【ミリオン】 P「この合同フェスは既に終了しています」 【ライブ】 (102)

P「また間に合わなかった……」

P「まったくエンジョイなハーモニーが奏でられない」

莉緒「プロデューサーくんお疲れ気味だけど、大丈夫?」

P「ええ、大丈夫ですよ」

莉緒「手首と指に貼られてる湿布は?」

P「」

P(実際とても痛い)

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P「俺が不甲斐ないばかりに申し訳ないです……」

莉緒「どこの合同フェスもすぐ終わっちゃうんだから、いちいち滅入ってたら駄目よ」

莉緒「あ!そ・れ・と・も~♪お姉さんの慰めが欲しいのかな~??」オムネアピール

P「いや今はいいので胸しまってください」

莉緒「何よつれないわね~」

P「……俺は今回のイベント本気なんです」

P「百瀬さんの担当Pとして、必ず入賞しないといけないんです」

莉緒「そ、その気持ちは嬉しいけれど」モジモジ

P「音無さんの頑張りで合同フェスのリアルタイム情報も閲覧できるようになりましたし」

P「他のP、アイドルも必死に奔走してます」ズイ

P「俺も微課金なりに全力を尽くしたいんですよ!」ズイズイ

莉緒「わ、わかったから!プロデューサーくんの熱意は伝わったから!」

莉緒(顔が近い~!)カアァァ

莉緒「でっ、でも、他のプロデューサーだって頑張ってるんだから一筋縄でいかないのは当然よ」

P「それもそうですね……」

莉緒「今はそんなに気負わず、走れそうなときに走ればいいんじゃない?」

P「ラストスパートが一番怖いんですけどね……」

P「と言ってもフェスはすぐに終わっちゃうし……」

莉緒(プロデューサーくん随分悩んでるようね)

莉緒「まあ、ひとまず今日はお開きにしましょう!」

莉緒「私もこのみ姉さんと飲む約束があるし♪」

P「そうですね、俺も色々策を考えたいですし今日はこのへんで」

P(本当はサイリウム集めたかったけど)

翌日

P「今日も夕方からの活動で申し訳ないです」

莉緒「プロデューサーくんが暇じゃないってことくらい分かってるわよ」

莉緒「それに、私だって男の子たちの視線を集めるので忙しいもの♪」

P「はあ」

莉緒「担当Pがその反応っておかしくない!?」

Prrrrr

P「はい、もしもし――」

莉緒(人が怒ってるっていうのに)プンスカ

P「――分かりました。ではすぐに向かいます!」

莉緒「何の電話?」ツーン

P「ラウンジの同僚から並走のお誘いです!」

莉緒「!」

【並走とは】
一般的に、開催した合同フェスは「参加要請」で同僚や、まったく知らないPたちに流して皆で処理する形になる。
しかしこうして流れたフェスは奪い合いになることが多く、参加しようと思ったときには「この合同フェスは既に終了しています」となるのがほとんどである。
対して「ラウンジ要請」では自分が所属している上限35名ほどのラウンジにのみフェスが流れるため奪い合いが緩和される。
予めラウンジ内の話し合いで並走を計画しておけば、指定された時間にフェスの入れ食い状態を作り上げることができる。
短時間に集中してポイントを稼ぐことが可能になるのだ。

P「言うほど」

莉緒「稼げなかったわね」

P「つらい」

莉緒「手首大丈夫?」

P「いざとなれば左手を使いますよ」シロメ

P「しかし結構頑張ったつもりが、まったくボーダーに追いつかない……」

莉緒「どこも全力だもの、簡単じゃないわよ」

P「このままじゃ駄目だ……早く追いつかないと……」ブツブツ

莉緒「……」

走る人ファイトです...............育ちゃんきてほしかったな(ボソッ
支援だよ

>>1
百瀬莉緒(23) Da
http://i.imgur.com/4Kj5SfO.jpg
http://i.imgur.com/ydc2Wcz.jpg

翌日

P「サイリウムをUOに変換したいけど」

P「こればかりは時間と根気の問題だなあ……」

莉緒「10日間もあると流石にきついわね。私も肌荒れに気を付けないと」チラ

P「でもグレイトフル・ブルーはなかなか処理されないし……」ブツブツ

莉緒(相当参ってるみたいね)


通りすがりのP「紗代子、可奈、大丈夫か?」

可奈「ぜんぜんいけるよ大丈夫~♪まだまだ続くよ楽しいライブ~♪」

紗代子「私たちは平気ですけど、プロデューサーの身体が心配です」

紗代子「充分ボーダーは超えていますし、少し休んだ方が」

通りすがりのP「なんだ紗代子らしくもない。走れるときに走っておこう!」

通りすがりのP「ほら、また近くで最上位GODだ!」ダダダッ

P「…………」

莉緒「どうしたのプロデューサーくん?」

P「いえ、なんというか、担当のアイドルを何人も抱えて尚上位を走っているPがいるのに」

莉緒「ちょっと」

P「俺はたったひとりのアイドルさえ――」

莉緒「ちょっと!プロデューサーくん!!」

P「あっ、ごめんなさい……俺ってばなんて失礼な……」

莉緒「そうよ!私ひとりの価値を軽く見てもらっちゃ困るわ」プンプン

莉緒「それに他人は他人」

莉緒「私はプロデューサーくんの担当アイドル」

莉緒「私たちのペースで頑張りましょ?」ニコッ

P「百瀬さん……」

P(アイドルに気を遣わせるなんてP失格だな、俺……)

翌日

P「よかった、ここのフェスはまだ終わってないみたいだ」

風の戦士「失礼」シュババッ

P「あ」

『この合同フェスは既に終了しています』

風の戦士「よし次だ」

百合子「はい!」

風の戦士「では失礼」シュババッ

P・莉緒「」

莉緒「あのプロデューサーやつれてなかった……?」

P「み、見なかったことにしましょう」

P(すごいなあ、俺も彼らを見習わないと……)

風の戦士は別格
見習ってはいけない(戒め)

>>14
矢吹可奈(14) Vo
http://i.imgur.com/H9AAizL.jpg
http://i.imgur.com/zOLP1sH.jpg

>>14
高山紗代子(17) Vo
http://i.imgur.com/DoCMbl1.jpg
http://i.imgur.com/HFefbX6.jpg

>>17
七尾百合子(15) Vi
http://i.imgur.com/FLNosLg.jpg
http://i.imgur.com/ew5AMhp.jpg

>>4
サイリウム
http://i.imgur.com/zE8jkDC.jpg

>>14
UOことエンジョイサイリウム
http://i.imgur.com/osQfiQI.jpg

――――――
――――
――

莉緒「プロデューサーくん!良いモノ見つけたわよ」

P「どうしたんですか急に?」

莉緒「ほらこれ、グリーコインカード」

P「え、あれ、なんで……?」

莉緒「さあ?机の引き出しに入ってたわよ」

莉緒「プロデューサーくんクレジットカード払いに移行しちゃって」

莉緒「買っておいたの忘れちゃってたんじゃない?」

P「ああ、なるほど……見つけてくれてありがとうございます」

莉緒「お礼なんていいわよ、過去の自分からプレゼントだと思って使っちゃいましょ♪」

莉緒(本当は私が用意したなんて言ったら)

莉緒(プロデューサーくん怒って、傷ついちゃうんだろうな)

P「……」パスコードニュウリョク

莉緒「どうしたの暗い顔で」

莉緒(やっぱ急にグリコ出てきて不審に思ってる?)

P「いや、意味あるのかなーって」

莉緒「???」

P「今コインを確認してみたんですけどね」

P「既に1万チャージされていたんですよ」

P「でも今回のイベントEHはお金じゃなくて」

P「時間の方こそ真に必要なんじゃないかなって思って……」

莉緒「言われてみればそれもそうね」

莉緒(そういえば今回お金は使ってなかったわね)

莉緒(どちらかと言うと、時間に追われて焦っていた感じ)

莉緒「時間ばかりはお金じゃ買えないから難しい問題ね……」

P「――そうだ」

P「なぜこんな簡単なことを俺は考えなかったんだ」

莉緒「何か名案でも浮かんだの?」

P「ないなら作ればいいんですよ」

莉緒「つくる?」

P「時間ですよ、時間」

P「イベント残り日数はわずか」

P「副業に時間を喰い潰されて本業に打ち込めないのでは本末転倒」

莉緒「ちょっと?プロデューサーくん……?」

P「百瀬さん、明日から忙しくなりますけど大丈夫ですか?」

莉緒「私は大丈夫だけど、いったいどうするつもりなの?」

P「しばらく副業はお休みします」

莉緒「いやそんな……ちょっとやりすぎじゃない?」

P「プロデュース資金を貯めるための副業が本業の邪魔になっている現状こそ問題です」

P「それに有給をとるだけなので百瀬さんは心配いらないですよ」ニコッ

莉緒「プロデューサーくんが大丈夫なら私が反対する理由はないけれど……」

莉緒(なんだろう……久しぶりに笑顔を見たはずなのに)

莉緒(言い表せない不安でいっぱいだわ……)

翌日

P「太陽が昇る前のこの時間帯は最上位GOD流れてこないのでUO集めですね」

莉緒「普通の人は寝てるもの」

莉緒「私だってメイク終わってないわ」

P「百瀬さんはすっぴんでも十分可愛いですよ」

莉緒「な、なによ……もうっ」カアァァ

P「あ、最上位GODだ!!行きましょう!」

P「ボーダー情勢も結構変わってきましたね」

莉緒「特にこのみ姉さん急に忙しくなっちゃって、ここ2、3日電話もできてないのよね」

P(毎日電話してるのかな)

莉緒「情報気にするのも大事だけどプロデューサーくんもご飯食べなきゃ」

莉緒「ただでさえここ最近まともに寝てないのに……」

P「ははは、俺は飴で十分ですよ」

P「百瀬さんには悪いですが、それ食べ終わったらまたすぐに並走の準備お願いします」

莉緒「……わかったわ」

P(ボーダーまであと少し)

P(百瀬さんのPとして是が非でも勝ち取ってみせる!)

並走終了

P「ようやくボーダーに追いつきましたね」

莉緒「ようやく、ね……」

莉緒「飴もUOもなくなってきたし、そろそろ一回休憩した方が――」

P「何を言ってるんですか百瀬さん」

P「ここで力を抜けばラストスパートで追い抜かれるのは必至です」

P「どうせなら資源が枯渇するまで走らないと、入賞できなかったときに後悔します」

莉緒「違うのよ……私が心配なのは……」

P「お喋りは後にしましょう、バーストもまだ3分残ってますし最上位GODを」

P「――ッ!!」

莉緒「プロデューサーくん?!」

P「だ、大丈夫です」

莉緒「何言ってるの!右手痙攣してるじゃない!!」

莉緒「目の焦点も合ってないし」

P「俺斜視なんですよ」

莉緒「すぐバレる嘘をつかない!」

P「眩暈はすぐおさまりますし、次からは左手を使いますから」

P「ほら、こうしてる間にも貴重なフェスが……」

莉緒「プロデューサーくん」

P「はい――」

莉緒「!」スッパーン!

P「っ!?」

莉緒「歯食いしばって」

P「ビンタしてから言われても……」

P「どうしたんですか急に……」

莉緒「急に、じゃないわよ!」

P「いったい何を怒ってるんですか?」

莉緒「分からないの……?」

P「……」

P「……!」

P「たっ、たしかに百瀬さんに忙しい思いをさせているのは申し訳ないと思ってますけど」

P「今回のイベントは俺にとっても百瀬さんにとっても大事な――」

莉緒「私がそんなことで怒ってると思ってるの?」

P「え、違うんですか?」

莉緒「私だってトップアイドルを目指す身よ」

莉緒「仕事が忙しいことで喜びはするけど、そんなことでプロデューサーくんを怒らないわ」

P「ならいったい何が不満なんですか」

P(こんな不毛な言い争いをしてる間にもフェスが……ボーダーが……)

莉緒「プロデューサーくん、自分がどれだけ寝てないか覚えてる?」

P「……2日間、でしょうか」

莉緒「違うわ、3日よ!しかもご飯もろくに食べていない」

莉緒「私はイベントのボーダーとか報酬とか、自分の忙しさなんてどうでもいいの」

莉緒「ただプロデューサーくんの身体が、心配なだけで……」ポロポロ

P「な、泣かないで下さいよ」

P「俺だってPとして、百瀬さんの担当Pとしてここまで――」

莉緒「プロデューサーくんが倒れて私が喜ぶと思ってるの?」

P「いや、それは……でも!俺は百瀬さんのPで……!」

莉緒「EHで入賞することだけがプロデューサーくんの『プロデューサー』たる証明なの?」

P「そ、それは……」

莉緒「私は、自分の心配もできない人にプロデュースなんてしてほしくないわ」

P「!」

P「はは……それも、そうですよね……」

P(俺はただ俺の目標のためだけに身体に鞭を打って)

P(担当アイドルに要らない心労をかけていたんだ)

P(やっぱり俺はP失格だなぁ……)

莉緒「顔を上げて、プロデューサーくん」

P「できませんよそんな……Pのこんな惨めな姿を担当アイドルに見せるわけには……」

莉緒「いいから」

莉緒「惨めなプロデューサーでも、いいから」

P「――え?」

莉緒「バカ」ギュッ

P「ちょ、百瀬さん……!?」

莉緒「プロデューサーくんは格好良くなくたっていいの」

莉緒「私のそばにいて、私をトップアイドルに導いてくれる。それだけで、充分」

P「百瀬さん……」

P「息が、できないです」

莉緒「――あ」カァァ

莉緒「ど、どうだったかしら今の悩殺セクシーハグ!?」アワアワ

P「はは、最高でしたよ」

莉緒「そんな虚ろな表情で褒められてもちっとも嬉しくないんだから」

莉緒「だから……今は休んで、次は元気なプロデューサーくんに褒めてもらいたいな」

P「ええ、善処します」

P「俺、Pとして大事なことを忘れていたのかもしれませんね」

莉緒「気付くのが遅いんだから」

P「ははっ、なんだか肝心なことを思い出したら急に、疲れが……」

莉緒「うん、今はゆっくり休んで」

莉緒「起きたらまた、私のプロデュース頼んだわよ?」

莉緒「私の担当プロデューサーくん♪」

P「はい。起きたらまた忙しくなりますけど、覚悟しておいてくださいね」

莉緒「もちろんよ」ニコッ

莉緒「それじゃあ今はしばらく」

莉緒「おやすみなさい」

P「おやすみなさい――」


おわり

途中の支援や画像、そしてなにより最後まで読んでくださった方、駄文にお付き合いくださりありがとうございました。
スレを建てるのもSS書くのも初めての経験だったので至らない点が多かったと思いますが、EHで走る苦悩、入賞することだけが担当Pたる証明ではないということが伝われば嬉しく思います。

まあ、私は変わらず百瀬さんで走行中ですが

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