憧「皆と一緒に‥」玄「全国へ」 (60)


初投稿です。そもそも掲示板の書き込み自体初めてなので、暖かい目で見守ってくれたら幸いです。
憧玄ss、百合成分を含むので苦手な人はそっ閉じ推奨

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ガチャ


あれ?


ガチャガチャガチャ


開かない‥?

ー阿太峯中学ー



ピッピッ



プルルルル

憧「もしもし、初瀬?今部室の前にいるんだけど‥」


憧「‥え?なんでって、今日の午後1時からでしょ?麻雀部の集会。昨日初瀬がメール送ってきたじゃない」


憧「‥‥はっ?書き間違えた?本当は明日?‥‥ああ、いやいやいいって!入力ミスくらい誰だってあるから‥」


憧「そんな気にしないでって!‥‥うん、うん‥じゃ明日‥‥」ピッ




憧「‥‥‥帰ろ」ハァ

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憧 (あーあ‥せっかくの休日なのについてない‥電話で確認すべきだったなー)トボトボ


憧 (まあいいや‥あさっても祝日だし‥‥)


憧(‥‥‥ん?)チラ



掲示板


『阿知賀女子学院 文化祭日程』


10 月 10 日 (土) 〜 10 月 12日 (月・祝)

AM 9 :00 〜PM 18:00 (最終日のみPM 17:00まで)





憧「ああ、阿知賀って今文化祭やってるんだ‥‥ここまで来たし、ちょっと寄ってみよっかなー」フム


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阿知賀女子 校門


憧「うわー、懐かしい‥‥!あれからもう3年経ったっけ」シミジミ



「ご来場誠にありがとうございます!こちらが本日のパンフレットになります!」



憧「あ、どうも。えーと、茶道部の体験コーナー、書道部と華道部の合同展示にピアノの演奏会‥さっすがお嬢様校って感じね」



憧「って、サッカー部にチェス部‥囲碁将棋部まであるの・・ ホント麻雀部無いのが不思議‥」




ワイワイガヤガヤヴワ゛ア゛ア゛ア゛



憧「やっぱり中高合同開催だけあって結構混んでるわね‥。あ、そだ。シズに電話してみよーっと」ピッピッ


プルルルル
『おかけになった電話は電源が入っていないか電波の届かない所に‥』


憧「あれ、繋がらない‥山にでも行ってるのかな?シズってあんまり部活とか入らなそうだし」


憧「‥ま、いいや。とりあえず適当に見て回ろっと」

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ピンポンパンポーン
『まもなく18時です。以上で本日の阿知賀祭は終了です。ご来場者の皆様、誠にありがとうございました』





憧「1人で文化祭回るのも結構楽しいわね‥まあ終了時間まで居座るとは思わなかったけど‥」



憧「あ、そだ。最後にあそこ寄ってみるか‥」スタスタ







憧「えーと、確かこの校舎よね。‥あれ、入り口に看板‥」



憧「‥なになに。『北校舎は展示を行っておりません。部外者の立ち入りはご遠慮ください』」



憧「‥ちょっと覗くだけならいいよね、うん」


スタスタ




憧「‥誰もいない、か‥‥まあ、当たり前よね」



スタスタ




ピタッ



憧「‥‥ここが、懐かしの阿知賀こども麻雀教室の活動部屋‥‥」



憧 (‥やっぱここに来ると色々思い出しちゃうなー。ここでシズや玄、和達といつも遅くまで打ってたっけ‥)




憧「‥久しぶりに皆で麻雀したいなぁ‥‥‥なんて」フフッ


憧 (でも‥もし阿知賀に麻雀部があったら‥‥)




カタッ

憧「‥‥‥あれ?開いてる‥‥」


憧「‥‥‥」

キィィ






憧「!!これ‥‥」







憧「阿知賀に麻雀部は無いはずのに雀卓は健在‥‥どうして‥」
















?「あれ‥もしかして、憧ちゃん?」

憧「え‥‥玄!?どうしてここに‥」



玄「あ、やっぱり憧ちゃんだったんだ!だいぶ変わってて一瞬気づかなかったよ〜‥‥‥‥‥オモチモ」




憧「‥フフッ‥玄は相変わらずね。私は阿太峯の帰りに寄っただけ。‥で、玄はここで何してるの?」





玄「えっとね。3日くらい前からこの部屋が阿知賀祭の展示物置場として使ってたみたいで」


玄「一昨日の当番の日に掃除出来なかった分を今日に回してたんだ」

saga忘れ



憧「え‥‥玄!?どうしてここに‥」




玄「あ、やっぱり憧ちゃんだったんだ!だいぶ変わってて一瞬気づかなかったよ〜‥‥‥‥‥オモチモ」





憧「‥フフッ‥玄は相変わらずね。私は阿太峯の帰りに寄っただけ。‥で、玄はここで何してるの?」





玄「えっとね。3日くらい前からこの部屋が阿知賀祭の展示物置場として使ってたみたいで」


玄「一昨日の当番の日に掃除出来なかった分を今日に回してたんだ」

憧「一昨日‥‥って、まさか‥‥こども麻雀教室で決めてた掃除当番!?」


玄「うん」


憧「2年以上も守ってたの!?なんで‥‥」



玄「‥だって私がいつも通りなら、いつか戻ってくるかもしれないから‥」













玄「誰かがまた、あの頃みたいに」








憧「‥‥あの頃‥‥‥‥‥」








憧「玄‥私、ここでまた麻雀がしたい!!」




玄「うん」




憧「皆と!」




玄「そうなったらいいって、私もずっと思ってたんだ!‥‥でもいいの?憧ちゃんは晩成に‥‥」




憧「‥それはもういいんだ。玄は今の和の事知ってる?」

玄「インターミドルチャンピオン‥なかなかのなかなかに凄い事になってたね」オモチモ




憧「う、うん‥‥それで思ったんだ。私は‥玄やシズと一緒に、インハイで和と遊びたい!」





玄「!」





憧「‥無謀な事かも知れないけどさ‥それでも私は皆と一緒に‥全国に行きたい!」






玄「憧ちゃん‥」

憧「‥それに成績やレギュラー争いで殺伐とした雰囲気の中でインハイ目指すのは、なんか違うなって思ってたところだし‥」




玄「‥うん!じゃあ今度穏ちゃんに話してみるよ!残り2人は‥‥頑張って探すしかなさそうだね」





憧「私も阿太峯で阿知賀に行く人を探してみるよ‥ってもうこんな時間か。見つかったら連絡するね!それじゃ!」




玄「うん!じゃあね!」

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憧「‥自分から言っといてだけど、こんな事になるとはねぇ‥」





憧「あと2人かー、知ってる人だと‥‥うーん、皆晩成志望だからなぁ」




憧「それにしても、玄ったら2年以上も待ち続けてたとは‥」





憧「無くなったこども麻雀教室の当番を‥守り続けて‥‥」


















憧「ずっと‥‥‥たった‥‥‥一人で‥‥」









ドクン















憧「‥‥あー‥‥これは‥‥」




憧「ちょっとヤバいかも‥‥‥」

駄文すみません。
今日は寝ます。おやすみなさい。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ー翌日ー
阿太峯中学麻雀部室

憧「‥‥‥という訳で、麻雀部内で『私阿知賀に進学する!』って人知らない?」


初瀬「」


憧「‥あれ?どったの?」


初瀬「‥‥お前、本気で阿知賀に行くのか?」


憧「うん。そうだけど?」


初瀬「いやいや、やめときなって。あそこが県予選突破したのって10年ぐらい前に一回だけだし‥」


初瀬「それにその‥‥『玄』さんだっけ?その人が2年以上待って、憧以外誰も来なかったんでしょ?」


初瀬「生徒数の少ない阿知賀で5人も集まるとは思えないし、第一今年も晩成が‥‥‥‥‥‥‥って憧?」


車井「憧ならもう帰ったよー」


初瀬「」ポカーン


車井「あれ?初瀬?おーい」


初瀬「‥‥ったく‥憧のやつ‥‥一緒に晩成行くんじゃなかったのかよ‥」ハァ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



憧「‥もう、初瀬ったら‥あそこまで真っ向否定しなくていいのに」プンスコ


憧「確かに阿太峯で阿知賀に行く人見つかんないし、厳しいっちゃ厳しいけどねー‥」ウーン


憧「‥ま、阿知賀内で部員探した方がよっぽど見つかりそうだし、なんとかなるかな」


カガヤイテー ココイチバーン


憧「あ、メール。‥‥玄からか。えーと」


『新入部員候補を紹介したいんだけど、明日空いてるかな?』


憧「!!もう4人目の候補見つけたんだ!」


憧「‥それにしてもこんなにあっさり見つかるなんて不思議ね。今までの2年間は何だったんだろ‥」ピッピッ


憧「‥‥よし、送信っと」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ー翌日ー
某公園前




憧「‥さて、確かここの噴水で待ち合わせよね」


憧「‥」ドキドキ


憧「あー、やっぱり初対面の人と会う前ってなんか緊張するなー‥」


憧「まあ玄が見つけてきたってことは悪い人じゃないよね‥‥たぶん」


憧「‥」


オーイアコチャーン


憧「‥‥あ、来た」


玄「お待たせー!ごめんね、ちょっと遅れちゃって」


憧「いや、私も今来たところ。‥‥‥シズはどしたの?」


玄「‥あ、その事‥なんだけどね」


憧「?」






憧「‥え?シズと連絡が取れない!?」


玄「うん‥携帯に電話かけても通じなかったから、メールしておいたんだけど‥‥」


憧「‥まだ返信が来ない‥‥って事よね」


玄「‥」


憧「確かにあの後シズからの連絡が一回も無かったし、おかしいとは思ってたのよね‥」


玄「だから、今日シズちゃんの家に行ってみようと思うんだけど‥」


憧「あれ?じゃあ新入部員の紹介は‥」


玄「あ、もちろん新入部員候補の紹介はするけど、憧ちゃんに来てもらったのはその為でもあるんだ‥」


憧「‥なるほど。じゃ、早速シズの家に‥」


玄「あ、ちょっと待って!」

玄「紹介の方を先に済ませたいから、私についてきてくれないかな?」


憧「あ、うん。分かったわ」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

玄「‥」テクテク


憧「‥」テクテク


憧 (それにしても新入部員の人って何年生だろ‥‥逆に同学年だとちょっとやりづらいかも‥)


憧 (‥いやいや!今はそんな事言ってる場合じゃないよね‥‥。って、この通り見覚えあるような‥)


玄「‥着いたよ!憧ちゃん」


憧「え‥ってここ、玄ん家じゃん!」


玄「さあ、どうぞお入り下さい!」


玄「ただいま!お姉ちゃん!」


?「あ、お帰り玄ちゃーん」モゾモゾ


憧「あ、もしかして‥宥姉!?」


宥「え‥その声‥憧ちゃん!?」


宥「もー、そういう時はノックしてよ玄ちゃーん‥」


玄「アハハ‥ごめんなさーい‥」


憧「じゃ、宥姉が新入部員候補ってことね‥‥なんか初対面とかじゃなくてほっとしたかも」フフッ


宥「それは良かった‥‥よろしくね〜憧ちゃん」


憧「うん!よろしく!‥でも宥姉も麻雀出来るならこども麻雀クラブに来れば良かったのに‥」


宥「‥実は私もそこに入りたかったんだけど‥気付いたら中学生になってたから‥なんとなく行きづらくて‥」


宥「皆と楽しそうに打ってる玄ちゃんがずっと羨ましかったんだー‥」


玄「‥お姉ちゃん‥‥」






憧 (‥‥解釈によっては玄が無神経ってことにも聞こえるけどね‥‥まあ、そこは置いとこ)


宥「だからね‥皆と麻雀する機会が出来て、私とっても嬉しい‥!」


憧「‥宥姉」


宥「‥だからお礼を言わせて‥‥二人とも本当にありがとう。麻雀部を復活させてくれて‥」


玄「お姉ちゃん‥!こちらこそ、お姉ちゃんが麻雀部に入ってくれて嬉しいよ!」


宥「‥玄ちゃーはホントにいい子だね」ヨシヨシ


玄「‥えへへ、お姉ちゃーん♪」


憧 (‥なんか見てるこっちが恥ずかしくなってきたわね‥‥)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



玄「じゃあ、そろそろ行くね。お姉ちゃん」


宥「うん。行ってらっしゃ〜い」ノシ


憧「じゃ、私も行くね。おじゃましましたー」ヨイショ


宥「‥‥憧ちゃん‥ありがとね」


憧「アハハ‥もういいって。私も自分のために阿知賀に来たんだし‥」


宥「‥いや、これは玄ちゃんの姉としてお礼を言っておきたかったの‥」


憧「‥え、どういうこと‥?」


宥「‥おとといに玄ちゃんが話してくれたんだ。憧ちゃんが阿知賀に来てくれること‥」


憧「‥」


宥「その時の玄ちゃん、とっても嬉しそうだったんだー。『また憧ちゃんと一緒に遊べるんだ!』って」フフッ


憧 (‥‥玄) ドクン


宥「‥あんな笑顔をする玄ちゃん、久しぶりに見たから私も嬉しかったんだ‥」


憧「‥」


アコチャーン、ハヤクイコウヨー


宥「あ、ごめんね‥引き止めちゃって‥。じゃあまたね、憧ちゃん」


憧「うん‥‥またね、宥姉」



玄「あ、憧ちゃんやっと来た!何してたの?」


憧「‥あ、いや。ちょっとね‥」


玄「? よく分かんないけど‥とりあえずシズちゃんの家に行こっか」


憧「‥」


玄「あれ‥憧ちゃん?」


憧「‥あのさ、玄。ちょっと聞きたいんだけど‥」


玄「?」

憧「玄が麻雀部にいた2年の間にさ‥‥『もしこのまま誰も来なかったら』とか考えなかったの?」


玄「‥」


憧「何日経っても誰も来ないのに‥‥どうしてずっと待っていられたの‥?」


玄「‥それは前にも言ったけど‥私がいつも通りなら、いつか戻ってきてくれるって信じてたから」


憧「いや‥そうだとしても!」




玄「‥でも現に信じた通りになったよ?」











玄「憧ちゃんがこうして帰ってきてくれたんだから」ニコッ







憧「玄‥」





憧「‥じ、じゃあさ‥もう一つ聞いていい?」


玄「? 何かな?」


憧「もし‥私がやっぱり晩成に行くって言ったら‥どうする?」


玄「‥‥‥ぇ‥‥‥‥あ‥‥そ、それは憧ちゃんが決めた事だから仕方ないんじゃないかな‥」


憧「‥‥分かった。あ、一応言っとくけど、もちろん私は阿知賀に行くからね?」


玄「あ、そ、そうだよね‥!もう、憧ちゃんたら‥‥。ほら、早く行こ!」


憧「うん」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

玄「えーと‥シズちゃんの家は確か‥‥」


憧「‥」




憧 (玄ったら‥‥こんな質問しただけであそこまで動揺しなくても‥)



憧 (‥‥でも、もし私が居なくなったら、玄はあんなに悲しそうな表情するんだ‥)ゾクゾクッ


玄「‥‥憧ちゃん?」


憧「‥あ、ああ!ごめんごめん。今行くー」


憧 (‥‥‥‥可愛いなぁ‥‥玄‥‥このまま後ろから抱きしめたいかも‥‥)ドキドキ

オヤスミナサイ

憧「ごめんくださーい」


綾乃「はーい、今行きまーす。…あら、玄ちゃんに憧ちゃん!大きくなったねぇ〜」


玄「お久しぶりです!あの、今穏乃ちゃん居ますか?」


綾乃「ああ、ごめんね。あの子は今塾に行ってていないのよ」


玄「そ、そうなんですか。シズちゃんが塾に行ってたなんて、私知らなかった…」


綾乃「穏乃が『まだ決まってないけど、別の高校行きたい』って言い出して、塾に通い始めたのもつい最近の事だからねぇ」


綾乃「あの子夕方前には帰って来るから、用があるなら部屋で待っててもいいけど…」


憧「…いえ!大した用じゃないのでまた今度という事で…」


綾乃「あら、そう?じゃあまたいつでも遊びに来てねー」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

テクテク


憧「まさかシズが阿知賀に進学しないとはねぇ…携帯通じなかったのも勉強の邪魔になるからって考えたら納得だわ」


玄「…」


憧「ま、残り2人頑張って探そっか。本当はシズも一緒に行けたらよかったんだけど…」ハァ


玄「…」


憧「玄?どうしたの?」


玄「え、ああ。ちょっと考え事してて…」アハハ


憧「?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1週間後 阿知賀麻雀部室



ガチャ


憧「やっほー……うわっ、暑っ!」


宥「あ、憧ちゃん。いらっしゃ〜い」フルフル


憧「なんでこの部屋だけこんなに暑いの・・ って宥姉ストーブつけちゃダメ!」


宥「え…」


憧「いやいや、そんな絶望した表情されても…とにかく冬までストーブ禁止!」


宥「はぁ〜い…」グスン



憧「あれ、そういえば玄はまだ来てないの?」


宥「ああ…玄ちゃんは旅館の手伝いで少し遅れるみたい」


憧「ふーん、そうなんだ」



宥「………あの、憧ちゃんに一つ聞きたい事があるんだけど」


憧「ん? 何?」


宥「もし、もしもだよ?このまま部員が5人揃わなかったら、憧ちゃんはどうしたい、かな?」


憧「うーん、そうなったら皆で個人戦に出たいかな。たぶん和やシズも出場すると思うし」


憧「まあ1年待てば新入生が入ってくるだろうから、全力で勧誘すればなんとか5人集まるでしょ!宥姉は卒業しちゃっているけど…」


宥「…本当にいいの?麻雀の強豪校に行かなくても。例えば晩成高校とか」


憧「いいのいいの。私は阿知賀に行くって決めたんだから。それに玄や宥姉と一緒の方が楽しいしね」

宥「…ありがとう、憧ちゃん。早く玄ちゃんに伝えなきゃ」ピッピッ


憧「え?ど、どうして玄に?自分で言っといてアレだけど、ちょっと恥ずかしいから出来れば…」


宥「…先週、玄ちゃんと一緒に私を麻雀部に誘ってくれた日、覚えてる?」


憧「あ、うん…」


宥「あの日の玄ちゃん、帰ってきてから少し元気が無かったの」


憧 (そういえば、少し様子がおかしかったような…)


宥「気になって元気が無い訳を聞いてみたんだけどね」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

玄『…』


宥『玄ちゃん、どうしたの?いつもの玄ちゃんらしくないよ…?』


玄『…今日シズちゃんの家に行った時に聞いたんだけどね。シズちゃんは阿知賀に進学しないみたい…』


宥『えっ・・そうだったの…』


玄『…それでさ。もし、このまま5人揃わなかったら…憧ちゃんに迷惑かけちゃうよね』


宥『…』


玄『憧ちゃんは阿知賀の皆で全国に行きたいって言ってくれた』


玄『でも団体で出場出来なくなった場合、麻雀の強豪校に行った方が憧ちゃんにとって良いのかな、って思うの。中学でもいっぱい練習してたみたいだし』


玄『まだ5人揃わないと決まった訳じゃないけど、高校入学っていろいろ手続きとか大変だから、早めに決めないといけないし…』


玄『…それに、考えすぎかもしれないけど、憧ちゃん優しいから気を遣ってるかも…』


宥『玄ちゃん…』



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



憧「玄がそんな事を…」


憧 (そういえば…確か、シズの家に行く前)




ーーーーーーーーーーーーー

憧『もし、私がやっぱり晩成に行くって言ったら…どうする?』

ーーーーーーーーーーーーー





憧 (まさか、あの時の言葉を真に受けて…!)



宥「憧ちゃん?」


憧「…ごめん。宥姉。その事私が直接伝えていい?そうなった責任は私にあるみたいだから」


宥「…うん。分かったよ」


憧「じゃ、ここで待ってて!ちょっと行ってくるから」


宥「え・・ あの、憧ちゃん・・ …行っちゃった」



阿知賀女子 校門前





憧 (ま、とりあえずここで待ってたら入れ違いになる事はないよね)


憧 (…玄も、もっと自分のワガママ言えばいいのに。ホントお人好し過ぎなんだから)ハァ


憧 (…………あ、来た)


玄「あれ、憧ちゃん?どうしてここに、」


憧「少し玄に話したいことがあってね」


玄「……うん」



憧「聞いたよ。宥姉から。玄が最近元気ないって」


玄「え…?い、いやいや!そんなことないよー」


憧「…」


玄「……憧ちゃん。話って、もしかして……」オドオド


憧「…………ホント、玄って分かりやすいね」ハァ


ギュッ


玄「え…あの、憧ちゃん…?」


憧「…大丈夫だよ。私は他の高校に行ったりしないから」


玄「…!」


憧「言ったでしょ。皆と一緒に全国に行きたいって」


玄「……でも」


憧「確かにシズと一緒には行けなくなったし、5人揃えるのも難しくなったけどさ…」


憧「それでも、玄と宥姉が一緒だから。3人で麻雀が出来れば、私はそれで十分だよ」


玄「憧ちゃん…」グスッ


憧「それに団体戦は無理でも、個人戦には皆で出られるじゃない」


憧「だからさ、県予選突破目指して一緒に頑張ろ?」


玄「…うん!」






テクテク


玄「〜♪」


憧 「…」


憧 (…玄。こんなに私の事を気にかけてくれてたんだね。2年以上も願ってた事が無駄になるかもしれないのに…)


憧 (……一緒に全国に行こう、か)


玄「〜♪」テクテク


憧 (………私は…出来る事なら、ずっと玄と一緒に…)





ドクン




憧 (なんだろ…これ)




憧 (玄の側にいるだけで、胸の奥がキュッて締め付けられるような…)





憧 (やっぱり…玄が好きなんだ、私…)




保守してくださった方々ありがとうございました(ペッコリン
憧玄百合成分を主に書きたかったのに、どうしてこうなるんでしょうね

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