宝具を使用しているのはギルガメッシュしかありえ…」
ルーラー「…違います」
アーチャー「…!?」
ルーラー「…優勝者は存在しないのですよ、この戦争は終わった…けど、続いている…そうしないと《裁定者》がいつまでも現界できるわけないでしょう?」
アーチャー「…経緯を説明してもらえるか?」
ルーラー「…はい…あとすいません、こっちの服も汚れたのでお願いします」
アーチャー「…もう作業着投影してやるからトイレで着替えてこい」
ルーラー「う…はい…」////
…………………
ルーラー「…異変があったのサーヴァントが全騎揃った2日目からでした…マスターが6人しかいなかったのですよ…」
アーチャー「……?どういう事だ?」
ルーラー「…ですからいなかったのですよ…七人目は《アサシン》の召喚後数時間以内に《アサシン》に消されました…だから七騎目は召喚されないはずでした…なのに、七騎目《ライダー》が出現した……私自身が感知できなかったのにこう断言する理由は、他のサーヴァントは《ライダー》に会っているんですよ…」
アーチャー「…つまり存在しないはずの《ライダー》が産まれた、と?…当然だ、どこの平行世界の聖杯戦争か知らんが聖杯がアインツベルンの聖杯なら英霊の魂が不足すれば完成しない、だから新たにマスターを選定して…」
ルーラー「…私達が呼ばれた月の聖杯です…月の聖杯が地上で英霊の座を介して聖杯戦争を行ったんです…月の聖杯がどういう聖杯かご存知ですよね?」
アーチャー「…ムーンセル・オートマトン…現実を改竄し、魔法や神々の権能すら記録し内包する力を持つ太古から存在する機械の記録者…なるほどアレが聖杯なら、サーヴァントが一騎召喚されずに敗退しても誰か補填するワケが無い…アレには燃料が無限にあるからな」
ルーラー「…そうです、私は確認のため《ライダー》を追跡したのですが、発見できませんでした…そして五日目にあってはならない事態が発生しました…」
アーチャー「…あってはならない事態?」
ルーラー「……私の確認した《アーチャーを除く五騎》が一斉に《アーチャー》に奇襲をかけました…」
アーチャー「…ありえないな、自殺行為だ…少なくともあの《ランサー》が…?五日までに一切の小競り合いが全くなく、あの英雄王の宝具を見てなかったのか?…それともマスターの方針か?」
ルーラー「…いえ、六度ほど小競り合いはありました、サーヴァント間の関係も最悪だったのですが…五日目に突如として五人が手を組み《アーチャー》だけを襲ったんです…それもまるで歴戦を潜り抜けた戦友同士のような鮮やかな連携で……」
アーチャー「…?意味がわからないぞ?…もしや《キャスター》の宝具で暗示か洗脳でもしたか…?」
ルーラー「…《キャスター》では無いです…《キャスター》の宝具は別のものですし、暗示では高い対魔翌力を持つ《セイバー》や《ランサー》はどうしようもないでしょう…だというのに彼らはまるで旧知の仲のような関係になっていたのです……」
アーチャー「……君は、どう感じた?」
ルーラー「…不気味でしたよ…まるで別の世界に迷い込んだように…一晩で五騎ものサーヴァントが変えられてしまった…彼らとて英霊、対魔翌力も十分にあるのに、その上で彼らの強固な精神を変えてみせた…」
アーチャー「…それでギルガメッシュを打ち取れたのか?」
ルーラー「…いいえ、ギルガメッシュの蔵を一割削り、両者の多大な魔翌力消費と重症で、ギルガメッシュが市街で対界宝具を撃つ寸前で私が止めました…」
アーチャー「…適切な対応だな…《ライダー》は結局姿を見せなかったのか…?」
ルーラー「はい…その後《アーチャー》《ライダー》を除いたサーヴァントは三日間で私が消滅させました…」
アーチャー「っ!?……なぜ君が手を下した?」
ルーラー「……その五騎のサーヴァント一騎を除き、話すことも、身動きもできないレベルの凄まじい拷問とマスターを殺害されていたからです…」
アーチャー「…慈悲なわけか…それが《ライダー》の仕業だったのか…?」
ルーラー「…少なくとも《アーチャー》は治療用宝具で療養していました…、そして霊核を壊された《ランサー》が消滅間際に教えてくれました」
ランサー『《ライダー》は…あれは真っ当な英霊じゃねぇ……少なくとも奴は今回呼ばれた英霊の中じゃ一番弱ぇのに……俺ぁ、なんで負け、たんだ…?』
ルーラー「…と言いました……アーチャー、あなたならわかりますか?」
アーチャー「……すまないが、さっぱりだ…手負いとはいえ、土地の知名度補正を受けたランスロットとクーフーリンを倒し、さらには拷問にかけるか…《ランサー》の戦力の評価が間違えたとは思えない…弱いが…勝つ……エクストラクラスか、または対英国の英霊専用の宝具でも持っていたか……フランスの百年戦争の時期の英霊か、あるいは世界大戦期の英霊か…後者は英霊になるものが稀だからほぼありえないがね…」
ルーラー「…聖杯戦争に深い関わりを持つサーヴァントでも、わかりませんか…」
アーチャー「ああ、さすがに私でも現物の言動や服装、武装を見ないとさすがにわからないな…それで…《アーチャー》も倒されたのか?」
ルーラー「…いえ、迎撃したようです…ただ、彼は酷く怒りをあらわにして…」
ギルガメッシュ『…おのれ…雑種に劣る屑を我が直接消さねばならぬとは……あのような輩、俺の庭に存在するだけでも汚らわしい!!』
アーチャー「…なるほど、よっぽど相性が悪いのだろうな…」
アーチャー(…あの英雄王が激怒するか…ほぼ、確定だな…)
ルーラー「…その後五日間に渡ってイギリス本土から数十キロ離れた海域で、おそらく《アーチャー》と《ライダー》が戦いました…」
アーチャー「…あの英雄王相手に五日?…なんというか…よくわからないサーヴァントだな…最弱であるのにギルガメッシュが五日も倒せない英霊…ちなみにおそらくと言うのは…」
ルーラー「…その、《アーチャー》の宝具が苛烈すぎて、天候や波が荒れに荒れて…海域まで船を出してくれる人がいなかったんです…」
アーチャー「…納得した………それで、問題はここからだな…なぜ《ライダー》はこちらの世界に来たのか…」
ルーラー「…はい、そうです」
ルーラー「…こちらの世界に来たのはおそらく、《ライダー》です…」
とある世界のイギリスの港町…
ルーラー「ですから!私はどうしてもあの海域に!!」
漁師「だから!無茶言うなよ!見ろあれ、五日前から大雨強風で津波やら渦潮やら雹やら竜巻やら雷が出たり消えたりしてんだぜ!?お嬢ちゃんは運んでやりてーが!こんなの一瞬で船がおじゃんだ!」
ルーラー「っ…無茶を言ってすみませんでした…」
カッカッカッ……
ルーラー(…どうすればいい?私は聖杯戦争を監督し見定めねばならないのに…ん?天候が回復した…?)
キィィィィィン………
ルーラー「…上空何か飛んでる…ヴィマーナ…アーチャー?…聞こえてますか!?アーチャー!!こちらに来てもらえますか?」
……………………………
ギルガメッシュ「…なんのようだルーラー?」
ルーラー「…すいません、状況を教えてもらいたいのです…あなたが帰ってきたという事は今回の勝者、つまり優勝者はあなたという事ですね?」
ギルガメッシュ「…………おのれ」ボソッ
ルーラー「……アーチャー?」
ギルガメッシュ「おのれ、おのれおのれおのれおのれおのれおのれおのれぇ!!」
ルーラー「え!?え?な、なにがあったのですか?アーチャー?」
ギルガメッシュ「あの屑!!我の財を受けながら《品定め》していただと!?ふざけるな!!この我を蔑ろにしおって!!」
ルーラー「《品定め》…?どういう事か」
カレン「説明しましょう、聖処女…」
ルーラー「カレン・オルテンシア!あなたのアーチャーの怒りよう、一体何があったのです?」
カレン「はい…ライダーはギルガメッシュの王の財宝を回避しながら、探していたのです…《世界を渡る宝具》を…はぁ…はぁ…」
ギルガメッシュ「もういい、黙ってろ……ふん、たかが平行世界含めた《存在する可能性のある世界》を探し出し移動する舟よ…」
ルーラー「その宝具を盗まれたと?」
カレン「ハァ…ハァ…いえ、盗まれたのは宝具ではなく技術です…ライダーは、ハァ…ハァ…ギルガメッシュの宝具の雨を受け、それを見つけた瞬間こう言いました…」
ライダー『くはは、やぁっと見つけたぁ!!…よし、よしよし、よぉく解ったぞ!?退屈なゴミの雨はもう飽きててなぁ?なぁ、雑種の王様さぁ〜ん??』
ギルガメッシュ「…ぁんの屑風情がぁ!!我が財から知恵を盗みだすとは…此度のセイバーより度し難い、必ずや見つけて叩き潰す!」
ルーラー「ぎ、技術を盗んで…どうしたというのですか?まさか戦闘中に何か作るわけでは無いのでしょう?」
カレン「ハァ…ハァ…いえ、違います、ライダーは次の瞬間、彼の宝具に触れた瞬間…消えました…ハァ…ハァ…おそらく舟を改造したのでしょう…」
ギルガメッシュ「…二言は無しだ、黙れカレン……奴め、我が財にあった隠蔽宝具でこちらの探知も掻い潜りおる…絶対に生かしては…」
………ドサッ…
ルーラー「カレン!?」
ギルガメッシュ「ちっ…おとなしくヴィマーナの上で寝てれば良いものを…」
ルーラー「…まさか五日間の間、彼女も戦闘に付き合わせたというのですか…!?」
ギルガメッシュ「…その娘が覚悟して行ったことだ、我が知るか…」
ルーラー「っ!!それでも、彼女の肉体では無理があるとおもわ」
ギルガメッシュ「黙れ小娘!我がマスターがどうしようと貴様に関係が…」
ルーラー「そちらこそ黙りなさい英雄王!!彼女は同じ神を信じるものとして、あなたに使い潰されるのを黙って見過ごせません!」
ギルガメッシュ「良い度胸だ!ではマスターが魔翌力切れで死ぬまで我が財を避けて見せ」
カレン「ケホッ…カハッ……」
ルーラー「……避けてみせるくらい構いませんが?どうしますか?」
ギルガメッシュ「……」
カレン「…ギル…ま…だ…だいじょ…らい…だ……お…い…」
ギルガメッシュ「…………ちっ…今回は特別だ」
カレン「…?ング!?ゴクッ…ゴクッ…ぷはっ……ん…すや…すや…」
ルーラー「…睡眠薬ですか?」
ギルガメッシュ「…たわけ、我がその程度のもの使うか、我専用のエリクシルだ……死にかけのこの娘の寿命も…あと20年は増えるだろうよ…」
ルーラー「…ふふっ、なんだかんだであなたも」
ポイッ
ルーラー「っと!?え?なんですか?コレ!?」
ギルガメッシュ「…ライダーを追尾し世界間を移動する腕輪の宝具だ…こやつが魔翌力切れで動けんからな…貴様が奴を処理しろ」
ルーラー「私は聖杯戦争の裁定者で…」
ギルガメッシュ「…戦地から逃亡した挙句、あの屑は世界を変えるつもりらしいぞ、これはルール違反ではなかったのか?」
ルーラー「…世界を変える!?それはどういう!?」
キィィィィィン…
ルーラー「…え?ちょ!?ま、待ちなさいアーチャー!!これ、どうやって使うんですか!?ちょ、せめて説明書残していきなさーい!!」
…………………………
ルーラー「…そして私は5ヶ月かけて、この腕輪の使い方を研究して…やっと奴を追いかけだしたのです…」
アーチャー「…随分と遅れたな…」
ルーラー「…ええ!!すいませんねぇ!!あの金ぴか一切説明無しで、しかもこれ、一見ボタン五つですけどね?ボタン押して出てくる立体映像画面に百数種ほどメニューが《古代ウルク語》で書いてるんですよ!!多機能すぎますよ!翻訳設定すんのに一ヶ月!ってかそもそも私は学識ありませんからねぇ!?なにしろ、元農民だし?辞書で意味一個一個調べてさらに一ヶ月!!やっと理解したと思ったら搭載したゲーム見つけてハマってさらに一ヶ月!やっと脱却したら搭載された擬似動物育成ゲーム見つけてさらに一ヶ月!やっと飽きたら、今度は古代ウルクの電子漫画が一杯あって読んでさらに一ヶ月!ふざけないでくださいあの金ぴか!!」
アーチャー「…いや、今半、全て君が悪いぞ?ルーラー?」
ルーラー「…探し回りました……それこそ数百の平行世界を超えて……凄いですね…平行世界って…私が魔法少女だったとか、来世で怪盗やってたりだとか…」
アーチャー「そういえば君と会った世界はそこまでズレてなかったからな…おそらく古代の時点で技術や魔術の概念自体別物になってるほど離れた平行世界なんだろう…君の名前は有名だからね…私が記憶しているものだと…信長とイチャイチャしてたりだとか……デュランダルと氷技使って犯罪者やってたり…なんか、もはや、ぶっちゃけ聖女?ってイメージなんだ…君は」
ルーラー「ひ、酷すぎませんか!?あ、すいません……話がそれましたね…奴は、《ライダー》はあらゆる世界を旅していましたが…正直何がしたかったか、わかりません…わかっていることは…」
アーチャー「…なんだ?」
ルーラー「その、おそらくの領域の話です…《ライダー》は私たちのよく知る世界地図上の《日本》にあたる国の敵対国を滅ぼしていました……物理的な攻撃ではなく、内政になんらかの干渉をし、内側から腐らせ……国を割ったり、政府や王を入れ換えるだけではどうしようもないほどの滅亡を…その国家の民衆全てを薬品中毒、モラルと精神の崩壊、小さな子供達すら自身の手で首を掻き切るほどの狂った地獄を……全ての世界で行っています……」
アーチャー「……」
ルーラー「…それと、その国家全て滅亡した後の武器を作る施設の残された設計図を覗くたびに、わかってきたことなのですが…おそらく《ライダー》は魔術的かつ、科学的な武器を作っているようでした…それの設計図は…世界を超えるたびに異常な速度で複雑化し、強化し、変化し、進化していました…」
アーチャー「…随分と勉強熱心だなそいつは…」
ルーラー「…ええ、そうみたいですね…そして、私が最後に見た設計図の完成品がこの世界に存在する…」
アーチャー「…マキナか?」
ルーラー「…はい、完全ではありませんがおそらく、アレが設計図の兵器でしょう…ここまででわかりますか?」
アーチャー「……わかったことは、
1、催眠、暗示能力あり。
2、知名度補正を受けた円卓最強とケルトの大英雄を手負いとはいえ仕留め、英雄王相手に5日保つ。
3、日本に対して好意的で他国に強い憎しみがある。
くらいか…あと宝具が舟?……なんだこいつ…?建造、造船の英雄にしても5日やそこらで円卓や光の神子を倒せる兵器を作れるわけが無いし…すまん、さっぱりだ…」
ルーラー「……ですよね、行く先々で調べ回りましたが、私もです」
アーチャー「…ところでルーラー?」
ルーラー「はい?」
アーチャー「…なぜメイド喫茶など開いてる?あとなぜサーヴァントなのに、馬鹿みたいにハンバーガー食い散らかしているんだ……まさかとは思うが、お前…」
ルーラー「うっ!……し、仕方ないじゃないですか!田舎娘の一人旅だと楽しくて路銀も尽きますし!ムーンセルから自力で魔翌力生成できるように受肉させてもらってますが、一度宝具使うとお腹空くんですもん!」
アーチャー「…私の中のオルレアンの聖女は今くたばった…」
ルーラー「!?……そ、その失望した目線やめて、なんか裁判の時思い出して…あー!今、目逸らした!!」
アーチャー「…はいはい、ところでルーラー?…先ほどからこの店の窓に張り付いている《瞬きせず私たちを見続けている少女たち》についてどう思う?…君の隠し子か?」
ルーラー「…なんか私ビッチまで格下げされてませんか?………おそらくマキナの偽装です、今バレたら面倒ですから穏便に…」
ミシッ……パキッ……パキッ…
アーチャー「…どうやら遅かったようだ、構えろ、来るぞ!!」
パキッ…パリーン!!
??『さぁて、見ものだな』
ガンッ…ゴンッ…ドゴンッ…
金剛「…もう、鈴にゃんサイコ…ん?」
キンッ…ガゴンッ…バキンッ…
夕立「…なんの音っぽい?」
鈴谷「うにゃ〜ん!…」
金剛「…ちょっと見て来るデース!」
………………
………
…
キンッ!ガキンッ、ドゴッ、バキンッ!
べキンッ!!
ルーラー「…これで45です!!」
ザシュ!!
アーチャー「60!!…全く君は相変わらず軍旗で撲殺か?」
バゴンッ!!
ルーラー「48!!そういうあなたはなぜ双剣しか使わないのですか!?…てよりやけに折れますね?そんなに脆かったですか?」
グシャ!!
金剛「マキナ!?…archerと、さっきのメイド?」
アーチャー「む?金剛か!?危ないから下がって…」
マキナ「…はっけ」メキョ!!
ルーラー「私たちを相手によそ見とは、なめすぎです!これで59!!」
バキンッ!
アーチャー「この前はある程度手加減したが…まさか今回20本も折られるか…」
アーチャー(…やはり、別の部分を伸ばしたら、別の部分が弱くなるか…基本骨子が少し曖昧だな…)
ルーラー「…どうしてか、あの上空の個体は降りてきませんね」
アーチャー「…偵察だな、別の場所でこちらを観察してるんだろう、80!!」
ドゴンッ!!
??『…カカカッ!』
ルーラー・アーチャー「「っ!?」」
金剛「…上のマキナ…なにか変ネ!!」
??『…なんだ、マキナ三百体じゃ余裕かよ?』
ルーラー「…マキナを通して話さず直接来なさい」
ドゴッズバシュ!
??『そー邪険にすんなよ?こっちはテメェらの姿がよぉ〜く見える!特にルーラー!テメェのイヤラシイ身体もよ〜く見てるよぉ?』
ザシュ!
アーチャー「120!!…私たちを監視し、攻撃してなんのつもりだ?」
??『あぁ、テメェが新しい《アーチャー》か?よっわそうだな!?なんでか?知らねーよ、なんとなくそこらのツガイの男女を拉致って目の前で寝取って、ダルマにしたかっただけだよ?意味?…なんかありそうか?』
アーチャー「…たまたまヒットしたのか私たちは…クソ、私の幸運もしやランサーじゃないよな?」
べキンッ!
ルーラー「…アーチャー?幸運A+のランサーだっているんですよ?…自称だけど…そして、これでラストォ!!」
ドグシャ!!……
??『オホォー!おめっとさん!マキナ三百体撃破で称号ゲットです〜!……まぁ、そんじゃな、バイビ「待て」』
アーチャー「その前に教えろ、貴様が《ライダー》か?」
??『…アヴェンジャーだよ?』
ルーラー「嘘ですね」
??『…じゃあセイヴァー』
アーチャー「口調で下劣とわかるセイヴァーなんぞ知らん」
金剛(…?なんだろうこの声聴いたことが……)
??「……ぁ……………ぁ…あぁぁぁあぁぁああ!!!!うっずぇえぇえぇえなぁああああ!!!??なんだよキモいよ!?プライベート侵害やめて!?心的外傷で私死んじゃうじゃん??ウザいウザいウザいウザいウザいウザい………!!」
金剛「ひっ!!?」
アーチャー「………まさか、間接的なものでここまでわかるとはな…しかも全部自身は棚上げか?」
ルーラー「…こんな奴があのサーヴァント達を倒したというのですか?…というかこれ本当に英霊ですか!?」
ピタッ…
??『そーですよ?私が《ライダー》でござぃまぁ〜す!以後お見知り置きを……そ、んでぇ?なぁんでこの世界にサーヴァントが二騎もいる「次の命令だ」』
アーチャー「姿を見せろよ、卑怯者」
??『…おい、テメェ今なんて「聞こえなかったか?」』
アーチャー「それとも見せる度胸も無ければ、人に見せられない程醜い豚野郎なのか貴様は?……お船遊びが趣味の根暗なら当然か?」
??『あ、ぎ、あ、…ぁぁぁあぁぁぁチャアアアアアァア!!!私の話を邪魔してくれんじゃねぇよ!!?お舟を馬鹿にすんじゃねぇよ!?語んぞ!!?10年間ノンストップで語りまくって舟キチに洗脳してやろうかぁ!!?雑魚サーヴァントのくせに!!私がテメェらの前にでるなんぞ一億と二千年はえーんだよぉ!!それからなぁ…』
金剛(…なんだろう、ナンダロウ…?ただの頭オカシイ奴なのに、なんで身体が怖がって…嘘みたいだって…!!)
ガタガタ……
アーチャー「………だ、そうだが…?ルーラー?」
ルーラー「…《ランサー》が、前に出た聖杯戦争のことを話してましたが…本当に煽るの好きなんですね……ガラクタ弄りが趣味だったあなたが人の事言えないで」
チョップ!!
ルーラー「ァイタ!!」
アーチャー「…ルーラーは子供時代のプロフィールもわかるのか……まぁいい、速くしろルーラー、とっとと真名を暴くぞ!」
??『聴けよ!!私のシャウトを!?…しゃうとってなに?あれ?なんで私怒って…あっるぇぇえ?は、そうだ!今ゲッター線の真理を……ゲッターせん?ゲゲゲ?』
ルーラー「…うっ、なんであなたは私に対しては容赦無いんですか!?……わかってますよ!?」
スッ…
金剛(…!?アレ私の腕にある…!?)
ルーラー「ルーラーの権限を持って令呪を用いて命ず!!《ライダー》ここに来なさい!!!」
??『…それを待ってたんだ』
金剛「!!?」
バチ…
金剛(一度も忘れなかった…)
バチ…バチバチ…
ルーラー「雷雲…?」
金剛(…雷雲から湧き出る天を埋め尽くすマキナと空に浮かぶ艦隊…その旗艦の船首に立つ、軍服の男を…)
ゴロゴロ…バチッ…
アーチャー「…なんという数の宝具(マキナ)だ……」
金剛(…奴こそが私たちの歴史を終わらせ、私の最愛の妹達を笑いながら壊した悪魔…)
バヂッ!バヂッバヂ!!
ルーラー「…え?…なんで!?」
アーチャー「…貴様は誰だ!?」
金剛「…さ、か…がみ?」
ルーラー・アーチャー「「!!?」」
坂上「お初にお目にかかる!私が《ライダー》のサーヴァント、にして現日本マキナ艦隊提督、坂上だ!!」
ゴゴゴ…バヂッ!
金剛「…あなたがどうしてここにいるネ!!?もう、私たちに関わらないでって」
坂上「黙れよ、ゴミクズ」
金剛「ひっ!!?」
坂上「…失礼した、いや先ほども失礼の連続だったな、どうにも監禁生活が長すぎて発狂しかけていたようだ」
アーチャー「…監禁?」
坂上「然り、いやはや、私のマスターに殺す直前に裏切られてね、どこぞの基地から出る事を令呪で禁じられて…事実上の封印だよ、あー助かった」
ルーラー「…マスターは既に殺していましたか…では問おう《ライダー》!あなたの真名はなんだ!?」
アーチャー「…なに!?」
アーチャー(ルーラーの固有スキル、真名看破はルーラーが見れば必ず真名を見破るスキル、なのになぜ?)
坂上「…あー、なるほど、どうやら成功みたいだな、真名が見破れないのかな?ルーラー?」
ルーラー「…ええ、どういう事ですか?私の、聖杯戦争のルールに逆らえるなんて…」
坂上「なに、仮に私の真名を知ったとこで役に立たんさ、死因は他殺だからな、それに原型たる英霊と私は離れすぎている…」
アーチャー「…ライダー!私からの質問は三つ、
一つ、貴様の目的
二つ、なぜ、彼女達を、艦娘にあのような危害を加えた
三つ、貴様は私の『同類』か?」
金剛「archer…」
坂上「……一つ目と二つ目は簡単だ、私の目的は救国、そのためにこの国を害し、内から腐らせたゴミ舟を処理しただけだ…」
ルーラー(…嘘では、ない……が何か隠している…)
金剛「っ!…私たちはゴミじゃ…」
アーチャー「…救国と異分子の排除か…なるほど、貴様が救いたいものは今のこの国ではないのか…過去の改竄か?」
坂上「そんなチャチい物と同列に扱うな…私の目的はもっと上だ!!そして三つ目……貴様の思った通りとだけ言っておこう…」
アーチャー「…なるほど…」
金剛「…archer?」
ルーラー「どういう事です!?説明を!!」
坂上「……さて質問は以上か?」
金剛「待ちナサイ!!」
アーチャー「金剛?」
坂上「…だからなぜ喋るゴミクズ!?耳が腐る、錆びた歯車の音は好かんのだ!」
金剛「……マキナの材料は艦娘や深海棲艦と聴きマシタ…それは、つまりマキナの中には…」
坂上「おらんよ?マキナの中に妹や、かつての仲間がいるとでも思ったか?」
金剛「っ!?でも!!あなたは私たちをあれだけ壊したのは材料を集めるタメじゃ!?」
坂上「ぷっ、あは、あははははは!!馬鹿かお前!?確かに艦娘を材料にマキナは作ってるよ!?だがな?それはミンチにしてだよ!」
金剛「…え?」
アーチャー「よせ、それ以上聞くな金剛!!」
坂上「必要なのは『舟』の概念を持つ魂だけでな、いや、正直いらんのだよ肉体なんぞ?勿体無いから轢き潰して骨格保護用の外皮にしてるがね……あ、あー思い出した!」
金剛「…ひきつぶし?…いらない?……え?……え!?」
坂上「榛名の姉妹艦だっけ?いやー、あのポンコツ意外と豚どもにウケが良くてなぁ!?そのままマキナにして、豚どもに遊ばせて、死んで、蘇生させて、死んで、蘇生させてって繰り返したらさぁ」
アーチャー「やめろ!!ライダー!!」
金剛「はるな…はるな…榛名!?榛名をどうしたデスカ!!?」
坂上「増やした」
金剛「…?」
坂上「バラバラに切り刻んで、切り刻んで切り刻んで切り刻んで切り刻んで切り刻んで切り刻んで切り刻んで切り刻んで切り刻んで切り刻んで切り刻んで、その破片を触媒に増やして、意識共有させて豚どもに同時に拷問や輪姦させたらすぐに発狂してさ、見てて気持ちよかった、気持ちいいから、今も豚どもに遊ばせてる、ほら、今さっきそこの二人に壊させたのも、その内三百体だよ」
金剛「…あ、え、え…あ……え?」
プツッ………
金剛「あ、あ、あぁぁぁあああああああ…!!??」
アーチャー「ちっ、すまん!!」
ドスッ…!
金剛「あっ…………」
ドシャ………
ルーラー「…なんの恨みがあったのですか!?この世界の彼女達に!?」
坂上「…全てだ、全て、ただ全て…」
ガチャッ…ガチャッ…ガチャガチャッ……!!
アーチャー「っ!?なんのつもりだ!?都市でその艦隊に一斉砲撃させるつもりか!?」
坂上「…話すぎたし、魔術の隠匿は聖杯戦争の基本でしょう?」
ルーラー「っ!?アーチャー!!残りのあなたの艦娘を頼みます!この娘は私が!!」
坂上「…全艦、構え…」
アーチャー「クソッ!間に合えっ!!」
バッ!!ダダダダッ……!
ルーラー「わが神は(リュミノジテ)……!」
……………………
北上「うぉっ!?アーチャー?」
夕立「てーとくさん!?」
鈴谷「にゃ〜馬鹿兄貴〜!!」
アーチャー「熾天覆う(ロー)……!」
…………………
坂上「………撃て!!」
ドンッ…ドンッ…ドンッドンッドンッドンドンドンドンドンドンドンドンドンドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ…!!!
アーチャー「七つの円環(アイアス)!!」
バッ!!
ルーラー「ここにありて(エテルネッル)!!」
ガンッ!!
ガンッ…ガキンッ…ガンッ!!
アーチャー「ぐぅ…!!」
ルーラー「……っう!!」
ガンッ…ガンッ…ガンッ……ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ…!!!
バリンッ!!
アーチャー(くっ、アイアスが一枚…、あちらの攻撃が止むまで持つのか!?)
ガガガガガガガガガガガガガガガガ…!!
北上「な、なにこれ!なにこれ!?」
夕立「…っ!船の艦砲!?っぽい?」
鈴谷「…くー…くー…」
アーチャー(…え?鈴谷の奴、もしや寝てる?…この状況でか!?)
バリンッ!!
アーチャー「ぬぉ!?」
アーチャー(イカンイカン!!集中!集中だ!!……とりあえず鈴谷は後でキツく説教がいるな…)
ドドドド……!!
……ドンッ…ドンッ!!
………
ルーラー「…やっと…」
アーチャー「…いや!!まだだ!!」
ビュン!!ビュンビュン…!!
坂上「…新型の対艦ミサイルだ、今日はそれで終いだ!」
アーチャー「ちぃ!!」
ドゴンッ!!…ドゴンッ!!…ッカ!!
ドーーーーーーーーーーンッ!!!
……………………
北上「…ゲホッゲホッ!!っ!?アーチャー!?」
夕立「てーとくさん!!腕ヤバいっぽい!!」
ルーラー「…心配要りません、安静にしてれば勝手に治ります」
北上「え?メイド長!?どーゆうこと!?これ!!?」
ルーラー「…説明はします、信じられ無いでしょうが……いや、信じさせますがね…」
鈴谷「…すぴー、すぴー…」
金剛(…
夢を見ました。
祈りを見ました。
どこまでも続いている無限の世界。
どこまでも正しい彼の祈りの果て。
鋼の風と鋼鉄の大地。
星々と雲の代わりに錆果てた歯車。
ここは墓場、大地に突き刺さる錆びた剣は全て墓標。
その丘の上で彼は私に背を向ける。
何度も呼びかけても反応すらしない、きっと、そんな余裕すら無いのだろう。
彼は今日も祈っている。
どうせ祈る相手もいないのに…。
だから私は、剣に背を預け彼の祈りを聞き届ける、どうせ誰も受け取らないなら私くらい聞いてもバチは当たらないデショ?
耳を澄ませる。
祈りが聞こえる…嫌いじゃない、おそらく詩のように、本人しか完全に理解できない祈り。
本人しかわからないなら、これは絶対誰にも届かない、つまり私の独り占めネ!
でも、一つだけ嫌いなフレーズが流れる
〝Nor known to Life. 〟
ふざけるな!
ここにいる!あなたの祈りは理解できない物ではない!!
誰かの為に命を使い潰せるモノはここにいます!
だから、
だから…もう泣かないで、もう休んでヨ
あなたは、間違ってないから…
夢の中で泣く、祈りを聞いて泣く。
なぜ彼の祈りはどこにも届かないのか?)
チュン……チュン……
金剛「ん…?…朝ネ…?……あっ」
金剛「……枕が、ビショビショネ…」
金剛「…また、寝相悪くて逆になって漏らしたことにするネ…ふぁ〜…m…m…zzz……」
……………
アーチャー「……私の目の前で二度寝とは良い度胸だな金剛!?」
金剛「…zzz……m…n……」
アーチャー「…おい、起きろ、朝だぞ?」
ユサユサ…
金剛「…あと三日ぁ…」
金剛(…できれば一年…)
アーチャー「ふざけてないで早く起きなさい!朝ご飯できてるぞ!?寝巻き着替えろ!」
金剛「うー……別にarcherのご飯は冷めても美味いネ〜……おやすみぃ…」
金剛(…三日は持つネ〜)
アーチャー「……いや、正直嬉しいが……最近ズボラになりすぎていないか?前の君なら早寝早起きがデフォルトだったろ?このままでは駄目な女になってしまうぞ?」
ユサユサユサ……
金剛「…archerがぁ……オカンがいればぁ………駄目女でもぉ……ダイジョブ」
金剛(…archerなら見捨てないネ〜…)
アーチャー「…大丈夫、なワケ、あるかぁ!!さすがの私でも駄目な女の面倒は見たくないわ!!おい、起きろ!金剛!!」
ユッサユッサユッサ…!!!
金剛「…あー…うー…やー…だー……zzz」
金剛(…むしろarcherが揺らしてfall in sleepネ〜…)
アーチャー「……ほぅ…さらに寝るか……ふむ……」
金剛「…zzz」
金剛(…archerなんかしてるネ?)
アーチャー「……なるほど、ならばこのまま世話していいんだな?」
スチャ…ネリュ…
金剛「…んぅ、いいよ〜…zzモゴッ!??」
金剛(…ん?)
シャコシャコ……ゴシュゴシュ
金剛「モゴッ!??」
金剛(whats!?な、ナンデスカ!?く、口が…)
アーチャー「歯磨きだ、どうだ、起きる気になったか?…こら、暴れるな!」
金剛「もがっ!?もがみ、もがもご!?」
金剛(や、ヤバいデース!く、口の中がこそばゆくて、ってか!ちょ、ちょっと待って、なんか、なんかぁー!!)
アーチャー「ふむ、なんて言ってるかわからんが、痛くはないみたいだな、よし!」
シャコシャコシャコシャコ…シュ、シュ…
金剛「あぼっちゃ!なごぼっ、やういになっでうでうは(アーチャー!なんでやる気になってるデスカ)!?」
アーチャー「…ん?よくわからんが知ってるか?君、歯並び相当良いぞ?大切にな?」
金剛「がぼっ!!?」///
金剛(あれ?あれ?口の中見られるっテ、恥ずかしいネ?…な、なんでこんな気持ちになるネ…!?)
アーチャー(抵抗がやんだな…ふむ、じっくり優しく、やって見るか…)
………30分経過
シャコシャコ…コシュコシュ…
金剛「……ふぁ…」
トロ〜ン………
金剛(…なんかこそばゆくて、気持ちよくて…なんか…)
コシュコシュ…シャコシャコ…
アーチャー「……そういえば、知ってるか?金剛?」
金剛「………ふぁ?」
金剛(…brushが舌に触れるたびになんか…なんか……)
シャーコ、シャーコ…
アーチャー「…他人に口内、特に舌を中心に自分以外の意思で動かれると、ディープキスと似たような気持ちになるらしいぞ?」
金剛「……………ふぇ?」
金剛 (…deep Kiss?…え、そ、それって!!?)
アーチャー「ははっ、つまり、君は今私にディープキスと同じ感覚を…」
バキンッ!
アーチャー「…?あれ?歯ブラシの先端が無くなって」
金剛「archerのぉ……」/////
グググッ…
アーチャー「こ、金剛すまない、もう一度口を開いて見せて」
金剛「バカァァぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァ!!!」
ドッゴーン!!
アーチャー「ゴホッ!?…い、今のボディブロゥは…き、効いたぞ…?」
金剛「…と、時と場所をわきまえるネ!!」
くるっ…とことことこ……
アーチャー「…??……な、なんで…ここの女子は覚醒と同時にイイのを私に打ち込むんだ…」
ガクッ…….…
金剛(あの坂上の件から一週間すぎマシタ…)
カチャ…モグモグ…カチャ…ズズズ…
金剛「…」
北上「…」
鈴谷「…」
夕立「…ぽい!」
アーチャー「……はぁ、わかった、私が悪かった!流石に朝からあの起こし方は無かったよ、だから…いい加減機嫌を治してくれないか?」
金剛(都市はほぼ完全に崩壊、死傷者…確認不能…)
カチャ…ズズズ…
金剛「ふざけないデ」
北上「頂けると」
鈴谷「ありがたいですかねぇ」
夕立「っぽい!!」
アーチャー「……どうすれば許して、貰えるのかな?お嬢さん方?」
金剛(坂上はあの後消えたネ、そして、archerと私も丸二日倒れて寝込む事になったネ……)
ピタッ
金剛「…それはナンデモするっテ!!」
北上「受け取って!?」
鈴谷「よろしいのかな!?」
夕立「っぽい!!?」
アーチャー「……あ、あぁ、そう受け取ってもらっても」
「「「「デート!!!」」」」
ビクッ!
金剛(なんだかんだで、結局現状打つ手ナシ、メイド長は坂上を追って…私にいろいろ教えてどっか行ったネ…)
アーチャー「お、おお、で、デートだな、よし…………ん?デート?」
ニヤァ〜…
金剛「今の言質!」
北上「たしかに!!」
鈴谷「受け取ったぁ!!」
夕立「ぽい、ぽい、ぽーい!!」
アーチャー「ちょ、ちょっと待て!?君たちは何言って…てかさっきからその連携はなんだ!?なんか馬鹿にされてる気がする!!」
金剛(…何か私達が危ない状況だとはわかってるケレド…それでも…)
北上「むふふぅ、何でもないよ〜」
鈴谷「そうそう、なんでもないって〜」
金剛「なんにも問題ナッシングネー!!」
夕立「うー、っぽい!!」
アーチャー「最後の夕立の……いや、いい……まぁ、時間があればな、その前に今日の仕事を終わらせるように…」
金剛・夕立・鈴谷「「「ラジャー!!」」」
夕立「ぶっ、ラジャー、っぽい!!」
アーチャー(……やっぱり今日の夕立はおかしい気がする……)
金剛(今はarcherとの生活を楽しむネ!)
パリーン!!
北上「っ!?な、なに?」
鈴谷「窓が!」
アーチャー「くっ…昨日撥水スプレー塗り込んだ窓が!!」
夕立「夕立の最高傑作を幾多も刻んだ思い出の窓が……!!」
金剛「窓が割れたくらいで反応がoverネ!……ん?妖精さん?」
鈴谷「あ、Dだ…」
アーチャー「…またDか…」
妖精さんD「はふ、はふ、えーゆうさんえーゆうさん」
アーチャー「……どうした?」
妖精さんD「で、できたから速くコチョコチョして欲しいです!」
金剛「できたって…ナニガ?」
妖精さんD「はよ!はよ!あ、新しい艦娘さ…あぴゅ…あひゃひゃひゃひゃ!!」
コショコショ…
鈴谷「あー、アレできたんだ?」コショコショ…
北上「おぉー、緊張の瞬間キタね〜、空母か戦艦か…はたまた潜水艦かな?」コショコショ…
アーチャー「どちらにしても、何か私が作業するのだったか?」
妖精さんD「あひゃひゃひゃひゃ!!は、はいそうです!き、記憶の再現と整理…あ、脚と脚の間をおねが…アヒュ!!?」
鈴谷「まぁ、実際に行ってみればわかるっしょ…?」コショコショ…
北上「んで?どこ?格納庫?」コショコショ…
妖精さんD「あー!あー!でちゃう!でちゃうぅ〜!!…は、ハイ…」ガクッ…
金剛「…気絶したネ…可愛いネ!」
アーチャー「了解した、って、こら!ばっちいから触っちゃいけません!」
おつ
あと今更だけど、「英霊の座登録研修合宿」についてkwsk
>>267
読んで頂きありがとうございます。
オリ設定なので、あまり深くお考えになる必要はございません。
ちなみに内容は「最低限英霊としてのマナーを学ぼう」がお題目で座に登録される寸前の英霊候補が生前の慰労ついでに、あらゆる時代、あらゆる国家から目的地をランダムで選び、ギリシャやケルトやアッシリアの大英雄などの先輩英霊に死ぬほど、しこたま、しばかれる、死後の青春体験旅行です。
ちなみに企画設立はバビロニア時代です。
教師面したタイツ兄貴や履いてない大英雄や土木作業が似合う女帝に引率される遠足とお思いください。
カンッ…カンッ…カンッ…
北上「あの汚れまくってた格納庫が綺麗になったねー、驚きだわー」
アーチャー「…フッ…」
夕立「別に昔みたいに艦娘が多いわけじゃ無いし、武装はてーとくさんや妖精さんが作ってくれるから、キレイにしてもあんまり意味が無いっぽい」
アーチャー「…うっ」
鈴谷「….でも、キレイにしてくれたのはしょーじきありがたいよ?兄貴?」ニッ
アーチャー「…あ、あぁ」////
金剛「…archer気づくネ、この子達の下げて上げる作戦ネ?」
妖精さんG「…つきました、ロックかいじょー」
カチッ……ガシャンッ、ガシャンッ、ガシャンッ、ガシャンッ……ウィーン…ガシャンッ!!
コポンッ…
北上「…こんな仕掛けだっけ?」
鈴谷「ゼッテー違ったわ….」
妖精さんH「えーゆうさんのケーキ50個分のエネルギーでつくったー」
夕立「…この液体に入ってるコードが一杯ついてるのが新しい子っぽい?」
金剛「…運動座りで浮いてるから誰かワカリマセンネー…」
アーチャー「…それで、再現した艦娘の遺品は?」
妖精さんI「これです」
アーチャー「…ボウガン?おい、艦娘では?」
金剛「空母や軽空母の娘が弓を使ったりしてマシタ…だからそれできっとあってるネ」
アーチャー「…ふむ、助かるが…やけにボロボロだな…血痕も見られるし…構造把握、開(トレース・オ)」
ズギッ!!
アーチャー「っ!?…?…?…??」
金剛「…?どーしましたかarcher?」
アーチャー「…??…いや、なんだろうな?」
妖精さんG「はいこれー」
カチャ
北上「ぶっ!?」
鈴谷「あははっ!兄貴、犬じゃん、それー!」
アーチャー「……なんで首輪なんだ?」
妖精さんG「にがさないためー、えーゆうさんが読み込んだら頭の中でどこまで入れるかえーゆうさんが決めるです」
アーチャー「…?あ、ああ?」
妖精さんH「艦娘さん達はこちらー、上に上がってー」
夕立「ぽい?てーとくさんの横で良いっぽい」
妖精さんH「あぶないからダメ〜」
夕立「?」
妖精さんG「それじゃメモリー注入すたーと〜!」
ポチッ…ウィーン……ゴゥン…
アーチャー「…始めるぞ?構造把握、開始(トレース・オン)!!」
ザーッ……バヂッ…バヂッ…
『ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメ…』
アーチャー「!!?」
バヂンッ…
………………
北上「アーチャーどうしたの?目瞑って動かないけど…?」
鈴谷「あー、アレじゃない?メイド長?つーかルーラーが言ってたアレ…構造の把握?ってヤツ?」
夕立「構造を読み取って、しかも記憶も読み取れるなんて、てーとくさん凄いっぽい!」
妖精さんG「……でも多分しっぱいするー」
金剛「…どーゆうことネ?」
妖精さんG「だってあの子の記憶を読むと…」
……………………………………
アーチャー『…よし、作られた瞬間から装備してたから初期からここまでの記憶は読み取れた…さて』
??「困りました、通信機破損、霧で視界最悪…加賀さんや赤城さんに後で叱られるかな?」
アーチャー『…はぐれたのか…む!?』
ザバッー…
レ級「A…gaaa!!」
イ級群「「「「「zyaaaaa!!」」」」」
??「ッ!!しまった、巣に入ってた!?くっ、囲まれ….」
アーチャー『…ここで死んだのか…?』
????「ライダー!!お願い!」
アーチャー『…な!?』
ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!
??「っ!?」
シュッ…ドゴンッ!!
レ級「Gjaaaaaaaa!!?」
ライダー「….危ないところだったな小娘!!第二射撃て!」
ドンッ!ドンッ!ドンッ!
??「え?船?木造船の砲撃が、なんで深海棲艦を!?」
ライダー「ははは!!我が国の民にあだ為すは死ね!!死ね!!死ねぇ!!」
………………………
シャー………!!
ライダー「ほぅ、海面を滑っている!おもしろいな、どうだマスター?」
????「いやぁ、アレはちょっと無いッス…それよりはやく陸地に向かうッス」
ライダー「夢とロマンくらい持てよ?花も恥じらう女子高生では無いのか?」
????「退学すれば、ただの16歳の女ッス…」
アーチャー『…馬鹿な…』
シャー………スチャ!
??「あ、あの…先ほどは助けていただきありがとうございます!」
ライダー「例はいらないですよ?同じ日本人なんですから…」
??「それでもありがとうございます!私は大鳳!あなた方のお名前は!?」
ライダー「ライダーです」
????「藤村………藤村大河ッス…」
アーチャー『な、なんで藤ねぇが!?』
ザーッ………………………
アーチャー『馬鹿な!髪をくくってるし、若いが、あれは間違いなく藤ねぇだ!だが、藤村大河に魔術回路は無い!!なのに、なぜサーヴァントを!?』
ザバッ!ザバッ!ザバッ!…
深海棲艦「jaaaaaaaamuuuu!?」
ヲ級「wo?uuuuuuuuuu?!」
ザバッ!ザバッ!ザバッ!…
大鳳「な、まだ、こんなに!?ライダーさん!!藤村さん!!ここは私が、お二人は海域からだっ」
藤村「…私が行くッス」
チャキッ……テクテク…バッ!
大鳳「……え?」
藤村「ライダー!小舟を出してください!……行くよ……虎徹!」
ジャキンッ!
ライダー「了解した、相手は百体ほどです」
大鳳「な、何を言って、相手は!!」
藤村「……固有時制御・十重倍速(タイムアルター・ディカブルアクセル)!!」
アーチャー『なんだと!?』
ズバッ!
ヲ級「wo?」ブシュッ
藤村「柔らかい………これなら余裕ッス」
ズバッ!ザシュ!ズバッバババババババババ………!!
ザシュッ……チャキッ…
大鳳「無理です!!そんな少し斬りつけただけじゃ深海棲艦は!?」
ライダー「まぁまぁ…小娘は黙って見てなさい」
藤村「……起源発現『切断結合』」
ヲ級「……?」
グジュ!…ボコッ…メコッ…ベキバキッ!!……ブジュ、ボンッ!!
大鳳「…な、なんですかアレ?」
アーチャー『……だいぶ変化してるが、切嗣の魔術回路と武器…そういうことか……』
シュタッ……
藤村「……陸に送ってやってあげるッス…」
ライダー「わかった」
大鳳「あ、あなた方は一体…」
ニッ!!
藤村「私は魔法使いッス!!」
大鳳「…へっ!?」
ザ、ザ、ザ………………
過去の鎮守府…
ペラッ…ペラッ……
ライダー「……なるほどなるほど?」
大鳳「…あの、なぜライダーさんは日本の歴史をお調べに?」
藤村「気にしないでくださいッス!日本に初めて来たから調べてるだけッス!」
大鳳「…そのわりに、スラスラ日本語読んで…てより先ほど『同じ日本人』と…」
ペラッ…ペラッ…
藤村「え!?…あ、や〜、その………外国産まれ!そう!外国産まれの日本人なんですよ彼!!」
大鳳「あ…そ、そうでしたか!すいません…失礼な事を聞いて…」
藤村「いやー、いいっすよ、気にしてませんし!!あ、ちなみに今西暦何年ですか?」
大鳳「は!?」
ライダー「……おい、マスター、明らかにその質問はおかしい…」ボソッ
藤村「だって知らないと誤差が…」ボソッ
大鳳「え、っと、お二人は随分遠くからいらっしゃったんですね!今は2013年7月5日で、私ももうすぐ……うぅ……」
ガクッ、ポロポロ…
藤村「へ!?だ、大丈夫ッスか!?さっきケガして…」
大鳳「ち、違うんです…私達艦娘も人間換算だとお婆ちゃんだなって…だからこの話題、基地内で御法度なんですが…つい自爆しました…うぅ……」
ペラッ…ピタッ
ライダー「…かんむすめ?」
藤村「なんでさ!!?誰も年齢は聴いてなかったッス!!」
大鳳「そ、そうですね、だ、誰も知りたくないですよね……グスッ!お二人はどのような理由で今回来日されたんですか?」
藤村「あー、私達は…」
ライダー「私達は今回、日本の科学技術を学ぶために訪れた留学生なんですよ!失礼ですが、大鳳さん、でしたか?先ほど仰った『かんむすめ』について触りだけで良いのでご教授願えますか?」
藤村「ちょ!?ライダー!?」
大鳳「え?艦娘知らないんですか!?」
ライダー「はい!お恥ずかしながら私と藤村大河さんはオーストラリアのド田舎の学校でして、外国の情報が全く入ってこんのです!!…ですから、どうか、どうか、この無知極まり無恥の領域に至ってしまった私めにご教授くださいませ〜!!!」
ドシャ!!
大鳳「……へ?え?いや、あの!?」
藤村「ちょお!!??ライダー!?なに土下座してんの!!?」
ライダー「なにとぞ、なにとぞ!!」
大鳳「教えます!教えますから頭をあげてください!!」
ライダー「ありがとうございます!ありがとうございます!」
大鳳「…はい、艦娘と言うのは…」
………………………………
アーチャー『…なるほど、この男、『商人』か…プライドより利益…ある程度真名が絞れてきた…だが…』
アーチャー『なぜ、彼女を、大鳳を殺す必要があった?』
アーチャー『…そして、藤…己のマスターを…なぜ?』
…………………………………
天龍「おい!!また居なくなったぞ!?」
利根「またか!!次は誰じゃ!?」
天龍「…雷と電…あのチビども昨日から今日の昼まで、何度連絡しても出なくて…持たせたGPSも消えてて…」
時雨「…天龍さん、やっぱり佐竹提督に報告を…」
天龍「バカ、あの提督に知られたら、きっとまた駆逐のチビどもは力不足だから慰安艦にとか言うに…」
藤村「どーしたっすか!?みんな?」
利根「タイガー!!ちょうど良いところに!!雷電姉妹が…」
時雨「それ二人に言ったら怒られるから治しなよ?……うん、だから藤村せんせ…藤村さんも一緒に探してくれないだろうか?」
天龍「…なんか今、藤村先生って」
ゴスッ!!
天龍「ゴホッ…!!」
時雨「ち、違うから!そういうごっこ遊びが楽しかったとかそんなんじゃ…」///
藤村「ナイスな肘ッス!でも女の子のお腹は大切にしなきゃダメッスよ?」
ナデナデ…
時雨「う…は、はい、……あう…ってそうじゃなかった!!」
天龍「雷と電がいなくなった!探してくれるよな!藤村先生!」
時雨「ちょっ!?」////
藤村「うん、わかったッス!利根!あと大鳳ちゃんと磯風、大和、いつもの私の艦隊も誘って探して!!」
利根「わかったぞ!タイガー先生!!」
時雨「も、もう!!や、やめてぇ〜」////
藤村「とりあえず私は基地内の暇な娘誘って探すッス!!頑張ってね時雨ちゃん!」
ダダダダダダダダッ……!!
天龍「だ、そうだぞ?時雨生徒?」
利根「いや、児童じゃろ?天龍?」
時雨「も、もー!!二人とも速く探しなよ!!」////
アーチャー『…そうか、やはり教師の鑑だよ…あなたは………だから、信用しすぎたのか?』
……………………………
ライダー「やれやれ、今頃気づいたんですか…本人が艦娘だからと言って一人一人の管理が杜撰だ……陸ではそこまで強くないでしょうに…」
ライダー「昨日から今日の昼なんて、犯して、バラして、身体を生きたまま継ぎ替えて遊んでも時間あまりますよ…」
ライダー「…おまけに新しい実験道具も手に入れられるくらいには時間ありますねぇ…ねぇ?大鳳?」
ギチッ…
大鳳「ムー!ムー!!」
ライダー「…さぁて、まずは味見だ、装甲空母のお味はどんなだろうか…」
ガ、ガ、ガ………ザ、ザーッ
大鳳「…だ!!嫌だ!止めて!お願い!!…」
ザーッ、ザーッ、ガ、ガ、ガ…!!
アーチャー『…っ!!そうか、彼らができない理由はこの部分の記憶か!?』
ライダー「…あぁぁあ!!良い声だ!!良しその声は最後まで残そう!!だが歯は全て抜……」
ザーッ、ガ、ガガガガガガ……!!
アーチャー『ぐ、ぬぅ……な、るほど!この記憶は、たしかに持ったまま生きていくには…辛かろう…!』
アーチャー(抜歯と全身に対する5時間に及ぶ殴打…)
アーチャー(違う、これは私の痛みではない、深く同調するな…)
ライダー「…ははは!!どうした!?仲良しなんだろ!?ほらっ!?首だぞ!?あの利根とか言うゴミの、ん?、どう…」
アーチャー『消去…』
アーチャー(仲間を目の前で精神崩壊させられ、断首…)
ザリッ…ザーッ…ガチャ!ガチャ!
ライダー「…け!目を見開いてちゃんと見ろォ!!今から貴様の身体の皮を剥がすからな?見るんだ、見ろ、見ろ、目を閉じるな…ああ、いやならば顔の皮から剥げば目を瞑れ…」
アーチャー『ぐっ…消去!』
アーチャー(顔の皮から全身の皮を剥がされ、皮の代わりに麻袋を…違う私のでは!!)
ザーッ、ガリッ…ザーッ…
ライダー「…うか!!そうか!!艦娘でもこうすれば孕むのか!?ならば、これから貴様の赤子が産まれるまで貴様の腹に喝をいれねば…」
アーチャー『削除、削除、削除!!』
アーチャー(胎内で死んでいるタイジを意識シテ…違う!私の記憶ではない!!)
ザーッ…ザクッ…ザクッ…ザリッ…
ライダー「…■■■■■を■■■して■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■を■殺して、壊して、■ろそう!!」
アーチャー『削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除!!』
アーチャー(赤子を八つざ考えるな、手足を少しづつ切考えるな、壊した時雨私が食べ考えるな、天龍の眼をくりぬ考えるなぁ!!考えるな考えるな考えるな考えるな考えるな考えるな考えるな考えるな!!)
ザザサザザザザザザザザザザサザザザザザザザザ…
大鳳「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ!!」
バスッ、ドシャ!!
アーチャー『っ!!削除!!』
アーチャー(はやく)
アーチャー『全工程追憶完了!!削除部位を想起する可能性、リンク可能な前後記憶削除!!』
アーチャー(速く速く速く!!)
アーチャー『…っつ、さらに精神安定のために刷り込み(インプリンティング)開始』
アーチャー(ここから出なければ!!)
アーチャー『構造把握、(トレース)』
ザ、ザ、ザ…
藤村「…だから大鳳ちゃん?あなたが私の秘書艦、この世界で一番の親友の証…」
ザ、ザ、ザ…
アーチャー『終了(オフ)!!』
カチッ……シュゥゥゥゥゥ….…
…………………………
アーチャー「ぶはっ!!!はぁ、はぁ、はぁ……」
アーチャー(……これがライダー…なんで……)
アーチャー「なんで、あんな奴を呼んだんだよ!!藤ねぇ!?」
ドシャ……
金剛「archer!?」
妖精さんG「せいこー!」
妖精さんH「たいほーさんの全生命維持装置かいじょー」
ポチッ
妖精さんI「今日は祭〜」
北上「なにがあったかわからないけどさ、アーチャーがぶっ倒れたらお菓子多分無いよ?」
妖精さんGHI「「「そ、そんな〜」」」
ウィーン……ゴボゴボッ…パシュ!パシュ!パシュ!…カチャ…
大鳳「カハッ!!ゴホッ、ゴホッ!!ヒュー…ヒュー……ここ…」
パシャ…パシャ……
鈴谷「え、あの人!?」
夕立「大鳳さんっぽい!?」
アーチャー「…ゼェ…ゼェ…」
金剛「archer!?archer!?しっかりするネ!!っ!妖精さん!速く熱さまシートネ!!」
北上「いやいや金剛さん!?さすがに熱さまシートは無いでしょ!担架運んでる妖精さんが凄い動揺してるから!!?」
金剛「で、でもarcherが!!」
北上「…あー、ハイハイじゃあ原因見るからちょい退いて?……さーて義眼さんや〜、アーチャーの内臓透視するよー」
ブォン……!
大鳳「…わ、たし、みんなとはぐ、れて……それか…ら?」
鈴谷「あー、服着て、服!鈴谷の上着貸したげるから!」
夕立「…ペッタンこだから別に見られても困ら」
イラッ、ゴンッ!!
夕立「パポイッ!!?い、痛いっぽい!?」
大鳳「……う……そ、れか…ら……私……?」
鈴谷「…無意識で拳骨するほど嫌なのね…」
アーチャー「…はぁ…はぁ…」
金剛「…ど、どうなってるネ?」
北上「…あー、嫌なモノがフラッシュバックしてる感じ…かなぁ?内容はよく分かんないけど…」
金剛「な、なにかmentalに傷を負ったネ!?ど、どうしたら…!!」
北上「……夕立ぃ〜」
夕立「ぽい?」
北上「大鳳さんと金剛さんと鈴谷の服を良い感じに中破して、良い感じに三人並べて〜」
金剛・鈴谷「「は!?」」
大鳳「…?」
夕立「ガッテンっぽい!!『機・殺戮女王の模爪(キラークイーン)』!!」
金剛・鈴谷「「ちょ、まっ!?」」
ガシッ………ドッカーン!!
金剛「……ケホッ」ボロッ
鈴谷「……ゲホッゲホッ!こらぁ!あんたら私のカッターシャツどうしてくれて!?」ボロッ
夕立「サンドイッチに練乳は入るっぽい?」
北上「ほい、水性マジック、あとリボン、飾り付けはおまかせするよ〜」
夕立「ふふっ!ソロモンの悪夢風に飾り付けるっぽい!!」
シュルシュル…
金剛「え!?な、なんで大鳳と鈴谷と一緒に縛られてるデス!?うっ、き、キツいデース!!」
ブチュ!ブチュ!!ブリュブリュ!!
鈴谷「ゴラァ夕立!!なんで私らに練乳かけてんのさ!!?あ、目に…」
キュッ!キュキュキュ!キュッ!
大鳳「か、身体……くす…ぐったい…あと…」
ムニュ!!ムニュ!!
大鳳「……両サイド…乳…握り…つぶ…」
夕立「ヘイ!お待ちどうっポイ!北上さん!!」
北上「パーフェクトだ!!夕立!!そんじゃ、この惨状をアーチャーの視界に送信っと…」
金剛・鈴谷「「うぇ!!?」」////
アーチャー「うっ…ぐっ…スゥ…スゥ…」
夕立「あっ、てーとくさん、楽になったっぽい!」
北上「あー…約2名ショックで気絶したけどね……あと大鳳さんが口から泡出しながら、ピクピクしてんじゃん……産まれたての鹿と蟹のマネ?」
夕立「…乳袋で呼吸できずに窒息したっぽい……」
北上「…とりあえず写メる?」
カシャッ!!
夕立「…もうツイート済みっぽい!今日は祭っぽい!!」
妖精さんGHI「「「やったー!
!」」」
北上(…にしても強制的に微エロなの見せたけど…あいつがこんなに苦しむ程のモノってなんだったんだろ…)
アーチャー「…さて…どうしたものか…」
大鳳「野菜を命令通りの型に切りました!!次は何しましょう!何しましょうか!?お父様、ご命令を!!」
アーチャー「……」ダラダラ…
鈴谷「…兄貴も男だからねぇ…そりゃ女の子の記憶を作って良いって言われたら思いっきり〝捏造〟するよねぇ…はー、やれやれ」
アーチャー「いやこれには理由が…」
北上「アーチャー?」ニコニコ…
アーチャー「…な、なんだその笑顔は?」
北上「さいってー」
アーチャー「い、いやだから!!まずは話を聞いて…」
夕立「ママ〜!パパにママと夕立の知らない娘がいるっぽい〜!!(超嘘泣き)」
アーチャー「ちょ、ちょっと待て!?やめなさい!そのパターンは男心にはキツイ!」
金剛「…アナタ?」
ウルッ(涙)…
アーチャー「き、君とそのような関係には…」
金剛「…う、うわ〜ん(ガチ泣)!!あ、archerにmeとのmarriage揉み消された挙句、夕立も認知しないとか言われたネ〜!!」
北上「うわ〜鈴谷聴いた?」
鈴谷「兄貴マヂ鬼畜だよ、あんだけベッドで毎晩アンアン…」
アーチャー「してない!!、とゆうか。ごっこ遊びにしても趣味が悪すぎ…」
大鳳「お父様?」
アーチャー「また話を切られた…なんだ?大鳳?」
大鳳「……お父様は大鳳とあちらの夕立という子、一体どちらが大事なんですか?」
アーチャー「……来たよ、この質問…なんで今この状態で彼女たちに餌をやるんだ…?」
ニヤッ×3
夕立「…ぱ、パパは夕立の事嫌い?毎晩お風呂に一緒に入ってあんな事やこんな事してるのに?」
アーチャー「いや、お風呂には入ってるが、そんな、いかがわしそうな行為してな…」
ガシッ!
大鳳「お父様!一緒にお風呂に行きましょう!!大鳳の全て見せます!!」
アーチャー「だから君も真面目に張り合うな?ふざけてるだけだぞ?アレは」
鈴谷「兄貴?鈴谷ならその娘の母親に(頬染め)…」
アーチャー「ダメだ君みたいなJK脳にはまだ速い!!この子は私が育て….」
裾ギュッ…
大鳳「お母さん…欲しいです…グスッ…」
アーチャー「だ、大丈夫!!私がちゃんと君を育て上げるからな!立派な女性にして必ず幸せになれるように…」
北上「まるでシングルマザーみたいな事言いだしたけど……そろそろどーすんの大鳳さんさ?」
金剛「そうネ…さすがに…」
大鳳「う、うぇ〜ん!!お母様!お母様欲しいです〜〜!!」
夕立「パパ〜!夕立もパパ欲しいっぽい〜!!」
アーチャー「あー、泣くな、よしよし、ほら君の好きなプロテインミルクだ、焦らず飲めよ?…夕立、君には濃度増し増しのをやろう、増し増しだ」
大鳳「はむ…チュー…チュー…プハッ」
金剛「……精神年齢がアベコベになってるなんて、どうしようも無いネ〜…見た目普通の大鳳さんなのに授乳機使ってるネ…」
夕立「はむ…チュー…あ、なんか、上腕二頭筋がムキムキしてきたっぽい…」
ムキムキムキ………
北上「これでも今の強くなってる深海棲艦を以前と同じ装備で〝五体〟沈めてるんだけどねー、実力は間違い無いんだけど…」
大鳳「お父様!お父様!体ポカポカしてきました!訓練メニューください!!今日は腹筋とスクワット3000回はやりたいです!!」
アーチャー「…とりあえずもうすぐ夕飯だから、また明日な?」
大鳳「今日はプロテインですか!プロテインいっぱい入れてください!!」
夕立「あ、筋肉が!!夕立の筋肉が疼いて仕方ないっぽいーーーー!!!」
ムキムキムキムキムキムキムキムキ……!!!
鈴谷「大鳳さん、記憶は今のところある程度はあんだよね?」
大鳳「はい!しっかり覚えてますよ?鈴谷さんが佐竹提督に電車で痴漢プレイ強要されそうになったりとか!」
鈴谷「…寝てる間大鳳さんの脇を佐竹提督が毎晩なめてた事件は?」
大鳳「え!?そんなのあったんですか!?」
鈴谷「…兄貴?」
アーチャー「すまない、ちょっとしたトラブルがあってな……大鳳が隊からはぐれた部分までは完璧だったんだが、そこからちょっと〝危ない記憶〟を見つけてな、そこに繋がる記憶を削除して、精神安定のため少々別の記憶を加えたんだ」
北上「んー、よくわかんないけど、なんで精神年齢アベコベなの?」
夕立「ぽ、ぽいぃィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ…!!!!」
ムッキムッキムッキムッキムッキムッキムッキムッキ…!!!
アーチャー「一気に記憶だけ突っ込まれたんだ、記憶が時間別に上手く振り分けられていないのだろう、君たちを知っていても、こんな赤ん坊みたいな行為をするのはその為だ」
大鳳「……?」
金剛「あ、気にしなくていーデスヨ?一緒にcookingするネー!…アーチャー?これカレーネ?あと私がやるけど良いネー?」
アーチャー「…そうだな、君と一緒のが大鳳も変に興奮しなくて済むだろう…」
北上「こーふん?」
夕立「ぽ…ぽ……ぽ?」
ギチギチギチ…!!!!
アーチャー「変な意味じゃ無いぞ?偽物の記憶で彼女には私を〝製作者〟と認識させている、が、彼女の本能が違うと否定しているんだ、結果理性は私を許しても、真実をなんとなくわかってる本能は私を警戒して、あのような興奮状態にぬってるんだ…やれやれ、やはり剣以外は慣れないな…」
トントントン…ア、ソレ、カクシアジネ…エ、コレチョコ……イイカライレルネ………ジャ、ジャ〜!!…
鈴谷「お、良い匂いしてきたじゃ……って、うぇ!?」
北上「え、だ、誰この夕立のコスプレしてるムキムキマッチョ!!!いつ入ったの!?」
夕立?「….…ぽ?(首かしげる)……」
ギチギチ…
アーチャー(なかなか良い体になったじゃないか夕立!)ウンウン…
大鳳「お父様!ご飯できましたよ〜」
金剛「そろそろご飯ネ!!あとアーチャーソレ責任持って戻すネ!今すぐ!!」
カチャ…モグモグ…ズズー…モグモグフヨード……
大鳳「このカレー……美味しい!」
金剛「…ん?なんかこのcurry私がいつも作るのと味が違うネ…」
アーチャー「…当然だ、仕込みの段階から調理は始まっている、材料の鮮度から状態、食材の声と巡り合う運があってこその料理だ、出なければ捕獲レベル5000台より上は調理できん…」
北上「…捕獲レベル5000?」
鈴谷「いつもの別の国の話だから気にすんなよ北上ー」
カチャカチャ…モグモグ…
『次のニュースです…本日発見された〜町近辺の生存者捜索が打ち切られました』
カチャ…ピタッ
アーチャー「…」ジッ…
『生存者は町の住人の約半数で、局地的に起こった大地震と大津波にしては異例の生存数だそうです…』
アーチャー(………元の人口が一万八千人、九千人前後の死傷者か……異例か… 大津波として見れば異例だろうな)
金剛「…archer」
スッ…
夕立さん「…」ムキムキ…
アーチャー「……おかわりか?夕立さん?」
夕立「…」コクリ…ムキムキ…
アーチャー「わかったよ、あ、私の分の豚カツも食べていいぞ?夕立さん…」
夕立「…」コクリ…ムキムキッ…
グワシッ……サクサクサク…
北上「…はむ、もぐもぐ、そいやさ?アーチャー?私らの装備や私らの眼も『宝具』ってヤツなんだっけ?」
アーチャー「…あ、ああ、なんだ?宝具か?…ああ、ルーラーに聞いたんだったな…いや君らのはまだ〝擬似〟だ、そこまで昇華しきってないというか、ふむ、説明が難しいな…」
北上「んじゃさ?実際の『宝具』だと、こんな惨状が可能なワケ?」
アーチャー「………いや、できるモノもある…が…明らかにこんなモノは規格外だ……というかありえない」
北上「…ありえないって?威力が?」
アーチャー「いや、範囲だ、単純な威力なら大したこともない、私の黒い矢、『赤原猟犬(フルンティング)』は何度か実戦で見せたな?あれの半分以下だよ威力的…というか、ランク、質的にはね…」
北上「…ん?別に範囲が広いのの何がおかしいの?だって『宝具』って伝説をそのまんま武器にしたものなんでしょ?」
アーチャー「…そうだ、だがな、それにだって燃料、つまり魔力がいる、あんな大艦隊を同時運用するなんぞ、数千人単位で生命力を絞り上げてないと説明がつかんからな…そこがありえないんだ…あっ、夕立さん、大盛りだ、召し上がれ」
夕立「…」コクリ…ムキムキ…
鈴谷(まだ成長してる……うわ、背中が服の上から鬼の顔だってわかる…キッモ…)
北上「…実際にやってるんじゃん?」
アーチャー「……そうだな、ありえなくもないか…」
『次は現地の方の声です!どうぞ!』
『はい、中継しております!それでは今回の災害で親を失ったSくんにお話を伺います…』
S『……あ、ぼく、ぼく…』
『落ち着いて、何があったの?』
S「そ、そらから何かふってきて、お父さんと、お母さんの頭がなくなってそれで、それで!」
『??どうしたの?大丈夫?』
S『違うんだ、違うんだ!ぼ、ぼく、み、みんなみすてたんじゃなくて!い、妹がウチにいるから!守らなきゃで!だから!だから……』
アーチャー「…くっ…」ギリッ
『…えー、どうやらSくんは錯乱しているようですね以上中継でし』
プツ
『さぁ、今シーズンはワカメッシーは勝てますかね!?』
『いやー無理でしょだって彼ワカメ〜』
アーチャー「金剛?なんでチャンネル変えたんだ?」
金剛「…なんか、新しい子入ったのにarcherが辛そうだったから変えたね…」
アーチャー「…そうか」
金剛「責任、archerに、あるヨ?」
アーチャー「ああ、正直、二体がかりならすぐに片がつくと考えた……私の失態だ……あの場で引きずり出して倒そうなど、周囲を考えず、力を過信した私の未熟さと馬鹿さ加減に怒りを覚えるよ…」
金剛「…でもあの後ボロボロでも、ちゃんと生きている人掘り起こしたり救助はしたよネ?…それで少しは軽くなってるし、できることはやれるだけ、やったネ」
アーチャー「だが…」
金剛「archer?……私たちの為にやった事なら私たちが原因ネ…だからアナタ一人が悪いワケじゃないネ?」
アーチャー「…ちが」
金剛「archer?それ以上は怒るネ…」
スッ…
アーチャー「っ…わかったよ夕立さん」
夕立「…」コクリ…ムキムキ…
鈴谷「…ズズー…(なんか髪がスー◯ーサイヤ人3みたいに……!!?な、なにいぃ!?髪がいきなり黒く、あと赤い腕毛!?す、スーパーサイヤ◯4じゃね!?これスーパー◯イヤ人4じゃね!?…ご……ゴッドまでいくのかな…)」
ごくりっ…
大鳳「私も!茶碗にプロテインもっと乗せて!!お米はいらないわ!」
北上「アーチャー?から揚げ要らない?貰うね〜?」ヒョイパク
アーチャー(……あの時点で私の中でライダーと坂上に繋がりはあまりなかった…ゆえにあの時点で坂上を引きずり出したのは、ただルーラーに協力して脅威になりそうな敵を処分するためだった…)
『お、おお!サッカー選手が野球選手にドロップキックして〜!な、なんとと、取った〜!!ボールを取りました!あ、アウト!アウトです!攻守交替!あ〜っとだがサッカー場ではゴールを守れませんでした、残念』
アーチャー(…結果的に敵が彼女たちを追い詰めた者だっただけで、そのような意図は……無かったのでないか?であれば、あの惨状は…)
アーチャー「…夕立さん、特盛りだ、大鳳、プロテインだ、北上、太るぞ?」
北上「…あれ?アーチャー、この二人もう諦めてる!?」
アーチャー「…そうだな、新しい者が来たのに暗い顔はいけないな、よし!明日は約束してたデートにでも行くか!?」
金剛「」
鈴谷「」
北上「」
夕立さん「…」コクリ…ボォッ!!
大鳳「」
「「「「えぇ!??」」」」
アーチャー「…なんで君らが驚く?」
金剛「ぷ、please Wait!!こ、困るネ!!あ、あーそうネ!!まず美容院の予約と服も買って〜、あ、そうね!!靴!あとアクセは…」ワタワタ…
北上「え、えーと!?か、髪どうしよ!?下ろす、いややっぱ三つ編み!?ポニテ!?えっと、えっと……う、うわ〜ん!大井っぢぃ助げでよ〜!!」(泣)
鈴谷「…終わった、終わった、ははっ、なんで私、服用意する前に約束してんだよぉ……っ!!っ!今ある服で調整するしか!?あ、でも、下着…熊野ゴメン!!」バッ…ドタタタタッ…!
夕立さん「…コォォォォ…」ムキムキ…ゴゴゴ……(髪が全部上に立ってる)
大鳳「ハム、ハム、プロテインカレー美味いです!!」(当然服なくて諦めて現実逃避中)
アーチャー「……いや、待て、待つから5日後、5日後な?だからゆっくり準備してくれ…」
金剛「…そだ、霧島のメガネと榛名の髪飾り」ブツブツ…
北上「…えっと、えっと、どうだったっけ?大井っちぃ!?結び方の説明書書いてくれても良かったのにぃ!」ワシャワシャ…
鈴谷「…熊野ぉ!!なんなのさ!この危ない下着類はぁ!!こんなの着れるかぁ!!」////
大鳳「プロテインは!?プロテインがないと私!!」(プロテイン依存症発症)
アーチャー(…そういえば彼女もデート前は毎回徹夜でサンドイッチ作ってたなぁ……お弁当は遠坂風サンドイッチにしよう…)
※
ムキムキ→筋肉の成長音
ギチギチ→筋肉が許容量超えたので圧縮して調整してる音
進化前「ぽい」
→進化後「ぽ(野太い声、聴いてると不安になる…)」
→進化後「…(声帯が退化、つまり肉体言語こそ至高という真理にいたる)」
トボトボ………
アーチャー「…はぁ…今日も疲れた……」
アーチャー「……風呂…入るか…」
シュル…シュル………シュル…ガラッ…
ボー………
アーチャー(……考えたら…)
アーチャー(…これ、あの娘らの残り湯か…)
ボー………
アーチャー(……髪の毛、陰毛…)
アーチャー(…掃除…)
テクテク(→掃除用具方向)…
ガラッ!タシッ…!!
夕立「あー!てーとくさん!また掃除しようとしてるっぽい!!」
アーチャー「…夕立改二は夕立さんに進化したはずだが…なんで、元に…あと素っ裸で…堂々と……なんだっけ?」
夕立「フリーザもセルもブウも行き着く先は小型化と単純化っぽい!!今の夕立は無駄な筋肉を全て削ぎ落とした極みっぽい!!」(謎のジョ◯ョ立ち)
アーチャー「…そうだね…」
夕立「てーとくさん今回はホントにお疲れっぽい!?」
アーチャー「…うん」
夕立「……てーとくさん、口調崩れてるっぽい…」
アーチャー「…なんか……疲れた、首と肩と腰が…ダルい…力入らない…今日は…大鳳の、復活と、君らの、世話と、深海棲艦、潰して、書類整理して、大鳳の訓練に付き合って…投影訓練したら……」
夕立「…頭も回らなくなった、っぽい?」
アーチャー「…あぁ……うん」
夕立「………っぽい!!」
アーチャー「…ぽい」
夕立「…あー、ダメダメっぽい……」
アーチャー「…あぁ、ダメなんだ、久しぶりにダルい……」
夕立「…てーとくさん!てーとくさん!」
アーチャー「…ん…あぁ、髪洗うから…速く、ここの、アレ↓に…座りなさい」
夕立「自分の股の間に指向けてそんなこと言わないで欲しいっぽい!!そーじゃなくて!!」
アーチャー「…ああ、オレの…乳首なら、好きにして……良いんじゃ…ないかな?……安いし」
夕立「てーとくさん!?自分の身体は安売りしちゃダメっぽい!?そうじゃなくて!?話聞くっぽい!てーとくさん!」
アーチャー「…あい」
夕立「…今日はホントにてーとくさんが、辛そうだから夕立が……し、してあげるっぽい…」////
アーチャー「…………ぽい?」
夕立「…….きょ、今日は夕立がてーとくさんがいつもしてくれてるように、髪洗ったり、身体洗ってあげるって、言ってるっぽい!!」////
夕立「……だ、ダメっぽい?」///
アーチャー「…あぁ、わかった…」
夕立「…ほえ?」
アーチャー「…じゃあ….頼んだ……」
夕立「……う、うん、任せて……ぽい」
テク….….テク…
夕立「…それじゃまず背中から行くっぽい!」
アーチャー「…あい…」ぼー……
ゴシゴシ……ゴシゴシ……
夕立「…てーとくさん、背中大っきい……」ペタペタ…
アーチャー「……君が、小さいんだ…」ぼー……
夕立「くすっ……ちっさい方が良いときもあるよ?」
アーチャー「……なんだ、それ?」
夕立「ううん、お父さんとお風呂に入れるのは小さい子の特権ってこと…っぽい」
アーチャー「……ああ、そういうことか……」
ゴシゴシ…ゴシゴシ…
夕立「…はーい、次は右腕上げてくださーい、っぽい」
アーチャー「…あい…」ぼー…
ゴシゴシ…
夕立「……てーとくさん」
アーチャー「…ん?…」
夕立「…指先と脇、なめられたら嬉しいのはどっち?……ぽい」
ゴシゴシ……
アーチャー「……なめられるより……なめる派かなぁ…」
夕立「…なめたい?」
アーチャー「ああ……赤い槍持ってるタイツ野郎とか……散々煽って出させた全力を防ぎ切って……ざまぁ…とか言いたい…」
夕立「……夕立も赤い槍持ったほうが良いっぽい?」
アーチャー「…欲しければ…作るが?」
夕立「……そのうちね……はむ」
ちゅ〜…ぺろ、くちょ、れろ…
アーチャー「……?なんで指先吸ってるんだ?……汚いぞ?」
夕立「…う〜ん、てーとくさんプリン作ってるっぽい?」
アーチャー「…明日の朝食べなさい」
夕立「口止料!」
アーチャー「……余分に一個作ってるから、それ食べなさい」
夕立「契約成立っぽい!」
ゴシゴシ…
アーチャー「…ん…」
夕立「…てーとくさん脇苦手?赤い外套外した時とかよく出してるのに?」
アーチャー「……あー、心臓に近いからな……あと袖があると、弓引く時動きにくいからな……」
夕立「…ふーん…てーとくさん?」
つぃー……
アーチャー「…うぁっ、脇を指でなぞるな…こそばゆい」
夕立「…脇毛、脱毛した?」
アーチャー「……剣使ったり、弓使ってると……摩擦で……な……うぁっ」
夕立「……なめていい?」
アーチャー「ダ、メ、だ」
夕立「…くんくん、すんすん….」
アーチャー「……何してる?」
夕立「てーとくさんのフェロモン直接吸引……くんくん…….この匂い嫌いじゃないっぽい」
アーチャー「……姉貴分二人がロクでもないと変な事覚えていかんな…」
夕立「……北上さんと鈴谷さんは夕立より、よっぽど純情で子供っぽいよ?」
アーチャー「……なんとなく察してたが、本人から聞きたくなかったなぁ…」
夕立「……壊れた幻想?」
アーチャー「…私の心はガラスなんだ」
夕立「…いつの時代の名曲の歌詞だよっぽい…….はい、次左手上げてくださーい…あ、指先、はむっ」
じゅる〜…れろれろ、くちゅ、ずる〜…
アーチャー「その音わざと鳴らしてるよな?にしても…古いかな…結構考えたんだが…」
夕立「れろ…?…一発ネタじゃなかったっぽい?!」
アーチャー(…ああ、そういえばこの子達の前でUBW使った事なかったなぁ……どうしよう、なんか使いづらくなった…)
ゴシゴシ…ゴシゴシ…
夕立「…はーい、前洗いまーす、ぽい!首からとお腹からどっちが良い?」
アーチャー「…腹から」
夕立「夢がないっぽい…」
アーチャー「……タオルは外すなって金剛にキツく言われてるからな…」
夕立「…タオル越しでも自信あるっぽい!」
アーチャー「……?…さすがにタオル付けてれば洗えないだろ?」
夕立「…うー……ぽぃ〜…」ガクッ…
ゴシゴシ…ゴシゴシ…
アーチャー「……なんか、洗車される車の気分がわかるな…」
夕立「…てーとくさんの腹筋凄いっぽい…」
アーチャー「…あぁ…鍛えたからな…」
夕立「よく磨くっぽい!割れろ〜割れろ〜…」
アーチャー「…これ以上割れたらちょっと気持ち悪いな…」
ゴシゴシ…ゴシゴシ…
夕立「……胸板行きまーす、っぽい!」
アーチャー「…あぁ」ボー…
ゴシゴシ…ゴシゴシ…
夕立「…てーとくさん、眠いの?」
アーチャー「…いや、眠くはないんだ、むしろ眠れないが……疲れだけはある……みたいな…」
夕立「……じゃあ、夕立が毛布になってあげる!てーとくさん、ちょっとお風呂マットの上に寝転がるっぽい!」
アーチャー「…?あぁ…」
ゴロッ……
アーチャー「…これでいいか?」
夕立「うん!それじゃ…夕立の体にボディーソープつけまくって〜……ぽーい!」バッ!
ドスッ、ダキッ!!
アーチャー「ガハッ!?……どうしたいきなり飛び乗って!?」
夕立「なんかてーとくさんの体大っきいから夕立が身体使って直接ゴシゴシするっぽい!」
アーチャー「………ちなみにどっちの部屋の本だ?」
夕立「鈴谷さんの部屋の布団の下っぽい!!」
アーチャー「…ちっ、やはり発見した段階で回収して焼くべきだったか…」
夕立「なんで焼かなかったの?」
アーチャー「鈴谷と北上の机の上に置いて軽く感想文を書いてやったよ…」
夕立「…おかーさん酷いっぽい….」
アーチャー「…隠匿スキルは鍛えたほうが何かと役に立つ……ちなみに夕立?」
夕立「ぽい?」
アーチャー「…それは羊さんみたいなモフモフになるまで泡を纏わなくては現実では、できないぞ?」
夕立「羊さんくらいモフモフ!?わ、わかったっぽい!」
ゴシゴシ…モフモフモフモフ…
夕立「準備完了っぽい!」
アーチャー(…さすがに夕立とはいえ、ソーププレイまがいの事されたら、理性がな…せめて身体のラインくらい隠させてもらうぞ?)
ヌチャヌチャ…ズルッヌチャヌチャ…
夕立「てーとくさん気持ち良いっぽい?」
アーチャー「…いや、そうでもない…」
夕立「あれ?鈴谷さんの本だと男の人は気持ちよがってたぽいのに〜…」
アーチャー(…よし、昔やってた方の魔術特訓!魔術回路作成!背骨に差し込む!!集中集中集中!!失敗したら死ぬぞ〜…だから夕立の身体の感触を意識するなよ〜…!!)
ヌチャヌチャ…ヌチャヌチャ…
夕立「…うーん、これ疲れるから、やっぱりタオルで普通に擦るっぽい!」
アーチャー「…そ、そうか」
夕立「え?てーとくさんなんかお疲れっぽい?…ご、ごめんなさい!」
アーチャー「いや、良いんだ、良い眠気覚ましになったよ…」
アーチャー(…髪とか乳首とか股とか尻とか脇とか………そういえば幼女でもストライクゾーンだったな…私は…おかげで魔術失敗しかけて死にかけた…)
ゴシゴシ…ゴシゴシ…
夕立「…えっと、足どうしようかな?」
アーチャー「いや、さすがに…これ以上は…」
夕立「…あ!まだ身体に泡残ってるからこれで抱きついて上下して擦れば良いっぽ」
パシッ(肩)!
夕立「い?」
アーチャー「……そろそろタオル巻いてきなさい…足は自分で洗って置くよ…」ニコッ…
夕立「?…わかったっぽい!」
アーチャー「…あとシャンプーが切れてたから、私の詰め替えのモノを取ってきてくれないか?」ニコッ…
夕立「あのスーッてするやつ?」
アーチャー「スーッてするヤツだ」ニコッ…
夕立「はーい!っぽい!」
トタタタタタ……
アーチャー(……あやうく勃起しかけた自分の竿をへし折るとこだった……)
アーチャー(……もう少し巨乳好きだと思っていたが……私もどこぞのAUOと大差無いのか….)
アーチャー(…ロリコン趣味だけは否定したかったのだが…だって娘と父親くらい見た目歳離れてるし…)
アーチャー(……あれ?)
アーチャー(…そもそも、あんな事しようとした瞬間止めてれば良かったのでは?)
アーチャー(……てかタオル付けさせないで何やってる私は…変態か?…)
アーチャー(…なんか、今日はホントダメだな…オレ…)
アーチャー(…いかん…集中したらまた疲れが………)
アーチャー(……ようやく眠気が来たか……だが、夕立が気を使ってくれてるんだから…起きてないと…)
パシャパシャ…
夕立「てーとくさん、長いタオル無かったから、なんか置いてあった学校指定水着を着てきました!あと、はいこれ!」
アーチャー「…あぁ、うん…」ボー…
夕立「…また疲れたっぽい?」
アーチャー「…いや、疲れてない、楽になってるよ…」ボー…
夕立「…ごめんなさい、てーとくさんを少しでもリラックスさせたかったのに…」
アーチャー「……してるよ、充分に…ところで《ゆうだち》って書いてないか?そのスク水…」
夕立「常に万全の準備をするのが戦場の基本っぽい!」
アーチャー「……その結論が初手素っ裸か…いや、見慣れてるから良いけど…」
夕立「…はっ!!そっか!最初にスク水着てきて、次に脱げば良かったっぽい!?」
アーチャー「……そうだな、それを口に出すとあざとい女だと思われるぞ?…」
夕立「そんなことよりてーとくさん後ろ向いてっぽい!」
アーチャー「……??」
バシャー……
夕立「よし!それじゃシャンプー始めるっぽい!!」
ぴちょん…ぴちょん……
アーチャー「……ん、わかった…」
夕立「…い、痛かったらごめんなさいっぽい…」
アーチャー「……夕立?」
夕立「…ぽい?」
アーチャー「…疲れは、正直全く取れない」
夕立「……ぽ、ぽい」しゅん…
アーチャー「……それでも、君が私のために何かしたい気持ちは伝わってるから……だから、その………なんだ、怖がらなくて良いから…もっとやってくれ、無駄じゃないから……落ち込んでる君は、君らしくないぞ?」
夕立「…ぽ、ぽい!!夕立頑張るっぽい!!」
アーチャー「……ああ」
アーチャー(……さて、寝オチしないように気合を入れねば…)
カシュ、カシュ、シャカシャカシャカシャカ…………
夕立「…痒いところはありませんかー?」
アーチャー「…無いな…」
夕立「…下の毛は痒くないですかー?」
アーチャー「…どっちの本だ?」
夕立「北上さん、てーとくさんは目を通したのにわからないっぽい?」
シャカシャカシャカシャカ…
アーチャー「……あの二人は本の趣味が似過ぎててな……」
夕立「ぽい…どっちも表面は変態プレイOKなビッチギャルやサッパリ系に憧れるふりしてて、実は行為無しのキスまでの恋愛に憧れてて、でもやっぱりエッチな事に興味深々なトコとか?」
アーチャー「……私に見つかって当然な場所に鬼畜陵辱モノ置いてるくせに、本棚に巧妙に純恋愛系をカバー替えて隠してれば…な………あと本人たちに言うなよ?」
夕立「ぽーい、でも金剛さんは普通に純恋愛モノばかり部屋に置いてるのにバカみたい」
アーチャー「男にも女にも見栄を張りたくなる時期があるんだ……良いじゃないか可愛らしくて……」
夕立「…ただ、頭の中が中学生と高校生で進まないだけっぽい」
アーチャー(……なんだろう、心にグサっときたが…)
シャカシャカシャカシャカ…
夕立「…てーとくさん?マッサージするからちょっと力入れるけど大丈夫っぽい?」
アーチャー「…ん、ばっちこーい」
夕立「…ふふっ、今日のてーとくさんなんか愉快っぽい…はい、じゃあ後頭部からいきまーす」
シャコシャコシャコシャコ…!
アーチャー「お…お…お…か、肩にくるな…」
夕立「カンコツ、テンチュウ、アモン、フウチってツボを纏めてやってるっぽい……頭痛、肩こり、不眠症に効くっぽい……きもちいい?」
アーチャー「…あ、ああ、気持ち良い…よく勉強したな…けど、私の完骨はもう少し上だな…」
夕立「…むー、さすがはマッサージ歴長いっぽい…」
アーチャー「…あ、あ、ああ、け、けど、マッサージされる側は珍しいかな…し、正直き、緊張してる」
夕立「ふふっ…じゃあパパにはいっぱい楽しんでもらうっぽい…」
シャコシャコシャコシャコ…!
夕立「…このまま側頭部にいきまーす」
アーチャー「…あ、ああ」
シャコシャコシャコシャコ……!
アーチャー「お、あ、あ…目に、目にくるっ…!」
夕立「…キョクサ、ガンエン、ワリョウ…目と頭痛と歯痛と耳鳴りに効くっぽい…」
アーチャー「…し、歯痛、偏頭痛にも、だ、だな…目が、目がー!」
夕立「…ワリョウを重点的にやるっぽい…目、そんなに疲れてるっぽい?」
シャコシャコシャコシャコ…!!
アーチャー「…お、あ、うぁ、あぁ!!」
ピタッ…
アーチャー「んぁ…はぁ、はぁ、な、なんで止めたんだ?」とろ〜ん…
夕立「…な、なんか、てーとくさんのきもちよさそうな顔見てると背中にゾクッてくるっぽい…」
アーチャー「…?」
…シャコ…シャコシャコ……
夕立「…それじゃ、このまま頭頂部から前頭葉部分やって、顔のマッサージもするっぽい……パパ、けっこう疲れが溜まってるから、次のは少しやばいかも…」
アーチャー「…だ、だいじょーぶ…だ」とろ〜ん…
夕立「ふふっ…思いっきり声あげて良いよ…?」
シャコ、シャコシャコシャコシャコ…!!
アーチャー「ぅあ!…あ、あぁ…!」
夕立「…ヒャクエってツボ、自律神経に効くっぽい……あと記憶する場所や、他の大事な部分も頭頂部にあるから…」
アーチャー「…あ、あぁ…!」
夕立「いつも頑張ってるパパには…一番効くっぽい…くすっ…」
シャコシャコシャコシャコ…!!
アーチャー「…あ、う…あぁ!」
夕立「……はい、じゃあ次は前頭葉、おデコっぽい…頭頂部より力抜くから、安心してっぽい…」
アーチャー「…はぁ、はぁ…た、頼んだ…」
じーっ……
夕立「…パパ?」
アーチャー「…ん?」
ナデナデ……
アーチャー「…あー…な、なんだ?」
夕立「んー、なんか、ごめんなさいっぽい…パパが、実はこんなに疲れてたのに気づかなかったのと…ちょっと遊んじゃったこと……今からはまたマジメにやるっぽい…」
アーチャー「…よく…わからないんだが……」
夕立「…ん、わかんないなら、それで良いっぽい…パパの髪、白くて、柔らかいのに、強くて、好きっぽい…」
ナデナデ……、…シャカ、シャカシャカ…
アーチャー「…あー、うぅ…」
夕立「…シンテイとキョクサ……こっちは神経痛と頭痛と、老化防止…さっきより気持ちよくはないっぽい?」
アーチャー「…あ、う、そ、そうだな…いや、やはりけっこうクルな…」
夕立「…知能の部分の前頭葉があるから……あと、パパはやっぱり髪下ろした方がカッコいいっぽい…」
アーチャー「…ぅあー…髪下ろした私とか…カッコ悪いだろ…」
夕立「…たまに、パパのセンスに疑問を隠せないっぽい…」
シャカシャカ…シャカシャカ…シャカシャカ…
バシャー…!!
夕立「…はい!これで洗髪とヘッドマッサージはお終いっぽい!」
アーチャー「…ああ…なんか、スッキリするな…頭がクリアになった…!」
夕立「ふふっ…良かった….じゃあこれハイ!」
アーチャー「…なんだ?これ?…洗顔剤?」
夕立「顔のマッサージしてあげるから、パパも夕立の顔好きに洗って良いっぽい!」
アーチャー「…洗いっこというわけか?さすがに洗う側は飽きたのか?」
夕立「ぽい!」
アーチャー「…はぁ、わかった、じゃあ正面に座ってくれるか?」
夕立「ぽい!」
チャポ…
夕立「お湯の中でパパの膝の上に座るのが極楽っぽい…」
アーチャー「…硬くて座りにくいだろう?」
夕立「この太もものハリが女の子には堪らないっぽい….お礼に股の間の象さんをナデナデして」
アーチャー「だから仮にも上司にセクハラするな」
むにむにむに…
夕立「ふぁふぁー、やめれ〜…」
アーチャー「…子供の肌ってこんなに伸びるんだな…」
夕立「あうー、パパはいつも触ってるのにぃ………」
チャポ…
アーチャー「…さっきから気になってたが、パパと言うのが、なんというか、真摯すぎるというか…遊びのレベルを微妙に越えてきてるような気がするんだが…」
夕立「ん?うん、それは夕立の正式な……ねぇアーチャーパパ?」
アーチャー「??…なんだ?」
夕立「あのメイドさん?ルーラーさんから聞いたんだけど、パパってせいはいなんとかって戦いのために呼び出された英雄さんっぽい?」
アーチャー「…どこまで話したんだ?彼女は?」
夕立「ん〜と、パパがせいはいなんとかって戦いの兵器だってこと、坂上さんがその一体だってこと、別のへいこー?世界を渡ってきたこと?…あとパパの特技とかプロフィールっぽい!」
アーチャー「とりあえず次にルーラー見つけたら一斉掃射しておくように………というかだ、それなら聞くことはなかろう、およそ君らの世界で英雄にはなってないマイナー中のマイナー英雄だよ、私はな…」
夕立「ぽい?パパのプロフィールって、悪人を倒し続けて、助けた人に殺されたくらいしか、夕立たち聞かされてないっぽい、パパの本当の名前もわからないよ?」
アーチャー「…では知る必要あるまい、私の物語は事実それくらいだ…本にしたとして、君ら軍艦の史実の半分の薄さもあるまい…」
チャポ…
夕立「…そう?ならいいっぽい…」
アーチャー「ああ、話したくもないからな…」
夕立「今度ルーラーさんにあったら夕立がタップリ聞き出して本にしてパパに読み聞かせてあげるっぽい!」
アーチャー「おいおい、勘弁してくれ…」
夕立「ふふっ……パパ?バーサーカーってどんな英雄さんなの?」
アーチャー「?…どんな?……そうだな、いろいろなバーサーカーを見てきたからな…」
夕立「?」
アーチャー「…ああ、私のアーチャーやバーサーカーというのはコードネームみたいなモノでな、本来何の英雄かを隠す為の仮の名前なんだ、別の聖杯戦争だと別の英雄がバーサーカーと名乗っていることが普通だ……だから、私の記憶ではバーサーカーと言われても何人も思い浮かぶんだ…」
夕立「…じゃあね、夕立をバーサーカーにできる?」
アーチャー「…は?」
夕立「…バーサーカーって常に狂っていられて、それでご主人様には忠実になれるっぽい?」
アーチャー「…あ、ああ、そうだが…一体何を言っているんだ君は?」
夕立「いいなぁ…それ、なりたいなぁ…」
アーチャー「……狂いたいのか?」
夕立「うん!!」
アーチャー「…何か忘れたい事や、悩みでもあるのか?」
夕立「ないっぽい!」
アーチャー「…では、」
チャポ…
夕立「パパはどんな時に狂いたいって感じる?」
夕立「パパはどんな時に壊したいって感じる?犯したいって感じる?」
アーチャー「…」
夕立「よくお医者さんは言うっぽい…『何かストレスやトラウマでもあるのでは?』…そんなんじゃないよ?」
夕立「ただ、体の内側が疼いて疼いて仕方ないの…暴れたい、壊したい、犯したいって…」
夕立「…『お前が《夕立》を名乗るなら、どうあるべきか』、なんかいつも頭の中で質問されるっぽい……だから、いつも、こう答えるの『戦場で狂い、戦い、沈むべきである』って!」
アーチャー「それは、つまり…自分の史実や伝説に殉じたいと?…それはまた」
夕立「狂ってる、っぽい!?うん!それで良いっぽい!!だってそれでこそ《夕立》だから!!」
チャポ……
アーチャー「……ふぅ…なんでいきなりそんな事を聞かされなきゃならないんだ……知ってるか?それ世間じゃ中ニ病とか言うらしいぞ?」
夕立「うん、知ってるっぽい!前にね、白露型の姉妹艦の娘らに話したら精神科に連れてかれそうになったっぽい!」
アーチャー「…立派な前歴があるのになぜ繰り返すんだ?」
夕立「……パパだから、てーとくさんに夕立のパパになって欲しいから、だから夕立の品定めして欲しいの…」
チャポ…
夕立「……だって〝狂ってる〟てーとくさんなら夕立を理解できると思うから、それで理解できないなら、今までの関係で良いっぽい…けどね?てーとくさんが夕立を理解してくれるなら、その時は」
チャポ…
夕立「私の全てを提督さんに捧げます」
アーチャー「…ハッキリ言っていいか?」
夕立「ぽい?」
ガシッ!ワシャワシャ…
アーチャー「…百歩譲って、いや、私が狂っているというのは認めよう、おそらくルーラーから聞いた話を元に推測したのだろう?それはきっと正しい…だが、君のモデルの《駆逐艦・夕立》が狂っていると言う前提がまずおかしいし、だから君が狂うべきだという結論も全く理解できない」
夕立「パパー!頭ワシャワシャしないでー!!あとね、それ、正論っぽい!」
アーチャー「……君のモデル《駆逐艦・夕立》の、おそらく第三次ソロモン海戦での行動の事を君は言っているのだろう?」
夕立「そう、それっぽい」
アーチャー「…残念ながら私にはあれは〝狂っている〟とは思えないな」
夕立「うん!理由は!?」
アーチャー(…どうやらここまでは夕立の予測範疇の会話のようだな…)
アーチャー「そうだな…一言で言えばあれは〝偶然〟なんだ、〝偶然〟スコールが降り、〝偶然〟敵が隊列から作戦を予測できず二の足を踏み、〝偶然〟君らが敵の背後に回れて、〝偶然〟格上狩りが成功し、〝偶然〟君が…砲撃の中心地点で全方位から攻撃された……どこにも狂気なんかありはしない、だから君の思ってるそれは思い込みにすぎない…」
夕立「そうかな?」
アーチャー「…それ以外に無いだろう、ましてや艦を動かしていたのは複数の人間だ…誰かが狂えば正常な誰かが止める」
夕立「違うよ?…きっと、夕立の乗組員さんも全員《夕立》が狂わせたの…」
ワシャワシャ…ピタ。
アーチャー「…だからだな…」
夕立「だから、〝狂っていたから〟敵船の横を通り抜け背後に回り、〝狂っていたから〟格上を倒し、〝狂っていたから〟戦線の真ん中に出て、大破し、終わった……そうとは考えられないっぽい?」
アーチャー「…そうだとして、これが何かに繋がるのか?」
夕立「…なんでだと思う?」
アーチャー「は?いやそれは先ほど君が…」
夕立「夕立がじゃない、私のモデル《駆逐艦・夕立》はなぜ狂ったのか、だよ?パパ?」
アーチャー「…さぁ、どうしてだろうな…」
夕立「…それはね…」
ガッ!!
チュ!!
アーチャー「…むぐ!!??」
夕立「ぢゅ…くちゅ…れろ、くちゅ…じゅるるるるるるる!!ぷはっ!!大好きだからっぽい!!言ったでしょ?犯したいって!」
アーチャー「げほっ!げほっ!ぎ、気管に入った!!…げほっ!」
夕立「あ、チャンスっぽい?」
にぎっ…
アーチャー「っ!?」
夕立「これでパパは逃げられないっぽい!パパに改装してもらった爆破爪、いつでも使えるから結構気に入ってるっぽい!……じゃ、お話の続きするっぽい…」
アーチャー「ゲホッ!…じ、女性が男性のそんなとこ触るんじゃない!!駄目な男が寄ってきて人生を間違った方向に…」
ギリッ…
アーチャー「ずっ!?」
夕立「パパのお説教、凄く好きだけど、今は夕立のお話を真剣に聞いてね?………お母さんにはなりたくないよね?」
夕立「…多分ね、好きだったんだよ《夕立》も、日本や、他の兵隊さんや、仲間が…とっても大好きになっちゃったんじゃないかな?兵器のくせにね…それが今夕立を暴れさせている感情のモトっぽい…」
アーチャー「…それで、今は私と言うわけか…?」
夕立「うんそう!あなたは私たちみたいな〝いらない粗大ゴミ〟をわざわざ助けてくれて!美味しい料理や修理もやってくれて!てーとくさんになってくれて!強くしてくれて!存在理由もくれたっぽい!!」
夕立「…だからね?」
夕立「だから…好きになったんだよ?」///
ギリッ…
アーチャー「ぐぅ!?…ゆ、夕立、力抜いてく」
ギリギリッ…
夕立「でもね!?ゆ、夕立は無理な関係は強制しないっぽい!あ、あくまで〝夫婦〟じゃなくて、お、〝親子〟の関係になりたいっぽい!!…さ、さすがにてーとくさんをロリコン罪で憲兵さんの餌にはしないっぽい!あ…パ、パパなら勝っちゃうよね?」///
ギリギリギリ!!
アーチャー「」
アーチャー(…あ、ヤバイな、ちぎれる…)
夕立「ご、ごめんなさい!でもね!?夕立だって本気っぽい!!本気で夕立はアーチャーさんが大好き!!……だから…」
スッ…
アーチャー「っ!!」
夕立「まだ…手は離したけど何時でも爆破できるよ?」ボソッ…
アーチャー「くっ…」
夕立「ごめんなさい…お望みなら…あとでイイコイイコやペロペロしてあげるっぽい…」
アーチャー「それで!?結局どうしたいんだ!?」
夕立「夕立をパパの〝狂犬〟に改装して欲しいっぽい……文字通りバーサーカー…できるんでしょ?今のパパは?」
アーチャー「……なぜだ?」
夕立「…《夕立》はね、きっと護るために狂ったんだよ、だから夕立は狂わなきゃならない…パパとこの基地に住んでいるみんなを護るために…」
アーチャー「…狂うとか頭のおかしいことは誰にも迷惑のかからないとこで一人でやれ」
夕立「てーとくさんは夕立が何を言ってるか知ってるっぽい……知ってるよ?パパ困ってるんだよね?」
アーチャー「…」
夕立「坂上さんの艦隊が予想を超えて強くて、アーチャーさん一人じゃ厳しい、それに……《燃料(魔力)》足りないんでしょ?」
アーチャー「…だから」
夕立「…だから使って良いっぽい、夕立の生命で代用して欲しいっぽい…そして、その為に夕立たち艦娘をアーチャーさんが《剣》に改装して使いたいんだよね?」
アーチャー「っ!?どうしてそれを!?話したのかルーラーは!!?」
夕立「…ルーラーさんから聞いたのは、アーチャーさんが本来は《剣》を造るのが得意だってことと、今は《機械》の再構築や改造も可能だってこと……今の私たちは装備を改造した《擬似宝具》を付けてる、けど、多分それは艦娘本体にも可能っぽい」
夕立「…だから、てーとくさんは私たちに《人型の剣》に改装して《宝具》として強化、改造し、坂上さんのマキナの相手をして欲しいっぽい…違う?」
アーチャー「…たしかに、困っているし、その手もあるが、それは最後の手段だし、第一それをやったところで…」
夕立「強くなる、多分マキナも《擬似宝具》だから《本当の宝具》になれば圧倒できる……けど《夕立》が問題になっている…そうなんでしょ?パパ?」
アーチャー「……魔術師のサーヴァントがよくやる手だ、エンチャントで《宝具》の域まで昇華させる方法…擬似的だが今の私は似たような事が可能だ、ある程度使い慣れたから、失敗の可能性もほぼ無い……だが、君らに使用すると…」
夕立「元々年月を重ねた艦である私たちはその史実や伝説がなんらかの形で必ず発現するっぽい?」
アーチャー「…参ったな…」
夕立「……アーチャーさんが踏み切らない理由は夕立の史実が問題っぽい…おそらく『格上殺しの能力を得るが、人格が史実の影響で異常を受ける』……ぽい?」
アーチャー「…ああ」
夕立「…だからね?夕立をパパ専用の〝狂犬〟にして?理性が無くて、戦場で頭おかしいくらい狂って殺し回って、でもパパを護る忠実な犬にして?」
アーチャー「…」
夕立「困ってるんだよね?…夕立は狂えば強くなれる、船だった時からそうだった……だから夕立もそうして欲しいっぽい……てーとくさんは夕立の〝パパ〟だから…何もおかしくないっぽい…ねぇ?ほら…」
ピト……
夕立「私をおかしくさせて……よ?」
夕立(犬でいるのが好きだ)
夕立(狂っているのが好きだ)
夕立(…艦娘の時代が終わった時、駆逐艦級の子たち、私含めて全て競りにかけられた)
主催者「はい!今回は皆さまお待ちかね〜!白露型の艦娘ちゃん達でーす!!皆さま梅雨時期や真夏時期のCM出演数毎年最多!!海、酒、ジュース、食べ物のCMと言えば最多の白露型姉妹!!夏のドラマからアニメ声優最多と言えばの白露型姉妹!!CMを録画したりグッズをコレクションしてる方も多いのではないですか〜!?」
「もちろんだ馬鹿お前!!白露ちゃん、五月雨ちゃん大好きだ〜!!」
「村雨ちゃんのCMを編集済みでニコ◯コに毎日UPしてるぞー!!」
「ポスター当たるまでドリンク箱買いして水太りしたわ〜!春雨ちゃん可愛い〜!!」
ギャーキャーギャー….………
主催者「はいもういいです、ありがとう!!いや、もういいよ〜?……ウゼェから黙れ!!いや〜昨日が吹雪型のオークションの後だと規模が違いすぎて私ビックリです!!これ暁型の時の収益超えそうで私今からウキウキドキドキしっぱなしです!!」
ドッハハハハハハハ…!!!!
夕立(…ハッキリと言えば、不満も何もない…どうでもよくすらある)
夕立(私は、私が道具であると自認してるからだ…だから好きに使えば良いし、好きに戦わせれば良い…)
夕立(…私は私らしく最後は戦場で散らせてくれればそれで良いから…)
主催者「はい!!じゃあ行ってみましょう!!白露型一番艦しらつ」
「一千万!!」
主催者「はえーよwww!!!いきなり昨日の収益の3分の2達成しましたー!!!ありがと〜!!白露ちゃん一千万からスタートでーす!!」
ウォォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
夕立(…だから、できれば……いや、無理か…なら、それで良い…)
夕立(…せめて落札した奴に壊れるまで尽くしてやろう…)
夕立(………ああ、またか…疲れる…いっそ狂えないだろうか…今ここで……)
主催者「はい!!五千八百万!!おーいビール会社さーん?駆逐艦の競りに企業が乗り込むとか場違いにもほどが、」
「ウッセェ!!こっちゃ毎年そいつの出演料で毎年軍に土下座してるんじゃ!!倍に釣り上げたるからさっさと落札させんかい!!!」
主催者「えー…じゃ、じゃあ一億千六百万で、えー、いいですか〜!?」
「二億!!!」
主催者「うっはwwwおい[ピザ]!!払えんのかゴラッwww!!?ハイじゃあ二億来ましたー!!てか、いい加減三番艦に移らせろや〜!!」
夕立(思考は疲れる……意味がない…道具が何か考えても、最終的には使用者の行動に使われる……矛盾すれば余計なストレスが溜まる…正直邪魔…)
夕立(…なんで人型、しかも女の身体なんだろ…思考方針が男性と比較して感情的になりやすい女に軍事行動は無理だと思うが……)
夕立(…だけど…私に関しては、いや艦娘として利点はやはり…)
村雨「どうしたの?夕立ちゃん?」
夕立「ぽい?」
村雨「…時雨ちゃんの事?」
夕立「…ぽいぃ…やっぱり行方不明で見つからなかったっぽい…大丈夫かな…」
村雨「だ、大丈夫!!きっと無事に逃げてるよ!!」
夕立「ぽい!!」
夕立(……どう考えても私たち姉妹や戦友の扶桑姉妹に何も言わなかったから、なんらかの形で沈んでるだろうに…)
夕立(…無事に深海棲艦に壊されてるならいいが…だとすれば、時雨はこうなると予想して……言ってくれれば一緒に狂うまで戦って戦死してやったのに……)
夕立「…戦死?……」
村雨「ん?なにか言った?」
夕立「……次は村雨ちゃんぽい!!」
村雨「う…うん…こ、怖いよ…」
夕立(…あなたも〝道具〟でしょう…)
主催者「はいじゃあ次は行方不明の時雨ちゃん飛ばして〜三番艦!!むら」
「三千万!!!」
主催者「…君、絶対あとで他のお客さんからボコボコにされるよ?…ハイじゃあ三千万からスッタァァァァトォォォォ!!!」
ウォォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
夕立「……ぽい、ぽ〜い、ぽい!」
夕立「…思考もぽ〜い、ぽい…」
夕立(…その日、私の姉妹は全て落札された…どの子もなかなかに好待遇なところに買われていったらしい…)
夕立(…どうでもいい、どうでも…)
夕立(……ああ、でも、やはり、沈んだ時雨は、羨ましい…)
夕立「ぽい?何もしなくていいっぽい?」
「ああ、そうだよ!ゆ、夕立ちゃんは何もしなくて良いから!!あ、で、でもぼ、僕の指定した服を、その、たまに…」
夕立「…ぽい!わかったっぽい!!どれを着れば良いっぽい!?」
「え!?い、良いのかい!?ははっ!!じゃ、じゃあ、このフェイトちゃんのバリアジャケットからお願い!!」
夕立「ぽい!!」
シュル…スルッ……
夕立(……着せ替え人形…いつか飽きて捨てるかもね…)
夕立「着てみた…っぽい…恥ずかしいよぉ〜…」
「に、似合う…似合うよぉ!!夕立ちゃ〜ん!!はぁ…ペロ、レロ、ペチョ…」
夕立「…もぉ〜くすぐったいっぽいぃ…服の上からでもお尻なめちゃダメェ〜」
夕立(…どうでもいいか…そのうちエスカレートして犯されて、飽きて、暴行されて、壊されるかな……道具、いや、犬かな?……なんだ、思考せずに済みそうだ…)
夕立「…わん!わん!きゅう〜ん!」
「オホッ!ど、どしたの夕立ちゃん!?」
夕立「今日からご主人様の〝犬〟の夕立わん!よろしくお願いいたしますっぽい!!」
「か、可愛いよぉ〜!レロレロ!!」
夕立(…チョロい、なんならお腹見せて屈服ポーズでもすればさっさと襲って…………ああ、もう、だから、なんで…)
夕立(…考えたくないのに…狂ってたいのに…犬でいたいのに…機械でありたいのに……)
ペロ…レロ…グチョ……
「きょ、今日からおじちゃんが、いっぱい楽させてあげるからね〜、はぁ、レロッ…だ、だから夕立ちゃんは命の心配をしなくて良いんだよぉ…?」
ズキッ…
夕立「ぽい!ありがとうございます!!ご主人様!!」
夕立(…?…なんだろう、なんで今胸が……?)
カチッ…カチッ…カチッ…
ペロ…レロ…ズルッ…ヌチョ…
夕立(……31620…31621…31622…31624……あ、また、数え間違えた…そういえば時間を数えると長く感じるんだったな…)
「はぁ…はぁ…はぁ…夕立ちゃん!!ズズッー…」
夕立「もーご主人様!夕立のおっぱいを服の上から吸っても何も出ないっぽい!」
夕立(…七ヶ月…毎日毎日、この男は帰ってくると、私に指定した服を着せて、本人はパンツのみで、私の全身をなめ続ける、今日は〝ふらんどーる〟とか言う吸血鬼の服らしい………今日やっと胸を吸ってきた…)
「夕立ちゃん夕立ちゃん夕立ちゃん夕立ちゃん…!!」
夕立(…怖いのだろうか、おそらく私を犯す勇気がこの男には欠落してる…不能ではないはずだ…現に今もパンツにクッキリとこの男のモノが浮かび上がってる……)
夕立「……」
夕立(……長くなりそう…さすがにそろそろ寝ないと、この男は遅刻しそうだ…仕方ない…)
スリッ…
「…ひぁ!?ゆ、夕立ちゃん?」
夕立「…ぽい?ご主人様のだーいすきな事してあげるっぽい!」
スリッ…スリスリスリ…
夕立(…時間がかかる時は…こうやってパンツ越しに足の指先を使って、軽く触れるか触れないかの接触、たまに圧迫したり、前立腺付近を足の親指の爪で軽くなぞると……)
「あひっ!!!」
ドピュ!!
夕立(…ほら、ボクサーパンツにすぐに〝シミ〟ができる…そのまま竿の上部を爪でまたなぞる…)
ドピュ!ドピュ!
夕立(….これで、二度出させる、そのまま起きて右手の指でパンツ越しに、肛門から男性器までのラインをソフトタッチで優しくなぞりつつ、亀頭部を同じくパンツ越しに全ての指で優しく引っ掻き回す)
ドピュ!ドピュ!ドピュ!
「はひ、はひっ!!ゆ、夕立ちゃん!も、もう無理!もう無理!!」
夕立「ぽい!おやすみなさっぽい!!」
夕立(…結局この男の自慰の手伝い人形で1日が終わる…起きて、出社する前に一度、出社後、思考をしないため軽く数十キロランニングして…帰って、帰宅したこの男にさらに一度…)
夕立(…名前も知らなければ、本番もましてやキスすら奪われない、快感もない…ただ、服の上から体を舐めまわされる日々……どうでもいい、どうせそのうち飽きたら勝手に終わらせてくれる…)
「あ、そういえば夕立ちゃんさ?」
夕立「ぽい?どうしたっぽい?ご主人様?」
「知ってる?最近駆逐艦の子がさ?何かしら精神病んじゃって、自殺しちゃうんだよ、夕立ちゃん何かわかる?」
夕立「……う、う〜ん、よくわからないっぽい…」
夕立(ウソだ…知ってる、わかる…)
夕立(…だって私達は兵器なのだ、兵器なのに…戦争がまだ続いてるのに…こんなとこで〝平穏〟に耐えられるわけない…いや、これも違う!!)
ブルブル……
「…あれ?夕立ちゃん!?震えてるけど?な、泣いてる!?」
夕立(…壊したい、死にたい、壊したい死にたい壊したい死にたい壊したい死にたい壊したい死にたい壊したい死にたい壊したい死にたい壊したい死にたい壊したい死にたい壊したい死にたい壊したい!!!)
夕立(考えるな!考えるな!兵器には不要だから!!…でも…………あぁ、無理だ、だって私は《夕立》だから…)
「夕立ちゃん!夕立!おいコラ勝手に壊れんなよ!!今度人事のクソ親父どもに貸すんだからなお前!!」
夕立(…《夕立》の誉れは、最高の至福の絶頂は……この自壊と破壊衝動の狂気の中にしか無い…)
夕立「…ご主人様?」
「あ!?」
夕立「…う、海に行かない?一緒に見に行こ?」
ぽろ…ぽろぽろ…
夕立(…ああ、時雨あなたが羨ましい、私もあなたみたいな艦なら良かったのに………)
…………………………………
ボト、ボトボト……!!
夕立(…語る事はあまりない、海に着いたらすぐに男の首に腕を巻きつけ、へし折って、隠してた包丁で丁寧に身体中の肉をなるべく細かく剥がしていき、骨も丁寧に分断して海に流した…)
夕立(…今日は満潮だから、肉片と骨片は上手く海に流されて消えるだろう…血痕も、ここは釣りの有名スポットだ、魚の血の跡がところどころに散見してる…)
夕立(…戦えないなら死んでも、いいかな…でも今日の海と月…)
ザザッー……
夕立「キレイっぽい……」
夕立(…そこで月見してたら彼女に出会い、この基地に連行された…)
夕立(…そして今、私は新しい提督に牙を向けている…)
夕立(…この人は好きだ)
夕立(…この基地のみんなも好きだ)
夕立(護りたいのも本当…パパになって欲しいのも本当だ…)
夕立(…だから、この人に植え付けた爆弾も本物…)
夕立(間違えようがない、この人は敵を倒せる戦力を得て、私は長年の悲願を達成できる…)
夕立「…ほら、あくまで〝理性が消えるかも〟っぽい!!だからきっと大丈夫だよっぽい、パぁパぁ〜!!」
夕立(…そう、あくまで可能性、だけど必ず、あなたなら私を狂った怪物にしてくれるよね?)
夕立「…好きにしていいんだよ?パパ…?」
ピト……
夕立(…しなきゃあなたを…殺そう、そしてみんな殺して一緒にオワロ?)
チャポ…
アーチャー「…そうか、じゃあ君の期待に応えようか…」
ガシッ!
夕立(…あれ?なんで顔を両手で固定され…)
ピト(唇)
夕立「……むえっ!!?(ぽいっ!!?)」
アーチャー「…ん、ちゅ…」
夕立(…え?あれ?あっれぇぇ〜!!?なんで!?なんでてーとくさんいきなりキスしてんの!?てか目つぶってる!?眉毛キレイ…じゃない、そこちが、や、ちょ、舌が入って…)
夕立「むー!?むー!?むっ!?…ちゅ…くちゅ…れろ…ん、やめ…あっ…ぷはっ!!」
アーチャー「…ふむ、なんだ、意外とたいしたことないじゃないか……抵抗して私に60hit取られるとは……これでは、私に好き勝手されたら確実に身が持たんな…」
夕立「ぱ、パパ!!なにすんの!?」
アーチャー「くだらん」
夕立「…な、なにが?…っぽい!」
アーチャー「…元の道具が狂ったような行動をして伝説をうちたてたから自分も同じものになれる、いや同じものだ、という思考がだ…一種の例えで出したが、まさか本当に中二病だったとはな!!」
夕立「むっ!!ち、違うっぽい!!《夕立》は絶対に狂っていた!!だから」
アーチャー「君が狂ってしまいたいのは、ただ、単に考えたくないだけだろう!!馬鹿な子供が良く言う『もう全部どうにでもなれ』と同じだ!」
夕立「ち、違うっぽい!!夕立はそんな馬鹿な子供じゃないっぽい!!」
アーチャー「違わないさ…最初に言ったな、『医者は何か嫌なことがあったのではと聞く』と、その通りじゃないか?」
夕立「は?…パパ、いや、てーとくさん、これ以上いい加減なこと言うと首から爆破するっぽい!」
アーチャー「原因はたった一つだ…君は最初から嫌だったんだ、艦娘などと〝無駄が多くて、歪で、心があって、元の軍艦より弱いモノ〟にされたことが許せないんだ……《駆逐艦・夕立》が頭の中で否定してる、なんて後付けだ…子供の『前世は英雄だった』みたいな話と同じだよ…」
夕立「…だ、だから、夕立はそんなんじゃなくってぇ…!」
ブルブル……
アーチャー「…そうだな、狂ってはいるんだろう…君はな夕立…自分の存在そのものが許せない事に気づいたんじゃないのか?」
夕立「…意味わかんないっぽい」
アーチャー「…簡単に言えばサーヴァントの気分に近いんだろうな、だから君はルーラーからの説明を一番親身に聞く事ができて、私の生前の行いから心理状態を推測できた……単純な話だよ、君は生前の自分の史実に納得していた、誇るべきだし、誰がなんと言おうと誇るべき逸話だと考えてる…そうだろ?」
夕立「…うん」
アーチャー「…だから、心を与えられ、歪に蘇った自分が、誇るべき死に様を汚して今存在する自分が許せない」
夕立「…違う」
アーチャー「…そして、常にそう考えてしまう自分の思考が…いや、強迫観念が常に付きまとい続けていた……昔、まだ、他の艦娘がいた時代はその思考をする間も無かったから特別意識しなくてすんだが…一人になってそれが爆発して……逃避するために、思考を放棄しようとしている…」
夕立「…ふざけないで!夕立の中には《夕立》がいて!常に私に…」
アーチャー「…だから私の意識が朦朧としてるだろう時を狙って、思考を勘違いさせ、無茶な改装を要求している」
夕立「っ!?」
アーチャー「…君の言う通り、君らにその改装を…できれば、するつもりだ…だが私が思いとどまっていたのは…君らの気持ちとか、独立したマキナ以上の宝具として動かすにはとか、君らのどの史実を軸に宝具化させるかだ……君の史実からそれを再現するかくらい私でも調節できる」
夕立「……」
アーチャー「…どこで覚えたんだか、この私を錯覚、いや暗示か?本来私が調節できる話を君は〝夕立の史実を再現したら狂化がほぼ絶対付随する〟としようとしたんだろう?」
夕立「………」
アーチャー「…いつも馬鹿なのか、天然なのか、よくわからない奴だとは思ってたが…実は中二病、思考放棄、自己否定、自殺志願、とまぁ、こんな中身でよくもまぁ、あれだけヘラヘラしてたものだ……」
夕立「…てーとくさん、理解どころか……夕立の知らないようなところもわかっちゃうっぽい…」
アーチャー「はっ……馬鹿馬鹿しい、君が私の生前の話を聞いて、私を狂っていると推測したのだろう?ならば、逆もしかりだ、自己否定したい奴の思考なんて私がわからないわけないからな…」
夕立「…てーとくさん…ゴメンナサイ」
アーチャー「む?暗示か?それとも私のアレを握った事か?別に構わないよ、どちらも私の油断が招いたことだからな…だが!悪いが明日の朝のプリンは抜きだからな?」
夕立「ここまで来てまだ、お母さんみたいな事言うんだ……てーとくさんのお話…多分そうなんだって思う……でもね、じゃあ、これ許せる?」
アーチャー「……もしや私の買ってきていたバームクーヘン一人で食ったのは君か!?」
夕立「私、人殺しました」
アーチャー「…………それは、軍艦だった時のことか?」
夕立「ううん!こうなってから!私の、自分の妄想で人を殺しました…事故じゃないよ?作戦立てて殺して、屍体もバラして多分絶対に見つからないようにしました…っぽい」
アーチャー「…相手は?」
夕立「私を買った人」
アーチャー「…何かされたのか?」
夕立「特になにも、しいて言えば、夕立を出世のために売ろうとしてたっぽい!」
アーチャー「……なるほど、つまり、私に狂化してもらえそうにないから…」
夕立「うん!てーとくさん!こういう人嫌いなんでしょ!?夕立はその人殺して罪悪感も何もないよ?ほら?夕立は…」
ゾクッ…
夕立「…あ、え?」
夕立(…あ、れ、言葉がでない?喉が引きつって…)
アーチャー「…父親になって欲しいんだったか?」
ビクッ!!……ガタガタガタ…
夕立「…あ、う、うん」カチカチカチカチッ!!
夕立(顎が…震えて…あ、れ私…)
アーチャー「…わかった、じゃあまずはお仕置きからだな…」
ザパッ!……ガッ、グイッ…
夕立「い、いたい!!いたい、てーとくさん、ご、ゴメンナサイゴメンナサイ!!」
夕立(怖い、怖い、怖い!!この人を怒らせた!!殺される!!怖い、怖い!!)
アーチャー「…なんで泣くんだ?体も震えているな?父親や飼い主にそんな態度を取るなよ…」
夕立「ひっ…ご、ごめんなさい」
アーチャー「…腹を下に、私の膝の上に乗るように寝ろ…」
夕立「…?え?な、なんで?」
アーチャー「……」
夕立「ご、ごめんなさい、やります!!」
スッ….……サワッ…
夕立(…頭撫でて?え??)
アーチャー「…そういえば、夕立?」
夕立「は、はい!!」
アーチャー「…君は犬と私の子供、どちらにも同時になりたいと言ったな?」
夕立「…はい」ガクガクガクガク!!
夕立(…また殺気が強くなった!?な、なんで??なんで??)
アーチャー「……はぁ…いや、別に君が殺した事は咎めないよ…もう、私が私欲で裁けることじゃない、二度としないなら、それで良い……それに罪悪感がない事は…まぁ」
バシッ……!!!
夕立「ひぐっ!!!?」
夕立(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!????)
アーチャー「これで許そう…尻を叩かれるだけでも痛いだろ?…平手打ちは拳と実際はあまり大差無いからな、君の場合プライドも高いから精神的にもダメージが高いのかもな…」
夕立「…ご、ゴメンナサイ!!」
ボロボロ…
アーチャー「…一発でそんなに泣かれてもな…足りないか?」
夕立「ひっ!?やだ!やだ!あの痛いのもうやだ!!?」
…サワッ…ナデナデ…
夕立「ひっ!………ぅえ??」
アーチャー「…なぁ、夕立?私は君の、君らの父親や兄の役にはふさわしくないか…?」
夕立「…え?」
アーチャー「…なにぶん、そういう役回りはあまり向いてないんだよ……どちらかというと弟役みたいなのが多くてな…あまり、頼りにならないか?」
ナデナデ…
夕立「…う、ううん!てーとくさん、すっごく頼りになって…」
アーチャー「……私が好きと言ったか?アレは…」
夕立「ほ、ほんと!!………っぽい」
アーチャー「…正直な、君らのことは最初から娘みたいに接しててな……ちょうど小中高大の娘ができたみたいに感じてたよ……」
夕立「…夕立が小学生で…金剛さんが大学生で…….?」
アーチャー「…北上が中学生で、鈴谷が高校生くらいだな……正直な、君みたいのは北上が発症してるだろうと思ってた……君は純粋で聞き分けの良い子だと勝手に勘違いしてた…」
夕立「…き、期待を裏切って…ご、ゴメンナサイ……」
アーチャー「…いやこっちが勝手に思い込みしてただけだよ……だから、まぁ、ゴメンな、夕立?…私は君の父親にも飼い主にも向いてないみたいだ…」
夕立「…ぽい?」
ナデナデ…
アーチャー「…君が私にこんな注文ばかりしてるのは、つまるところ私が君に力不足だと思われたからだ…まぁ、事実だろうが、それでも君にそう見限られた私が……君の父親や飼い主を名乗れる筈は無い……はは、いや、まさかここまで向いてないとは思わなかった……」
夕立「…み、見限ってないっぽい!夕立はてーとくさんが本当に大好きで!!ホントにてーとくさんの力になりたくて…!!」
アーチャー「…最近、自分の未熟さや、不手際の多さで…本当に自己嫌悪で殺したくなってきたよ……」
夕立(…また殺気が、もしかして、てーとくさん……自分に?)
アーチャー「…なにが正義の味方だ…生涯何もなし得ず、何もかも半端なモノしか持ってないのに………いったい何ができると思ったんだろうな?」
ナデナデ…
夕立(…てーとくさん、泣きそうなのに…涙が…出ないの?)
アーチャー「…人に見せられる顔じゃ無いから、見無いで…くれるか?」
夕立「…ぽい…グスッ…」
ポロポロ…
夕立(…私が…泣かした?……)
アーチャー「…あぁ、すまないまだ痛むか?手加減はしたんだが…」
ガバッ…!!
夕立「…ごめんなさい!!」
アーチャー「…もう尻は叩かないから、そんなに首に抱きつかなくても…」
夕立「て、てーとくさんの…パパを泣かしちゃって……ごめんなさい……!!」
アーチャー「…オレは泣かないよ?」
夕立「…は、反省するから!人殺しは二度としないから!!あと、あと……」
ポロポロ……
アーチャー「…はぁ、なんで君が今日一番泣くところがここなんだ?」
夕立「…だっで、だっでぇ……グズッ!ズズゥー!…….な、治すとこは一杯あるし、あ、頭もおかしいけど……それでも、あ、あなたが好きだから…」
アーチャー「…はぁ、泣くなよ、いつも言ってるだろ?」
ナデナデ…
夕立「…こ、こんな私でも!!…あ、あなたの娘になれます………か…?」
アーチャー「……………こ、こんなポンコツなパパで良ければ…精一杯受けさせて貰うが……?」
ギュ……!!ポロポロ…!!
夕立「う、うん……うん!!パ、パパ……?」
アーチャー「……なんだ?いきなりトーンが微妙に不安なモノに変わったが…」
夕立「…パパと一緒にお風呂、入って…何時間か経つ……っぽい?」
アーチャー「…あ、ああ」
夕立「湯船の中だけで……う、嬉しくて…我慢できないから、ね?……ングする……っぽい?」ぷるぷる…
アーチャー「……今なんか凄い不穏な隠語が聴こえたぞ!?」
夕立「…お、お尻叩かれたから、なんか緩んじゃった…っぽい…ふふふ…」ぷるぷる…
アーチャー「………ゆ、夕立!待ちなさい!!今さっきの会話の流れからいきなりそれか!?腕、離しなさい!しかもここ、ゆぶねで!!」
夕立「…パ、パパにマーキング、する……っぽい?」/////
チョロロロロロ………
「ゆ、ユウダチィィィィィィィィィィィィィィィィィィ…!!!!」
ガヤガヤ…
男7「だからさぁ、一緒イコーよぉ〜!?」
鈴谷「…うっざ…ナンパなら他あたってくんない?今から彼氏との待ち合わせ場所いくんで…」
男2「女の子2人でぇ〜?嘘はよくなく無い?ゴメンねぇ〜俺ら怖かったねぇ?一緒に飯食ってくれたらなんもしねーから!ね?そっちの眼帯ちゃんも…」
北上「…はぁ…ウザいなぁ……鈴谷ぁ?街中で甲標的ぶっぱなしていーかな?」
ガチャン!!
男セブン「「「「「「「ふぇ!!?」」」」」」」
鈴谷「瑞雲(六三四空)ぅ〜北上がキレる前に適当にこいつら追い回しといて…」
搭乗妖精さん(D)「…うへへ、ウヒャヒヒヒヒ!!」
ブォー!!!ガガガガガガガガガッ!!
男4「えっ!?な、なんかいきなり撃ってきやがった!!」
男5「ちょ!?な、なんかあの一機だけ頭おかしそうな声出してる!!」
鈴谷(あ、今日の朝弄りまくって壊れたDだ…またDかぁ……大丈夫かなあいつら?)
北上「あー…だからオシャレとか嫌なんだよね〜、電車乗ったら尻撫でられるし、馬鹿な中坊が勝手に写メ撮るし、小学生はスライディングしてスカート覗きにくるし、ナンパとか……今日15回目だよ?」
鈴谷「…たしかにね、まぁ、私は当然として、あんた元は良いのに三つ編みと地味な制服で目立たなかったからねぇ…」
北上「あんま三つ編みと地味制服馬鹿にすんな〜?これでも、ん十年一緒に戦った戦友だよ?」
鈴谷「自分で地味言ってりゃ世話無いっての…で?北上?あんたの新しい戦友、それ正気?」
ジー…………
北上「………正気だけど?何さ?」
鈴谷「嫌さ、髪下ろすのは良し、可愛い、下の黒長袖スカートとシューズ?まぁ良いんじゃない?色も整えてるし…………問題はさ!!その可愛いネクタイつけた白い長袖ブラウスの上に羽織った地味で白っぽい緑のフード付きカーディガンだよ!!馬鹿かお前!!」
北上「…っ!い、いや!こ、これメッチャ高いんだけど!!私の貯金全部引っ張り出して買ったし!!」
鈴谷「バッカお前!そんなん、着心地の問題にしかなんねーっての!!バランス取れてるかどうかだよ!!どーみてもあんた、良い感じに《清楚でウブな中坊女子ファッション初心者感》が見事にその抹茶クリームのカーディガンがぶち壊してんだよ!!ホント私服は大井任せだったんだね、あんた!?」
北上「ち、違うし!ふぁ、ファッションとかより清楚さだし!!」
鈴谷「いま自分でブランドだって言ってたし!!ってか◯ニクロでしょうがそれぇー!!」
北上「…え?だってユ◯クロなら間違いないって昔、球磨姉ちゃんと多摩姉ちゃんが……」
鈴谷「大井ぃー!!あんた、くたばる前にちゃんとこのヴァカにオシャレ叩きこんどきなさいよー!!」
北上「お、大井っちはカンケーし!!抹茶クリーム色が、わ、私に、にあ….…うぅ(泣)…グスッ………もぅ、がえるぅ…」
被り(フード)…
鈴谷「ゴラァ!そのフードなんか丸い耳付いてんぞ、ちゃんと買うとき確認しなさいよ!!あと、デート本番で泣いて帰る女とかありえないでしょ!!…って、あーもう泣くなよ〜!ほら、あたしのマフラー貸したげるから…」
ナデナデ……バシッ!!
北上「う、うっさい!!じゃ、じゃあ鈴谷は……鈴谷は…うぅ〜(泣)……す、鈴谷のビッチーー!!」
鈴谷「手ぇ叩くな!…あと勝手に負け認めて泣くなや……ん〜?ビッチ?…さすがに冬だから抑えめだよ?熊野が放置してた黒のコートで中に白の縦縞タートルネックセーターで……熊野のタンスからちょろまかしたミニスカと…ハイニーソとブーツ………さすがに黒コートは可愛げ無かったかなぁ…」
北上「そっちじゃない!なんなのそれ!!縦縞のセーターがな、なんか胸のライン丸見えにしてるし!」
鈴谷「…あーそうかも…」
北上「…む、胸の谷間位置にちょうどネックレスのアクセがあって、意識しちゃうし!」
鈴谷「…これは、その…」
北上「あと!!ニーソとスカートの間の生肌がなんかエロい!ズルい!」
鈴谷「……ビッチ服にならないために熊野服選んだら、勝手になってるって……あたしって…」
北上「…やっぱ、眼帯だから…ダメなんだよね…ハハッ」
ドゴンッ!!…パラパラッ…
鈴谷「…殴るよ?」
北上「…あ、えっと、すんませんっした!!」
北上(パンチでコンクリにクレーターが………)
鈴谷「…はぁ、ダイジョーブだって、可愛いからナンパや、痴漢されんだし…絶対今から集まる中でもワースト1位には…」
大鳳「…あ!お二人とも、3分遅刻ですよ!!」
ジャージィ!!
鈴谷「…ね?ならないでしょ?」
北上「…まさかの上青ジャージ茶ミニスカートに白タイツ…っすか大鳳さん」
大鳳「…ん?どうしましたか?」スッ…
北上(…さらにマフラー黄色装着……しかも、ピカ◯ュウとジバニャ◯が二つとも書いてあるなんて……ちょっと欲しい)
威風堂々!!
大鳳「いけませんね!私とお父様は一時間前からここにいますよ!」スッ…ジャー!
鈴谷(…あ、ジャージの中、多分、直でスポーツブラしてる、この人……いや!なんか前のチャック自分から開けやがった!今気温3度なんだけど!!)
見せ!!!
大鳳「…さぁ!速く準備しなさい!」
鈴谷・北上「「あ、はい」」(…え?なんの?)(てか、なんでいきなり『ギャングスターのポーズ』してんのこの人?)
ジョジョ立ち!!!
大鳳「…この大鳳には夢が…」
鈴谷「…あ、もういいっす…」
北上(なんか……スゲェ……)
すいません、>>372の前に挟むの忘れてました
ゴツンッ!
北上「いった〜!!な、何さ!」
鈴谷「…眼帯になった程度でそこまで変わらないくらいには可愛いよ……あんたは、だいたい私が痴漢されなかったのにあんたはされたんだから誇れっての…あと、そのカーディガンは脱げし…」
北上「…ほんと?」
鈴谷「なにが?」
北上「…アーチャーに嫌われない?」
ウルウル…
鈴谷「…多分ね、ほら、それ脱いでマフラー付け……違う、ちゃんと綺麗に巻いとくの!清楚な感じでいきたいんでしょ?」
北上「う…うん…ありがと…」
鈴谷「はぁ…デートっても二人きりじゃないし、ただみんなで買い物行くだけって考えるの…わかった?」
北上「へへ…さすがビッチは慣れてますね〜」
待ち合わせ場所・時計台前
鈴谷「…んで?何なわけ?〝この〟惨状は?」
アーチャー「いや、その、すまん…」
鈴谷「どうせ大鳳さん〝は〟自分で買ってくるとか言ってお小遣いあげたら〝こう〟なってたんでしょ?」
アーチャー「…精神年齢あべこべなんだよ彼女…」
大鳳「どーですか!かっこいいですか!?かっこいいですよね!!」
ドジャーン!!
北上「」
鈴谷「…ほれ、今日のために気合入れまくってた北上お嬢様が唖然としてんじゃん…兄貴、責任取りなよ?」
アーチャー「…はぁ、わかった、さすがにこんなイジメじみた格好は捨て置けんからな…どこか適当に服屋に寄ったら私が…」
鈴谷「…いや!兄貴もやばいんだって!!」
アーチャー「…は?」
ドーン(黒パジャマ私服)!!!
鈴谷「は?じゃねー!!なにそのパジャマみたいな私服!!デートだよ!?まとめてやるにしてももう少し気合の入れ方あんでしょうが!!」
アーチャー「なにを言っているんだ?私の私服の中じゃ間違いなく一番カッコイイ服だぞ?」
大鳳「お父様のその服、ダサいです…」
鈴谷「今の大鳳さんのセンスでもこれは無いってよ?」
アーチャー「…な、なんだ、と?」
北上「」
鈴谷「…おーい、北上ー?だいじょーぶ?」
北上「…はっ!?い、いやー!なんかさー、デートの待ち合わせ場所に着いたらイカれた服装でポーズ決めてる大鳳さんと、パジャマ着てあたかも普通な顔してるアーチャーがいる夢見ちゃってさぁ〜」
鈴谷「…北上?絶対後ろ向かないでね?」
北上「え?」
鈴谷「…良いから、とりあえず金剛さんと夕立ちゃん来たら服買いに行こうか……ゴメン、北上、あんたまだ、まともだったわ…」
大鳳「え?かっこよくないですか?」
アーチャー「いや、私のは普通だろ…」
鈴谷「二人とも?黙ろうか?」
ニコッ(憤怒)……
アーチャー・大鳳「「はい…」」
タッタッタッタ…
金剛「sorry!!少し遅れたネ〜!…ハァハァ…」
夕立「ぽい!ちょっと髪弄ってたら遅れたっぽ…」ピタッ
金剛「ん?どうしたネゆうだ…」ピタッ
大鳳「ふふん、今日の大鳳はナンバーワンですね!!」ドヤッ
アーチャー「……その…すまん…」しょぼ〜ん…
鈴谷「はぁ……金剛さん?夕立ちゃん?とりあえず、大鳳さんと兄貴の服買うから、あっちのデパート入ろうか…?」
夕立「と、とりあえずじゃダメっぽい…」
金剛「むしろ大至急連行するネ!!」
ガシッ…ザーッ!!
大鳳「え?ちょ!!引きずったらせっかくのカッコイイジャージィがぁ!!」
アーチャー「ま、待て!!足を引きずるな!私は歩け……ちょ、待て待て!ハゲる!その引きずり方はハゲる!!」
ザーッ…………!!!
デパート内
大鳳改装チーム
大鳳「なんか、下半身が寒いです…」
金剛「mm〜、boyishすぎるけど、一番似合うネ!」
北上「探偵みたいな帽子にホットパンツにサスペンダーかぁ…上はやっぱ長袖でいーんじゃない?」
金剛「微妙ネ…大鳳さんいつも元気にトレーニングしてるイメージあるし、丸い感じの半袖、ヘソ出しで…」
北上「いやいや!!痴女だよそれじゃ!普通に大鳳さんだって読書したり書類整理したりしてるじゃん、普通に長袖のセーター着せてあげようよ」
大鳳「…むー、なんで二人とも私の意思無視して勝手に決めるんですかー…」
金剛「oh!sorryネ!大鳳さんはどんなのが着たいデスカー?」
大鳳「ん〜、…あ、見つけた!あれです」ビシッ↑
北上「あれって……っ!?…どう見ても旧式体操着だよね!?ブルマだった時代の!!」
金剛「ワーォ!!大鳳さん大胆すぎるネー!」
大鳳「きっと動きやすいです!その上にあのジャージィで…」
金剛「はいoutネ!黙って私たちに任せるネ!verycuteに仕上げるネ!!」
北上「とりあえず長袖のこの袖が丸っこいセーターと……このメガネかけてっと…おお!なんか探偵助手の子供みたいな感じになった!」
大鳳「えーと……ホームズさん!じ、事件です!…こんな感じですか?」
金剛「ふむ、悪く無いネ、でもそれだとこんな皮のゴツいbootsはダメね……あ、これ、このbeigeのスニーカーでmatchするハズネ!!」
大鳳「む、なんか男の子すぎませんか?」
金剛「元から木曽、天龍、あきつ丸と並んで男の子っぽいネ、大鳳さんは!」
北上「オッパイもないし「セイッ!!」」
ドゴッ!!
北上「ゲバボッ!?」
金剛「もう北上?あんまりそんな事言っちゃダメネ?」
北上「…いつつ…大鳳さん……み、鳩尾はやめて…マジ痛いです…」
大鳳「すいません、つい……ところで、この店なんでも置いてますね?」
金剛「あはは…鈴谷が良く遊ぶコスプレ衣装兼ほとんどのブランドを帽子から靴まで置いてあるshopデース!基本的にここならどんな人のイメージにも合わせられるネ!」
大鳳「なるほど、ところで北上さんはなんでユ◯クロなんですか?」
ギクッ……
北上「え、えっとぉ………」
金剛「大鳳さんもそーゆう事聞くのはノーデスヨ?別に◯ニクロでも恥ずかしくないネ!私だってよくユ◯クロで揃えるし、大事なのは似合うかどうかネ!北上は今日はとっても可愛いネ!!」
北上「あ、ありがとうございます!金剛さん!」
大鳳「…でもその抹茶クリームのカーディガンの意味が全くわかりません、ダサいです」
ドス!→(北上のハート)←ドス!
北上「ガハッ!!」
金剛「き、北上!吐血するほどdamage受けたネ!?」
大鳳「いや、だって、髪下ろして、ザ・お嬢様なファッションの上に熊耳フード付けた抹茶クリーム色の上着って…今数世紀先のファッションでは…?」
グサッ!!グサッ!!
北上「…ヒックッ…ウエーン!…大井っちのバカー!…もう帰るぅ…」
金剛「だ、大丈夫ネ北上!充分今のcenturyでも有効ネ!!もー!大鳳さん!後輩イジメ良くないネ!?」
大鳳「クスクスッ…ご、ごめんなさい、北上さんて、大井さんいないと結構脆いなぁって思って……つい…」
金剛「もー、私たちの大事な妹分ネ!そーいうのは感心しませんヨ?」
大鳳「はい、ごめんなさい、ではそろそろお会計しましょうか…あ、そうだ寒いからこの黄色マフラーは着けても良いでしょうか?」
金剛「さ、さすがにキツイネ……こっちの茶のマフラーにするネ!どう思うネ北上?」
北上「え?かっこよくないですか?この黄色マフラー?ピカ◯ュウと◯バニャン書いてますし!」
金剛「why?」
大鳳「で、ですよねー!!やっぱりカッコイイですよねーこのマフラー!北上さんも一度着けてみますか!?」
北上「え!?いいんで「キタカミ?」」
北上「はい?」
ゴゴゴゴゴゴ………!!
大鳳(あれ?金剛さんの背後に金剛力士像が並んで見える…)
金剛「それ着けたら『ダサダサ病』になるからやめるネ?」
北上「えーっとダサダ「キタカミ?」はい!!」
金剛「それだけは今のcenturyでは受け止められないネ…もっかいイエ◯が復活するまで装着禁止ネ?OK?」
北上「は、はい!!わかりました!!」
大鳳「あ、じゃあ私は「タイホウサン?」はい!!着けません!!」
金剛「あとでクレープでも奢るから、それは私がバッグの中に封印するネ?…はい、それでは会計いくネ!!」
ヒョイ…
北上「金剛さん、ひどいよー!」
金剛「ハイハイ、大事な妹分と姉を変な格好で外に出せないですからネ〜」
大鳳(こ、怖かった………でも、私……姉……なんだ…)
大鳳(…姉妹艦に父親かぁ…)
大鳳(…………よし!基地買ったらファッション雑誌で勉強しなくちゃ!)
間違えた
大鳳「……………基地帰ったらファッション雑誌で勉強しなくちゃ!!」
ですね、すいません
デパート内
アーチャー改装チーム
アーチャー「…宝条ォォォオオオオ!!…」
鈴谷「…ぶほっ!!」
夕立「……くくっ、も、もうダメ!」
アーチャー「…電話屋はどこだ?」
鈴谷「アハハハハッwww!!やばい!マジで似てる!!」
夕立「…く、く、パパ、そのネタは反則ww!!」
アーチャー「…いや、さすがに似合わないだろ!?なんで私がFF7のヴィンセントのコスプレしなきゃならないんだ!!」
鈴谷「はぁはぁ、あー笑ったー、デスペナルティまで作ってそのセリフはないわー…いやだって兄貴に似合うのなんか思いつかないしさ〜」
夕立「ふぅ、ふぅ…w…パパー!髪下ろしてよー!」
アーチャー「仮にもデートだぞ!前髪も整えずに行けるか!」
鈴谷「もー、下ろさないと真面目に似合うの考えられないっしょ?」
夕立「パパに頭の気合いはいらないっぽい!!」
アーチャー「むぅ……そこまで言うなら…」サッ…
鈴谷「……え?誰このイケメン!?」
夕立「おー!パパやっぱそっちのがカッコイイっぽい!」
アーチャー「あまり好きではないのだがな….子供っぽいし」////
鈴谷「いやいや!なに言っちゃってんの?兄貴ちょっと鈴谷と更衣室の中でイイコトしな「はい、鈴谷さんやめるっぽい!」」
さすり…
鈴谷「ふわぁ!!ゆ、夕立ぃ!」
夕立「パンツの上から股を前から撫でられただけで変な声出す鈴谷さんがビッチのマネとか100年早いっぽい!!」
鈴谷「うー!覚えてろー!…ん?兄貴!これ着てみなって!『氷帝の制服』だって!」
アーチャー「ん?……あー、これか…」
………………………………
アーチャー「…なるほどSundayじゃねーの」
夕立「ぶっ!!www」プルプル…
鈴谷「アハハハハッwww!!一人だけ無我れないテニスの人だー!!」
夕立「…つ、次これ……お願いっぽい…ぶふ!」
…………………………
アーチャー「………バスケ好きな奴に悪い奴はいねぇ、俺の持論だ」
鈴谷「に、似すぎでしょwww!!」
夕立「…き、今日はそのバスケのユニフォームでデート決定っぽいw」
アーチャー「…いや、さすがに寒い!とゆうか…無い!」
鈴谷「そ、そーだって夕立ちゃんwww!!ゴホッゴホッ…はぁはぁ…ほら兄貴次これ、着て、ろ、六番の人だよ?」
…………………………
アーチャー「…………軋れ!!豹王(パンテラ)!!!」
鈴谷・夕立「「アハハハハッwww!!!」」
アーチャー「…ふむ、どうだ帰刀状態も再現したぞ?」
鈴谷「っw……やば、腹がよじれてきたww!そ、その耳と尻尾触っていい?」
夕立「ぱ、ぱぱ…めちゃくちゃ可愛いwww!!」
アーチャー「はぁ………さて?それで?私の服は決まったのかな?」
鈴谷・夕立「「ほぇ?」」
アーチャー「…いますぐカラドボルグぶち込んで良いか?それとも衣装に合わせて豹王の爪(デスガロン)のが良いかな?」
鈴谷・夕立「「す、すいませんでしたー!!」」
カチャカチャ……エート、コレデモナイ、コレデモナイ……コレ、ドウッポイ?……オ、イーンジャン?
鈴谷「よし、兄貴!」
夕立「これ、着てみてっぽい!」
アーチャー「………はぁ、次もネタだったら晩飯抜きだぞ?」
鈴谷・夕立「「ダイジョーブ!!」」
アーチャー「…ふぅ、わかった」
シャ!
シュル……シュル…コラ、ノゾクナ!!………ム、イガイトフツウダ……
シャー!
アーチャー「…これでいいのだろう?」
鈴谷「……お、おう」
夕立「…ぽい」
アーチャー「…?なんだ、君らが選んだんだろ?」
鈴谷「…う、うんそ、そーなんだけどさ…」//////
夕立「…予想以上っぽい」//////
アーチャー「??…ふむ、赤いマフラーに黒のトレンチコート、中にブラウンのタートルネックで黒のレザーの手袋、下がダークブラウンのチノパンで茶の革靴……足りないな…」
鈴谷・夕立「「え?」」
……トレースオン……スチャ…
アーチャー「メガネが足りない、これで文句無しだ…ほら会計に…」
鈴谷「お、おおおおぉぉぉ!!」
夕立「な、なんか家庭教師のバイトしてる大学生の優しいお兄さんみたいになったっぽい!!」
アーチャー「…いや、なんだその評価!!わかりづらいぞ!?」
鈴谷「兄貴兄貴!!『鈴谷!このままじゃ成績落とすぞ!』って言ってみて!」
アーチャー「…鈴谷!このままじゃ成績落とすぞ!…君は私と同じ大学に行きたいのだろう!だったら真剣に頑張れ!……私も、できる限り……手伝ってやるから……………ふふん、どうだね?」
鈴谷「」
アーチャー「…おい、どうした鈴谷!?」
夕立「…パパ、やりすぎっぽい」
アーチャー「…は?」
夕立「鈴谷さんが理想のシチュエーションを実際にされて頭が処理できずフリーズしたっぽい…」
アーチャー「…え?す、鈴谷!起きろ!!」
ユサユサ!
鈴谷「…は?え?初夜は?」
夕立「…どこまで進んでんだよっぽい、これだから万年思春期二号は…」
アーチャー「…はぁ、とりあえずこれで大丈夫か?……お、ちょうどいいな…」
鈴谷「ん?なになに?」
夕立「ぽい?」
アーチャー「…ん、ああ、いや服を選んでもらったからな、二日前くらい、ネックレスが欲しいとか雑誌見ながら呟いてたろ?」
鈴谷「えっと…それって…」///
夕立「ぷ、プレゼント…っぽい?」////
アーチャー「ん?…そうだが?……よし、安物だが、コレとコレなら君らに似合うだろう?どうかな?」
鈴谷「え……う、うん、に、似合うんじゃない…かな」ボソッ…///
アーチャー「そうか、なら良かった……一緒に会計は済ませよう」
テクテク……
鈴谷「…夕立ちゃん………その…」///
夕立「…ネ、ネックレスのプレゼントの意味は………っぽい」
カーーーーッ/////
鈴谷「…ど、どうしよ!開始数分でこれとかテンションがぁ……!」///
夕立「お、落ち着くっぽい!多分意味とか理解してないっぽい!」///
鈴谷「そ、そうだよね!そうに決まってるよ………ね」///
テクテク……
アーチャー「ん?ほぅ、こんな物も売ってるのか…大鳳は、下着が少ないと喚いてたな、10セット千円か…買っておこう、北上はたしか箸が折れてたな、…………金剛は…そういえば時計が壊れてたな、ふむ、この懐中時計は…買えなくもないが少々高いな……投影、(トレース)……いや、買って渡すか」
近くの公園、晴天無風…
ガツガツガツガツッ………!!
アーチャー「はぁ、まさかいきなり服代で高く付くとはな……弁当でホントに良かったよ…」
鈴谷「モグモグ…ゴクンッ!おい夕立!!その卵サンド勝手に食べんな!」
夕立「鈴谷さんがさっき夕立のトマトサンド食べたから、これで相殺っぽい!」
大鳳「もぐもぐ、ふぁふぁ、ふはりほも、ふぇんふぁはやめふぁふょおう(まぁまぁ、二人とも喧嘩は止めましょう)……んぐ」
ガツガツッ…!!
金剛「大鳳さん、肉系のsandwichばかり食べないで欲しいネ……はむ、うん!!archer!verygoodネ!」
アーチャー「喜んでもらえるのはありがたいが…どうしたんだ彼女は?」
北上「……オハシ…私だけオハシかよ…ふふっ…マジでかえろっかな…」ジメジメ…
金剛「…archer?北上だって女の子ヨ?ちゃんとpresentくらいマシなの選ぶネ?archerだってフライパンやお鍋をプレゼントに貰って嬉しい?」
アーチャー「え?とても嬉しいが!?」
金剛「orz………き、北上!ち、ちょっと耳貸すネ!」
北上「はは…私なんて…抹茶クリームの女ですよーだ……」ジメジメ…
ヒソヒソ……
金剛「…男性からの、お箸のpresentの意味はぁ…………ネ?」
北上「え!!?…な、なんだぁ〜そ、それならそうと言ってよアーチャー!!」
アーチャー「え?…あ、ああ、何かよくわからんが、機嫌が良くなって何よりだ…ところで北上?」
北上「よーし!そんじゃ北上様も食事に参戦しますよー!……って、ん?なに?アーチャー?」
アーチャー「今日は三つ編みを解いて髪を下ろしてたんだな、すまない、なんというか…いつもと印象が違いすぎて、声を聴くまで君だとわからなかったよ………とても可愛いぞ?」
北上「…ふぇ!!?」//////
鈴谷「ゴクンッ……ほほぅ、兄貴良い度胸してんじゃん?」ニヤリッ
アーチャー「…はぁ、次は何の地雷踏んだんだ、私は……」
鈴谷「私らも!」
大鳳「褒めて!」
夕立「欲しいっデース!!」
金剛「デー………えっ!?ゆ、夕立!語尾真似しちゃ駄目ネ〜!!」アセアセ
アーチャー「はぁ…鈴谷、コートもブーツもキマっていて、とてもカッコイイ、モデルみたいだ、だが、できれば通行中に休日の家族連れの父親を誘うポーズや仕草は避けるように?……私がいなかったら路地裏に連れ込まれてたぞ?」
鈴谷「あはは………ば、バレてたか…」
アーチャー「大鳳?なんというか、ボーイッシュだが凄く君らしい、正直今すぐ助手にしたいくらいだ……だからいい加減に野菜も食べなさい、ハムスターみたいに・に溜め込むな!」
大鳳「モギュモギュ!ふぴゃあむ?ふぃふぃふぃふぃww!!」
アーチャー「なんて言っとるかわからんわ!!……夕立…その、なんだか普通だな?」
夕立「ふふん!!〝童貞を殺す服(悪魔風)〟っぽい!!」
アーチャー「…いや、別に私は童貞じゃないし……えーと、ああ、調べたらすぐに出るな、なんというか…(セイバーの私服、今こんな風に言われてるのか…)」
金剛「あ、archer!?meはどうネ!!?」
ドキドキ……
アーチャー(…ふむ、白の肩が露出してるモコモコのセーター……って、よくみたらそれ、スカートの部分までまかなってるのか!?どうなってるんだ!今の女性のファッションは!?風邪引くだろ!……クソ、今すぐスカート投影して履かせたい………にしても白くてモコモコで、金剛の髪型と合わせると…)
アーチャー「柔らかそうで抱きしめたくなるぐらい可愛いんだが……羊?」
金剛「……whats!?」//////
鈴谷・北上・大鳳「「「思った!!」」」
夕立「…あーあ、みんな我慢してたのに、っぽい…」
金剛「前半は凄く嬉しいのに後半でゴートゥヘルネー(泣)!!u〜archerのバカァ!!責任持って抱きしめるネ〜!!」
ガバッ!!
アーチャー「はぁ…なんかもうめんどくさいな…ほら、速く来い…」
金剛「え、えぇ!?」///
アーチャー「…あーもう…」
グイッ!
ガバッ、ダキッ
アーチャー「…ほら、これで文句ないだろ?」
ナデナデ…
金剛「……あ、あぅ…あぅ…」///
ぷしゅ〜………
大鳳「…あ、オーバーヒートしましたね…」
夕立「ちょうどいいっぽい!とりあえず金剛さんのサンドイッチは夕立が食らうっぽい!」
ガツガツッ!!
鈴谷「って、まだ食う気!?」
北上「ちょ!?北上様の分まで食うなー!!」
大鳳「ゴクンッ…あ、北上さんの分はもう食べてます、私が」
ギューギャー…ガツガツ…
アーチャー(…はぁ、私が一つも食べてないんだが……気づいてないよなぁ、やっぱり…)
ナデナデ…
金剛(…わ、わたしも、て、手を回すべき?いや、でも、あ、手汗と脇から汗出てきた!!ヤバイヤバイヤバイネ〜!!)
水族館
鈴谷「ほぉぅ!鯨でっかいねぇ〜!」
北上「そうだねぇ…いつも海面から見てただけだったからね〜」
大鳳「…そういえば昔大鯨って子もいましたね…、あの子もデカかったですね…」
夕立「大鳳さんは胸がデカイ子を憎悪と合わせて覚えるのやめてほしいっぽい…」
大鳳「…ふふっ、夕立さんもしっかり覚えてますよ?」
夕立「っぽい!?」
……………
アーチャー「…なぁ金剛?」
金剛「…夢を壊しちゃ駄目ネ?archer?」
アーチャー「…いや、だってあれジンベイザメだぞ?」
金剛「知らない人にはどっちも同じネ…」
アーチャー「…そ、そうか……意外と楽しむんだな、君らは」
夕立「おー!エチゼンクラゲデカイっぽい!」
北上「なんか、クラゲって食えなかったっけ?」
金剛「…うん、水族館とか正直一度も行ったことなかったネ…」
鈴谷「海亀だぁ!これアレでしょ?出産する時ボロボロ泣くんでしょ?」
大鳳「私たちでも痛すぎて泣きますよ?」
アーチャー「…大鳳もだんだんと本来の性格に戻ってきたみたいだな…」
金剛「…うん、ソダネ…」
アーチャー「……」
金剛「……」
アーチャー・金剛((あれ?))
夕立・鈴谷・北上・大鳳「「「「ペンギンだーーー!!!」」」」
アーチャー(い、意外と話す内容無いな、というかなんで私は水族館なんぞ選んでるんだ!?どう考えても彼女らからしたら見慣れてるだろ!?)
鈴谷「見た?見た!?今のマジでキモくない!?」
北上「…うっはー!ギャラドスとミロカロスの生交尾とか、誰得企画だよー!!」
夕立「…なんかこれよく見るとミロカロスがオスでギャラドスがメスっぽい…」
大鳳「…ブサメン好き?いや、ヤンキーな彼女趣味なんですかね?」
金剛(miss!missネ!?いや、今のこの空気からしたら、この取り留めなく終わる会話が一番合ってるはずネ!断じてコミュ障かコイツなんて思われて……無いよネ…?)
北上「おー!シーマンを100匹一つの水槽に入れてみただって!」
鈴谷「…なんだこいつら、吸血しあってるじゃん…」
夕立「か、可愛いっぽい!!」
シーマン85「俺なんか50万人くらいのユーザーからキモいとか[ピーーー]とか言われたぜ!?でも気にしたら仕方ない」
大鳳「なんか響くけど、すっごい腹が立ちます!」
アーチャー「…その、あれだな…」
金剛「…ん?」
夕立「《イカ娘を舐め回すコーナー》?…あっ、あの猿ぐつわされて、縛られてる子かな?」
…
イカ娘「むー!むーっ!!」
北上「…ぺろぺろ、うん脇とか美味いんじゃない?」
鈴谷「…ぺろぺろ、個人的にはお腹の塩辛っぽさが一番好きかな」
大鳳「…あ、一番の人気は足の裏か、股の間だそうです!」
イカ娘「む!?むーっ!!むーっ!!」
北上「いいじゃなイカ?優しくしたげるからさ?」
夕立「ちろちろ、あ、指の間とか磯臭くて癖になるっぽい!」
大鳳「股の間も、くちゅくちゃ…なかなか癖になりますね…枝豆と合わせて食べたい…」
アーチャー「…すまん、ちょっと待て?」
金剛「…うん、私も同じこと考えたネ…」
大鳳「《インクリングとナワバリバトルコーナー》?」
…
ブシャー!!
北上「はっはぁ!!この北上様にイカごときがシューティングで勝てるわけないでしょーが!!」
夕立「遅い遅い遅い!!!ソロモンの悪夢にインクで染めてあげるっぽい!!」
ブシュー!!
鈴谷「現役雷巡と駆逐はやっぱ違うわぁ…イカしてるねぇ」
大鳳「あなたはセットした髪にインクがつくのが嫌なだけでしょう?」
鈴谷「たはは、バレてます?」
金剛「…」
アーチャー「…」
鈴谷「《海闘士のお兄さん達と触れ合いコーナー》?《人魚達の生ライブ》?」
北上「《海にちなんで海未ちゃんソロライブ》?」
夕立「《シンを倒して永遠のナギ節? 》?」
大鳳「なんか、この水族館、よくわからないコーナーが数百くらいありますね、ん?《最後にみんなで偉大なクトゥルフ様の僕になってインスマス顔になろう》?」
アーチャー「よし!出よう!!」
大鳳「えー?インスマス顔みたいです!!」
北上「海未ちゃんがソロで泣き出すところ録画しよーよ!!」
金剛「はいはい、速く出るネー、魚ヅラになった艦娘とか洒落にならないネ〜」
鈴谷「ま、待って!!ちょ、ちょっとあそこのお兄さん達と写真撮ってくるだけだから!」
ズガッ、ドゴンッ、ズバシャ!!
夕立「そーいえば鈴谷さん当時、聖闘士星矢リアルタイムでハマってたっぽい……あ、パパー!賞品でフラタニティの貸し出し撮影するから記録して後で作ってー!」
アーチャー「もうストックしてあるからほら、速く行くぞ?」
金剛(あー、結局なんか台無しネ〜………)
金剛(そういえば…)
金剛「……archer!?Burning……!!」
金剛(いつからだっけ?)
アーチャー「どんな業務提携してるんだ!?オーナーの可児江とか言うのは……ん?どうした?」
金剛「ラー………ぁぁ……びゅ」////
アーチャー「…?」
金剛(…〝大好き〟とか〝love〟とか軽々しく言えなくなったのは?)
アーチャー「…すまないな、何かとんでもないとこに連れてきてしまって…」
金剛「あ、だいじょーぶネ!心配いらないネ…」
トテトテ…
白子熊「…きゅ?」
アーチャー「ん?白熊の子どもが、檻の外に……管理体制酷すぎだろ…いつか客が死ぬんじゃ…いや、もう出てそうだな…」
金剛「わー!可愛いネー!」
ガシッ、モフモフッ!
白子熊「きゅー!」
金剛「ふかふかしてるネ〜」
アーチャー「ふっ…」
金剛「?どーかしたネ?archer?」
アーチャー「ああ、いや、何というか君のさ?何かを可愛がる姿がな、やはり私は好きだなぁと思ってな…」
金剛「…か、からかうのは無しネ!archer?」
アーチャー「ん?からかう?悪いがお世辞は苦手でな…」
金剛「っ……なんか……思うようにいかないネ」ボソッ////
金剛(…そうか、最近は、先にこの人に言われちゃうんだ……あれ、〝好き〟ってこんな言いにくかったネ?)
モフモフッ…
白小熊「…きゅー、かぷっ」
映画館前
ザワザワ…
アーチャー(……………なんか、あのメイド喫茶に来てた娘が出てた映画だったな…)
金剛「まどかも助けられて、ほむらも幸せそうでhappyendネ!!」
夕立「ぽい!!杏子も学校通えたっぽい!」
鈴谷「いや、そこ!?それにアレハッピーエンドじゃないでしょ!?」
北上「だねぇ、なんか多分アレ便秘我慢しすぎて後々痔になるみたいなパターンだよ、間違いない!」
大鳳「??初見だからわからないんですが、あのまどかって魔法少女はう◯この女神なんですか!?」
夕立「…うん◯が肥料になり、野菜を育てて、またほむらの口に……はっ!?円環の理ってそういう!?」
ドスッ!
夕立「ぐほっぽい!!?」
鈴谷「夕立ちゃん少し落ち着こっか?」
金剛「ゴメンネー、私たちの見たいのに付き合わせちゃったネ、archerも何か見るネ?」
アーチャー「いや、さすがに映画館でもう一作見るのはいくらなんでも…」
北上「時間なら気にしないでいーって!ほらほら!アーチャーの見たいの選んで!」
アーチャー「…興味が湧かないんだが……『ラブライブ 大学生編』『サイコパス帰ってきた無色』『アベンジャーズ 神々との戦い』『サマーウォーズ2』『傷物語』『実写版・攻殻機動隊』『アイドルマスターミリオンライブ』『けいおん2』『実写版 るろうに剣心 追憶』………ん?『ダークナイト』?」
金剛「oh!!まだやってたデスカ?」
アーチャー「知ってるのか?」
金剛「バットマンってアメコミの映画ネ!それなら後でレンタルできるネ?」
アーチャー「…そうだな、そうしようか…」
鈴谷「…兄貴が見たいなら見れば?私もそれ見てなかったし…」
大鳳「わ、私も見てないんですが!?」
北上「私もまだかなぁ…」
夕立「夕立は全部見てるっぽい!」
金剛「…meも見てるんですが…archerが見たいなら見るのが一番ネ?」
アーチャー「いやだが…、デートというのは男性が女性に…」
北上「女もたまには譲らなきゃ嫌われちゃうよー、ほい、チケット」
アーチャー「あ、ああ」
北上「そいやさ?なんでコレ選んだの?」
アーチャー「ん、なんでと言われてもな……なんとなくなんだが…」
鈴谷「うっわ、人少な!」
金剛「あたりまえネ?何年まえの映画だと思ってるネ?」
夕立「すぴー…くー……」
大鳳「なるほど、これが『デートの映画は睡眠タイム』世代ですか…」
北上「ちょい、静かにしてよね?」
アーチャー「……」
….….………………
ジョーカー「I believe whatever doesn't kill you, simply makes you ... stranger.(俺は信じる、死を乗り越えた者は……必ず常軌を逸する)」
鈴谷「…うっわ、キモ」
北上「…」
アーチャー「……」
…………………………
バットマン「Then why do you want to kill me?(なぜ、俺を殺そうとする?)」
ジョーカー「What would I do without you?
Go back to ripping off Mob dealers?
No you... You. Complete. Me.(あんたを殺す!?違う、違うって!あんたがいなくなっちまったら俺はどうすればいい!?またギャングの売人から盗みを働く生活に戻れってか?違うよ、違う違う、あんたが俺を完璧にしてくれるのさ?)」
バットマン「You're gabage who kills for money.(お前は、金のために人を殺すクズだろうが)」
ジョーカー「Don't talk like one of them- you're not, even if you'd like to be.
To them you're a freak like me... they just need you right now.
But as soon as they don't, they'll cast you out like leper.(あっち側にいるつもりで物を言うなよ!たとえそうありたいとしてもだ!?奴らから見りゃ俺もあんたも異常者さ、今は正義の味方として必要とされてもだ?……すぐに必要とされなくなって嫌われるんだよ)」
北上「うわ、なんかカッコイイじゃん?」
アーチャー「…」
ジョーカー「You'll see- I'll show you...
when the chips are down, these civilized people... they'll eat each other.
See, I'm not a monster... I'm just ahead of the curve.(俺が見せてやるよ!いざとなったら市民の方々とやらはモラルだの規律だの捨てて殺しあう!….…なぁ?俺は怪物なんかじゃない、ただ先が見えちまうだけなんだよ?)」
アーチャー「…」
….….….……………
夕立「……んーっ!よく寝たかも!」ぐぐっー!
金剛「久し振りにみるとやっぱ凄かったネ〜!」
鈴谷「…イケメンがキモメンに、マジでありえない…」
北上「いやー!ジョーカーもバットマンもカッコよかったね〜!どう?アーチャーは面白かった?」
アーチャー「…あ、ああ…」
大鳳「…お父様?なにか顔色がお悪いですが…?」
アーチャー「…あ、ああ、いや!手に汗握る展開ばかりで反応する暇が無かったんだ!」
北上「なんだー、心配したじゃん!ほら、次買い物でしょ!いこ?」
アーチャー「…ああ」
アーチャー(悪がいるから正義がいる…逆に正義がいれば悪がいる……)
アーチャー(結局……正義の味方なんてただの犯罪者と大して変わりはしないのにな…)
ぬいぐるみ専門店
金剛「archerこれ可愛いいネ!」
夕立「パパ〜これ買って〜!!」
大鳳「…サンドバッグにちょうどいいですね…」
鈴谷「お、あたしら艦娘のぬいぐるみあんじゃ…ってげ…一つ一万円台…熊野買えないし…ちょっと兄貴買ってよ〜」
北上「…大井っちもかぁ…、ん?吹雪…一人だけ千円?」
夕立「…吹雪ちゃんにもしあっても内緒っぽい…」
金剛「archerぁ〜!!買ってもいいよネ!?」
アーチャー「…おい、これ以上まだ買うのか!?…ここ13階に上がるまでに君らが階層ごとに大量に買い物をするからもう私も持ちきれないぞ!?」
夕立「パパ四次元ポケット作れないっぽい?」
アーチャー「無茶言うな!!さすがに猫型ロボットには…会ったが…いや、でも四次元ポケットは………あ、そういえばあいつのアレも一応鍵剣か……投影、開始(トレース、オン)バヴ=イル………できたな…とりあえずぶち込むか」
ポイ…ポイ…
鈴谷「兄貴…便利すぎでしょ…とりあえずこれで残り三十七階の買い物も問題なくなったわけだね〜」
アーチャー「…はぁ、もう好きにしてくれ……国から遊ぶ金が支給されてるとはいえ、こんなにカード使って大丈夫なのやら…」
アーチャー(…そういえばライダーは政府に取り入ってたらしいが…そちらに戻ってはいないのか?…戻っているなら私たちに金を下ろさせないだろうし…あるいは遊んでるのか?)
アーチャー「…ん?」
北上「…どしたー?ん?ライオンのぬいぐるみ?」
アーチャー「……」ジー…
北上「…な、なんでそんなじっと見つめてんのさ〜、欲しいなら買えば?」
アーチャー「…いや、欲しくはないんだが…なんだか、見てると……何か忘れてる気がするんだ」ジー…
アーチャー(…ああ、大事だったはずのものだ……もう思い出せない〝何か〟……)
北上「…………560円かぁ…」チラッ…
アーチャー「フッ…虎のぬいぐるみだとすぐに思い出せるのにな…」
金剛「archer〜!はやく支払いして欲しいネ〜!」
大鳳「お父様ぁ〜このネズミ型のサンドバッグはやく買ってくださ〜い」
鈴谷「いや、大鳳さんその世界一有名なネズミ様はサンドバッグにしちゃダメだって….」
夕立「…あれ?北上さんもう買ってるっぽい?」
北上「…ん?あぁまーねー」
アーチャー「…はぁ、なんで女性の買い物はこんなに忙しいんだ…」
北上「…そんなん、好きな人に構ってもらいたいからに決まってんじゃん…」ぼそっ…
……………………………
四時間後…
アーチャー「ぜぇぜぇ……なぁ?」イライラ…
金剛「…な、なにネ?archer?」ズルズル…
アーチャー「…いくら君らが毎日深海棲艦と撃ち合いする日々を送ってるとしてもだ?……さすがに店内のラーメン屋とスイーツ全店食べ歩く必要性はあったか!?」
鈴谷「だって、今食べ無いと明日は沈んでるかもだよ?なに怒ってんのさ兄貴?」ズルズル…
アーチャー「お、怒るわ!!なんだ君らのその脂ぎった肌と妊婦じみた腹は!?私が引っ張ら無いと歩け無いとか、少しはどうにかできなかったのか!!?それ一週間以内に消化できるんだろうな!?君ら明日から相撲で深海棲艦とやりあうつもりか!?」
大鳳「…お父様の命令とあらば!!」ズルズル…
アーチャー「…じゃあ頼むから、今後はカロリー計算くらいやってくれ…」
夕立「…ぷはー!消化完了っぽい!感謝の正拳突き一万回で消化したっぽい!!」
アーチャー「…はやいな…?」
金剛「私たち艦娘からしたらこれくらい軽いネぇ〜ブヒヒヒ…」
アーチャー「…なら、はやくトイレ行って消化してこい!!」
ポイッ、ヒュー………ドンガラガッシャーン!!
金剛「…ぅえ!?archer?いきなり何を!!」
大鳳「…いたた…」
鈴谷「…ちょ!まっ!兄貴トイレに投げ込まないでよ〜!!」
アーチャー「やかましい!帰る前にとっとと出しなさい!!」
夕立「もー、みんなデート中にデブ団子になるとかありえないっぽい〜!」
アーチャー「…夕立、君も今、汗の匂いと豚骨ラーメンとニンニク増しまし餃子の匂いでトンデモナイ悪臭になってるぞ?」
夕立「…ぅえ!!?」
アーチャー「…はぁ、ほら!買った服持って!四階の温泉コーナーで流してきなさい!!他三人もだ!!」
「「「はーい!!」」」
ドスッ……
アーチャー「…はぁ、やっと一休みだな…」
北上「…ほいっ」
ぴとっ…
アーチャー「…ん、つめたいな…」
北上「…ようやく座って休めるね…ほら、コーラ…」
アーチャー「…できればコーヒーが良かったんだが…」
北上「…疲れてるならコーラが良いんだってさ」
アーチャー「…まぁ、炭酸が喉を通って血行を良くして、乳酸と水素イオンを分解するらしいな…信憑性は微妙だが…ゴクッ…ゴクッ…」
北上「…ゴクッ…ゴクッ…」
「「プハッ!!」」
アーチャー「…冬なのに!効くなコレ!!」
北上「でしょー!!炭酸は疲れた人用の薬だからね〜!!」
アーチャー「…ふぅ…そういえば、君はあまり食べなかったな…疲れたか?」
北上「うん、ちょっとね、久々にキッチリしたオシャレしたから疲れたのかも…アハハ…」
アーチャー「…眼帯の周りの筋肉と義手の指が痙攣してるな……いつから壊れてた?」
北上「…最近、アーチャーの作ったコレ無茶苦茶頑丈なんだよね、だから最近深海棲艦の砲弾叩き落としたりしてたら……まぁ…ね?」
アーチャー「…ああ、見事に内部構造グシャグシャに壊れてるな…さすがの蒼崎の技術でも壊れるか……眼の方は?」
北上「ん?なんとかの義眼?あぁ、こっちはいつの間にか…アーチャーの眼に同期してからガタがきたんだね…」
アーチャー「…こちらはさすがに技術模倣に無理があったか…腕から貸してみろ…」
北上「…んー、あ、ねぇ、アーチャー?」
アーチャー「…ん?どうした?変化魔術は苦手なんだ…集中させて…」
北上「義手はそのままでいーんだけどさ、眼をさ?アーチャーの眼をちょうだい?」
アーチャー「」
北上「…いや、そんなボーゼンとしないでよ!!そんなグロい方向性の意味じゃないよ!」
アーチャー「…あ、ああ、なるほど…私の眼をコピーして欲しいと?……いや、今君がつけてる眼の方が高性能だぞ?」
北上「…んー、いや、それつけてると頭痛いんだよね〜しかも私じゃ使いこなせる気がしないし…それにさ…えっと…なんてーの?」
アーチャー「ん?」
北上「…アーチャーと同じ景色が見たい…アーチャーがどんな風に世界を見てるのか、知りたい……うん、自分で言っててイミフだね〜あはは…」
アーチャー「…それは、告白されてるのか?」
北上「………………えっとさ、そこは普通綺麗に難聴決め込んでくれるシーンじゃないの?」
アーチャー「…いや、さすがにここまであからさまだと誤魔化すのが失礼だろ?」
北上「……はぁ、やっちゃったなぁ私…」/////
アーチャー「…顔を覆ってどうした?」
北上「…いやだってさ、こーゆうのってさりげなくハッキリと言うのが一番ベストじゃん!!もーなんなんだよー私のバカーー!!トイレ前のベンチで普通告らないよー!!」
アーチャー「…そうか?昔の私なんて会話の中にサラッと好きだのなんだの混ぜて良く殴られていたが…」
北上「…好きな人、いるの?」
アーチャー「…いた、だな、忘れたよ」
北上「…好きなのに忘れるんだ…?」
アーチャー「…ああ、地獄に落ちても忘れない筈だったのにな…忘れて忘れて、声も、仕草も、笑顔も、全部忘れたよ…」
北上「……………あぁ、なんだ、よかった…」
アーチャー「…?」
北上「…いやね?ほら、アーチャーさ、ライオンのぬいぐるみ見てる時、よくわかんない表情してたから、ひょっとしたらライオンにトラウマでもあるのかと思ってたんだけど……そっか、じゃあ大丈夫だね?」
ゴソゴソ…
アーチャー「…?」
北上「…ほい、これ、お箸のお返しプレゼント!」
アーチャー「…さっきのライオンのぬいぐるみ?」
北上「うん!それと……好きだよ?」
アーチャー「…ストレートに言ってくるな?」
北上「……うん、でも安心して、別に恋人にしてとかそんなんじゃない、ただ〝北上があなたを好きだって〟理解して欲しい、そんだけでいいよ?」
アーチャー「…おいおい、重しになるようなことを言うなよ…」
北上「…うん、重ければ、忘れないでしょ?」
アーチャー「…」
北上「…だから、あなたの見てる世界を私にくれない?…代わりにあなたが後悔しないように、忘れられないくらい毎日愛してるから!!」
ズイッ!!
北上「…だから!ハイ!う、受け取って!」///
アーチャー「……」
アーチャー(…多分、セリフも場面も一切の記号は合致していない…)
北上「…っ」プルプル……!!
スッ…
アーチャー「…わかった、頂くよ…」
北上「う、うん!!」
アーチャー「ふっ、代わりに私の目だったな?……少々魔力通して変化させるから、こそばゆいぞ?」
北上「わ、わかった!!」
パァ……
アーチャー(…なのに、なぜか〝彼女〟を思い出す…永遠に届かなくなった〝彼女〟を…)
北上「…うっーこ、こそばゆいぃ〜!」
アーチャー「我慢しろ…」
アーチャー(…忘れないようになってくれる、か……おそらく無理だ)
北上「う、うーっ!!」
アーチャー(…この記憶も千の殺戮の果てには磨耗し、忘れて、消える)
北上「…め、眼の中を引っ掻き回したい〜!!」
アーチャー「…たぶん死ぬぞ?」
アーチャー(…だが、それでも…)
アーチャー「…北上?私も君が好きだし、多分忘れる、そういうヤツなんだ、私は、もう修正不可能なくらいにな…」
北上「…さらっと好きって言われてフラれた!?」
アーチャー「…違う、間違いなく好きだよ、だから約束させて欲しい」
アーチャー(…せめて)
アーチャー「…たとえ忘れても…君を想い続ける……ゴメンな?」
アーチャー(…もう忘れてしまった〝彼女〟と、同じように…)
北上「…そっか…」
アーチャー「…失望したか?」
北上「…いや?じゃあ、アーチャーが縋り付くまで好きにさせて、忘れても私の匂いだけで発情するくらいまでにメロメロにするよ」
アーチャー「…そこまで自制心無くなることは無いな…」
北上「どうかな〜?むふふ〜」
アーチャー「…フッ…」
アーチャー(…そして忘れた頃にまた後悔する……けど安心して欲しい…)
アーチャー「ではよろしく頼むよ、北上…」
北上「はいよ、〝アチャ兄ちゃん〟!」
アーチャー「…間違っても〝お兄ちゃん〟とかはナシな?その呼び方は上半身と下半身が筋肉ダルマに切断されたような痛みを呼び起こすから」
北上「はい!?」
アーチャー(…君がいつか〝こんなこともあった〟と思い返してくれればそれだけでオレは報われるから)
街中…どこぞのツリー前
アーチャー「さて…日も暮れたし帰るか?」
夕立「えー、もっとイロイロ行きたいっぽい!!」
鈴谷「むしろこれからが本番じゃん?」
アーチャー「…50階全階巡ってショッピングと食事しまくれば充分じゃないか?」
大鳳「…もうクタクタです…」
北上「たしかに…そろそろ帰りたいかな〜」
夕立「だらしないっぽい!」
大鳳「駆逐艦一のバカワンコと謳われたあなたについていけるわけないでしょ?」
ズビッ!
夕立「いたっ!…あうぅ……」
アーチャー「ふぅ……ところで金剛、何してるんだ?勝手にバヴ=イル内に頭突っ込んで漁るな」
ガサゴソ……
金剛「ン?…チョット…探し物ネ〜……ン〜?」
鈴谷「どうしたんですか〜?金剛さん?」
金剛「……アレ?ナイ!?」
大鳳「?ナイ?」
アーチャー「何がだ?言ってみれば取り出せるから言ってみろ…」
金剛「……え、apron…デース…」
鈴谷「…?え?エプロン?」
北上「また買えばいいんじゃ無いですか?」
夕立「ってより、なんでエプロンでそこまで慌てるっぽい?」
金剛「…ぅえ、エット…それはデスネ〜………ゴメン、チョット探してクルネ!!みんなは先にGohomeネ!!」
ダッ!!
鈴谷「は!?ちょ?金剛さん!?……ってはやっ!?」
北上「…うわー、良い脚してるなーとは思ってたけど、速いね〜」
夕立「…こんな時あの子なら絶対にアレ言うっぽい…」
鈴谷・北上・夕立「「「島風のがはやーい!!」」」
ドッハハハハハハハ…………
アーチャー「…」
大鳳「………お父様?なんとなく察しはついてますよね?」
アーチャー「…はぁ、このタイミングで言われればな…さっきも北上から貰ったし…今から金剛を追うよ」
大鳳「車とか作れますか?」
アーチャー「…今のスキルなら可能かもな…投影、開始(トレース、オン)」
バチッ…ガチャン!
大鳳「…ゼロクラウン?」
アーチャー「ああ、近くに駐車してる物の投影品ですまないが私は金剛を追うから、彼女たちを「却下」………え?」
大鳳「…コレジャナイ(腕組み)…」
アーチャー「…あ、あぁ、わかった、チョット待て投影、開始…」
ガチャン!
大鳳「…クライスラー?」
アーチャー「…あ、ああ」
大鳳「…バカですか?私たちを陸で事故で轟沈させる気ですか?」
アーチャー「…いや、なんでもよくないか?ってかなぜそんなこだわるんだ!?」
大鳳「…まさか私たちにこんな車で帰れとでも!?」
北上「え?なに、どしたん?」
夕立「ぽい?」
鈴谷「あー、そっか、いつものアレか…」
アーチャー(なんだ!?この威圧感とプレッシャーは!?逆らえない!?)
大鳳「…次、速くしてください」
アーチャー「…くっ、わかった!ならば手当たり次第に作ってみせよう!!投影、開始(トレース、オン)!!」
……………………………
………………………
………………
…………3時間後
アーチャー(…クソっ!金剛を追わねばならないのに…)
アーチャー「はぁ、ずっ、ぐぅ、投影、開始!!」
ガチャン!!
大鳳「ランドウィンド?すいませんお父様150台出してこれとか、射殺しても良いですか?」
アーチャー「はぁ、はぁ、くっ、待て、ちょっ、と待ってくれ!!」
大鳳「はい?速くしてください」
アーチャー(くっ、なんというプレッシャーだ……だが、)
アーチャー「な、何を基準にしているか教えてくれないか!?さすがに150台も投影するのはシンドイんだが!?」
北上「はぁ…やっとだね〜、あれ?これ…ああ、そっちねOK」
ポチポチ…
夕立「150台作った後に聞くことじゃないっぽい…あ、間違ってカリギュラ三体来ちゃったっぽい…」
ポチポチ…
鈴谷「大鳳さん、こーゆう時怖いからなぁ…ってちょい待って、何ソレ意味わかんない!?今モンハンやってんだよね!?え?何これ!?なんであんたら大剣なのに、そんな速いの!?」
大鳳「何って………安全かどうかですが?」
アーチャー「……は?」
大鳳「だって、事故って怖いじゃないですか?」
アーチャー「…そんだな」
大鳳「…ほら、私大鳳ですし、悲惨な事故の申し子なんですよ…」
アーチャー「…そうだな」
大鳳「つまり!!私は装備には最善の注意を払うようにしてるんです!!わかりましたか!?」
アーチャー「…わかった、投影、開始…」
ガチャン!!…スカイライン、レヴォーグ、LS!!
大鳳「これですよ!!こ・れ!さっ、三人ともスカイラインに乗ってください!!」
ガチャ…
北上「はーい…よし、捕食っと」
鈴谷「え?え?なんであんたらの剣変形してんのスラッシュアックス?」
夕立「いつまでモンハンのキャラで戦ってるんだよっぽい!!」
アーチャー「…」
ガチャ、バタンッ
大鳳「…それでは、あとは任せました、金剛さんをよろしくお願いします…」
ブロロォン……
アーチャー「ああ」
アーチャー「…」
アーチャー「……」
アーチャー「………」
アーチャー「………………」
アーチャー「なんだ、あのわざとらしい理由付け………ああ、そっか…」
アーチャー「君には今日あまりかまってやれなかったものな…なるほど…」
アーチャー「…はぁ、全く、さすがに安物下着じゃ許してくれないよな…」
アーチャー「…金剛…!!」
ダッ!!
ガサ…ガサ…
金剛「ウ〜!ナイネ!!お弁当食べてふざけてる間に落としたと思うんデスガ…」
アーチャー「…はぁ、そうだな、いちおう行った店や映画館も回ってみたがエプロンらしき物は無かったし、落し物も無かったようだ…」
金剛「…え?archer?他の子たちは?」
アーチャー「先に返したよ、さて、確認するがそれはちゃんと持ってきていたんだよな?帰ったら部屋にありました、とかは無いんだな?」
金剛「う、うん…ちゃんと出る時確認ししたネ…」
アーチャー「…そうか…」
ガサ…ガサ…
金剛「…探してくれるノ?」
アーチャー「…ダメか?」
金剛「ううん……thank youネ!」
ガサ…ガサガサ…
金剛「……ねぇarcher?」
アーチャー「…どうした?」
金剛「…楽しかった?」
アーチャー「…デートで男側にそれを聴くのは酷だな………楽しかったよ…」
金剛「ふふ、良かったデース!……archer?北上と何か話したネ?」
アーチャー「…ああ、なんか義眼と義手の調子が悪かったから修理して…プレゼントに人形をもらったよ…」
金剛「…oh sit!!先を越されましタ〜」
アーチャー「……そういえば金剛?」
金剛「ん?何ですかarcher?」
ガサガサ…ガサゴソ…
アーチャー「…前の提督…たしか女性だったな…どんな人だったんだ?」
金剛「…どうって?」
アーチャー「…いや、ただ、性格とかそのあたりだ…」
金剛「…うーん、前に言った通りネ、馬鹿だったネ、そのくせいつも笑って私たちのことを励ましてくれたネ…archerほどじゃないけどいつも明るくて、私たちの支えになってたネ………いつの間にか失踪しちゃってたけどネ…」
アーチャー「…一つ良いか?」
金剛「ん?」
アーチャー「…その提督は、君が、いや、君ら艦娘がまだ全員運用されていた時代からの知り合い……だったりしないか?」
金剛「?……よくわかんないけど、前の提督は私たちが使われなくなってからヒョロッと現れて私たちを掻き集めたデース!」
アーチャー「…本当に?」
ジッ………
金剛「…ウッ、な、なんかそんなに見つめられると恥ずかしいネ…」///
アーチャー「……すまない」
ガサガサ…
金剛「…archerは…前にマキナ見たときに作った奴に同類って言ったよネ?アレどういう意味?」
アーチャー「…………」
金剛「…えっと、聞こえ無かったらイイネ…」
ザーッ……!!
金剛「…ウッ、さ、寒いネ!!やっぱり肩出しは冬に着るものじゃ無いネ!」
ファサッ…
金剛「…?wowあったかいネ!!thank you archer!!」
アーチャー「…ほら、エプロン見つけたぞ?」
金剛「!!?またまたthank youネ!!ついでに、それはそのまま…」
アーチャー「…一度返すから君が直接渡してくれ」
金剛「…え!?」
アーチャー「………お手製品は直接渡さないと…あとあと後悔するみたいでな……前にそれで一週間落ち込んだ女性がいたんだ…決して嫌だからじゃ無いぞ?」
金剛「…ふふ、ハイarcher!Xmas過ぎてもう一年終わり頃だけどpresentネ!!」
アーチャー「…ああ、ありがとう、汚れ無いように大切に使うとするよ…」
金剛「ウン!そうするネ!」
ザーッ……
アーチャー「……帰りながら話そうか」
金剛「…?」
…………………
テクテク…
金剛「…え、えっと、つ、月が綺麗ネ!!」
アーチャー「…さすがにこのタイミングで告白はちょっと無いぞ?」
金剛「…や、やっぱりダメだったネ…」
アーチャー「まぁ、なんとなくわかってるから気にするな…ああ、また話すタイミング無くしたな…」
金剛「archerの好きなタイミングで良いヨ?」
アーチャー「………ああ、そうだところで金剛?話す代わりに一つ〝お願い〟があるんだが…良いかな?」
金剛「?うん、良いヨ?」
アーチャー「よし…ではまず聞いておきたいんだが…君がルーラーから聞いたのは、私の事、あとサーヴァントや聖杯戦争について…だな?」
金剛「…うん、それくらいネ」
アーチャー「…じゃあ、そのサーヴァントの部分をさらに深くした話だ…サーヴァントは英霊と言われる精霊にまで魂を昇華させた者の一側面を抽出し使い魔にしたものだ……簡単に言えば分厚い本の数ページだけ使って使い魔にしてるのが私たちだ」
金剛「…つまりarcherは本来はもっと強いってこと?」
アーチャー「…多分な、それでだ、英霊には幾つか種類がある、一つは真っ当な英雄、つまりよく歴史に出てくるヒーローみたいな英霊だ」
金剛「archerみたいな?」
アーチャー「……二つ目は反英雄、そのヒーローに倒される側の奴だ、まぁ、悪者だな」
金剛「archerみたいな!?」
アーチャー「…いま、顔で判断したよな君?………………ついでに私はどちらでも無い、三つ目、守護者私はこれだよ」
金剛「wow!!The Guardianネ!?」
アーチャー「…いや、そうじゃないよ、守護者は…」
アーチャー「…Slave(奴隷)だよ、しかも自業自得、本人了承のね…」
金剛(……なぜか、いまこの場でルーラーに教えてもらった令呪なるモノで彼の口を塞いでしまおうと考えてしまっていた)
金剛(…それほどまでに、辛そうに語る彼の表情は……)
金剛「…アレ?」
アーチャー「…どうした?」
金剛「……う、ううん、話を続けるネ!」
ザーッ………
金剛(…どこで見たの?)
アーチャー「…守護者は本来、英雄になれない者が無理矢理になるモノで、弱者がたった一つの祈りを叶えるために自分を死後、人びとを守るために使わせる契約を結んだ者を言う」
金剛「…英霊じゃないノ?」
アーチャー「英霊さ、ただ、他の真っ当な英霊に比べたら格段に格は落ちるがね」
金剛「…??」
アーチャー「…話を続けよう、守護者は死後、人類を守るため、ある事を永遠に、終わりなく、繰り返す…なんだと思う?」
金剛「…あ、わかったネ!ghostだから人に取り付いてheroにするネ!!」
アーチャー「…それは真っ当な英霊の仕事だな……私たち守護者はあらゆる時間、平行世界に赴き…人類の、世界の、敵を……………抹殺、虐殺する」
金剛「………………え?」
アーチャー「…想像できないか?簡単な話だよ、私が出向き、世界を危機に貶める輩をただ射殺するだけだ」
金剛「…深海棲艦みたいな?」
アーチャー「…怪物や、ああ、星に蔓延った巨人や飛来した火星の生物や人型のゴキブリなんてのも始末したな……だが、基本は人だったよ……テロリストや一斉に幾つも核やミサイルを押す可能性のあった人類、それらを繰り返し………殺してきた」
金剛「…嘘ネ」
アーチャー「…どうしてそう思う?」
金剛「archer、人を殺した眼してないネ!人を殺したら顔を見てなくても精神がオカシクなるネ!!」
アーチャー「…さすがは元軍艦だな…」
金剛「伊達にいろんなsoldier見てないネ!archerなんでそんな嘘を…」
アーチャー「…嘘じゃないんだよ」
金剛「…え」
アーチャー「嘘じゃない、守護者になるとオレの意思とは関係なくオレの技術で人を殺める……どんなに拒もうと手は鈍りすらしない……文字通り兵器と変わりないのさ……オレはね……」
金剛「………坂上とarcherが同じって言ったネ?……なんでarcherはあのマキナを壊すとき泣いたネ!?」ギリッ
ザーッ……
アーチャー「…オレはもう泣けないよ、そんなもの……とっくに枯れた………ただ、君がそう思うなら…あのマキナへの謝罪と……少なくとも同情はしたんだろうな……アイツに…」
金剛「…マキナに悪いって思う気持ちはわかるネ!?けど、あんな最低なヤツのどこに同情する余地があるネ!?」
アーチャー「…守護者になろうとする者には共通することがある、一部を除き、彼、彼女らはな…」
アーチャー「…誰か、他者を、あるいは自身の感じる世界を救うために、この地獄に落ちて来るんだ……」
金剛「….救うため?」
アーチャー「……ああ、奴が願い、祈った、モノはわからない、ライダーの、坂上の作ったマキナの創造の理念にはそれしか無く、既に何を救うかさえ混濁し、狂気して歪んでいる……」
アーチャー「…だからこそ、奴と私は同類なんだ、救済を求め、守護者に落ち、磨耗し尽くして………祈りを無くした守護者の成れの果てだ…」
つっこんじゃったし、確かめてきた
英霊 生前偉大な功績をあげ、死後においてなお信仰の対象となった英雄がなるモノ
反英雄 人々に憎悪されること、その悪行が結果として人々を救う事、悪をもって善を明確にするモノ。
呪われる対象でありながら、奉られることになった救世主(省略)...せいぜい悪でありながら善を行ったモノ止まりである。
アサシン、アーチャーがこれに該当する
守護者 英霊には(省略)...信仰の薄いものは"守護者"という大きな分類に含まれ、意思のない"抑止力"として行使される
fate/sn vita用語集 英霊、反英雄の項目より
ssに細かくグチグチ言っちゃ駄目だろうし>>1のなかで設定とかプロットとか出来ちゃってるんだろうけどちょっと譲れなかったので
スレ汚し失礼しました
>>1です。
すいません、ご指摘ありがとうございます。
ただいま引越しでドタバタしておりまして、返答が遅れました、申し訳ありません。
>>435様の仰る通りでございます。
正直に言いますと誰も考察なんてしないだろうなぁ、とか考えながら狙ってみたのですが、すいません正直読んでくれる方々を甘く見てました、ありがとうございます。
若干、ってよりほぼ、全部ネタをバラすのですが、
このssで召喚されてるアーチャーは真名はもちろん〝彼〟なんですが………
こんな設定「ざけんなゴラッ!!」とか言われかねないのですが、
彼は『fate本編のヒロイン三人+数名』と生前デートした経験があります。
完成した形や座に登録された名前は同じですが、過程が若干違います。
同様にこの話のライダーも本来は〝正規の英霊〟です。
気持ち悪い話をしてしまいもうしわけありません。
ザーッ…
アーチャー「…これが私が坂上を同類と呼ぶ理由だよ…」
金剛「…そう、archerは…坂上が私たちを憎む理由がわかる?」
アーチャー「…」
金剛「…その〝創造の理念〟でわからないの?」
アーチャー「……ねじ曲がってるとも言ったはずだが?」
金剛「…わかることだけでも聞きたいネ!」
アーチャー「…奴が憎んでるのは〝君ら〟じゃない、君らはたまたまアイツの求めた条件に合致しただけだ…アイツ、坂上と呼ばれるライダーは〝今〟……少なくとも日本の時代で言うところの〝江戸〟それの後期以降からのすべての世界を憎み、日本を救おうとしてる」
金剛「…?何を救いたいかわからないくらい歪んでるって言ったよネ?」
アーチャー「…君は日本と言う括りだけを救いたがる人間がいると思うのか?」
金剛「……日本の中の何を救うか?………………ああ、憎んでるのは世界…日本も含んでるネ…加えて日本の艦娘である私たちをあんな目に合わせた……矛盾してるネ…」
アーチャー「…そういうことだ…だからヤツが今何を考えてるか私にはわからないし、同類であっても同じでは無いんだ…だから、金剛?君が懸念してるように、私は君らを壊さないよ」
金剛「むっ!archerこっちの心を予測するのは良いけど、そんな歯がflyするセリフはノーネ!!ほ、惚れちゃうネ!」///
アーチャー「……君ら、君をを守ると誓ったからな…」
金剛「…もー!!archerちょっと!止めるネ〜!!」///
デレデレ…
アーチャー「……なぁ、金剛?」
金剛「ん?どーしたネ?archer?」
アーチャー「…私は殺人兵器だと告白したんだが…君が思うようなヒーローでもないと告白したんだが?」
金剛「どちらかといえばLOVEな告白して欲しかったデース!!」
アーチャー「…こんな私に君は、君たちは、まだ、守って欲しいか?救いを求めるか?」
金剛「Yes!!!」
アーチャー「…私は、坂上には及ばないまでも…いやヤツ以上にイカれてるような奴だ……ルーラーに聞かされたんだろう?」
金剛「Yes!!archerは正義の味方になる為にいっぱい悪い人や、多数の人の邪魔になる人を殺したんだよネ?」
アーチャー「ああ…そうだ」
金剛「…知ってるネ…archerが好きになった女性は死んだか………archerが殺したんだよネ?…これが言いたかったんでしょう?」
アーチャー「……………昔、私が英霊になる前、まだ少年の時期、聖杯戦争で未来の英雄になった自分に会った…」
金剛「……会って、archerはこう思ったんだよネ?………『ヤツの正義は…』」
アーチャー「『完璧じゃなかった』……ルーラーめ、どこまでお喋りなんだ……そうだ、私はそう考えた…」
アーチャー「『100名を乗せた船と101名を乗せた船が沈没しそうで、どちらかしか助けられないなら100名の船を沈めて101名を助ける』、『資源が枯渇して、戦争が起きれば少ない方を速やかに全滅する』、『世界を破壊する災厄がいるなら、例え親類や恋人でも殺す』………私があった未来の自身の英雄も生前の聖杯戦争で未来の自身の英雄にあったそうだ……バカバカしいと思ったよ、そいつがさっきの三つ問うて、私はさっきの三つを返したんだ…『ならば死ね』、いきなり剣で、斬りつけられたよ…あの時点で死ぬのが最善だったと今でも思う…」
金剛「……archerは武器を見て、その人の記憶も見れるネ?…自分のは見れなかったノ?」
アーチャー「……いいや、たっぷり見たよ、むしろアイツは見せたんだと思う………アイツが、そして前の未来の自身の英雄が辿った足跡を…正義に徹しすぎたがゆえに失敗した初めの私、それを見せつけられ〝彼女〟と供に歩み彼女を助ける為に失敗してしまった次の私…………だが、それをまざまざと見せつけられても、あの時の私は技術を盗むだけ盗み、未来の私を殺した、だけだった…」
金剛「…どうして?」
アーチャー「…前提が違ったんだ、前の二人は、私の父…義父が瀕死で義父の正体を知らず、〝自身の思い描く正義の味方〟になった、だが、私の義父は生前は現役でね、義父と彼の助手の女性と供に世界を駆けて、殺して殺した殺しまくった、目の前で〝完成した究極の正義のあり方〟の解答を早々に得てしまった……解答を早々に得てしまったおかげで義父も彼の助手も…私が始末することになったがね…」
金剛「……archerは悲しく、なかったんだよネ?」
アーチャー「…ああ、死体は気付いたら簡単に処理を終わらせていたよ…行き場がなくなってそのまま義父が過去に使用した物件の一つを寝ぐらに義務教育と日本における最低限の学歴くらい持とうなんて……なにを考えて、あんなことをしたのかな………あんな血も涙も無いブリキの人形が平和な学生に混ざるなど……吐き気を超えて、恐怖すら覚えるよ」
金剛「…昔の自分にそこまで言わないほうが良いヨ?」
アーチャー「…これでも足りないくらいだよ…誰にも笑いかけ、誰とも友になり、誰とも恋人になれる関係………意識せずに慈善活動や、他者の命令やお願いを聞き続けた結果と言えば話は速いが、要はランプの魔人さ、願いを叶えてくれるから擦り寄ってくる…だが、そこに私からの親愛や恋慕は欠片もなかった…当時の私は気づかなかったがな…」
金剛「…どうしてそうだとわかったの?」
アーチャー「…簡単さ…やがて、聖杯戦争が始まり、私の友人だった男が自身からマスターだと名乗った、一瞬だったよ…目を開けたら強化したペン先で喉を潰してた、自分の学校の教員がそうとわかると狙撃したし、殺したヤツのサーヴァントが学校の生徒全員を捕食しようとしたら、生徒の命なんて省みず、敵サーヴァントが魔力切れになるまで狡猾に追い回した…おかげで校内の生徒の五分の一が死んだよ…」
金剛「…ほっといたらもっと多くの人が死ぬから?」
アーチャー「…ああ、そういう奴なんだよ私は…」
金剛「…archerのサーヴァントは女の子だったって聞いたネ…好きだったんだよネ?」
アーチャー「…好きだったよ、あんなに美しいと、尊いと思い、一目で恋したのは後にも先にも彼女しかいなかった…」
金剛「……なんで、殺したの?」
アーチャー「…………彼女は古い国の王様でね、自分の国が滅びるのが許せなかったんだ……君もそこの生まれだったか?…イギリスだよ…イングランドの伝説の騎士の王…」
金剛「…king…Arthur?」
アーチャー「…当初は目的も合致していた、『聖杯を手に入れる』、結果として私は『恒久の世界平和の実現』、彼女の願いは教えてくれなかったが、勿論叶える予定だった………だが、戦争が終盤に近づくと彼女の願いを聞いた『滅びたブリテンを滅びさせないために別の王の選定』…………表面では称賛したよ、『ならば君となら勝ち残れる』とも言ったか……裏側では一撃で首を断つ準備をして、6体目のサーヴァントを倒して疲れ切った瞬間、致命傷を加えて、令呪で死なせた……『なぜ?』、彼女は私の本質を理解してたんだろうな…『君が歴史を変えると、オレが救う世界が無くなるかもしれないだろ』……そう言うと、『あなたを愛していたのに…』と言って笑いながら消えていったよ………今でも理解できない、あんなに尊いと、愛すると思った彼女をなんであんなに無惨に死なせたのか……」
金剛「…けど、archerは生き残り、負けたんだよね?」
アーチャー「…ああ、8体目のサーヴァントに殺されかけ、残った彼女の残滓で命を繋ぎ、8体目とそのマスターが聖杯の前で油断してるところを彼女の聖剣で聖杯ごと薙ぎ払った………笑えるだろう?自分で死なせた、自分を愛してくれた女性に命を救われ、命を繋いでもらい、勝利を貰ったんだ……ふざけてるにも程がある…」
金剛「……死ねば、良かったのにネ?」
アーチャー「…やっと理解したか、そうだ私は」
金剛「…だってその後苦しんだから、悔いたから、今のarcherに、多分、前の二人のあなたと同じように……なったんだよネ?」
アーチャー「…聖杯戦争が終わって、私の目的は『世界の平和』から『完璧な正義の行使』に変わっていった……さっきの解答どおりだよ…そう、それを実演し続けた、前の彼らは大衆に脅威を抱かれたがゆえに消された、ならば大衆の声や思いをキチンと汲み上げ、応じつつ、敵は私だと完全にわからないように周到に、事故死や病死に見せかけたよ……」
金剛「…卑怯者、だと思わなかった?」
アーチャー「…私の魔術の師になってくれた憧れてた彼女が、私に脅威を抱き返り討ちにされ殺される直前に言ったよ……」
『アイツはあんたより完璧じゃなかったかもしれない!!でも今のあんたよりよっぽど強くて!正しかったわよ!!』
金剛「…その人は強かったんだネ?」
アーチャー「…返り討ちにしたつもりが逆に心を、精神を崩壊させる見事な一言だったよ………文字通り、壊れたよ………正義を履き違えた、私の自己満足を修正すべく足掻いて、足掻いて、足掻いて…前の二人の記憶を頼りに一から組み立て直し、彼らを何度も、何度も壊れた人格を組み上げて、行動、生活、過程すべてを辿り歩み、そしてまた誤差を感じれば、一から人格を組み立て直す……そしたらいつの間にか…絞首台の底が抜けてたよ」
金剛「……」
アーチャー「…死後の事は、想像がつくだろう?…以上が、私というサーヴァントの本質だ、贋作の贋作の失敗作、そら、イヤになったろ?」
ホロ……ホロ……
金剛「wow!!?Snowネ!!」
アーチャー「…おい、ちょっと…」
金剛「今年はwhite Christmasどころか深海棲艦千体をarcherやあの子らと殲滅するBlack Xmasだったから、New yearくらいは雪でイイネ!!」
アーチャー「……君を護ると誓った者が、どれほど滑稽な男かわかったら、会話もしたくない、というわけか……そう、それでいい…」
金剛「…ふぅ、違うネ…archer、今日忙しかったからって私たちの『世話イヤになりましたオーラ』爆散させられても困るネ!!」
アーチャー「……別にイヤになった覚えはないが…」
金剛「…おおかた、『彼女たちが私に尊敬や親愛を向け過ぎて居たたまれなくなった』とかネ!!バーカバーカ!!」
アーチャー「なっ!?違う!!私はそんな気持ちでこんな話をしたんじゃなくてだな!!あとバカ言わない!アホな子に見られるぞ!?」
金剛「うっさいネ!!ヘタレarcherなんかに淑女でいてやる意味無いネ!!」
アーチャー「さすがに……今のは用法がおかしくないか!!?君が常に淑女かどうかまず疑問だし、だいたい私はヘタレでは!!」
金剛「Sharappu!!黙るネ!!」
アーチャー「ッ!!?」
ホロ…ホロ…
金剛「今、archerが手に持ってるapron一緒に探してくれたのは誰デスカ!!」
アーチャー「…わた」
ホロ…ホロ…
金剛「今、基地で待ってるあの子達が今年の終わりを迎えられるのは、誰が助けたからデスカ!!」
アーチャー「…それは」
ホロ…ホロ…
金剛「…今、あなたの前にいる、私が……恋したのは…誰デスカ?」
アーチャー「…」
ポロ…ポロ…
金剛「…多分archerが昔やった事は消えないし、許されない事ネ?」
アーチャー「…ああ」
ポロ…ポロ…ポロ…
金剛「…でもネ?頼まれもせずに私たちを助けたのは…あなただよ?」
アーチャー「…そうだな」
ポロ…ポロ…ポロ…ポロ…
金剛「…贋作の贋作の失敗作でもイイヨ…だって知らないネ、あなた以外のあなたは、だからあなたが私にとってのホンモノネ!!」
アーチャー「…」
ポロッ…
金剛「…そんな、自分が…まだ許せないなら、ひっく、私が救われてあげるから、とっとと、ひっく……本物になっちゃうネ…」
アーチャー「…だから、なんで泣くんだ…」
ホロ…ホロ…
金剛「うるひゃいネ……大好きな男の人が辛かったら、泣いちゃうのが女の子ネ…」
アーチャー「…世紀単位で生きてるのに?」
ゴスッ!!……ホロ…ホロ…
アーチャー「…すまない」
金剛「…ん、わかったら、次そんなフザケタ事とヘタレタ事言わないネ!!約束!!」
アーチャー「…わかった」
金剛「うん、じゃあarcherの〝お願い〟を私が聴く版ネ!」
ビクッ!!
金剛「…archer?なんでビクつくネ?」
アーチャー「…あ、いや、そのだな、さすがに、今の空気で頼む事じゃないな……私がマトモにできそうにない…」
金剛「…?肩もみ?肩たたき?」
アーチャー「…なんで、そんな父親定番のモノを私が頼まねばならん」
金剛「…ああ!!わかった、腰ネ!使いすぎは良くないネ!?」
アーチャー「何にだ!?とゆうか、そのような性的な本番行為は君らにしてないとアレほど!!」
金剛「…この前夕立が風呂でdeepなkissされたらしいネ…?」
アーチャー「…いや、その、アレは…ちょっと寝ぼけて…」
金剛「…あー!!もう!まだるっこいしいネ!!」
〝令呪をもって命ず!!archerのやりたい事を私にするネ!!〟
アーチャー「っ!!?な、なんで君が令呪を!?ってかそんな命令は危なっ」
バッ!!
金剛「…へ?」
チュ!!
金剛「…ングッ!?ヂュ、ン、ンゥ!?ン、ん、れぉ……プハッ…ハァ、ハァ…!?…?…あ、archer?」///
アーチャー「はぁ、はぁ、はぁ…」プイ
金剛「こっち向くネ!!」
アーチャー「…す、すまない…」
プルプルプルプルプルプルッ!!
金剛「こ、このBeastォォォオオオオ!!!!この世から駆逐してやるネェェェェェェエエエエエ!!!!」//////
ガチャン!!
アーチャー「…あ、これだけは言わなきゃな…なんでさ!!!!??」
ドンッ!!ドンッ!!ドゴッーン!!
ホロ…ホロ…ホロ…
ドンッ!ドンッ!ピギャァァァァァア!!
ゴロゴロ…ムニャムニャ…
金剛「…んぅ…ウルサイネ…」
ドンッ!ドンッ!プギャアアアアア!!
金剛「……?…?…んぅ??」
プギャアアアアア!ピギャァァァァァア!
ガバッ!!
金剛「…わ、whats happen!!?な、なんですカ!?WW3勃発ネ!?」
大鳳「いいえ、あの子達が深海棲艦と〝引き続き〟交戦してるだけですよ」
金剛「…大鳳…さん?…あれ?ここは?私archerとデートから一緒に帰って…」
…ヒュ……ドゴーンッ!!
コレデオワリダー……ッポイ!!
ユウダチ!!ゲンキアリアマッテルナラ、クチジャナクテカラダウゴカセー!!
大鳳「…はぁ…何ヶ月前の話ですか?…今は七月の半ばですよ?そしてココは軍から拝借したイージス艦の中です」
金剛「…ハイ?」
大鳳「…まぁ、記憶全部飛んでないだけまだマシですかね?…あなたは深海棲艦と交戦中に頭に一撃喰らって気絶、大破したんですよ…覚えてませんか?」
サスリ…サスリ…
金剛「…ぁう!!い、痛いネ!?……え!?そ、そんなのウソネ!?まだ年越しのガキ使やお年玉やバレンタインや、いろいろ、してないネ!?」
大鳳「…はぁ、それ禁句ですよ?」
金剛「…な、なんでデスカ!?」
ガン!ガン!ガン!!…
プログラムアームズ!!ホワイトラビットブタイジュンビカンリョー!!
スズヤ!!ワタシガイイトイッタラウテ!!
オーケーアニキ!!イッケーウサギブタイ!!
大鳳「…年越しして、元旦の次の日……軍部からマキナが一部を残して失踪しました…その次の日から、向こう三ヶ月ほぼ休み無しで、私たちは深海棲艦の討伐にあたってます…」
金剛「………そ、それじゃ、バレンタインも…」
大鳳「…ホワイトデーに一方的にお父様に貰っただけです…」
金剛「……お、お雛様は!?」
大鳳「…甘酒かっくらって夕立ちゃんが酔っ払って基地大破させて、交戦しながら基地を修復しましたっけ…」
金剛「…梅雨のしっとりイベントは!?」
大鳳「………あの…あなた覚えてますよね?しかもこのクソ忙しい三ヶ月間まともにお父様とおいしいイベント起きなかった私に対する当てつけですよねぇ?それ!?」
ガチャ…
金剛「ちょ!?ちょっと待つネ大鳳さん!?いきなり艦載機こっちに向けちゃダメネ!?」
大鳳「……まぁ、とりあえずそれも今日で目処が立つみたいですけどね…ほら、窓から海見えますか?」
ヒュー……ドゴンッドゴンッ!!
ヨッシャーキタカミサマガラストセンメツシマシタヨット!!アチャニィホメテ〜!!
……タワケ、ツギガラストダ…
金剛「……ナニコレ…」
パチッ…パチッ…パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ……!!
大鳳「…索敵機とレーダーに間違いはなかったみたいですね…」
金剛「…海面…違う、海の底に…な、なんですか!?海一面の底から……タクサンの眼が!!?……っ!私もイクネ!!」
大鳳「…当たり前ね!!」
……………………………………………
アーチャー「全く、マキナどもが失踪したおかげで私たちが数ヶ月に渡って連戦させられた挙句、こんなモノを相手取らねばならないとはな……………〝深海神姫〟…この群れの女王、軍の奴ら、一度も姿を見ずに姫(ひめ)とか名付けたらしいぞ?」
ザッパーン……!!
夕立「そりゃ、雑魚が魚雷で強いのがだんだん人型になってくなら…」
鈴谷「どう見繕っても、顔だけは超綺麗な可愛いのは確定してんじゃん!?」
アーチャー「…のわりには、やけにデカいみたいだがな!?」
北上「…アチャ兄さんや〜、解析結果言うよ〜、まず全長15kmくらい、上半身が女で、下半身が……うっわぁ……なんか、蜂の巣?蓮の種?みたいに蛇みたいに長い身体に穴と眼がブツブツあって、色んな深海棲艦がそっから湧き出してる……キッモ…」
ザバーーーーーーーーーーーッ!!!!!ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ…
アーチャー「…なるほど、巣であると同時に母艦でもあり…おまけに余さず火器を積んでるわけだな……一撃も貰うな!!一発で死ぬぞ!?」
「「「了解!!」」」
夕立「…って、ぽい?あれって…」
シャーッ…!!
金剛「…sorry!!遅れたネ!!」
鈴谷「金剛さん、休んでたほうが良いよ?頭撃たれたんだし…」
大鳳「…まぁ、海域のボス相手に黙って寝てたらそれこそ艦娘の名折れですしね?」
北上「………ってより、これ相手に何もしなかったら死ぬまで夢に出そうだよねぇ……」
アーチャー「……来るぞ!!ガールズトークは後にしろ!!」
ガガガガガガガガガガゴガガゴガガガザガゴゴゴカ…!!!
アーチャー「…っちぃ!!開幕の艦載機と雷撃の雨は私が撃ち落とす、君らはあのデカブツに弾をお見舞いしてやれ!!」
夕立「夕立は、まずはあの可愛い上半身に付いてる6本の腕をそぎ落とすっぽい!!」
北上「私は…とりあえず下半身側のナマコ?蛇?みたいなキモい方をズタズタにしなきゃだから、鈴谷、大鳳さん!!手伝って!!」
鈴谷「…ぅげ!?あの蓮コラみたいな下半身を相手にすんの?キッモ!!」
大鳳「ハイハイ…だから私たちが毛穴に爆撃をして塞いであげましょう!!つまり爆撃パックです!!」
北上「毛穴?」
金剛「OK!!meは夕立の護衛に着くね!!それでは皆さん!!開戦ネ!!」
オーッ!!!!
深海神姫『ピギュアアアアァァァァァアァァァァァァ!!!!』
ドガガガガガガガガッ…!!!!
ドン!!ドン!!ドゴンッ!!
ザッパ〜ン!!
夕立「……さて、ここで問題っぽい、〝夕立がこの爆撃で起きてる津波に飲み込まれたらどうなるでしょうか?〟…ハイ!金剛さん!!」
深海神姫『ギビィイアアアアアアアアアアアアア!!!』
金剛「ふざけてないで速く私の影に隠れるネ!!…っちぃ!第一防壁ファンネル全機撃ち落とされたネ!第二防壁システム、〝異能再現機構〟イージス・『全方捻じ曲げる黒白の偽翼(ベクトル・アクセラレーション)』ベクトル反射継続起動!!……続けて第三防壁システム、〝宝貝(パオペエ)再現機構〟!!イージス・『陰陽流転・太極の偽界(たいきょくず)』起動!!」
ブシュゥゥウウ!!バサッ!!バサッ!!
シュンッ……
ガガガガガガ……ガ…ガ……ガ。
深海神姫『ガァッ!!?』
金剛「…第三イージスは〝武装の攻性Energieを強制的に剥奪し、使用者に還元する〟…これでyouの銃器は死んだネ」
アーチャー(本家から離れ過ぎたが…むしろ成功したパターンだがな……てか、さすがに本家のアレは無理…)
深海神姫『ギヒッ!!ァアアアアアァアアアアア!!!』
ヒュッ………
金剛「っ!?ベクトル反射!!」
……………ドッゴォォォォオン!!
夕立「…あーあ、だから言ったっぽい、無力化したら次は巨体を活かしたステゴロになるって丸わかりっぽい!!」
金剛「っう〜!!ビリビリ体にキタネ〜!!あと、言ってないし、完全に返せなかったネ!!……わかっててやったに決まってるデショ?」
ザッパ〜ン…!!
夕立「…まぁ、さすがに、上半身側くらい弾撃つのやめてくれないと…」
ヒュン、ヒュン、ヒュン…ガガガガガガガガッ!!
イ級×数万「「「「「「「…ギヂッ!」」」」」」」
金剛「…下半身からワラワラでてくるbabyに喰われるネ!!夕立!撃つネ!!」
夕立「さーて、夕立の魚雷は何発あるっぽい?」
ギリギリギリッ…ヒュン
イ級×数万「「「「「ガビッ?」」「ガッ!!?」「「「ガァ!!!」」」」」」
アーチャー「…猟犬の群れに喰われろ…『赤原猟犬』!!」
ヒュ………ガガガガガガガガガガガガガガガガガ……!!!!
金剛「…あいかわらず、良い仕事するネarcher!!」
夕立「…パパ〜!!終わったら処女あげるっぽ」ズドンッ!!
アーチャー「…すまない、海中から雑魚が顔を出してたんだ……ところで夕立、『可愛い上半身の六つの腕を削ぎ落とす』んだろう?」
夕立「…うん、そうね、金剛さん、さっきの答えね?それは…」
ヒュ…ドッゴォォォォオン!!
深海神姫『アハハハハハハハハッ!!』
金剛「っ!?ゆ、夕立!!!?」
ニコッ…
深海神姫『アハハハハハハハハ………………………………ェ』
ニコッ…ニコッ…ニコッ…ニコッニコッニコッニコッニコッニコッニコッニコッニコッニコッ…
「宝具名『私の正義のための汚らしい行為(Dirty Deeds Done Dirt Cheap=ダーティ・ディーズ・ダン・ダート・チープ )』」
金剛「…ゆ、夕立がいっぱい!!?」
アーチャー「…はぁ、やはりそれか、使うなとアレほど言ったのだがね…」
ドジャ〜ン!!
夕立「「「「「「「さて?ナプキンを取るのは誰っぽい?」」」」」」」
深海神姫『ゥギャアアアァアアアアアアァアアアアアアァアアアアアアァアアアアアアァアアアアアアァアアアアア!!!』
ズドンッ!!ズドンッ!!ズドンッ!!
夕立「ふふふ、今の内に腕を一杯振っておいてね?…すぐになくなるから…『機・殺戮女王の模爪』封印……そして、世界は…」
「…加速する」
ッチ…….…………………………
深海神姫『っ!!?』
金剛「…?あれ?あんなにいた夕立は!?」
アーチャー「…ふむ、上半身は終わりか…」
金剛「…え?」
パシャッ…!
夕立「…ふぅ…」
金剛「!?ゆ、夕立!?どこ行ってたネ!!?」
夕立「…ふふん、ちょっと〝ミンナで〟あの子を引っ掻き回してただけ……スリー」
深海神姫『ガッ…』
パキパキッ…
金剛「…!?」
夕立「…ツー」
深海神姫『ギッ…アッ…』
バキバキッ…
アーチャー「…」
夕立「ワン!!…宝具『故に、私のための壊れた未来の扉は開く(メイド・イン・ヘヴン)』は〝発動と同時に取得した膨大な加速時間を爪で切りつけた相手の一部分の内部にだけ貸与し、強制加速させる〟…腕と顔以外上半身全部引っ掻き回したっぽい…後は…」
深海神姫『あ…』
グキョ、バキバキバキ…!!
夕立「…ゼロ…頭と腕以外は老いて、朽ちて、腐り果てる…っぽい!!」
ズッドォオオオォオオン…!!!
金剛「…っ!?な、なんてエゲツない技ネ!?」
アーチャー「なるほど、腐った体から腕が自然折れてに落ちてるから間違ってはいないが………しかし、深海棲艦とは言え乳房が垂れて萎れて、腐るライブ映像は堪えるな…」
夕立「ダイジョーブっぽい!!パパには永遠に垂れないロリパイが嫁に行くっぽい!!」
金剛「…はっ!!まさかそれを見越して、夕立なんて恐ろしい子!!……なーんて許しませ〜ん!!子供のオッパイじゃナスもキノコも挟めないデース!!つまり夕立のオッパイに需要は皆無ネ!!」
夕立「…ふっ、残念っぽい」
グイッ!!
金剛「な、なんですっテーー!!ゆ、夕立、あなた…む、胸にゴーヤを挟んで戦ってたデスカ!!?」
ドーン!!
夕立「…ふっ、挟めるんですよ、夕立はね!!大鳳さんじゃないっぽい!大鳳さんじゃね!!夕立!挟めるっぽい!!」
金剛「…くぅ、まさかそんなにあったなんて、寄せて上げるPower恐るべし!!」
………………………………
アーチャー「…いや、ゴーヤ挟んだまま戦ったら痛いだろ………はぁ、まぁ、彼女達も疲れてる証拠か…」
ズズズズズズズ……!!!
アーチャー「…さて」
ガチャン….…!!
アーチャー「…投影、装填(トリガー・オン)……君には私の眼を預けたんだ……」
ギヂギヂギヂギヂ…
アーチャー「…さて、トドメの準備は必要かな?」
「全工程投影完了(セット)…」
大鳳「…くしゅっ!!」
鈴谷「…ありゃ?大鳳さん風邪?」
大鳳「…多分噂ですね、夕立ちゃんが私をバカにしてるんですよ…」
鈴谷「なんでわかるかわかりませんけど、どうします?処す?処す?」
大鳳「まぁ、処すんですが…それよりも…」
ドゴンッドンッドンッ…バッゴッーン!!
鈴谷「上半身潰したってのに!なんでまだ下半身ビチビチ泳いでんだっつーの!!」
大鳳「はぁ…しかも、これホントに15キロなんですか?鈴谷さんの索敵機で見て回れる範囲全域にこいつの下半身がうねってるらしいんですが…」
鈴谷「…そーだよねー!ですよねー!!オイコラ説明しろ北上!!」
ドンッ!ドンッ!ドッボッーン!!
北上「侘びと寂びの寂びの、五千連装圧縮電子魚雷、発射!!…構造把握、深海棲艦製造プラントと思われる部位8つの内5つ破壊!!…んぁっ!?え?なに?」
バチバチッ…ドンッ!ドゴンッ!!ボンッ!!
鈴谷「なに?じゃねぇー!!上半身潰しても死なないし!挙句には下半身どう見ても15キロじゃねーって言ってんの!!なに一人で楽しそうに決めちゃってんの!?終わるのこれ!?」
ガクガクッ…!!
北上「あう、あう!!肩揺らすな〜!!吐きそうじゃんか〜!!」
大鳳「…そうですよ!戦闘中にそれは危険です!……あー、そんなこと言ってる間にまた毛穴からブツブツと雑魚が…」
鈴谷「ぐえー!!キショイキショイキショイ!!這いながら出てくんな、飛びながら出てくんな、回りながらポーズ決めて出てくんなー!!あー、きっも!!…〝艦載機化宝具〟、プログラムARMS『狂う炎神たる銀の帽子屋部隊(シルバー・マッドハッター)』、『希望運ぶ緑のチェシャ猫部隊(グリーン・チェシャキャット)』、『神剣持つ赤の幻獣部隊(レッド・グリフォン)』!!全妖精さん搭乗!!全機発艦!!」
チュィィン…ジュ…ドッゴッーン!!
ズバババババババババッ…!!
北上「…オイコラ鈴谷?」
鈴谷「…ん?なに?今次の発艦準備で忙し…」
北上「まず、赤とか緑とか銀とか色ついてるくせに揃って茶色っぽい艦載機なのは置いとくね?……テメーザケンナ!!なにあれ!?アチャ兄ちゃんに付けてもらったの!?ものっそい威力の荷電粒子砲やら空間断裂の雨やら音波振動起こしてんだけど!?なんでもっと速くださないの!?」
ブォン…キュガッ…ズガガガガガガガガガガガガガガ…
鈴谷「…いやー、なんか上半身組や兄貴やあんたに任せとけばいっかなーって思って………テヘペロ?」
コツンッ
北上「なーに、某飴の看板娘の顔真似してんだよー!しかもスッゲェ似てるしー!!大鳳さんコイツ、ヤッチャイマショーヨ!!」
大鳳「…それより、深海神姫の全長はホントに15キロなの?あなたやそこの〝腐れビッチJK〟の猛撃食らって切り落とされた筈なのに、まだ15キロ以上あるように感じますよ?」
深海神姫『グチユ…メチュ……』
北上「ちょい待ってね〜…あー、なるほどね」
妖精さんD(シルバー・マッドハッター搭乗)「…みるもでぽん!みるもでぽん!みるもで〜ポーーン!!あひ〜…ラリってるです!!タラちゃんラリってるです〜!!」
鈴谷「どうなってんの?……ってちょい!?妖精さんの中にDが!!大鳳さん!あれ今日は大鳳さんの受け持ちでしょ!?」
大鳳「知りませんよ、あなたのパンツに蜂蜜塗ってたら勝手にあなたの部隊の子と入れ替わってました…」
北上「…上半身、頭がぶっ壊されて、下半身に元々あった副脳が再生放棄して海底の資源使って成長?進化?してんだよ、『今のスペックじゃ勝てないから再生とか良いから進化してやるぅ〜』って感じかな…」
大鳳「…進化の方向性は?」
北上「…そうだねぇ、今のあいつは〝無限に深海棲艦を生み出す要塞空母〟なわけだけど、その能力が少しづつ減衰していって……私たちの戦闘経験を吸収させながら、多分〝最強の深海棲艦〟でも作ろうとしてんじゃないかな?姫や鬼とかそれ以上の…」
大鳳「…なるほど、完成したら?」
北上「…間違いなく、今より厄介、かな!?…大鳳さん、鈴谷!!特上の一発ぶち込むから、できるだけ雑魚間引いてあたし守って?」
鈴谷「…!?オイ!さらっとフィニッシュ持ってく宣言するな!!雷巡と空母は開幕雑魚チラシでしょーが!!夜戦くらい重巡のオネーサンに譲れー!!」
大鳳「…あなた航空巡洋艦ですけどね…さて、では北上さんに期待して……宝具『魔女型・模倣妖精人形部隊(イミテーション・ストライクウィッチーズ)』、501部隊から508部隊まで、全機本体は一切無視、雑魚と這い出てきた姫や鬼クラスの深海棲艦を沈めなさい!!」
ガチャ、バシュ…ボッ……シュン!シュン!シュン!
鈴谷「…な、なにその艦載機!?新しい妖精さん!?ちょ!!兄貴!こんなかわいーの作れるならあたしにも作れー!!」
大鳳「…ふふ……あ、ちょっと!ミオ!ミーナ!!イチャつかない!!……ってこらー!!マルセイユ勝手に独走しない!トモコは乳揉まれてないで部隊指揮しなさい!!」
深海神姫『ぐちゅ…ごちゅ…ぐぽ……』
北上「…うわー、ちっこい人形がメッチャじゃれ合ってる…大井っちよりヒデー」
妖精さんD「クピピッ…!!マジュマロ食べたいマジュマロ食べたいマジュマロ食べたーい!!」
鈴谷「…あかん、Dのやつ!!無線開きっぱなしで変な電波垂れ流してる!!」
…………………………………………
アーチャー「…無線で叱ったほうが…いやいや、見守るんだ!我慢だ私!!……彼女にはあの〝弾〟を託したからな…」
………………………………………
北上「………さーて、そうそう、どんどん雑魚落としてね〜、そうすればこの〝弾〟は強くなるから、一撃で終わらせますかね〜、っと、アチャ兄ちゃん…今時ワルサーを艦娘に持たすなよ…装填…起動詠唱っと…」
〝怒りの日、終わりの時、天地万物は灰と化し…〟
鈴谷「…南方棲姫やら湾港水鬼やら、わらわらと…一昔前だったら第一艦隊のお姉さま方にお任せにしてたのを相手どれるなんて出世しすぎたかな!鈴谷さんはぁ!!プログラムARMS『神屠る槍持つ水心の騎士(ナイト)』発艦!…一機しか無いけど、あんたらの対空砲火で沈められるかな!?」
バシュ…ザシュ!!ザシュザシュ!!
大鳳「…ビーム翼広げて飛ぶ艦載機って…負けてらませんね…」
〝王と巫女の予言のごとく砕け散る…〟
〝例えどれほど戦慄しようと、断罪者が裁き、一つ余さず燃えさり消える…〟
北上(…出力40…50…聖槍の模倣による呪界発生……及び、世界改変発生…)
ゴゴゴゴ………
大鳳「手を緩めないで!!ミオ!烈風斬発動!!空母棲鬼五体まとめて斬りはらいなさい!!雑魚は505から507が!!鬼、姫は501から504で分担!!」
ミオ「…!」
ズバッシャァァア…!!!
鈴谷「…こっちこんなゴテゴテしてんのにぃ……って!な、なにあれ!?下半身の先っぽが海面に出てきたじゃん?…うわっキッモ!!触手?タコ!?タコじゃん!?しかもまた蓮コラだしぃ!!蓮コライソギンチャク!?蓮コラタコ!?もー!やだ〜!!」
深海神姫『ぐちゅ…ぐちゅ…かちゅ…ぐちゅ…』
〝我が総軍に響くは、終わりなき調べ、始まりの号砲…〟
〝すべからく玉座に集い、裁かれ、灰より蘇る!!〟
北上(…呪界、世界改変双方を分解し、弾に加算……)
北上(…力場発生…発生した力場範囲の棲艦の魂全て収奪、加算!!)
ウネウネ…ビュル!!
ドンッ、ドンッ!!
鈴谷「…ってオワーッ!!?な、なに!?いたっ、いった!!」
大鳳「…触手に逆さ吊りにされて、中破させられるとか、狙い過ぎですね!虫唾が走ります!!」
鈴谷「ちっがーう!!そんなこと、って…ちょ、や、そ、そこ、ら………って、細い触手も蓮コラかーい!!キモいわ感じる前に鳥肌立つわ!!」
触手「…(怒)!!」
グジュ…クチュ…クチュ…
鈴谷「…ぅえ!?ちっちゃい穴からドロドロ液やちっちゃい棘や舌やらいろいろ出てるんですが!?うちの部隊……手が離せないしぃ〜、ちょ!大鳳さんたすけ…」
ゴニョゴニョゴニョ…
大鳳「…え?鈴谷の触手プレイがみたい?丸呑みプレイ希望?…あ、ごめんなさい、うちのウィッチ部隊がね?あなたの悶える姿見たいって…」
ウィッチーズ「…」///
ジーッ……
鈴谷「………おーい!!北上はやくしろ!!いや、はやくしてくださいお願いします!!さすがにToLOVEるは許してもリリスソフトレベルは鈴谷さんでも無理ですからぁ!!」
〝今、天主の許しと慈悲深き者の永劫の死より、黄昏と終幕の鐘がなる!!〟
〝活動(アッシャー)!形成(イェツラー)!創造(ブリアー)!流出(アティルト)!!〟
キュガ!!ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!
北上(…本来の担い手の感情読み取り…完了……担い手の目的〝全霊の発揮〟を条件として、贋作の正当性を補完…)
北上(…これにて装填工程完了、宝具)
〝愛するが故に、壊そう。断崖の果てを飛翔しろ〟
ガチャ…
〝『偽天槍・黄金の獣は何者も愛せない(ディエス・イレ・ロンギヌス・フェルシュング・ラグナレック)』!!〟
ドンッ……………
深海神姫『……?』
…シュゥゥ………
ニィ…
北上「〝なんともない〟って?…あー、この〝弾(やり)〟は速すぎるからねぇ〜、おまけに、喰らったら世界が終わるくらいの呪毒が大量に注ぎ込まれるし、時間や歴史概念的に終わるし、それ以前に絶対に外さないけどね?…だから不思議がらなくていいんだよ?」
深海神姫『…ぐぴ!?』
…………………………シュゥゥウウ!!
北上「…単純に〝世界すらあんたが呪われ、終わり、貫かれ、消失した事をわからなかった〟だけ、だから…………」
深海神姫『くっ…ガァァァァァァァァァァァァァァァァァアァァァイィイィィイ!!!???』
ドッッッッッッッッッッゴォォォォオオオオオオオオ!!!!!!
北上「はい、綺麗さっぱり無くなりましたとさ………見てくれたかな?アチャニィ?」
アーチャー『ザーッ……さすがにやりすぎだ…ザーッ』
北上「ごめーんね?」
テヘペロ、コツンッ
鈴谷「ぱ、パクられたーーー!!」
………………………………………………
アーチャー(………なぜ、殺気をまだ感じる?気のせいか?)
金剛「…す、凄すぎるネ…」
夕立「…あー、パパが作れるには作れたけど色々改変しないと呪われるって言ってたやつっぽい?…たしか、他にも発動に数分くらいボソボソ詠唱やら、自己暗示やら集中がいるとかなんとか…それ以前に変化する構造を常に解析し続けないとできないんだって」
金剛「…つまり男のロマンワザネ?」
夕立「…むしろあんなの持たす意味がわからないっぽい…」
??「あらあら、ホントに倒しちゃったの〜」
金剛・夕立「「!?」」
バッ…!!
アーチャー(……っ!?なんだ!?あの物体は!?)
………………………………
坂上「…ふふっ、俺の艦隊の三分の二も使って作った甲斐があったわなぁ…」
坂上「…さぁて、聖杯戦争は要は〝蠱毒〟だ…壺という世界の中に戦う力、つまり毒を持つモノをまとめて入れて、殺し合わせ、生き残ったモノを別の生物なり、あるいはそれ自体を呪物として使う…人生の縮図にして、弱者を淘汰し続ける進化の縮図だわなぁ」
坂上「…とある世界ではそれは汚らしい悪魔だったり女神だったり、あるいは下らない聖人もどきの玩具になったりしたわけだが…」
坂上「…何もわざわざ、〝英霊〟でやらずとも良いではないか?たかが数百から数万人程度なら、〝そのままの数〟でやらせれば良い…」
坂上「…なら、文字通り、生き残ってる艦娘を放り込み、この世界のすべての深海棲艦が思わず吸い寄せられるエサを用意し、我が艦隊の3分の2、数百万のマキナをただ一つの海域に閉じ込めるだけだ…」
坂上「…まぁ、やつの手持ちと、ある一体だけは残してやったが…どうだろうなぁ?」
坂上「…さぁ、〝キミ〟は誰だ?…」
ザザ〜……
大鳳「黒い……大きな卵?」
鈴谷「……何アレ、やばいって…」
北上「…二人とも近づかないでね…あの卵…アチャにぃの眼でも…」
………………
アーチャー「…読めない、か…なんなんだ、あの卵は…?」
………
金剛「WOW!!龍田ネ!?生きてたネ!?」
夕立「…ぽ、ぽい…」
龍田「うふふ、おひさしぶりね〜金剛さん、夕立ちゃん?」
金剛「今までどこにいたネ〜!?前の提督があんなに探し回ったのに〜!!心配したネ〜!」
龍田「うふふ、その話は後でね〜?」
ザッ!
夕立「金剛さん!!下がって!!」
金剛「ゆ、夕立!?」
龍田「あらあら〜」
夕立「龍田さん!あなたは、こんな戦場のど真ん中で何処にいたんですか!?」
龍田「…」
夕立「…その装備、おそらく改に改造したままの…佐竹提督のとこにいた時の装備そのまま、ですよね…そんな装備で深海神姫の産み出す深海棲艦の群れに対抗するのは無理っぽい!!」
金剛「…ゆ、夕立?久々にあった仲間にそんな事いっちゃNOネ…」
龍田「…鋭くなったわね〜夕立ちゃん、佐竹提督のとこじゃボール投げたら咥えて帰ってくるくらい可愛かったのねぇ…」
夕立「…捨てられてからいろいろ頑張ったからっぽい…それより、質問に…」
龍田「…じゃあ二人とも、そこどいて?」
金剛「っ!?夕立後ろに!」
ザシュ!!ガキンッ!!
夕立「えっ?…こ、金剛さん!?大丈夫っぽい!?」
金剛「つぅ!大丈夫ネ!いきなり斬りつけてくるなんて、頭大丈夫ネ龍田ァ……って…アレ?」
アーチャー「二人とも!!後ろだ、その娘を止めろ!!」
夕立「えっパパ!?わ、わかったっぽい!!」
………………………
龍田「…ざ〜んねん、もう目の前よ〜」
すっ……
龍田「……じゃあ、お寝坊さんのために、卵を割りましょうね〜」
夕立「待つっぽい!!龍田さん!!」
龍田「……ま〜たない、これがお仕事だからね〜………………………………それにね〜、今は、あなた達の苦しむ顔がとっても見たいの〜………だから」
ガキンッ!!
龍田「…産まれておいで、ラストマキナ…坂上提督の完成宝具ちゃん…」
パリッ、ピシッ、パリパリッ……
アーチャー「…っ!!セット!!」
アーチャー(違う、あれは、もはや深海棲艦では無い…今、産まれる前に消す!!)
パキッ、パキパキッ、ピシッ…
「あっ……か……?」
龍田「ふふ、よしよし、でておい…っ!!?」
ガチャン!!!
アーチャー「『之、悪を断つ無垢なる剣(デモンベイン・オーバーワークス・フェイク・バルザイ)』!!!ぅオオオオオオオオオオ!!!!」
ビュオッ…ブォン!!!
北上「ちょ…!?なにあの剣持ったデカイロボ!?」
鈴谷「…いやー、現実感吹っ飛んだわ〜」
アーチャー「…このまま…消えろ!!」
龍田「そんなっ…!?」
「…?……あ、む?……………」
「…………い、や………くひっ」
カチャ……………ズゴンッ!!!
……………………………ちゃぷ
アーチャー「…なっ!?」
鈴谷「………ん?なに?なんか突進してたのが止まった?」
大鳳「……?あれ?あのロボット…」
アーチャー「…馬鹿な」
大鳳「…胸部にあんな、大きな穴ありましたっけ?」
シュゥゥゥ……
アーチャー(私の投影とはいえ、鬼械神を一撃で!?)
龍田「……え?あれ?ど、どこいったのぉ?」キョロキョロ…
アーチャー「……っ!!金剛!!皆を全防壁で防御しろ!!」
金剛「…え、り、りょうか…え?」
ヒュッ…ズドンッ!!
夕立「…ぐっ!!?」
金剛「…がはっ!?」
鈴谷「は!?な、なんか金剛さんたちの下からいきなり水柱?え?魚雷!?」
大鳳「…まさか深海棲艦の生き残り!?」
北上「違うって!!鈴谷、大鳳さん伏せて!!」
鈴谷「…は?」
大鳳「?」
ゴッ………ドォオオオオオオオオオオオオオ!!!
鈴谷・大鳳「「かっ!?」」
北上(っ!……速い…単純に大鳳さんと鈴谷を掴んで海面に叩きつけてゼロ距離で連続100発以上の砲撃…それをコンマ一秒もかけないでやりやがった…!)
ギリギリッ…ビシュッ!!
ヒュン!!
「!!?」
ガキンッ…ドッゴッオオオン!!
アーチャー「あまり、調子に乗るなよ?」
「…こっちのセリフ…です」
アーチャー(後ろ!?)
アーチャー「投影、開始(トレース・オン)!!閻魔刀&リベリオン!!」
バヂッ!!…ガキンッ!!
ギヂ、ギギギギギギギギギギッ…
アーチャー「…ずっ、ぐぅ…」
アーチャー(…この二本の剣が…たかが手刀で…!)
「…よく防ぎましたね?」
アーチャー(…青白い肌、蒼い目、そしてブレード状の羽、間違いなくマキナだが、違う…この指先まで通った膨大な魔翌力と魔術回路、そして神秘性…間違いなく)
アーチャー「………くっ、オオオオオオオオオオ!!!」
ガン!!ギンッ!!ガキンッ!!…
アーチャー「ちぃ!!幻影刀!次元斬!!……くらえ!ショウダウン!!」
ガガガガッ!!ズバンッ!!ガキンッ!!
アーチャー(神造兵器だ…!!)
………………………
金剛「っう、起きたばっかでまた気絶させられるなんて、baddayネ…ううっ、頭痛い…archer、敵はいったい……え?」
金剛「……なんで?」
ガガガガガガガガッ…!!バキンッ!
アーチャー「くっ、投影、開始(トレース・オン)!!斬鉄剣!!」
「…あなたの得意そうな近接戦に合わせてあげてるのですが…」
アーチャー「斬る!!」
チャキンッ…ビュ…
金剛「…なんであなたがそこにいるの?」
「…つまらないです、この船ごと沈めてあげます」
バヂバヂバヂ…!!!
北上「っ!?アーチャー!?衛生兵器!!」
アーチャー「なっ、いつの間に!?」
「…終わりです」
カッ……
金剛「……………大和」
ドッゴォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ…!!!!!
大和?「……………………………龍田?」
龍田「….呼び捨てなんてらしく無いですね〜」
大和?「…帰りましょう、案内してください」
龍田「どこに〜?」
大和「…決まってるでしょう、私の新しい提督の場所へ」
龍田「はい、了解」
大和?「……………………くひっ」
龍田(…暗いなぁ…ここは暗いなぁ…)
…ドスッ…ドスッ…ドスッ…ガシャン!!
佐竹「はぁ…はぁ…フッ!!」
ドスッ!!…ガシャン!!
龍田「げゥ!!」
佐竹「ふぅ、ふぅ〜…おぉ、今日は三時間ジャストか!?いやー、最初の頃に比べて正直になってきたじゃないか?えぇ?龍田よ?」
ポタ…ポタ…ポタ…
龍田「……あら〜、提督に喜んで貰えるなら艦娘としては喜ばしいわ〜…」
佐竹「そうだろう!そうだろう!そうだろうなぁ!?いや〜最近何かと運動不足でなぁ…ああ、いや腰の運動は頻繁にやっとるからそうではないか?うむ、なんというか…そう!!マキナ部隊が優秀でなぁ!?任務達成率は百パーセントだし、静かだし、なんでも素直に聞くんだよ」
佐竹「いや〜、《旧型の欠艦ども》とは違ってなぁ、なんというか、怒る理由が無くてなぁ…ああ、つまりだ?たまーにこう、怒っておかんと、ほれ?私もいちおう軍属じゃし?ボケてはいかんからなぁ?」
ドスッ!!…ガシャン!!
龍田「……はい、そのとおりよね〜」
龍田(…天龍ちゃん元気かなぁ〜…)
ポタ…ポタ…
佐竹「ふぅ…いやぁ、それにしてもやはりイラつくよなぁ、龍田、お前の顔はさ?見てるだけで、こう、ほれ、ムカつくからなぁ…フッ!」
ドスッ!!…ガシャン!!
龍田「…」
佐竹「ふぅ、ほどよい柔らかさの腹、胸、顔…これを直接触れず、誇りにしてるであろう戦闘に使用していた服の上から、抵抗できないように手だけを鎖で縛り、上から宙吊りにして…フッ!!」
ガッシャーン!!
龍田「っ!!ゲボッ、…ゲホッ、オエッ…!」
ビチャビチャ…ガクッ…
佐竹「殴る。……いやー、坂上どの、サマサマじゃわいな?少し前にこんな事したら、お前ら、ほれ、基地内でも平然と砲撃してきたろ?…あれ、ホントに嫌いでなぁ〜、ただでさえ女は三人集まれば喧しいのに、殴って黙らせられなかった私の苦悩よ?……殴ってはいけなかったから《肉体奉仕》だけで済ませようとすれば、またあーだ、こうだ煩いし…なぁ!!?」
ゴスッ!!
龍田「あぅ!?」
龍田(…あは、今天龍ちゃんの夢見れた〜…)
佐竹「貴様?上官のありがたいお言葉の途中に居眠りなど!!なっとらん!!」
ドスッ!!ドスッ!!
龍田「かひっ、ぇご!?」
佐竹「なっとらん、なっとらんのだ!!ほれ!!この、拳はぁ!!」
ドスッ!!ドスッ!!ドスッ!!ドスッ!!ドスッ!!
龍田「ヒュー…ヒュー…ヒュー…」
ぐいっ!
佐竹「貴様らの汚い根性を血と一緒に体から叩き出す提督からのあつ〜い愛情なの〜…………だ!!!」
ガッシャーン!!!
龍田「…」
龍田(…てんりゅうちゃん、あれ?誰だっけ?)
キィ…キィ……
佐竹「…ふぅ、貴様だけ残しておいて良かったわい…どぉれ?…口、鼻から出血よーし、右耳、左耳、出血よーし…よしよし…おぉ、龍田よ?これも愛情なんだぞ?みんな処分した中、お前だけはわしの書記艦だから残したんだ…最初にあった時から気に食わなかった貴様のその態度も私が見捨てずに矯正してやってるのだよ?……わかるか?」
龍田「……は………い………」
佐竹「…よしよし、素直だな…さすがに私も手が疲れてきたよ」
龍田「……」
佐竹「だからな?今から今回の任務報酬をやろう。ここに竹刀があるじゃろ?今からこれで貴様の両手足を痙攣するまで打ち据える、その後貴様は私の前で腕立てとスクワットを1000回やるだけだ…〝今日は〟これで許そう、もちろん途中で止まったら最初からやり直させるがなぁ、ほら嬉しいだろ?龍田ぁ?」
龍田「……は…い…」
ポタ…ポタ……
龍田(…天龍ちゃん…助けてくれないかなぁ……)
龍田(……あ、この前マキナ隊に壊されちゃったか……)
佐竹「ふぅ、上官に叱られながらまだ笑うか…よぅし!今日は眼から血が出るまで腹と胸を殴ってろう!!その前にまず両足からだ!!返事はぁ!!」
龍田「…」
龍田(…ああ、そっか〜…)
龍田「…は、い、わか、……し、た」
龍田(……私、誰にも助けられないんだ…)
このSSまとめへのコメント
何この終始漂うコレジャナイ感は……作者はエアプか?
続き気になります
失踪かよー
なんでさーーー