P「スペインやイタリアなんかは特にそういうのが激しいらしいし、なんらおかしくない。うん」
薫「そうなの?」
千枝「ふぁぁ、そんなぁ……」
仁奈「そうなのでごぜーますか?」
P「ああ、そうなのでごぜーます」
仁奈「すごいことを聞きましたですー!みんなに教えに行きやがりますよー!」ペタペタペタ
千枝「ああーっ!待ってー!」パタパタ
薫「待て待てー!」スタタタ
P「……ふふっ、予定通り」
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P(ちびっこたちから教育していき、徐々に年齢層をあげていくことで女の子同士のキス・パンデミックを起こすことができる……)
P(するとどうしたことでしょう、俺の仕事がどんどん捗っていきます。なんということでしょう。)
P(ククッ……可愛い女の子同士のキスが間近で見れるなんて……こんな簡単なことを思いつかなかった自分がバカだった……)
P(まぁ数日は様子を見るか……ふふっ)
P「あああーーーーー!!仕事楽しいぜぇぇぇぇ!!」カタカタ
数日後
卯月「おはようございまーす!」
未央「しまむー!おっはよー!」ダキッ
卯月「うわぁっ!?な、なんですか?!」
未央「なにってハグだよぉハグ!よく映画とかでやってるでしょ?」
卯月「そ、それはわかりますけど……な、なんでやってきたのか……」
未央「知らないの?この間から事務所で流行ってるんだよー?」
卯月「うぇぇ!?ほんとですか!?」
未央「ほんともほんと!見ててよ?」
卯月「は、はい……?」
志乃「おはようございます……」
未央「志乃さーん!おはようございまーす!」ダキッ
志乃「あらぁ……?ふふっ、おはよう……」ダキッ
卯月「す、すごい自然な流れでハグに……」
未央「ねー?なにもおかしくないよ?」
卯月「そ、そうです、よね……友達なんだし……そうですよね!」
未央
未央「そうそう!なにもおかしくない!」
凛「おはよー……」ガチャ
卯月「凛ちゃん!おはようございます!」スッ
凛「うわぁ!?」ガッ
卯月「いだぁっ!?」
未央「なにすんのさしぶりん!しまむーに掌底叩き込むなんて!」
凛「あっ、いや、ごめん……びっくりして……」
卯月「だ、だいじょーぶ、です……」
凛「はぁ……どうしたの?急に……」
未央「あれあれー?しぶりんも知らない感じ?」
未央「よーししまむー!教えてやって!」
卯月「仕方ないですね!私が説明してあげます!」
凛「う、うん……」
凛「……本当に流行ってるの?」
未央「おやおや、まーだわかってないみたいですなぁ?なぁしまむー?」
卯月「私も最初は嘘かと思ってました……でも、本当にあるんだなって、思ったんです……」
凛「(宗教に誘われてるみたい……)」
未央「とにかくおかしいことじゃないの!事務所で流行ってるんだよ?親睦……深めよ?」
凛「言い方のせいでいかがわしくなってるよ……」
未央「もー、しぶりんは固いなぁ」
凛「そ、そんな軽々しくハグとか……できないし……」
P「ふー、朝から書類整理とか勘弁してほしいぜ」ガチャ
凛「あ……」
未央「ん?」
凛「……」
P「なんだ?」
凛「お、おはよ……プロデューサー」スッ
P「ああ、なんだハグか。おはよー」ポンポン
凛「あっ……ふぅ」
P「よーし、今日も仕事頑張ろうな」
凛「う、うん」
未央「……しぶりん?」
凛「最初は嘘かなって思ったけど……本当に、あるんだね」
未央「よく一瞬でハグ利用する決意をしたよね。すごい」
卯月「そ、そっか……その手が……」
未央「どの手!?」
P(……ククク、作戦は順調だ……ハグが浸透してきてるな……)
P(次はキスを流行らせないと……このままブームは過ぎ去ってしまう)
P(流行など一瞬でなくなるからな……それだけは塞がないといけない……)
P「ふむ……どうしたものか……」
輝子「……」
P「やはり最初は若い世代から攻略していかないと……」ブツブツ
輝子「ぷ、プロデューサー……おはよう……」
P「うおっ!?なんだ輝子……机の下にいたのか……」
輝子「さ、最初から……いたけど……フヒヒ」
P「びっくりするから机の下からの挨拶はまずノックしてからな?」
輝子「き、気をつけておく……フヒッ」
P「さーて……仕事仕事っと……」
輝子「ぷ、ぷろ……あ」
コンコン
P「ん?なんだ?」
輝子「ぷ、プロデューサーと、私は、し、親友だよな……」
P「ああ、もちろんだ」
輝子「そ、そう、だよな……フヒヒ」
P「……で?」
輝子「……そ、それだけ。な、なんでもない……」
P「そうか。お前も午後から仕事頑張れよー。俺付き添えないからな」
輝子「わ、わかってる……」
P(しかし想定外だったな……俺もハグの対象になるとは……)
P(あくまで『友達同士のハグ』で流したのに)
P(思わぬ役得だぜ……朝から凛がハグしてくるなんてな)
P(その上キスまで流行ったら女の子同士だけでなく……グヒッグヒヘヘヘ)
P「フヒッ……フヒヒヘヘ」
薫「せんせぇしょーこちゃんみたいに笑ってるー!ものまねだー!」
P「えっ?!あれ?口に出てたか?」
薫「しんネタだ!しんネタ!」
P「いや、打ち上げで披露したモノマネと一緒にしちゃダメだぞ?これ自然と出たやつ……」
薫「みんなー!せんせぇがねー!」
P「ああこらこら!変なこと吹かない!」
P(油断しちゃいけないな……扱いを間違うとこうなってしまう……)
P「まったくもう……」
輝子「……」
楓「輝子ちゃん?輝子ちゃーん?」
P「おい輝子、呼ばれてるぞ。そろそろ出発じゃないのか」
輝子「そ、そうだった……忘れてた」
P「大丈夫か?ボーッとして」
輝子「フヒヒ、いつも通り、だよ……」
P「そうか?ならいいんだが……」
輝子「い、今行く。待ってて……」
楓「そう?じゃあ外で待ってるわね」
輝子「ご、ごめんごめん……」ペタペタ
P「ふー……」カタカタ
輝子「……」チラッ
P「ん?」
輝子「フヒッ、フヒヒヒヒ」ペタペタペタペタ
P「なんだ……?」
P(さて、キス・パンデミックを起こすためにどうしたらいいか……)
P(ちびっこ達に仕込むのは色々と問題があるように感じてきた。もうちょっと上の年齢のに教えておくか……)
P(高校生……いや、高校生はダメか……人によっては早苗さんに突き出されかねん。人選が難しいな……)
P「中学生を中心に流行を起こしていかないと……」
ちひろ「随分と仕事熱心なんですね♪」ヌッ
P「ヒェッ……ち、ちひろさん。どうしたんですか?」
ちひろ「アイドルにもウケる年齢層がありますからね。ユニットの方向性を考えていたんでしょう?」
P「え、ええ!もちろん!」
ちひろ「ふふっ、どうぞ。差し入れです」コトッ
P「……マイスタですか」
ちひろ「なにか?」
P「い、いえ……別に……」
P(この人を忘れていた……)
P(そうだ……早苗さんをうまく追っ払ったとしても事務所内にはちひろさんがいる……)
P(そうなると事務所内で俺発信で流行らせるのはほぼ不可能ということになる……!!)
P(ああ、なんということだ。ハグ・パンデミックが起こせたのも、ちびっこ達が俺聞いたという情報を流すことがなかったという幸運のためだ……!これ以上のことを流行らせようとすれば大人組だって不審に思う。もちろんちひろさんもだ……)
P(一部のアイドルから変態・ロリコン扱いされている俺がまず犯人の立候補としてあがるだろう……そうなるとどうなる?)
P(吊るし上げ……!!事務所わ仕切っているのは俺だが、事務所のほとんどは女性で形成されている。つまりは女性社会というわけだ……)
P(そんなところで吊るし上げなんか食らったらどうなる……俺の仕事!!俺の生きがいが!!)
P「くっ……なんということだ……!!」
P「ダメだ!!こんなことでは!!」
ちひろ「ど、どうしたんですか!?行き詰まったからってそんな……」
P「そうじゃなぁぁぁい!!」
ちひろ「ええっ!?」
P「はぁ……はぁ……もう一度だ。もう一度思考を巡らせろ……!」
ちひろ「よ、よくわかんないですけど……退散したほうがいいですか?」
P「す、すいません……声を荒げてしまって……」
P(そう……例え一時的にちひろさんを追っ払うことはできても、事務所にいる時間は普段とさほど変わらないということ……!!少し追っ払う程度の短い時間ではキスの浸透に長い時間がかかる)
P(これこそが一番の問題だ……)
P(ミッションをクリアするためには絶対に秘密を漏らさない、口の固いやつが必要…)
P(そう、情報さえ漏らさないようにすればキスの流行は十分拡散できる……)
P(出処もあやふやにする必要があるが、それは俺がやることだ)
P(まずは協力者を見つけること……俺の言う事を信じ行動してくれる健気な中学生が必要……)
P(むむむ……難しい……)ムム
ちひろ(あんなに仕事に真摯に向き合うなんて……少し見直しましたよ……)グッ
P「ダメだ……一度頭を空にしよう……」カタカタカタ
ちひろ(そうだ、プロデューサーさんに負けていられない。私も仕事しないと……)
P(誰だ……誰がいる?蘭子?ダメだ。漏らしてしまいそうだ)
P(幸子?ダメだ。通報されてしまう)
P(珠美もダメだ。照れて行動は起こせない……)
P(もっと、もっと中学生を……!!)
コンコン
輝子「ぷ、プロデューサー……ただいま……フヒヒ」
P「うおおお!?……しょ、輝子。おかえり……)
P「……輝子……?」
輝子「フヒ?」
P「……仕事終わったらちょっと来てくれ……話がある」
輝子「わ、わかった……ど、どこに行けばいいの?」
P「俺の部屋だ」
輝子「……フヒッ!?」
P「しっ、静かにしろ」
輝子「お、おお……」
P「とにかく話があるんだ。来てくれ」
輝子「わ、わかっ、た……フヒヒッ、なんだろう……」
P宅
P「よく来てくれた。あがってくれ」
輝子「お、お邪魔する……ぞ」
P「散らかってるがまあ座ってくれ」
輝子「う、うん……そ、それで、その」
P「そう、話があるんだ」
輝子「ど、どんな話、なんだ……?」
P「……」
輝子「………」
P「お前に……折り入って、頼みがある」
輝子「……た、頼み?」
P「そう、お前にしかできない頼みだ」
輝子「わ、私にしか、できない、頼み」
P「聞いてくれるか」
輝子「も、もちろん」
P「……そうか。このことは絶対口外しないでくれるか」
輝子「わ、わかった」
P「……と、こういうわけだ」
輝子「つ、つまり、私が噂を、な、流せばいいのか?」
P「そういうことだ」
輝子「ど、どうして、こんなこと……?」
P「俺はな……」
輝子「お、女の子と、き、キスしたいからか?」
P「違う!!」
輝子「お、お……う、うん」
P「俺はアイドル同士で仲良くなってほしい。ただそれだけだ……他意などない」
輝子「そ、そうか……ぷ、プロデューサーは、その一環で、キ、キスする、のか」
P「…まあ、可能性としては……ありえるかも、しれない」
輝子「………そ、そう、か……」
P「どうした?」
輝子「………れ、れ、練習!……しないか……?」
P「ほ?」
輝子「れ、練習、だ……キスの……」
P「ほ?ほ?」
輝子「そ、その、ぷ、プロデューサーが、緊張する、とか、あれだし……」
P「え?いや……え?ん?れ、練習したほうがいいのか?」
輝子「……そ、そう!私が、練習しなきゃいけないんだ……緊張、する、から……」
P「そ、そうなのか?」
輝子「だ、だから、頼む……」
P「おおう……そうか……」
輝子「……ダメ、か」
P「い、いやいやいや!ダメじゃないぞ!全然ダメじゃない!」
輝子「ほ、ほんとか!」
P「う、うん……」
輝子「じゃ、じゃあ……」
P「……よし、こい」
輝子「……」スッ
P「……」グッ
輝子「んっ……」
P「……んっ!?」
輝子「フヒヒ……れ、練習……成功……」
P「しょ、輝子……口にする必要は……」
輝子「あ、ある……練習、だから……」
P「……そ、そうか……」
輝子「……」
P「……」
P「あ、も、もうこんな時間か。女子寮戻ったほうがいいかもなぁ!」
輝子「フヒ、そ、そうだな。ま、また明日練習しよう…」
P「あ、明日も練習するのか?」
輝子「ま、まだ一回しか、練習してないから……」
P「あ、ああ……そうか……」
輝子「じゃ、じゃあな……プロデューサー……」
P「ああ、また明日な……」
輝子「明日……フヒヒッ」バタンッ
P「……」
数週間後
未央「おっはよー!」ガチャ
卯月「おはようございます!」
未央「おっ、しまむーおっはー!」チュッチュ
卯月「ふぁぁああああ!?」
未央「ん?どうしたのよー」
卯月「なんでき、ききききすするんですかぁ!?」
未央「ほっぺなんだしいーじゃん?」
卯月「よくないですっ!」
未央「えー?知らないのー?」
卯月「な、何がですか?」
未央「……流行ってるんだよ、これ」
卯月「……まさか本当に!?」
未央「ふふふ……その通り」
凛「おはよ……」
卯月「おはようございます凛ちゃん!」スッ
凛「うわぁぁ!?」グイッ
卯月「うひゃあ!」ドシーン
未央「ドイヒーだよしぶりん!いきなりしまむーに巴投げかますなんて!」
凛「だ、だって!き、キス……!」
未央「おやおや、まだ知らないようですかなぁ?」
凛「……まさかこれも!?」
未央「ええ、流行っております」
P「お、お前ら揃ってんなぁ。おはよう」ガチャッ
凛「プロデューサー!おはよう!」
凛「はっ!」プルプル
卯月「こ、これは……!」
未央「届いてなぁぁぁぁいっ!」
未央「背伸びしても全然プロデューサーの頭に届いてない!!圧倒的に身長が足りてない!!」
P「なんだ?背伸ばしたいのか?朝に背伸びするといいって聞いたからなぁ。頑張れよ」スタスタ
凛「……」
未央「……しぶりん?」
凛「挨拶は普通にしてくれないと困るよ!わかった!?」
未央「ええー……」
小学生なのに珠ちゃんを中学生に混ぜるとかエアPかよ!
>>32
これはマジでうっかりだから許してください何でもしまむら
P「ふー……さーてと」
コンコン
輝子「プロデューサー……お、おはよう……フヒヒ」
P
P「おはよう輝子」
輝子「ど、どうだ……うまくいってるか」
P「おお、ありがとう輝子。順調だ」
輝子「そ、それはよかった……フヒヒ」
輝子「け、計画……順調……」
P「ああ。輝子のおかげだ。ありがとう」
輝子「フヒヒ……」
P「今日も頑張って仕事していこうか」
輝子「も、もちろん……フヒ」
夕方
ちひろ「じゃ、お先に失礼しますね」
P「ああはい。お疲れ様でした」
ちひろ「大変ですね。一人で残業なんて」
P「はは、なんてことないですよ」
ちひろ「じゃ、失礼しまーす」
P「はーい」
P「………」
P「輝子、出てきていいぞ」
輝子「フヒヒ……」
P「じゃ、じゃあ輝子、『練習』しよう、か」
輝子「う、うん」
P「よ、よし……」
輝子「んっ……」
P「んぐっ……」
輝子「はぁ……ん……」
P「ふう……」
輝子「フヒヒ……れ、練習、終わり……」
P「なぁ輝子」
輝子「な、なんだ……?」
P「もう、練習終わりにしないか……?」
輝子「……え?」
P「もう練習はなしにしよう」
輝子「………」
輝子「ど、どうして……そんな……」
P「ずっと練習しかしてないじゃないか……」
輝子「そ、それは……そうだけど……」
輝子「いや……ごめん……」
輝子「れ、練習なんか……も、もうしたくないんだな……」
輝子「ご、ごめんな……ごめんなさい……」
P「そうだな、もう練習は終わりにして」
P「本番を始めようか?」スッ
輝子「……う?え?」
翌日
幸子「やっぱりアイドルたるもの、貞操観念はしっかりしないといけないと思うんですよ。事務所内でちゅ、ちゅーが流行ってるのもいただけません!」
輝子「そ、そーなのか……」
小梅「その通りだけど……友達だし多少は……」
幸子「ダメです!友達だからってなんでもかんでも許してたら……」
輝子「そ、そう、かな……いいと思う……ぞ」
幸子「へ?」
輝子「と、友達だから許せることだって、あ、あると、思う……フヒヒ」
輝子「そ、そう……そういう友達も、いて、良いと思うんだ……フヒ」
幸子「そ、それはそうですけど……」
輝子「友達だから……許せる……フヒヒ」
輝子「プロデューサーと私はし、親友だから……」
輝子「許しあえることだってある……ぞ。フヒヒ」
輝子「な、なぁ?……親友」
おわり
ありがとうございました。読んでくれた人に感謝したいです。
珠美ちゃんPのみなさん、ごめんなさい。許してください何でもしまむら!
幸子Pとして一歩を踏み出せずもじもじしてる幸子を提案します。
あと数々の誤字脱字エラー等ごめんなさいでした。すいませんでした。
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