ニート「ソルサクの世界へ転生してハーレム作る」 (26)

俺の名前は日口大郎(24)。どこにでもいる普通の童貞ニートだ。

趣味はアニメ、マンガ、ゲーム。

そんな俺が、いつも通り部屋に引きこもってアニメを見ていると……

いきなり意識を失った。

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目が覚めると、俺は薄暗い空間の中にいることに気が付いた。

日口「……なんだこれは?ま、夢か。」

すると、空間の底から赤黒い巨大な煙のようなものが浮かび上がってきた。

日口「……なんだありゃ?」

煙が拡散すると、中から巨大な人のような生物が現れた。

大きさは10m程度。皮膚は真っ黒だ。目や口に当たる部分は見えない。

あまりにも悍ましい姿だ。俺は早く夢から覚めたいと思った。

???「おぎゃあああああぁぁぁぁ」

生物が声をあげた。

生物の全貌が明らかとなった。

バカでかい赤ん坊だ。皮膚の黒い部分は半分だけで、残りの半分は肌色だ。

目や口はなかったわけではなく、閉じていただけのようだ。

背中からは悪魔のような翼が生えており、手でひものようなものをつかんでいる。……へそのおか。

日口「ぎゃああああぁぁぁ!化け物ぉぉぉ!!」

こんな訳のわからない悪夢はごめんだ。はやく覚めろ、覚めろ、覚めろ……

すると、俺の心の中に男のような声が聞こえてきた。

???(我こそ世界の始まり、神である。)

日口「ひいいいぃぃぃ!神様ぁぁぁ!お助けください!!!」

パニック状態に陥った俺は、訳も分からず神に祈っていた。

神様!!あの化け物を何とかしてください!いやそもそも夢から覚めさせてください!!

化け物「おぎゃああああぁぁぁぁ」

赤ん坊の化け物が迫ってくる。俺は必死に走って逃げる。

???(これは夢ではない。現実である。我はうっかり汝を殺したのだ。)

は?俺をうっかり殺した?どういうことだ……?

などと考えていると、化け物のへそのおが伸びて俺を捕まえた。

日口「うぎゃああああぁぁぁ!くそおおぉぉ!この化け物め!離せ!離せ!」

俺がいくら暴れても、化け物には効果がないようだ。

夢だか何だか知らないが、早く現実の世界に戻りたい。

神?(我は化け物ではない。我こそ神である。)

え……?この赤ん坊の化け物が神……?

神?(その通りである。我はうっかり汝を殺したのだ。)

神とやらはこちらの心を読むことができるようだ。

それよりも聞き捨てならないのは「俺を殺した」ということだ。

…などと考えていると、頭の中に映像が浮かび上がった。

俺が部屋でアニメを見ている。ついさっきの俺だ。

すると突然、赤黒い雷が降ってきて映像の俺が跡形もなく消滅した。灰すら残っていない。

神?(こういうわけだ。)

くそっ……こういうわけだってどういうわけなんだよ!頭が混乱している。

神?(我が汝を死なせた代わりに、我は汝を新たなる世界に転生させよう。)

……は?

神?(我は欲望の神である。望むものは全て―――)

日口「ちょっと待てよ!そもそもこれは夢なのか?現実なのか?お前が神って一体どういうことだ?殺したってのは一体――

神?(汝は何を望む?力か?使い切れぬ財産か?美しきハーレムか?)

どうも話がかみ合わない神様だ。こちらの質問に全く答えていない。腹が立つ。

……しかし、ハーレムってのはほしいかもし―――

神?(我は汝を転生させる。望むものがある時は我に祈れ。しからば願いは叶えられん。)

神?は俺を勢いよく上に投げ上げた。くそっ!まだ話の途中じゃねえか!

ふざけ……る………な……………

俺はまた意識を失った。

第一章 氷の湖で戦う女剣士

目が覚めると、辺り一面は鏡のような氷の世界だった。ここはどこだ?ロシアあたりか?

日口「うっ!さむっ!!!」

俺は、Tシャツとズボンしか着ていない。このままだと凍え死んでしまう。誰か助けてくれ!

するといきなり、俺の体中から長い体毛が生えてきた。全身がむず痒い。

あっという間に俺の体は毛でおおわれた。氷にうつる俺の姿はまるで服を着た狼人間のようだ。

毛皮のおかげで随分とあたたかくなった。これで凍え死ぬ心配はないだろう。

しかし一体何が起こったんだ?

俺は神とやらの話を整理してみることにした。

〈整理〉
俺は部屋でアニメを見ていた(現実)
     ↓
神?(邪悪な赤ん坊の化け物)が俺を殺した?(夢?)
     ↓
転生させるとか、望みをかなえるとか言っていた。(夢?)
     ↓
今、氷の世界にいる。(夢の続き?現実?)

ここが現実か夢かは分からない。だが、俺が望んだことが実際に叶うというのは本当のようだ。

実際俺が寒いと思ったら、体中に毛皮が生えた。

となればやることは一つだ。俺は大声で叫んだ。

「俺を元の世界に返せぇぇぇ!早く夢から覚めさせろぉぉぉ!」

…何も起こらない。むなしく俺の木霊だけが響き渡る。

くそっ…やっぱりだめか。神とやらめ……ふざけたまねを……



俺の背後から物音がした。

巨大な人間のような生物が立っていた。高さは5mほど。さっきの神?ほどではないがかなり大きい。

白っぽい服と兜、盾を装備している。手にはよく何やら小さなものを持っている。

大きく人間と異なるのは、頭の両側から巨大な翼が生えている点だ。

翼巨人はさっきの俺の叫び声に反応したらしい。そしてここは明らかに現実世界ではない。

頭の中に女らしき声が頭の中に響き渡る。さっきの神とやらと似た感覚だ。

女の声?「~~~~~~~~~~~~~~~~」

何を言っているのかさっぱり分からない。やはりここは異世界なのだろうか?

一瞬耳の上あたりが痛むと、俺は女の声が聞き取れるようになっていた。

女の声?「お父様……私は強くなりました……私を見て……」

これも望んだことが実際に叶う効果なのか?俺は試しに目の前の翼巨人に話しかけてみることにした。

日口「今、俺に話しかけているのはあんたか?」

口の下あたりが一瞬痛むと、俺が話すのと同時に俺の声でわけのわからない言語が聞こえてきた。

俺の声?「~~~~~~~~~~~~~~~~」

すると、翼巨人がこちらに話してきた。よし、なんかよくわからないがとりあえず話は通じている。

女の声?「その通りよ。ところであなた、武器になるものは持っているの?」

武器……?今はそんなことはどうでもいい。この翼巨人(女?)に聞きたいことは一つだ。

日口「武器は持っていない。ところであんた、「神」とやらを知っているか?」

この女翼巨人の、直接心の中に語り掛けてくる術は例の神?と同じだ。

女翼巨人は神に関係している奴に違いない。

女の声?「神とはロムルス神のこと?でも今はそんなことはどうでもいいわ。あなた、武器を持っていないのね。」

女は氷の塊に手をかざすと、氷の塊から氷の剣を作り出した。

女の声?「この剣を使いなさい。」

女翼巨人は俺に氷の剣を投げつけてきた。おい、ちょっと待て!使うってどういう―――

ザシュッ!

剣を受け取り損ねて、俺の右腕が切断された。

日口「うぎゃああああああぁぁぁぁぁ!!」

しかし痛みは一瞬で収まった。切断面から新たな腕が生えてきたのだ。

新たな腕も相変わらず毛むくじゃらだが、切断前と特に変わらない。

……これも望みをかなえたってわけか…

翼巨人(私の名はヴォルタッチア。いくわよ!お父様……私を見ていてください。)

……といきなり女翼巨人が襲い掛かってきた。……今は名前なんてどうでもいい。

女翼巨人が手に持っているよくわからないものから光の刃が出てきた。ライトセイバーか?

女翼巨人は目にもとまらぬ速さで俺に迫り、俺に斬りつけてきた。

俺の腹が裂ける

日口「ぐああぁぁっ!」

……が一瞬で再生した。

翼巨人(やるじゃない。)

女翼巨人はいきなり空に飛び立った。だが、逃げるわけではないらしい。旋回しながらこちらを狙っている。

女翼巨人が襲い掛かってきた理由はさっぱりわからない。神?のやつ、一体何を考えている?神はこいつの父か?

とりあえずこの女翼巨人を動けなくして、神についての情報を聞き出さなくてはならない。

こいつを倒す力が欲しい。

ちょっと待てよ、神の関係者を倒す力を神に祈って得ることができるの―――

……俺の陰茎に一瞬痛みが走った。いったい何が起こったんだ?

見ると、俺の陰茎(短小)がズボンを突き抜け、触手のように細く長く分岐していた。

日口「なんだこりゃ?……っていうか俺の○○○~~~!!!くそ!どうしてくれる!!……んっ?」

俺の触手が空に向かって勝手に伸びていく。そして……女翼巨人を捉えた!

翼巨人(!? なんて速さなの!くっ…しまった!ああああああぁぁぁぁぁぁぁ!おおぉぉとおおぉぉぉさああぁぁまあぁぁぁ!」

女翼巨人は俺の触手に捕まって墜落した。

女翼巨人は雷の剣を握り直し、必死に触手たちを切り裂いている。

だが、触手たちは斬られた先から再生し、着々と女翼巨人を追い詰めている。

触手の一部は刃状に変形し、女翼巨人の剣戟を防いでいる。まるでパラサイトみたいだ。

翼巨人(はぁ……はぁ……はぁ……)

ついに女翼巨人は雷の剣を奪われ、触手に完全に拘束されてしまった。

日口「これは……勝ったのか……?」

俺は何もしていないのだが……それにわがいとしき○○○がこんな姿に……くそっ……

翼巨人(負けた、負けた、負けた、負けた、負けた、負けた、お父様、負けた、負けた、負けた、負けた、負けた、お父様、負けた……)

まあとりあえず、神についてこの女翼巨人に尋ねよう。

俺は女翼巨人に歩み寄った。

翼巨人は、触手に拘束されてうつ伏せになって倒れていた。

日口「俺はあんたに聞きたいことがある。あんたと神の関係を教えろ。」

翼巨人(……お父様に認めてもらいたくて、私は戦士になった……これが女の力の限界。もっと力が欲しい……なのに、なのに、なのに……)

何を言いたいのかさっぱりわからない。

翼巨人(……お父様はなくなられた……私は分かっていた。自分が望まれた子ではないと……男男男男男男……)

どうやら錯乱しているらしい。話の脈絡もない。

くそ……とっとと話を聞き出して一刻も早く元の世界に戻りたいのだが……

すると、突然女翼巨人を拘束していた触手がもぞもぞと蠢き始めた。

日口「お、おい!!どうなってるんだ!おれの○○○!!」

触手は女翼巨人を仰向けにし、女翼巨人の穴という穴に入り込んでいった。

な、なんだこの感触は……!すごく気持ちいい……が、今はそんなことしている場合じゃ……

翼巨人(くっ……今の私を見て……あんっ……お父様、私は……うっ……強くなりまし……んんっ!いやっ!)

よく見ると女翼巨人は結構美人だ。モンスター娘ってやつか?下着は……白か。

しかしまさかモンスター娘で童貞を捨てることになろうとは……ドボドボドボ

触手となった陰茎から何かが抜けていくような感覚。どうやら射精してしまったようだ。

と同時に、何かが入り込んでくるような感覚がした。いったい何だ?この感覚は?

ふぅ……しかしいったいどうしてこんなことになったんだ?

確かに俺は童貞ニートでもちろん彼女なんていない。女の子でハーレムを作って性交しまくるという妄想はよくやっていた。

ところで、翼巨娘はどうなってるんだ?俺は翼巨娘の方を見た。

翼巨娘の体はドロドロに溶け始めていた。

日口「おいっ!待てっ!死ぬな!俺はあんたに聞かなきゃならんことがあるんだ。」

冗談じゃない。この機会を逃すと俺は元の世界に戻れなくなってしまうかもしれない。

おいっ何とか元に戻せ!

……俺の願いもむなしく、翼巨娘の体はどす黒い液体になって溶けていった。

そして、残ったのは巨大な兜と服?とパンツと例の雷の剣と……人が倒れている!

人「ん……んんっ……」

金髪ショートの女性。元の世界の「人」と同じ姿だ。さっきの翼巨娘と同じような服を着ている。

俺は女性に近づいた。

女「……ここは……?…………!!……あなたは誰?」

日口「それはこっちが聞きたい。あんたは一体誰だ?」

女はよく見ると筋肉ムキムキだ。腹筋も割れている。

顔はかなりの美人。はっとするような色香がある。

そしてやたら露出度の高い服を着ていて、ブルブルと震えている。

その様子を見ると、さっき射精?したばかりなのに触手陰茎がピクピクする。

女「わ、私はヴォルタッチアよ。……あなたは……魔法使いなの?」

魔法使い?なんのことだろうか?

日口「俺は日口大郎だ。魔法使いってのは何なのかは知らない。」

日口「ところで翼の生えた女巨人を倒したら、あんたが中から出てきたんだが一体どういうことだ?」

ヴォルタッチア「翼の生えた女巨人?………………!!…………お、お父様は…………ああああああぁぁぁ!!」

ヴォルタッチアはいきなり叫び出した。どうやら「お父様」とやらが関係しているようだ。

日口「さて、あんたのこと、お父様とやらのこと、この世界のこと、神とやらのことを教えてもらおうか。」

ヴォルタッチアから聞き出したことをまとめると以下のようになる。

①ヴォルタッチアについて

やさしく強く最高の騎士である「お父様」に認めてほしくて戦士になった。
剣の技は上達したのだが、女であるがゆえに力で男に勝てなかった。
これではお父様に認められないと絶望していたところに白い杯(通称・聖杯)が現れた。
聖杯は何かと引き換えに望みをかなえてくれるものらしい。
ヴォルタッチアは自分の女らしさと引き換えに、稲光のように素早く動く能力を手に入れた。
これでお父様に認めてもらえると喜んだのも束の間。父が戦死したとの情報が届いた。
兜に羽が生えてきたので急いで戦場に向かったが、死体が多すぎて父を見つけられなかった。
そこで自身の武名をどこまでも高め、天国にいる父に認めてもらうため戦士たちに戦いを挑み続けてきた。
この辺りからだんだん記憶が曖昧になってきたらしい。


どうやら「お父様」とやらは神とは関係ないようだ。がっかりだ。
「聖杯」とかいうものが少し気になる。望みをかなえるとかいうのが例の神が言っていたことと似ている。
だが例の神は代償など要求せず、ただ祈れば願いをかなえると言っていた。
そもそもあの神はあまりにも悍ましい姿で、「聖杯」などという言葉とは結び付きそうにない。たぶん無関係だろう。
ちなみにヴォルタッチアはただのファザコンだったようだ。

②お父様について

ヴォルタッチア「お父様は誰よりも厳しく、誰よりもやさしく、誰よりも―――」

……父の自慢はもういい。

③この世界について

今いる場所は、大陸西部のアンドロメダ湖らしい。なるほど、湖の水が凍り付いていたということか。
周囲を見渡すと巨大な鎖や女の氷像があるが、一体だれが何のために作ったのだろう?
ヴォルタッチアは、大陸東部の端の方出身なのでこのあたりのことはよく知らないらしい。

この世界では人が魔物になることがあるらしい。さっきの翼巨娘は、魔物化したヴォルタッチアだったようだ。
魔法使いは、魔物の殺害を専門とする人々のこと。不思議な術を使えるらしい。
魔法使いの服装は独特だそうだ。だから俺も魔法使いだと思われたようだ。
全身に毛が生えていて、陰茎が触手状になっている。しかもいつの間にか耳と口が増えていた。
まあ、これは神に祈ればまた元に戻るだろう。今は寒いので仕方ないが……

③神について

一番気になる情報だ。
ヴォルタッチアによると、この世界にはセルト神とロムルス神という神が存在するらしい。
神話によると、セルト神が大地となり、ロムルス神が天空となったそうだ。
あの赤ん坊が大地やら天空であるはずがない。所詮は神話の話だろう。
ちなみに、例のテレパシーのような声のことは覚えていないらしい。手がかりをつかめると思ったのに残念だ。

結局元の世界に戻る方法は見つからなかった。
こんな状況……どこかで見たことがある。
俺が元の世界でよく見ていた、チート転生ハーレムSSってやつだ。

主人公は神のミスで殺されて、アニメやゲームの世界に転生する。
主人公には転生の際チート能力が付与されて、異世界で力を活用してハーレムを築き上げる。

神が赤ん坊の化け物だったり、チート能力がいつの間にか渡されていたりといろいろあって気づけなかったが、
この状況、まさしくチート転生ハーレムと同じだ。

とりあえずヴォルタッチアに聞きたいことは全て聞いた。

これがチート転生ハーレムものだということは、元の世界の俺が死んだというのは残念ながら本当のようだ。

多分俺は元の世界に戻ることはできない。あの神め……ふざけやがって。

……となればやることは一つ、

この世界でハーレムを作り上げることだ。

俺の望みの力を使えば、容易なことだろう。

この世界には、ヴォルタッチアのような美しい女性もいるし……グヒヒヒヒ……

魔物が徘徊しているというのが不安だが、これも今回みたいに望みの力で何とかなりそうだ。

それに魔物は元人間らしいから、ハーレム要因となる女の子が中から出てくるかもしれない。

この世界……もしかしたら、元の世界よりいいかもしれないぞ(チート能力ありなら)

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