提督「ゲームをしよう」川内「ゲーム?」 (80)


提督「最近、お前が夜五月蠅いっていう苦情が増えてな」

川内「だって、提督が夜戦に連れてってくれないんだもん」

提督「資材とか色々事情があるんだよ。で、お前は夜戦を諦める気はないんだろ?」

川内「もっちろん!」

提督「というわけで、ゲームをしよう」


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提督「俺が勝ったら、夜戦を諦めろ………とまでは言わないが、他の人に迷惑がかからないようにすること」

川内「私が勝ったら?」

提督「夜戦に連れってやろう」

川内「本当!?」

提督「ああ。その代り、お前が負けたらちゃんと守れよ?」

川内「分かってるって!提督が勝ったら、夜静かにする。私が勝ったら、提督が私のお願いを聞く。こういうことでしょ?」

提督「そういうことだ」


川内「で、何のゲームをするの?」

提督「何、一瞬で終わる簡単なものさ」スッ

川内「トランプってことは、ポーカーとか?」

提督「いや、それよりもっと単純だ」

提督「俺が引いたカードが、スペードのAかどうか。簡単な二択だよ」

川内「それ全部がスペードのAとかはやめてよ?」

提督「心配するな、新品だ」

川内「ならいいよ!早くやろ!」

提督「なんだ?自身満々だな」

川内「まーねっ!」

提督「手加減はしないぞ?」

川内「当然でしょ!」

ゲーム要素は最初だけで、他はいつもと変わりません。
今回も拙い文章になると思いますが、よろしくお願いします。

余裕があれば、また夜遅くなってから来ます。

いつもと変わらないことを期待


川内とはいいな
改二?

>>5
大丈夫なはずです………多分。

>>6
どちらでも支障ないので、お好きな方で考えてください。
私は改二絵の方が好きなので、そっちを想像しながら書きました。


提督「じゃあ、やろうか」


 そう言って俺は封を切り、箱を開け、山をそのまま出す。
 そして、その山の一番下のカードを引いた。


提督「さあ、これはスペードのAかどうか。どっちに賭ける?」

川内「ふぅん……シャッフルはしないんだね~」


 『お前の企みは全て分かっている』とでも言いたげな表情を浮かべる川内。
 それに対してこちらは視線を落とし、黙り、焦る―――――そういう風に見せる。


提督(あの様子じゃ、新品のトランプの初期位置については知ってるかな。まあ、知ってても知らなくてもとる行動は一緒だろう)


 このゲームはただの運勝負じゃない。
 新品のトランプの初期配置は大体決まっていて、スペードのAは一番下にある。
 スペードのAを取る確率なんて、普通に考えれば52分の1、約1.92%。
 しかし、それが新品のトランプだった場合は全く異なり、100%に変わる。


提督(—――――と思ってるんだろうなぁ)



 そう思いながら、引いたカード―――ジョーカーをチラリとみる。
 そう、確かに新品のトランプでスペードのAは一番下にある。
 ただ、それはあくまでジョーカーを抜いた場合の話だ。


提督(俺は一言もジョーカーを抜くなんて言ってないし、実際に抜かなかった)

提督(俺の勝率は一見1.92%、だがドランプが新品ならば俺は100%スペードのAを引ける。それに気づいたからこそ、シャッフルについて言及したんだろう。そして、それに俺は焦る演技で応えた。これで川内は俺のカードがスペードのAだと信じて疑わないだろうな)


提督(ふふっ、川内の悔しがる顔が楽しみだ………)

川内「……うん、決めたよ」

提督「……………どっちだ?」


 緊張しているように見せながら、それに応じる。
 表面上はそう取り繕いながらも、内心は川内に言う決め台詞を考える。


川内「提督の持ってるカードは―――――」

提督(川内には悪いが、ここはかっこつけさせてもらおう)


川内「—――――スペードのAじゃない!」

提督(………………………………………は?)


 我ながらよく声に出さなかったと思う。
 この時点ではまだ川内のブラフの可能性もあるため、演技を継続して応える。


提督「それで、いいのか?」

川内「もちろん!」


 ……暗に『このままだと俺が勝つぞ』というニュアンスを込めた一言も、笑顔で返されてしまった。


川内「で、答えは?」


 そう急かされて、おずおずと手に持つジョーカーを机に置いた。


川内「ジョーカー……ってことは、私の勝ちだねっ!」


 笑顔で勝ちを喜ぶ川内。
 対照的に、俺は放心状態と言っても過言ではなかった。


提督「……………理由を聞いてもいいか?」

川内「ん?理由?そんなの……………」

提督「……そんなの?」


川内「秘密!」

提督「なっ!?……………どうしても?」

川内「どうしても」


 川内に一泡吹かせてやろうと思って考え、自身があったゲームを破られたのみならず、その理由も分からないまま………
 控えめに言って、ちょっと泣きそうになった。


川内「ねえ、提督。私が勝ったんだから、約束守ってくれるんだよね?」

提督「ああ……夜戦だったな。理由が気になるところだが、負けは負けだ。じゃあ、明日にでも艦隊を組んで―――――」

川内「え、何言ってるの?」


 キョトンとした顔で尋ねる川内。


提督「え?何って、賭けで」

川内「私は『提督が私のお願いを聞く』としか言ってないよ?」


 そう言われて、ゲーム開始前のやり取りを思い出す。




提督『俺が勝ったら、夜戦を諦めろ………とまでは言わないが、他の人に迷惑がかからないようにすること』

川内『私が勝ったら?』

提督『夜戦に連れってやろう』

川内『本当!?』

提督「ああ。その代り、お前が負けたらちゃんと守れよ?』

川内『分かってるって!提督が勝ったら、夜静かにする。私が勝ったら、提督が私のお願いを聞く。こういうこと?』

提督『そういうことだ』



提督「なぁっ!?だ、だが俺が『夜戦に連れってってやる』って言った時喜んだだろ!?」

川内「確かに喜んだけど、賭けの内容はその後きちんと決めたよね?」

提督「ぐっ………」


 やられた。
 自分から心理戦を仕掛けておいて、最初—――ゲームを開始する前から駆け引きで負けていた。
 これは完敗だ………と、川内の要求を聞こうとして気づく。
 夜戦じゃないなら、川内は何を頼むんだ?

 
 提督として情けないことだが、正直全く予想出来ない。
 秘書艦である川内とは普段から一緒にいるが、考えてみれば夜戦以外で頼み事をされたことは無かった。
 川内は夜戦、夜戦と五月蠅いから勘違いされがちだが、その一点を除けば文句なしに優秀なのだ。
 戦闘面、指導、書類仕事、家事に至るまでさらりとこなす。
 基本的に一人で大抵のことをこなせる川内だからこそ、俺に頼み事ということはあまりなかった。


提督(結果だけ見れば、良かったのかもな)


 艦娘のわがままを聞くのも提督の仕事。
 いつも頑張ってくれている川内の頼みなら、何でも聞いてやろう―――――


川内「それじゃ―――――」

今日はこのくらいで。
このゲームシーン書くのに参考文献(ノゲノラ)片手に悪戦苦闘したんですが、投下すると一瞬ですね……少し寂しいです。
だが、後悔はしていない。

今回はあと3、4日くらいでの完結を予定してます。

やっぱ参考資料ノゲノラだったか
なんかそんな雰囲気あったし期待

あきつ丸の
陸軍への想い
が強いので
取り込むために
馬乗りで
強引に
座布団へ押し倒し
いっきに
間合いを詰め
好きだよぬいぬい

>>24
7巻の発売日を知って、復習してたら書いてみたくなったのです。
心理描写書くの中々楽しいんですけど、ゲームのアイデアを考えるのが難しいですね……

昨日は風邪でダウンしてました。申し訳ないです。
マシにはなったので投下します。


提督「……で、これはどういうことだ?」

川内「あれ、気持ちよくなかった?」

提督「いや、確かに柔らくて気持ちいいが………なんで、俺は膝枕されてるんだ?」

川内「お願い、聞いてくれるんでしょ?」

提督「いや、まあそうなんだが……こんなことでいいのか?」


川内「まあね。最初はこんなものでしょ」

提督「最初?……お前次も勝つつもりか?今度は絶対に俺が」

川内「提督、何言ってるの?最初のお願いって意味だよ?」

提督「え」

川内「だって、私お願いの数の指定しなかったでしょ?」

提督「」

川内「だから、最初は軽めでね♪」


…………………………………

川内「あ~っ、もうちょっと強くてもいいかも………んっ、そんな感じ~」

提督「……マッサージなら、俺より明石の方が上手いと思うんだが………」

川内「ん~?私はこっちの方が好きかな~」

提督「まあ、これくらいならいつでもやってあげるけどさ」

川内「あ、言ったね?」

提督「……仕事に支障が出ない程度で頼む」


…………………………………

川内「あ~んっ………美味しい~!流石間宮さんのアイスだね!」

提督「……お前が軽巡で良かったよ」

川内「あはは、まあ空母とか戦艦の人達だったらどうなるかは………うん、簡単に想像できるね」

提督「そうだろ?多分……いや、確実に俺の財布が死ぬ」

川内「だろうね~で、提督が食べないのもそういう理由?」

提督「いや、ただ単に今はそんな気分じゃないってだけだ」

川内「そうなの?こんなに美味しいのに」パクッ

川内「……………」


川内「……ねぇ、提督も一口食べれば?」

提督「俺はいいよ」

川内「まーまー、そういわずにさ」ズイッ

提督「んー……じゃ、一口貰うよ」パクッ

川内「美味しいでしょ?」

提督「うん、美味いな」

川内「そっか」パクッ


川内「………さっきより、美味しくなったかも」

提督「なんで?」

川内「……さあ、なんでだろ?」

提督「あ、なるほど」

川内「分かったの?」

提督「一人で食べるより、二人で食べた方が美味しくなるってやつだろ?それじゃ、俺も何か頼んどけばよかったかな」

川内「……そうだねー」


…………………………………

川内「提督、夜戦しよっ!」

提督「……まあ、数の指定なしって言われた時からいつかくるとは思ってたよ。明日でいいか?」

川内「そっちじゃなくて、二人で出来る方!」

提督「ああ、そっちな。じゃ、風呂入ったら俺の部屋で」

川内「うん!」

今日はこのくらいで。
あと二日で終わると思います。
うーん……量書けばいいというものではないと分かってますが、一度くらい長編書いてみたいですね~

おつでしたー。無理しないで下さいね?

川内カワイイなぁ


長編シリアス書けたら>>1ってほぼ全ジャンルコンプにならないか…?

>>38
ご心配ありがとうございます。
話自体はスレ立てた時点で書き終えてるので、PCさえいじれれば大丈夫です。

>>39
長編シリアスですかぁ………
現在凍結中の物ならありますが、最初に書いた物なので読めば読むほど粗が見つかってですね………






川内「んっ……あっ!ダメっ!!」





川内「提督っ!もっ………もうやめっ……………!」





提督「駄目だ」





川内「ちょっ、まっ…………ああっ!!」





川内「くそー、また負けたぁー!!」

提督「はっはっは、テレビゲームなら負けんぞ!」

川内「やってる年数が違うもんね~……ね、もう一回しよ?」

提督「いいぞ………って、あ、もうすぐアニメ始まる」

川内「本当だ。じゃあ、終わってからね」

提督「りょーかい」

< トビラヒラケバ ネジレタヒルノヨル

川内「お、始まったね」

提督「うん、相変わらずかっこいいOPだな」

川内「だよね~」


…………………………………

『恋愛はねぇ~、押して、押して、押しまくった方が勝つのよぉ~!!』

提督「いや~、こおろぎさんの声は素晴らしいな………中毒になりそうだ」

川内「……………」


…………………………………

< チョウテンペンチイミタイナキョウソウニモナレテ

提督「今回も凄い出来だったな!恋愛要素も強まって来たし、続きが待ち遠しいな!!」

川内「……………」

提督「……って、川内?どうしたんだ?」

川内「……………うん、決めた」

提督「決めた?何を?」


川内「提督さ、私がゲームに勝てた理由、知りたい?」

提督「ん?そりゃもちろん」

川内「……私が勝てたのはね、相手が提督だったからだよ」

提督「俺だったから?……あー、俺が心理戦に弱いってことか………」

川内「ううん、そうじゃなくて」

提督「え、違うのか?」


川内「……私はずっと提督のこと見てきたから。提督の考えならちょっとは分かるんだ」

提督「ああ、そういうことか。ま、川内は古参組で、ずっと秘書艦だしだしな」

川内「そうなんだけど、そういうことじゃなくて………」

提督「?」

川内「すー………はー…………よし」











川内「私は、提督の事が好きなんだ」









トードケ トードーケ オーモイーヨトードケー
ってことでEDです。
それにしても、血界戦線本当面白いですね。五話は特に好きで、五週しました。

………え?そんなことはいいから続き見せろって?
やだなぁ、どうなるか分からないからおもしろいんじゃないですか~
明日のお楽しみってことで!それでは!!





次回「提督ケッコンす」 艦これスタンバイ!

この二人は無事にハッピーエンドを迎えられるんでしょうかねー(棒)
続き、投下します


提督「え……?そ、それは上官として?この鎮守府で暮らす家族として?それとも」

川内「一人の男性として、好きなの」

提督「そう……なのか………」

川内「……………ごめんね、いきなりこんなこと言われても困るよね。その……返事は後ででもいいから」

提督「あー……うーん……………」


提督「……………頼みがある」

川内「なに?」















提督「今の告白、無かったことにしてくれないか?」



川内「っ!!」

川内「そ、そうだよね………本当、ごめんね……………」

提督「あぁっ、違うんだ!すまん、言い方が悪かった!!といっても、なんて言えばいいのか………」

提督「あー……とにかく、理由は聞かずにあと4日待ってくれないか?」

川内「………うん、分かった」


―4日後―


―――――コンコン

川内「……提督、来たよ」

提督「ああ、入ってくれ」

―――――ガチャ

提督「えーっと……まずは、待ってくれたお礼だな。ありがとう」

川内「ううん、いいよ。それで………」

提督「あー……そうだな……………」


提督「なあ、川内。俺がお前にゲームを持ち掛けた理由、分かるか?」

川内「そんなの、私が五月蠅かったからでしょ?」

提督「じゃあ聞くが、お前は賭けでもしないと騒ぐのをやめないのか?」

川内「そ、そんなの注意されれば控えるけど…………」

提督「だろ?別に苦情を解決するだけなら、お前に注意するだけでもよかったんだ。それでも、俺はお前にゲームを仕掛けた。その理由は―――――」


提督「—――――他でもない、お前と、一緒にいる時間を増やしたかったからだ」

川内「え…………」

提督「本当は今日、これが届き次第言おうと思ってたんだが……先を越されちまってな。待たせてすまなかった」パカッ










提督「川内、俺とケッコンしてくれ」



川内「……そっか……嫌われてるとかじゃ、なかったんだねっ…………!」

提督「俺の考え分かるんじゃなかったのか?嫌いなわけないだろ」

川内「うんっ………良かっ、たぁっ……………!」

提督「……それで、この指輪、受け取ってもらえるか?」

川内「もちろんっ!!」


――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――――

提督「……………」

川内「どうしたの、提督?何か悩んでるの?」

提督「ああ……艦娘達から苦情が届いてな………」

川内「え?私最近そんな五月蠅かったかな?」

提督「いやー……そのー……………」




艦娘『提督と川内さんが夜五月蠅いです』



川内「……………」

提督「……………」

川内「……もうちょっと、控えめにしよっか///」

提督「……そうだな///」





提督「ゲームをしよう」川内「ゲーム?」

センダイ=チャン、カワイイヤッター!
いかがでしたでしょうか?私は、ぬいぬいと同じくらい好きな川内が書けて満足しています。

それでなんですが、大井っちのスレでちょろっと言った短編(おまけ)集の需要ってありますか?

なるほど、どうやら需要はありそうですかね?
その場合は、新しいスレ立てるべきでしょうか?それとも、既存スレ(夕立・時雨)でやるべきでしょうか?

既存スレで特に問題はないですかね?
では、近いうちに夕立・時雨スレを完結させ、おまけを書きますね。
それでは、お付き合いいただきありがとうございました。

提督・夕立・時雨「「「いつまでも三人で」」」
提督・夕立・時雨「「「いつまでも三人で」」」 - SSまとめ速報
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