【ダンガンロンパ】澪田「ブルーベリーみたいな色をした全裸の巨人から逃げる」 (879)

とある街の奥に建っている大きな大きな屋敷。


「や、やめませんかぁ?今からでも……」

「っさいな!あんだけバカにされて逃げるわけには行かないでしょッ!」


そこにはとある噂がある。


「もう……みんなすぐにそうやって無理して……」

「でも、行くしかないっす、よね?」


ぎぎぃ……

「……え?」

ばたん




【その館に入った者は、生きては外に出られない】―――




ちゅうい
ダンガンロンパシリーズネタバレ注意。
(淫夢要素はありませんが)青鬼要素はあります
クロスなだけでがっつりとした青鬼はやりませんが、ブルーベリーの巨人は出ます。
安価コンマ注意。
安価記述は【詳細を書き込むとそれに準じた判定と行動が起こせる】。重要なのでかっこ書き。
連騰禁止の青春

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1433251713

その日は確か晴れだった。
いや、もしかしたら雨だったのかも知れない。
あるいは曇りだったかもしれない。

しかし今となってはどうでもいいことだ。


とある街のとある一角に、誰にも使われていない大屋敷がある。
そこはいわく付きの建物として、近所の学園の生徒達に噂されていた。

幽霊が出る、とか。
化け物がいる、とか。
そう言った噂のたぐいが広まっていた。


そしてその建物の前に、今4人の少女が立っていた―――




西園寺「九頭龍おにぃのやつ、許せないよね!」

小泉「ま、まぁ日寄子ちゃん、そう怒らなくっても」

西園寺「怒るよ!わたしだっていつまでも子供じゃないもん!」

罪木「お、お気持ちは分かりますけど」

西園寺「あんたに分かるわけないでしょゲロブタァ!」

罪木「ひぃっ!?」

小泉「こら日寄子ちゃん!」

澪田「……んでここがその例の建物っすか?」

西園寺「そうだよ!ここの探索して、ちゃんと【例のもの】を取ってきて、わたしは恐がりじゃないって証明するんだー!」

この日の昼の話だ。

西園寺日寄子は、クラスメイトから言われたささいな事で口論となった。
その時に言われてしまったのだ。

「テメェみたいなガキが粋がるな」
「恐がりのくせによく噛みついてくるな」

そう言われた西園寺もすぐに引き下がるような人間ではなかった。
なので宣言してしまったのだ。


「じゃあ、学園のすぐそばに建ってるって言う呪われた屋敷?ってやつ?あそこに行ってきてやるよ!」

「へぇ?どうやって証明すんだ?」

「ふ、ふん!屋敷にあるとか言われてるものを持ってきてあげるんだから!」

「じゃあよう、その屋敷に住んでるとか言う噂のバケモンの一部を持ってきたら信じてやってもいいぜ」

「………わ、わかった」

「声が小さいぜ?」

「う、うっさい!そのくらい出来るし!」



と言うわけで今に至る。

西園寺に巻き込まれたのは、クラスメイトの小泉、罪木と、
普段ならテンションがあがっているはずの、少女だった。


澪田(………なんか、やーな予感がするんすけど、なんでだろう?なんでだろう?)

西園寺「ほらいくよ!おねぇ!」

小泉「あ、待ってよ日寄子ちゃん!」


そうこうしているうちに、私有地のはずの中庭を全員で歩いていく。
今や手入れをする人間がいなくなったそこは、ぼろぼろになっていて見る影もなくなっていた。

枯れ果てた花をバックにして、4人は扉の前に立つ。


罪木「や、やめませんかぁ?今からでも……」

館の異様な雰囲気に気圧された罪木が小さく呟いた。
しかし西園寺は今更引けるわけもない。

西園寺「っさいな!あんだけバカにされて逃げるわけには行かないでしょッ!」

そう言いながら扉に力を込める―――思いがけず、簡単に開いた。
西園寺がゆっくりと中に入っていく。
時分はもうすぐ夜に差し掛かる頃、屋敷の中は薄暗かった。

小泉「もう……みんなすぐにそうやって無理して……」

澪田「でも、行くしかないっす、よね?」


不法侵入だ。今すぐ帰ればいいのだ。
しかし西園寺としては、今更これで何もせずに帰る訳にもいかない。
他の3名は、そんな西園寺をおいて帰る訳にもいかない。
結局誰も引かないまま、皆屋敷の中に足を踏み入れ……



ばたん




西園寺「……え?」



扉がひとりでに、閉まった。


澪田「なん、すか?誰か扉閉めたんすか?」


そして物語は、澪田唯吹の視点で始まる。




コマンド?
1→扉を調べる
2→中を見回す
3→誰かと話す(相手を指名、会話内容指定も可能)
4→そのほか

>>7

3真昼

>>7
コンマ66……不吉な数字



澪田「……ま、真昼ちゃん」

小泉「アタシ、扉は触ってないよ?」

澪田「唯吹も同じく!」

小泉「じゃ、誰が扉を閉めたの……?」


二人は恐る恐る振り返る。そちらには、閉ざされたドアしか見あたらない。
訝しげに、閉まった扉を見つめた。


小泉「……外に誰かいたのかな」

澪田「まさか!来たのは唯吹達4人だけっすよ?」

小泉「たとえばほら、九頭龍が日寄子ちゃんを懲らしめるために閉じたー……とか?」

澪田「それはあるかも!んじゃ、冬彦ちゃんを探し―――」


がちゃがちゃ。


澪田「……ん?」

小泉「どうしたの?唯吹ちゃん」

澪田「扉……開かないっす」

小泉「へ?」

澪田「ぬぎぎぎ……!」

扉を開けようと苦心する澪田。
ドアノブを捻る段階ですでに拒まれ、さらに力ずくで開こうとしてもどうしても開かない。


西園寺「……おねぇ?どうしたの?」


西園寺と罪木は辺りを見回っていたのだが、玄関の異様な状況にやっと気付いてやってきた。
そして、澪田の様子から扉が開かない事をすぐに察する。


罪木「ど、ドアノブが回りませんか?」

澪田「ぬぐぐ……さっきまでは鍵すらかかってなかったのに……!」がちゃがちゃ

小泉「く、九頭龍!アンタなんでしょ!日寄子ちゃんを懲らしめようとして!」

澪田「ぷはー、ぜんぜん開かねー!」

小泉「こんなとこに閉じこめて何しようってのよ!」


館の中はどう考えても荒れ果てている。
何があったか察したくもないほどには。


小泉「……いい加減にして!はやくここから」


がたんっ


小泉「……え?」

西園寺「な、なに……?」

澪田「なんか、音がした……っす?」


遠くからかすかに、何かが動く音がした。




1→辺りを見回す
2→音の方に向かう
3→誰かと話す
4→そのほか

>>13

>>13


澪田「……な、なんすかね?」


澪田は音におののきながらも、この場を理解しようと辺りを見回した。

今4人がいるのは、玄関ホールである。
そのまま正面にひとつ扉が、そして左右に廊下があり、扉の左側には上に続く階段がある。

正面の扉の、向こう側が何かは分からない。
が、とても暗い事だけは確かだ。
階段の下には、物置のようなスペースがあるらしい事が見受けられる……現に、扉が付いていた。

玄関ホールから左右に延びている廊下はしばらくまっすぐ続いている。さらに奥はまっくらだ。
いくつか先には鈍色に光る何かが見えるが、何なのかは分からなかった。

そして、音はどうやら扉から見て左の……廊下のずっとずっと奥の部屋から聞こえた。

そこはさすがに【超高校級の軽音楽部】を名乗る澪田唯吹である。
音の在処に対しては絶対の自信があった。
しかしなお動く勇気がなかったのは、廊下の先が見えなかったからだ。


西園寺「な、に?」

罪木「……は、早くここから……出た方がいいんじゃあ……?」




1→音の先に行く
2→辺りを見回す
3→耳を澄ませる
4→誰かと話す
5→そのほか

>>18

>>18


澪田(……なんかいるっすか?)


繰り返すが、澪田唯吹は【超高校級の軽音楽部】である。

その肩書きが意味するのは、類い希な音楽センスと、人間離れした聴力であった。
つまり、他の皆に聞こえない音が彼女には聞こえたのだ。

みし、みし、みし。

奥ゆかしい畳を、踏みつぶす音がする。
それは間違いない、左側の廊下の奥からだ。
左の奥には、和室があるのだろうか?


澪田(なにかいる……それは間違いない)

澪田(でも、何?)

澪田(……ひと?体重は結構ありそうだけど……)


己のキャラクターを半ば忘れながら澪田は思案する。

その間に、西園寺と小泉が扉に近寄っていた。


がちゃがちゃ。がちゃがちゃ。

西園寺「あれ……?なんで開かないの……?」

小泉「……っ、九頭龍!アンタでしょ!?もう開けなさいよ!」


その声に阻まれ、それ以上の音は聞こえなかった。




1→音の方に行く
2→逃げる
3→誰かと話す
4→そのほか

>>22

kskst

とりあえず音とは反対の方へ行く

>>22
>>23


みしみし、と言う音は声にかき消された。
けれど、澪田にはこのままでは行けないという感情が生まれていた。
早くここから立ち去るべきだ、と。

澪田「……み、みんな。ちょっと違うとこ行かないっすか?」

西園寺「は?」

澪田「玄関が潰されたんなら、ほかんとこから出るしかねーっすよ」

正論でもない正論を言いながら、澪田は全員を誘導した。
それは音がしたのとは逆の、右側の廊下だ。
周りからのなぜ?には今は答えず、ただひたすらそちらへと皆を呼び寄せる。

まさか言える訳がない。
変な音がしたんす、なんかがいるんす、などとはまだ言えない。
なぜなら、確証がないのだ。
確かにあれは畳を踏む音なのだが、聞こえるのは自分だけなのだから。
それに、西園寺の性格上、そんな事を言われては見に行こうと言われるのは必然だった。


澪田「こっちには……なにがあるっすか?」


ゆっくり進んでいくと、扉が二つ見える。
廊下は途中で壁にぶつかって終わっていた。曲がり角などはない。

こちらに追いつめられたら、逃げる手段が格段に減るのかもしれない。
ひとりそう考えざるを得ない。

澪田(………扉はふたつ。つまり、部屋もふたつ………)




1→手前の部屋に入る
2→奥の部屋に入る
3→誰かに話しかける
4→そのほか

>>27

>>27


澪田(………)


澪田はあまり迷わなかった。
見つけた部屋から次々入って、中身を確認するつもりでいたのだろうか?
そこに現れた扉を、一気にぐっと引っ張って開く。

中は暗い。

だが、一見して分かる事があった。


小泉「………ここって、と、図書室………?」


まるで、一個人の家ではないような規模の図書室だ。
多くの本棚が所狭しと並んでいる。

※↓イメージ。四角いのが本棚。それと別に壁一面が本棚
http://i.imgur.com/QsBn9cB.jpg

部屋の中央には、長机が鎮座している。
その両脇を挟んで本棚が三列続いた。
さらに奥に一列、本棚が並んでいる。


小泉「これだけの本………いったい、誰が何のために………?」


さすがにそう思わざるをえない。
個人で所有するようなレベルを優に超えていたからだ。

ちょっとした本屋クラスの品ぞろえに、思わず全員が息をのむ。
しかし、そこはまだ暗いのと、
そしてあまり人が立ち入らなかったせいかわずかにほこりっぽく、それが彼女らを不安にさせた。


西園寺「……こ、ここ、調べたら……なんか出てくるかな?」

澪田「んなのやってみないとわかんねーっすよ!」

小泉「っていうかもう調べる気なのね………はぁ」

西園寺「当然じゃん、九頭龍おにぃをぎゃふんと言わせるためにここに来たんだからさっ!」

罪木「あ、あのぉ、西園寺さん………呼吸が乱れてますぅ、落ち着いて……」

西園寺「うっさいんだよゲロブタ!あんたに言われなくても分かってるの!」

罪木「あひぃっ!」

澪田「ま、せっかくこういう怪しいスポットに来たら楽しまないと損っすよ、真昼ちゃん?」




1→本棚を調べる
2→机を調べる
3→誰かと話す
4→そのほか

>>32

2 鍵とかないか。あと鍵とか。

>>32


澪田「ホラーゲームの鉄板っつったらやっぱ机にラベンダーとタイプライターっすよね!」

罪木「何の定番ですかぁ!?」

軽口を叩きながら、澪田達は机をちらちらと眺めた。
とにかく長い。縦に長い。
それは部屋の中腹までに続いており、澪田はふと、こんなのドラマの中でしか見た事ないっす、などと考えていた。

場所が場所なら使えるのだろうか?しかしここは一個人宅の図書室のはずなのだが。


ふ、と。

その机の上に輝くものを見つける事が出来た。
いったいそれは何なのだろうか?


澪田「………ん?なんすかこれ」

手に取ってみると、まさしく鍵である。
それこそホラーゲームの鉄板、鍵だった。
どこの鍵かは分からないが、とにかく鍵だ。

小泉「鍵、かな?」

澪田「すね。全く、セコムしてますか?」

西園寺「しててもこんな不用心に鍵置いてくんじゃ意味ないよねー!」

不気味な部屋の中で4人、軽口を叩く事で何とか平常心を保とうとしていた。
そうでなければ、この部屋の異質さに負けてしまいそうだったのだ。
まがまがしい、と表現してもいいものか、不思議でいやな空気が蔓延していた。

それがこの屋敷のなす技か、あるいは夜の帳が降りるせいなのかまでは、澪田には分からない。


罪木「でもでも、何に使う鍵でしょう?」

小泉「それ、玄関の鍵………でもないもんね」

澪田「そもそも外からなんかされてる感じっすよ。開かないんだし」

小泉「それもそっか。その鍵は……」


がたんっ


小泉「………!」

西園寺「い、今……なんか動かなかった?」


談笑の最中、それを割ってはいるように物音が響いた。
それは一番奥の本棚の裏側から聞こえたようである。


澪田「………」




1→近づく
2→逃げる
3→部屋を調べる
4→そのた

>>37

バラバラに分かれて2

希望の踏み台st

>>35

>>38
>>35


澪田「………!」


その時。
澪田の警戒心は最大値を記録した。
警鐘が頭の中で鳴り響いている。
何かが起きる、
やばい。


ぎぎっ、と大音を立てながら―――

誰もいないはずの屋敷の中、大きな影が本棚の隙間から覗いたのを、彼女らは見逃さなかった。


小泉「………ッ、な、なにいま、の!?」

西園寺「うそ、でしょ……?化け物?」

罪木「ふ、ふゆぅ!?」


いったい何だったのかまで、見る事は出来なかった。
分かっているのは、それが人の形をした大きな生き物だったと言う事だ。
それぞれにおびえるような仕草で、その場に固まった。


澪田「とにかく今は逃げるっす!」

奮い立たせるように澪田が叫ぶ。

小泉「で、も……」

西園寺「う、うう……」

小泉「……日寄子ちゃん!」

西園寺「あ、あんなの……」

愕然として動けない西園寺を、小泉が支える。

小泉「日寄子ちゃん!しっかり!」

西園寺「う、うん……」

罪木「なんなんですかぁ!」


ぎぎっ、と再び床がきしむような音が耳に届く。
このままでは、その得体の知れないものがこちらに来てしまうかもしれない。


澪田「いったん二手に分かれるっす!そんで逃げましょ!」

西園寺「お、おねぇ……!」

小泉「そうだね、わかった!」


それぞれの返答が聞こえる。
同時に、本棚の裏から再び何かのきしむ音。
ぎぎぎ……


小泉「行くよ日寄子ちゃん!」

西園寺「う、うん!」


ふたりはそのまま、扉を蹴破るような速度で逃げていく。
残されたのは、澪田と罪木だった。
ああ、そう言えばどこに向かうか聞くのを忘れたな、と思いながら彼女は目を閉じる。




1→どこかにいく
2→近づく
3→そのた

>>43
今日ここまでだべ。明日もちょい早めに始めるぞ。んじゃな、おやすみだべ


罪木の手を取って逃げる



乙だべ

よーし、やるぞー。

>>43
>>42


澪田「逃げるっ、すよ!」

罪木「あ、………は、はぃ!」


澪田は弾かれるように走り出す。
罪木の手をしっかりと握って、その場を全力で離れることに終始した。
たびたび転んでしまう罪木が転ばない事だけを祈りながら、扉を開く。


―――バンッ!


しかし部屋から出てどうする?すぐにその得体の知れないものは追いかけてくるだろう。

どこに逃げる、どこに………?

もうひとつの部屋に入っては逃げ場が減る。
そう考えた澪田は、元来た玄関ホールの方に走ってきた。

玄関ホールから向かえるのは、逆側の廊下と……入り口から恐らくリビングへと向かえるであろう大きな扉。
そして、階段。
ところで西園寺と小泉はどこに行ってしまったのだろうか?
気配はどこにも見あたらなかった。

背後で、何かがうごめく音がする。




1→リビング?へ
2→廊下の奥へ
3→和室がありそうなところへ
4→階段の上へ
5→そのほか

>>50

クラスメイトに連絡して外から開けてもらう

>>50


澪田「そ、うだ……!」


なぜ、今まで考えもしていなかったのだろう。
こんな意味の分からない場所からすぐに抜け出すための方法が一つあった!
外から扉を止められているのであれば、助けを呼べば良かったのだ。

自分は携帯電話を持っているじゃないか!

汗ばむ手でポケットをまさぐった。
すぐに目当てのものは見つかる。
そして馴れた手つきでスクリーンを押す。


罪木「澪田さん?」

澪田「そ、そとに助けを呼ぶんすよ!」

罪木「あ、そっか!そうしたら出られる……!」

呼び出し音が何度も何度も響き、その時間が何時間にも感じられるほどの恐怖と焦りが彼女を襲った。

そして―――



ぶつっ



澪田「!」

『どうした、澪田か?』

澪田「ペコちゃんっ!」


電話の相手は辺古山ペコ―――【超高校級の剣道家】である。
偶然にも彼女はすぐに携帯電話への着信に気づいてくれた。
普段なら気づかれなくてもおかしくはなかったため、電話が繋がった事にまず彼女はホッとする。


『なにをしている?どこにいる?』

澪田「実は、例の噂になってる場所に来てんすけど!なんか閉じこめられて!」

『閉じこめられた?』

澪田「そうなんす、出られなく―――」



きゃああああっ!!



澪田「……え」


会話に夢中で気付かなかった。
罪木の叫び声で澪田は振り返る。

そこには―――









http://i.imgur.com/1rbSekc.gif










巨人。
青いなにか。



そいつが廊下に立ち、こちらに迫る―――!




澪田「………ひっ!?」


罪木「いやあああっ!!こ、こないでぇぇぇぇぇっ!!」

半狂乱になった罪木が、独りでに階段へと走ってしまった。


そして―――残されたのは、澪田だ。




1→逃げる(どこへ?)
2→罪木を追いかける
3→そのた

>>56

この段階だとまだ鍵がかかっていて上に逃げるのは自殺行為だが、SSだから大丈夫かな?

2

コンマ2か………んー。

コンマ関係あるの?

>>56


澪田「あ、あ……」

確実にこちらへと近寄ってくる、それ。
逃げなければ、逃げなければ!

澪田はおもむろに、罪木のあとを追おうと決めた。
すぐさま振り返り、そして階段を上がり……



澪田「………!?」


叫んで走っていたはずの罪木の姿が、2階にない。

いや、むしろ2階に来れた事は僥倖だった。
小泉や西園寺、罪木すらもどこかに逃げ隠れる事が可能だからだ。
もちろん自らも、だ。

しかし、どこに行ってしまったのか、全く見当も付かない。
なぜどこにもいなくなってしまったのか?


二階のホールは、一階同様に廊下が左右に分かれている……。

ぎしっ、ぎしっ……


澪田(………来てる!?まさか!?)


『………田!澪田!?なにが起きてる!?』




1→逃げる場所を探す
2→闇雲に走る
3→電話を切る
4→そのた

>>63

>>59
すべての判定は、詳細記述と、コンマ数値での内部判定がされている。
あんまりにも数値が低いとひどい事になります。

1

>>63


澪田「―――ッ!」はっ


携帯電話から漏れ出した声にはっとして、澪田は気を取り戻す。
憔悴している場合ではなかった。
下から何かがあがってきているのだ。
あれに捕まっては、どうなるか分かったものではない。

電話のスピーカーに指を当て、音を押し殺す。
きゅるきゅる、頭を一気にかき回す。
そして廊下を一瞥した。

どちら側でもいい、逃げなきゃ。

そう思った時には、澪田は左側の廊下へと走り、すぐさま目の前にある扉を開いた。

がちゃ、と開く。

それは全く呆気なく、鍵がかかっているような様子もなく扉が開いた。

中に入って思った事はひとつ。
これは、恐らくは子供部屋なのだろう。

子供用の机といす、そして小さなベッド。
小さなクローゼット。
部屋は異常なまでに薄暗く、そして埃まみれだ。
ベッドもほとんど使われていなかっただろう。
こちらもまた汚れてしまっていた。


澪田「………、………」


はぁ、はぁ。
息を何度か整える。

携帯電話からはかすかに何かの声が漏れだしている。
薄暗い明かりが部屋の床を照らしていた。


階段を上がってくる足音は、なんだかとても小さい。




1→部屋を調べる
2→部屋で待つ
3→部屋を出る
4→そのた

>>68

4 ぺこに状況を説明しながら静かに1

kskst

>>67

>>69
>>67


澪田「……ペコ、ちゃん」

スマートフォンを耳に当てて告げる。

『どうした』

澪田「ちょい……唯吹、追っかけられてて……」

『……追いかけられている』

澪田「なんか、変なのに……」


こそこそ、と話しながら澪田は辺りを見回す。

その部屋はやはり小さく暗い。
埃っぽい空気にも関わらず、部屋の中は片づいており、とても整然としている。
静かな部屋の中に漂う緊張感が、澪田の体に汗を滴らせた。

ベッドにも机にも壁にもなににも、ぱっと見でおかしなところはない。
この部屋は普通の子供部屋だ。
奥のクローゼットだけが、唯一外観だけでは分からない。

そこに何かがいるような気がしてならなかった。


『………大丈夫か?自分の無事だけを考えろ、すぐに向かう』


辺古山はそう言ったっきり、電話を切る。
後に残ったのは静寂。
気付けば、階段の足音すらなくなっており、
そこに聞こえるのは自分の吐息だけだった。


澪田「………え………?にげ………た………?」




1→クローゼットを開く
2→部屋を出る
3→下に戻る
4→そのた

>>74

2

>>74


今なら、ここから出る事が出来る?


耳に音が届かなくなった事に安堵して、胸をなで下ろした。
さっきのあの変な生き物は、もういなくなったのだろうか?

澪田は汗の滲む手でポケットに携帯電話を戻す。

そしてゆっくりと、扉を開ける。


ぎぃ………


澪田「………、………」


階段から何かが上がる音はしなかった。
先程は焦っていたので気付かなかったのだが、階段すぐ隣には上り階段が設置されている。
つまり、まだ上の階があるのだ。
ただし、その入口部分は施錠されており、扉が閉まっている。中には入れない。
先程手に入れた鍵が使えるかと思いきや、それでは開かなかった。

改めて廊下を見回す。
左側の子供部屋の奥にも廊下は続いている。
見れば、反対側の廊下も同じように続いているようだ。


誰もいない。
そう、誰もいない……。


澪田「……ペコちゃんが来てくれるまで、耐えなきゃ……」




1→2階を調べる
2→ほかの部屋にいく
3→下に降りる
4→そのた

【注目】コンマ値が低いと、青鬼さんが出てくるよ!

>>78

itci

>>78


脅威が去った事に、ふぅと息を吐く。
いったいどれだけの時間が経過したのか、携帯電話で確認するような余裕もない。
とにかく薄暗いのが恐ろしい。

澪田「………みんな、どこ行ったんすか……」

心細い。
先程まで4人でいたのに、今になってはただ1人になってしまっているのだから。
辺古山はいつ来てくれるのだろうか?

しかし、待っているだけではいつなにが起きるか分かったものではない。
逃げるために、隠れるために―――反対側の廊下にも入ってみる事にした。


そちらにも扉があるようだ。
さらに奥にも廊下が続いており、曲がり角よりも奥にはまだ部屋はありそうだ。

近くにあった扉を開いてみると、そちらもどうやら子供部屋だったらしい。
先程の部屋にもまたとても近く、同じようにクローゼットまでも置いてある。

この部屋はやはり埃っぽい。誰も足を踏み入れていないのだろうか?

澪田「………」


がたがたっ

不意に音がする。
それの出所は、部屋の奥に設置されたクローゼットだ。

なにかが、誰かが―――中にいる。

澪田「だれ、すか?」

思わず声がうわずった。
いったいなにが起きているのか。
そこに一体、なにがいるのか……?

小泉達なのか?それとも?

背筋にたらり、汗を垂らす。
おそるおそる、足をそちらに、向ける。


ぎ、ぎ、ぎ


近づいていった。
それがなんなのか理解しなければならなかったからだ。
扉をゆっくり、開く。


………ぎ………



『………ォ』


あの青いやつが、クローゼットの中にいた。
中に丸まって、まるで隠れるような体勢だったのだ。


澪田「―――なん、で……!?」





1→にげる(どこへ?)
2→そのた

>>84

これバージョンいくつ

2クローゼットを閉めて視界を防いだ後部屋からでて見られないよう1階に逃げる。
 見られないように途中にある部屋のとびらをおとりで開けとく

>>84
特に考えてなかったです。

安価は下にしていいかしら。

>>85


澪田「………あ………!」


『ォ……ォオ……』

みしみしみし、とイヤな音。
そいつは中から出てこようとしているようだ。
奴がこちらをにらんでいる。
もういまにもこちらに、襲いかかりそうな―――


澪田「っああ!」

ばたんっ!


クローゼットを閉めた。

それが最初の一手にするべきと、澪田は直感的にそう感じたのだった。
そうすれば鬼には自分の姿は見つからないだろう、と。
一瞬で踵を返し、弾かれるように部屋の中を走る。

後ろからのミシミシという音が、明らかにそいつが自分を狙っているのだと思わされた。

だめだ、このまま同じ階にいては不利。
そう判断し、澪田は素早く階段を駆け下りる。

1階のロビーに降りたった頃には、既に部屋の扉を押し開くような音が上から聞こえていた。


澪田(思ったよりも早い……!)

確か2階の、もう一つの扉も開けはなっておいたはずだ。
それがおとりになってくれるのを祈ろう。

そう考えながら澪田は次の一手を巡らせる。

追跡者の足は速いようだ。
だが、まだこちらには追いつかない。
時間的余裕はこちらにある。
あとはこのまま逃げられるかどうかだ。

あんな得体の知れないものに捕まってどうなるとも分からないんだから。

図書室の方に逃げ込むか?いや、あちらにも確か青いのがいたはずだ。
では、反対側、あるいは和室があると思わしき方向へ?
それとも、階段の下にあるスペース………今入ればここであの鬼を撒けるだろうか?


澪田(………どこにいけばいい?どこに!)


一瞬のミスも出来ない。
それが今の状況だ。





1→図書室へ
2→和室の方へ
3→階段下へ
4→そのた

>>93

2

>>93
不吉な数字


澪田「………そうだ」


距離を稼がないと。
澪田の脳内に最初に浮かんだのはその言葉だった。
とにかく今はここを全力で離れる。
そのためにどこに行けばいい?
澪田の思考はある一点にたどり着く。

確かこの左側の廊下!
最初、畳を踏むような音が聞こえたはずだ!つまり……奥には和室がある!
そこまで逃げられれば距離が稼げるのではないだろうか?


思うが早く、澪田は既に駆けだしていた。

廊下を滑らないように注意しながら、駆けていく。
その途中で、左側の廊下にもドアノブがあったことに気が付いたが、それをどうこうしている暇はない。

曲がり角に気付いて曲がった頃、
階段をミシミシと降りてくる音がしたのだ。


澪田(来てる………来てるよ、あの鬼ぃ!!)


追いつかれないようにしなければ、と頭の中をフル回転。
まっすぐ走った先には、ふすまが存在していた。

澪田(こんな洋風の建物にあって、ふすま?!)

彼女の困惑はもっともだ。
この建物は明らかに大きな屋敷そのものであった。
故に、そんなところに日本風のデザインがあったところで違和感の他はなにもなかったのだ。

だからといってここで手ぐすね引いている訳にもいかない。
澪田は思い切ってふすまを開けはなった。


そこにはずいぶんとひろい和室が存在していた。


澪田(広い………!)

澪田(茶道部の和室、確かこんなもんだった気がする……いや、それにしても)

澪田(……広すぎる……!改めて、一個人が所有するレベルじゃない!)

奥の方にはいわゆる押入が並んでいる。
目の前はさながら押入パラダイスだ。
そして澪田から見て右側、そちらにもふすまがあり、どうやらそこから別の部屋に通じているように見える。

後ろからの気配はやまず、廊下をみしみしと歩いている足音がする……!


澪田(………まずい、このままじゃ追いつかれる)

澪田(撒くか?隠れるか?それとも来たところをかわす?)

澪田(捕まったら一巻の終わり……まだ誰も見てないし、誰も来てないのに!)




1→隠れる
2→ふすまから別部屋に移動
3→かわす
4→そのた

>>98

>>98


澪田(迷ってる暇なんかない………)


隠れるか動くか。
その択一を迫られていた澪田の足は、ついに止まった。

背後からの物音がさらに近づいている。
分かっていた。
そんなこと、言われずとも理解していた。


そしてついにふすまが開く。


がらっ。


そこには、なんとも形容しがたい生き物が立っていた。


体中が青ざめていて、目はまるまるとした漆黒がふたつ、大きな口を開いてこちらをにらんでいるではないか。


澪田(改めて、隠れておくんだったかな………)


澪田は自分の対処の遅さを、少しだけ恨んだ。


『ォ、ォオ、ォ……』


なぜ追いかけてくるのか?
なぜこんな化け物がここにいるのか?
そんな疑問を解決している余裕すらなかった。

『………ォオ』


その青い奴は、すさまじい勢いで澪田との距離を詰める。
このまま捕まるわけにはいかない。
なんせ、友人がどこでなにをしているとも分からぬ状態なのだ。
1人だけ諦める訳には行かなかった。


澪田(……これしかない…… )

澪田(近づいてきたところをかわす……!)


決意した澪田の視線は凛々しく鬼を射抜く。
足は速いが、直線的な動きのようだ。
十二分に引きつけて―――


澪田(……今!)


ばっ


『!』

澪田「ッし!」


かなり危険な賭ではあった。
しかし、鬼が突っ込んできたのをぎりぎりで避け、さらに背後に回る事に成功したのだ。
大した時間稼ぎではないのかも知れない。
が、今回のこれはまた違った意味も孕んでいる。

死にものぐるいで避ければ、逃げられる。

澪田は確信し、和室から全力退避した。
体が悲鳴を上げているが、そんなことどうでもよかった。




1→和室の途中にあった部屋に入る
2→階段下に隠れる
3→図書室まで行く
4→そのた

>>103

まさか青鬼二体同時に出現とか無いやろ
3

>>103
………鋭いな。


悲鳴を上げる手足をじたばたさせながら、澪田は廊下を全速力で走っていた。
後ろにはまだあの鬼が残っているのだ。今ふすまを開けた音がした。

あの鬼、まるで化け物と言った見た目をしているのだが、
しかしふすまを開けるだけの知能があるというのもまたおもしろい話だった。

澪田(蹴破ったりしそうなもんっすけどね)

それでも器用に両手でふすまや扉を開けているとはなかなかおもしろい話だろう。
これが現実に起きている事件でなければ、だが。


澪田(………今唯吹の後ろに青いのがいるって事は、もしかして)

そこで澪田はある事に気付く。

澪田(図書室にいた奴はいなくなってたりするんじゃないかなーって………)


そう。
澪田が最初に青い鬼を見つけたのは図書室だった。
しかし、それはどこかにいなくなり、今度は2階のクローゼットに入っていた。

ここからひとつの過程が生まれる。

つまり、
今後ろにいるやつイコール、最初に図書室でみた個体。

同一の個体。

そうならば、澪田を追いかけている鬼はたった1体。
当然、されど1体なのだが、複数の化け物がいるよりははるかにマシである事は間違いのない事実だ。
それにここに鬼がいて、かつ1体しか鬼がいないなら、ほかの3人は鬼に追いかけられていないと言う事になる。

自分の危険が、ほかの仲間の安全を保障するとは随分と皮肉めいた話だ。
澪田は汗ばむ手で、図書室のドアを開く。


がちゃ。


まだ、追跡者は廊下の曲がり角を今曲がった辺りのようだ。
わりと距離を稼げた。
よし、ここから逃げ隠れすれば撒けるはずだ。




1→本棚に隠れる
2→本棚の周りをぐるぐるして疲れさせる
3→攻撃できるか試してみる
4→そのた

>>109

今日はここまでだべ。一杯寝るべ。明日もおんなじくらいからやれたらやっぞ、おやすみさん。

折角だしゲームでは出来ないことを試みてはどうだろうか
安価した

3 先制攻撃が大事ってどっかのウニが言ってた

オラァ葉隠ェ!始めんぞォ!!

>>109
>>110
コンマ切りよく8隠8す比呂の先制攻撃



澪田(それで?)


ひとりでここに入った時に思ったのはそれだった。


澪田(それで……逃げて、隠れて、それでどうすんすか?)


あの化け物がどこにいるとも、どこに行くとも分からない。
助けがいつ来るかも分からない。
仲間達もどこか分からない。
そんな状態で、自分はどうするべきなのか?

全くなにも分からない。
一つ言えるのは、そう―――

このままでは、何の解決にもならない。


澪田(戦う?)

澪田(唯吹が?どうやって!)

澪田(体格差だってある!それに……もし捕まったら……)


頭の中をぐるぐる駆け回るのはイヤな予感ばかりだ。
それでも彼女は決意した。

無駄かどうかはやってから考えてみよう。
今はまず、あの鬼に攻撃が効くのかどうかを試す!

が、

がちゃっ。


澪田(もう来たの……!?)


決意した澪田が武器を探す時間はほとんどなかった。

澪田(………隠れなきゃ!)

咄嗟に本棚の後ろに隠れた。

そいつは、またどうやったのかは知らないが、とにかく器用にドアを開けて中に入ってきた。
ぎょろり、と黒い瞳が室内を睨みつけている。

みしみしみし、床がきしむ。

幸い澪田は耳がいい。
鬼がどこから来ようとしているのか位はすぐに分かった。

本棚で一番堅くて大きくて、そして厚みのある本を手に取る。
これは、辞典だろうか?

ぎしぎしぎし。

床のきしむ音で鬼が行こうとしている方向に目星をつける。
すぐさまにも自分が隠れている本棚の方にと来てしまうだろう。
だから、だから。
鬼が真正面向いている間に、こっそりと本棚の隙間を移動する。


『………ァ、ォ………』


澪田「………こっちっすよ!」

『!?』


そして背後を取り、頭蓋に一撃くれてやった。


『―――!?』


鬼の足が一瞬止まる。
反撃を想定していなかったのだろうか。
けれども本によるダメージはないみたいで、こちらをくるりと振り返ろうとしている。
まだ大丈夫、逃げるだけの余裕と距離はあるはずだ。

………本から、何かが滑り出て澪田の手の中に収まった。




1→逃げる
2→隠れる
3→再び攻撃を仕掛ける
4→そのた

123

2

>>123


澪田(よし……まだ距離は)


ある、と思った。
だから再び手近な本棚の後ろに隠れたのだ。

けれど鬼からすれば、眼前から突然いなくなったとて、いなくなる瞬間が明確に見えていた。


『………ォォォ………』

澪田(ま、そうなるっすよね!)


この鬼、かなりしつこい。
これで諦める事はせず、むしろダメージの余波も感じさせずに迫ってきた。
後ろに隠れている澪田を食ってやろうと言う魂胆だ。
ずしずし、その足音は随分さっきよりも早く聞こえる。

やつは迫ってきた。

かわすか?
いや、もしうまく行けば。
背後には、入ってきたばかりの扉がある。
足がうまく動けば、この部屋を逃げ出せるはずだ。

いつの間に、澪田の拳は強く握られている。



1→避ける
2→扉から出る(コンマ1及び4466だと……)
3→そのた

>>128

2

>>128


澪田「………ここは!」


一旦体勢を整えるべきだ。
このまま図書室にいても、何の優位も得られない事に澪田は気付いていた。
故に、澪田は手早くこの部屋から飛び出す事を決意したのだ。
このまま追いかけられていてはかなわない。
早くこの追跡を止めなければ!

ばたんっ!


そう思って出たのは部屋の外。
相変わらず薄暗く、明かりの一つもなかった。
もうとっぷり夜になってしまったのだろうか?

と、考えながら澪田はひとつ気が付いた。


澪田「あれ?部屋の中から………足音がしない」


先程の鬼がこちらに迫ってくるような足音が一切ないのだ。
それがなぜかは分からぬままだ。

一応、念のため扉を開いて中を見てみた。
既にそこには鬼の姿はなく、煩雑な部屋の中に辞書が一冊落ちているだけだった。

消えた?
あの一瞬で?

どうやって、とか、あるいはどうして、とか、そう言った疑問が頭に浮かぶ。

しかし、仮にそれらの疑問を解決出来たとて、今の自分が納得出来る自信が澪田にはなかった。
なぜならあれは、自分が知っているあらゆる生き物とは違ったベクトルの生き物なのだ。
自分の常識が通用しない可能性も大いに存在し得た。


澪田「………なん、で」


その小さな呟きは誰にも届かず、誰からも返答はなかったのだった。

どうしようもなく、澪田は手の中に入ってきた何かを見てみる。
丸められた紙だった。

震える字で一言書かれている。


『倉庫の地下に出口がある』


倉庫……とはどこだろうか?まだ見回っていない場所だろうか?
地下、と言う事は恐らく1階のどこかだろうが。




1→図書室の隣に行く
2→和室に行く途中にあった部屋に行く
3→リビングらしき扉を開けてみる
4→そのた

>>133

1

>>133


キョロキョロ、辺りを見回す。
相変わらず、人の気配などどこにもない。

そもそも、最初にこの屋敷に閉じ込められたのも、人為的なものかどうかすら分からなくなっていた。

最初、小泉も澪田も、これは「西園寺を懲らしめたい九頭龍の仕業だ」と何となくそう思っていた。
しかし現実はそうではないらしい。
かといってそれの原因も分からない。
とにかく今は、なんとか外界からの助けが来るのを待っているような状態なのだ。


澪田「とりあえず……」


手近な部屋に入ろう、と澪田は考えた。
故に、手が伸びたのは図書室のすぐそばにあるもうひとつの扉だった。

ほかの扉のように木製らしいが、こちらもまた古くさい印象を与えられる。

ドアノブをゆっくり、ひねった。


………がちゃ。


澪田(………ひらい、た………)

いざ中に入ってみると、とても汚い部屋であるのがすぐに分かった。

銀のシンクがあちらこちらに配置され、ダンボールのようなものが放置されている。
それにとても息が苦しくなるような、そんな感じ。
空気からは、わずかながら湿気を感じる。


ここは―――いや、間違いないだろう。
これが倉庫だ。


澪田「………」


生唾を飲む。
天井付近に配置された小窓から、わずかばかりの光が入っているが、とにかく暗い。電気らしきものが通っていないのか、ライトも付かなかった。
ここに何かいたらひとたまりもないだろう。
そうして耳を澄ませると……。


がさがさっ


澪田「だ、誰かいるすか!?」

真っ暗闇で何かがうごめく。
ネズミか?鬼か?あるいは?
思わず身構えた澪田の前に、小さな影。


西園寺「み、澪田おねぇ!」


西園寺が、棚のそばにしゃがんでいた。




1→話す
2→部屋を調べる
3→どこかに行く
4→そのた

>>140

【重点】記述にわかりにくいところがあったらGMに聞いてくれっての。

2

>>140


澪田「日寄子ちゃん……」


無事だったんすか、と言いたかった。
しかし西園寺の今の様子はあまり無事とは言えない。
至近距離まで来てようやく分かったのだが、顔色がとにかく悪かった。
どうやら一番最初に、あの鬼を目の当たりにしてしまって、随分と精神をやられてしまっているようだ。


西園寺「………おねぇ………」


最初の強気はどこへやら。
今の西園寺はこの暗闇の狂気にすら押し負けてしまい、目を潤ませてぐずっていた。
無理もない。
たったひとりで、こんな暗い場所にひとり、息を殺していたんじゃあ当然だ。

だがもっと気になる事はあった。
確か、西園寺はもうひとりの友人とともに出て行ったのではないか?


澪田「………日寄子ちゃん、この部屋調べるっすよ」

西園寺「え?」


だが、あえてそれを口にださなかったのは、
聞いてしまって後悔しそうだったからだ。

仲間になにかあったと今聞いてしまって、心が折れるのではないかとひとりでに不安になったからだ。

最低だ、とひとり澪田は思った。
仲間ではなく、己の無事を真っ先に祈るなんて。

西園寺「お、おねぇ、なんで?」

澪田「もしかしたら、」

西園寺「え?」

澪田「ここに出口があるかもしんないんす」

西園寺「ほんとに?」


悲観的な事を考えているばかりでは、いけない。
西園寺を勇気づけるためにも、澪田は震える声をなんとか止めてそう言った。
事実だ。
さっき読んだメモにはそれらしい事が書かれていたではないか。


西園寺「でも、どこに……」

澪田「ここに地下に行く為の階段とか、そんなのがあるはずなんっすよ」


それもまた事実だ。
しかしこうも暗くては探索は進まない。
物がたくさんあって、なんだかごちゃごちゃしているし、足の踏み場もなんとなく少ない。


西園寺「……階段、ぱっとみた感じではないよね?」


なにかに隠されているのか?
今の段階では階段も、あるいはそれに繋がるヒントも見つからない。

乱雑な部屋で、ひとり辺りを見回した。



1→棚?を調べる
2→ダンボールを調べる
3→奥の戸棚を調べる
4→そのた

>>146

【重点】常に判定はコンマでしてるべ。あんまり低くない限りひどい事にはならんべ。

警戒しつつ2

>>146


澪田「っても、どっから調べたらいいやらっすね」


ひとりごちる。
とりあえずは、そばにあるダンボールを調べてみる事にした。
がさ、とがさつに引っ張って中を覗いた。

なんだか、清掃用具とかそう言った物がごちやごちゃと入れられているようだ。
やっぱりただの倉庫だったらしい。
あるいは他のダンボールの中では、謎のジャガイモめいたものがヤバい級のオーラを纏って鎮座している。

澪田はそのオーラでジャガイモリアリティショックを起こしかけたが、正直そんな余裕もなかった。


澪田「んー………」


何か使えそうな物はないのだろうか?
危険承知で携帯電話のライトをつけて、さらにダンボールをあちこち見回る。

すると、そのうちのひとつからメモ書きが落とされているのを見つけた。


西園寺「おねぇ、なんか見つけたの?」

澪田「ん、でもこれ……」


『プロジェクト 青鬼 希望ヶ峰学園』と書かれた表紙だ。
むしろ表紙以外は全て綺麗さっぱりなくなっている。
誰かが持ち出した?
それとも?


澪田(プロジェクト青鬼?なんすか、それ……?)




1→銀色の棚を調べる
2→戸棚を調べる
3→西園寺と話す
4→ダンボールをもっと調べる
5→そのた

>>151

1

>>151


澪田(………そんなこと考えてる場合じゃないか)

事態は一刻を争う。
とにかくここから今すぐでも出て行かなければ。
その焦りが、部屋の中に蔓延していく。


西園寺「わ、わたしも探すよ。どこを探したらいいかな?」

澪田「ん、じゃあ一緒に銀の棚見るっす」


次に目を付けたのは、部屋に乱暴に倒されたり置かれたりしている銀色の棚の数々である。
もちろん、そこに地下に行くための鍵がなかったとしても、とりあえずと言う形で探してみる事にした。


西園寺「……んー、なんにもなさそうだね」

澪田「っすね。ぱっとみなんも載ってないし……」


しかし、それ以前の問題だったのかも知れない。
マトモに機能している棚のところには、なにひとつ物が置かれていない。
もはや棚ではなく障害物のような扱いであった。

地面にたたき落とされているものの一部をみるが、こちらもなにも物はなさそうで……


澪田「なんすか、これ?」


と、澪田が何かの紙を見つけた。


『ヒント:ジャパニーズレキシ うぐいす』


澪田「………???」



1→戸棚を調べる
2→ダンボールを調べる
3→西園寺と話す
4→そのた

>>155

>>155


澪田「あと調べてないのは………」


暗い中で何とか部屋をあちこち探した。
けれど、脱出の場所なんてどこにもなくって、途方に暮れるところだった。
そこで最後に、この部屋の戸棚を見る事にしたのだった。
そう言えば、そうだ。
この部屋に隠し通路があるなら、もうここになにかしらのヒントがなければ、どうしようもない。

澪田はその戸棚に近寄り、ライトを照らす。


澪田「一見は変なとこはないっすね?」

西園寺「もっと見てみる?」

澪田「しかなさそうっす」


戸棚を調べる事にした。
見た目はもうかなり随分古くなってしまっていて、正直に言えばあまり触りたくはない。
だが、これが脱出の糸口になるかも知れないと思うと、そうも言っていられなかった。

あちこちふれる度、埃や塵が部屋に舞うのが分かる。

この屋敷はどれだけの長い間放置されていたのだろうか?


かさっ。


西園寺「ん?この棚………」


ふと、西園寺が何かを発見した。

戸棚の大きな、メインの観音開きの棚の下には、引き出しが二つほどあった。
そのうちのひとつを引いたところ、なんだか随分底が浅かったのだ。
そしてさらによく見ると、底には何か数字を打ち込めるようなテンキーが置いてあった。


澪田「これ、もしかして」


いや、もしかしなくても、と、澪田が心の中で思う。
これが脱出のきっかけになるはずだ。

恐る恐るのぞき込むと、やはりと言っていいのだろうか?4桁の数字を打ち込むような作りになっている。
澪田にはここに入れるべき数字は既に分かっていた。
かちかち、何度か触ると、そのシステムは簡単に息を吹き返す。

電池が切れていないのか?
それともこのシステムにだけ、電気が通っているのだろうか……?
しかし、そんなことを考えてもどうする事も出来なかった。

続けざまに、澪田はそれに数字を打ち込む。
『0794』………あのメモが合っているなら、それで開くはずだ。

程なくして、がこん、と言う地面が動く音がして、その狭い部屋の一端が沈んだのが分かった。

後に出てきたのは、地下に降りるための縄梯子だった。


澪田「やっ、た!?」

西園寺「これが地下の……」




1→ふたりで降りる
2→辺りを見回す
3→西園寺と話す
4→そのた

>>160

【助言】基本聞いてくれたらなんでもこたえるべ。敵は鬼だけど俺は鬼じゃねーぞ。

2

>>160


澪田「………」

ここを今すぐ降りたい。

が、澪田の脳内にある言葉が浮かぶ。
降りてもいいものだろうか。
そんな事を考えてもどうしようもないと分かっているけれど、なぜか疑ってしまう。

ふと、辺りを見回してみる。
しかし、やっぱり彼女らの前には暗闇しかなくて、なにも得られそうにもなかった。


西園寺「………おねぇ?」


不安そうに西園寺が見上げる。
そうだ、今はひとりじゃない。


澪田「な、なんすか?」

西園寺「どう、したの?いかないの?」

澪田「いやー、どうしよっかなって」

西園寺「へ?」

澪田「行くんならみんなで行った方がいいんすかね?それとも」

西園寺「………そうだね、そう言う考え方もある」


けれどそうしたら、残した2人はどうする。
仲間を呼んできて助けにくればいいじゃないか、と悪魔が囁いてくる。
だが、地下を降りたとて実際逃げきれるとは言い切れないのだ。
どうしたらいいのか、少しだけ悩んだ。



1→降りる
2→西園寺だけ降ろす
3→部屋を出る
4→そのた

>>167

>>165

>>167


澪田「……その前に……」


澪田は覚えていた。
携帯電話の電波が、この建物ではまだ通じている事を。
事実辺古山に電話をかける事には成功していた。


澪田「ふたりに電話するっす。そんでみんなと降りよう?」

西園寺「電話なんてかけて大丈夫なの?」

澪田「んあ?なんで?」

西園寺「だ、だって鬼だってバカじゃないよ?音が鳴ったら分かるかも……」


可能性は否めなかった。
けれど、リスク承知でやらなければならない事も時にはある。
当然そのリスクを背負うのは、澪田ではなく他の仲間なのだが。


澪田「それでも何もしないよかマシっす」


そう告げて携帯電話の操作を造作もなく行う。
先程からライト代わりに使っているせいか、電池はかなり少ないが、それでも電話位は出来るだろう。
そう言えば、鞄やらのたぐいは全て玄関に置き去りにした事を不意に思い出した。
あの中に何か有用な物は………いや、なかったか。

コール音、続けて呼び出し音。

ぷるる、とどこか遠くから音がした。
多分、これは2階だ。
運悪くマナーモードではなかったらしい。

ヤバいな、と澪田は思った。

おかげさまで、罪木にかけたはずのコールは、罪木が焦ったのかなんなのか、ものの2コールで切られてしまった。


澪田「………やべ」

西園寺「どうしたの?」

澪田「電話切られたっす。つーか、多分マナーじゃなかった」

西園寺「!」

澪田「日寄子ちゃんの予想的中って事っすよ」


イヤな汗が滲む。
これで罪木が死ぬような事があったら、自分を恨んでも恨みきれないだろう。
あとはただ祈るだけだ。

それでも小泉にも電話してみた。
今度は着信音が屋敷に響かない、どうやバイブだ。

『もしもし?』

澪田「あ、真昼ちゃん」

『………唯吹ちゃん、どこ?』

澪田「唯吹は日寄子ちゃんと倉庫っす」

『分かった』


短い会話のあと、電話はすぐに切れた。




1→小泉を待つ
2→2階に行ってみる
3→そのた

>>172

西園寺に隠れて待機してもらって自分は積み木を捜索する

>>172


澪田「唯吹、蜜柑ちゃんを探しに行くっす」

西園寺「は?」

澪田「多分2階にいる。どこかはわかんないっすけど」

西園寺「なんでそんな事……」

澪田「聞こえた、から」

西園寺「……聞こえた?」

澪田「唯吹がかけた時、蜜柑ちゃんのケータイの着信音。聞こえたから」


耳に絶対的な自信がある澪田だからこその発言だった。
それを聞いて西園寺は押し黙る。

普段なら恐らく
「あんなゲロブタほっといて先に行こうよー!」
などと言うところなのだろう。
けれど、西園寺とて理由なく罪木を責める事はしない。

まして事態は一刻を争う。
西園寺もさすがに、あんな化け物に罪木が殺されるところは見たくないと願っているようだ。
何か言いたげな西園寺に、小泉が来るまで隠れるように、と一言告げてから外にでる事にした。


恐る恐る扉を開けると、そこには漆黒だけが張り付いていた。
相変わらずだれもなにもない。
ただただ暗いだけだ。

先程の音の出所は、確か2階だったな。
なにも来ないことを祈りながら階段を上がった。




1→左の子供部屋にいく
2→右の子供部屋にいく
3→まだ行っていない場所に行く
4→そのた

>>176

【注意】コンマ悪いと大変なことになるべ。

3

 1 は ア カ ン 

>>176


そう言えば、とふと思う。
確か2階でもまだ見回っていない部屋があったはずだ。
そちらに行ってみよう。
確か音もかなり遠くから聞こえてきていた。
だから、この階段よりも遠くに罪木がいる可能性はおおいにあり得たのだ。

そう考えて澪田は、見回っていない方に向かった。

左の子供部屋の前を抜けて、そのまま奥へ。
廊下を曲がると、その道の奥は壁で終わっている。
しかし、壁にひとつ扉があった。
恐らくはここがもうひとつの部屋なのだろう。

間取りがおかしいのは、今に始まったことではない。


右側の扉へと近づいて、
近づきかけて、


ぽた、と滴の音がした。

あれ?

そう言えば扉が半開きだ。

いやいや、まさかまさか。
高鳴る心臓を何とか押さえようとしながら澪田は祈る。

どうか聞き間違いであってほしい。

けれど、耳に届いている滴の音はとてもリズミカルで、どこか高いところから滴っているようなのだ。
それも、今中に入ろうとしているその部屋の中から。


澪田(まさか。)


そう、そんなまさか。
夢だと、思った。


ドアを開ける。



青鬼が頭から罪木を食っていた。



澪田(………)


くっちゃ、くっちゃ、と肉を噛む咀嚼音と、時折ごりっ、ばきっと骨の砕ける音がする。
助からない。
澪田は直感で気付く。
死んでいる。
罪木は確実に死んでいる―――



『………ォ?』

澪田「ッ!?」


鬼が、こちらをみた。




1→逃げる(どこへ?)
2→よける
3→そのた

>>188

うわあああああああ

1扉を閉めて一階図書室方向へ

>>188


澪田(や、ば………みつ)


どさ。
頭を無くした胴体が、力なく部屋に叩き落とされる。
ついで、目の前のそいつは、口を真っ赤にしたまま澪田に近づこうとしているのだった。

警戒最重点。
逃げねば、今すぐここから逃げなければ―――

扉を思い切り閉める。
ソレが何になるとは、澪田自身思ってなどいなかったはずだ。
しかしそれでも扉を閉めた。
現実から目を背けるように、あるいは、

そいつを視界から消すように。


澪田(しんだ、しんで、た)

澪田(蜜柑ちゃんは死んだ!)

澪田(唯吹のせいだ!唯吹が電話なんかしたから!)


現に、罪木は何か手に持っていなかったか?

そう―――携帯電話とか。


思いこみなのかもしれない。
それでも充分だった。
澪田が自らを責めるに十二分だった。

慌てて、足音を消すことすら忘れて下に降りていった。
どたどた、と騒がしいため、その音は西園寺にも、あるいは小泉にも伝わるだろう。
しかしそのふたりを危険に晒すわけにはいかない。


澪田(唯吹が、唯吹がしっかりしてれば!)

澪田(くそっ、くそっ!)

澪田(これ以上………殺させない……!)


唇を噛みしめる。
背後から同じく、どたどた、と階段を降りる音が聞こえた。
きちんと自分を追いかけてきているようだ。

それならば、いい。

ひとり軽く満足しながら、さらに駆けて行く。
既に体力など限界に達していたが、それでもなお走った。
そしてこの日何度目になるとも知れない、図書室の扉を開く。

あの鬼はある程度の知能を有している。
おそらくは、このまま自分のいる図書室に来るだろう。
あとはどう避けるかだ。


澪田(一度隠れる?イヤ、隠れる場所なんて本棚の裏くらいしかない!)

澪田(青鬼には知性がある!つまり、ただ隠れただけじゃすぐ見つかる!)

澪田(なら部屋に入って来たところをやり過ごして、入れ替わりで部屋を出る?)

澪田(戦っても倒せない、分かってるんすよ………!)


いつの間にか唇が切れていて、じんわりと血が滲んでいた。



1→隠れる
2→やり過ごす
3→先制攻撃だべ!
4→そのた

>>194

>>192
そのコンマが欲しかったのに

>>194
3……ちょいキビ



澪田(いや、だめ)

澪田(迷ってる暇なんて……)


分かっているのだ。
あれは人間なんてものじゃない。
とにかく、足が速い。
普通にやれば、すぐに捕まるだろう。

少し奥の方にある本棚にさっと隠れた。
完全にやり過ごせないとしても、ここで少しでも体力を回復しておきたい。
何とか気配を殺しながら、それでも息を整える余裕がほしかった。


がちゃ


けれども、現実と言うのは案外厳しい。
鬼は呆気なくこの図書室に入ってきた。
そして、においか、あるいは気配なのか、澪田がいる場所にだいたいの見当を付けて部屋の奥へと歩いて来るではないか。
ブッダは寝ているのだろうか。


澪田(やばい、こっち来てる!?)

澪田(このままじゃ、捕まる……!)


その距離は徐々に縮まっている。鬼が、迫る。




1→逃げる(どこへ?)
2→そのた

>>198

今日はここまでだべ。あ、コンマももちろんあるけど、記述内容も判定対象だかんな?おやすみさん。

本棚蹴り倒して青鬼ぶつけてから逃亡とか出来んかね

今日は多分低速更新だべ。やったりやんなかったりだべ。つーわけで、やんぞー。

>>198
3か………


ぎ、し


さらに迫る、青鬼の足音。
罪木を殺した犯人が、今まさに澪田を食い殺そうと足を進めているのだ。
捕まれば即死。
その事実がさらに加速度的に焦りを募らせる。


澪田(くそっ……、)

澪田(この本棚が倒れたりすれば!)


澪田は決死の覚悟でなんとか本棚を押してみる。

しかし、その中に入っている本の冊数は想像を超えており、澪田ひとりが押したところでどうにもなる訳がなかった。


『………ォォ………』


鳴き声。

目の前に鬼が迫っていた。
まさか、もう手を伸ばせば捕まってしまいそうなほどの距離。

隠れていた自分のすぐ目の前にそいつはいる。
口から血を滴らせながらこちらにまっすぐ向かってくる。
やばい。


やばいやばいやばいやばいやばいやばい。


脳味噌がすり切れそうな焦燥感の中、澪田は―――




1→全速力で駆けだした
2→逆に体当たりした
3→手当たり次第に物を投げつけた
4→そのた

>>209

【小ネタ】学園長は何も悪くない!なんも!

1やな

>>209


澪田は―――


澪田「………くっ!」


全速力で駆けだした。
この目の前のそれに捕まるわけには、どうしてもいかなかった。
この日何度目ともなる、図書室での攻防だ。
鬼の寸でで駆けだした澪田が、鬼の手に捕まる事はなかった。

そのまま、勢いで廊下に出て行く。


澪田(………だめ、今回は前と違う)


みし、みし、みし……


澪田(足音が……図書室の中の足音が消えない!)

澪田(つまりまだ唯吹を、私を追いかけている!)

澪田(くっ………!)


血がこぼれ落ちそうな唇をなめて、思う。
このままどこかまで逃げるか?
それとも、どこかに隠れるか?

どちらがいいか、澪田にも分からない。

ただ、隠れるのであれば早くしなければ。
でなければ、あいつの目に映ってしまう。


だから、早く!




1→逃げる(どこへ?)
2→隠れる(どこへ?)
3→そのた

>>214

※浮上
【予告】コンマが悪くなければ大丈夫だべ。

>>212

オレは悪くねぇ……オレは悪くねぇッ!オレは悪くねぇッ!

>>214



逃げなきゃ!

澪田(………そうだ!押入パラダイス!)


澪田は忘れてはいなかった。
押入パラダイスの事を。

そう、和室にあった押入の群だ。
なぜこんなに押入を作ったのか問いただしたくなるレベルの量だった。


あそこまでいければ!


澪田は確信する。

あそこに隠れれば、見つからないんじゃないかと。

幸いまだまだ鬼とは距離がある。
このまま突き放して、和室へ。
後ろからの足音はまだ遠い。

行ける。
行ける!


ふすまを開き、和室に入り込んだ。

よし、このままここでやり過ごせば―――









ぎし


澪田「………え」


ぎしっ


それは押し入れの中からだ。


ぎしっ、ぎしっ



澪田「なん、………で………」



ぎし














http://i.imgur.com/1rbSekc.gif








コンティニュー?


>>191から

>>206から

>>211から


最速3票

セーブポイント的に罪木っちが助かるルートはなくなったべ。
こればっかりは俺ももうどうしようもねえべ。
仕方がねぇんだ。それはバミューダトライアングルの仕業なんだべ。

って言いながら77出しやがった……!

いや、
>>191からやるぞ?

ーーーーーーーーーーーーーーー


どたどた。
階段を駆け下りる足音はけたたましかった。
それほど、澪田に余裕がなかったのだ。


澪田(くそっ、くそっ!)

澪田(なんて事……に……!)


泣きたい気持ちでいっぱいだが、だからと言ってここで泣いてもどうにもならないのも理解している。
そもそも自分が携帯電話を鳴らした事が起因なのではないかと、澪田は心中感づいていた。
故に、罪木の死も当然、止むなしでもあるのだ。

悔やんだって悔やみきれない。
戻したいけれど、終わってしまった時間はもう戻らない。
死んだ仲間は生き返らない。


その思いが重く胸に刺さりながら、走り込んだのは何度目かの図書室だった。


澪田(どうする!?)

澪田(隠れる?やりすごす?それとも………)

澪田(棚を使えば隠れる事は出来る!でも鬼は知性がある!すぐにバレる!)

澪田(かと言って攻撃?唯吹の力じゃどうしようもない!)


唇は噛み切れて血が滲む。
一刻の猶予もない。




1→本棚に隠れる
2→鬼が入ってきたら素早く外に逃げる
3→何かしら対抗手段を考える
4→そのた

>>231

これから仲間が死んだら即自滅でいいか

1

>>231
たとえ自滅しようとなにしようと、戻さねー時は(戻れねー時は)戻さねーべ。

>>232


澪田(………悔しいけど)


けれど、今を生き延びたいのは澪田だって同じ事。
ちゃんとしっかり脱出して、それでみんなで、戻れないかも知れない日常へと帰ろう。
なによりここで捕まって死んでしまってはそれこそ、罪木に合わせる顔がない。


隠れよう、と思った。


数秒の沈黙。

ぎし、ぎし、ぎし。

廊下が軋む音が耳に痛いほど響いて、それから青鬼は現れた。
ご丁寧に扉を開けて、あたりをぎらぎらと見やりながら現れた。
唇からは、まだなま暖かい血を滴らせている。
その水滴の落ちる音が、澪田にとっては絶望の知らせでしかなかった。

何度考えたって、やっぱり死んだ者は死んだんだ。

青ざめていく顔。
鏡で見たらどうしようもない顔をしているんだろうか。
そんな事を思いながら、澪田は鬼がいなくなることを切に祈った。


長い、ながい、永遠のような沈黙の時間が続く。

『………ォ………』


それからさらに数秒。
ほんのわずかの沈黙だったが、それでも澪田には充分すぎる長さだった。

不意に、ぎしり、と床がきしんだ。
まさか、と脳味噌の奥から凍り付いていく。
不安がどんどん膨れ上がり、血液の流れが急速に速まるのを感じる。

鬼に感づかれたのではないだろうか?

あいつ等はバカじゃない。
むしろ、人間に近い知能を有している。
だからこそ、自分のにおいや感覚を見つけたのではないかと。


澪田(ヤられ、る……!)

澪田(ごめん、蜜柑ちゃん……!すぐ、そっちに……!)


息を殺しながら、その絶え間ない緊張感に耐えていると―――




ばたんっ。



澪田(………え?)


青鬼は部屋から出ていって、そして足音は確実に遠ざかって行ったのだった。
自分がここにはいないと判断したのだろうか?


澪田(………きえ、た………?)




1→図書室で少し休む
2→2階に行く
3→倉庫に戻る
4→そのた

>>239

3

>>239
0!ヤッター!



澪田(………ふぅ)


汗ばむからだを一瞬だけ休めた澪田は、すぐさま次の行動のために頭を回転させた。


澪田(このままじゃ、じり貧っす……)

澪田(……日寄子ちゃんは真昼ちゃんと合流出来たんすかね?)


そうだ、先程電話したではないか。
警戒心が最上にまで高まっていた小泉は、いつになく言葉数が少なかった。
もしかしたら、彼女もまた青鬼を間近で見てしまった故に心を傷つけられているのかもしれなかった。

ならば、次の行動はもう決まっているようなものだった。

一度倉庫へと戻ろう。
それが澪田の判断だった。

小泉が戻っていればよし、
戻っていなくとも、西園寺は言いつけを守ってちゃんとそこにいるだろう。

ならば3人で外に出ればいい。


澪田(………蜜柑ちゃん、ごめん)


心で詫びながら、図書室をあとにした。

廊下をゆっくりと、歩く。
そこには闇夜が佇むばかりで、人の気配などはない。
もちろん、悪魔の、鬼の気配すらもない。

それは澪田をほっとさせたし、同時にぴりつかせた。
何もいない事が怖いし、どこからか来てしまうのも怖い。
当たり前と言えば当たり前の、緊張感に囲まれていた。

すぐとなりの部屋がとても離れたように感じたのは、もしかしたら気のせいでもないのかもしれない。
途方もない距離を歩いたような疲労感で、澪田は扉を開く。

がちゃり、と、中からまばゆい光がこちらを捉えた。


「だれっ!?」


間違いない。その声は、


澪田「………真昼ちゃん!」

小泉「唯吹ちゃん!?」

西園寺「お、おねぇ!無事だった!?」

澪田「ちゃんと来れたんすね」

小泉「うん、反対側にある部屋を見回っててさ。足音がしたからしばらく黙ってたんだけど」

小泉「………廊下に何もいないのを確認してから、急いで走ってきた」

澪田「よかっ、た……」


今ばかりは心から、彼女がここにいる事を喜ぼう。




1→話す
2→どこかに行く
3→地下に降りる
4→そのた

>>244

1 今まで得た情報の共有と携帯をマナーモードにすることを話す

↑と罪木のことも話しておく

>>244>>243


澪田「………そう喜んでもいられない、か」

気を取り直す。
ここで油断してどうなるともしれないのだ。

小泉「ねぇ、唯吹ちゃん。今……アタシ達、どうなってるの?あの青いのは、何?」

震える声の小泉が尋ねる。
無理もない。
あれは恐ろしすぎる。

澪田「まず、あれは青鬼って言うみたいっす」


それから小泉との情報共有を始めた。

ある程度の知性を持っている事。
器用に扉やふすまを開けられる事。
自分達を理由なく追いかけてくる事。
突然いなくなったり出てきたりする事。


澪田「あれがなんなのかはわかんねっす。それに、なんでここにいるかもわかんねぇっす」

西園寺「……だね。ひとつ分かってるのはこれ?」

『プロジェクト青鬼』と書かれた紙を出して西園寺が問う。
言葉にせず、澪田はうなずいた。

小泉「……なんで、アタシ達があんなのに……追いかけられて……」

泣きそうな顔の小泉が、絶望した様子でつぶやいた。
ほんの出来心で立ち寄った廃墟で起きた事件。
それは、思春期の少女に余りにつらい仕打ちだったのだ。


澪田「それで、まず提案す。ケータイはマナーにしよっか」

西園寺「……音で鬼がくる?」

澪田「そっす」

小泉「そう言えば、蜜柑ちゃんは?」

澪田「………」

いつか聞かれると思っていた。
いつか言わねばならぬ事だ。
今、言ってしまおう。

澪田「………蜜柑ちゃんは、死んだ」

西園寺「………は?」

澪田「蜜柑ちゃんは死んだんす。青鬼に頭から食べられて死んだ」

小泉「………うそ、だよ、ね」

澪田「唯吹が見た時にはもう、頭が」

小泉「うそ、だよ……そんな、の……!」


パニックが限界値に近づいている。
小泉は顔を青ざめながら、半狂乱で叫んだ。


小泉「うそだ!うそっ!蜜柑ちゃんが死んだなんて!そんな!そんなのって!!」

澪田「静かにするっすよ」

だからこそ冷静にそう言う。

小泉「静かになんて!!」

澪田「蜜柑ちゃんは唯吹が殺したようなもんなんす」

小泉「………?」

澪田「唯吹、ケータイで連絡しようとして、そしたら……蜜柑ちゃん、ケータイマナーじゃなかったから……」

小泉「そんなのって……そん、なの……」

ずるずる、力なく小泉が床に伏せた。

西園寺「あのあと……だよね」

澪田「………うん」

西園寺「………」


それから程なくして、誰も何も言わなくなった。
ただ、誰かがケータイをマナーモードにしたのは明らかだった。



1→話す
2→地下に行く
3→倉庫をでる
4→そのた

>>251

1 唯吹が電話なんてかけたから……謝っても謝りきれないけど、本当にごめんなさい
でもせめてここから出たあと警察に連絡して蜜柑ちゃんの遺体を回収してもらって、ちゃんと弔ってあげたいっす
そのためにも皆で脱出しないと

>>251


澪田「………」

澪田「………ごめんなさいっす」

小泉「………」

澪田「唯吹が電話なんかかけたから」

澪田「………謝っても謝りきれないけど、本当にごめんなさい」

西園寺「………」

澪田「………」

沈黙。

澪田「………でも」

けれど、彼女は言葉を止めない。

澪田「せめて、こっから出た後で、警察に連絡して蜜柑ちゃんの遺体を回収してもらって」

澪田「ちゃんと、弔ってあげたいっす」

小泉「………」

西園寺「………」

澪田「………そのためにも、みんなで脱出しないと」

小泉「………」


人殺し。


澪田「―――」


そう、言われた気がして。

長い時間が流れた。
いつまでそうしていたか分からない。


小泉「………そうだね」


不意に、小泉がそう言って、みんなの目線がそちらに向いた。


小泉「そうだよね」

小泉「アタシ達が、蜜柑ちゃんを弔いするには」

小泉「………アタシ達が死なないようにしなきゃいけないんだ」


言い聞かせるように。
言ってやっているように。


小泉「アタシは……死にたくない」


それを今更言い直したように。


小泉「……唯吹ちゃんのやった事は、許さない」

小泉「でも、そんなのいい。どうでもいい、今は」

小泉「アタシ達は生きて出よう。そして……それから、その後考えよう?」


言葉に刺があった。
それは澪田に深く刺さった。
仕方がないのかもしれない。自ら懺悔したのだから。
けれど、それを許せる度量もなくて、
小泉は苦しそうにつぶやいた。


小泉「………生きよう」




1→地下に行く
2→倉庫を出る
3→小泉に任せる
4→そのた

>>257

1

>>257


西園寺「………そうだね」

続けて西園寺が、か細い声で同意した。

小泉「ね、生きよう。それで、ちゃんと弔おう」

澪田「……そう、すね」

小泉「それで、その後考えよう?唯吹ちゃんの事も、蜜柑ちゃんの事も」

整理の付かない自分の頭に合理的な思考を取り戻そうと、躍起になった小泉はそんな事を言いながらうなずいた。
自分を納得させるのに必死だったのだ。
それでもないと、この場で足を止めてしまいそうだった。
そうでもしないと、ここからうごけなくなりそうだった。

だからこそだった。


澪田「……真昼ちゃん」

許されたわけでは、けしてない。
けれど、望みがない訳でもない。
それが許されるか否かはまた別な話だが、それでも小泉とともに生きている事は許されている。

ならば、ともに歩もう。

そんな事を思う。


小泉「………それで、どうしよっか」

沈黙した。

そのあとで、澪田。

澪田「あ、そうだ」

今更思い出したかのように指を指す。
その先はぽかんと穴が開いていて、さらにそこから縄梯子。


澪田「これ、地下への通路っすよ」

西園寺「あ、そんな事………」

言っていた気がする。

澪田「この地下の通路、通れば逃げられるんじゃないすか?」


今の状況では、後はこの地下くらいしか望みはない。
ここから逃げられなければ、ほぼ詰みだ。
だが、ここが大丈夫と言う保証もなく、ただ焦るばかりだ。

けれども、なにもしないよりマシだ。
決意した。
この穴を降りる事を。


小泉「……いこっか」

ぎし、ぎし、と軋む縄梯子は、それでも意外すぎる位に安定していた。




1→あたりを見回す
2→自分だけ引き返す
3→地下の梯子付近で待ってる
4→奥に進む
5→そのた

>>262

今日はここまでだべ。言いたい事はたくさんあるだろうけど、おやすみさん。


1+もし青鬼に追われてはぐれた時のため集合場所を決めておく

こんなことに自分勝手に巻き込んだ西園寺が責められないのはおかしい

おーし、やんぞー。

>>265
確かに……描写甘かったべ。すまん。

>>262


澪田「………」

地下に降りる前に、何かないかと部屋を見回す。
部屋の中には確かに、何もないように思えた。

小泉が何とかこの場だけ許してくれたのだ。
であれば、今すぐにでも地下に逃げた方がいいのではと思えた。

………ォォ………


澪田「………?」


不意に、地下から何かの音が込み上げてきたように思えた。
風の音だろうか?
それとも?

何かの鳴き声?

澪田(まさか?まさか……ね?)


地下にまであれがいるとは思いたくはない。
そうは思えない。


小泉「言っておくけど、日寄子ちゃん」


そんな思考を一瞬止めたのは、再び冷たく凍っている小泉の声だった。

西園寺「………なに?」

小泉「アタシ、……いや……、今はいいや」


本当は今言わなくてもいいんだ。
そんな小泉の気持ちが、歯止めをかけたように見える。
西園寺に言いたい事を、喉の奥に押し込めた。

それがいい事か、悪い事かは分からない。
けれども今のこの場の延命にはなっていたのかもしれない。

結果はどうなるか分かったものではないが。


澪田「………」

小泉「………行くんでしょ?地下に」

澪田「………あ、そうだ」


不意に澪田が思いつく。


澪田「もし、このあと青鬼に追いかけられて、みんなはぐれちゃったら……どっかで集まるっすか?」

小泉「そう……そうだね。それなら……この倉庫でいいでしょ」

端的な会話で終わらされた。




1→地下に行く
2→他の場所に行く
3→話し合う
4→そのた

>>271

1

>>271


小泉「……ほら、行こう?」


声が急かす。
本当にいいのだろうかと、ひとり澪田は思い悩む。
地下に降りて、それでいいんだよなと、思い悩む。


澪田(あの音)

澪田(気のせい……だよね?)

澪田(大丈夫、だよね?)


けれどそんな選択の余裕がずっとあるわけでもない。

他に行くべき場所もない。
声に従うままに、3人は地下へと降りていく事にした。
下はやけに暗く、そして湿っぽい空気が這い上がってくるところだ。


ぎし、と軋む縄を手に、ゆっくりと降下する。
いやに暗いそこを、小泉は優しく携帯電話のライトで照らそうとする。
それでも、まだ底は知れないほどだった。

慎重に、慎重に。

ぎし、ぎし。その音だけが部屋に響いていた。

一体何分、こうして下に置りようとしていたのだろうか?
頭上からのライトはかなり遠く感じる。
感じているだけなのかも知れないが。

そして、ついに―――


こつん。


澪田「ついた」

足がやっと地面にたどり着く。
とても暗いし、それに空気も淀んでいるようだ。
いったいどの辺りから空気が来ているのだろうか、それが肌だけでは分からない。
視界が黒に塗りつぶされており、気持ちがとても沈みそうになった。


小泉「唯吹ちゃん!」

頭上から声が降る。

澪田「真昼ちゃん!足付いた!結構深いっすよ!」

小泉「どう?なにかある?」

澪田「暗くってなんとも……」


そう言えば、自分のケータイはそろそろ電池が切れてしまう。




1→ライトをつける
2→小泉達を待つ
3→そのた

>>277

目が頼れないなら耳をすませよう

275

>>277
>>275



ここは耳で辺りの様子を見てみる事にしよう。
目はまだ暗さに馴れておらず、どうにもこうにも地下の様子が分からないのだ。

すっ、と目を閉じて、耳を澄ませる。

空気がこちらに流れてくる方向はまだ分からない。
しかし、そんな流れに混じって音がしている。





………ォォ………ォ、ぉ………



べ………の………たべ………の………




澪田(これ、って)



聞き間違えるものか。
あの鬼の声だ。
同じ個体なのか、それとも別個体か?
しかし確かに間違いなく、遠くからは声がする。

これは、鬼だ。

あの青鬼だ!



澪田「ッ!だめ!来ちゃダメ!」

小泉「え………?」

西園寺「おねぇ、どうしたの?」

澪田「鬼が―――青鬼の声がするっす!」

小泉「!?」

西園寺「ち、地下から!?」

なぜ地下からその声がしたのか、
その理由はまだ分からない。

だが、とにかく声はした。

……かなり遠くの方だ。

この場所に直で来るとは思えない。
扉があるのだろうか?


小泉「なんで!?」

澪田「それは………わかんないっす」

澪田「でも、とにかく……もしかしたらここにも鬼がいる」

今はそれだけで充分だった。

西園寺「それが本当なら、かなりやばいんじゃ……?」

澪田「この地下には降りてこないで!」

小泉「わ、分かったよ」

澪田「………」


もうすぐ目は慣れてきそうだ。
未だ、地下の憂鬱な空間には体が馴染まない。
今すぐにでも逃げ出したい―――




1→地下からあがる
2→辺りを見回す
3→ライトを使う
4→そのた

>>283

2

>>283


下から出られない?
じゃあ、どこから出ればいい?
探さなければならない?
また?

この屋敷の中で?

頭が真っ白になりそうになる。
膝を折りそうになって、なんとかその場で押しとどめた。


澪田(ここで………諦めたら、本当に終わっちゃう………!)

澪田(それだけはダメ、唯吹達は外に出る!)


勝算がないのは分かっている。
だが、必ず外に出ようと心にそう決めた。
罪木の弔いを絶対にするのだ。


まもなく闇夜に馴れ始めた目をこすり、その空間をなんとか見回ってみようとした。

シンプルだった。

澪田の前には扉が、厚い扉があった。
それの奥から、生ぬるい風とあの声が響いてきている。
つまり、この分厚い扉の先にあの鬼がいる。

それ以外に何か収穫は無いのか?

ふらふらと辺りを見回すと、ふと何かが落ちているのが目に付いた。
それは―――紙だ。

澪田(ん?これって)

拾って間近にした結果、さらに分かった事がある。
拾ったソレは、楽譜だった。
五線譜がほんのわずかに確認できた。
さすがに、どんな曲なのかまでは分からないままなのだが。


澪田(………なんで地下に楽譜が?)

澪田(誰かが、地下に来た?それとも、地下にくる事を予期して?)

澪田(わかんないっすよ……)




1→地上にあがる
2→さらに調べる
3→ライトを使う
4→そのた

>>288

【朗報】2連続で判定9だべ。かなり有利に運んだべ。

2

>>288


澪田(………待て)

澪田(まだ見落としている事は……ない?)


暗闇だからこそ、情報があるのではないかと澪田は思い直した。

上空の小泉達は、今や澪田が無事に戻れるかどうかを祈っているらしい。
ライトはいつの間にか消えていて、それだけ彼女の方も電池がかなり厳しいのだろうと思わされる。

その様子を一瞥してから、澪田は暗い中を目を凝らしてみる。

何か重要な手がかりだとか、そう言うものがあればいいのだが、と思っていると………。


かさっ


澪田「……え?」


そのほかにも、地面に何かが落ちている。
ちぎれた五線譜がいくつか確認出来た。
それから、これは……ゲーム機だろうか、もう壊れてしまっている。
あとはパン屋の袋のようなものなどがいくつか、ちらほら。

何のために落ちているかは分からない。


澪田「………?」


今の状態ではこれ以上の探索は難しそうだ。
ライトをつけたいが、付けて向こう側の青鬼がこちらに気付かないとも限らない。




1→地上に戻る
2→ライトをつける
3→そのた

>>291

1

>>291


澪田(………戻ろう)


これ以上の探索は無意味と判断した。
澪田は上空を向いて、叫びをあげる。


澪田「もうなんもなさそうっす、戻るからね!」

小泉「……うん、気をつけて!」

西園寺「お、おねぇ……早くね!」


西園寺の焦燥は激しいらしい。
とりあえず、怪我だけはないようにと祈りながら澪田は縄梯子に手をかけた。

奥の方から、うなり声のようなものがわずかに、かすかに聞こえる。


澪田(……何かしゃべってるような気もするっすね)

澪田(青鬼って……なんなんだろう?)


ぎしっ。

行きの時とほとんど変わらない縄の音。
今にも切れてしまいそうなそれを、心細くなりながらもなんとか上った。

上がりきると、西園寺の顔が明るくなった。

西園寺「おかえりおねぇ……怪我は?」

澪田「してねっす」

小泉「それにしても参ったわね、地下に鬼なんて」


状況は未だ芳しくない。
小泉は現状を何とか打破出来ないかとなやんでいるようだった。
そして西園寺はと言うと、澪田の帰還にこころを安らいでいるようだ。


小泉「どうしたらいいのかしら……」

西園寺「ねぇ、鬼って倒せないの?」

澪田「本投げたけどあんまダメージなかったっす」

西園寺「本じゃダメか……」

小泉「そうよね。あんなやつ、大きいダメージ与えないと倒せなさそう」


話しながら小泉はさらに険しい顔をした。


小泉「……部屋の中を見て、出られそうなところ、それか鬼を倒せそうな物を見つけるしか……ないわね」

澪田「………そうっすね」

西園寺「え……?この屋敷の中、歩くの……?」

小泉「ソレしかないよ。今は」

澪田「かもしんないっすけど」

小泉「アタシ、先に行く」


この空気が耐えられなかったのだろう。
あるいは、誰かをどうしても責めてしまいそうだったのだろう。
小泉は言葉を切り、1人で勝手に外へと出て行こうとしていた。


小泉「………悪いけど、今は誰かと一緒って、考えられないから」




1→西園寺とともにいく
2→小泉を止める
3→ひとりで行く
4→そのた

>>296

3

>>296


ぱたん。
扉は結局、無情にも閉じてしまった。
後に残されたのは、西園寺と澪田だ。

止められなかった。
止められるわけがなかった。

小泉は、澪田も西園寺も許せやしなかったのだ。
こんな事になったのは西園寺のせいだし、仲間を失ったのは澪田のせいである。
それらを、実際今すぐ責める事はしたくなかったはずだ。

だからこそ今は離れる事を望んだ。
離れておく事を選んだ。


澪田(真昼ちゃん……ごめんっす)


だからそんな気持ちが分かるから、脳内でそうやって謝るしか、もう方法はないのだ。


西園寺「そんな………いやだよ、わたし」

そして、か細い声で西園寺はそう言った。

西園寺「いやだ」

西園寺「死ぬのはやだけど、こんな屋敷を歩かなきゃ行けないなんてもっとやだ……」


力ない声で主張する。
元々は自分のせいなのに。
元々は、猫をも殺す好奇心を飼いきれなかった自分のせいなのに。

それでも、現状そう周りが責めてもどうしようもない。
澪田だって、こころのどこかではもしかしたら西園寺を責めたいのかも知れない。
けれどそれはしなかった。

かわりに、ひとりで立ち上がった。


澪田「………日寄子ちゃん」

西園寺「え?」

澪田「ごめんっすけど、唯吹も探索してくるっす」

西園寺「な……」

澪田「一緒に固まってたら、鬼にバレる可能性が増えるかもしんないっすから」

澪田「それに、電話でペコちゃんに助けは呼んだっすよ、多分そろそろ来てくれる」


電話連絡からかなりの時間が経っているはずだった。
そろそろ何か起きてもおかしくはないのだが。


澪田「……行ってくるっす」




1→どこかに行く(どこへ?)
2→どこかを探索する
3→罪木の部屋まで戻る
4→そのた

>>302

3 入り口(?)に置いてきた荷物の確認

入口の荷物確認でいいんか?ぷ、プラスって何だべ?バカには読めない文字……俺はバカじゃねーぞ!あ、炙り字?

>>302
でもコンマ3か……


素早く倉庫を出ていった。
そのまままっすぐ、罪木の部屋へ向かおうとする。
しかし、まず次に出てきたのは玄関ホールだ。

すべての始まりになった場所。
その玄関に、全員分の荷物は置き去りにされていた―――当然、もう持ち帰る者もいない罪木の分もだ。
それらを澪田は一瞥する。
そしてふと思った。
中に何か入っていないだろうか?

他人の荷物を漁るのは何となく引けてきて、とりあえず自分の荷物だけでも確認しようとした。
がさがさ、と鞄を漁ってみるが、出てきたのは教科書やノート、蛍光ペンなどだ。
まだここで使えるようなものはなかった。


澪田(……なんだってこう、使えそうなものはないんだろう)


ケータイの充電器があればまた別なのだが。
そう思うが、充電器もなかった。
残念な話だ。


玄関からまっすぐ目の前には、扉がある。
恐らくはリビングに向かう扉だろう、と推察した。
そしてその扉から見て左側に、上に向かう階段は設置されている。

澪田(思えば、何度も何度も上がったり下がったりしているような……)

軽い疲労感とともに澪田はそんな事を思った。
さっきから階段の上下が多い。
おかげで少し足腰が鍛えられたのではないかと思いたくなるほどだった。

何もなければこんなに何度も階段を上下したりはしないのだが。

はぁ、とため息混じりに緊張を吐き出す。
今度こそ何もなく罪木のところまで向かえればいいのだが―――



階段を上がり、曲がり角を曲がったら、



罪木がいた部屋から何かが来る気配が、した。


澪田(!?)


鬼か?それとも?



1→入る
2→2階の探索をする
3→別な場所へ
4→そのた

>>309

ちょい早いけど、寝そうだから今日はここまでだべ。明日も同じくらいからやるぞ?んじゃおやすみさん!

いつでも逃げれるようにしながら何が来るか様子見

GM「おーし、今日もやっか……ん?コンマ……」



コンマ1を見た時の俺↓
http://i.imgur.com/sEHGcs6.jpg



おーし………オメーら覚悟しろよ。

>>309


ぎしっ。


警戒重点。
何かが来る気配は、次第に大きくなっている。

仲間か?
敵か?

心音がうるさくなってきた。
耳に、体に。
破裂しそうなほどにばくつく胸をなんとか押さえようと、無駄すぎるけれど、そこに手を合わせる。

頼む、少しだけ静かになってくれと。
そう願いながら。



ぎしっ


ぎしっ



澪田(来る………!)


身構えた。
いつでも逃げられるように。

けれどどうして、足は動かなかった。

なんで?どうして?
それは簡単に言えば、目の前の映像が信じられなかったからだ。


曲がり角を回ってやってきたのは―――




鬼だった。








【罪木蜜柑の服を纏った青鬼だった】。





『………ギ………』


澪田「………あ、」


『み………さ………』


澪田(なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんで)



『………ォオォ………!!』






1→逃げる(どこへ)
2→はなす(なにを?)
3→受け入れる
4→そのた

>>327

3

>>327


澪田「なん、で、」


理解が出来ない。
なぜ、鬼が罪木の、服を、


『ォ、お”、みナ……さ……ガ、ゥ………』


だって目の前で死んでたじゃないか、
目の前で頭を噛み切られたじゃないか、
それがなんで、鬼が、

『ヮた………ォォ、ご……ゆるシ……』


それとも
おにになったのか?


『ナんで……も、しマス………か……ラ……』



鬼になった?
罪木が?


澪田「………蜜柑ちゃん、こっちっす」


『み、み”み”、ゴォ……』



澪田「もう怖くない、から」



それを払うのは澪田には出来ない事だった。



澪田「唯吹もそっちに行くっすよ」







ばつんッ














『……こレ………で、』


『もぅ……ギギ……』


『さビし………な……スよ……』



『が………、…………』



『ォ”ォ”ォ”ォ”オ”オ”オ”オ”オ”!!』





【GM】えー、ひとまず2回目のゲームオーバーだな。オメーらお疲れさん。
3選んでもコンマがよけりゃ回避可能だべ。

やー、こりゃ参ったな。
何が、って先読みされてたのもそうなんだけど、次の復帰地点がもう>>324しかねーんだよなぁ。
つー訳で、そっからやるぞ。

ーーーーーーーーーーーーーーー



鬼が、現れる。
曲がり角から、ゆっくり姿を見せる。

それは新しい絶望の始まり。
それは来ては行けないものの到来。

澪田の世界の音が止まったみたいだった。



鬼は―――【罪木蜜柑の服を着ていた】。

多少ぼろぼろになってはいるが間違いない。
しかし、その体は鬼そのものだった。
ぎろりとした目、大きな口、青い肌―――



澪田「なん、で……」


その疑問に、答える者はいなかった。





1→逃げる
2→話す
3→受け入れる
4→攻撃する
5→そのた

>>336

2じりじりと距離をとりながら「蜜柑ちゃん……?」と声をかける

>>334

>>336
>>334



じりっ。
思わず後ろに下がる。

その異様さのせいだ。
いままであんなにずっと見てきた衣装を、人外のそいつが身にまとっているのは随分変な感じがした。
けれど、それもおかしくないと思えたのは、この空間のせいなのかも知れない。


何が起きたって、もう驚く事はないだろう。


じりじり、さらに下がる。

鬼は一気に襲いかかる事はせず、ゆっくりゆっくりと澪田との距離を近づけてきていた。


澪田(………!?)


混乱がさらに強まる。
今までの鬼の個体とは全く違う事だけは確かだ。
かといってこれが味方であるはずもない。
頭の中から全身が冷えていくような感覚を覚えた。

『………ォォ………』


うなった。
それはやはり鬼の声だった。
けれども、何かの確信があって澪田は口を開く。



澪田「……蜜柑ちゃん、っすか?」



瞬間、びく、と鬼が震える。
まるでその名前に、聞き覚えがあると言わんばかりで。


『………ゴ………ギギ………』


澪田「やっぱり……蜜柑ちゃん、なんすか……なんで……?」


明らかに今までと違う反応に、澪田の目に光が戻る。
もしかしたら、このまま訴えれば、何か起きるかも知れないと。
しかしその青鬼は、うう、と困ったように唸って頭を抱えた。


澪田(……? 頭を抱えてる?)

澪田(明らかにほかの鬼とは違う動きっすよね?なんだこれ……?)


それから数瞬。


『………ぁ、オ、ゴガッ………!』


呻きながら鬼がどこかに走っていった。
けれども、その姿を目撃することはついぞなかった。


澪田「……逃げた!?」




1→探索する
2→罪木がいたところに行く
3→そのた

>>341

【安堵】コンマ9……!

2

あー、オーケー、ちょっと待って。

>>341


へたり込む。
罪木蜜柑であったものがいなくなったその、直後だった。

全身から力が抜けたようだ。
ああ、ほんとうに全身の力が無くなってしまったような、そんな、焦燥感がすごかった。
自分は、仲間を殺したばかりか、化け物にしてしまったのかと。
そんな思いが脳裏をかすめた。


澪田「………」

澪田「………行かなきゃ………」


真相を確かめるために、歩む事を決意した。
彼女は、本当に化け物になってしまったのだろうか?
それを確かめなければならなかった。

だから、だからこそ、今しがた罪木の格好をした鬼が逃げていった方向へと足を進めた。
そして、罪木が食われていたそこに、改めて足を踏み出す。


がちゃ。


『………ォ』

澪田「………あ、間違えました………」



目の前に、青鬼。





1→逃げる(どこに?)
2→かわす(コンマ890のみ)
3→そのた

>>348

1図書室

>>348
>>347


澪田(蜜柑ちゃんは?いや、それより!)


どたどた。
本日何度目とも分からない音だった。
まさかまたあの鬼に場所を掌握されるとは、痛恨の極みである。
衣装が違うので多分罪木ではないのだろう。
だが、しかし、であれば―――

罪木の服を着た鬼はどこへ?

その疑問は解決出来ないまま。
澪田の足は、これも本日何度目とも言えない図書室へと向かっていた。
鬼はご丁寧に後ろを付いてくる。
図書室に入ったとてソレは同じだった。

残念ながら、隠れるような余裕はなかったようだ。


かちゃっ!

扉が開く。
澪田の足はとっくに限界で、走るのが確実に遅くなっていたのだろう。
だからこそ追いつかれ始めていた。

だからこそ、鬼に捕捉された!


澪田(くそ………、早く脱出しなきゃ………!)




1→図書室でぐるぐる
2→別のところに逃げる
3→攻撃する
4→そのた

>>355

【案内】あ、苗木っちの内臓はもういいです。

………オーケー。お払いした方がいいんかなほんと。

>>355


図書室の攻防。
それは激しく、しかし見た目には全くハードさの伝わらないそれだった。

なんせ、とかく広い図書室だ。
その逃げ道は割と多い。
ではどう逃げるのかと言われると、これは案外単純だった。

本棚の間をぐるぐる回る。

単純かつ、とても効果的だった。
理由はいくつかある。
鬼に近寄られにくいのが一番だ。
ソレをしていれば、距離が稼げる。
なにより、単調な動きだからこそ疲れにくいし、わかりやすい。


だから澪田はあえてそれを選んだ。


澪田(けど、走り始めて何分経つやら)

澪田(鬼が………学習し始めてる!?)


そう、唯一の誤算だった。
澪田が行こうとする方向に、あえてフェイントを交わして鬼が現れたりするようになった。
こう単調な動きだと、肝心の耳もあまり頼りににならず、直感での動きが増えてしまう。
じり貧だ。

このままじゃ、どのみち鬼に捕まってしまう。


何度目かののち、澪田が本棚から出て行った時に目の前にいたのは、暗闇ではなく鬼だった。


澪田(しまっ、裏をかかれて―――)




1→全速で逃げる
2→足の間を抜ける
3→カメラのフラッシュで時間稼ぎ
4→そのた

>>362

やるなら魔改造以外だな。

>>361怖すぎわろた
安価下

>>362
>>363
0!ヤッター!



『ォ』


食われる。


脳裏にちらついた、罪木の死に様。
全身が一気に凍り付く。

死にたくない!

その一心が、最後の力を奮わせた。


澪田「………お、おおお!!」


スライディング。
曲がり角を曲がりきれなかった力を殺さず、そのまますべて応用した形での滑り込み。
それも見事なスライディングだった。


『!?』

澪田(……出来た!?)


鬼も思わずその場に佇んでしまうほどの、見事すぎる交わし方。
澪田本人ですらこれが成功するとは思っていなかったはずだ。


澪田(避けられた………避けられた!逃げられる!このまま逃げきれる!)

澪田(後少し!後少しなんだ!)

澪田(今までもこのくらいまでは鬼がいた!でも、もうすぐいなくなるはず!)


汗ばむ体でそう祈りながら立ち上がる。
幸いにも体のどこにも怪我はない。





1→逃げる(どこへ?)
2→さらに図書室をぐるぐる
3→攻撃する
4→そのた

>>367

魔改造以外ならゲス園さんとかかな
低コンマのイライラを誰かにぶつけよう
安価なら下

ん、安価下?

恨まないでくれ
>>365

今ちっとサンズリバー見えてた……う、うん、やるぞ……

>>370


澪田(時間経過でも鬼は消えるはず……!)


澪田には自信があった。
故に、そう持ったのだ。
この鬼はきっともうすぐ姿を消す、と。
だからこそ、大胆な動きを出来た。


澪田(このまま図書室を出て!和室に行くッ!)


決めてからの行動は早い。
澪田はすぐさま、外へと飛び出そうと足を踏み出し



ぐきっ


澪田(………え)


くじいた。


そして、迫ってきたのは、





『………オオオオオオオオ!!』

>>352から

>>364から

もうちょい戻って>>338から

厄落とししない?(気分転換)


最速3票

ーーーーーーーーーーーーーーー


罪木蜜柑だった。

澪田の目の前に現れた鬼は、罪木の姿をしており、そして、そいつは澪田の声に反応したのだった。
なによりもそれが、確信させた。
これは、間違いなく罪木蜜柑なのだと、思わされた。

つまるところが、罪木は人ならざるものに変わってしまったのだ。

澪田はそう思いながら、目の前のそいつがいなくなるのを目で追った。
廊下を折れて、澪田に見つからないように走っていく。
やがてそいつの足音もどこかへと消えてしまい、さて、どこに行ったのかと澪田を悩ませた。



澪田(あの鬼は)

澪田(蜜柑ちゃん、って呼んだら、分かってた)

澪田(あれはやっぱり、蜜柑ちゃんだったんすか)

澪田(………蜜柑ちゃん)

澪田(唯吹は……)




1→探索する
2→罪木のいたところまで行く
3→そのた

>>390

2

>>390


澪田「………」


それでも。
何かの間違いなのではないかと、そう思いたかったのだ。
だからこそ、自分の目で見るまでは信じないと、そう思っていた。
だからこそ、なんとかかんとか、罪木が死んでいた部屋まで足を踏み込んだ。

その部屋は、よくよく見れば寝室だったらしい。
ベッドがふたつ並べられている。
シングルか。
夫婦の寝室にしては少し寂しい気もする。

クローゼットが乱暴にこじ開けられた痕があり、そして部屋の中央が朱に染まっている。


しかし、そこにいるはずの罪木の死体は無かった。


澪田「蜜柑ちゃん、いない」

澪田(あの鬼は蜜柑ちゃん本人……?)

澪田(だからここにいない?だからここからいなくなった?)

澪田(でも、なぜ?頭を噛み切られて死んだ蜜柑ちゃんが何で鬼に?)




1→部屋を見回す
2→ほかの部屋に行く
3→誰かに連絡する
4→そのた

>>396

今日はこの辺までで。おやすみだべ!

1

コンマ神「ガタガタガタガタガタガタガタガタ」
GM「ガタガタガタガタガタガタガタガタ」

おーし、今日もやっか?

>>396


部屋の内部には、人の住んでいた痕跡がはっきりと残っていた。
と言うのも、乱暴に開かれたクローゼットに衣服が残されていた。
それはどうやら、成人男性が羽織るような一張羅のスーツや、あるいは白衣のようなものに見える。
誰かが着ていたのだろうか。
しかし、引っ越したのなら衣服を置いていく理由がない。

澪田「………」

部屋の中央の血は、とても真新しいアクセントだった。
ねっとりと、まだ乾ききっていない。
暴れたような痕も少しだけ残っているが、それでも分かる。

罪木はここで頭を噛み切られたのだろう。

もしかしたら鬼の口から落ちた後もなお、胴体から……


澪田「ッ……!」

思わず吐きそうになるのを堪えた。
変なことを考えてしまった、と言えばそう言う事になる。自分はとても残酷な映像を思いついた。


忘れようと頭を振った。
ここには、もう何もないのだろうか?




1→血痕を調べる
2→ベッドを調べる
3→クローゼットを調べる
4→ベッドで寝る
5→そのた

>>405

4

>>405
※コンマ関係なくイベントでした。



澪田(………う、なんか………)


突然だった。
澪田は、ベッドを目にしたとたんに眠気に襲われた。
そう言えば、昨日も新曲を作ると意気込んで、眠ったのは一体何時だっただろうか……。
随分夜更かしをしてしまったような気がする。


澪田(だめっす……すんごい眠い……)

澪田(でも、今寝るわけには……)

澪田(………うう………)


何とか自制しようとするが、だめだ。
人間の三大欲求のひとつにはどうしても敵わない。


澪田(………すこし、だけ)

澪田(そう、5分だけ寝よう)


澪田はそう決意して、ベッドに潜り込んだ。


………ぎしっ



ぎしっ

ぎしっ



その音で澪田は目覚めた。
何分寝ていただろうか?

分からない、が―――

















http://i.imgur.com/Ze81Obv.gif




部屋で青鬼がスクワットしていた。




1→そっと逃げる
2→がんばって起きる
3→寝たふり
4→そのた

>>412

4隣で一緒にスクワットしてみる

>>410

なんでこのネタ選択肢で死ぬんだべ!?あー、オーケー。

>>412
>>410


澪田(なぜスクワット!?)


ぎしぎし、部屋が軋む。
なぜかは本当に分からないが、鬼が部屋の中央でスクワットしている。
それもあれは、ヒンズースクワットじゃあないか?
体への負担はかなり高いと記憶していたのだが。


澪田(いや、そんなのどうでも……)


ぎしぎし。
ふと思う。
もしかして、この鬼とも仲良くなれたりしないのかなと。

澪田は、そう思いつく。

だから、実行してみる事にした。
ばっと布団から起きあがり、鬼と一緒に、スクワット………



http://i.imgur.com/1rbSekc.gif



出来るわけ無かった。

>>402から

>>409から

厄払い

最速3票

厄払い案募集(3レスくらい)






迫る。
鬼が、眼前に。



澪田「あ、あ、あ………」



死ぬ。
自分は死ぬんだ。


さよなら世界、
さよならみんな。


唯吹は―――















「なんてね!」

澪田「!?」

べりべりべりっ!

澪田「お、鬼の中から人が!?」

学園長「いたずら好きの学園長さ!」

澪田「学園長!」

学園長「すまないね、はじめは西園寺さんを怖がらせる予定だったんだけど!」

九頭龍「あいつもちったぁ懲りたろ」

罪木「そ、そうかもしれないですねぇ」

澪田「蜜柑ちゃん!?」

罪木「あ、あれは私の格好したマネキンですぅ」

澪田「じゃ、じゃあ………」

学園長「そう、今までのは―――」





End//Ex 「ドッキリでしたー!!」

ちっとな、別スレ立ててまで中断はもうしばらくいいかなってんで、これで勘弁してくれって。
あんまひどかったらまた考えるべ。


402から

409から

GM隠への質疑

最速3票

ペコに電話してたけどぶっちゃけ来れるの?

>>431
ぶっちゃけ来ようとしてるけど中に入れるかどうかってなると安価とコンマ次第。
つーか、状況的には地下進入から鬼にやられるルートになる可能性は割とたけーべ。
あとはコンマ神に願いをかけるしか……。

ーーーーーーーーーーーーーーー


人がいた痕跡が残ったままの、寝室。
その中にひとつ、まだ出来たばかりの死の痕は随分と浮いていた。
それもそうだろう。
ただの空き家の寝室が、真っ赤に染まっているなんて、そうそう見られる光景ではない。

しかも恐ろしいのは、その赤を作った存在は未だにこの屋敷をうろうろしているのだ。
それも、自力では倒せない。

さらには、死んだはずの仲間すら化け物と化してしまっている。

どこまでも追い詰められているのは分かっている。
早く逃げなければならないのだ。
しかし、全く以て手だてがない。
どうやったら外に出られるのか?
それが全く分からないのだ。


澪田(………早く、出なきゃ………)


時間が過ぎ去っていくだけだ。
どうしても、どうしても、生きていきたいのに。




1→血痕を調べる
2→クローゼットを調べる
3→ベッドを調べる
4→ベッドで寝る
5→そのた

>>438

2

>>438


衣服が放置されたクローゼットに目を向けてみる事にした。
幾分か暗い部屋の中では中身はかなり見えにくいが、致し方がない。
何か使えるものはないのだろうか?

ひょこ、とのぞき込んで。

澪田「うう、やっぱし暗い……」

澪田「あー、あー……」

自らの声を、物に反響させた。
彼女ほどの耳を持っているのなら、そこに物があるかどうかは音の跳ね返りである程度分かるものだ。
何もない空間と何かがそこにある空間では、音の通り方が全く違うのだ。


澪田(……ちょっと奥の方になんかあるっすね)


そうして検討をつけたため、そーっと腕をつっこんだ。
何かが指に引っかかり、それを澪田は手に取った。

あまり大きなものではなさそうだ。
手のひらにつかんだソレをみると、箱だった。
南京錠のような物がかけられている。

………パスワードは4桁の数字のようだ。
けれども、問題はこの部屋にはなさそうだった。




1→別な部屋に行く
2→よく調べる
3→そのた

>>442

>>442


んー、と唸る。
この箱の開け方はどうもこうも分からない。
とにかく、この南京錠を外す以外に方法はないだろう。
かと言って、ではそれを解く事が出来るのかと言う話だ。

問題文がどこにも見あたらない。
つまり、この部屋の中ではないようだ。

もう一度クローゼットの中を見回したが、やはりそこにはなかった。
念のためにベッドも調べたが、どうやらここではないらしい。
ではどこなのだろうか?

確か、2階にはまだ行っていない部屋があったはずだ。
この寝室とは真逆の方向の廊下、その奥にも部屋はあったはずなのだ。

もちろん、記憶が確かならば、と言う条件は付くけれど。


澪田(あと部屋で使えそうな物は……)

澪田(……このクローゼット、ちょっと軋んでるけど……まだ使えるっすね)

澪田(鬼に見つからない内に隠れれば……逃げきれるかもしれない)


開けた痕から察して、恐らく何かのきっかけで鬼が中に人がいるのに気付いて開いたのだろう。
その隠れていた罪木を炙ったのが自分だと重うと、胸が痛かった。




1→ほかの部屋に行く
2→奥の廊下を目指す
3→そのた

>>446

1

>>446
あっ


ぎしっ。
その床を踏みしめ、澪田は部屋を去った。
次の場所を探そうとしたためだ。
つまり、今まだ足を踏み入れていない部屋に行こうと考えたのである。

暗闇と、いつの間に月明かりが室内にこぼれているようだった。
廊下にでると、それはさらにまばゆささえ覚える。
入ったのは夕暮れだったはずだ。
もうそんなに時間が経過してしまったのか。
携帯電話を確認するのもおっくうで、

ふと、階段のところまで戻ると、


がちゃ


反対側の子供部屋の扉が開くのが見えた。
おや、あれは―――



『………ォ』

澪田「青鬼!?」


罪木ではない事だけが救いだった。




1→逃げる(どこへ?)
2→そのた

>>453

1和室

1和室

>>453
ぞろ



澪田(にげ、なきゃ)


擦り切れそうな脳味噌がそう語る。
澪田の足は、自然と階段を降りた。
もう何度も繰り返した行動だからこそ、今まさに流れるような動きで階段を落ちるように下っていった。
そして、ソレが幸いした。

鬼がこちらに気づき行動を開始するわずかなタイムラグ。
それが自分と鬼との距離を大幅に作り上げたのだ。


澪田(………よ、し!このまま逃げれば………)


後ろからの音はかなり遠い。
けれど確実に追ってきているのも分かった。
曲がり角を曲がる。
それでもまだ鬼は階段の上だった。

よし、このまま逃げきれる。
ふすまを開いてたどり着いたのは、和室だった。
相変わらずの押し入れパラダイスだ。




1→押入に隠れる
2→別な部屋に行けるか試す
3→鬼をここで回避する
4→そのた

>>457

音に集中しつつ2

>>457


後ろから迫る音に、脅かされながら。
それでも澪田の頭はどうも冷静だった。

そう言えば、この部屋は四方の内の二方が襖だ。
入ってきた廊下の方、そして自分から見て右側の方。
きっとそちらには、正面扉の奥の部屋、すなわちこの部屋のメインルームがあるんだろうとそう思う。

リビング、か?

背後からの足音は次第に大きくなっているようだった。


澪田(……そう言えばこの奥は入ってない)

澪田(入る……そうだ、入ろう)


その先に何があるかは分からない。
だが、今までとは違う場所に行くの重要なのではないだろうか。


ぐっ、と襖に力を込めた。
そのまま横にずらすと、なるほど、洋式のだだっぴろいリビングが姿を現したのだった。


澪田「これって……!」


勢いのまま、そちらへと歩む。丁寧に、襖を閉めて。
テレビやソファ、テーブルなどが普通に置かれたただのリビングだった。
しかもテーブルの上には缶ビールらしき物が放置されている。
おや、ここでは普通に生活をしていたのだ。
誰かまでは分からないが。

背後からの足音はいつの間に止んでいた。




1→リビングを見回る
2→奥に進む
3→正面扉の方をみる
4→和室に戻る
5→そのた

>>461

ちょいはえーけど、寝そうなんでここまで。明日はながーくやる予定だぞ。おやすみさん!


1

よーし、ちょっくらやるか?

>>461


リビングは平穏な場所だった。
食器棚もきれいなままだ。少しだけ埃を被っていたが、使えないようには見えない。
念力で包丁を飛ばしてくる幼女などはいなさそうなので、これらの食器で攻撃される事はないだろう。

リビングの最奥にはテレビ。
もうその役目を終えたのか、画面には何も映らない。

さらに部屋の奥の方には、個室のような物がある。
風呂場とトイレだろうか?
セパレートされているが、似たような場所に配置されているようだ。

少し視線をずらすと流し台もあった。
水は……もう出ないだろう。


澪田(誰かが……ここに、住んでた)

澪田(それが何かのきっかけで、ある日鬼が……)

澪田(どういう事なんすか?わかんねぇっすよ……)


自問した。

荒れた様子が、リビングにはないのだ。

いくつかの可能性はあった。
けれど、リビングが荒れていないと言うことは、ここに鬼が来た事はないと言う事だ。
あんな、どこにでも現れる事が出来るあの青鬼が?
なぜ、1階の中心たる、このリビングに今まで来ていないのだろうか?

来れない?
それとも、別な理由が?

考えても考えても分からない。

もっと目を凝らす。
なんとか全容は見えてきた。
ソファ近くの床には色々な紙があれこれぶちまけられているようだ。
しかし、部屋が暗すぎて何がなにやら読みとれなかった。

ここから脱出………は難しいのだろうか?
窓からでる?
しかし窓なんてあっただろうか?
トイレに通気孔があるなら、そこから出られないのか?


澪田(………)

澪田(青鬼を倒さないと出られないのかな)

澪田(危ないから、外に出さないために)

澪田(だから扉も閉まったし、内から開けられない)

澪田(もうすぐペコちゃんがくるはず……もし外から開けられるなら、逃げられる……)




1→正面扉の方に行く
2→床の紙を拾う
3→トイレに行く
4→そのた

>>451

2

>>471
これ
安価ミスとかほんとおっちゃんだな、俺……

>>471


澪田(………これ、なんすかね)


床に落ちているのは、何かの紙のようだ。
恐る恐る拾い上げてみた。
細かい文字がいくつも打ち込まれており、つい目を細めてしまう。
何かの研究資料のようだ。



『筋力増加プロジェクト

これは生徒の体に投薬し、その効果で筋力増加を手助けしようと言うものです。
通常、筋肉はそのつきやすさや量が個人の体質によってかなり異なります。
今回の研究は、それらの身体的、先天的なハンディを克服出来るでしょう。

既に評議会からの研究許可は下りており、プロジェクトは進行しています。

我々はこのプロジェクトを、日本古来の伝説の存在のように、力強さを身につけて欲しいと考え、
【プロジェクト青鬼】と呼ぶ事にしました。
このプロジェクトが成功すれば、希望ヶ峰学園の体育系生徒の能力はさらに向上を見込めるかもしれません』



澪田(あの資料の一部、すか?)


さらに、別なものを見つける。

『観察日誌
被験者8名
投薬開始。全員間違っても筋肉量が多いとは言えない』

『最初の数日は何事もなく過ぎた』

『ある日、1人の被験者が身体の異常を訴えた。筋力に異常はなく、バイタルも正常。痛みを訴えていたが、鎮静剤で治めた』



澪田(………これは!?)

謎の日誌だった。
それがてんでばらばらにされてあちこちに置き去りになっているようだった。
待てよ、これを書いていた人物はどこへ?
もしかして、最終的に鬼に食われた?


澪田(………行かなきゃ)

澪田(もしかしたら、どこかにヒントが……)




1→まだ行ってないところに行く
2→もっと床を探す
3→そのた

>>478

>>478

澪田(………もっとヒントがあれば………)


さかさかと探す。
暗闇の中では、どうも紙は見えないようだ。
ソファ近くに置き去られた何枚かを手に取る。


『観察日誌
被験者Aが倒れた。様子がおかしい。
医療班に様子を見させている。要監視』

『(翌日)
被験者Aの容態は悪化しているらしい。肌がだんだん真っ青になっているとの事。
俺達は筋力増加プロジェクトをやってたんじゃないのか?』

『(さらに翌日)
被験者B、Cも様子がおかしくなった。
Cはとても冷静に、自分達を檻か何かに閉じ込めるべきと主張している。
意味が分からないが、話を聞くと背筋が凍った。こんな事書けるか』

『(さらに翌日)
Aの肉体は筋肉だるまのようになっている。
が、これは我々が目指した物ではない。これじゃほんとに青鬼じゃないか。
……最上階に隔離しておいて正解だった。医療班のひとりが亡くなったが、やむを得ない犠牲だった』


内容がだんだん、恐ろしい物に変わって行っている。
青鬼を隔離したとあるが、それはどこなのだろうか?
隔離したのであれば、なぜこの屋敷を鬼が彷徨いているのだろうか?

なんにせよ、もう紙はなさそうに見えるが……探す価値はあるかも、しれない。



1→別な場所に行く
2→もう少し床を探す
3→そのた

>>482

2

>>482


澪田(いや、もしかしたら……まだ何かあるかも)


がさがさと、床をさらに探す。
両手を暗闇につっこんで、指先に何かが触れないかと試して、そして―――

かさっ



『観察日誌
次いで、被験者D以降の5名も様子がおかしくなった。
俺達は何の研究をしていたんだ?
恐怖で汗が止められない。
とにかくCが言うとおりだ、全員隔離した』

『(翌日)
投薬されていないはずの、研究チームのひとりが発症した。
ほかの被験者のように、体が青くなり、鬼のような外見に変化した。
なんなんだこりゃ?本当に、薬の影響か……?』


『(日付不明)
いつの間にか、俺の手があおくなっていた』

『どいつもこいつも、俺をなんて目で、みる
やめろ、俺は研究チームだ、ぞ』

『おれ、主にん  なんで、こんなこと知らされていない、?』

『にくがくいたい』


『(日付不明……筆跡が全く違う)
研究チーム主任のZを隔離。その間チームメンバーに2名の犠牲が出たが、任務遂行。
これ以上の実験は継続不可能と判断し、全体チームを撤退する。
当館3階に鬼を隔離済み。牢は特殊合金、今後は衛星管理システムにて管理を徹底。
3階はプロジェクト青鬼のメインルームだったが、現在は立ち入りがきわめて困難であると推察される。
また、撤退直前に1名の発症を確認したため、射殺後地下通路に隔離。』


澪田(………)


日誌はこれで最後のようだ。




1→2階に行く
2→風呂トイレに行く
3→そのた

>>486

2

>>486
77だべ!


澪田は顔を上げる。
相変わらず暗いが、それでもリビングからさらに奥を見ておかなければ、とそう思ったからだった。
みし、みしと床が軋む。
その音に神経をすり減らしながら、彼女は脱衣場らしき場所の扉に手をかけた。

中は、それなりに清潔そうな様相。
流し台が特段汚れているような事もない。
さらに半透明の扉で仕切られて風呂があったが、その扉は開け放たれており、また浴槽が液体でひたひたになっている。

血か、と少し勘ぐって身構えたが、ただの水だった。

ふと、何かがきらめく。
中に何か、鍵のような物が落ちていた。


澪田(さっきから鍵ばっかし拾って……これは何の鍵なんすかね?)


恐る恐る水に手をつっこむ。
すっかりぬるくなっていて、今の澪田にはちょうどいい水温だ。
中から手を引き抜いて確認すると、それは随分大振りな鍵だった。

階段の仕切を開けられそうな大きさだ。


澪田(これで唯吹は………)

澪田(小さい鍵、おっきい鍵、ロックのかかった箱のみっつを手に入れた)

澪田(………)




次行動のコンマ緩和
1→2階の行っていない部屋に行く
2→ほかの部屋を見回る
3→西園寺を見に行く
4→そのた

>>492

ペコに電話

>>489
安定のブラック希望ヶ峰

>>492
>>489
緩和ありで2か……



澪田(……ペコちゃんはどこにいるんすか?)


そう言えば。
助けを呼んだはずの友人の姿がまだ見えなかった。
残り少ない携帯電話の電池を気にしながら、澪田は電話をかける事にした。
リダイアル。先ほどの履歴を使って、スムーズに電話をかけられる。

ぷるる……
ぷるる……


がちゃ


澪田「ぺ、ペコちゃんすか!?」

『澪田か。今は無事なのか?追いかけられてたのでは?』

澪田「今は何とか……それで、」

『ああ、すまない。遅くなったな』

澪田「もしかして、もうすぐ来れそうな感じっすか?」

『もうすぐだ。だが―――』

澪田「だが?」

『なぜか分からんが、この辺りに教員の姿が多くてな。何か知らないか?』

澪田「へ?」

最初に自分達がここに立ち入った時、咎める人の姿すら無かったというのに。
それが、いまやこの屋敷の近くに教員がいる?
もしや、遠隔システムで侵入者を察知したのだろうか。
それで、警戒を強めているのだろう。万一にも、逃げ出して外に漏れたりなんてしたら最悪だ。

辺古山はそれらの目をかいくぐって進んでいるらしく、進捗はそこまで芳しくない。
それでも、もうすぐたどり着くと言った。


澪田「うーん……わかんねっす」

『………そうか。他のみんなも無事か?』

澪田「………」

『……まずい状態なんだな。分かった、急ごう』

澪田「あ、その」

『ん?』

澪田「ち、地下からは絶対来ちゃダメっす。死んじゃうっす」

『………正面から行くほかないのか』

澪田「そうっす!」

『分かった。もうしばらく辛抱してくれ』


そこで携帯電話が不定期な音を鳴らし始めた。
どうやら澪田の携帯電話はそろそろ電池が潰えそうなのだ。
最後にいくつか言葉を交わして、電話を切った。


澪田(………もうすぐ、来てくれる)

澪田(上手く行けば逃げきれる)

澪田(でも、蜜柑ちゃん………)

澪田(………)

澪田(………もう少しの、辛抱っす)




1→1階のどこかに隠れる
2→2階にいく
3→辺りを見回す
4→玄関に行く
5→そのた

>>497

>>497


澪田「………ここにもういる必要もねぇっすか」


ここで行う事はもはやなかった。
リビングを突っ切って正面入り口を開き、そのまま玄関ホールへと戻る。
相変わらず、扉は開く気配が全くない。

その足で、2階にあがってみる事にした。
時間つぶしのため、とも思われる。
けれども、謎解きには必要な行動なのだろうなと、ひとり思った。

ぎしぎし、階段を上がって戻っていったのは、やはり静かな2階だった。
建物の左側が、子供部屋と、罪木の死んだ寝室。
そして右側にも同じように子供部屋があり、さらにその奥にも部屋が続いているようである。


上に上がるための階段は、しきりに鍵がかかって開けられない。




1→右の奥に行く
2→鍵を開けて上に行く
3→そのた

>>501

1

>>501

右側の奥の廊下を見に行ってみよう。
それから、上の階に行けばいいのではないだろうかと考えた。
澪田の足はおもむろに、奥に奥にと進んでいく。

どこもかしこも静かで、そして何も出る気配がない。

何も出ない事が恐怖だなんて。
苦笑いしながら、澪田は歩み続けた。
ふと。
その廊下を曲がると、廊下は壁で終わっていた。
しかし左側に、ひとつ小さな扉が付けられている事に気付く。


澪田(部屋?これは………)


がちゃがちゃ


澪田(施錠されてるけど、この小さい鍵で開けられるはず……)


鍵を持っている事を覚えていた澪田は、部屋のキーを取り出し、鍵を開く事が出来た。


………ぎぃぃ。

その部屋は、音楽室のようだった。

壁一面は真っ白でとても清潔感がある。
なにより、なぜかこの部屋は明かりがついているかのように明るいのだ。

その明るさに、一瞬だけ澪田はたじろいだ。
なんとか部屋に足を踏み込む。

部屋の中央に、グランドピアノが一つ設置されている。
それ以外は特にとりたてて気にするべきものはない。
物置やら、他に飾られた楽器やらもあるが、何よりも中央のグランドピアノが目を引いた。


澪田(………ピアノ?)

澪田(ピアノはおかしなものじゃない、っすよね)

澪田(それにしても、なんでここにピアノが?)

澪田(………)




1→ピアノを触る
2→部屋を調べる
3→楽譜を演奏してみる
4→そのた

>>507

あえて3

>>507



澪田(そうだ、確か唯吹、楽譜持ってたな)


ごそごそ。
ポケットから出てきたのは、地下にて拾って折り畳んでおいた楽譜だった。

楽器があって楽譜がある。

そうなると、演奏してみたくなってしまった。

慌てて楽譜片手に、ピアノへと近寄る。
ピアノそのものも、あるいはそのいすも、まるで誰かに手入れされたかのように美しかった。

そのピアノにも楽譜が既に何枚か用意されている。紙には①②③と数字が振られており、澪田の持っているものはたぶん④だろう。


ぽろん……。


せっかくなので、数字の振られている順に楽譜を引いてみた。
そのうちに、澪田はある事に気付く。
ここにある楽譜は、いずれもベートーヴェンの交響曲の楽譜だったのだ。


澪田(聞いた事あるっす)

澪田(この①は交響曲 第6番……ハ短調、)

澪田(日本語だと【田園】って名前の付いた曲っすね)

澪田(………ん?第5番?)


次の曲、次の曲と引いていく。


澪田(こっちは……なんだったっけ)

澪田(②は………えーと、【合唱】だったかな?)

澪田(③は分かるっすね、交響曲第5番……【運命】)

澪田(あとこれは……)

澪田(④……持ってきたやつは【英雄】っすか。何番目の交響曲だったっけ……?)


澪田(………うーん、)

澪田(これ、なんかに関係あるんすかね?)




1→ピアノをさらに引いてみる
2→部屋を調べる
3→そのた

>>512

1

>>512

ジャンッ!

さらに激しく、澪田はピアノを叩くように演奏する。


澪田(………意味があるはず)

澪田(だって全部がベートーヴェン縛り)

澪田(でも、そんな数字使うところあったっけ?)


澪田(―――そうか、あの箱!)


そこで澪田の脳裏をよぎったのは、寝室のクローゼットから手に入れた小さな箱だった。
それは確か、4桁の数字でロックがかかっていたはずだ。
今引いている交響曲も、楽譜は4枚。
つまり、もしかして?


澪田(もうこれくらいしかない)

澪田(数字が振られてる順に、箱に番号を入れるんすよ!)

澪田(そしてその番号は【交響曲の曲番】!)


滑らかになだらかに、鍵盤の上を澪田の指が踊った。
それは、場所が場所なら称賛を浴びてしかるべきものだ。
聞かせる相手がいない演奏会は、少しだけ寂しい。


澪田(その考えが合ってるなら、6と5は間違いない!)

澪田(考えろ!田園と英雄、それぞれ名付けられた交響曲の曲番を思い出せばいい!)




1→答えを入力する
2→ひんと
3→部屋を調べる
4→そのた

>>516

田園と英雄じゃなくて合唱と英雄では

1で>>515信じて6953

ああーっ!タイトル書き間違えてやがるぜ俺!これはけじめか!けじめしねーとなんねーか!………それはそうと続けんぞ。

>>516
コンマ神降臨


澪田(思い出せ!)

澪田(合唱!田園!それらの数字を!!)


勢いよく鍵盤をジャンッ!と打ち鳴らし、曲は終わった。
辺りに残ったのは静寂だけである。


澪田(―――)


がちゃがちゃ。
手に取った小さな箱をみた。


澪田(………思い出した)


確たる意志を持って、それを開く。


澪田(田園は6、合唱は9)

がちゃがちゃ

澪田(運命が5で、英雄は3)


澪田(答えは―――6953!)


かちゃっ。


澪田(開いた!)


箱の中に入っていたのは、小さなUSBメモリーのようなものだった。
これは一体どこで使うのだろうか?
澪田には、見当もつかない。



1→部屋を調べる
2→上の階に行く
3→玄関まで戻る
4→そのた

>>523

1

>>523
ぬぅん………


澪田(そうだ、この部屋には何か……)


真っ白な部屋だ。
床も壁も一面が真っ白だった。
汚れはほとんどない。
まるで、今までよく手入れされているような印象だった。
だが、誰が手入れを?

棚などを見返すも、特段必要な物はないらしい。
どうやら、ここには求めているような物はないのだろう。

かと言って探索を止めるわけには行かない。

部屋の奥に入ろうとして、



がしゃんっ!



澪田「………え」


部屋の中央に、鬼が突然落ちてきた。
どこから?
今更、考える必要もなさそうだ。


『………オォォ………!』


ひとつ幸いなのは、これ以上この部屋を探索する必要がなさそうと言う事だけだ。




1→逃げる(どこへ?)
2→この部屋でしばらく逃げる
3→そのた

>>529

>>529


対峙した。
それはやはり、人とは思えない姿の存在。
青鬼だった。

これが、元はただの人間だったと?

澪田には、未だに信用ならなかった。
けれども、レポートが嘘を書いているとも思えなかった。
つまり、あれは事実。
ならば、この目の前の人物は―――


澪田「……プロジェクトの、参加者さんなんすか」

『ォォォ………』


返事ではない。
本能的に喉を鳴らしているのだろう。
威圧的に、澪田の方にとやって来ようとしていた。


澪田「あちこち走るのも疲れたっすからね……!」


元が人なら、知性があるのも納得だ。
澪田は、鬼とピアノを挟んで向き合った。
すぐさま追いかけてくる鬼を、ピアノを周回して避ける。
その距離は全く縮まらなかった。

少しして、どちらともなく足が止まる。


澪田(………)




1→隙をついて脱出
2→まだ部屋でぐるぐる
3→どこかに行く
4→そのた

>>534

1

>>534


澪田(………)

鬼が直線的に攻めてこないのは意外だった。
ピアノを踏んづけたり、そんなことは絶対にしなかった。

澪田(………逃げる!)


一瞬の、攻防。

『!』

鬼が止まった瞬間を見計らって、走り出した。
それは決断的な行動。
足の速さにはそこまで自信はなかったのだが、相手の虚を突いた自信はあった。
おかげで、鬼の足音はかなり遠い。
廊下の曲がり角まで、一気に走り抜く。

まだ追いつかれない。
これなら、逃げきれるのではないかと思える。

隠れるだけの余裕もある。
ただ逃げるだけでなくともいいんだ。




1→隠れる(どこに?)
2→逃げる(どこに?)
3→そのた

>>538

>>538


澪田(………行ける!)


逃げられる。

確信した。
澪田は走っていった。
鬼がまだまだ背後にいるからこそ、逃げるだけではなく隠れる事が可能だと判断。

目指したのは、忌まわしき寝室だった。
そのまま、飛び込む。

場所は―――クローゼット!


ばたんっ


扉を、閉めた。
鬼の足音は、こちらには来ないまま………そしていつの間に、消えて無くなった。


澪田(こちらに来なかった?来ると思ったんすけど)

澪田(それとも、今までのパターンを学習して、いきなりしたに?)

澪田(だとしたら、だとしたら……最悪っすけどね)


耳で安全を確認する。
もう鬼はいないだろう。
動くなら今だ。




1→上に行く
2→他の部屋に行く
3→そのた

>>542

2

>>542


クローゼットから窮屈そうに体を押し出して、数瞬してから澪田は飛び出した。
床に着いた足は危うげなく、しかし先ほどまでの疾走でほどよく汗ばんでいるのが、この闇の中でもよく分かった。

部屋には、鮮血と、死のにおいが沸いていた。

澪田「………」

意図的にそこからは目を離す。
本来であれば、罪木だって同じ方法で鬼を避けられたはずなのだから。
けれど、それを考えないようにしながら、澪田は部屋を後にした。

他に探索していない部屋など無かっただろうか?

廊下に出てきてからそんな事を思う。
けれど、思い当たる節はない。

澪田「そう言えばここ、なんで………」


ふと、疑問を口にした。

何で、子供部屋があるんだろう。

高校生に割り当てられている部屋にしては、おかしな構図な気がしたのだ。
ここは明らかな一軒家の様相なのに、なぜ実験の舞台になったのだろうか?

疑問を解決するために、澪田は子供部屋のひとつに転がり込んだ。

疑問はすぐに解決した。

子供部屋を見て気付いたのだ。
これは、この部屋は、本当に子供部屋だったのだと。


それは、机の上に置かれた家族写真のせいだった。


仲むつまじい、4人家族だろうか。
それらが、穏やかな笑顔で写っている。
けれども、写真立てにはひびが入っていたのだ。

不意に、布団が気になった。

澪田が布団をめくると、そこにはこびりついたどす黒い汚れのような物があった。


血だ………。


そこから先はあまり考えたくない。
澪田は忘れる事に決めた。
そこは考えては行けない。
青鬼とはきっと全く関係のない話なのだろうから。



1→上に行く
2→そのた

>>546

【GM】鬼に遭わなければもうすぐ終われそうだな!

>>546


こんなに神経をすり減らした1日も、もうすぐ終わってくれなければ困る。
澪田はいつのまにやらかいていた汗を拭ってから、階段までやってきた。
確か、一番上は研究の中枢だったはずだ。
そこにもしかしたら、鬼の撃退方法なんかがあるかもしれない。

淡い期待を胸に抱きながらも、それでも不安はつきまとう。

けれど、不安だけではこの先に進む事は出来ない。


澪田(行きますか)


手のひらに握ったのは、大振りな鍵だった。
これなら、この階段を仕切っている錠を取り外す事が出来るだろう。
恐る恐る鍵を差し込むと、見事に錠にハマった。
がちゃん、と音がする。
鍵が解除出来たのだ。


澪田(やっぱり、合ってたんだ)

澪田(なんでお風呂場にあったかは分かんないけど)

澪田(でもやっと、上に行ける)


ふう、と息を吐いた。
一番上に何が待っているかは分からないからだ。

意を決した澪田は、階段を上がることにした。

ぎしぎしぎし。

そこまで古くもない階段なのにも関わらず、軋んでゆがんで音がする。
それは澪田の不安をかき立てるのにちょうどいいアクセントになっていた。
次第に全身に汗が伝うのが自分でも分かった。

空気はぬるい。

不気味な静けさと、闇夜。
それがさらに恐ろしさを助長させているのが彼女にでも分かる。
そしてごくり、生唾を飲み込んだ澪田が、階段を上がりきった。


目の前に扉が一つだけある。


その扉は、鋼鉄製だった。
すぐ脇に「関係者以外の立ち入りを禁ず」とあり、そして番号を打ち込むようなシステムが付けられている。

セキュリティは、この扉に関しては万全だった。
番号なんて知らない、と澪田が諦めかけたが、番号を打ち込むキーのところに、何かを差し込めるようになっているようだ。




1→突入
2→そのた
>>550

>>550


澪田(………そっか、これをここに刺して)


先ほど、箱から手に入れたUSBメモリーの事を思い出す。
これを使えば、もしかしたら入れるのではないだろうか?
遠隔操作システムで守られているという、青鬼研究の本拠地なのだ。入る方法は、これしかないだろう。

そっとUSBを差し込んだ。
すぐさまぴぴっ、と電子音が軽快に鳴り響く。
赤だったシグナルは緑へ。

そしてその扉を開け放つ権利を、澪田は得たのだ。


澪田(今のままじゃ外に出られない………)

澪田(ここで何か、きっかけを手に入れたいところだけど……!)

澪田(……なんかあるっすよね?)


まさかここまで来て何の収穫もないなんて事はさすがにあるまい。
でなければどうすると言うのだろう。

辺古山でも外から開けられない可能性だってあるのだ。
なら、少しでもリスクは減らしたかった。


扉を、ゆっくりあける。

まっすぐに伸びた道が目の前にある。
それは部屋の奥まで続いて、先ほどと同じようにセキュリティーで守られた一枚の鋼鉄の扉へと導いていた。

しかし、問題はその左右だ。






檻がある。




中にいる。






がしゃんっ!



澪田「………!!」










鬼の群がいた。





『ゥ、ぅうゥ……ガァッ!』

『オれ……なンで、こんなこと、……』

『アグネス………アグネス………』




澪田「………!!」


檻は開かない。




1→まっすぐ扉へ
2→檻の中をみる
3→そのた

>>554

3檻がちゃんと施錠されているか確認

アイエエエエ!?いや、いやいや、もうあと一本道だろ!なんで44コンマなんだよ!
………えーと、今日中の終了はむりみたいだから今日はここまで!また明日!

アグネス………アグネス………

さ、やんぞ。今日には終わらすぞ!
しかしなぁ、開幕出落ちってのはなぁ……。

>>554


両側の檻は、確か特殊合金で出来ているはずだ。
そうわざわざ書かれていると言う事は、きっと恐らくは、これは鬼に耐えうる物なのだろう。

しかしそれでも気がかりなのは、施錠されているかどうかだった。


澪田「こ、これ……」

澪田(襲われないっすよね……?)


おずおずと見回す澪田。
フロアに人間のいると言う状況は、鬼達にとっては非情に刺激的だった。

がしゃんっ!


澪田「ひ、っ!」

『ゴ、ぁ……グァ……』

『オれは、しゅ二、……なん、で、こ……』

『ブルスコファー……』


思い思いにうなりながら、両脇から澪田を見ている。

澪田(だめ……、鍵の状態を確認しなきゃ……!)


震える足を前に出した。

そして、取り付けられている、頑丈な錠を見て





ぱきんっ




澪田「え」

檻に付けられている錠が勝手にはずれた。
恐らく磨耗していてもう限界だったのだ。

ゆっくり扉が開く。

反対側からも同じ絶望の音がした。


澪田「あ、ひっ……!」


澪田「なん、なんでっ、なんで鬼が!外に……」


澪田「い、いやっ、死にたくねぇっす!唯吹、唯吹はっ!」


逃げられない。
距離が近すぎる。

反撃?もちろん出来ない。


澪田「そ、そうだ、この扉から外に」


がちん


澪田「………は………」


扉も、開かない。


がちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがちがち


澪田「開かない、なん」

澪田「開いてくれっすよ、なんで開かないのっ」

澪田「開けて!開けて!開けて開けて……開け……」

澪田「たす………け………」







ごりゅっ

【報告】………うん、44コンマだもの。昨日に引き続きお疲れさん。
ちなみにあとやる事はあんまねーから、さーっと謎解きしちまうか。
と言うわけで、>>552から。

ーーーーーーーーーーーーーーー


澪田の目の前に広がっているのは、まさしく、鬼のすみかであった。
色が色なので、まるでブルーベリー農園のようにも思える。
そんな事を考えながら、自分はおかしくなってしまったのかと思っていた。


相変わらず空気はぬるい。


檻の両サイドから、大きな目がこちらをにらんでいる。


『が、ゥ……ォォォ……』

『どウシ……て……オレ……』


鬼のうなり声が鼓膜に張り付く。


『いや……たスけ……』

『アグネス………アグネス………』


思い思いにうなりながら、こちらを見ている。



澪田「………ッ」




1→まっすぐ奥の扉へ
2→檻の中をみる
3→そのた

>>574

2

>>574
1ネス



檻の中を、震えながらみる。


左右に合計10体はいるだろうか?
そのうちの何体かは既にさらに変化してしまっているようで、

あるものはクラゲのような姿で宙を浮いたり、
あるものははんぺんのようなひらべったい形で檻にぶつかってきたり、
あるものは上半身が異常に膨らみ、ヒンズースクワットをしていた。


澪田(これ、が………)

澪田(もともと人間、だった……!)

澪田(………考えたくもない………けど………!)


こちらをぎろぎろと、黒い目玉で全員が見つめている。

両側から突き刺さる視線は、怖い。
そのうち、何体かは澪田を捕まえられないかと檻にしがみついてうなり始めた。


がしゃんっ!


『こ、こカら……出しテ……』

『ば、グゥ、………ぁが、ズ、っ………』

『おレは、しゅ二……ン、なン……だ……』

『ウィンウィンウィンウィンウィンウィンウィン』


澪田(………!!)

澪田(だめ、これ以上いたら……おかしくなる……)


腕を必死に伸ばしてきている。
いくら特殊合金とはいえ、いつ捕まるとも分からない。



1→扉に向かう
2→話しかける
3→調べる
4→そのた

>>581

1

………えぇ………?

>>581


澪田(………いかなくちゃ………)


これ以上自分がおかしくなってしまう前に、早くここから出なければ。
澪田はまっすぐ扉へ歩いていく。

部屋の一番奥の扉にも、どうやら電子錠がかけられているようだった。

これもまた、あのUSBで開けそうだな、と思っていたその時―――


ピピピピピピピピピ!!


突如、けたたましい電子音。


『侵入者発見、侵入者発見―――』

『プロジェクト青鬼の保護のため、自衛プログラムを起動』


澪田「え?な、なん、すか!?」


うろたえる。
そんな自衛プログラムが発動した理由が定かでなかったからだ。




かちゃん

澪田「………え?」


檻を塞いでいたはずの錠が、電子プログラムによって外された。
同時に、中にいた鬼達はこちらへとなだれ込む。

もはや生肉を食う事しか、奴らには興味がない。


ずしんっ


澪田「な、え………」


『お、マえ………コろ………』

『ミギュ、ぐ、アズ、む、グ……』


ずしんっ

ずしんっ


『ヒヒヒヒヒヒヒヒ………』

『ウィンウィンウィンウィンウィンウィン』



ここは地獄だ。



澪田「………うあああああああああああ」



ぐちゅっ。

【絶望】………うん、44な。仕方ねぇな。
>>579からやるぞ。

ーーーーーーーーーーーーーーー


ここから出して。
俺は人間だ。
助けてくれ。
もう何もしないから。


悲鳴のような声が耳にこびりつく。

そしてそれを言うどれもが、もはや人外と化している。


澪田「………ッ」


これ以上ここにいて正気を保てる自信がない。
これ以上このままで、冷静でいられるはずがない。


がしゃんっ!
がしゃんっ!がしゃんっ!!


檻を揺らしながら澪田を食おうとねらっているのは、まさしく青鬼であった。
罪木の命を奪った憎き生物。
しかし、恐らくその個体は、この檻の中にはいないのだろう。




1→扉に行く
2→調べる
3→話しかける
4→そのた

>>600

挑発する

………なんで!?

>>600


澪田「………思わずたぎってきたっすよ」


こんな奴らが檻の中にいると思うと、いらいらしてきた。
忌まわしき鬼どもが、こんな部屋にいるのだと思うと腹が立ってきた。

触れられないような距離にて、澪田は勝ち誇ったように叫ぶ。


澪田「むっきー!檻んなかに入ってる困った
鬼さんっす!」

澪田「アンタらは人でもなんでもない、ただのばけもんなんっすよ!分かってっすか!」

澪田「多少は同情するけど、でも、結局あんたらはただのばけもん!」


がしゃんっ!がしゃんっ!!

檻の奥で鬼がわめく。


澪田「へんっ、悔しかったら唯吹に一発入れて」




『………ウィンウィンウィン』


どすっ



澪田「………は?」


見れば、クラゲのような鬼の腕が体に突き刺さって、い、て、


澪田「え?もしかして、唯吹も、こんな……ばけも、んに……」

澪田「やだ、やだよう、いぶ、きは、こんナ」

澪田「たすケてくださイッすよ、いぶキ、そんナノ、い………」

澪田「う、が、ァ……ゴッ……ギィ……!」



そして、この屋敷から帰った者はいなかった。

【審議】………あー、死にすぎ。
1出し後から再開だったから救えるポイントなかったべ。


>>552から(今まで通り)

>>579から(多少コンマ緩和)

↓最速3票

ーーーーーーーーーーーーーーー


澪田の目の前に広がっているのは、まさしく、鬼のすみかであった。
色が色なので、まるでブルーベリー農園のようにも思える。
そんな事を考えながら、自分はおかしくなってしまったのかと思っていた。


相変わらず空気はぬるい。


檻の両サイドから、大きな目がこちらをにらんでいる。


『が、ゥ……ォォォ……』

『どウシ……て……オレ……』


鬼のうなり声が鼓膜に張り付く。


『いや……たスけ……』

『アグネス………アグネス………』


思い思いにうなりながら、こちらを見ている。



澪田「………ッ」


見るのはもしかしたら、二度目だろうか?
いや、そんな事はあり得ない。

ここは鬼の住処だ。

………檻は、開かない。





1→まっすぐ奥の扉へ
2→檻の中をみる
3→そのた

>>574

1

ぜんぜんあんかちがう!?
>>622な!そ、それでいいんだべ!!

>>622

こつっ。


澪田(………急がなきゃ)

澪田(唯吹達は、早くでなきゃ行けないんだ)

澪田(だから、早く出なきゃ)


もう迷っている暇などない。
鬼達の呻きをバックコーラスに、澪田の足は決断的に前に踏み出された。
奥に控えているのは、あまり大きくは見えない扉だ。
その扉の近くにも、電子制御の鍵がかけられている。

最初とまた同じように、彼女はUSBを差し込んだ。


澪田(恐らくはこれで)


ぴっ、と短い電子音。
次いで、勝手にロックが開かれる音がする。

中に入れ、と言う事だろう。


がちゃり、扉を開いて中にはいると、そこはまたしても、今までとは一風違った部屋だった。

そこにあったのは、ひどく散らかった研究室だった。
隅っこには本棚、いくつかのテーブルとパイプいす、
それなら真っ正面にデスクトップのパソコンが一式据えられている。

澪田(………これが、ここのプログラムを一括するパソコン、かな?)

まじまじと見つめる。
パソコンは電気がついているようだ。

スクリーンセーバーを断ち切ると、まずはパスワード画面が出てきた。
慌てず、USBを再び差し込んでみる。
すると画面には一つの文字が出てきた。


【暗証番号は、4桁。11月最初の祝日】


澪田「………これまたやっかいな」


けれども考えればすぐに分かりそうなものだ。
パソコンが使えるようになれば、もしかしたら脱出の糸口も見えるかもしれない。




1→パスワード入れる
2→辺り見回す
3→そのた

>>633

1
1103

>>633


澪田「つか、こんなパスワードざるすぎねっすか?」

澪田「分かってんす、答えは………その日にち。1103」


文化の日だ。
学生は残念ながら、祝日というものが大好きだ。
だからこそ澪田も覚えていたと言っていいだろう。
むしろ、澪田から見てもザルだ。
こんなすぐにばれるパスワードを使うなんて―――


ぱっ


けれども、そんな思いも次の画面で打ち砕かれる。


デスクトップには、いくつものカメラのようなものの映像や、現段階の鬼の様子が幾重にも映し出されている。
そのすべてを、澪田が一瞬で理解出来るはずがなかった。

けれど、分かった事もある。
どうやらこの屋敷の入り口は、電子制御で固められていたようなのだ。

それでは外からも内からも開かない訳だ。

さて、そのセキュリティシステムを利用するためのパスワードは………


自由回答。


澪田「………は?」


文字数制限なし、英数入り混じってのかいとうになるようだった。
さすがにノーヒントでは、分からない。



1→パスワード入れる(カンで)
2→部屋を見回す
3→そのた
>>638

2

>>638


部屋を見回す。
このままノーヒントじゃ無理だぜ、ヒントをくれ。

まずぱっと見て、机の上だ。
そこには、誰かの手帳がおいてある。


『筋力を増加させるために適切な食べ物と、その配合』

『カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、ミネラル豊富な食べ物を』

『食事には気を使わなければいけない』


その先、今度はパソコンのすぐそばの付箋。


『警告!パソコンを私用にて利用した職員がいたので、重大なミスが出ないためにパスワードを変えました』

『職員ならすぐに分かるはずです。普段被験者に処方しているものです』

『被験者の抗鬱のために用いています』


澪田「なんじゃそりゃ………」


ちんぷんかんぷんだ。


続いて本棚も見てみたが、特に何も得られなかった。


澪田「まずい………なんもわからん………」




1→パスワード入れる(カン)
2→ひんと
3→そのた

>>643

英数入り混じってならH2Oのような化学式を想像するがそれだとしてもまだ分からん
安価下

1
10X10

>>643
>>644


澪田「………???」


何がなにやらよく分からないので、とりあえず適当に入力してみた。

10x10



『パスワードが違います』


澪田「だよなぁ……」


改めて本棚を見てみた。
そこには難しい文献がざらりと並んでいるではないか。
そこの文章になにかヒントがないかと、ゆっくり目で追ってみる。


『グルタミン神経の………』

『………うつ病患者に対しては効果が………』

『マグネシウムの欠乏を………』


などと書かれていた。

ざっと読んだだけでよく分からないが、恐らくこの辺りがキーなのだろう。


澪田「………」

澪田(………マグネシウム?)




1→パスワード入れる
2→ひんと
3→そのた

>>651

2

>>651


澪田(マグネシウムが関係してるのかもしれないけど)

澪田(でも、それだけじゃ決定打に欠ける!)

澪田(もっと何かヒントが欲しい!)

澪田(………だって答えがただマグネシウムな訳ないし………)


辺りをさらに見回す。
それ以上になにか、ヒントはないのか?

キョロキョロと辺りを探し回る。

手帳に何かヒントがあるのかもしれない。


『きょうの献立
ほうれん草とベーコンのバター炒め、味噌汁、玄米。食後にアーモンド』

『きょうの献立
ベーコンエッグ、パン。希望者には味噌汁』

『きょうの献立
お好み焼き、希望者にはたこ焼きもセットで』

『きょうの献立
焼きそばパン』


澪田(………この献立でマグネシウムを採れるってこと?)

澪田(やっぱり分からない………)

澪田(………マグネシウムをたくさんとれる食べ物があるのかなぁ………)




1→パスワード入れる(英字+数字)
2→特大ひんと
3→自動回答(巻きでやりたい人向け)
4→

>>664

2

>>664
※コンマさえよかったらミキプルーンでも正解だった。


ふと澪田の前に、謎の成分表が広げられている。
マグネシウムに関しての本の続きらしい。
目で追いかける。

【その食べ物】は、100グラム中に1310ミリグラムものマグネシウムを含んでいる。
故に、大量な接種が必要だが、それはかなり困難らしい。

と言うのも、それは【あまりたくさん量を一気にとれる食べ物ではない】からだ。

味噌汁の中に入れたり、あるいはお好み焼きやたこ焼きの上に振りかけるのが、一般的な使い方だと思っている。
しかしそれは想像以上にマグネシウムを豊富に含んでいた。
故に、毎日摂るようにと全被験者に言い渡されていたようである。

しかし、味噌汁では希望者しか摂らないと言う事が分かったため、献立で直に接種出来るように変更されていたようだ。


澪田(多分、コレがパスワード……)


さらにそこに一枚の紙を見つける。


『奈良岡君へ。
大ヒントだよ、英訳した食べ物と、そのマグネシウム含有量を続けて打ち込んだらそれがパスワードだ。
あんまりそう言うことを教えると、俺も怒られるので、本に挟んで渡しておく。まったく、何のために君は研究員になったんだい』


澪田(………!!)




1→パスワード入れる
2→自動で進める
3→そのた

>>670

greenlaver1310mg

>>667

グーグル先生は1300mgと言ってるが、誤差の範囲だ
>>667

>>669
>>667


澪田(これだ………!)


澪田は決断的に、その言葉を打つ。

そう、答えは―――【青海苔】。

日本でも普通に家庭にある食品だ。
最近は生の青海苔を使った味噌汁が合ったり、あるいは青海苔を使った簡単お手軽料理なんてものもある。
微量かつ、あまり大量に摂取出来ないが、だからこそどんな料理でも用いる事が出来て、だからこそ断続的に食べ続けられる。

キーボードを叩いた。


【gleenlaver1310mg】


ぴぴぴっ!



『パスワード確認、ロック解除』



澪田「!」

そして彼女の目の前には、この屋敷中のセキュリティシステムへとたどり着く権利がついに与えられた。

しかし、ひとつわかっていたのは、






現段階で、澪田が玄関のセキュリティを解除する方法が、

この屋敷中のセキュリティをすべて無効化する事だけだったと言う事だ。




澪田「………え?」


澪田「そんな、そんな!」

澪田「玄関だけのロックを外せればいいのに!」

澪田「なんで!どうして!!」


澪田「………ッ!」



けれどもうひとつ分かった事がある。

この屋敷の敷地、つまり、玄関を抜け、門のところまで。
そこまでしか、青鬼は出られないと言う事が書かれていた。


澪田「………え?」


それは、最後の手段として用意された青鬼達への自衛手段だったらしい。
青鬼達の遺伝子配列を確認した瞬間、青鬼達は二度とは生きて帰れない。
そして、青鬼自身もこの屋敷をテリトリーだと思っているので、ここから出る事はないだろうと言う事だった。


澪田「………!!」




1→セキュリティを解除する(判定残2)
2→そのた

>>677

2ペコに電話して助けに入れそうかそちらはどういう状況なのか確認

>>677
>>676


残り少ない携帯電話の電池。
今ならもう少しだけ持ってくれるだろうか?

澪田は不安を抱きながら辺古山へのリダイアルをかけた。



ぷつっ

澪田「ペコちゃん!無事すか!?」

『………すまない、澪田。正面は固められていて、屋敷に近づけないでいる』

澪田「そ、なんすか……」


便りがなかったのは、その打破を考えあぐねていたからのようだ。


『私は無事だ。後はお前達の無事が確認できればいい』

澪田「………わかったっす」

『今は夜だというのに、どこからこんなに人が……すまない、私も見つかりそうだ。隠れる』

澪田「もうすぐ出られそうっす!だからペコちゃん、そばに来なくても……そこで待ってて!」

『………分かった』


簡潔な言葉で電話が切れる。

どうやら屋敷は包囲されているようだ。
しかしそれでも誰も中に入らないのは、これが何なのか理解しているからだろう。




1→セキュリティ解除する
2→そのた

>>682

【悲報】辺古山っち間に合わず。むーん。

1

>>682


澪田「………ええい、ままよ!」


そして彼女は、そのボタンを押した。
ここから出て行くための最後の手段を。
そして、これから始まる最後の戦いに、思わず全身をこわばらせた。


『警告』

全館に、機械音が鳴り響く。


『只今、当館の全セキュリティシステムが停止。正面玄関のロックを解除します。速やかに外に出てください』

『なおセキュリティシステムの停止に伴い、当館の全ロックが解除されます』

『館内に残っている職員などは、速やかに外に出てください』

『中に残っていた場合、生死についてはいっさい責任を取りませんので、予めご了承ください』


残酷な宣言だった。
同時に、これが全館に流れている事を知る。
つまり、小泉や西園寺もこれを知ったはずだ。
彼女たちも逃げてくれるだろう。


澪田「………問題は唯吹っすよね!」

言うが早いが、パソコンを放置して彼女は部屋を駆けだした。
その背後で、檻がばきばきと音を立てている。
直後、がちゃんと、錠の落ちる音がした。
そう、すべてのセキュリティが無効化されたがために、この部屋のロックもまた無効化されてしまったのだった。


澪田「………もう、走るしかない!」


背後からの恐ろしいうなり声に耳を貸すつもりは全くなかった。
だから、彼女は今までの持っている最後の力を振り絞って、檻の真ん前を駆け抜けて、その勢いで階段を下ったのだ。


ぎぎぎ、と檻の擦れる音。


じきに鬼達は背後から現れてしまうだろう。
だから追いつかれるより早く、ここを駆け抜けなければ。

今すぐ、に。





直下ラスト判定。
あんまりひどくない限りは……

君にも届け

>>686



全力疾走。

それ以外の言葉はない。
澪田は既に息も絶え絶え、そのままさらに転がるように階段を降りた。
むしろ落ちていたのかもしれない。

どたん、と言う大音に、声がする。


「唯吹ちゃん!」

澪田「早く出て!」


それに返事をするよりも先にそう怒鳴っていた。
反射的になのかもしれない。


澪田「走って!入り口の門まで!」


言いながら体勢を立て直す。
既に檻から放たれた鬼達は3階で密集しており、それが今にも2階へと浸食してくるところだったのだ。


階段中腹で怒鳴っていた澪田が体を何とか支えると、今し方小泉と西園寺が外へ駆けだしたところだった。


澪田(よし、これであのふたり………は………)


酸素が足りなくなりながら、目をまっすぐ玄関に向ける。

正直、どこか怪我していたのかもしれない。
体のあちこちが痛んでいたが、それもどうでもよかった。
残りの下りを一気に駆け下りて、玄関に向かう。



和室方面から、罪木の鬼が現れた。



澪田「―――ッ」


胸が詰まる。
本当に今自分は死にかけている。

まずい、と思ったその時には、



がちゃっ



玄関を開いていた。


澪田「………外!」

小泉「唯吹ちゃん!走って!」



遠くから、小泉の声がする。
既に鬼は背後に迫っていた。
荷物を取りに行く余裕なども全くなく、澪田はラストスパートをかけ始める。
それは、今まで持てるだけの力の全てを使い果たす勢いだった。

西園寺「おねええぇぇぇぇっ!!」


澪田を案ずる叫びが前方より木霊する。
見れば西園寺も小泉も門より先にでていて、周りには見知らぬ大人が集まり始めているところだった。
背後に辺古山も合流したようだ。


澪田「………ッ!」


風になるようなイメージで。
体中を揺らして、ぬらしながら、それでも澪田は一気に走り抜けた。
誰ものために、自分のためにだ。


澪田「おおおおおおお!!」

『ガアアアアア!!』


罪木はなお、玄関を出てまで澪田を追いかけていた。
途方もない距離を走ったような幻想をみた。




気付けば、澪田は門をくぐっていた。

そして、テープラインを切ってゴールしたような感覚の直後には、




どおおおおおんっ!!

澪田「………え………」


背後から走ってきていた、鬼が、爆発した。

辺りに破片をばらまきながら、その場にぷすぷすと焦げを作っていた。
これが、あのセキュリティの文章の正体だった。
青鬼はこの敷地の外には出られないのだ。


澪田「あ………蜜柑、ちゃ………」


自分の脳裏に、色々な言葉がよぎる。
それを言わなければ、としたが、


ぎゅっ。

澪田「!」

小泉「よかった……よかった!生きてたんだね!」

澪田「……真昼ちゃん」

小泉「ごめん!あんな事、言って……アタシ、やっぱなんかおかしかった……」

澪田「んん、いいんすよ。唯吹も変だったし……」

西園寺「うわぁーん……おねぇが死ぬかと思ったよぉ……!」

澪田「このとおり唯吹はぴんぴんしてるっすよw」

小泉「……ほんと、無事で……よかった」


3人で喜びを分かち合い、そして澪田はとうとう言い出せなかった。最後の鬼の正体を。



後から聞いた話では、
確かにこのプロジェクトは学園公認だった。

けれども、それは評議会で勝手に進められており、
理事長などの推進だった。
学園長たる霧切仁は、今回に限ってはノータッチだったのだ。

むしろ、こんな非道な研究は止めるべきと抗議したが、それでも水面下で進んでいたようだ。


青鬼が出来た仕組みやプロセスは今だ不明だった。
けれど、何かのきっかけでそう言ったウイルス製のものが出来たのではないかと推察されている。


そして、澪田達には箝口令がしかれた。
少しでも口に出した途端、彼女たちの安全は保障出来ないそうだ。
そして、罪木の処遇もまた納得がいかないものだった。
交通事故で亡くなったと言う事にされ、そして、全てが終わった。


いまでは、あの屋敷に近寄るものはもういない。

それでも、澪田は時々思う。
結局あの鬼達は、救われる日が来るのかと―――



END

【終了】

やー、GMあせりまくったべ……ほんと勘弁してくれっての……。
えー、6なのでこんな終わり方だな。みんなほんとお疲れさん。
そんで今回も参加してくれてほんとありがとな。
ま、よかったら次も参加してくれっての。

つーわけで、次何するか考えてくれ。
っつーのを募集しながら、今日は寝るぞ。お休みさん。


あらためて、今回参加してくれたオメーら!全員感謝、感謝だべ!

前候補にあったハリポタか斑井RPGの続き

おーす、おはようさーん。
え、マジ?しゃべくり、新キャラ出たん!……うわー、見逃した……。
代わりと言っては何だが、ミラクル9の方はこないだ見たから出来そうだべ!


あとは……?
日向創のパンツハント(ハニーハント的な)
魔法学園風
狛枝牧場物語
ゲームセンター七海
原作基準のなんか

出来そうなんはこの辺かねぇ。ま、夜まではスレ立てねーし、もうちょいネタがありゃ待ってんぞ。

おお ミラクル9もありなのか諦めかけてたわ
つっても近年は見てなかったし有吉と大家しか知らないけど

あべおに?あべおにってなんすかマジで……え?なに?(濃厚なホモ)描写がいるのかなぁ。
それさぁ、花村がさぁ………いや、何でもない

次スレ会議すんぞー、オーディエンスあつまれー


ミラクル9
魔法学園風
狛枝牧場物語
まさかのゲス園
ファイナルデッド学園長(多分ゾンビ生徒とかサイコパスと戦うんじゃない?)

(保留:阿部鬼)

あとなんか別なネタあれば
この辺から絞ってほしいのです

魔法学園がいいな

魔法学園と牧場物語か。あ、あとゲス園か。

ゲス園になったら多分今まで以上にゲスなんだろうなぁ(他人事)

そろそろ締め切りどすえ。
ん、牧場物語が多い?もう決着かしらー

魔法学園

集計取りたいのです。
(訳:誰か手伝って)

>>743から?それとももっと前?

729からのつもりでしたが、仮にそうでも魔法学園風になったっぽいので魔法学園風で大丈夫でしょうかご主人様!

誰だよID:2uORwSd40にコンファンダス掛けたの

あ?ほんと?完全に見間違えてた。じゃ、決戦投票ここから7票

牧場物語か!
魔法学園か!

あ、えーと、こっから

では改めて魔法学園

魔法学園おっけ。

一応あとここで決めるのは

主役(みんなが操るキャラ)
最終目標
得意な魔法

この辺ですかねー

そんなわけでまず主役決めよう。
↓7までキャラクター名

1・2・0・絶女・ダン霧から1レス1名、コンマが一番高いひと

日向

桑田が主人公ね

桑田?あー、またくわ………桑田(絶句)
うん、コンマ一番高いのは桑田だから桑田だね。桑田だ。


そんな桑田の得意な魔法ってなんよ?
(火を使うとか、鳥に変身するとか。そんななるべく具体的なの。主人公なんで魔法は強化される可能性があるのね。だから変なのは最悪最安価な)

↓7くらいまで案。ダベミがティンと来たやつセンスで採用

非登録のアニマーガス(ライオン)

各種属性を乗せた魔球を使用(炎・氷・爆・裂とか)
最初は炎だけでどんどん成長していったらいいな

>>794
アニメーガスやなかったっけ?どっちだっけ。ううぬ。

それはともかく>>796採用で。
魔法も出来て野球も出来る怜恩ちゃんマジ怜恩ちゃん。

そんな桑田の学園生活の最終目標はなによ?
(学年一位になるとか、闇の王を倒す的なの)
↓7くらいまで。なんかよさそうなやつ

葉隠「レイブンクローは嫌だ……レイブンクローは嫌だ……」
葉隠「レイブンクローは嫌だ……レイブンクローは嫌だ……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398935547/)

クィディッチで優勝

>>799
これなんで落ちたんや!楽しみにしてたのに!

総合

カノンドスからの強い呪縛から逃げ、かわいいあの子を彼女にしてリア充になりたいので、
クィディッチで優勝してポッターより有名になってついでに武勇伝欲しいから闇の王も倒す


闇の王倒すのに何年かかるんですか………

あと決める事あるかしら?

あ、魔法学園っても日本にあるやつだから(ハリポタでも語られてた気もしないでもないけど日本の魔法学校)ね!

まあ、後は追々考えますかね?ね。

因みにアズカバンの(ryゲーム版にはそこそこ日本人生徒が居るらしいんだぜ

>>810にも書かれてるけど、死んだ時どうするか決めた方がいいんじゃない?
どうせ魔法物やるんなら、いつもみたいにリロードする、じゃなくて
代償がある代わりにその場で復活できる、みたいな。

>>813
桑田に分霊箱造らせる気かね

>>813
それやな。

あと決める事なければスレ立てやで。

じゃ、桑田が仮に死んじゃった場合の措置決定するよ。

1→普通にGMの決めたとこからリロード
2→魔法学園だし、よっぽどの事がなければ気絶扱いにしてむしろ死なない
3→いや、代償払って蘇生だ(代償は何がいいかな?)

↓多数決3票先取

2

早いww魔法族は頑丈なのだ

マグルとは違うのだよ、マグルとは!

田中は魔法生物飼育学のプリンス

さすが桑田怜恩、なんか多分魔法の加護があるんでしょうね。さすがやな。

あとは何決めたらええんや?
クラスメイトとか?
とりあえず最終目標にいけるかどうかが重要だよなぁ。
初期ステータス的なもの決めとく?

よし、ステータス決めよう。

体力
筋力
魔力
素質
幸運

この辺かしら。

違うわ。まずさきに、桑田は………

1→魔法など知らずに育った純日本人(いわゆるマグル)
2→魔法に関わって生きてた日本人
3→初めから魔法界の人間
4→実はハーフやで
5→実は人間ですらない
6→そのた(併記)

↓最速3票

まあ魔翌力があれば大概何でも出来る

おっと 1

魔球(現実的な意味で) と思ってたら無意識の内に魔法で操ってた的なね

純日本人


そんな純日本人な桑田君が魔法学園にお呼ばれしたのはなぜ?

1→何かの手違い
2→普通の学園だと思って試験受けたら受かった
3→学園長がスカウトした
4→誰かからの誘惑(誰だよ)
5→舞園ちゃんがここに入ると聞いたので
6→花音から逃げたい一心でいつの間にか入り込んでた、そんでそのままちゃっかり入学(裏口)
7→そのた

↓最速3票

3

圧倒的エムゼロ感

もちろん桑田君は普通の人間ですが、体力や筋力は人並み以上。
そんな桑田君、魔法学園の試験に受かっちゃうので……


1→魔力もはじめっから人並み以上だった
2→魔法かと思ったら自力で投げてる球で、魔法はからきしだった
3→実は天然で魔力を全身から放出してるけど支障ないレベルの泉
4→周りから魔力を奪ってしまう体質
5→そのた


↓最速3票

1

実は天然で全身から魔力を放出してるのにぜんぜん日常生活に支障のない、魔力の泉でした。
それをみた学園長(こいつ……魔力の抑え方習わんとあかんな……あと天才そう)
となったので入学決定。すげー

しかしそんな天才肌桑田君、当然魔法界にはつてもコネも知り合いも……

1→友達だと思ってた奴が魔法使いだった
2→桑田の遠縁が魔法界にいる
3→学園長パワーで響子さーんの家にたたき込まれる
4→そんなものない。全くない。
5→そのた

↓最速3票

………いない!と思ったら、普通に日本人の友達だと思ってたやつが魔法使いだった。絶望的。

その友達ってのは、

1→当然、苗木君
2→意外かもしれないけど大和田君
3→割としっくりくる葉隠君(学年別)
4→どうやって知り合った不二咲君
5→そのた

↓最速3票

1

その友達ってのは当然苗木君。
もちろん色々と魔法界の事教えてくれるよ。マジハッピーな。

あと決める事はー………あー………ないよね?

あ、桑田君って高校在学中?それとも中学生?まさかの小学生?


1→希望ヶ峰魔法学園は高校生の編入しか認めてません
2→高校卒業後にきました。だから大学みたいなもんです
3→中学から高校に上がろうとして入っちゃいました
4→一貫性なんで今小学校卒業して中学代わりに入るんすけど
5→こまけぇこたぁいいんだよ
6→そのた


↓最速3票で

おーけー、じゃあいくつだ?16歳くらいの桑田君から全ては始まる訳ですね。

………うわー、葉隠何回留年してたら桑田に会えんのすっごい絶望的。多分実家は金持ちなんだろうな、腹立つ。
じゃ、スレ立てしてくる。

はい、次スレ。

【ダンガンロンパ】魔法野球少年 桑田怜恩【安価+コンマ】
【ダンガンロンパ】魔法野球少年 桑田怜恩【安価+コンマ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434029431/)

さすがにもう決める事はないと思うからあとやりながら決めます。こっちもよろしくなのじゃ。おつきあいありがとナス。

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