それなりに短編
もしかしたら何番煎じかも知れない
【金剛が鎮守府に着任しました!】
提督「苦節数週間…………何度も戦艦レシピを回して……ついに金剛がきたああぁぁ!!」
比叡「やったああぁぁ!遂にお姉さまがきたああぁぁぁ!!」
提督「さぁ、金剛よ!その姿を現せぇぃ!!」
プシューーーーーーーーー…………
金剛「英国誕生、帰国子女金剛!!是非仲良欲」
提督「……………………え?」
比叡「……………………?」
金剛「提督ー!私紅茶飲ーーー!茶時間欲ーーーーー!!」
提督「…………お前、金剛だよな?」
金剛「是」
提督「……比叡、ちょっと来い!」
比叡「あへへぇ……お姉さまあぁぁ……なんとお美しい姿ああぁぁ……」
提督「来い!!」
比叡「また後で~」ズルズル
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・・・・・・
提督「アイツは誰だ……」
比叡「え、金剛お姉さまでしょ?」
提督「ああ…………姿形はな……だがあの喋り方は何だ!?」
比叡「いつもの金剛お姉さま――」
提督「んなわけあるか!!!!金剛はデース口調だろうがい!」
比叡「じゃあ中国産お姉さまですよ」
提督「中国産でもないだろ!アイツが喋ってるのは中国語じゃないぞ!!」
比叡「じゃあ漢字だけ村産のお姉さまですよ」
提督「目を覚ませ比叡ーーーーーー!!」
・・・・・・
榛名「お姉さま、遂に着任されたのですね!!」
金剛「榛名!私驚榛名此処居!!貴女何時着任?」
榛名「私は金剛型でも最初にここに着任しました!あと比叡お姉さまと霧島もいますよ!」
金剛「姉妹全員勢揃!私超絶嬉!!」
霧島「私も嬉しいですよ。一緒にマイクチェックでもしましょう!」
金剛「集音器音量確認?良!」
霧島「アーアー、チェックワンツー!」
金剛「嗚ー呼ー、確認一二!」
霧島「OKです!」
金剛「良好!」
比叡「ね、姉妹ともちゃんと話してるでしょう?」
提督「………………」
提督「金剛はあんなこと言わない!!」ダバー
金剛「提督、何故泣?元気出!!」
提督「元気なんて出ねぇよおおおぉぉぉ!!!!」
比叡「ええぇ……」
提督「比叡!ちょっと俺の部屋に来い!!作戦会議だ!!」
比叡「ひえっ!?」
・・・・・・
~執務室~
提督「お前を俺の秘書艦と見込んで話がある…………金剛を元に戻そう!」
比叡「えぇーアレが本当のお姉さまですって」
提督「ざけんな!!金剛は『HEY提督ゥー!』とか『紅茶が飲みたいネー!』とか言ってるアホ似非外国人キャラなんだよ!なんだあの喋り方!」
比叡「ですから漢字だけ村産の――」
提督「そのネタはもういい!」
提督「いいか、金剛と言えば外国人ノリだ。もしケッコンまでいって夜の相手もすることになったとしよう」
比叡「それを秘書艦で、しかも妹の私の前で言うんですか……」
提督「例えば金剛がHしてるときの声がだな!」
金剛『あぁん気持ちいい、提督!提督のディック大きいネ!私、もう……イッちゃう……イク、イクイクイクイクー!!」
提督「だったとしよう」
比叡「はぁ……」
提督「それが今のままじゃこうだ!」
金剛『私享受快楽、提督!貴方陰茎超絶巨大!私、既……絶頂……絶頂、絶頂絶頂絶頂絶頂絶頂ーーー!!!!』
提督「こんなんじゃムードもクソもねぇよ!!」
比叡「というか、お姉さまに手出しはさせません!」
提督「あ?」
比叡「で、ですから……誠に不本意ながら、この比叡……お姉さまの代わりに司令に……」
提督「いいか比叡。さっきのはあくまで一例だ。とにかく金剛を元に戻さないと俺が死ぬ」
比叡「死んでもいいですよ……」ボソッ
提督「とりあえず金剛を元に戻す方法を探すぞ!!」
・・・・・・
~工廠~
提督「とりあえず工廠に来てみたが…………」
金剛「工廠……私誕生英国」
提督「それは聞いたよ」
比叡「どうするんですか?司令」
提督「とりあえず明石にでも見せる。アイツなら何か分かるかもしれないしな……」
提督「明石、いるかー?」
明石「あれ提督。どうしました?」
提督「コイツを診てくれ」
金剛「初対面!私英国誕生帰国子女金剛ー!!是非仲良欲-!!」
明石「」
明石「あの、提督……これ、金剛さんですか?」
提督「そのようだ……」
明石「偽者じゃないですかー?」
提督「俺もそう思いたいが……この目で建造されるのを見たんだ」
明石「じゃあ建造マシンに不備があるとかかなぁ……ちょっと調べてきますね……1号機でしたっけ?」
提督「ああそうだ。頼む」
金剛「何調査?」
比叡「お姉さまも私達と少し待ちましょうー!」
・・・・・・
明石「戻りました。4号機まで全部調べましたが……どうやらマシンに異常は見られませんでしたよ」
提督「なにぃ!?」
比叡「ほらーやっぱりこの金剛お姉さまが本物なんですよ」
金剛「本物?何話題?」
比叡「あ、なんでもないですよー!」
提督「しかしマシンの不備でなかったとすると…………じゃあ資材か?ヤバイ所のを使ったとか」
明石「ウチの資材は大本営から送られてくるのと、遠征やクルージングで得た資材ですよ」
提督「だよなぁ…………じゃあ……何だ?」
明石「金剛さんはヴィッカースで生まれた、我が国のとは根本から少し違う艦ですからねぇ……」
提督「ヴィッカースに問い合わせることは?」
明石「できます。それと同時に色々原因を探ってみますね」
提督「ああ。頼んだよ……どうやら姉妹はこの金剛を受け入れているからな……」
明石「喋り方が違っても、見た目はどうみても金剛さんですからね……細かいことを気にするより、姉を信じることにしたんじゃないですか?」
提督「泣かせる姉妹愛だが……俺はこの原因を探りたい。頼んだぞ」
明石「了解です!」
比叡「そういえば司令、今日の出撃任務はどうするんですか?」
提督「あ、忘れてた……じゃあ……」
金剛「出撃!?提督提督!!私行出撃!!」
提督「お前が出撃!?」
比叡「お姉さまが行くなら私も行きます!」
提督「う、ううむ…………」
提督「(すんごく心配だが、出撃させることによって原因が分かるかもしれないな……)」
提督「分かった。じゃあ金剛型4隻と……今空いてる駆逐艦と空母は?」
比叡「吹雪ちゃんと……あと、赤城さんですね」
提督「じゃあそいつらも含めた6隻で出撃だ!」
比叡「了解!」
金剛「腕鳴ー!!活躍括目見ー!」
・・・・・・
~洋上~
霧島「電探に感あり…………正面です!」
赤城「水平線の向こうですね……索敵隊、出撃!」バシュッ
榛名「頑張ります!」
吹雪「私も……!」
比叡「お姉さまはまだ練度1ですから、私達の戦いを見て学んでくださいね!」
金剛「!?」
赤城「見つけました!戦艦1、重巡1、雷巡2、駆逐2の計6隻!」
霧島「会敵予測、1分後!」
榛名「比叡お姉さま、陣形は?」
比叡「黙って単縦陣!」
一同「了解!」
金剛「…………此、戦闘!」
霧島「来ますよー!」
赤城「第一次攻撃隊、随時発艦!」
吹雪「見えました!私達も攻撃を!」
榛名「勝手は、榛名が、許しません!」
比叡「撃ちます、当たって!!」
ダァン!ドォン!!
金剛「攻撃!」ジャキン
吹雪「金剛さんは下がって、私達で全部やっつけちゃいますから!」ダァン!
金剛「!?」
比叡「お姉さまに怪我はさせられませんから!」
金剛「…………」
比叡「よし、チ級轟沈!これで赤城さんがさっきやったチ級とイ級1体で……残るは戦艦ル級、重巡リ級、駆逐イ級が1ずつ!」
榛名「私達は戦艦をやりましょう、霧島!」
霧島「ええ!」
吹雪「私はイ級を……!」
赤城「第二次攻撃隊、目標重巡リ級!」
金剛「………………私」
金剛「私行攻撃!!」ジャキン
比叡「なっ、お姉さま!?」
金剛「私金剛型一番艦!妹達後見学……不出来!!」
榛名「しかし、その練度で前に出ては……」
金剛「関係無!!」ザーーーッ
比叡「あぁっ、お姉さまー!!」
金剛「全砲門、発射!!」ダァン!
イ級「!?」轟沈!
吹雪「一撃で!」
霧島「そりゃ、戦艦ですからね……」
金剛「次!敵何処!!」
赤城「金剛さん、危ない!!」
リ級「ッ!」ダァン!
金剛「其、遅弾……私簡単避!!」ヒョイッ
リ級「!?」
金剛「情熱……愛!!!!!!!!」ダァン!
ドガァン!!
リ級「」轟沈!
金剛「赤城!正面!敵砲撃襲来ー!!」
赤城「え、危ないっ!」ヒョイッ
バシャァン!
赤城「目の前を砲弾が……」
金剛「油断禁物!」
ル級「……」
榛名「勝手は許しません!」ダァン!
ル級「ッ」中破
霧島「とりゃぁ!」ダァン!
ル級「……!」大破
吹雪「あと一撃!」
金剛「私決!」
吹雪「金剛さん!」
金剛「私持情熱愛、届提督ーーーーーーーーーー!!」
ダァン!!
ル級「…………ッ!」
ドォン!!
ル級「」轟沈!
金剛「敵倒---!!全滅殲滅撃滅消滅!!!!」
比叡「す、すごい…………」
『勝利!S』
比叡「艦隊帰投しましたー!」
金剛「私一番戦果!!私求褒ーーーー!!」
提督「え、マジで金剛がMVPなの!?」
吹雪「金剛さん、練度1だったのに勇敢に敵に立ち向かって……ステキでした!!」
赤城「背中を預けても問題ない……そう思いましたね」
提督「マジかよ…………」
比叡「やっぱり金剛お姉さまですよ!」
提督「ううむ…………まぁ戦果をあげたのは事実だし、そこは褒めてやろう」ナデナデ
金剛「提督ー!私許可接触、熟考時間場所ーー!!」
提督「……」イラッ
今日此処迄
・・・・・・
~工廠~
提督「どうだ明石」
明石「戦果的にも金剛さんに相応しいものですよねぇ…………ですが……」
提督「ですが……どうした?」
明石「実は、ヴィッカースに問い合わせたところ……この鎮守府に送る金剛さんはまだ建造していないと…………」
提督「え…………」
明石「まだ建造途中で…………来週、建造出来次第回航させると……」
提督「………………」
・・・・・・
~食堂~
金剛「鳳翔料理上手!!超絶美味ーーーー!!」
鳳翔「ウフフ、喜んでもらえると嬉しいです」
榛名「あ、お姉さま。頬にご飯粒がついていますよ」
金剛「感謝ー!」
提督「………………」
金剛「提督、開口!私持匙乗料理食ー!」
提督「あーん…………」パクッ
金剛「沢山噛後嚥下ーーーーー!!」
提督「わかってるよ。よく噛んで飲み込むよ」
提督「(何故俺はこの金剛と普通に過ごしているんだ……)」
比叡「はいアーンをするお姉さまも素敵ぃぃぃぃ!」
提督「(だが、来週本物の金剛が来るなら……この金剛は一体…………)」
金剛「………………任務遂行中、順調問題無」ボソッ
・・・・・・
~執務室~
金剛「私求紅茶~」
比叡「はいお姉さま!インスタント紅茶です!」
金剛「屑愚妹!!此不紅茶!!!私求英国産紅茶葉淹!!!!!!」カッ
比叡「ひええぇぇぇ!!!?す、すいません~!!」ガクブル
提督「おい金剛、なにもそんなに怒ることないだろう。比叡だってお前の為に……」
金剛「即席袋紅茶、私嫌!」
提督「インスタントも立派な紅茶だろうが!ったく……」ズズッ
比叡「あっ……」
提督「うん、いける。比叡が淹れたこれは俺が飲むことにするよ」
比叡「あ、えと……ありがとうございます…………」
金剛「………………優」
金剛「比叡、私行謝罪……」
比叡「え!?いやいやお姉さま、何もお姉さまが謝るようなことは!この比叡が気を遣えたなかったのが悪いし……」
金剛「私、姉失格…………謝謝」
比叡「お、お姉さまあああぁぁぁぁーーーーーーーーー!!」ダキッ
提督「(なんでそこだけ中国語なんだよ)」
提督「(ともあれこの金剛は、持ち前の明るさと人当たりの良さを武器に、鎮守府で受け入れられ始めた)」
・・・・・・
加賀「あら金剛さん、こんにちは」
金剛「加賀、今日良天気!」
加賀「そうね…………聞きました。この前の戦いで赤城さんの被弾を未然に防いでくれたとか。私からもお礼を言います」
金剛「問題無問題無!慢心禁物!」
加賀「慢心は禁物……ありがとう、心得ておくわ」
・・・・・・
島風「ねぇねぇ、金剛さん高速戦艦の一番艦なんでしょ?」
金剛「是!」
島風「じゃあ追いかけっこしよー!!」
金剛「走競争!私絶対勝利ー!!」
島風「私だって負けないもーん!!」
・・・・・・
提督「(今日も金剛は皆と仲良くしている…………)」
提督「(もしかして、アレがウチの金剛……なのではないか?)」
提督「(ヴィッカースだって本当はウチに届けたくせに白を切ってる可能性だってあるし……)」
提督「(なにより、俺もアイツのことを受け入れ始めている)」
提督「(もうH中に『絶頂絶頂絶頂ーー!!』とか言い出してもいいかな…………というか、あの金剛と俺はそういう関係になれるのか?)」
金剛「………………可笑」
・・・・・・
~深夜・港~
明石「ふあぁ~あ…………徹夜になっちゃった………………金剛さんの秘密を探ってやろうと色々したけど、結局しっぽは掴めないしぃ……」
明石「もうアレが金剛さんでいいよー………………って、あれ……誰だろう?向こうに走っていった……」
明石「怪しい…………コッソリついて行こう」タッタッタ
コソコソ
明石「港の倉庫裏…………ここに誰かが……」
「―――」「―――――――」
明石「会話?」
金剛「万事予定通。此鎮守府警備脆弱」ハハハ
戦艦棲姫「ソウ…………ナライイ」
明石「ッッッッッ!?」
明石「(あ、あれって……深海棲艦!?)」
明石「(それに、金剛さん……なんであんなのと一緒に話してるの!?)」
金剛「此、出撃予定表、艦娘及装備性能表、艦隊陣形配置図、大本営指令――」
戦艦棲姫「ゴ苦労」
明石「(って、どれも極秘中の極秘じゃないのよー!!あの人がどうやってそれを……)」
金剛「提督間抜。鍵付引出、簡単突破」
明石「(鍵付きの引き出しを簡単に開けたって……それ、いつのまに……)」
戦艦「ヤット…………ヤット念願ノモノが手ニ入ッタ…………」
戦艦「貴様ヲスパイトシテ送リコマセテ、正解ダッタナ……我々ガ苦労シテモ手ニ入レラレナカッタ鎮守府ノ秘ヲ……コウモ簡単ニトハ」
金剛「私体艦娘…………心深海棲艦!」
戦艦「オ前ノ忠誠ハ分カッテイルシ、信用シテイル。コレカラモ頼ンダゾ」
金剛「私任!此鎮守府…………絶対壊滅!!」
明石「(や、ヤバすぎなの聞いちゃった…………!!)」
明石「(どうしよう…………)」ソロソロ
ガタッ
明石「(あ、ヤバ……)」
金剛「!?」
戦艦「ドウヤラ、聞カレテイタヨウダ…………」
明石「(絶体絶命ってやつーーー!!?)」
明石「クッ、このおおおぉぉぉーーーー!!」ダッ
金剛「明石!?」
戦艦「艦娘カ……!」
明石「(書類はまだ金剛さんの手の中!)せめて、その書類達だけはあぁぁーーーーー!!」
金剛「来突撃!?」
明石「それ、返してもらいますッ!」ガバッ
金剛「止、明石!手放!!」
明石「よしっ、取り返した!」
戦艦「ッ、ナンダト!?」
金剛「不意打卑怯!!」
明石「敵に奪われるくらいなら……この書類、燃やしてやるー!!」
明石「持ってて良かったチャッカマン!」ボッ
書類「」パチパチ
明石「やった…………これで……!」
金剛「明石…………私激怒……」
戦艦「命ハ無イト思エ…………!!」
明石「へへっ、ざまぁみろってんですよ…………」
明石(捕縛)「………………」
戦艦「サテ、コイツヲドウシヨウカ…………」
金剛「…………」
戦艦「我ラノ目的ヲ燃ヤサレタノダ……生カシテハオケン!」
金剛「…………」フルフル
戦艦「ナニ、コイツヲ生カスダト?」
金剛「……」コク
戦艦「馬鹿ナ……情デモ移ッタカ?」
金剛「明石、利用価値有。今捕縛監禁、処置後決」
戦艦「甘スギル…………ガ、マァ貴様ガイウナライイダロウ」
金剛「私任」
戦艦「許可スル……ガ、失敗ハスルナヨ」
金剛「私誰思?金剛型一番艦金剛…………不油断」
戦艦「ナライイ…………私ハモウ帰ルガ……マタ色々探レ……」
金剛「了解」
明石「金剛さん……なんで!?あなた、深海棲艦のスパイだったんですか!?」
金剛「是」
金剛「良機会。質問有?私回答」
明石「色々聞きたいですよ…………」
金剛「色々聞、許可」
明石「あなた…………深海棲艦なんですか?」
金剛「否。私艦娘。金剛型一番艦」
明石「艦娘なら、なんで深海棲艦なんかに!」
金剛「私心深海棲艦…………人類、嫌」
明石「そんな、艦娘が人類を嫌うだなんて……それに、生まれたばかりのあなたが、何故人類を嫌うんですか?」
金剛「此鎮守府工廠、建造一号機…………其処、秘密有」
明石「金剛さんがやってきた……建造の1号機に秘密が……?」
金剛「是」
明石「でも、建造ドックは全号機不備なんかなくて……」
金剛「明石整備上手。不備無」
明石「ならなおさら……」
金剛「戦艦棲姫、特殊電波送…………」
明石「(金剛さんの話を要約すると、こうだった……)」
明石「(例の戦艦棲姫が、ちょうど戦艦レシピで建造中だった一号機に特殊な電波を送ったら……深海棲艦の心を持った艦娘が誕生したと)」
明石「(そして何故金剛さんだったのかというと……偶然らしい)」
明石「(その艦娘の心を深海棲艦化させる電波の発信装置は、金剛さんを生み出した1回で壊れてしまい、また作り出すには少なくとも10年はかかるらしい)」
明石「(だから金剛さんみたいな裏切り者が続出する心配はないけど……結果として金剛さんは裏切った……)」
明石「(1人でも裏切り者がいたら、この鎮守府は……!)」
金剛「一定期間、明石此処監禁。再来」
明石「あっ、ちょっと……待って!!」
ガララララ…………ガシャン
明石「(うぅ…………こんな使われてない倉庫に、誰も来ないし…………どうしよう……)」
・・・・・・
今日此処迄 『謝謝=感謝』、気付指摘後 私絶望
金剛裏切理由、適当 此処非考察SS 深考必要無
>>31 謝謝→?不起(ごめんなさい)
真金剛→来週ヴィッカースから送られてくる
偽金剛→偶然金剛として生まれた(深海側としてはスパイなら誰でもよかった)
金剛は2人居ることになるということを認識してくれれば
やべ、『対不起(ごめんなさい)』で
・・・・・・
~翌日朝・執務室~
提督「おっかしいなぁ…………おい比叡!ちょっと来てくれ!!」
比叡「なんですか司令ー」
提督「引出しにしまってた書類がごっそり無くなってるんだが……知らないか?」
比叡「ええっ!?だって司令、その引出しは鍵付きじゃないですか!」
提督「ああ…………どうしよう……ここから動かしたことないのに、なくしたってのか……?」アセアセ
比叡「…………司令、もしかして、誰かに盗まれたとか……」
提督「ええぇぇ!?ま、マジかよ……」
比叡「だってその場所は司令と秘書艦の私しか知りませんし……私も書類は触った覚えはないですから」
提督「うげえぇっ……重要書類を無くしたり盗まれるだなんて…………提督失格だなこりゃ……」
比叡「し、司令!元気出して!それにほら、こんなこともあろうかとコピーがありますし!」
提督「それは嬉しいんだが…………はぁ……上になんて説明しよう……とりあえず来月の定時報告でなんとか説明しなきゃなぁ……」
提督「はぁ…………」
比叡「司令…………元気出してください!あ、カレーでも作りましょうか!」
提督「いらん……」
・・・・・・
~工廠~
提督「あれ、明石の姿が見えないな…………寝坊か?」
金剛「提督ー」
提督「おう金剛。今日も出撃頼んだぞ」
金剛「私任!深海棲艦、全滅!」
提督「ははは、その意気だ」ポンポン
金剛「!?」
提督「どうした金剛……そんなに驚いて」
金剛「……私吃驚…………私頭、提督手乗……」ポケー
提督「あ、悪かったかな……この前みたいに時間と場所を弁えろって……」
金剛「!」
金剛「是!提督忘坊ーー!!」
提督「すまんすまん」ハハハ
金剛「(不覚……私未未熟…………提督手、大……優……)」
金剛「!」ブンブン
金剛「(私心深海棲艦!鎮守府潰…………提督、殺!!)」
提督「あ、そうだ。ところで明石知らないか?ちょっと聞きたいことがあったんだが……」
金剛「明石?私不知」
提督「そうか……どこいったんだろ」
・・・・・・
~洋上~
榛名「当たってください!」ダァン!
リ級「」轟沈!
吹雪「やりましたね榛名さん!」
金剛「………………(忌々艦娘)」
霧島「ッ、金剛お姉さま!」
ル級「!」ダァン!
金剛「!?」
比叡「お姉さま!!」
ボォォォォン!!
・・・・・・
~港~
提督「金剛が被弾したって本当か!?」タッタッタ
比叡「あ、司令……」
金剛「……不覚」ボロッ 大破!
提督「金剛!」
金剛「提督?」
提督「大丈夫か!?金剛!」ダキッ
金剛「!!?」
提督「すまん……お前に怪我を負わせてしまうなんて……」
金剛「提督!心配無!!!」アセアセ
提督「練度的にまだあの海域はやっぱり無理があったな…………すまん」ギュウウ
金剛「理解、理解!提督抱擁放--!!」ジタバタ
・・・・・・
~執務室~
比叡「にしても驚きました。あんなにお姉さまのことを邪険にしてた司令が」
提督「…………喋り方はどうあれ、アイツも俺達の仲間だ……」
提督「心配くらいするさ」
比叡「ひえーそうなんですか……なんにしろ司令がお姉さまのことを受け入れてくれたようでなによりです!」
提督「(俺自身、驚くほどに金剛に対して仲間意識を抱いている…………)」
提督「ったく……初戦で活躍したからって、油断しすぎなんだよ」
・・・・・・
~ドック~
金剛「…………」チャプッ
金剛「(提督…………)」
バケツ「」バシャーー
金剛「高速修復剤…………」
金剛「私心深海棲艦…………体、艦娘…………」
金剛「鎮守府潰、任務終了後…………私、何処行?」
金剛「深海?…………否……私艦娘……………不行深海……」
金剛「私…………何処行……」
・・・・・・
ガラララララ
金剛「明石、起?」
明石「う、うぅぅぅ…………」
金剛「食事…………置」カタッ
明石「金剛さん…………」
金剛「昼夜、二回食事置。暫此状況続」
明石「でも金剛さん……あなたは、どうするんですか」
明石「来週にはヴィッカースから正式に、ここに配属されるはずだった本当の金剛さんが来ます。あなたは――」
金剛「!」ガシッ
明石「う、ぐっ……!」
金剛「私偽物?……違、私金剛!」
明石「でも……あなたは深海棲艦に情報を渡す裏切り者です!このことを提督が知ったら……!」
金剛「煩!提督関係無!此鎮守府、私手壊滅……提督、殺……!」
明石「あなたにできるんですか?皆を裏切って、提督の命を奪うことが!」
金剛「可出来!簡単!」バッ
明石「うあっ」ドサッ
金剛「今提督殺行!」スタスタスタ
明石「金剛さん、待っ――」
ガララララ、ガラン
明石「クッ…………提督……気をつけて……!」
明石「私もなんとか脱出しないと…………」
・・・・・・
~廊下~
金剛「(私心深海棲艦……私心深海棲艦……!)」カリカリ
金剛「(戦艦棲姫力、不要………私一人、鎮守府壊滅!)」カリカリ
ドンッ
金剛「!」
提督「あ、すまんぶつか…………金剛?どうした怖い顔して」
金剛「提督…………」
金剛「(提督顔見……心落着…………何故……)」
金剛「(今殺相手、目前居……周囲誰無。私達二人……)」
金剛「(殺機会…………今……!)」
提督「どうした金剛黙っちゃって」
金剛「!?何無!」アセアセ
提督「そうか。それより時間が空いたら後で執務室に来い。話がある」
金剛「話?」
提督「ああ。大事な話だ。来てくれると嬉しい……」
提督「んじゃな」スタスタスタ
金剛「………………」
金剛「(不殺…………)」
・・・・・・
明石「一応手足は自由……でも片足を柱に鎖と錠でつながれてる状態……」
明石「金剛さんが置いてった食器の割箸を爪や歯で削って……ピッキング用具風に形造って…………………」ガリガリ
明石「よし、鍵穴に入れて……」ガサゴソ
明石「中で折れたりしないでよーなんとか開いてよー……!」
・・・・・・
~執務室~
コンコンコン
「提督、金剛来!」
提督「よし、入っていいぞ」
ガチャッ
金剛「失礼」
金剛「(部屋中提督一人……)」
提督「話というのは……今までのことだ」
金剛「?」
提督「今まで俺はお前を、変な喋り方だと邪険に扱ってきた…………済まなかった」ペコリ
金剛「提督!何故謝罪!?」
提督「お前は立派なウチの艦娘であり、仲間だ。皆がお前を認める中、俺だけがお前を認めない訳にはいかない」
提督「だからこれからも、よろしく頼む」
金剛「提督……!」
提督「お前の喋り方だが……それはそれで個性なのかもしれないしな」ハハハ
提督「それにヴィッカースが来週送るとか言っていた金剛も、来るかどうか分からないし、お前がいるから」
金剛「………………」
提督「まだ改にも遠いからな……頑張って一緒に練度を上げよう」
金剛「提督…………」グスッ
提督「お、おい……何故泣く」
金剛「理由、不理解……私…………私…………」ポロポロ
金剛「(何故…………涙出)」
金剛「(提督、私受入、嬉?)」
金剛「(私中『金剛』……提督、好……愛、惚)」
金剛「(愚私……提督……殺、不可能)」
・・・・・・
明石「………………」
明石「当然と言えば当然だけど…………」
明石「細くした割箸は脆く、すぐに折れた…………」
明石「うわあぁぁぁんここから出してえぇぇ!!」ジタバタ
・・・・・・
金剛「提督…………謝謝」
提督「(そこも中国語か)」
提督「金剛…………」
金剛「(私提督好…………駄目)」
金剛「(体艦娘…………心、深海棲艦)」
金剛「(心、提督好不許可)」
金剛「(私、如何………………)」
今日此処迄
各人
提督及艦娘達→金剛仲間受入
金剛→『艦娘としての金剛の本能』で提督を好き 提督が仲間として受け入れてくれて嬉しい
でも深海棲艦として役目を果たさなければならない
その間で揺らいでる
明石→無様
提督「さて、仲直りの記念にティータイムにでもするか?お前の好きな紅茶を淹れてやる」
金剛「紅茶!?提督最高ーーー!!」
提督「はははは、比叡達も呼ぶか」
金剛「私、菓子作-!」
提督「じゃあ中庭にレッツゴーだ!」
・・・・・・
~中庭~
提督「テーブルに椅子……こんなもんか」
榛名「提督、テーブルクロスを忘れています」
提督「おっと、すまんな」
榛名「いえ!」
霧島「私の計算によると、あと3、4分もすれば金剛お姉さまがクッキーをひっさげてやってくるかと」
比叡「お姉さまの手作りクッキー!楽しみ~!」
金剛「皆ー!私準備完了ー!!」タッタッタ
比叡「お姉さまー!」
霧島「後ろの方々は?」
金剛「茶時間、一緒楽!」
赤城「クッキーが食べられると聞いて!」
加賀「ここは譲れないっちゃ」モシャモシャ
島風「なんかいい匂いー私も食べるー!」
吹雪「えーっと……なんか、皆楽しそうなので」エヘヘ
提督「こりゃもっと大きなテーブルが要るな」
霧島「ご安心を。この霧島、大きなテーブルを用意しました」デン
提督「いつの間に…………」
金剛「菓子沢山焼!皆分足!!」
提督「んじゃ、ティータイム……お茶会を始めようか!」
一同「はーーーい!」
比叡「かんぱーい!」
榛名「お姉さま…………そこは乾杯じゃないですよ……」
金剛「私作菓子超絶美味~!」
提督「おいおい自惚れすぎだろ…………まぁ美味いけど」
赤城「紅茶もたまには美味しいですね」
加賀「いつも緑茶でしたものね」モッシャモッシャ
吹雪「(考えてみればこの面子、戦艦や正規空母の先輩達ばかりで……私だけ場違い!?)」ガタガタ
霧島「吹雪ちゃんも遠慮しなくていいのよ」
吹雪「は、ひゃい!」
提督「(たまにはこうして皆とお茶ってのもいいもんだな…………あ、そうだ)」
提督「そういえば皆、明石見なかったか?今日ずっと姿を見てないんだ」
一同「明石さん?」
榛名「私は見てないですね……」
比叡「わふぁふぃほひへはいへふ!!」
霧島「お姉さま、物を食べたまま喋るのは…………私も見てないです」
赤城「工廠に居ないのなら……私も見当がつけられませんね」
加賀「分かりません」
提督「そうか……皆知らないか」
吹雪「うーーーん…………」
提督「どうした?吹雪」
吹雪「いえ、見間違いならいいんですけど……昨日の夜、ふと目が覚めてトイレに行こうとした時のことを思い出して……」
提督「今は怪談の場じゃないぞ」
吹雪「違いますよ!」
吹雪「廊下の窓から港を見たら、ピンク髪の女の人がどこかに走っていくのを見たんです」
提督「ピンク髪……春雨か?」
吹雪「いえ。あの納豆袋の端っこみたいな髪型は明石さんでした」
榛名「ということは、明石さんは昨日の夜中に……どこかに行ってしまった?」
比叡「ひえぇぇ……いつのまにホラーに……」ガクブル
金剛「…………」
提督「ということは、明石はこの鎮守府に居ない可能性もあるってことか」
赤城「でも、鎮守府の外に行くには、外出許可証が要るはずじゃ……」
加賀「……脱走とか…………」
一同「脱走!?」
提督「脱走か…………だが明石に限ってそんな……」
加賀「理由は様々……提督、心当たりはありませんか?」
提督「アイツは俺が着任した時からの古株だ。ずっとアイテム屋で頑張っててくれたし、出撃できるようになってからは、ヒーラーとして役に立ってくれてた」
提督「ただアイツの反応が面白くて、1辛のカレーを17辛とすりかえたり、奴のパフェを麻婆豆腐味にしたり、突然アイツの周りで皆でインド映画みたいに踊ったりしただけで……脱走されるような謂れはないな……」
赤城「(ああ、アレ……)」
加賀「(皆で踊ったアレね……結構楽しかった)」
吹雪「うーん……じゃあ一体どこに……」
金剛「皆ー!辛気臭-!!今茶時間!皆楽話題喋ーーー!!」
提督「金剛…………そうだな、せっかくのお茶会だもんな」
比叡「流石お姉さま……場をまとめるのが上手いですねぇぇー!!」
提督「明石については、俺も探す。皆も奴を見かけたら教えてくれ」
一同「はーい!」
・・・・・・
明石「You are my ソウ!ソウ!いーつもすぐ傍にある!」
明石「ゆずーれーないよ!誰も邪魔できない!」
明石「体中に風を集めて、ときはーなーて!A・KA・SHI!A・KA・SHI!フォーリーム」
明石「ありがとー武道館!!!!!」イエーイ
ガラララララ
金剛「…………明石?」
明石「なんでしょうか。私は何もしてませんよ?」
金剛「食事、置」コトッ
明石「ああ……もう昼時でしたか…………」
金剛「明石、歌上手」
明石「」
金剛「明石、人気者」
明石「え、私が?御冗談」
金剛「私、提督誘茶時間。皆一緒過」
明石「へーへー良かったですね」
金剛「提督、明石話題出」
明石「えっ?」
金剛「皆、明石心配…………明石、人気者」
明石「そんなこと言ったら、金剛さんの方が人気者ですよ」
金剛「私?」
明石「提督に誘われたんでしょう?ってことは、あなたは提督に仲間として認められた……違いますか?」
金剛「……」
明石「それなら、あなたは立派な鎮守府の仲間です」
金剛「違……私、深海棲艦」
明石「なら、ここと深海……どっちが過ごしやすいですか?」
金剛「此処、深海…………」
明石「あなたにとって居心地が良いのは、どっちですか?」
金剛「何方…………」
金剛「(深海…………暗、冷……光不届…………)」
金剛「(此処…………明、暖……光常有…………)」
金剛「(居心地……此処素晴…………深海、辛…………)」
金剛「…………駄目」
明石「?」
金剛「私深海棲艦……此処、居駄目」
明石「金剛さん!!」
金剛「再来……」
ガラララララ ガシャン
明石「意地を張りすぎよ………金剛さん……!」
明石「ここに居たいなら、居たいって言えばいいのに……」
明石「あなたは、艦娘なんだから……」
・・・・・・
~夜・金剛型の部屋~
榛名「榛名……大丈夫…………れす……」Zzz
比叡「ひ……………………えぇ……」Zzz
霧島「メ……………………ガネ……」Zzz
金剛「…………」ムクリ
ガチャッ バタン
・・・・・・
~港・物陰~
戦艦「来タカ……」
金剛「……」
戦艦「重要書類ハ?」
金剛「提督、書類場所変……」
戦艦「見ツカラナイ、カ…………ナラ、作戦変更ダ」
金剛「作戦、変更?」
戦艦「コノ鎮守府ヲ潰ス手引キヲ、シロ」
戦艦「オ前ガコノ鎮守府ノレーダーヤ通信設備ヲ破壊シタ後ニ、我々ノ艦隊ガコノ鎮守府ニ攻メ込ム」
戦艦「艦娘共ハ我々ノ接近ニ気付カヌママ、死ヲ迎エルノダ…………」フフフ
金剛「了解。明日昼……作戦決行」
戦艦「ヤル気ダナ……期待シテイル」
金剛「………………」
・・・・・・
金剛「………………」
金剛「…………私深海棲艦……鎮守府壊滅、本来役割……」
<<明石「金剛さん!!」>>
金剛「……」ズキン
<<比叡「お姉さまー!」>>
<<榛名「榛名、感激です!」>>
<<霧島「マイクチェックしましょう、お姉さま!」>>
<<赤城「え、お茶会!?クッキー!!!?」>>
<<加賀「赤城さんを守ってくれて、ありがとうござます」>>
<<吹雪「金剛さんのクッキー、とっても美味しいです!」>>
<<島風「今度はかけっこ負けないから!」>>
金剛「…………!」ズキズキ
<<提督「金剛……」ニコッ>>
金剛「提督…………」
提督「こんな所にいたのか、金剛」
金剛「!!?」
提督「…………」
金剛「提督、何故……」
提督「吹雪の話を聞いて、深夜の港なら明石がいるかもと思ってな……だが、いたのはお前だった」
金剛「………………」
提督「今の会話は聞かせてもらった…………お前……深海棲艦側のスパイだったのか?」
金剛「…………………………是」
今日此処迄 残数回更新、此物語終了
提督「昨日、俺の部屋から書類が消えていた…………お前が?」
金剛「是」
提督「何でそんなことを……と言いたいが、既に聞いちゃったからな」
提督「お前は深海棲艦に俺達の大事な情報を流し、この鎮守府に未曾有の危機をもたらそうとしている……看過できん」
金剛「可笑…………」クスッ
提督「なに?」
金剛「何故提督一人来?護衛無…………死」ジャキン
提督「………………」
金剛「……涼顔……死怖無?」
提督「怖いさ。お前自慢の主砲を向けられて怖くないわけがない」
提督「だが、俺はお前を止めなくちゃならない」
提督「ここは俺だけじゃない、他の艦娘の仲間だって暮らしている……そして引いては、ここは人類の防衛線なんだ。責任者として、みすみす破られるわけにはいかないんでね」
金剛「承知上、私皆破滅」
提督「その皆には、お前を慕う姉妹達も含まれているんだぞ!」
金剛「関係無!!私、深海棲艦!!役割果!!!」
提督「金剛…………お前は艦娘だ。心はどうあれ、ウチの建造ドックで建造された立派な艦娘なんだ」
提督「資材だってバーナーだって、ウチのだ。お前は深海棲艦なんかじゃないよ」
金剛「何言無駄!私心深海棲艦!人類滅亡望!!」
提督「心は深海棲艦でも、体は艦娘だろうが!考え直してくれ!今ならまだ間に合う。艦娘として生きろ!」
金剛「嫌!!!!!」
金剛「馬鹿意地張続…………意味無。大人、死!」
提督「馬鹿な意地を張ってるのはどっちだ!金剛、俺はお前が好きだ!」
金剛「!?」ドキッ
提督「俺だけじゃない。比叡や皆だって…………この鎮守府の仲間として、お前の事が好きなんだ」
金剛「………………」
提督「戻ってこい…………俺達は、お前を受け入れるよ」
金剛「受入……?可笑!深海凄艦受入鎮守府……何処無!」
提督「だから俺達が受け入れるんだよ!どこにも無いなら、俺達が最初だ!」
金剛「嫌、嫌嫌嫌!深海棲艦人類敵!皆、私攻撃仕掛!!」
提督「仲間に攻撃する奴なんているわけないだろう!」
金剛「……!」ビクッ
提督「お前は艦娘と深海棲艦、どっちでいたいんだ!?金剛!!」
金剛「(当前即決………私、深海棲艦……………………否)」
金剛「(私、艦娘………………私、『金剛』……艦娘生活、捨無理……)」
提督「金剛……………………大丈夫だ。また皆でお茶を飲んだりはしゃいだりしよう。それだけでも楽しいんだぜ」
金剛「……!…………!」
提督「お前を改にするまでもう少しなんだ……ゆくゆくは改二にもしたい。それにはお前がずっとここに居てくれなくちゃできないんだ」
金剛「私…………此処……」ポロポロ
提督「ああ……お前は艦娘として生きることができる」
金剛「艦娘…………生……」
金剛「(私…………許可受……艦娘生…………嬉)」
金剛「(私、不深海棲艦…………私、艦娘……!)」
金剛「………………提督」ニコッ
提督「金剛!」
金剛「私、提督好…………恋愛的意味」ダキッ
提督「えっ……!」
金剛「明石、其処倉庫監禁中。彼女全部知」
提督「明石が!?無事だったのか……」ホッ
金剛「提督……………………対不起[ごめんなさい]……」
提督「いいんだ……お前が戻って来てくれればそれで……」
金剛「違……」フルフル
提督「違うって、どういう…………」
ガスッ!
提督「がっ……!あっ…………!!」ドサッ
提督「(ボディブロー!入りが甘かったせいか気絶は免れたが、痛ぇ……!)」
金剛「私、此処出」
提督「なっ、どうし、て……!」
金剛「提督私受入……皆仲間入…………超絶嬉」
金剛「故、迷惑掛、嫌」
金剛「私深海棲艦。本当住処、帰」クルッ
提督「待て……金剛!行くな……!」
金剛「提督…………………………………………………………再見[サヨウナラ]」
・・・・・・
明石「ングゴゴゴゴゴゴゴゴ…………」Zzz
明石「グガアアアアアアアァァァ…………」Zzz
明石「ムニャムニャ……もっこりゴリラ……」Zzz
ガラララララ
提督「明石!」
明石「一発で、眉間をブチ抜いてやる……古い付き合いだ……苦しませたかぁねぇ!」Zzz
提督「明石起きろ起きろ!!一大事だ起きろ!!!!!」ペチペチ
明石「野郎ブッ………………」パチッ
明石「あれ、提督……?」
提督「よかった…………無事だったみたいだな」ホッ
明石「うわああぁぁぁぁん提督うううぅぅぅ!!!!」ガシッ
明石「怖かったですうぅぅぅぅ!!!!」
提督「(にしてはよく寝てたが……)」
提督「それよりも、何故ここに閉じ込められていたんだ?」
明石「それが…………金剛さんに…………」
提督「なるほどな……お前も金剛が深海棲艦だと」
明石「ということは、提督も!?」
提督「ああ。俺も金剛が深海棲艦と密会してるのを見たよ。しかも重要な書類を奪われたって…………」
明石「あ、その書類ですけど……」
提督「え?」
・・・・・・
提督「マジか!いやあぁぁぁぁよくやった明石!!!!!!」
明石「これでも人類を守る艦娘ですから……当然のことをしたまでです」
提督「お前は俺の命の恩人だ!困ったことがあったら何でも言ってくれ!!」
提督「(ヤッホー!!これで比叡と明石に口止めすれば書類紛失の事実を揉み消せて会議に呼ばれるなんてこともないぞ!!)」
明石「金剛さんはどこに?」
提督「それが、ここから出て行くと言ったきり……」
明石「そうなんですか…………」
提督「だが今はそれよりも重要な事がある…………明日の朝一番で俺が言う連中を叩き起こして執務室に集めろ」
明石「何が始まるんです?」
提督「………………」
明石「言ってくださいよ!!」
・・・・・・
~朝・執務室~
提督「全員揃ったな?」
明石「はい。皆を叩き起こしてきました」
比叡「司令!!!!!!!!!!!朝起きたらお姉さまがいません!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
榛名「榛名は早起きでも大丈夫です!」
霧島「ふあぁぁ……眠い……」
赤城「朝ご飯にはまだ早いですよ……」
加賀「まったくです」モグモグ
島風「私は起きてたよ!寝るのも起きるのも速いから!」
吹雪「あの司令官……これは一体?」
提督「ああ…………これはお前らにだけ話すことだが……」
提督「(俺と明石は、皆に金剛に関する全ての事を話した)」
一同「ええぇぇ!!?」
榛名「こ、金剛お姉さまが……!」
霧島「深海棲艦……!?」
比叡「そんな……嘘だあああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
提督「嘘じゃない。現に明石は昨晩まで倉庫に監禁されていた」
明石「辛かったっす」
赤城「あ、明石さんいたんですか」
加賀「まるで忍者の如く……」
明石「いましたよ!!存在感無いみたいに言わないでください!!」
提督「そこでお前達に頼みがある……今日の昼に鎮守府に襲来する深海棲艦の艦隊を迎撃してほしい」
赤城「深海棲艦の艦隊…………」
加賀「金剛さんに通信設備やレーダーを破壊されていたら、お陀仏でしたね」
明石「とりあえず連絡室は封鎖してセキュリティも厳重にしましたから、例え金剛さんが忍び込んで来ても破壊できません!」
霧島「しかし、そんな連中が攻めてくるなら警戒警報を鳴らしては?」
提督「いや、この事はあんまり大事にしたくない」
提督「この事を大本営が知ったら、金剛はどうなる?深海棲艦の心を持った艦娘なんて、例え俺達のもとに帰って来て、俺達が金剛を受け入れても……事情を知らない皆や上は金剛を放っておかないだろう」
吹雪「それは、否めないかも……」
提督「だからこの事は金剛ととりわけ仲が良かったお前らを見込んで頼んでいる」
提督「金剛は艦娘として生きると言ってくれた。その言葉を俺は信じたい」
島風「でも、それなのに何で出てっちゃったの?」
提督「分からん……アイツが何をしたいのか…………だがアイツは俺達の仲間だ。仲間を信じたい」
提督「頼む。金剛の為に、力を貸してくれ」
一同「…………」
比叡「ま、考えるまでもありません!」
榛名「榛名は大丈夫です!」
霧島「心がどうであれ、お姉さまですから」
赤城「そうですね……提督がそこまで言うなら、信じます」
加賀「私も協力します」
吹雪「わ、私も!……お役に立てるかどうか分かりませんけど……」
島風「金剛さんとまたかけっこする約束したし!」
提督「お前ら…………恩に着る!」
提督「編成を申し渡す。比叡を旗艦として榛名、霧島、赤城、加賀……お前達は深海棲艦の艦隊を迎え撃て」
比叡「了解!」
提督「吹雪と島風は鎮守府近海を捜索。金剛がまだ近くにいるかもしれない」
吹雪「はい!」
島風「はーい」
明石「ですが提督、艦隊戦となると流石に隠し切れませんよ……」
提督「そこは出撃中に鉢合わせたとかでいくらもシナリオが書けるさ」
提督「出撃は今日の昼……頼んだぞ」
一同「ハッ!!」
・・・・・・
~昼前・鎮守府近海~
ザアアァァァァァァァァァ……
戦艦「フフフ……遂ニコノ時ガ来タ…………忌々シイ艦娘ト、ソノ本拠地!コノ手デ滅ボシテヤル……」
戦艦「戦力モ足リテイル……駆逐、軽巡、雷巡、重巡、戦艦…………空母ハ呼ベナカッタガ、計40隻……コレデ奴ラノ不意ヲ突ケバ……」ククク
戦艦「ソロソロ奴ラノレーダーニ捉エラレル……ココデ進軍停止ダ」
戦艦「ダガ奴カラノ連絡ガ無イナ…………シクジッタカ……?」
金剛「…………」ザアアァァー
戦艦「アレハ…………オイ貴様、何故コンナトコロニイル?鎮守府ノ設備破壊ハドウシタ」
金剛「………………気変」
戦艦「ナニ?」
ダァン!!
イ級「」轟沈!
戦艦「ッ!?」
金剛「私、艦娘『金剛』…………深海棲艦、敵!!」ジャキン
戦艦「貴様ァァ!裏切ッタノカ!」
金剛「此処貴女達全部沈!!」ダァン
・・・・・・
明石「て、提督!レーダーに反応!!」
提督「なんだ!?」
明石「鎮守府近海にて、多数の深海棲艦の信号をキャッチ!それに、その中に……」
提督「…………まさか……金剛……!」
明石「どうやら戦闘中のようです!!」
提督「クッ、比叡達は出撃!吹雪と島風は戦いのドサクサに紛れて金剛の奪還をさせろ!」
明石「了解!」
・・・・・・
戦艦「貴様、何故裏切ッタ!1度鎮守府ヲ裏切ッタ分際デ!」
金剛「私最低、裏切者。不許」
金剛「故、皆迷惑掛、贖罪!」ダァン!
ル級「!?」轟沈!
金剛「(良!雑魚一撃倒!)」
金剛「(問題、戦艦棲姫…………装甲硬…………)」
戦艦「エエイ、所詮貴様モ忌々シイ艦娘カ!コウナッタラ私自ラ引導ヲ渡シテヤル!」ジャキン
金剛「(来!回避運動……!)」
戦艦「オ前達、動キヲ封ジロ!」
チ級「」ガシッ
リ級「」ガシッ
金剛「!?邪魔……!」
戦艦「隙ガ生マレタナ」
ダァン!
金剛「……!」大破!
戦艦「フッ、練度モ十分デナイクセニ、イキガルカラダ」
金剛「…………」ガクッ
戦艦「トドメハ誰ガ刺スカナ?」
リ級「!」ジャキン
金剛「………………」
戦艦「終ワリカ……アッケナカッタナ…………」
ダァン!
リ級「!?」大破!
戦艦「………………ホウ」
金剛「……私、諦悪」ボロッ
金剛「最後迄、戦!!」
戦艦「果タシテ窮鼠ハ猫ヲ噛メルカナ?フフフ……」
金剛「(戦艦棲姫、強…………他狙!)」ダァン!
イ級「」轟沈!
戦艦「周リノヲ先ニ狙ウ作戦カ……」
金剛「全砲門、発射!!」ダァンダァン!
ロ級「」轟沈!
ル級「」中破!
金剛「……!」ダァン!!
チ級「」大破!
リ級「」小破!
金剛「!」
戦艦「所詮ハ大破シタ身ダ……撃チ漏ラシモ多クナッテキタナ。イツマデ戦エルカナ?」
金剛「当然……死迄!!」
金剛「(勝……!提督役立!)」ダァン!ダァン!
金剛「(提督、守!!)」ダァン!
戦艦「随分頑張ルジャナイカ…………用意シタ艦ガ沢山沈ンダゾ」
金剛「貴女、其等仲間入!!」ダァン!
戦艦「大破シタ艦娘ノ砲撃ナド……通用センナ……」
金剛「……!」
リ級「!」ダァン!
金剛「危!」ヒョイッ
戦艦「回避モ精一杯ニナッテキタナ……」
金剛「…………」ゼェゼェ
金剛「!」ダァン!
ル級「」轟沈!
戦艦「ソロソロ、トドメヲ刺シテヤロウ……私ノ手デナ……」ジャキン
金剛「!」
戦艦「サラバダ」
ダァン!
金剛「(回避…………無理、脚……動、止)」
金剛「(此処迄………………)」
ドォン!!
戦艦「命中…………致命傷カナ?」
金剛「…………」グラッ
金剛「……」ブクブクブク
戦艦「フフフ…………沈ミナサイ、暗イ海ノ底ヘト……」
金剛「(沈…………体、不動…………)」
金剛「(私、死……?)」
金剛「(未、深海棲艦…………居)」
金剛「(死嫌……嫌、死、駄目…………)」
金剛「(願……体、動……)」
金剛「(提督………………………………………………)」
・・・・・・
~夕方・港~
金剛「………………!」ハッ
榛名「あ、気付きました!!」
比叡「お姉さまああああぁあぁぁっぁぁぁ!!!!!!」ダキッ
金剛「比叡…………?」
霧島「よかった…………目を覚ましたのですね」
金剛「皆…………何故……?」
赤城「金剛さんが沈み切る前に、間一髪で引き上げることができたんです」
加賀「私達の力で引き上げた後は、吹雪さんと島風さんが安全圏まで退避させ、私達は戦闘へ」
金剛「戦闘…………!」
吹雪「あ、金剛さん!無理に起き上がらないでください!」
島風「…………」
比叡「お姉さま、また会えて嬉しいです……!」ボロッ 大破
榛名「榛名、感激です!」ボロッ 中破
霧島「ええ……あの深海棲艦の群れと対峙した時は驚きましたが」ボロッ 中破
赤城「でも戦艦棲姫を含めた艦隊を全て倒すことができました」ボロッ 中破
加賀「金剛さんも引き上げられたしね……」ボロッ 小破
金剛「戦艦棲姫、倒……?」
霧島「はい。トドメは比叡お姉さまの怒りの主砲一斉射が」
比叡「私、頑張りました!」
金剛「倒…………良」ホッ
金剛「(鎮守府、無事…………提督…………)」
提督「金剛ーーーーーー!」タッタッタ
明石「金剛さーん!!」タッタッタ
金剛「提督…………」
提督「よかった……ホントに、お前が無事で……!」
一同「………………」
提督「どうしたお前ら、金剛が無事だったんだぞ!もっと喜べよ!」
榛名「……あ、あの、提督……」
赤城「…………」
吹雪「……」グスッ
提督「お、おいどうしたんだよ!皆黙り込んで」
金剛「提督…………」
提督「金剛、お前からもこの薄情者たちに言ってやれ。無事だったからもっと喜べって」
金剛「私…………無事……違」フルフル
提督「ッ……!?」
金剛「戦艦棲姫攻撃……致命傷…………私、間無、死…………」
提督「……はは、おい。こういう時に冗談言うのはよせよ……」
霧島「司令、本当ですよ……お姉さまの体、もう……生きてるだけで不思議なくらいだって……」
提督「お前には聞いてない!」
提督「なぁ嘘だろ?お前、現に生きて……」
金剛「…………」フルフル
金剛「本当」
提督「ッ!」
比叡「え、霧島……嘘でしょ?だってお姉さま……」
霧島「比叡お姉さま…………」
比叡「だって、生きてるじゃない!バケツ使えばまだ間に合う!!」
提督「そうだ、バケツ!高速修復剤持ってこい!!」
一同「…………」
提督「どうした早く持ってこい!」
赤城「提督、高速修復剤はケガをした艦娘を治す物です。しかし…………」
加賀「既に死んでしまった艦娘には、使えない」
提督「金剛は死んでないだろ!」
明石「既に色んな機関が停止してます……十分轟沈判定です……」
提督「なぁ明石、お前にならいい考えがあるんじゃないのか!?」ガシッ
明石「…………」
提督「だって、俺達の仲間が死にそうなんだぞ!助けてやれる方法は無いのか!?」
一同「………………」
比叡「そんな…………お姉さま……う、ぐっ……ひぐっ……うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」
吹雪「ぅ、うあぁぁぁぁぁん!!」ポロポロ
島風「…………」ポロポロ
提督「じゃあ、金剛は…………本当に…………」
金剛「…………是」ニコッ
提督「そんな…………!」
明石「………………提督、ひとつ」
提督「なんだ!」
明石「……ひとつだけ、金剛さんを死なせない方法があります」
一同「ッ!?」
提督「そ、それは本当か明石!?」
比叡「本当なの!?」
明石「はい…………成功するかどうかは極めて低いと思いますが……試してみる価値はあるかと」
提督「それって、どうするんだ?」
明石「実は…………」
・・・・・・
提督「――――そんなんで、金剛を……?」
明石「はい。ですがこれには、本人の意思を尊重したく思います……」
明石「実行すれば最後、ここにいる金剛さんはどちらにしろ消えてしまうのですから……」
提督「金剛……」
金剛「………………明石、其実行……私、提督役立?」
明石「ええ。成功すれば」
金剛「…………私、許可」
提督「ッ、いいのか金剛!?お前…………」
金剛「提督役立……嬉」ニコッ
明石「……わかりました。では時間もありませんし、早速準備にかかりましょう」
・・・・・・
~工廠~
明石「体のほとんどがやられてますから、素材化には手間取りますが……そこはなんとかやってみせます!」
提督「頼んだぞ、明石」
明石「はい!」
明石「提督、金剛さんは今ベッドで横になっています。おそらく最期になりますよ……」
提督「……そうか…………じゃあ、ちょっと2人にしてくれるか?」
明石「分かりました」
提督「…………金剛」
金剛「提督、対不起[ごめんなさい]……私、提督裏切」
提督「いいんだ。こうしてちゃんと俺の所に戻って来てくれたじゃないか」
金剛「……私、再会嬉」ニコッ
提督「俺もだよ」
金剛「提督……多分、此最後会話機会。一質問、許可?」
提督「ああ。何でも聞いてくれ」
金剛「提督、私事…………好?」
提督「勿論大好きだ」
金剛「其、仲間的意味?恋愛的意味?」
提督「…………」
金剛「……無理答必要無」
提督「いや、答えるよ」
金剛「!」
提督「ハッキリ言って最初はお前の事が嫌いだった」
金剛「…………」
提督「でも、徐々にそれは無くなっていって……仲間として好きになった」
金剛「嬉」
提督「そして今……俺はお前を失うのが嫌だ…………」
金剛「………………」
提督「もしかしたら、俺はお前の事を……恋として、好きだったのかもしれないな」
金剛「…………了解」
金剛「提督、顔寄」
提督「ん?こうか?」
金剛「良」スッ
チュッ
提督「…………」
金剛「大丈夫……私、嬉。提督最期見…………安心」
提督「…………」ポロポロ
金剛「提督……大好」
提督「ああ…………俺も、大好きだ…………」
金剛「私情熱愛、提督届?」
提督「ああ……ちゃんと届いてるよ…………」
金剛「良!」ニコッ
・・・・・・
明石「では、始めます」
提督「ああ…………」
比叡「うぅぅぅ……お姉さまぁ…………金剛お姉さまああぁぁ……」グスグス
一同「……」ウルウル
金剛「皆、泣顔不似合。笑」
榛名「お姉さま……」
赤城「金剛さん…………」
金剛「大丈夫。私、大丈夫」
金剛「皆……再見[じゃあね]」
明石「作業開始」ポチッ
・・・・・・
~1週間後~
比叡「司令、新しい妹……もしくは、お姉さまが着任しました!」
提督「ああ……そういや今日だったな」
比叡「またまた~カレンダーに丸を書いてたのは見逃しませんよ~?」
提督「バッ、誰にも言うなよ!」
・・・・・・
【金剛が鎮守府に着任しました!】
金剛「英国で生まれた帰国子女の金剛デース!よろしくお願いしマース!!」
提督「おう、お前がヴィッカースから送られてきた金剛か!」
比叡「…………」
金剛「Yes!私の活躍、目を離しちゃNoなんだからネ!」
提督「早速だが金剛、お前には近代化改修を受けてもらう」
金剛「Wow!これは、提督の私へのアツい期待と捉えていいんデスかー!?」
提督「ああ。お前には期待しているぞ」
明石「金剛さん、こっちです」
・・・・・・
明石「このマシンの中に入ってください。合成素材と合わせて近代化改修をしますので」
金剛「着任早々強くなれるのは嬉しいネ!」
明石「じゃあ、始めますよ」
ウィーン、ガシャン
明石「苦しくないですかー?」
金剛「Yes、OKデース」
明石「じゃあ近代化改修、始め!」ポチッ
金剛「(フフフ、強くなって私の本当の実力を見せてあげるネ!)」
金剛「(そうすれば、また提督や鎮守府を守ってあげられマース!)」
金剛「(………………『また?』)」
金剛「(変デスネ……なんか、段々…………色々と頭の中に……)」
金剛「(これは…………私?)」
「金剛」
金剛「What!?」
「頑張、金剛」
「此処皆優。提督良人……大丈夫」
金剛「…………Understand」
金剛「ありがとネ」
【近代化改修成功!】
【火力が3上がりました!】
【対空が1上がりました!】
【装甲が3上がりました!】
・・・・・・
明石「近代化改修……成功です!」
提督「やった!!」
比叡「お姉さま!」
ウィーン……
金剛「…………」パチッ
提督「どうだ、調子は」
金剛「絶好調デース!またよろしくネ、提督!」
提督「『また』…………って、お前……!」
金剛「なんか、『私』が色々教えてくれたネ。提督や皆のこと」
提督「ってことは……お前……」
金剛「Yes!私はこの前の金剛でもありマース!」
金剛「だから、こんなこともできるヨー!」グイッ
提督「え、おわっ!」
チュッ
比叡「!!!!!?!?!???!?!?」
明石「はぁ……」
金剛「せっかくだから他の姉妹や赤城達にも挨拶したいデース!」
比叡「うわああああぁぁぁああぁぁお姉さまのファーストキスがあああぁぁぁぁ!!!!!」ビエエエェェェン
提督「じゃあまずは皆に紹介するか!」
金剛「あ、その前に」
提督「?」
金剛「提督、私紅茶が飲みたいネー。あとバーニングラブも受け取ってくだサーイ!!」
提督「(その後俺達は金剛型4姉妹に助けられ、海域を続々突破。制海権奪還への足がかりをつかんだ)」
提督「(先週の戦艦棲姫による襲撃未遂だが、なんとか出撃直後に鉢合わせたということにした。お蔭で前の金剛を公的記録から抹消する必要があったが)」
提督「(重要書類を深海側に流されそうになったのも、証拠が無いとして上層部には内緒にしている。ま、これくらいはいいよな…………いいよな?)」
・・・・・・
金剛「提督ゥー!クッキーが焼けたネー!」
赤城「クッキーと聞いて!」
加賀「馳せ参じました」モグモグ
霧島「テーブルの準備もOKです!」
比叡「気合、入れて、クッキー運びます!」
榛名「紅茶は榛名が淹れました!」
吹雪「わ、私も手伝いました!」
島風「なんか良い匂いー!私も食べるー!」
明石「私も食べますからね!残しといてくださいよ!」
提督「さーて、今日もお茶会するか!」
~Fin~
あと数回の更新と言ったな。アレは嘘だ(1回で終わった)
読んでいただきありがとうございました 正直シリアス展開になったのには俺が一番驚いている
口調の元ネタは「出、出出~」系だけど風神って言われてクソ懐かしい気持ちになると同時にFF8やりたくなった
だがチャイカってなんだろうとずっと思ってた
それでは依頼出してきます ではまたいつか
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