男「青春スイッチ?」 (24)

男「はは、なに? 宗教、それともネズミ講かなんか」


セールスマン「いえ、私こういうもので」


男「あなたの人生、修正します。夢野売男」


男「怪しさ満載だし、しかも、おっさん人見る目ないね」


セールスマン「おや、どうしてです?」


男「底辺高卒、そこからずーっとニートだよ。あれ、どうしてだろう……自分で言ってて悲しくなってきた」


セールスマン「やはり、私の見る目は正しいようです」


男「ははは、どうしてですか」


セールスマン「あなたのような人を救いたいのです」


男「宗教ですか。それも良いかもしれませんね、もう私の人生は終わってるようなものですから」


セールスマン「唐突ですが、あなた。青春した事は?」


男「青春ですか?」


セールスマン「えぇ、青春ですよ。特に何かできる訳でもなく、ただ若さだけが強みで何かに打ち込んだ。あの頃です」


男「ははは、そんなもの経験していたらニートにはなってないですよ」


セールスマン「そう! 青春です」


男「青春ねぇ」

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セールスマン「青春あれば、今のあなたではなく。もっと、違ったあなた、人生だったかもしれません」


男「はぁ」


セールスマン「そこでこの、青春スイッチですよ!」


男「青春スイッチぃ?」


セールスマン「ええ、これを押すとあなたは学生時代、つまり過去に戻ることができます」


男「おっさん、さすがに俺はそこまで馬鹿じゃねぇよ。しかも、そんな見るからに玩具のスイッチを押してどうなるんだよ。俺は過去に戻ったとしてもまた同じ事だよ」


セールスマン「そこは心配ありません。青春スイッチは過去に戻れるだけではなく、これぞ青春という物事を起こす事も出来るスイッチなのです」


男「じゃあ、これ押していいかよ」


セールスマン「ああああちょっと待ってください!」


男「なんでだよ」

セールスマン「守って頂きたい約束事がありまして。まず、スイッチの有効回数は5回までです。過去に戻るので一回、今に戻ってくるので一回になりますので、青春のチャンスは実質3回になります」


男「3回以上使ったら?」


セールスマン「それは私にも分かり兼ねます」


男「はぁ、じゃあ押していいか」


セールスマン「あと一つ伝えねばならぬ事が御座いまして」


男「なんだよ!」


セールスマン「過去に干渉すると未来に影響がでます。つまり、過去に戻ったあなたが、青春を経験する事によって未来は違ってきます」


男「ああ、分かったよ! じゃあな!」ポチ


セールスマン「ご健闘を」

男「押したぞ、おっさん! あっ、あれっ、おっさん、おっさん!」


男「やっぱり、騙されたか。はぁ、そんな事ある訳ないよな。家に帰ろ」


男「また、嫌味を言われるかな。はぁ」ガチャ


母「おかえりなさい。もう少しで夕飯だからね、今日は男の好きなカレーよ」


男「………」


母「どうしたの?」


父「明日から高校生だからな。緊張してるんじゃないか?」


母「ふふっ、そうかもね。ほらっ、早く荷物自分の部屋に置いてきなさい」


男「………」バタン


男「どういう事? 親は若い、夫婦仲が良かった、俺への扱いがいつもと違う。明日から高校生? はっ? どういう事だよ、訳わからん。まさか、本当だったのかこのスイッチ」

男「まぁ、いいや。とりあえず寝よっと」


男「朝だ。とりあえず、リビングへ」


母「男、おはよう! いよいよ、高校生ね〜」


父「あっと言う間だな」


母「そうね〜。あっ、もうこんな時間早く食べないと遅刻よ!」


男「あ、ああ」(夢じゃなかったんだな)


母「行ってらっしゃい! がんばってね」


男「行ってきます……」


男「本当だったのかあのスイッチ」


男「ようは過去に戻ったって事か。となると、過去の出来事がそのまま起こるって事は、最初のイベントは入学式か。DQNの足を踏み、目をつけられたあの入学式か」


男「あっ、そうだ。スイッチを押すと青春エピソードが起こるんだっけな。どうするかな」


押すか、押さないか、安価>>7

最安価>>11

つまんないからやめる

男「押してみよう」カチッ


何が起こる>>14

>>1が不慮の事故で亡くなる

男「あれ? 何にも起こらんないな。このままじゃ、あの入学式だぞ!」


男「着いたぞ、高校に。さて、席はどこかなっと」フミッ


DQN女「ああッ、痛ってえなぁ!」


男「すみません、すみません、すみません!」アタマサゲ
(ああ、やっぱり何も変わっていない!)


DQN女「あ〜あっ、痛いなぁ! これは、折れたかもなぁ」


男「すみません、すみません、すみません!」アタマサゲ(それにしても、DQNの声はこんなに高かったけ?)


DQN女「ずーっと下向きやがって! テメェは地面に謝ってんのかよっ! ああっ」


男「すみません、すみ……ません」


DQN女「やっとこっち向いたなぁ、テメェなんでオレの顔をジロジロ見てんだよ!」


男「あのぉ、DQNさんですよね?」


DQN女「ああっ、なんでテメェがオレの名前知ってんだよ!」

男「いえ、名簿で」


DQN女「ああ、そうだよ! それが、どうしたんだよ」


男「いえ、何でも」


先生「おい、そこ何やってる!」


DQN女「ヤバい、先公だ。このまま終わると思うなよ!」


先生「大丈夫だったか、男」


男「はい、ありがとうございます」

ネタ募集>>19

売店の名物っぽい焼きそばパンで熾烈な争いが起きる。

男「入学式も終った。次の日」


男「俺は昼にDQN女に絡まれていた」


DQN女「おい、男ォ。焼きそばパン買って来い。もちろん、お前のおごりでな」


男「わかりましたァ!」


男「DQNが女になっただけなのに、めちゃくちゃ良い。男か女かでこんなに違うのか。青春スイッチ様々だな」


男「それにしても、この高校に購買なんてあったかな?」


モブ「おばちゃん! 焼きそばパン一つ!」


モブ女「こっちは、メロンパン一つね!」


男「あったよ。これも、青春スイッチの効果か?」


モブ「ヤバい! もう、焼きそばパン売れ切れそうだぞ」


モブ「え! マジかよ」


男「おお、青春っぽいね。よし、俺も」


男「おばちゃん! 焼きそばパン二つ! 二つね! 二つ!」


男「ふぅ、何とか買えたな」


DQN女「遅えな! もっと早く買って来いや!」


男「すみませんッ!」

ネタ募集>>24

違うヒロイン登場

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