海未「部室で…」 (32)

注意

うみにこ、にこうみです
地の文あり
だから読みにくいかもしれません
ネタが被っていたらごめんなさい
短いです

以上大丈夫な方はどうぞ

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緑が生い茂げる季節。

今日は雨で練習がお休みです。

自宅に帰ってもすることがない私は部室で読書に励んでいます。

そして部室にはもう一人。

さっきから雑誌にマーカーでチェックをしているにこです。

他の人はどうしたか?

帰りましたよ。

え?なぜ私は帰らないのか?

……。

別にいいではないですか。

理由はありますけど。言いませんよ?

私はこうしてにこと二人、過ごす時間があるだけで満足しています。

……。

なんですかその何か言いたげな。

はい、そうですよ。

私はにこをお慕いしていますよ。

にことお付き合いたいと思っていますよ。

それでどこが好きかと?

そうですね……。

優しいところですね。

もっと具体的に?

仕方ありませんね。

あまり目立ちませんが、メンバーに気付かれないようにするさり気ない優しさ。

家に帰れば、親の代わりに家事をこなしていたり、妹たちの面倒を見る良き姉。

そして、自分の信念を持っている強さ。

あとは、小さくて可愛いところです。

……。

って、何を語らせているのですか!?

まったく。

「何一人で百面相してるのよ。」

「へ?」

突然話しかけられた私は素っ頓狂な声が出ました。

あぁ、恥ずかしいです。

「な、なんでもありません。」

「ふ~ん。あっそ。」

そう言うとまた先ほどの作業に戻ってしまいました。

……。

本当はもっとお話がしたいです。

でも、いざにこと話そうとすると何を話してよいのやら。

緊張して頭が真っ白になってしまうのです。

告白すればいいじゃないか?

だ、ダメです!

そんな大それたこと私にはとても……。

……本当はしたいです。

私の想い。にこに届けたいです。

ですが怖い事でもあるのです。

告白してもしお互いに気まずくなれば今後の活動において少なからず支障が出るでしょう。

そう考えれば私が告白をすることなどにこにとって迷惑ではないでしょうか?

いえ、μ'sにとって迷惑ではありませんか?

それは言い訳…ですか……。

そうかもしれませんね。

自分に勇気がない事を誤魔化しているだけですよね。

え?

……。

チャンス……。

分かりました。

今日、にこに私の想いを。

伝えてみせます!

と、意気込んでみたのはいいものの……。

にこを前にすると緊張してしまいます。

「に、にこっ!」

「何よ。大きな声で。」

雑誌から目線を上げて私の目を見てきます。

紅い丸い瞳は私の目を放しません。

やっぱりにこを前にして話すと言葉が出てきません。

あの紅い瞳に吸い込まれそうで…。

「もう、なんなのよ。」

呆れているらしく

早くして、と催促しているみたいです。

私だって伝えたいです。

好きですと。

もう行くしかありません。

「しゅ、しゅきでしゅ!」

あぁ……。

緊張のあまり勢いよく噛んでしまいました。

思わず目をつむり、にこから何も言ってこないことに不安を覚えた私は再び目を開けます。

にこの顔は何とも言えない表情でこちらを……。

私の目を捕らえていた視線は雑誌へと落とされました。

告白は見事に失敗し長い沈黙の時間が訪れています。

今、何をしているのか?

にこは知りませんが、私は机に伏せて落ち込んでいます。

なぜあそこで噛んでしまったのか。

一番大事なところで……。

結局、私には荷の重い事だったのです。

今更ながら後悔の念が押し寄せ、さっきの自分に目を覚ませと言いたいです。

もう何も音が聞こえませんからにこも帰ってしまったでしょうね。

明日からまた顔を合わすことを考えるとそれだけで憂鬱です。

私もそろそろ帰りましょうか。

とんとん。

誰かが肩をたたいています?

一体誰が……。

顔を上げると目に映ったのはにこの顔です。

何やら赤くしているみたいで風邪でしょうか。

「あの、どうしました?」

心配になりにこの身を案じます。

もし風邪ならば早急に自宅へと帰さねば、明日もしかしたら欠席になるかもしれません。

「さっきのことだけどさ…。」

さっきのこと……。

あのことを蒸し返すつもりですか!?

勘弁してください。

あのことは私にとって忘れたい過去の事なのですから。

「あれってやっぱり…。」

そこまで言うとにこは俯いてしまいました。

先ほどよりも赤い顔をして。



風邪ではないとしてもなぜにこが顔を赤らめる必要が。

「へ、返事だけど…。にこも海未ちゃんの事が……。」

言葉が尻下がりに小さくなっていき聞き取れません。

「あの、聞こえなかったのでもう一度いいですか?」

「~~っ。好きだって言ったの!!」

開いていた窓から風が通り抜けました。

言い放った言葉は私の中に落ち、体中を駆け巡っています。

好き……。

にこが私に好きと言いました。

夢ではないでしょうか。

あの告白から私は寝てしまってこのような夢見ていると。

きっとそうですよね。

にこからの返事がこんな素敵なものなわけがありません。

「ねぇ。聞いてるの?」

にこからの言葉で覚醒しました。

夢ではありません。

現実に起こったことだと理解して、

「ほ、本当ですか?」

でも、もし私の聞き間違いだとしたら、恥ずかしいを通り越して死んでしまいたい気持ちになると思うので確認をします。

「海未ちゃんもにこの事が好きなんでしょ?」

疑問を疑問で返されました。

これは予想外です。

またしても先ほどの告白をしなけれならないのでしょうか。

あの光景が脳にフラッシュバックを……。

あれ?

不思議と緊張をしていません。

これなら言えます。

「ええ。私はにこの事をお慕いしていました。」

前と違い、言葉が次々と出てきて簡単に紡ぎだすことができます。

「貴女の事が好きです。」

そう言って今度は私の方からにこの紅い瞳を放しません。

言い放った言葉がにこに届いたのか赤く染まっていた顔はさらに赤く染まり、私の方へと倒れてきました。

咄嗟ににこの身体を受け止め支えます。

「あ、あの大丈夫ですか?」

「もう…何よ。さっきとは全然違うじゃないの。」

「それは…。」

はい。情けない自分で申し訳ありません。

今の自分でいられるのはにこのおかげです。

にこが返事を返してくれたからこそです。

「私の傍にいてくれますか?」

「にこでよければ…。」

そっとにこを抱き寄せ、震える小さな体を優しく包み込みます。

にこも緊張をしていたのですね。

しかも、私よりも勇気を振り絞って。

やはりにこはすごいです。

◆◇◆◇◆◇◆◇

学校を出る頃には外は暗く、街灯が道を照らしています。

雨は止んだようでした。

私とにこが両想いだったことに心が晴れやかです。

にこはまだ俯いていますが。

まだ恥ずかしいようで赤い顔を隠そうと一生懸命ですがそういうところも可愛いですね。

耳まで赤くしていては隠せませんよ。

不意に手から柔らかい感触が伝わりました。

見てみるとにこの小さな手で握られています。

「ね、ねぇ海未ちゃん。手、つないで帰らない?にこ達はその……。」

その?

「恋人同士なんだから。」

段々と小さくなっていくにこの声。

普段の明るさと元気さに比べたら、こんなにもしおらしくしているにこを今まで見たことがありません。

「ええ。そうしましょうか。」

にこからつないでくれた手を今度は私が握り返しました。

するとにこの表情が次第に明るくなっていくのが分かります。

「うん。ありがと。」

まだ声は小さいままですが、幸せに満ちたにこの顔を見ているとこちらも笑顔になりますね。

「では、帰りましょうか。」

この笑顔をいつまでも守りたいものです。

短いですが以上です

いつになるかは分かりませんが、ラブライブ!板でうみにこ・にこうみの短編を書こうと思っています

興味があればよろしくお願いします

レスをしてくれた方ありがとうございます

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