P「765院に就業中」 (915)

P「765院に就職した」
P「765院に就職した」 - SSまとめ速報
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の続きです

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廊下


P「こんばんは、美希ちゃん」

美希「…………」

P「……み、美希ちゃん?」

美希「……誰?」

P「ま、また忘れたの……?」

美希「……冗談なの」

P「あ、そうなんだ……よかった」


美希「……ねえ、夢の人」

P「……もしかして、俺のこと?」

美希「…………」コク

P「え、えっと……なにかな?」

美希「ここ、どこ?」

P「えっ……?」

美希「いつもここの夢を見るけど……ここは、どこなの?」

P「…………」

P(教えるべき……なのか? 教えれば、必然的に美希ちゃんがここにいる理由も言わなきゃいけなくなるんじゃないのか……?)

P(現実を捨てて夢に逃げるほど辛かったことを……思い出させてもいいのか……?)


P「…………こ、ここは……」

美希「……やっぱりいいの」

P「え?」

美希「もう起きるから、またこんど……聞かせてほしいの……あふぅ」

フラ……フラ……


P「…………」

P(歩き方が、前会った時よりもおぼつかなくなっているような気がする……)

P(まるで、存在そのものが薄くなっているかのようだ……)

60日目


高木「やあ」

P「あ、院長。おはようございます」

高木「うむ、おはよう。……君もここで働きだしてそろそろ二ヶ月か。早いものだ」

P「ええ、そうですね」

高木「今後どうするかについては考えているのかね?」

P「……すいません、まだ決めきれなくて……」

高木「構わないよ。君の人生だ、納得がいくまで考えるといい。その結果君がどのような選択をしても、私はそれを支持するよ」

P「ありがとうございます。……ところで、院長はいつもどこにいるんですか? 院長室にはいませんよね?」

高木「……ん、まあ、いろいろと用事があってね……おっとすまない、そろそろ出かける時間だ。失礼するよ」

P「? は、はあ……」





P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

運動場


P「ええと……これをしまうのはどれだっけ……? ここは倉庫が多くて困るなぁ」

P「……ん? あそこにいるのは真達か? 何か話してるけど……よく聞こえないな」



真「へぇ~、そうなんだ?」

「おう。んで、あんまりムカついたから膝いれてやったんだよ。そしたらそいつ、吐きやがってよー」

「うーわマジかよ」

真「……! ちょっと」ボソッ

「ん? あ。あいつって例の奴じゃん」

「ほんとバカな奴だよなー、あいつ。ま、おかげで助かってるけどよ」

真「おい、聞こえるだろ。使えなくなったらどうするつもりだ」

真「とにかく、ボクが話してる内に片付けとけよ」

「真も大変だよなー、あんな奴に媚びなきゃならねーんだもんな」

「ほんとほんと、あんな情けなさそうな奴になー」

真「……いいから、さっさとやれよ」

「わーってるって」


タタタッ


真「おはようございます、Pさん!」

P「ああ、おはよう真。あれは、友達か?」

真「ええ、まあ……それより、お仕事ですか? その荷物けっこう重そうですね」

P「いや、このぐらい大した重さ……じゃ……」

真「? どうかしました?」

P「……いや、なんでもない」

真「そうですか」チラッ

真「……じゃ、頑張ってくださいね!」

タタタ……


P「…………」

P(今、煙草の臭いがしなかったか……?)

61日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

図書室


P「めぼしい本も少なくなってきたなぁ……」

P「さて、何を読もうかな」


1 『無尽合体キサラギ ~ 宇宙の果てまでイッテきM@S ~』

2 『非言語交流 ~猿から宇宙人まで~』

P「アニメ映画のノベライズか……」

P「まあ、読んでみるかな」

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ


しばらくして……


パタン

P「……中々面白かったな」

P(登場人物のほとんどが知り合いと同じ名前だったのが気になったけど……)

62日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

図書室


響「あっ、P」

P「また本読んでるのか?」

響「うん、今日はこれ」

P「…………」

『猿でもわかる人心掌握術』

P「…………」

P(……すごく突っ込みたい……なんでこんなもん読んでんだ……)

P(けど、もしかしたら何か深い理由があるのかもしれない……俺には全く想像もつかないけど何かあるのかも……)

響「?」

P「……なあ、響」

響「なんだ?」



1「なんでこんなの読んでるんだ?」
2「……いい天気だな」

P「なんでこんなの読んでるんだ?」

響「え? だって、人心掌握術は大物になるために必要だろ?」

P「大物?」

響「うん」

P(そういえば、前にも人の上がどうとかって本読んでたよな……)

P(よく分からないが、上昇志向ってやつか?)


響「えーっと、どこまで読んだっけ……」

P「あ、すまん邪魔したな」

響「ううん、いいよ」

P「そうか? まあ、もう行くよ」

響「ん、またね」フリフリ

P(……しかし、人の上に立つのが似合う感じではない気がするなぁ)

63日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

運動場


P「おーい」

真「ん? ……あ! Pさんじゃないですか! どうかしましたか?」

P「別に用があるわけじゃないんだけど、たまたま見かけたからさ。迷惑だったか?」

真「いえ、Pさんならいつでも大歓迎ですよ!」

P「そっか、よかった。ところで、真っていつも運動してるよな? 好きなのか?」

真「うーん、好きってほどじゃ……まあ、習慣みたいなものですかね」

P「ふーん。何かスポーツでもしてたのか?」

真「空手を習ってました。こう見えてもボク、強いんですよ? 男相手でも負けないんですから!」

P「へー」

P(たしかに意外と筋肉質だし、そこそこ腕が立ちそうな感じだな……)

真「そういうPさんも……何か運動してるんじゃないですか? よく見ると、結構筋肉ありますね」

P「ん? ああ……最近はしてないけど、昔はしてたな。とある人に勧められて、通信教育で色々やってたよ」

真「通信教育? そんなので上達できるんですか?」

P「うーん……少なくとも、俺に勧めてくれた人はすごく強かったぞ」

真「そうですか。ちなみに、何をやってたんですか?」

P「空手と柔道と相撲」

真「へぇー」

64日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

エントランス


真「おはようございます!」

P「ああ、おはよう……」


P(……この前、真と会った時に感じた煙草の臭い……あれは、いったいなんだったんだ?)

P(この院には煙草を吸う職員はいない筈……院内は全館禁煙、破れば律子が出撃するんだ、守らない奴がいるわけない)

P(だから、少なくとも職員の煙草の臭いが移ったわけではない……)

P(……しかし、そうなると……)


真「あの……Pさん?」

P「ん? ああすまん、聞いてなかった」

真「もう、しっかりしてくださいよ」

P「それで? 今日はどこに行くんだ?」

真「今日は、商店街に行きましょう!」

商店街


P「何か買いたい物とかあるのか?」

真「いえ、ただ見て回りたかっただけです」

P「そうか」

P「…………」

P(……職員のものが移ったわけではないなら、必然的に煙草を吸ったのは真……もしくは、真に近しい人物ということになる)

P(しかし、だとするなら、その煙草はどこから院に入ったのか……)

P「…………」

真「……最近、暑くなってきましたよね」

P「えっ? あ、ああ……そうだな」

真「ほら、見てください。みんなソフトクリーム食べてますよ」

P「本当だ……あそこの店で買ったのかな」

真「みたいですね」

真「……いいなぁ」ボソッ

P「…………」

P「ちょっと、ここで待っててくれるか?」

真「え?」

P「買ってくるよ、ソフトクリーム」

真「いいんですか!?」

P「ああ」

真「へへっ! やーりぃ!」

P「それじゃ、行ってくるから」

真「はい!」

ザワザワ


P「列で待ってるのは数人だけか……すぐに買えそうだな」

P「…………」

P(煙草の出所……か)

P(たしか……この間、外出から帰った時に真のポケットが膨らんでるように見えたっけ……)

P(……そういえば、前回前々回と俺は真から目を離してしまっていたな……)

P(……いや、もしかすると……離すように仕向けられていた……とか?)


P「…………」


しばらくして……


P「お待たせ」

真「わぁ……! ありがとうございます! さっそくいただきます!」

真「あむっ……くぅー! 冷たくて美味しいですね!」

P「ああ、そうだな」

P(…………)

エントランス


真「Pさん、今日もありがとうございました!」

P「ああ……うん」

真「?」


P(……やってみるか)

P「なあ、真」

真「なんですか?」

P「それ……煙草だろ?」

真「っ……!」

P「…………」

真「…………なんで分かったんですか? 見えないように、ちゃんと裾が長めの服にしたのに……」

P「なるほど、ズボンのポケットに入れてたのか」

真「……え?」

P「いや、少し怪しく思えたから鎌をかけてみただけだったんだが……思いの外、すんなり吐いたな」

真「なっ……!」

P(なんとなく根が単純そうだから試してみたけど……本当に上手くいくとは思わなかった)

P「とりあえず、渡してくれるか?」

真「…………」

スッ

P「ありがとう……ちなみに、どうやって手に入れたんだ?」

真「…………」

P(黙秘か……さて、どうするかな)


1 黙っておく
2 律子に報告する

P「この事は報告させてもらう……いいな?」

真「…………」

P「…………」



しばらくして……


事務室


P「…………という訳だ」

律子「…………」

P「…………」

律子「……まあ、話は分かりました。もう行っていいですよ」

P「え、あれ……お咎め無しとか逆に怖いんですけど」

律子「誰かさんのおかげで今すぐ少年院棟のチェックをしなくちゃいけないので、そんな時間はないんですよ」

P「……スミマセン」

律子「まったく……あれだけ言ったのに、こんなことになるとは思いませんでしたよ」

P「そもそも、真が少年院系だって最初から教えてくれればこんなことには……」ボソッ

律子「何か言いました?」

P「いえ、なんにも」

律子「……あなた、真と会ってたのはどこですか?」

P「えっと、ほとんど運動場だったな」

律子「真が誰かと一緒のところを見たことは?」

P「いかにも少年院系って感じの子達と一緒にいたなぁ」

律子「なんでそれで分からなかったんですか……運動場の利用者なんて、少年院系の子達ぐらいでしょうに」

P「ほんとだ」

律子「まあ、この人手不足の時にこんなことであなたを処罰しても仕方ないですし、とりあえず今回は何も言いません……院内で収まる話ですからね」

P「そうか……ありがとう」

律子「ただ、今後少年院の子達との接触は禁止させてもらいます。元々あの子達は、あなたの職分ではないので」

P「……わかった」

65日目


律子「おはようございます」

P「ああ、おはよう……昨日はどうだったんだ?」

律子「大変でしたよ……煙草どころか、エロ本やら手錠やらスタンガンやらがわんさか出てきまして……」

P「そ、それは凄いな……」

律子「……ただ、そうなると今度はそれらの出所が気になるんですよ。どう考えても真が持ち込める量じゃないんですから」

P「そうだな……そういえば、真はどうしてるんだ?」

律子「とりあえず、今は寮の方に入れてます。何を訊いても自分が勝手にやったの一点張りで困ってるんですよ」

P「……そうか」

律子「何もしなければ、もうすぐ出れたんですけどねぇ……」

P「…………」





P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

図書室


P「……お?」

P(ここの図書室、パソコンも置いてあるのか……ん? あれは……)


響「…………」カチカチ


P「響?」

響「ん? あ、はいさい、P」

P「はいさい?」

響「ああ、はいさいってのは、うちなーぐちで……えっとつまり、沖縄の言葉で……」

P「響って沖縄出身だったのか?」

響「んー、まあね」

P「ふーん。で、何してんだ?」

響「バイト探し」

P「えっ? バイトなんかしていいのか?」

響「? 自分、今もしてるぞ?」

P「まじで?」

響「うん」

P「…………」

P(未だに響のことがよくわからないな……施設の管理任されてたりバイトしたりしてるって、ここの子にしては珍しいよな?)

P(少なくとも少年院系じゃない……かといって精神院系でもなさそうだし……孤児院系なのか?)

P(でも、流石に『孤児なのか?』とは訊けないよなぁ……)

響「? どうかしたのか?」

P「……いや、なんでもない。頑張れよ」

響「え、あ、うん……?」

66日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

事務室


P「律子ー」

律子「はい、なんですか?」

P「えっと……」



1 特にない
2 雪歩について
3 美希について
4 貴音について
5 亜美について
6 千早について

P「律子達は亜美ちゃんの、その……空想の友達?のことをどう思ってるんだ?」

律子「うーん……Pさんは、イマジナリーフレンドってご存じですか?」

P「ああ。この前読んだ本に書いてあったからな」

律子「じゃあ分かりますね。私達は、それだと考えています」

P「やっぱりか」

律子「ええ。でも、それがどうかしましたか?」

P「いや、ちょっと気になっただけだ」

律子「そうですか」

P「……そういえば、イマジナリーフレンドって子供の頃できるものらしいけど、その辺はどうなんだ?」

律子「別に幼少期に限りませんよ。大人になってもできる人はできます」

P「へぇー。でも、大人になったら治療とか大変そうだよな」

律子「いえ、別にイマジナリーフレンドに治療が必要とは限りませんよ?」

P「え? そうなのか?」

律子「ええ。その人がそれと上手く付き合えるなら、特に問題はないんですから」

P「じゃあ、どうして亜美ちゃんはここに入院してるんだ?」

律子「あの子の場合、イマジナリーフレンドに没頭して他の人間とまともに付き合おうとしないのが問題なんですよ」

律子「それが原因で、その……色々あったみたいでして。このままではいけないということで、ご両親がここに預けに来たんです」

P「……ふーん」

律子「でも、あの子は本当に頑固なんですよね……イマジナリーフレンドが見えない子とは仲良くしないって言うんですよ。他人に見えるわけがないのに」

P「…………」

律子「一応、レクリエーションなんかにも参加させてはいるんですけど、あまり効果はなくて……」

律子「実を言うと、あなたが頼りみたいな感じになりつつあるんですよ……って、すいません、プレッシャーになっちゃいますよね」

P「いや、いいよ」

律子「そうですか? ならいいですけど……ま、そーゆーわけですから、頑張ってくださいね」

P「ああ……っとそうだ、ひとつ訊いてもいいか?」

律子「はい、なんですか?」

P「別に、イマジナリーフレンドを消すことが必要不可欠ってわけじゃ……ないんだよな?」

律子「ええ、さっきも言った通りです。あの子が周りとちゃんと関わるようになれば、それでいいんですよ」

P「わかった、ありがとう」

律子「いえいえ」

67日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

亜美の部屋

コンコン
ガチャ

亜美「!」

P「あ。久しぶり、亜美ちゃ……」


亜美「兄ちゃーーーーーーん!!!」ダッ!


P「!?」

ドゴッ

P「おっ……おぐぁ……」

亜美「遅い! 遅すぎだYo! 亜美、ずっとずっと寂しかったんだかんね!?」スリスリ

P「ぐ、ごふっ……ご、ごめん……」

亜美「でも亜美信じてたよ! 兄ちゃんは絶対また会いに来てくれるって!」

真美「亜美……いったん兄ちゃんから離れなよ。苦しそうじゃん」

亜美「やだ! これは兄ちゃんへの罰だもん!」

P「ま、まぁまぁ……俺は別に気にしないよ、真美ちゃん」

真美「……まあ、それならいーけど」

亜美「…………」ギュウ~

P「…………」

P(亜美ちゃん、しばらく会わない内にまたずいぶんパワフルになったというか……なんというか……)

P(……そうか。亜美ちゃんには他に友達がいないんだ……他の子は、真美ちゃんが見えないから。だからいつもここにいて……俺を待ってるんだ)

P(…………)

P「……ねえ、亜美ちゃん」

亜美「んー? なにー?」


1 友達とか作らないの?
2 今日は何して遊ぶ?

P「友達とか作らないの?」

亜美「…………」

P「ほら、俺だっていつもここに来れるわけじゃないし……友達を作れば、少しは寂しくな……」

亜美「やだ!!」

P「……!」

亜美「……兄ちゃんも、亜美にそんなこと言うの?」

P「……え、えっと」

亜美「亜美は、真美と兄ちゃんがいればそれでいいの! 他のみんなはいらない! 友達なんていらない!」

真美「……亜美、落ち着こ? 兄ちゃんも、悪気があったわけじゃないんだよ?」

亜美「あ……そ、そだね」

P「えっと……ごめんね、亜美ちゃん」

亜美「う、ううん。こっちこそ、ごめんね兄ちゃん……謝るから、亜美のこと、嫌いにならないで……」

P「大丈夫、ならないよ」

亜美「……ほんとに?」

P「うん」

亜美「……ありがと」


P(律子の言ってたことは、どうやら本当らしいな……)

P(真美ちゃんが見えない子と関わるのがよっぽど嫌みたいだ)

68日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

亜美の部屋

コンコン
ガチャ

真美「……おはよう、兄ちゃん」

P「おはよう真美ちゃん……あれ? 亜美ちゃんは?」

真美「んー……ま、入りなよ。変な目で見られちゃうよ?」

P「え、ああ、うん……」

バタン

P「それで……亜美ちゃんは? トイレ?」

真美「違う」

P「……そ、そっか」

P(なんとなく気まずい……そう言えば、真美ちゃんとはあんまり話したことないよな……)

真美「…………」

P「……い、いい天気だね」

真美「そうだね」

P「…………」

真美「…………」

P(……あれ? もしかして俺って嫌われてる?)

真美「ねえ兄ちゃん」

P「! ……な、なに?」

真美「亜美のこと、どう思ってるの?」

P「え? ……ええと……」

真美「答えられない?」

P「…………」

P(なんなんだいったい……?)


1 友達のように思ってる
2 妹のように思ってる
3 患者だと思ってる

P「友達のように思ってるよ」

真美「…………」

P「亜美ちゃんとはよく遊ばせてもらってるし……うん、亜美ちゃんとの関係をあえて言葉にするなら、友達だと思う」

真美「……ふぅん」

P「…………」

真美「…………」


バァン!


亜美「真美~疲れたYo~……って、兄ちゃん!?」

P「あ、亜美ちゃん。お邪魔してるよ」

亜美「うぅん全然いいよ! やったー! 兄ちゃん兄ちゃーん!」バッ

P「うおっ……ととと……」

真美「亜美? いきなり飛びついたりしたら危ないよ?」

亜美「だいじょぶ! 兄ちゃんが受け止めてくれるから!」

P「はは……」チラ

真美「?」

P「…………」

P(もういつもの感じだ……亜美ちゃんの前では普段通りなのか)

亜美「んん? ダメだよ兄ちゃん! いくら兄ちゃんでも真美は渡さないかんね!」

P「そ、そんなつもりはないよ」

亜美「ほんとにー?」

P「ほんとほんと」

亜美「んー、じゃあいいよ、許してあげる」

P「あはは……ありがとう」


真美「…………」

69日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

外庭


P「おはよう、春香」

春香「おはようございます、Pさん。何か用ですか?」

P「ああ。春香、今度一緒に出掛けないか?」

春香「なんか聞き覚えがありますね……デジャブでしたっけ」

P「既視感ってやつだな。つまり、気のせいだ」

春香「……ま、いいですけど。でも、Pさんは大丈夫なんですか?」

P「何が?」

春香「私、幽霊ですよ? 他人から見たらPさんは、独りでぶつぶつ言いながら歩く人になるんですよ?」

P「春香と一緒にいられるなら、そんなことは気にしないよ」

春香「……そうですか。じゃあ、まあ、お好きにどうぞ」

P「ありがとう。ところで、春香こそ大丈夫なのか?」

春香「何がですか?」

P「いや、移動したりとか……できるの?」

春香「……試したことがないから分かりませんけど……たぶん、Pさんに憑いていけば大丈夫だと思います」

P「そうか。じゃあ、今日のところはそろそろ戻るよ。またな」

春香「ええ、また」

70日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

外庭


P「おはよう春香」

春香「おはようございます」

P「今日は一緒に出掛けようと思って来たんだけど……いいか?」

春香「ええ、いいですよ。ところで……その、耳につけてる物はなんですか?」

P「マイク付きのワイヤレスイヤホンだ。これがあれば、春香と会話していても電話してるだけに見えるからな」

春香「へえ……なんだかよく分かりませんけど、すごいですね。技術の進歩ってやつですか」

P「お婆ちゃんみたいな感想だな」

春香「失礼ですね。私はれっきとした元女子高生ですよ」

P(大抵のお婆ちゃんも元女子高生だよな……)

春香「そういう意味じゃありません」

P「あれ、心が読めるのか?」

春香「いえ、なんとなく違う意味でとられた気がしただけです」


春香「……じゃあPさん、ちょっと後ろを向いてもらえますか?」

P「え? ああ」クルッ

春香「…………」スッ

P「お、なんか涼しくなった」

春香「もういいですよ。行けます」

P「そうか」

春香「今日は、どこに行くつもりなんですか?」

P「そうだな……」




1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地
6 カラオケ

公園


P「へえ……けっこう大きな公園なんだな。お、池もある……」

春香「懐かしい場所ですね……」

P「前にも来たことあるのか?」

春香「ええ。その時は……」

春香「……あはは、だめですね。誰と来て、何をしてたのか、まったく思い出せません」

P「…………」

春香「でも、この池には見覚えがありますよ。たしか、鯉がいたような……」

P「今でもいるみたいだぞ。ほら、あの辺」

春香「あ、ほんとですね」

P「…………」

春香「…………」

P「……じゃあ、ちょっと歩いて回るか?」

春香「すいません、もう少しだけ……見ててもいいですか?」

P「ああ、いいよ」

春香「ありがとうございます」

P「…………」

春香「…………」

春香「あの時から、何年経ったのかなぁ……」

春香「…………」

春香「……わからないなぁ」

P「…………」

春香「……もういいですよ。行きましょうか」

P「ああ」

70日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

中庭


雪歩「……ふぅ」

P「……あれ? 雪歩ちゃん、なにそれ」

雪歩「あ、Pさん……こ、これは湯呑みと急須と言うもので……」

P「いやそれは知ってるよ!」

雪歩「ひっ……ご、ごめんなさい」

P「あっ、いやその……」

P(てっきりツッコミ待ちかと思ったのに……まさか素だとは……)

P「……お、お茶が好きなの?」

雪歩「あ、はい……」

P「へえー」

雪歩「……えっと、Pさんも飲みますか……?」

P「いいの?」

雪歩「はい。あ、でも、湯呑みひとつしかない……どうしよう……」

P「んー、それなら今回は遠慮しておくよ。また今度飲ませてくれるかな?」

雪歩「じゃあ、次からは湯呑みをふたつ用意しておきますね」

P「ごめんね、ありがとう」

雪歩「ど、どういたしまして」

72日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

動物保護施設


P「なあ響」

響「ん?」

P「今度、一緒に街まで行ってくれないか?」

響「え? なんでだ?」

P「駄目か?」

響「いや、理由を聞かせてよ……」

P「駄目か?」

響「……駄目っていうか……ほら、自分学校とかバイトとかで……忙しいし」

P「駄目か?」

響「うん、ちょっと……無理かな」

P「駄目だ」

響「!?」

P「いつでもいいから、付き合ってくれ」

響「いくらなんでも強引すぎるぞ……まあ、空いてる日なら別にいいよ」

P「よし」



響「……ところで、結局どういう理由なんだ?」

P「別にないけど?」

響「だと思ったぞ……」

73日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

エントランス


あずさ「お待たせしました~」

P「いえ、大して待ってませんから大丈夫ですよ」

あずさ「そうですか。ところで、今日はどちらへ?」

P「そうですね……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地
6 カラオケ

商店街


テクテク

あずさ「Pさん、今何時くらいですか?」

P「ええっと……あ、もうすぐ正午ですね。お昼どうします?」

あずさ「そうですね……少しお腹も空きましたし、ここら辺で食べていきませんか?」

P「いいですよ」

あずさ「じゃあ、行きましょうか」




カフェ


「いらっしゃい……ああ、あずさちゃんかい」

あずさ「こんにちは、マスター」

「ん? 隣にいるのは……彼氏かな?」

あずさ「え、ええ!? ち、違いますよ! ねっ、Pさん?」

P「ええ」

「そうかい。ま、ゆっくりしていきなよ」

あずさ「席は……あそこにしましょうか」

P「いいですよ」


しばらくして……


P「あずささんって、この店の常連なんですか?」

あずさ「ええ、まあ」

「中学生くらいの時から、よく来てくれるようになったんだよ」

P「へぇー」

「しかし、あのあずさちゃんが男と一緒に歩くようになったのかい……昔はいつも……」

あずさ「ま、マスター!」

「おっと、ごめんよ。お二人さんの邪魔をしちゃうところだったみたいだね」

P「いえ、そんなことは……」

あずさ「Pさん? は、早く注文を済ませませんか?」

P「ああ、それもそうですね。どうしようかな……」

あずさ「ここは、ナポリタンがおすすめですよ~?」

P「そうですか。じゃあ、それにしようかな。えっと飲み物は……」

あずさ「…………」

あずさ「……ふぅー」

74日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

事務室

P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5あずさについて訊く
6響について訊く
7真について訊く
8春香について訊く
9雪歩について訊く
10やよいについて訊く
11貴音について訊く
12千早について訊く

P「音無さんって、真の件知ってますか?」

小鳥「ええ、私も手伝いましたからね」

P「そうですか……本当に、すいませんでした」

小鳥「いえ、いいんですよ。結果的に色々見つけることができましたから」

P「真は、今どうしてるんです?」

小鳥「……まだ寮の中です。未だに全部自分のせいだって言ってますよ……他の子をかばってるんでしょうね、仲間を大事にする子でしたから」

P「…………」

小鳥「……Pさんが気に病むことはありませんよ。あれは、妥当な処分なんですから」

P「でも、俺が連れ出したりしなきゃこんなことになる原因は……」

小鳥「少年院の子だってことを知らなかったんです、仕方ないですよ」

P「…………」

小鳥「厳しいことを言わせてもらえば、ああいう事をするという時点で、真ちゃんはああなって当然の子なんですよ」

小鳥「今回Pさんが連れ出したせいで、真ちゃんはああなりましたけど……どっちにしろ、あの子はいずれ間違ったことをしたんじゃないかって思います」

小鳥「本当に真ちゃんのことを考えるなら、これでよかったと言えると思いますよ?」

P「そう……ですか?」

小鳥「ええ。だから、元気出してください」

P「……わかりました、ありがとうございます」

小鳥「いえいえ。今日もお仕事頑張ってくださいね」

P「はい」

75日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

亜美の部屋


亜美「うあうあ~! 退屈だよ~! 兄ちゃんなんとかしてよー!」

P(最近亜美ちゃんの定位置が俺の膝の上な件について……いやいいんだけど、むしろウェルカム)

亜美「……? 兄ちゃん?」

P(いい匂いするなぁ……膝にも嬉しい感触が伝わってくる……ずっとこうしていたい……)

亜美「おーい、兄ちゃーん」ベシッ

P「痛っ!?」

亜美「あ、起きた」

P「……ありがとう、目が覚めたよ」

亜美「?」

P「それで、えっと、なんだっけ」

亜美「だからー、退屈だから兄ちゃんがなんとかしてって」

P「なんとかしてって言われてもなぁ……うーん」

亜美「はやくはやくー」

P「ちなみに、俺がいない時はいつも何してるの?」

亜美「退屈してるよ」

P「……今度ゲームでも貸してあげようか?」

亜美「本当!?」

P「うん」

P(焼けちゃったからいくつか買い直したはいいけど、結局ほとんどしてないしな)

亜美「あ……でもやっぱいいや、いらない」

P「え? なんで?」

亜美「……なんででも! それよりジャンケンしよ! 負けたら服一枚脱いでくこと!」

P「野球拳は亜美ちゃんにはまだ早い!」

亜美「えー」


真美「…………」

76日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

外庭


P「春香って、いつもここにいるよな」

春香「……前にも言いませんでしたっけ? 私がこの場所を好きだってこと」

P「いや、それは聞いたよ。ただ、いつもここにいるから、なんだか……」

春香「なんですか?」

P「んー……そうだな、番人って感じがするんだよ」

春香「番人?」

P「うん。なんとなく、ここを通る人を見張ってるみたいでさ」

春香「……別にそんなつもりはないんですけどね」

P「そうか。じゃあ、ちょっとここを通ってもいいか?」

春香「どうしてですか?」

P「この先に行ったことがないから、何があるのか気になってさ」

春香「へえ……でもだめです」

P「やっぱり番人じゃないか」

春香「ちがいますよ」

P「いったいこの先には何があるんだ?」

春香「何も。ただ、壊れかけの建物があるだけです」

P「へえ。それで、なんで俺がそこに行ったら駄目なんだ?」

春香「崩れたりしたら危ないですからね」

P「……本当にそれだけか?」

春香「それだけですよ?」

P「うーん……ま、いいか」

77日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

事務室


P「律子ー」

律子「はい、なんですか?」

P「えっと……」



1 特にない
2 雪歩について
3 美希について
4 貴音について
5 千早について

P「美希ちゃんについて訊きたいんだけど」

律子「なんですか?」

P「あの子、ちゃんと食事とかしてるのか?」

律子「……一応、してはいます。美希はたしかにずっと寝てはいますが、食事や排泄の時は目を覚ますんですよ」

P「そうなのか? ……でも、なんだか痩せていってないか?」

律子「どんなに食事をさせたところで、ほぼ一日中寝たきりでいれば当然筋肉が落ちます……そしてなにより問題なのが……彼女自身に、生きる目的がないことです」

P「生きる目的?」

律子「ええ。生きる目的がないので、彼女はほとんど活動しません。ただの入院患者とは訳が違いますよ。筋力は低下し、そのうち歩くことさえ困難になるかもしれません」

P「……それでも、動かなければ?」

律子「……医者でもないのに、滅多なことは言えませんよ」

P「…………」

律子「……できることなら、私だってなんとかしてあげたいんですけどね……」

P「…………」

P(生きる目的……か)

78日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

運動場


ワーワー

P「……今日は野球してるのか」

P(偏見だけど、不良って大抵野球部かサッカー部にいるよなぁ)

P「……しかし、運動場っていつもあいつらしかいないな……他の子達は使わないのか?」

P「…………」

P「いや、使えないんだな……怖い顔した奴が大勢いるんだ、小さい子達は近づくことすらできないか」


カキーン!


P「お、ホームラン」

79日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

中庭


雪歩「あ……Pさん」

P「おはよう」

雪歩「ちょ、ちょっと待ってくださいね」

P「あ、湯呑み、用意してくれたんだ」

雪歩「は、はい……どうぞ」

P「ありがとう、いただくよ」

ズズ……

P「!」

P「うまい!」

雪歩「ほ、ほんとですか? え、えへへへ……」

P「すごいね……へえー、お茶ってちゃんと淹れるとこんなに美味しいんだ……」

雪歩「Pさんも、お茶を淹れたりするんですか?」

P「適当だけどね。よかったら、今度お茶の淹れかたを教えてくれないかな?」

雪歩「ええ!? わ、私がですか……?」

P「うん。だめかな?」

雪歩「……わ、わかりました。じゃあ、また今度……」

P「ありがとう」



P(雪歩ちゃんとお茶を飲みながら話をした)

80日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

事務室

P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5あずさについて訊く
6響について訊く
7真について訊く
8春香について訊く
9雪歩について訊く
10やよいについて訊く
11貴音について訊く
12千早について訊く

P「この前、天海春香って子について訊いたじゃないですか」

小鳥「ええ」

P「あれ、結局俺の勘違いだったみたいです」

小鳥「あ、そうだったんですか? もー、おかげで私、院の子の名前をど忘れしちゃったかと思って不安だったんですよー?」

P「すいません」

小鳥「それで、どこでそんな名前聞いたんですか?」

P「あー……どこでしたかね……たぶん、ちびっ子達の誰かに聞いたんだと思いますけど」

小鳥「へぇ、そうなんですか」

P「はい」

小鳥「でも、その割には名前を呼び捨てにしてませんでした? まるで知り合いみたいに」

P「えー? そーですかねー、そんなことなかったと思いますけどー」

小鳥「なんで棒読みなんですか」

P「いえ……あ、そろそろ仕事に戻らないといけませんね」

小鳥「え?」

P「それでは!」

スタスタ


小鳥「あ……行っちゃった。なんか怪しいわね……」

小鳥「それにしても……アマミハルカって名前、どこかで聞いたことが……」

小鳥「……あるような……ないような……だめね、さっぱり思い出せないわ」

81日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

外庭


P「なあ春香」

春香「なんでしょうか」

P「春香って、何霊なの?」

春香「すごい質問しますね」

P「ちょっと気になってな……駄目だったか?」

春香「いやまあ、いいですけどね」

P「そうか。それで、何霊なんだ?」

春香「うーん……正直、そういうのよく知らないんですよね」

P「へえ、そうなのか?」

春香「はい。元々心霊とかに興味はなかった……筈ですから」

P「ああそうか。死んで霊になったからってそういう知識が増えるわけじゃないよな」

春香「ええ」


P(まあでも、なんとなく地縛霊っぽいんだよな……)

P(だとすると、ここに何か関係のある霊ってことになるんだが……律子によれば、過去にこの院にアマミハルカはいなかった……ってことだったな)

P「…………」

春香「? どうかしました?」

P「いいや、なんでも」

P(まあいいか。何霊だろうと、春香は春香だしな)

82日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

医務室


P「あー……疲れた」

あずさ「あら、どうされたんですか?」

P「いやぁ、ちびっこ達と一緒に遊んだら、思いのほか体力を使いまして」

あずさ「そうですか……だったら、ここのベッドでしばらくお休みになっていってはいかがですか?」

P「え、いいんですか?」

あずさ「はい。ちゃんとしばらくしたら起こしてあげますから、心配いりませんよ?」

P「そうですか……じゃあお言葉に甘えて、少しだけ使わせてもらいますね」

あずさ「ええ、どうぞ」

P「ふぅー……」ドサッ

あずさ「……もしよければ、膝枕でもしましょうか?」

P「いえ、結構です」

あずさ「…………」ズーン

P「あっ……今のは違うんです! あずささんの仕事の邪魔になると思ったんですよ!」

あずさ「……じゃあ、邪魔じゃないので、膝枕させてください」

P「えっ……と……」

あずさ「…………」ズーン

P「ああっ……」

あずさ「私って、そんなに魅力ありませんか……?」

P「ち、違うんですよ……魅力的過ぎて恥ずかしいんです」

あずさ「本当ですか……?」

P「ええ、もちろん」

あずさ「……じゃあ、具体的にどのあたりか言ってみてください」

P「……胸ですかね」

あずさ「…………」

P「……すいませんでした」

83日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

外庭


P「おはよう春香」

春香「おはようございます」

P「今日も一緒に出掛けようと思って来たんだけど……いいか?」

春香「ええ、いいですよ。今日は、どこに行くつもりなんですか?」

P「そうだな……」




1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地
6 カラオケ

カラオケ


ガチャ

P「おお、中々いい部屋だ……って、俺どこに言っても似たようなこと言ってる気がするなぁ」

春香「…………」

P「ん? どうかしたのか?」

春香「いや……幽霊とのお出かけでカラオケはないでしょう」

P「なんで?」

春香「なんでって……まず私の声が機械を通りませんよ」

P「え? でもお前らよくビデオとかにうめき声入れてくるじゃないか」

春香「あれは……」

P「大丈夫、ベストを尽くせばなんとかなる」

春香「……そ、それに、マイクを持てないかも……」

P「春香が歌う間、俺が持ってるよ」

春香「…………じゃ、じゃあ……えっと」

P「……もしかして、歌に自信がないのか?」

春香「そ、そんなわけないじゃないですか」

春香「……ただ、久しぶり過ぎてちょっと……」

P「心配しなくても笑ったりしないから……な?」

春香「……わ、わかりました」

P「曲は何にする?」

春香「……じゃあ、『太陽のジェラシー』で」

P「また随分古い曲を選んだな」

春香「仕方ないじゃないですか。最近の歌なんてわからないんですから」

P「ああそうか」ピッ

~♪

P「はい」スッ

春香「……ほ、本当に笑わないでくださいね?」

P「ああ、約束する」


しばらくして……


春香「そうよ、永遠の夏~♪」

春香「きっと、きっと、ドラマーがー始まる~♪」


P「…………」

春香「……ど、どうでしたか?」

P「なんだよ、もったいぶったわりにはうまいじゃないか。てっきりもっと酷いかと思った」

春香「それは、褒めてるんですか?」

P「ホメてるよ」

春香「……なんか、悪意を感じます」

P「気のせいだ」

84日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

中庭


雪歩「あ……Pさん」

P「こんにちは」

雪歩「ちょ、ちょっと待ってくださいね……」

P「…………」

雪歩「ど、どうぞ」

P「ありがとう」ズズ……

P「ん、今日はまた違うお茶なんだね」

雪歩「は、はい」

P「やっぱり色んな種類のお茶葉を持ってたりするの?」

雪歩「あ、いえ……私、あんまりお茶葉を持ってなくて……」

P「そうなの?」

雪歩「はい。昔はよくお店に行ったりしてたんですけど……」

P「ああ、なるほどね……」

雪歩「…………」

P「…………」

P(茶葉の店……か)

85日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

外庭


P「おはよう春香」

春香「おはようございます」

P「今日も一緒に出掛けようと思って来たんだけど……いいか?」

春香「ええ、いいですよ。今日は、どこに行くつもりなんですか?」

P「そうだな……」




1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地
6 カラオケ

映画館


P「へえ、ここの映画館は昔の映画もやってるのか」

P「……春香は、何か見たいやつとかあるか?」

春香「いえ、ありません」

P「わかった、じゃあ俺が適当に決めるよ」

春香「お願いします」

P「……そういえば、春香って以前はどんな映画見てたんだ?」

春香「さあ……覚えてないですね。あんまり映画に興味はなかったので」

P「ふうん」

春香「でも、最近の映画ならたまに見てますよ」

P「え? どうやって?」

春香「テレビがついてる部屋に入って、住人の隣で見てます」

P「……さすが幽霊」

86日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

事務室

P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5あずさについて訊く
6響について訊く
7真について訊く
8雪歩について訊く
9やよいについて訊く
10貴音について訊く
11千早について訊く

P「真の様子はどうですか?」

小鳥「変わりません。ずっと同じ主張をしています」

P「そうですか……」

小鳥「……もう、気にしない方がいいですよ。律子さんにも言われたんでしょう? 関わるなって」

P「……ええ」

小鳥「後は私達に任せて、あなたはあなたの仕事に専念してください」

P「…………あの」

小鳥「なんですか?」

P「……一度だけでも、会わせてもらえませんかね?」

小鳥「……会って、どうするつもりですか?」

P「いえ、あれっきりってのがなんだか……すっきりしなくて」

小鳥「……Pさんは優しい人だと思います。でも、悪く言えば甘いんですよ。だから真ちゃんに、あんなことをさせてしまった……」

P「…………」

小鳥「真ちゃんは、あなたを利用するために近づいていたんですよ? 今更会っても、なんにもなりませんよ」

P「……そう、ですね」

小鳥「……すいません、言い過ぎちゃいましたか?」

P「いえ、構いません。それじゃ、仕事に戻ります」

小鳥「はい。頑張ってください」



P(もう、真に会うことはないだろうな……)

P(でも、真が俺に見せていた表情は、本当に全て演技だったのか……?)

P(俺には、そうは思えないんだけど……それとも、俺が甘いからそう思うだけなのか……?)

P(だとしたら……真は俺のことを、恨んでいるのかな……)

P(……ごめんな、真……)

87日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

中庭


P「ねえ、雪歩ちゃん」

雪歩「な、なんですか?」

P「穴の外に出るのは、怖いの?」

雪歩「……はい」

P「出ると、どんな感じなの?」

雪歩「え、えっと……動けなくなるんです」

P「動けなくなる?」

雪歩「はい……逃げたくて、でもどこにも行けなくて……近くに穴がないと、その場でうずくまってしまうんです」

P「そっか」

雪歩「ご、ごめんなさい……わ、私、本当にダメダメで……」

P「謝らなくていいよ。雪歩ちゃんも、好きでこうなってるわけじゃないんだよね?」

雪歩「は、はい……」

P「大丈夫、雪歩ちゃんならきっと治せるよ」

雪歩「……そう、ですか……?」

P「そうだよ。だから焦らないで、ゆっくり前に進もう」

雪歩「……わ、わかりました……が、頑張ります」

P「うん。俺もできる限り手伝うから、いっしょに頑張ろう」

雪歩「は、はいっ……」

88日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

屋上


P「ふぅ……もうすぐ今日の見回り当番も終わるな。後はここだけか」

P(……ん?)


響「…………」ボーッ


P「珍しいな、こんなところにいるなんて」

響「!?」ビクッ

P「よっ」

響「え? P? な、なんでここに……」

P「当番だから、ここを閉めないといけないんだよ」

響「あ、もうそんな時間なのか……」

P「どうしたんだ? 普段なら、あの施設にいる時間だよな?」

響「うん……」

P「……なにか悩みでもあるのか?」

響「…………」

P「よかったら話してみてくれないか。俺でよければ、力になるぞ」

響「…………」

響「……実は、将来について悩んでるんだ」

P「将来? 進路か何かか?」

響「あ……えっと、そうじゃなくて…………」

響「……ごめん、やっぱりなんでもない」

P「え? あ、おい、響!?」


タタタ……


P「……なんなんだいったい」

89日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

事務室

P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5あずさについて訊く
6響について訊く
7雪歩について訊く
8やよいについて訊く
9貴音について訊く
10千早について訊く

P「音無さんが接する時の亜美ちゃんって、どんな感じですか?」

小鳥「そうですね……いつもだいたい、必要な時だけ一言二言喋って、あとは無視って感じです」

P(やっぱりかなり違うな……)

小鳥「Pさんはそうじゃないんですか?」

P「ええ、まあ……俺にはわりと普通に接してくれてますよ」

小鳥「へえ? それはまた中々にすごいですね……今まで、そんな人はいませんでしたよ。何か秘訣でもあるんですか?」

P「さ、さあ? どーなんでしょうね?」

P(まさか、真美ちゃんが見えるからだなんて言えないよな……下手したら俺も入院する羽目になるぞ)

小鳥「でもまあ、いいことですよ。亜美ちゃん、いつも寂しそうですから、ちゃんとケアしてあげてくださいね?」

P「ええ、もちろん」

89日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

>>191
訂正


90日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

事務室


P「律子ー」

律子「はい、なんですか?」

P「えっと……」



1 特にない
2 雪歩について
3 貴音について
4 千早について

P「なんで貴音って屋上の鍵を持ってるんだ?」

律子「まあ、本人が希望したからですね」

P「本人が希望したからって、そうホイホイと渡すわけでもないだろ?」

律子「そうなんですけど……えっと、貴音の事情は知ってますか?」

P「記憶喪失だっけか」

律子「はい。その貴音が、夜空を見ていると何か不思議な気持ちになるって言うんですよ? 貸さざるを得ないでしょう」

P「まあ、文字通り記憶を取り戻す鍵になるかもしれないってんなら、そうかもな」

律子「それに一応貴音は18歳らしいですし、院にいるのも治療のためというよりは保護のためですから、私達と同じで消灯時間なんかが適応されてないんですよ」

律子「ですから、まあ、いいかな……と。悪用しそうな子でもないですし、院長からもよろしく頼むと言われてますから」

P「ふぅん」

事務室


小鳥「あ、Pさん。院長が呼んでましたよ?」

P「え? 院長が?」

小鳥「はい。院長室で待ってるそうです」

P「なんだろう……」

院長室


コンコン


高木「入りたまえ」

ガチャ

P「失礼します」

高木「おお、君かね」

P「院長、どういったご用件でしょうか?」

高木「なに、ちょっと話がしたくてね……ま、座りたまえ」

P「はい」

高木「君がここで働きだして、三ヶ月ほどになる……時が経つのは早いものだ」

P「ええ、そうですね」

高木「時は、優しくも残酷だ……そうは思わんかね」

P「は、はあ……」

高木「いやすまない、つい話を脱線させてしまったな……ただ、君が接している子達の何人かには、時は無力だ。それは覚えておいてくれたまえ」

P「……はい」

高木「さて、本題に入ろう……単刀直入に言うが、君、ここで働かないかね?」

P「え……?」

高木「つまりだね……職が見つかるまでの繋ぎなどではなく、ここに骨を埋める覚悟で働かないかね? ということだ」

高木「実を言うと、今の君はまだ正式な職員という訳ではないのだよ……言うなればアルバイトだ。だが、君さえよければ、正式に雇ってもいい」

P「…………」

高木「君の噂は聞いている。よくやってくれているみたいじゃないか……私の見込んだ通りだ」

P「いえ、そんな……」

高木「どうだろう、ここで働いてはもらえないだろうか?」

P「…………」

P「……すみません。もう少し、考えさせてもらってもよろしいでしょうか……」

高木「……いいとも。だが、そうだな……あと十日ほどで決めてはもらえないかね」

P「……わかりました」

高木「うむ。では私からの話は終わりだ。時間をとらせてすまなかったね」

P「いえ……ところで院長」

高木「なにかね?」

P「少し、お痩せになりましたか?」

高木「! ……はっはっは……どうやら、日頃のダイエットが功を奏したようだね」

P「ダイエット……ですか」

高木「……P君、いい返事を待っているよ」

P「……失礼します」


バタン


高木「……ふふふ。本当に、時というものは残酷だ……」

91日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

外庭


P「おはよう春香」

春香「おはようございます」

P「今日も一緒に出掛けようと思って来たんだけど……いいか?」

春香「ええ、いいですよ。今日は、どこに行くつもりなんですか?」

P「そうだな……」




1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地
6 カラオケ

遊園地


P「けっこう繁盛してるみたいだな」

春香「そうですね」

P「さて、どのアトラクションからいこうかな……何か希望はあるか?」

春香「特にはありません」

P「じゃあ、まずはジェットコースターにしよう」

春香「え、ちょっと待ってください」

P「?」

春香「『?』じゃないですよ。私の席はどうするつもりですか」

P「ああ、そうか……映画館とかと違って、その場にいなきゃ駄目なのか」

春香「ええ」

P「じゃあ、頑張ってマシンにしがみついててくれ」

春香「なんで私だけそんなハードモードに挑戦しなきゃいけないんですか……いやですよ」

P「うーん……じゃあ、お化け屋敷にするか」

春香「えっ」

P「どうした?」

春香「……ほ、ほらあれですよ。私、幽霊ですから? そんな所に行っても楽しめないっていうか……」

P「そうか? お友達がいるかもしれないぞ?」

春香「と、とにかくお化け屋敷は却下です」

P「……じゃあ、どれにすればいいんだ?」

春香「そうですね……コーヒーカップなんかどうですか?」

P「それだと、俺が独りでコーヒーカップを楽しむ青年ということになるんだが……」

春香「どれにしたって同じことだと思いますけど……じゃあどうするんですか? 遊園地に行こうって言い出したのは、Pさんですよ?」

P「…………」

春香「…………」

P「……しょうがない、観覧車にしよう」

春香「そうですね」

夜 廊下


P「……はぁ」

あずさ「あら? Pさん?」

P「あ、あずささん。こんばんは」

あずさ「はい、こんばんは~。どうしたんですか? ため息なんかつくと、幸せが逃げちゃいますよ?」

P「いえ、ちょっと……あれ? あずささん、買い物帰りですか?」

あずさ「はい~。あ、そうだ。Pさん、お酒飲めますか?」

P「え? ええ、まあ」

あずさ「よかったわ~。それじゃ、行きましょう?」

ガシッ

P「え、ああっ!? ちょっとあずささん、どこ行くんですか!?」

あずさ「うふふっ……いい所、ですよ~」

ズルズル

P「あ! 分かった! さてはあずささん、既にちょっと飲んでますね!?」

あずさ「うふふっ♪」

あずさの部屋


あずさ「さあさあPさん、いらっしゃ~い♪」

P「どこかと思えば、あずささんの部屋ですか……お邪魔します」

あずさ「今グラス用意しますね~」

P「あ、はい」


しばらくして……


あずさ「どうぞ~」

P「ありがとうございます」

あずさ「それで、どうしてため息ついてたんですか?」

P「……ちょっと、この先のことについて悩んでまして」

あずさ「この先のこと……ですか?」

P「はい。実は院長に、ここで正式に働かないかと誘われてて……」

あずさ「まあ、そうなんですか」

P「元々は、次を見つけるまでの繋ぎのつもりだったんですけど……やってる内に、だんだんみんなに愛着が湧いてきて」

P「……でも、本当にここで働くべきなのかなって……思っちゃうんです。給料低いし、休みもないし……将来、後悔するんじゃないかって……」

あずさ「そうですか……」

P「はい……すいません、あずささんにこんなこと、言うべきじゃないですよね」

あずさ「いえ、構いませんよ」

あずさ「……私、昔はここのことが大嫌いだったんです」

P「え……?」

あずさ「前にお話ししましたよね? 私、ここの育ちだって……」

P「はい」

あずさ「当時は、どうして自分がこんな所にいるんだって、ずっと思ってたんです」

あずさ「お父さんとお母さんがいないのが、悲しくて辛くて……それに、学校では馬鹿にされてたんですよ、『施設育ち』とか『捨て子』とか……」

P「そうなんですか……」

あずさ「そんな時、一人の子に出会ったんです」

あずさ「その子は、親に捨てられてここに来た子でした。なのに私と違って明るくて、みんなと仲良く遊んでました」

あずさ「でもある日、たまたまその子が隠れて泣いてる所に出くわしたんです……『お父さん……お母さん……』って、泣いてました」

あずさ「その姿を見たとき思いました。『みんな同じなんだ』って……『ここにいる子は、心のどこかに傷を負ってるんだ』って……」

あずさ「その時、初めてここが素敵な場所に思えたんです。『ああ、ここは、心に傷を負った子を癒してあげるための場所なんだな』……って」

P「…………」

あずさ「そう思ってから、拗ねるのは止めました。できるだけ、他のみんなを癒してあげられるようにって、頑張りました」

あずさ「ここでしか働けなかったけど、私は後悔してません。ここの子の傷を癒すお手伝いができるのが、私にとっては、何よりうれしいことなんですから」

P「あずささん……」

あずさ「ごめんなさい、私なんかの話じゃ、Pさんの参考にはなりませんよね」

P「いえ、そんなことはありませんよ。今の話、すごく参考になりました」

あずさ「それなら、よかったです……。あ、そうだ。Pさん、マッサージしてあげましょうか?」

P「へ?」

あずさ「いつもお疲れでしょうから、私が労ってあげますよ?」

P「……はは、ありがとうございます。じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな……」

あずさ「は~い。じゃあ、ちょっと待っててくださいね~」

P「はい。……あ、これでしてくださるんですか?」

あずさ「え?」

P「これ、マッサージ機ですよね? 電動の」カチ

ヴィィィィ

P「お、動い」

バキ!

P「がっ……!?」

ドサッ

92日目


P「んー……」パチ

P「…………」

P「……ん?」ムクッ

あずさ「あ、起きましたか? おはようございます~」

P「アイエエエ!?」

あずさ「あらあら、どうかしましたか?」

P「な、なんで……!? 俺、なんであずささんの部屋に……!?」

あずさ「覚えてないんですか? 昨日、私の部屋で飲んでる最中に酔いつぶれて寝ちゃったんですよ?」

P「……そういえば……たしかに、あずささんの話を聞いてるあたりまでの記憶はありますね……」

あずさ「私の話を聞き終わったらすぐに寝ちゃったんです」

P「そうでしたか……すいません、迷惑かけて」

あずさ「いえいえ♪ それより、もうすぐ朝ごはんできますからね」

P「あ。ありがとうございます」


しばらくして……


P「ご馳走さまでした。じゃあ俺、自分の部屋に戻りますね」

あずさ「わかりました。行ってらっしゃい、Pさん」

P「あはは……ありがとうございました」





P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

外庭


P「……なあ、春香」

春香「なんですか?」

P「春香って、いつも同じ服だよな」

春香「……気づいてしまいましたか、その事実に」

P「うん」

春香「まあそうですよ。私としては不本意なんですけど、残念なことに常に同じ服です」

P「衣装変えたりとかできないのか?」

春香「できたらとっくにしてますよ」

P「そうだな……じゃあ、今着てるその服は……」

春香「ええ。たぶん私が幽霊になった時からずっと着てる服です」

P「たぶん?」

春香「……正直、あんまり幽霊になったあたりのことを覚えてないんですよ」

P「へえ、気がついたらここにいたって感じか?」

春香「そんな感じ……でもないですけど。まあ、過去のことなんてどうでもいいじゃないですか」

P「…………」

P(ん……待てよ? ということは……今春香が着てる服って、ずっと春香に着られっぱなしってことだよな?)

P(……幽霊だから、汚れたりはしないんだろうけど……春香の汗とか、匂いとか、ついたりしないんだろうけど……それでも、なんだか……)

P「…………」

春香「……Pさん? 鼻の下が伸びてますよ?」

P「うっ……すまん」

春香「…………」ジトー

P「ああっ、やめてくれ……そんな目で見ないでくれ……」

春香「そう言うわりに、なんで嬉しそうなんですか……」

93日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

図書室


P「うーん……面白そうな本はだいたい読んじゃったな」

P「さて、何を読もうかな……ん?」

『非言語交流 ~猿から宇宙人まで~』

P「なんだこれ」スッ

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P(……なるほど。仕草や表情……言葉がなくても、全く意志疎通ができないってわけじゃないのか……)


しばらくして……


P「…………」パタン

P「……意外と役に立った気がするな。タイトルで避けなくて正解だったかもしれない」

93日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

外庭


P「……はぁ」

春香「何か、悩み事ですか?」

P「……実は、院長からここで正式に働くかどうか決めてくれって言われててさ……」

春香「それで、どっちにするか迷ってる……と」

P「ああ」

春香「…………」

P「……なんだ? 何か言いたそうだな」

春香「いえ……少しだけ、羨ましいなって思いまして」

P「羨ましい? 悩むのが?」

春香「はい」

P「なんでだよ、別に楽しいものじゃないぞ?」

春香「だってそうやって悩むのって、未来に不安があるから……言い換えれば、生きているからじゃないですか。それは、私にはできないことです」

P「…………」

春香「大丈夫ですよ、Pさん。どういう選択をするにせよ、迷って、悩んで、苦しんで……その結果選んだ道は、きっと幸せにつながってますから」

P「春香……」

春香「ただ、私個人としては、Pさんにはずっとここにいて欲しいですけどね」

P「……ありがとう」

春香「いえいえ」

94日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

外庭


P「おはよう春香」

春香「おはようございます」

P「今日も一緒に出掛けようと思って来たんだけど……いいか?」

春香「ええ、いいですよ。今日は、どこに行くつもりなんですか?」

P「そうだな……」




1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地
6 カラオケ

カラオケ


春香「またカラオケですか」

P「ああ。嫌だったか?」

春香「いえ、別に」

P「そうか。なら、曲は何にする?」

春香「じゃあ……『I want』で」

P「おっけー」ピッ

~♪


しばらくして……


春香「どれだけ♪ 燃える、燃える一途に♪」

春香「求めて♪ 翔べる、翔べるどこまで♪」

P「おー」パチパチ

春香「ふぅ……」

P「お疲れ。この曲も、前に聴いてた曲なのか?」

春香「いえ、これは違います」

P「へえ、幽霊になってから聴いた曲か」

春香「はい」

P「ふうん……どうやって聴いたんだ?」

春香「部屋に置いてあった、あのいっぱい音楽が入ってる小さな機械で聴きました」

P「あー、音楽プレーヤーのことか……ん? 部屋って、誰の部屋だ?」

春香「…………」ピッ

~♪

P「あっ、おい」

春香「ほら、もう曲が始まりますよ」

P「もしかして俺の部屋なのか!?」

春香「さぁ? どうでしょうね」

P「ていうか今、何気にパネル操作してたし……! くっ……後で徹底的に追求するからな!」

春香「じゃあ、今のうちにPさんが歌う曲を入れまくっておきますね」ピッピッピッ

P「あー!?」

95日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

中庭


P「雪歩ちゃん」

雪歩「あ、Pさん。今お茶を……」

P「そこから出てみようか」

雪歩「……え?」

P「そこから出て、地面に立とう」

雪歩「……む、むむむ無理です! わ、私……!」

P「大丈夫。なにも外に出ろって言ってるわけじゃないよ」

雪歩「それでも無理ですぅ!」

P「……ねえ、雪歩ちゃん。たしか、穴の中なら大丈夫なんだよね?」

雪歩「ふぇ……? あ、は、はい……一応」

P「うん、それじゃあ、ちょっと周りをよく見てみようか」

雪歩「ま、周り……ですか?」

雪歩「…………」

雪歩「え……あれ……? ま、窓が……?」

P「そう。中庭に面する窓のカーテンを全部閉めてきた。ここは今、完全に囲まれた穴なんだ」

雪歩「穴……?」

P「そう、ちょっと大きいだけの穴だよ。だから、大丈夫だろう?」

雪歩「あ、穴……ここも、穴……」

P「…………」

雪歩「ここも穴……ここも穴……」

P「…………」

雪歩「穴……穴……穴……」

スッ

P「!」

雪歩「はぁ……はぁ……」

P「頑張れ! 雪歩! もう少しだ!」

雪歩「っ……穴っ……! ……ここも……穴……! 穴っ……! 」


グッ


P「!!」


タッ!


雪歩「はぁっ、はぁっ……」プルプル


P「やった!」

雪歩「Pさん……! わ、わた、私っ……! た、立ててますぅ……!」

P「おめでとう……雪歩ちゃん。これで、一歩前進できたね」

雪歩「はいっ!」

96日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

エントランス


響「あっ、やっと来た!もー遅いぞ! 自分、十分ぐらい前から待ってたんだからな?」

P「悪い悪い……えっと、今日はバイトとかないんだよな?」

響「うん。でも、みんなの世話しなきゃだから、あんまり遅くなるのはやめてよね」

P「わかってるよ。じゃ、行こうか」

響「あっ、そういえば自分、行き先聞いてないぞ?」

P「まだ言ってないからな」

響「どこに行くんだ?」

P「そうだな……」




1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地
6 カラオケ

遊園地


ガヤガヤ


響「ふーん、けっこうにぎやかなんだな」

P「遊園地は初めてか?」

響「そうだなー。そういえば自分、今まで遊園地で遊んだことないや」

P「そうか。じゃあ、何か気になるアトラクションとかあったら言えよ」

響「うーん……どれにしよっかなー」

P「お、あれなんかいいんじゃないか?」

響「ん? どれだ?」

P「ほらあれ、パンダカー」

響「…………」

P「どうした? 動物好きだろ?」

響「……自分、高校生だぞ?」

P「そうなの?」

響「そこからなのか!?」

P「すまん、今までずっと……」

響「中学生だと思ってたのか?」

P「小学生だと思ってた」

響「…………」バシッ

P「痛い痛い」

響「もー……じゃあ、最初はジェットコースターでいいぞ」

P「え? 大丈夫なのか?」

響「たぶんね。そんなに高いところ苦手でもないし」

P「いや、そっちじゃなくて……」

響「?」

P「身長制限に引っ掛かるんじゃ……ああわかった、わかったから、痛い痛い」

響「フラー!」

97日目


P「…………」

P(もうすぐ期限か……)

P(今日を含めると、あと三日……その間に、どっちにするか決めないとな)

律子「おや珍しい、考え事ですか? Pさん」

P「まあ、ちょっとな」

律子「そうですか。何か力になれることがあったら、言ってくださいね」

P「ああ」





P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

運動場


P「……なんだか、人がまばらだな」

P(真は……まあ、いないよな)

「…………」ドンッ

P「っ!」

「あー、さーせーん。見ぇませんでしたー」

P「……いや、いいよ。次から気をつけてね」

「……チッ」スタスタ

P「…………」

P(ずいぶん嫌われてるな。まあ、それも仕方ないか……)

P「…………」

98日目


P(あと二日……か)

P「はぁ……」

小鳥「悩んでるみたいですね」

P「音無さん……そりゃそうですよ。一生ものの決断なんですから」

小鳥「そうなんですかね?」

P「え?」

小鳥「別に正式に働きだしたからって辞めれない訳じゃないですし……そんなに重く考えることでもないと思うんですよね。それこそ、気になる女の子がいるって理由で決めてもいいぐらいですよ」

小鳥「正直、どうして院長が期限を決めたのか、私には分かりません」

P「……たしかに」

小鳥「ま、院長なりの考えがあるのかもしれませんけどね……どっちにしろ、あんまり深く考えすぎる必要はないと思いますよ」

P「なるほど……」

小鳥「さて、私もそろそろ仕事始めますか……それじゃ、今日も一日頑張りましょうね」

P「ええ」




P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

事務室


P「律子ー」

律子「はい、なんですか?」

P「えっと……」



1 特にない
2 雪歩について
3 千早について
4 律子について

P「律子はどうして、ここで働いてるんだ?」

律子「…………」

律子「そうですね、実は、あなたと似た理由なんですよ」

P「え?」

律子「私の場合は、バイトを探してたら院長に声をかけられたんです。最初はまあ、怪しく思ってたんですけど……とりあえず働いてみることになりまして」

律子「……元々は、いずれ辞めるつもりでしたよ。でも……」

P「……ここの子達は、いい子ばかりだからな」

律子「ええ」

P「……しかし、そうか……なるほどね」

律子「Pさんは、まだ迷ってるんですか?」

P「……んー」

律子「……ふふっ。聞くまでもないですかね? だって、あなたももう、分かってるんですから」

P「…………」

律子「だから言ったんですよ。いずれ辞めるつもりなら、さっさと次の職と家を探した方がいいって」

P「……いや、どうだろう。たぶん、その時にはもう、遅かったんじゃないかな」

律子「おや、そうですか? それはまた、ずいぶん早いんですね」

P「そういう律子は、どうだったんだよ?」

律子「……おや、もうこんな時間ですか。そろそろ、仕事に戻らないと」

P「ふうん、なるほどなるほど……」

律子「……仕方ないじゃないですか」

P「そうだな。じゃあ、俺もそろそろ仕事に戻るとするよ」

律子「ええ、今日も一日頑張りましょう」

99日目


P「…………」

P(今日が最後か……明日には、院長に報告しないとな)

P(…………)

P(うん。やっぱり、俺は……)




P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

中庭


P「中庭って、案外人がいないな」

P「まあ、外庭とか運動場とか、遊び場はいくらでもあるし……子供達はあまり来ないんだろう」

P「だからこそ、静かでいい場所なのかもしれないな」

P(ん……待てよ? そういえば以前、中庭がどうとかって子供達が話してたような……)

P「ええと、確か、七なんとかって言ってたか……? うーん、忘れたなぁ」

P「今度子供達に訊いてみるか。とりあえず今は、ここで昼休みが終わるまでのんびりしよう」

P「…………」

P「…………」

P「……zzz」

100日目


P「……よし」

P(もう決めた……あとは、院長に報告するだけだ……)

P「でも、院長はどこにいるんだろう……院長室にいるかな?」


小鳥「た、たいへんですPさん!」

P「ん? 音無さん、どうかしましたか?」

小鳥「い、院長が……病院に運ばれたそうです!」

P「ええ!?」

病院
高木の病室


ピッ……ピッ……

高木「…………」


P「い、院長……」

小鳥「あ、あの! 院長の容態はどうなんですか!?」

「……極めて危険な状態です。もって一週間と言ったところでしょうか」

小鳥「そ、そんな……」

P「……もしかして、院長はよくここに来てましたか?」

「はい。検査に来られた時には既に遅かったのですが、少しでも延命できるよう、通っていただいておりました」

P「じゃあ、院長は自分の残りの寿命を知っていたんですか……?」

「ええ。四ヶ月ほど前には」

P(四ヶ月前か……俺がここに来る少し前だ)

小鳥「もう、本当に助かる見込みはないんですか……?」

「ええ……残念ながら」

P「……院長は、もう目を覚ますことはないんですか……?」

「それは分かりません……もしかすると、あるのかもしれませんが……なんとも言えませんね」

P「……分かりました。ありがとうございます」

「いえ……それでは、失礼します」


小鳥「院長……」

事務室


律子「そう……ですか。院長が……そんなことに……」

P「……もっと早く、院長に報告するべきだった……」

律子「え?」

P「医者は、院長が四ヶ月前に寿命を知ってたって言ってた。院長は、たぶん自分が死ぬ前に俺が正式に働きだすのを見たかったんだと思う……俺と話す時はよく、時間を気にしてたから……」

律子「……そうかもしれませんね。院長、あなたが来る前の日に言ってましたよ『明日、期待の新人が来る』」

P(ああ、ここに初めて来た日に音無さんに聞かされたな……)

律子「『いずれは私の跡を継いで院長になる男だ。みんな、よろしく頼むよ』って……」

P「え?」

律子「院長は……ああ見えて人を見る目は確かですからね、きっと、あなたに何かを感じてたんでしょう」

P「…………」

P(本当に……もっと早く伝えて、院長を安心させるべきだった……)

P(せっかく、ここで働いていく覚悟ができたって言うのに……)


律子「……なに暗い顔してるんですか」

P「え?」

律子「今は勤務中ですよ。もっと明るくしてください……じゃないと、みんなにも影響がでちゃいますよ?」

律子「院長は、そんなこと望んでいませんよ……きっと」

P「……そう、だな……ありがとう、律子」

律子「いえ……別に」

P「じゃあ、そうだな……さっそく仕事に戻るとするよ」

律子「ええ、そうしてください……どうしても仕事が手につかないなら、院長の様子を見に行ってもいいですからね」





P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設、病院から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥、高木から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

医務室


あずさ「院長、倒れたらしいですね?」

P「ええ。あずささんは、その……院長の病気のこととか、知ってました?」

あずさ「いえ、全然知りませんでした……」

P「そうですか」

あずさ「……あの院長が、こんなことになるなんて……ちょっとショックな気もしますね」

P「そういえば、あずささんはここ育ちでしたよね。やっぱり院長とも長い付き合いなんですか?」

あずさ「ええ、まあ……ここに来た時からですし、私にとっては長いですね」

P「ふうん……昔の院長って、どんな感じでしたか?」

あずさ「うーん、昔と言っても、精々十数年前ですから……あんまり今と変わりませんでしたよ?」

P「そうなんですか」

あずさ「はい。そもそも、昔から会うことは少なかったですし……正直言って、よくわかりません」

P「へえ……」

P(もしかして、いつも見かけないのは通院してたからだけじゃなくて、遊びに行ってたからじゃないのか……?)

101日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設、病院から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥、高木から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

外庭


春香「へぇ、院長がそんなことになったんですか」

P「軽いな……まあ、春香はあんまり関係ないから仕方ないのか」

春香「ええ。一度も喋ったことないですから」

P「……一応訊くけど、何もしてないんだよな?」

春香「と言いますと?」

P「いや、とり殺そうとか……してないんだよな?」

春香「当たり前じゃないですか。なんで私が喋ったこともない人を殺したりしなくちゃ……」

P「……? どうした?」

春香「……いえ、なんでも。とにかく、私は何もしてませんよ」

P「そうか。ならいいんだ」

春香「…………」

102日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設、病院から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥、高木から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

図書室


P「お、いたいた。よっ、響」

響「なんだ、Pか……」

P「なんだとはなんだよ」

響「なに? 何か用でもあるのか?」

P「あー、うん。ほら、この前進路がどうとか言ってただろ? あれってどういうことなのかなって思って」

響「あれは……なんでもないって言っただろ?」

P「なんでもないわけないだろ。聞かせてくれよ、力になるぞ」

響「…………」

響「……じゃあ、質問してもいいか?」

P「いいぞ」

響「自分、前に訊いたよね? 自分が人の上に立てるかどうか……あの時は答えてくれなかったけど。あれに、答えてくれないか?」

P「え? えっと……」

P(たしか、前に変な本読んでたよな? 人心掌握がどうとか……ってことは、立ちたいのか?)

P(うーん……相変わらずそんなに響のことは知らないからなぁ……)

P(響と言えば……そうだな、動物好きかな。動物保護施設の管理までしてるし……)

P(読んでた本から察すると、立てるって言ってほしそうだ。でも、動物と接してる時の響って、人の上がどうとかって感じじゃないよな……)

響「…………」

P(うーん……)


1 立てる
2 立てない
3 わからない

P「立てるんじゃないか?」

響「ほ、本当か!?」

P「ああ」

P(猿山の大将って感じだ……とは、言わないでおくか)

響「そ、そっか……えへへ」

P「……なあ響、なんだってそんなこと気にしてるんだ?」

響「自分、みんなを見返してやりたいんだ」

P「みんな?」

響「うん、故郷のみんな」

P「ああ、えっと……響の故郷って沖縄だっけ?」

響「そうだぞ」

P「ふーん……それで?」

響「? それでって?」

P「いや、結局何を悩んでたんだよ」

響「ああ。それは本当に進路の話だぞ。進学するか、就職するかの、進路」

P「へぇ? 響っていくつだっけ」

響「16歳」

P「じゃあ、高一だろ? 悩み出すの早くないか?」

響「人の上に立つ人間になるためには、学歴が大事なんだろ? だから、今のうちからちゃんと進路を決めておかないとな!」

P「ああ、なるほど……?」

P(なぜだろう……しっかりしてるのかしてないのか、よくわからないな。なんでだろう)

P「……まあ、なんにせよ目標を持って頑張るのはいいことだ。応援してるぞ」

響「うん!」

103日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設、病院から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥、高木から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

病院
高木の病室


ピッ……ピッ……

高木「…………」


P「……院長」

P(このまま、目を覚まさずに死ぬつもりですか……?)

P(まだ俺は、あなたに返事を伝えていませんよ……?)

P「…………」


小鳥「……あれ? Pさん?」


P「あ……音無さん? どうしてここに?」

小鳥「えっと……私、あれから毎日ここに来てるんですよ」

P「そうなんですか?」

小鳥「はい。院長には……本当にお世話になりましたから」

P「…………」

小鳥「……まだ何も返せてないのに……こんなのって、ないですよ」

P「……大丈夫ですよ、音無さん」

小鳥「……?」

P「院長は、きっと目を覚まします。その時、伝えましょう……俺達の想いを」

小鳥「……そうですね」

P「それじゃあ、俺はそろそろ院に戻りますね」

小鳥「はい。もしもの時は……連絡しますね」

P「お願いします……音無さんも、あんまり無理はしないようにしてくださいね」

小鳥「ええ」

104日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設、病院から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥、高木から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

病院


P「……今日こそは、目を覚ましてくれないかなぁ……」

P「……ん?」


ガラッ

「…………」スタスタ


P(今あの人、院長の部屋から出てきたよな?)

P「あ、あの!」

「……なんだ?」

P「えっと、俺は765院の職員です。失礼ですが、院長の知り合いですか?」

「そうだが?」

P「もしよかったら、院長のお話を聞かせてもらえませんか?」

「……そんなことを聞いて、どうしようと言うのだ」

P「俺は、院長のおかげで765院で働けたし、そこで多くの出会いを得ることもできました。院長には、とても感謝しているんです」

P「ですが、俺が入ったのはほんの数ヶ月前で……院長とはあまり話せていませんでした。だから、院長のことを殆ど知らないままなんです……」

P「お願いします! なんでもいいんで、院長の話を聞かせてください! 俺の人生を変えてくれた恩人のことを、せめてもっとよく知っておきたいんです!」

「……生憎だが、私は忙しいのだ。思い出話に花を咲かせている暇はない」

P「そ、そこをなんとか……!」

「……貴様、名前は?」

P「え? あ……えっと、Pです」

「……なるほど、そうか貴様が……」

P「え?」

「いや……なんでもない。先程も言ったが、私は忙しいのだ。貴様と話している時間はない…………今日はな」

P「……!」

「そういうわけだ……私はこれで失礼する」

P「は、はい!」

「…………」スタスタ

P(今日は……ってのは、次に会った時にって意味……だよな?)

P(それにしてもあの人、元気なさそうだったな……それに、どこかで見たような……?)

105日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設、病院から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥、高木から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

病院
ロビー


「……む」

P「ああ、こんにちは。やっぱり来てくれましたか」

「……待っていたのか、いつ来るとも知れない私を」

P「もちろんですよ……ええと、お名前はなんでしたっけ」

「名乗った覚えはないが……まあいい」

黒井「私は、黒井崇男だ」

P(黒井崇男……? ブラックジャック名乗れそうだな……)

P(でも、この名前も、前にどこかで……)

P「……あ! もしかして、961プロの黒井社長ですか!?」

黒井「ほう、私のことを知っているのか」

P「以前、雑誌でお名前を拝見したことがあります」

黒井「そうか」

P「それで……今日は、お話を聞かせてもらえるんですよね?」

黒井「ああ、いいだろう。だが……こんな所で立ち話をする気か?」

P「それもそうですね、移動しましょうか……どこにします?」

黒井「……奴の部屋には、今誰かいるのか」

P「院長の病室ですか? いえ、誰もいません」

黒井「ならば、そこでいい。どうせ奴には聞こえんのだ、構うこともないだろう」

P「…………」

高木の病室


ピッ……ピッ……

高木「…………」


黒井「……さて、どこから話したものか迷ったが……やはり、最初から話すべきだろうな」

黒井「私と高木の関係から、話すべきだろう」

P「…………」

黒井「言っておくが、他言は無用だ」

P「ええ、わかってます」

黒井「ふん、どうだかな……貴様はどうも、言いつけを忘れそうな顔をしているからな」

P「うっ……」

P(否定できないのがつらい……)

黒井「……まあいい、本題に入るぞ」

P「はい……」


黒井「……かつて、私とそこに寝ている男は、アイドルのプロデューサーをしていたのだ」

P「プロデューサー……ですか?」

黒井「そうだ。それも、同期入社だった……今はもう、当時所属していた事務所は残っていないがな」

黒井「あの時は、私もこいつも若かった。共に働きながら『いつかトップアイドルをこの手で育て上げる』……そんな夢を、よく語りあっていたよ」

黒井「そして、そんなある日のことだ。私達に、担当アイドルができた」

P「それぞれ一人ずつですか?」

黒井「いや、二人に一人だった。まだ新人に毛が生えた程度の上、事務所も人手に困っているわけではなかったからな」

黒井「初めての担当アイドル……それはそれは張り切ったとも。彼女をトップアイドルにするために、できる限りのことをしていた」

P「…………」

黒井「そんな私達の努力の賜物か、はたまた彼女自身の才能が故か……おそらくは後者だが、彼女は、異例の早さでトップアイドルへの階段をかけ上がっていった」

黒井「だが、本当に、私達は若かった……芸能界を、甘く見すぎていたのだ」

P「なにか……あったんですね?」

黒井「ああ。同じ事務所の者からの嫌がらせや、他の事務所からの妨害が山ほどな……」

黒井「衣装に仕込まれた剃刀、異物が混入した差し入れ、落ちてくる照明……数えあげれば、きりがないほどだったらしいぞ」

P「…………」

黒井「そして、残念なことに……私達がそれに気づくのは、遅かった」

黒井「ひたすら営業やらなんやらに精を出して、肝心の彼女が見えていなかったのだよ……笑わせるだろう?」

P「いえ……そんなことは……」

黒井「ふっ……彼女は、私達の前ではいつも笑顔だったからな……尚更気づけなかったよ。心配をかけさせまいとしていたのか知らんが、まったく、余計なことをしてくれたものだ」

黒井「その心配をするのが、私達の仕事でもあったというのに……な」

P「…………」

黒井「ともあれ、私達が初めてそれに気がついたのは……」

ブーッ ブーッ

黒井「おっと……失礼」スタスタ

P(携帯って、病院で使用してよかったっけ?)

P(……まあ、一応病室からは出ていったし大丈夫か)


しばらくして……


黒井「…………」スタスタ

P「あ、終わりました?」

黒井「ああ。だが残念なことに、いますぐ会社に戻らねばならなくなった。悪いが今日はこれで失礼する」

P「そうですか。それでは、またの機会にしましょう」

黒井「そうしてくれ」

P「……ところで、自分から頼んでおいてなんですけど……どうして俺に、こんなことを話してくださるんですか?」

黒井「……さてな。私にもよくわからん。ただ、もしかすると……」

黒井「……いや、なんでもない。それでは」

P「え? あ、はい」

P(……黒井社長、この前読んだ雑誌に色々書かれてたけど……噂ほど、悪い人には見えないなぁ)

106日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設、病院から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥、高木、黒井から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

動物保護施設


P「うーん……相変わらず凄いな。犬に猫にハムスターに……」

P「シマリスにオウムにウサギにブタに……」

P「ヘビにワニにエリマキトカゲ……いったいこんなにどこから連れてきたんだ」

響「飼い主が連れてきたり、警察が連れてきたり、いろいろだな」

P「へー……で、餌代は院がもってるわけか?」

響「……そりゃそうでしょ。自分じゃ……」

響「……絶対に……無理だぞ」

P「ふーん」

P(これだけ数がいたら、餌代も結構かかるんだろうなぁ……)

P「……あれ? そう言えば、この前いたあの犬がいないな。人懐っこくてかわいかったのに……どうしたんだ?」

響「…………」

P「響?」

響「……いつまでも喋ってないで、手を動かしてよ。まだ餌やり終わってないでしょ」

P「? わ、わかった」

107日目


P「……あの宣告から、もう一週間ほど経ったよな」

P「そろそろ、覚悟しないと……」





P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設、病院から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥、高木、黒井から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

病院
高木の病室

ピッ……ピッ……

高木「…………」


P(目、覚まさないな……)

ガラッ

P「……ん?」

「あら……あんたもしかして、765院の職員じゃない?」

P「えっ? ああ、そうだけど……」

「やっぱりね。それで、院長の容態はどうなの?」

P「もう、かなり危ない状態だそうだよ」

「ふぅん……そうなの」

P「…………」

P(誰だこの子……見たことない子だな)

P(……いや待てよ、もしかして……院長のお孫さんとかじゃないか? 年を考えれば充分あり得る……かも)

P(でも、それにしては来るタイミングがおかしいような……いや、子供夫婦が離れて暮らしてる可能性も……)

P(しかし、似てる……とは言いがたいような……?)ジー

「……何よその目は。言っておくけど、私は院長の孫じゃないわよ」

P「あ、そうなの?」

「ええ」

P「そうか……じゃあ、遅くに作られた子供の方だったか」

「違う」

P「えっ……じゃあ……」

「…………」

P「……年の離れた奥さん?」

「そんなわけないでしょ!? 身内の線を消しなさいよ!」

P「あっ……そうか、ごめん」

「まったく……」

P「大丈夫だよ。血が繋がってなくても、きっと絆は……」

「養 子 で も な い !いい加減にしなさいよあんた!? ていうか養子も身内でしょ!?」

P「ははは、冗談だよ」

「っ……へえ~、初対面の相手にいきなり冗談をかますなんて、いい度胸してるじゃない」

P「ありがとう」

「褒めてないわよ! ……ったく、もういいわ」スタスタ

P「あれ、どこいくの?」

「帰るのよ。もう用は済んだし、早いとこお父様に報告しなくちゃ」

P「ふーん」

「それじゃあね、馬鹿職員」

P「失礼な、俺にはPという名前があるんだぞ」

「はいはいPね……覚えといてあげるわ」

スタスタ


P「……結局何者だったんだ」

事務室


P「ふぅ……」

律子「お疲れさまです、Pさん」

P「ありがとう、律子。やっぱり、慣れない作業は疲れるな」

律子「そうでしょうね。でも、これからは正式に働くつもりなんですよね? だったら、これくらいできるようにならないと」

P「そうだよなぁ……」

プルルル……

P「おっと」ピッ

P「もしもし?」

『……Pさん。私です、音無です』

P「音無さん? どうかしましたか?」

『…………』

P「……まさか……」

律子「…………」

P「…………わかりました、すぐ行きます。ええ、律子にも伝えておきます……はい……はい、それでは」

ピッ

律子「……とうとう、ですか」

P「……ああ」

律子「……車を出しますから、少し待っててください」

P「わかった」

病院
高木の病室


高木「…………」



小鳥「…………」


ガラッ


小鳥「!」

P「……音無さん」

律子「…………」

小鳥「……Pさん……律子さん……」

P(心電図が動いてない……それに、顔に白い布が……)

小鳥「……ついさっき、です」

P「……そうですか」

P(間に合わなかったか……)

律子「……院長……」

小鳥「…………」


P「…………」

スッ

律子「……Pさん?」


P「……院長、あの日、俺に仕事をくれて、ありがとうございました」

律子「…………」

P「院長のおかげで、今、俺は毎日が楽しいです。頼れる同僚や、院のみんなに、あなたのおかげで出会うことができました」

小鳥「…………」

P「本当に、院長には感謝しています……ありがとうございました」

P「……伝えられなかった返事を、今言います」


P「喜んで、お受けします。これからもずっと、みんなのために、頑張ります」


小鳥「…………」

律子「…………」

P「音無さん、律子……これからも、よろしくお願いします」

小鳥「ええ……もちろんですよ」

律子「こちらこそ、よろしくお願いします……Pさん」




そして……


翌年
事務室


律子「…………」カタカタ

コトッ

律子「?」

小鳥「コーヒーでもいかがですか? 律子さん」

律子「ああ、小鳥さんでしたか……ありがとうございます」

小鳥「だいぶお忙しいみたいですね」

律子「ええ。更に業務が増えましたから」

小鳥「そうですね……でも、無理はいけませんよ? 律子院長♪」

律子「や、やめてくださいよ……」

小鳥「ふふっ」

律子「…………」

律子「あの、小鳥さん。私、思うんです……前院長は、本当はPさんに後を継いでほしかったんじゃないか……って」

小鳥「……そうかもしれませんね。Pさん、だいぶ気に入られてたみたいですから」

律子「本当に、私なんかが院長してていいんですかね?」

小鳥「いいんじゃないですか? 他ならぬPさん自身が推してくれたんですから」

律子「そうなんですけどね……なんといいますか、一番若い私が院長ってのが、ちょっぴり申し訳ない気分にさせるんですよね」

小鳥「年なんて関係ありませんよ。律子さんは仕事もできるし、何よりも、本当にここの子達を大事にしてるじゃないですか」

小鳥「年なんて関係ありません」

律子「……そ、そうですか」


フワッ


小鳥「あら、桜の花びら……」

律子「そういえば、もうそんな季節ですか」

小鳥「Pさんが来たのも、この時期でしたね」

律子「じゃあ、もうここに来て一年ほど経つわけですか」

小鳥「そうですね」

律子「……あ」

小鳥「どうかしましたか?」

律子「いえ、ちょうどいい時期ですし、Pさんの一周年記念も兼ねて花見でもしたらどうかなって思いまして」

小鳥「ああ、なるほど。いい考えだと思いますよ?」

律子「じゃあ、後で主役の予定を訊かないとですね」

小鳥「ところで、そのPさんは今どちらに?」

律子「さあ。あの人、いつも院内を歩き回ってますからねぇ」

小鳥「仕事熱心ですよね」

律子「あれで、たまにサボるのがなければもっといいんですけどねー。バレてないとでも思ってるのかしら……」

小鳥「ふふっ、そうかもしれませんけど……それも含めてこそのPさんだと思いませんか?」

律子「……ま、それもそうですね」


律子「それじゃ、今日も頑張りますか」

小鳥「はい♪」



同じ頃……

外庭


P「いい天気だな……」


P「……俺がここに来て、もうすぐ一年か」

P「あっという間の一年間だったけど……色々あったよな」


P(あの院長が亡くなった日の後、何故か、俺を新院長にしてはどうかとの声があがった)

P(意外にも異を唱える人はおらず、あのまま行けば、俺は院長に就任していたかもしれなかった)

P(だけど、結局その座は律子に譲ることにした……ここに来て、まだ一年も経ってない俺には、正直荷が重かった)

P(その点、年下とはいえ、俺より長くここにいて様々な仕事をしている律子なら、なんとかしてくれるだろう……そう思ったからだ)

P(……ちなみに、音無さんという案もあったが、彼女もまた辞退した。本人曰く、『私は、みんなをサポートする方が性に合ってますから』だそうだ)


P(まあ、そんなこんなで俺は今、平の正職員としてここで働いている)

P「…………」

P(最近、改めてこの仕事が楽しいと思えるようになった)

P(様々な人との出会い、交流、そして別れ……その中で、他人の人生というものに関わることができるからだ)

P(他人が持つ、人生という名の物語の一部を……知ることができるからだ)

P(正職員になってからも、俺は色々な人の人生に触れてきた。そして、その人数分の物語を見てきた)

P(そうだな、例えば……)



P(響は今、毎日猛勉強している。なんでも、某有名大学を目指しているそうだ)

P(動物達の世話もちゃんとしているが、大変そうなのでたまに俺も手伝ったりしている。頑張れよ、響……応援してるからな)


P(真は、少し前に退院した)

P(だけど、結局会うことはなかった……きっと、これからも会うことはないだろう。そんな気がする)


P(…………)


P(貴音ちゃんは、いつの間にかいなくなっていた。誰一人、その後の彼女を見た者はいないそうだ)

P(もしかすると、記憶が戻って出ていったのかもしれないけど……真相は誰にも分からない。せめて幸せであることを祈るばかりだ)


P(千早ちゃんは、未だに声が戻っていない)

P(毎日のように屋上で空を見上げている彼女を見てると、とても不安な気持ちになる……いつか、空に吸い込まれて、消えてしまいそうな気がして……)


P(雪歩ちゃんは、今でも中庭でお茶を飲んでいる)

P(ただ、彼女の話では、少しずつ……本当に少しずつ、出られるようになってきているらしい。ファイトだ、雪歩)


P(やよいちゃんは、相変わらずみんなのお姉ちゃんだ)

P(それに、今までよりも更に色々な種類の仕事を手伝うようになってくれている……本当に、ありがたい)


P(あずささんは、今も医務室で働いている)

P(よく暇を見つけては、音無さんやおばちゃん達と飲んでいるらしい……しかしどうしてだろう? 彼女達を見ていると、婚期という言葉が思い浮かぶのは……)


P(亜美ちゃんは、今でもここにいる)

P(ただひとつ気になるのは……最近、真美ちゃんの姿が見えなくなったことだ。何故かは分からない。でも、おかげで亜美ちゃんに会いに行きづらい……バレたら、嫌われるんじゃないかと思ってしまうから)


P(律子は今まで以上に働いているみたいだ)

P(肩書きを重圧に思っているのかもしれない……高木院長のようにさせないためにも、俺たち同僚がしっかりサポートしないとな)


P(音無さんは、別段変化はなさそうに思える)

P(だけど俺は知っている……時たま、彼女が遠い目をするようになったのを。やはり、高木院長の死はショックだったようだ)



P()

P「…………」

春香「どうしたんですか? さっきからぼーっとして」

P「ん、ああ春香か……ちょっと思い出してたんだよ、この一年間のことを」

春香「そうですか」

P「……俺がここに来た時も、桜が咲いてたよな」

春香「そうでしたね。あれからもう一年ですか……早いなぁ」

P「年をとると時間が早く感じられるそうだぞ」

春香「へぇ、でも私には関係ありませんね。なんせピチピチの女子高生ですから」

P「元、だろ」

春香「私思うんですよ。死んだら、その時点で時間が止まったことにして扱うべきだって……」

P「所属してる学校が無いのに女子高生とは言えんだろう」

春香「むー」


P「……おっと、もうこんな時間か」

春香「なにかあるんですか?」

P「今日新しい子達が来るんだよ」

春香「新しい子達? どんな?」

P「たしか……声が大きい子と、ネット依存症の子と、性同一性障害?の子だったかな」

春香「ふーん」

P「だから、そろそろ事務室に戻らないと」

春香「わかりました。行ってらっしゃい、Pさん」

P「ああ、行ってくる」



P「…………」スタスタ


フワッ


P「ん、何か頭に乗ったか……?」


P「……なんだ、桜の花びらか」


P「…………」


P「よし、今日も頑張るか」



……………………
………………
…………


「Pさーん、チャンネル変えていいですかー?」


俺がここで働きだして、三年ほど経っただろうか。


春香は、いつの間にか俺の部屋に住みつくようになっていた。


「あー、あんまり面白い番組ないなー」


テレビを見たり、漫画を読んだりしながらゴロゴロする春香を見ていると、時々、彼女が幽霊であることを忘れてしまいそうになる。


……春香は、なんのために現世に留まっているのだろうか?


たまに、そんな疑問が浮かぶ。


だが、それを訊こうとすると、彼女は決まって俺を見ながら、こう答えるのだ。


「待ってるんですよ」



……何を?



『真美の質問コーナー』


Q伊織の登場遅すぎない?

真美「あれは、一年やる予定だった頃の名残だからねー。でも、ちゃんと別の出し方も用意してたよ?」


Q高木入院からの流れ早くない?

真美「ほんとはあそこで死ぬ予定じゃなかったからね、ちかたないね」


Qいつの間にか選択肢が消えたり増えたりしてたんだけど?

真美「きっと忘れてたんだよ」


Qなんで春香END?

真美「春香ENDでもあるけど、むしろ彼女なし+死亡回避ENDって感じなんだよね。ちゃんと攻略してよ」

二周目終わり
ありがとうございました

>>324未完成のまま誤爆&アニメ見逃しでテンションが下がる下がる……
今日中に終わらせようと思った結果がこれですよ……

あとあれですね、やよいと貴音書くの下手だったかなとか思ったり思わなかったりしますねさすがに

三周目に入るかどうかは例によって皆様の意見を参考にします

ただ、やるとしてもたぶんそれで最後になるし、今まで続けてた毎日更新も守れないかも……そこはあらかじめご了承ください


1 三周目
2 全員の大筋だけ

書き込んでるやつだけでこんなに楽しみにしてる人がいるんだぜ
まだやめるのは早いんじゃないかな(白目)

じゃあ、人数的にまだいけそうなので三周目で
すいませんが終わった後のことは終わってから考えます
イベ忘れと更新遅れと若干のストーリー変更があるかもしれないことだけ注意


>>349
続けば続くほど過去にやったイベを探すのが難しくなるんですよ……
それに当時の考えを忘れちゃったりするんで……

1日目


P「ここが765院か……なかなか大きな建物だな」

P(大学を卒業したはいいものの結局就職できなかった俺は、道端で出会った高木というおっさんに誘われ、とりあえずここ765院に就職することになった)

P(何をするところなのかはまだ聞いてないけれど、働けるだけ幸せだよな……)

P「…………」

P(あれ……今さらだけど、業務内容すら聞いてないのっておかしくないか?)

P(…………)

P「ま、まあいいや。職が見つかるまでの繋ぎでいいって言ってたしな」

エントランス


P「!」

P(イメージと違うな……病院かなにかかと思ってたけど、違うのかな?)

「あら? どちら様ですか?」

P(気がつくと、緑色の髪の女性が側に立っていた)

P「えっと、高木さんに呼ばれて来たんですけど」

「あ、それなら、あちらの院長室にどうぞ」

P「はい、ありがとうございます」

院長室


コンコン
ガチャ

P「失礼します」

高木「ん? おお! 君かね、待っていたよ!」

P「はい! 今日からよろしくお願いします!」

高木「うむ! いい返事だ。それじゃあ頑張ってくれたまえ。私はこれから用事があるので、これで失礼するよ」

スタスタ

P「……えっ?」

しばらく後……


小鳥「私は、事務員の音無小鳥です。すみません、うちの院長が……」

P「いえいえ。それはそうと、ここはどういった場所なんですか?」

小鳥「ここは765院。通称、社会のゴミ箱です」

P「しゃ、社会のゴミ箱……?」

小鳥「はい。ここは、いろいろな理由で社会に適合できない子なんかが集められる所なんです」

P「はあ……なるほど。それで、俺は何をすれば?」

小鳥「一応、事務や清掃なんかの仕事もあるんですけど……一番大事な仕事は、みんなの話し相手になってもらうことです」

P「え? そんなことでいいんですか?」

小鳥「はい。それだけで、きっとみんな喜ぶはずです。本当は私達の仕事なんですけど、人手不足で忙しくて……事務清掃は私達がなんとかしますから、お願いできませんか?」

P「分かりました。でも、どうして俺なんですか? あなた達の方が相手のことをよく分かってるはずでは?」

小鳥「既に知っているからこそ、私達には難しいんですよ。一から新しい関係を築ける、あなたが適任なんです」

小鳥「昨日院長が言ってましたよ、『明日、期待の新人が来る』って。あの院長がそこまで言うんですから、きっとあなたなら大丈夫です」

P(院長はずいぶん信頼されているんだな……俺にはまだ、ただのおっさんにしか思えないが)

P「……わかりました。そういうことなら、精一杯頑張ります!」

小鳥「はい! お願いします。じゃあ、まずは施設を案内しますね。律子さん、お願いできますか?」

律子「いいですよ」

廊下


律子「私は、秋月律子です。今日からよろしくお願いしますね」

P「はい、お願いします。ところで律子さん、ひとつ訊いてみてもいいですか?」

律子「律子、でいいですよ。あなたの方が年上ですし」

P「そ、そうですか?」

律子「あと、敬語もいりませんから」

P「じゃ、じゃあ……律子」

律子「はい、なんでしょう」

P「律子はどうして、ここで働いてるんだ?」

律子「いや、なんというか……まあ、色々ありまして」

P「…………」

律子「ひとつ言っておきますけど、みんなの前では、今みたいに思ったことをなんでもかんでも訊いたりしないでくださいね?」

P「あ、はい。わかりました」

律子「敬語」

P「あ、すいません」

律子「…………」

P「あ……えっと、すまん」

しばらくして……


律子「えっと……施設の紹介はこんなもんですかね。じゃあ、肝心のここの子達の紹介ですけど……」

律子「最初に言っておきますが、ここのみんなの紹介は最小限にします。小鳥さんも似たようなことを言ってましたが、あまり先入観を持って接してほしくないですから」

P「わかった」

律子「じゃあ、今からその最小限の紹介が必要な子達のところへ行きますね」

美希の部屋


ガチャ


律子「美希? 起きてる?」

美希「…………」

P(うわっ、随分かわいい子だな……)

律子「うーん……やっぱり寝てるみたいですねぇ。じゃあ、出ましょうか」

P「あ、ああ」




廊下


律子「今の子が、星井美希です。あの子は普段ずっと今みたいに寝ています」

P「ずっと?」

律子「ええ、ずっと」

P「それは……どうして?」

律子「分かりません。精神的なものだと考えられるそうです」

P「……原因は?」

律子「……性的暴行、です」

P「…………」

律子「そういう訳ですから、あまりあなたと関わることはないかもしれません」

律子「でも、たまに院内をうろつくことがあるんです。ですから、見かけた時は声をかけてあげてください……ただし、慎重にお願いしますね」

P「……ああ」

亜美の部屋


ガチャ


律子「亜美ー? 入るわよー?」

律子「……あら、いない」

P「え?」

律子「ここは、双海亜美という子の部屋です」

P「え、あ、ああ……」

律子「? どうかしました?」

P「いや、別に……」

律子「そうですか。じゃあ、えっと……亜美はですね、子供の頃から空想の友達と話している子なんです」

P「空想の友達?」

律子「はい。名前を双海真美と名付けてます」

P「……なるほど」

律子「まあそういうわけですから、会った時は話を合わせてあげてくださいね」

P「ああ、わかった」

廊下


律子「こんなもんですかね……あとの子はまあ、出会って話したりする中で掴んでください。どうしてもって時は、私や小鳥さんなんかに訊いてくださいね」

P「ああ、わかった」

律子「あ、それと最後に一つだけ」

P「?」

律子「ここにいる子は誰であれ、大なり小なりデリケートな部分を持っています。そしてそれは、大抵の場合ここにいる理由と関係があります」

律子「ですから、接する時はくれぐれも気をつけてくださいね」

P「……肝に銘じておくよ」

律子「それでは、私はここで」

P「うん。ありがとう」

P「なるほど……孤児院やら精神病院やらをごっちゃにした感じだな。確かに、社会のゴミ箱って言う人がいてもおかしくないな」

P(しかし、こんなところでやっていけるかなぁ……不安だ)

P「……ま、とりあえずやるだけやってみよう」



P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭


P「おお……桜が綺麗だ……」

P(大学の友達は今頃スーツ着て出社してるんだろうなぁ……)

P「……はぁ」

「どうしたんですか? ため息なんかついて」

P「うおっ!?」

「あ、すいません。驚かせちゃいました?」

P(い、いつの間に後ろに……)

P「え、えーと君は?」

春香「私は天海春香です」

P「春香ちゃん、か」

春香「呼び捨てでいいですよ」

P「そ、そうか? じゃあえっと、俺は……」

春香「新しくここで働くことになったPさん……ですよね?」

P「あれ? なんで知ってるんだ?」

春香「さあ? なんででしょう?」

P「……誰かから聞いた……とか?」

春香「まあ、そんなところですね」

P「そっか」

春香「私は、いつもこの辺にいますよ」

P「え?」


「Pさーん!」


P「あ、ごめん。呼ばれてるから、行かなきゃ」

春香「はい、行ってらっしゃい」


P(なんだか不思議な感じの子だったな……)

2日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭


P「春香」

春香「あ、来てくれたんですねPさん」

P「うん。でも、なんでいつもここにいるんだ?」

春香「私、この場所が好きなんです」

P「へえ」

春香「春は桜が咲いて、夏は緑でいっぱいになって、秋は紅葉が綺麗で……冬になると、ちょっぴり寂しくなりますけど、ここが好きなんです」

P「そっか……たしかに、いい場所だよな」

春香「はい」

P「…………」

春香「ねえ、Pさん」

P「ん、どうした?」

春香「例えばですよ? 例えば、仲良くなりたいなーって思ってる人がいたとしたら、積極的にいくべきですかね? それとも、相手から来るのを待つべきですかね?」

P「そうだな……」




1「積極的にいくべきじゃないか?」
2「相手から来るのを待つべきじゃないか?」

P「相手から来るのを待つべきじゃないか?」

春香「どうしてですか?」

P「だって、あんまり積極的にいって嫌がられたりしたら本末転倒じゃないか」

春香「それじゃあ、もし待ってても相手が来てくれなかったら?」

P「えっ? ……うーん……」

春香「…………」

P「……ごめん、分からないや」

春香「じゃあ、もし待ってても来なかったら……その時は、Pさん、私の仲間になってくれますか?」

P「え?」

P(仲間? 友達じゃなくて? ……ああでも、この年の差で友達ってのも変だよな。春香なりに考えた友達の言い換えってとこか……)

P「わかった、いいよ」

春香「ほんとですか?」

P「ああ」

春香「ふふっ、ありがとうございます」

P「それじゃ、俺はそろそろ行かなくちゃ」

春香「わかりました。また来てくださいね?」

P「ああ、もちろん」

3日目

事務室


P「おはようございます」

小鳥「あ、おはようございますPさん。お仕事の方はどうですか?」

P「ええ、まあ……慣れないことばかりですけど、なんとか頑張ってますよ」

小鳥「そうですか。何かあったら、相談に乗りますからね?」

P「はい、その時はお願いします」





P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室

P「へえ……けっこう立派な図書室だなぁ」

P「……せっかくだし何か読んでいこうかな」


1 『眠り姫 ~THE SLEEPING BE@UTY~』

2 『幽霊大全 ~降霊徐霊これ一冊~』

3 『非言語交流 ~猿から宇宙人まで~』

P「なんだこれ」

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P(……なるほど。仕草や表情……言葉がなくても、全く意志疎通ができないってわけじゃないのか……)


しばらくして……


P「…………」パタン

P「……意外と役に立った気がするな。タイトルで避けなくて正解だったかもしれない」

翌日


高木「やあ、P君」

P「あ、院長」

高木「この間はすまなかったね」

P「いえいえ」

高木「自分で言うのはなんだが……私には人を見る目があってね」

高木「君なら、必ずうちの子たちをいい方向に導けると信じているよ」

P「が、頑張ります」

P(期待されてるなぁ……)



P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室


P「律子」

律子「Pさんですか。用件はなんですか?」

P「いや、特にはないんだけど……」

律子「そうですか。ところで、お仕事にはもう慣れましたか?」

P「ああ、いや、まだ慣れないかな」

律子「まあ、そうでしょうね」

P「でも、ここの子達はみんないい子だよな、何て言うか、見てると笑顔になるよ」

律子「ええ。分かりますよ……その気持ち」

P「……よし、また仕事してくるかな」

律子「はい、頑張ってください」

5日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

P(そういえば、まだ美希ちゃんの動くところを見たことないな……美希ちゃんの部屋に行ってみようかな)



美希の部屋


コンコン
ガチャ


P「お邪魔します……」

美希「…………」

P「…………」

美希「…………」

P(きれいな寝相だなぁ……まるで死んでいるみたいだ)

美希「…………」

P(どうやら、起きる様子はなさそうだ)

6日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭


わー!わー!


P「鬼ごっこ……かな? まあなんにせよ元気がいいな」

P「小学生ぐらいの子もいれば、高校生ぐらいの子もいる……本当に、すごい所だなここは」


ギャーギャー


P「あれ、喧嘩かな? 止めるべきか……ん?」


「こら! 喧嘩しちゃダメでしょ?」

「でもあいつが……!」
「ちがうよ!こいつが……!」

「言い訳しないの! 二人とも謝りなさい!」

「う……ごめんなさい……」
「ごめんなさい……」

「よくできました。じゃあ、みんなで仲良くあそぼ?」

「「うん!」」



P(へー、あの子、みんなのお姉ちゃんって感じだ……しっかりしてるなぁ)

7日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭


P「そういえばここに来るのは初めてだけど……いい場所だな」

P「うん、なんだか落ち着く……広くて解放感があるよ」

P「……ちょっと歩いてみようかな」

P「…………」テクテク

P「……あれ? なんであの辺だけ地面が剥き出しになってるんだ?」

P「それに……あの建物はなんだろう。まだ入ったことがないな……」

P「うーん……」


1 地面が剥き出しの所に行ってみる
2 見知らぬ建物に入ってみる

中庭


P「土が剥き出しの所に行ってみようかな」


しばらくして……


P「……ん? なんだこれ。マンホールの蓋みたいだな……」

P(よくわからないが、下水道に通じているのかな?)

カタッ

P「!?」ビクッ

ズズズ……

「ふぅ」ヒョコッ

P(あ、穴から女の子が出てきた……)

「……ひぅ!?」ビクッ

P(気づかれたか)

P「え、えっと……こんにちは?」

「あ……こ……こんにちはっ!」シュポッ

P「引っ込んだ……こんにちはって、別れの挨拶だったっけ」

P「…………」

P「とりあえず、戻しておいてあげるか……」ズズズ……




P「はー、今日も疲れたなぁ」テクテク

P(話し相手になったり、遊び相手になったり……なかなか大変な仕事だなぁ)

P「ま、後は家に帰ってゆっくりするだけ……」

カーンカーンカーン
ウー……ウー……

P「ん、火事かな?」

P「近そうだな……後で野次馬にでも行こうかな」

P「…………」テクテク

P「…………」テクテク

P「!!!」

P「お、俺の家じゃないか!」

8日目


P「というわけで……」

律子「それは……なんと言いますか……」

小鳥「ご、御愁傷様です……?」

P「はあ……職どころか家を探さないといけなくなっちゃったよ……」

律子「ま、まあまあ、元気だしてください」

小鳥「…………」ティン

P「どうしたんですか音無さん、閃いたって感じの顔して」

小鳥「まあまあ、とりあえず日中お仕事頑張ってください」

P「? はあ……わかりました」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭


P「……ふぅ」

春香「元気ないですね」

P「ああ……ちょっと家が焼けちゃったもんでな」

春香「へえ、そうでしたか」

P「はーあ……俺は今晩からどうすればいいんだろう」

春香「春の夜はまだ寒いですよ」

P「いや、流石に野宿は考えてないけどな……? 一応僅かながら金もあるし、最悪ネカフェとか……」

春香「……ところで、火事の原因はなんだったんですか?」

P「ん、ああ……それが、よく分からないそうなんだ。近くでちょっと前に連続放火事件が起きてたから、それの可能性もあるらしいけど」

春香「そうなんですか」

P「運悪く標的にされたのかな……くそぅ」

春香「まあ、仕方ないですよ」

P「……そうだな……」




小鳥「Pさん! 院長が呼んでますよ!」

P「えっ、院長が?」

小鳥「さあさあ♪」



院長室


コンコン
ガチャ

P「失礼します」

高木「おお! 聞いたよキミぃ! 大変だったそうじゃないか」

P「ええ、まあ……」

高木「どこか住む当てはあるのかね?」

P「いえ、それが……」

高木「そうだろうそうだろう。だがもう心配はいらんよ! 今日からここに住めばいい!」

P「えっ!?」

高木「余った部屋ならある。次の住まいが見つかるまで、ここに住むといい」

P「え、あ、それは……」

P「……本当に、いいんですか?」

高木「いいとも!」

P「……じゃ、じゃあ、お願いします」

高木「承った! さっそく君の部屋に案内するよ」

P「はい!」

高木「あ、一応言っておくが光熱費等は君の給料から引かせてもらうよ」

P「……はい」

9日目


小鳥「おはようございます♪」

P「あ、おはようございます」

律子「Pさんもここに住むことにしたんですね」

P「え? じゃあ、律子もここに住んでるのか?」

律子「ええ、まあ」

小鳥「私もここに住んでますよ!」

P「へえ……そうなんですか」

小鳥「……ちょっと! もっとこう……部屋教えてくださいとか! 今度遊びに行きますねとか! ないんですか!?」

P「え……あ、じゃあ、部屋教えてもらえますか?」

小鳥「はい♪」

律子「必死ですねぇ……」

小鳥「悪いですか?」

律子「いえ別に」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭


P「春香」

春香「あ、Pさん」

P「……桜、終わっちゃったな」

春香「また来年咲きますよ」

P「ま、それもそうだな」

春香「…………」

P(……思えば、春香とは何度かこうして一緒に話してるけど、俺はほとんど春香のことを知らないよなぁ)

P「なあ、春香……」

春香「なんですか?」



1「他の子と遊んだりはしないのか?」
2「春香はどうしてここにいるんだ?」

P「春香はどうしてここにいるんだ?」

春香「……どういう意味ですか?」

P「ああいや、なんで765院にいるのか、ちょっと気になってさ……」

春香「ああ、そういうことですか」

P「うん」

春香「……頭です」

P「え?」

春香「頭……つまり、脳の病気です」

P「……で、でも、それなら普通の病院に行けばいいんじゃないのか? どうしてここに?」

春香「……………………いよ」

P「……え?」

春香「いえ……すいません、今日はもう、帰ってもらえませんか?」

P「え、あ、ああ……わかった」


P(まずいこと訊いちゃったかなぁ……)

10日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

P「医務室にでも行ってみようかな」


医務室

ガチャ

「あら? えっと……どちらさまでしたっけ?」

P「あ、新しくここで働くことになったPです」

あずさ「あら~そうですか。私、三浦あずさと申します~」

P(ん、あれ、ナース服を着てるってことは……)

P「えっと、あずささんは、ここの職員なんですか?」

あずさ「はい、そうですよ。今日はどうしたんですか?」

P「あ、別に用事があったわけじゃないんですけど……」

あずさ「そうですか~。私、いつもここにいますから、何かあったらまた来てくださいね~」

P「わかりました」

11日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

P「屋上にでも行ってみようかな」



屋上


ガチャ

P(あれ、先客がいる……)

「…………」

P(きれいだな……それと、なんだろう……儚げな感じだ)

「…………」チラッ

P「あ、えっと……こんにちは?」

「…………」

P「……え、えっと……」

「…………」スッ

スタスタ……

P「…………」

P(む、無視された!?)

12日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室

P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5あずさについて訊く
6春香について訊く
7響について訊く
8貴音について訊く

すみません、ミスです

事務室


P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5春香について訊く
6あずさについて訊く

P「春香のことなんですけど……」

小鳥「え?」

P「え?」

小鳥「……えっと……すみません、何の話ですか?」

P「いえ、春香について話をしたいなって思ったんですけど……」

小鳥「……えーっと……その、ハルカ……ちゃん? って、誰ですか?」

P「え? 天海春香ですけど……この院の」

小鳥「…………」

P「……音無さん?」

小鳥「……ごめんなさい、ちょっと知らない名前です……私も、この院にいる全員の名前を知ってるってわけじゃないんで……」

P「あ、そうなんですか? すいません、てっきり知ってると思って、つい……」

小鳥「いえ、構いませんよ。ですが、その子についての話を聞きたかったら、他の方にあたってください」

P「ええ、わかりました」

小鳥「お力になれず、すみません……」

P「いえ、こちらこそ、すいませんでした」

13日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室


P「律子」

律子「Pさんですか。用件はなんですか?」

P「そうだな……」


1 特にない
2 美希について
3 春香について

P「天海春香って子……知ってるか?」

律子「アマミハルカ? アイドルか何かですか?」

P「いや、ここの院の子なんだけど……」

律子「……ちょっと待ってください」

カタカタ

P「何してるんだ? パソコンなんかいじって」

律子「この画面を見てください」

P「ん? なんだこれ、名簿か?」

律子「ええ。この院にいる入院者と職員、全ての人物の名前等を載せたリストです」

P「へえ……それで、これがどうかしたのか?」

律子「いいですか? 今から、このリストの中から『アマミハルカ』という名前の人物を検索します」

カチャカチャ……

P「え……?」

律子「ふむ、どうやら私の記憶違いじゃなかったみたいですね」

P(0件……? ど、どういうことだ?)

律子「念のため、過去の人物リストからも検索してみましょうか? ちゃんと調べてありますよ」

カチャカチャ……

P「また……0件……」

律子「そういう訳です。『アマミハルカ』という名前の人物は、未だかつてこの院にいたことはありません」

P「…………」

律子「それで、どうしてあなたは、そんな名前の人物がこの院にいると思っていたんですか?」

P「…………」フラ……

律子「……Pさん? どうかしましたか?」

P「いや……ちょっと、一人にしてくれ……」

律子「? はあ、分かりました」


P(天海春香という人物は……この院にはいない……?)

P(じゃあ、お前はいったい何者なんだ? 春香……)

14日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭


P「春香」

春香「あ、こんにちは、Pさん」

P「……訊きたいことがあるんだけど、いいか?」

春香「よくないって言ったら、訊かないでいてくれますか?」

P「……いや、それはできない」

春香「そうですか」

P「なあ春香……」

春香「はい、なんでしょうか」

P「……お前はいったい、何者なんだ?」

春香「一言で言えば、幽霊ですね」

P「幽霊……」


春香「あーあ、バレちゃいましたか。鈍いから、案外最期までバレないかと思ってたんですけど」

P「…………」

春香「それで? 私が幽霊だって知ってどうするつもりですか?」

P「…………」



1 「どうもしない」
2 「何か未練があったのか?」

P「何か未練があったのか?」

春香「……はい?」

P「幽霊になったってことは、春香には何か未練があったんじゃないのか? ってことだよ」

春香「……さあ? 別に、未練なんかないと思いますよ」

P「未練がない? じゃあ、なんで幽霊なんかになったんだよ」

春香「なんで……? なんでって……」

P「…………」

春香「………………………………」

春香「うっ……!」

P「……は、春香? 大丈夫か?」

春香「だ、大丈夫です……」

春香「…………………………っ……」

春香「……………………あ……」

P「…………」

春香「……そっか……そういえば、そうだったっけ……」

春香「……ああうん、そうだった……」

P「……何か、思い出したことでもあるのか?」

春香「……いえ……」

P「…………」

春香「……ねえPさん。どうして、私の未練が何なのかが気になるんですか?」

P「なんでって……未練があると、成仏したりできないんだろ?」

春香「…………」

春香「そう、ですか……そうですよね……」

P「……春香?」

春香「……帰ってください」

P「え?」

春香「帰ってください」

P「……わ、わかったよ」

春香「…………」


P(どうしたんだ……?)

15日目


ギャア……ギャア……


P(……なんか昨夜は怖い夢を見た気がするんだが……思い出せないな)

P「……まあいいか」


小鳥「おはようございます、Pさん」

P「あ、おはようございます音無さん」

小鳥「今日はなんだか、カラスがうるさいですね……どうしたんでしょうか」

P「発情期とかですかね?」

小鳥「朝っぱらから大胆ですね」

P「いやでも、本当にうるさいな……音無さんちょっと注意してきてくださいよ」

小鳥「無理に決まってるじゃないですか」





P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

医務室


あずさ「じゃあ包帯巻くわね? …………はいっ、これでおしまい」

「あずさお姉ちゃんありがとー」

あずさ「どういたしまして~」


タタタ……


P「慣れたものですね」

あずさ「ええ、まあ。普段からよくやってることですから」

P「それだけ怪我をする子がいるってことですか? まあ、子供は元気なのが一番だし、仕方ないんですかね」

あずさ「……それにしても、今日はちょっと多いんですけどね?」

P「そうなんですか?」

あずさ「ええ。実は今日、あの子で七人目なんです。いつもなら一人か、精々二人ぐらいなんですけどね」

P「……ちょっと危ない遊びでもしてるんですかね?」

あずさ「さあ……でも見たところ、みんな転んでできた怪我みたいですけど」

P「じゃあ違いますね、いつも鬼ごっことかしてますし。でも、そうなると……」

あずさ「…………」

P「……駄目だ、偶然以外思いつかない」

あずさ「……だったら、偶然でいいんじゃないですか?」

P「ま、それもそうですね」


P(急に地面の状態が変わったわけでもないだろうし……偶然が一番納得できる……か)

16日目


P「うーん……」

P(昨晩も何か夢を見た気がするけど……やっぱり思い出せないな)


小鳥「おはようございます」

P「あ、おはようございます……ってあれ? なんだか、人数が少ない気が……」

小鳥「ああ。今日はちょっと、何人か体調不良でお休みなんですよ」

P「へえー」

小鳥「というわけで、いつも以上に頑張りましょうね!」

P「ええ、そうですね。頑張りましょう」






P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭


P「あれ? 珍しいな、春香がここにいないなんて……」

P(……そういえば、いつもここで春香と話しだしてしまうから、この先には行ったことないな……)

P(……ちょっと行ってみるか)


そして……


P「……ん? なんだこの建物」

P(やけにボロいな……もう使われてない施設なのかな?)

P(それにしても、中途半端に壊してあるなぁ……)

P(…………)


1 ちょっと探索してみようかな
2 そろそろ戻るか

P「……そろそろ戻るか」

P(一瞬、入ってみようかと思ったけど……さすがに危ないよな)

ヒュウゥゥ……

P「寒っ……後で音無さんにコーヒーでもいれてもらおう……」


スタスタ



「…………」

17日目


P「おはようござ……」


ガヤガヤ


小鳥「はいはい、もう大丈夫だから……ね?」

律子「ほら泣かないの、男の子でしょ?」


P「……なんの騒ぎだこれは」


しばらくして……


小鳥「はー、やっと終わった」

律子「ふぅ……」

P「お疲れさまです。何かあったんですか?」

小鳥「あ、Pさん……」

律子「実は、小さい子達が揃って同じことを言うんですよ。『怖い夢を見た』……って」

P「怖い夢?」

小鳥「ええ。それで、みんな朝起きてすぐにここに来ちゃって……」

律子「おかげで、私達はさっきまでみんなを落ち着かせるのに専念しなくちゃいけなかったんです」

P「それは……大変だったな」

小鳥「でも……私も今朝は何か怖い夢を見た気がするんですよね」

律子「小鳥さんもですか?」

小鳥「え? じゃあ、律子さんもですか?」

律子「はい。ただ、私も内容は思い出せませんけど」

P「…………」

P(そういえば俺も、近頃何か夢を見ているよな……やっぱり内容は覚えてないけど)

P(……なんだろう、嫌な予感がする……)





P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭


P「……またいない? 珍しいっていうか……初めてだな、こんなこと」

P「いったいどこに……」


P(……もしかして……?)


しばらくして……


P「……いつ見ても、ボロい建物だ」

P(正直、春香がどこにいるのかなんて見当もつかない……なんたって、あそこ以外で会ったことがないんだからな)

P(でも、それでもどこにいるのか考えるなら……ここだと、思う)

P(まあ、直感の域を出てはいないんだが……)

ヒュウゥゥ……

P「……こんなに暗い場所だったっけ……前に来たときは気がつかなかったな」

P(おまけに、普段人がいるところからは離れてるせいか? 随分と……静かだ)

P(……さて、どうするかな)


1 入る
2 入らない

P(しかし……本当にこの建物はなんなんだろう)

P(見た目は、なんというか……まあ、古い建物って感じだ。二階建てで、窓が多い)

P(古くてボロボロで……何故か一部だけ壊されている。単に崩れただけとも思えないし……解体しようとしてやめたってとこか?)


P(……そういえば、よく見ると765院にはここに面した窓がないな)

P(偶然か? それとも……)


P「……まあいいや、とりあえず入ってみるか」

???


P「とりあえず、入口に鍵がかかってなかったおかげで普通に入れたが……」

P「……暗いな。窓はいっぱいあったけど、ここにはないのか」

パッ

P「まさか懐中電灯アプリを使う日がくるとはな……」


ザッザッ

P「……病院……みたいだな」

P(となると、入ってすぐのここは待合室か? うーん……そういう目で見れば、たしかにそれっぽいな)

P(しかし、病院だとすると尚更残されてる理由が分からないが……)


P「……まあ、なんでもいいか。とりあえず春香を探しに……」

P(……あれ? なんで俺は、春香を探すためにわざわざこんな所まで来てるんだ?)

P(ていうか、なんで春香を探してるんだ……? 二回連続で会わなかったからって、探す必要なんか……)


スッ


P「!」

P(今、視界の端に誰かがいた……?)


P「……は、春香か?」


シーン


P「…………」



1 更に奥へ
2 帰る

P「……とりあえず、もう少しだけ進んでみるか……」


ザッザッ……


P「……結構な数の病室が並んでるな。外から見えた窓は、これだったのか」

P「でも、これだけ病室があるってことは、ここは歯医者や眼医者なんかじゃなかった……ってことだよな?」

P「ということは、もしかして……」


「ええ、そうですよ」


P「!」


春香「こんにちは、Pさん」


P「春香……」

P(そういえば、春香は前に言ってたな。765院にいるのは、脳の病気を患っているからだと。ってことは、つまり……)

P「もしかしてここが、春香が生前入院していた病院なのか?」

春香「ええ、そうですよ。大正解♪ おめでとうございます」

P「…………」

P(訊きたいことはいくつかあるが……まずはやはり)

P「……なあ、春香」

春香「なんですか?」

P「なんで、最近あの場所にいないんだ?」

春香「え? だって、あんな所にいても、楽しくないじゃないですか」

P「……え?」

春香「あんな何もない所にいたって、時間の無駄だと思いません?」

P「……お、お前、本当に春香なのか?」

春香「? 何言ってるんですか?」

P「い、いや、だって……前に、あの場所が好きだって言ってたじゃないか」

春香「……言いましたっけ?そんなこと」

P「……!」

P(違う。目の前にいる春香は、明らかに俺の知ってる春香じゃない)

P(嫌な予感がする……)


P「……悪い。もうそろそろ、戻らないと」

春香「そうですか? まあ、私は別に構いませんけど……」

P「じゃあ、また……」ドンッ


P「……え?」


春香「私は構いませんけど……その人達は、果たして無事に帰してくれますかねぇ……ふふっ」


「あ……あぁぁ……」
「ア、ア、ア……」


P(振り向くと、さっきまで誰もいなかった廊下に、大勢の人がいた)

P「……お友達? 何人いるの?」

春香「さあ……何人いるんでしょうね」

P「……は、はは……」

春香「…………」


P「……た、助けてくれないか?」

春香「駄目です」

しばらくして……


春香「あーあ、こんなにぐちゃぐちゃにされちゃって……えーと……」


春香「……あれ? この人の名前、なんだっけ」


春香「…………ま、いいや」


春香「そんなことより、もっと仲間が欲しいなぁ……」


春香「……あ、そうだ」


……………………
………………
…………



「ここが噂の765院か……」

「すごいねー。たしかここって、大量殺人事件の現場でしょ? ほんとに何かでてきそうだね」

「で、どうするんだ? やっぱり行くのか?」

「当たり前だろ。ここまで来て何もしないで帰るなんて、男が廃るぜ」


まただ。

今度は、三人組の子達が肝だめしに来た。


彼らは知らない。

765院が廃墟になった、本当の理由を。


「へえ、中は案外きれいじゃねーか」

「そうだね。もうちょっと荒れてるかと思ってたけど……」

「以外に豪華な造りなんだな」


「……ん? 今、なんか声が聞こえなかったか?」


彼らは知らない。

そこに、まだ彼女達がいることを。


「えー? やめてよ、ビビらせようとするの」

「気のせいですよ」

「少なくとも、俺には何も聞こえなかったぞ?」

「そうか。確かに聞こえた気がしたん……だが……」


そして彼らは知る。

そこが、決して遊び半分で立ち入ってはならない場所であったことを。

『真美の質問コーナー』


真美「なんか、ごめんね、うん」


Qまた春香END?

真美「はっきり言うけど、春香√は面倒だよ。元々終盤の攻略を想定してるわけだしね」

真美「他の彼女を作るなら死亡回避できればそれでいいんだから、選ぶ気がないなら必要以上に関わらない方がいいんじゃないかな」


Q好感度的な要素はあるの?

真美「ゼロではないかもだけど、特に気にする必要もない程度だよ」

予想以上に早く終わってしまったので、特に何もないならもう一回ということで
四周目やるなら今日の夜からの予定だけど、もしかしたら間が空くかもしれません

四周目いきますが、ちょっと今晩は導入あたりだけで終わります
最近少なくてすいません

1日目


P「ここが765院か……なかなか大きな建物だな」

P(大学を卒業したはいいものの結局就職できなかった俺は、道端で出会った高木というおっさんに誘われ、とりあえずここ765院に就職することになった)

P(何をするところなのかはまだ聞いてないけれど、働けるだけ幸せだよな……)

P「…………」

P(あれ……今さらだけど、業務内容すら聞いてないのっておかしくないか?)

P(…………)

P「ま、まあいいや。職が見つかるまでの繋ぎでいいって言ってたしな」

エントランス


P「!」

P(イメージと違うな……病院かなにかかと思ってたけど、違うのかな?)

「あら? どちら様ですか?」

P(気がつくと、緑色の髪の女性が側に立っていた)

P「えっと、高木さんに呼ばれて来たんですけど」

「あ、それなら、あちらの院長室にどうぞ」

P「はい、ありがとうございます」

院長室


コンコン
ガチャ

P「失礼します」

高木「ん? おお! 君かね、待っていたよ!」

P「はい! 今日からよろしくお願いします!」

高木「うむ! いい返事だ。それじゃあ頑張ってくれたまえ。私はこれから用事があるので、これで失礼するよ」

スタスタ

P「……えっ?」

しばらく後……


小鳥「私は、事務員の音無小鳥です。すみません、うちの院長が……」

P「いえいえ。それはそうと、ここはどういった場所なんですか?」

小鳥「ここは765院。通称、社会のゴミ箱です」

P「しゃ、社会のゴミ箱……?」

小鳥「はい。ここは、いろいろな理由で社会に適合できない子なんかが集められる所なんです」

P「はあ……なるほど。それで、俺は何をすれば?」

小鳥「一応、事務や清掃なんかの仕事もあるんですけど……一番大事な仕事は、みんなの話し相手になってもらうことです」

P「え? そんなことでいいんですか?」

小鳥「はい。それだけで、きっとみんな喜ぶはずです。本当は私達の仕事なんですけど、人手不足で忙しくて……事務清掃は私達がなんとかしますから、お願いできませんか?」

P「分かりました。でも、どうして俺なんですか? あなた達の方が相手のことをよく分かってるはずでは?」

小鳥「既に知っているからこそ、私達には難しいんですよ。一から新しい関係を築ける、あなたが適任なんです」

小鳥「昨日院長が言ってましたよ、『明日、期待の新人が来る』って。あの院長がそこまで言うんですから、きっとあなたなら大丈夫です」

P(院長はずいぶん信頼されているんだな……俺にはまだ、ただのおっさんにしか思えないが)

P「……わかりました。そういうことなら、精一杯頑張ります!」

小鳥「はい! お願いします。じゃあ、まずは施設を案内しますね。律子さん、お願いできますか?」

律子「いいですよ」

廊下


律子「私は、秋月律子です。今日からよろしくお願いしますね」

P「はい、お願いします。ところで律子さん、ひとつ訊いてみてもいいですか?」

律子「律子、でいいですよ。あなたの方が年上ですし」

P「そ、そうですか?」

律子「あと、敬語もいりませんから」

P「じゃ、じゃあ……律子」

律子「はい、なんでしょう」

P「律子はどうして、ここで働いてるんだ?」

律子「いや、なんというか……まあ、色々ありまして」

P「…………」

律子「ひとつ言っておきますけど、みんなの前では、今みたいに思ったことをなんでもかんでも訊いたりしないでくださいね?」

P「あ、はい。わかりました」

律子「敬語」

P「あ、すいません」

律子「…………」

P「あ……えっと、すまん」

しばらくして……


律子「えっと……施設の紹介はこんなもんですかね。じゃあ、肝心のここの子達の紹介ですけど……」

律子「最初に言っておきますが、ここのみんなの紹介は最小限にします。小鳥さんも似たようなことを言ってましたが、あまり先入観を持って接してほしくないですから」

P「わかった」

律子「じゃあ、今からその最小限の紹介が必要な子達のところへ行きますね」

美希の部屋


ガチャ


律子「美希? 起きてる?」

美希「…………」

P(うわっ、随分かわいい子だな……)

律子「うーん……やっぱり寝てるみたいですねぇ。じゃあ、出ましょうか」

P「あ、ああ」




廊下


律子「今の子が、星井美希です。あの子は普段ずっと今みたいに寝ています」

P「ずっと?」

律子「ええ、ずっと」

P「それは……どうして?」

律子「分かりません。精神的なものだと考えられるそうです」

P「……原因は?」

律子「……性的暴行、です」

P「…………」

律子「そういう訳ですから、あまりあなたと関わることはないかもしれません」

律子「でも、たまに院内をうろつくことがあるんです。ですから、見かけた時は声をかけてあげてください……ただし、慎重にお願いしますね」

P「……ああ」

亜美の部屋


ガチャ


律子「亜美ー? 入るわよー?」

律子「……あら、いない」

P「え?」

律子「ここは、双海亜美という子の部屋です」

P「え、あ、ああ……」

律子「? どうかしました?」

P「いや、別に……」

律子「そうですか。じゃあ、えっと……亜美はですね、子供の頃から空想の友達と話している子なんです」

P「空想の友達?」

律子「はい。名前を双海真美と名付けてます」

P「……なるほど」

律子「まあそういうわけですから、会った時は話を合わせてあげてくださいね」

P「ああ、わかった」

廊下


律子「こんなもんですかね……あとの子はまあ、出会って話したりする中で掴んでください。どうしてもって時は、私や小鳥さんなんかに訊いてくださいね」

P「ああ、わかった」

律子「あ、それと最後に一つだけ」

P「?」

律子「ここにいる子は誰であれ、大なり小なりデリケートな部分を持っています。そしてそれは、大抵の場合ここにいる理由と関係があります」

律子「ですから、接する時はくれぐれも気をつけてくださいね」

P「……肝に銘じておくよ」

律子「それでは、私はここで」

P「うん。ありがとう」

P「なるほど……孤児院やら精神病院やらをごっちゃにした感じだな。確かに、社会のゴミ箱って言う人がいてもおかしくないな」

P(しかし、こんなところでやっていけるかなぁ……不安だ)

P「……ま、とりあえずやるだけやってみよう」



P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭


P「へえ……結構いい場所だな」

P「うん、なんだか落ち着く……広くて解放感があるよ」

P「……ちょっと歩いてみようかな」

P「…………」テクテク

P「……あれ? なんであの辺だけ地面が剥き出しになってるんだ?」

P「それに……あの建物はなんだろう」

P「うーん……」


1 地面が剥き出しの所に行ってみる
2 見知らぬ建物に入ってみる

中庭


P「土が剥き出しの所に行ってみようかな」


しばらくして……


P「……ん? なんだこれ。マンホールの蓋みたいだな……」

P(よくわからないが、下水道に通じているのかな?)

カタッ

P「!?」ビクッ

ズズズ……

「ふぅ」ヒョコッ

P(あ、穴から女の子が出てきた……)

「……ひぅ!?」ビクッ

P(気づかれたか)

P「え、えっと……こんにちは?」

「あ……こ……こんにちはっ!」シュポッ

P「引っ込んだ……こんにちはって、別れの挨拶だったっけ」

P「…………」

P「とりあえず、戻しておいてあげるか……」ズズズ……

2日目


事務室


P「おはようございます」

小鳥「あ、おはようございます。昨日はどうでしたか?」

P「ええ、まあ……慣れないことばかりでしたけど、頑張ろうと思います」

小鳥「そうですか。何かあったら、相談にのりますからね?」

P「はい、その時はお願いします」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室


P「へえ……けっこう立派な図書室だなぁ」

P「……せっかくだし何か読んでいこうかな」


1 『眠り姫 ~THE SLEEPING BE@UTY~』

2 『幽霊大全 ~降霊徐霊これ一冊~』

3 『非言語交流 ~猿から宇宙人まで~』

P「たまにはオカルト系の本も悪くないな」

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ


しばらくして……


P「…………」パタン

P「ま、実用的な知識ではないかもしれないけど、いいリフレッシュにはなったかな」

3日目


高木「やあ、P君」

P「あ、院長」

高木「この間はすまなかったね」

P「いえいえ」

高木「自分で言うのはなんだが……私には人を見る目があってね」

高木「君なら、必ずうちの子たちをいい方向に導けると信じているよ」

P「が、頑張ります」

P(期待されてるなぁ……)



P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭


P「おお……桜が綺麗だ……」

P(大学の友達は今頃スーツ着て出社してるんだろうなぁ……)

P「……はぁ」

「どうしたんですか? ため息なんかついて」

P「うおっ!?」

「あ、すいません。驚かせちゃいました?」

P(い、いつの間に後ろに……)

P「え、えーと君は?」

春香「私は天海春香です」

P「春香ちゃん、か」

春香「呼び捨てでいいですよ」

P「そ、そうか? じゃあえっと、俺は……」

春香「新しくここで働くことになったPさん……ですよね?」

P「あれ? なんで知ってるんだ?」

春香「さあ? なんででしょう?」

P「……誰かから聞いた……とか?」

春香「まあ、そんなところですね」

P「そっか」

春香「私は、いつもこの辺にいますよ」

P「え?」


「Pさーん!」


P「あ、ごめん。呼ばれてるから、行かなきゃ」

春香「はい、行ってらっしゃい」


P(なんだか不思議な感じの子だったな……)

4日目


律子「Pさん、お仕事にはもう慣れましたか?」

P「ああ、いや、まだ慣れないかな」

律子「そうですか」

P「でも、ここの子達はみんないい子だよな。なんて言うか、見てると笑顔になるよ」

律子「ま、そうでしょうね」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

P「屋上にでも行ってみようかな」



屋上


ガチャ

P(あれ、先客がいる……)

「…………」

P(きれいだな……それと、なんだろう……儚げな感じだ)

「…………」チラッ

P「あ、えっと……こんにちは?」

「…………」

P「……え、えっと……」

「…………」スッ

スタスタ……

P「…………」

P(む、無視された!?)

5日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭


P「またここに来たのはいいけど……」

P「うーん……」


1 地面が剥き出しの所に行ってみる
2 見知らぬ建物に入ってみる

P「よし、この建物に入ってみよう」


ガチャガチャ


P「ん? なんだ、鍵がかかってるのか……」

P「しょうがない、今日のところは諦めよう」

6日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室


P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く

P「律子って、忙しそうですよね」

小鳥「…………」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

P「違います。別に音無さんが暇そうだって言ってる訳じゃないです」

小鳥「まあ、実際律子さんは忙しいですよ。事務仕事もしながらみんなの面倒も見てますし」

P「音無さんもじゃないですか」

小鳥「いえ、私は最近はあまりしてないんですよ……その代わり事務や清掃をさせてもらってますけど」

P「へー」

小鳥「へーってなんですかへーって」

P「いえ別に深い意味は……ところで、律子ってどうしてここで働いてるんですか?」

小鳥「なんで私に訊くんですか。そんなの本人から聞けばいいじゃないですか」

P「訊いてみたんですけど、はぐらかされちゃいまして」

小鳥「本人が答えたがらないことを私が言うわけにはいきませんよ」

P「そうですか」

小鳥「……ま、ひとつだけ言っておくなら、律子さんは自分の意思でここにいるってことですかね」

P「自分の意思で……」


小鳥「ちなみに私も自分の意思でここにいるんですよ」

P「そうですか」

7日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

P「医務室にでも行ってみようかな」


医務室

ガチャ

「あら? えっと……どちらさまでしたっけ?」

P「あ、新しくここで働くことになったPです」

あずさ「あら~そうですか。私、三浦あずさと申します~」

P(ん、あれ、ナース服を着てるってことは……)

P「えっと、あずささんは、ここの職員なんですか?」

あずさ「はい、そうですよ。今日はどうしたんですか?」

P「あ、別に用事があったわけじゃないんですけど……」

あずさ「そうですか~。私、いつもここにいますから、何かあったらまた来てくださいね~」

P「わかりました」




P「はー、今日も疲れたなぁ」テクテク

P(話し相手になったり、遊び相手になったり……なかなか大変な仕事だなぁ)

P「ま、後は家に帰ってゆっくりするだけ……」

カーンカーンカーン
ウー……ウー……

P「ん、火事かな?」

P「近そうだな……後で野次馬にでも行こうかな」

P「…………」テクテク

P「…………」テクテク

P「!!!」

P「お、俺の家じゃないか!」

8日目


P「というわけで……」

律子「それは……なんと言いますか……」

小鳥「ご、御愁傷様です……?」

P「はあ……職どころか家を探さないといけなくなっちゃったよ……」

律子「ま、まあまあ、元気だしてください」

小鳥「…………」ティン

P「どうしたんですか音無さん、閃いたって感じの顔して」

小鳥「まあまあ、とりあえず日中お仕事頑張ってください」

P「? はあ……わかりました」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


P「あ……」


「…………」


P(またいた……あの子、いつもここにいるのかな)

P(だとしたら……)


「…………」


P(じっと空を見て、何を思っているんだろう……)


「…………」チラ


P「! あ、えっと……」


「…………」スタスタ


P「…………」

P(あの子、友達とか、いないのかな……)




小鳥「Pさん! 院長が呼んでますよ!」

P「えっ、院長が?」

小鳥「さあさあ♪」



院長室


コンコン
ガチャ

P「失礼します」

高木「おお! 聞いたよキミぃ! 大変だったそうじゃないか」

P「ええ、まあ……」

高木「どこか住む当てはあるのかね?」

P「いえ、それが……」

高木「そうだろうそうだろう。だがもう心配はいらんよ! 今日からここに住めばいい!」

P「えっ!?」

高木「余った部屋ならある。次の住まいが見つかるまで、ここに住むといい」

P「え、あ、それは……」

P「……本当に、いいんですか?」

高木「いいとも!」

P「……じゃ、じゃあ、お願いします」

高木「承った! さっそく君の部屋に案内するよ」

P「はい!」

高木「あ、一応言っておくが光熱費等は君の給料から引かせてもらうよ」

P「……はい」

9日目


小鳥「おはようございます♪」

P「あ、おはようございます」

律子「Pさんもここに住むことにしたんですね」

P「え? じゃあ、律子もここに住んでるのか?」

律子「ええ、まあ」

小鳥「私もここに住んでますよ!」

P「へえ……そうなんですか」

小鳥「……ちょっと! もっとこう……部屋教えてくださいとか! 今度遊びに行きますねとか! ないんですか!?」

P「え……あ、じゃあ、部屋教えてもらえますか?」

小鳥「はい♪」

律子「必死ですねぇ……」

小鳥「悪いですか?」

律子「いえ別に」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室


P「静かだなぁ……」

P「さて、せっかくだし何か読んでいくかな」


1 『眠り姫 ~THE SLEEPING BE@UTY~』

2 『どんと来い、育児問題』

3 『非言語交流 ~猿から宇宙人まで~』

P「なんだこれ」

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P(……なるほど。仕草や表情……言葉がなくても、全く意志疎通ができないってわけじゃないのか……)


しばらくして……


P「…………」パタン

P「……意外と役に立った気がするな。タイトルで避けなくて正解だったかもしれない」

10日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


「…………」


P(あの子、またいるな)


「…………」


P(話してみたいけど、いつも俺を見たらどこかに行っちゃうからなぁ……どうしようかな)


「…………」


P(…………)


1 話しかける

2 話しかけない

P(どうせ話しかけても無視されるだけだし……話しかけないでおこう)


「…………」


しばらくして……


「…………」チラ

スタスタ……


P「…………」


P「……さて、俺もそろそろ戻るかな」

11日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室


P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5あずさについて訊く

P「たまには音無さんともお話しようと思いまして」

小鳥「ほほう、それはそれは……おっと失礼」

P(な、なんか一瞬すごい悪そうな顔にならなかったか?)

小鳥「そういうことでしたら、お相手しますよ」

P「ありがとうございます」

小鳥「そろそろお仕事にも慣れてきましたか?」

P「ええ、まあ、おかげさまで。みんなすごくいい子ばかりで、なんとかやっていけてます」

小鳥「そうですね。みんな、本当にいい子ばっかりで……」

小鳥「……だからこそ、どうしてこんな所にいなくちゃいけないんだって、思うんですよね」

P「…………」

小鳥「あっ、すいません……こんなこと、話してもしょうがないですよね」

P「いえ、いいんですよ。付き合います」

小鳥「……ありがとうございます」

P(考えてみれば、音無さん達も大変だよなぁ。俺が来てから頻度は減ったとはいえ、まだみんなの相手もしてるんだし)

P(……俺が他の職を見つけたら、また逆戻りか……)

P(…………)

12日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


「…………」


P(お、今日もいる)


「…………」


P「…………」


「…………」


P「…………」


「…………」チラ

スタスタ……

P「…………」

P(やっぱり、俺に気がつくとどこかへ行ってしまうんだな……)

P(……一度、誰かに話を聞いてみようかな)

13日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭


P「またここに来たのはいいけど……」

P「うーん……」


1 地面が剥き出しの所に行ってみる
2 見知らぬ建物に入ってみる

P「前のはいったいなんだったんだろう……ん?」

「…………」

P(穴から、この前の女の子が顔を出してこっちを見ている……)

「……あ、あの……」

P「えっと、なにかな?」

「こ、この前は、逃げたりしてごめんなさい……」

P「ああ、別にいいよ。それより、君の名前を教えてくれないかな」

雪歩「えっと、私、萩原雪歩って言います」

P「そっか。俺はここの職員のP。よろしく、雪歩ちゃん」

雪歩「あ、はい……よ、よろしくお願いしますぅ」

P(……ちょっと怯えられてる?)

雪歩「そ、それじゃ、また……」

ズズズ……ゴトン


P「……結局この穴はなんなのか訊きそびれちゃったな」

14日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭


P「やあ、雪歩ちゃん」

雪歩「こ、こんにちは……Pさん」

P(また穴から顔だけ出してる……)

P「……ちょっと訊いていい? その穴はいったいなんなのかな?」

雪歩「あ、えっと、これは……私のお父さんが作ってくれたんです」

P「え? 雪歩ちゃんのお父さんはここの職員なの?」

雪歩「ち、違います……」

P「……ここの職員じゃないのに、ここで穴を掘ったの?」

雪歩「あ、掘ったのはたぶん、お弟子さん達ですぅ……」

P(お弟子さん? なんだそりゃ)

雪歩「お弟子さん達が、私のために……わ、私の……」

雪歩「……うぅ……わ、私なんかのために穴を開けちゃって……ご、ごめんなさい!」シュポッ


P「えっ」


P「…………」


P「…………」ズズズ……

15日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室


P「律子」

律子「Pさんですか。用件はなんですか?」

P「そうだな……」


1 特にない
2 雪歩について

P「あのさ、雪歩が使ってる穴って、どういう理由で作られたんだ?」

律子「あー、あれですか。えっと、雪歩がここにいる理由ってもう知ってますかね?」

P「いや、知らないな」

律子「そうですか……そことちょっと関係があるんですよね」

P「そうなのか?」

律子「はい。まあざっくり説明しますと、雪歩が穴に入るのが好きなんですよ。それで、雪歩の父親がどうしてもと頼むんで、作ることを許可したんです。色々してくれた上に、工事費は向こうが全面負担してくれましたしね」

P「へえ……じゃあ、あの中庭の穴は雪歩の病室に通じているのか」

律子「…………」

P「え、なんで黙るの」

律子「……ここだけの話、あの穴は施設のあちこちに通じてるんです。蟻の巣みたいに」

P「えっ!?」

律子「他の人には内緒ですよ? とくに、小さい子達が勝手に入ったりすると困るんで……まあ、一応そうと知ってなければ見つけられないようにカモフラージュはされてるんですけどね」

P「なんか怖いな……」

律子「ちなみに、事情を知ってる人の中には、あの穴をユキホールと呼んでいる人達がいるそうですよ」

P(ユキホール……不思議な響きだ)

16日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


「…………」


P「…………」


「…………」


P「…………」


「…………」


P「…………」


「…………」チラ

スタスタ……


P(…………)

17日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室


P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5あずさについて訊く
6雪歩について訊く
7屋上の女の子について訊く

P「いつも屋上に女の子がいるんですけど、音無さん何か知ってますか?」

小鳥「ああ……それはたぶん、如月千早ちゃんですね」

P「如月千早……ですか」

小鳥「ええ。律子さんからは何も聞いてませんか?」

P「聞いてません。いつも俺に気がつくとどこかへ行ってしまうんですけど……どうすればいいんですかね?」

小鳥「そうですね……律子さんの考えは分かりませんが、私としては知っておくべきだと思いますので、お話しします」

小鳥「千早ちゃんは、失声症です」

P「失声症?」

小鳥「声を出せなくなる病気……こう言えば、分かりやすいでしょうか」

P(なるほど、会話してくれないんじゃなくて、会話ができなかったのか……)

P「……原因は?」

小鳥「精神的なものですね。昔受けたショックが原因です」

P「ショック?」

小鳥「……地雷を踏まないように、少しだけお教えしますね」

小鳥「弟さんを……失ったそうです」

P「!」

小鳥「私からお話しできるのは、このくらいです」

P「……ありがとうございました」


P(千早ちゃん……ただのそっけない子って訳じゃなかったのか……)

P(でも、なんで律子はこのことを教えてくれなかったんだ……?)

18日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室


P「律子」

律子「Pさんですか。用件はなんですか?」

P「そうだな……」


1 特にない
2 千早について

P「千早について訊きたいことがあるんだけど」

律子「千早ですか?」

P「ああ。どうして千早が失声症だって教えてくれなかったんだ?」

律子「ははあ、小鳥さんあたりから聞きましたか? 察するに、あまりにも相手にしてもらえないから小鳥さんを頼ったってところですかね?」

P「……まあ、そうだ」

律子「いえ、大した理由はありませんよ。失声症だと知らない方が積極的に関わろうとするかもしれないと思ったので教えなかっただけです」

P「積極的に関わろうとしたって、相手が声を出せないなら意味がないじゃないか」

律子「そうでもないと思うんですよね……私、あの子は声を出せないだけなんじゃなくて、出そうともしていないんだと思うんです」

P「出そうとしていない?」

律子「ええ。千早は、もう何年も失声症のままなんですけど、実は失声症ってのはそんなに長く続くものじゃないんですよ」

P「そうなのか?」

律子「まあ個人差はありますが、大体長くて一年程度だそうです」

P「じゃあ、失声症はもう治ってるのに声を出していないってことか?」

律子「それは分かりません。治ってるのかもしれないし、そうでないのかもしれません。もしかしたら、治ったそばからまた発症しているのかも……」

律子「いずれにせよ、千早はまだ過去の事件を引きずっているんですよ。だから、本当の意味で千早を治そうと思ったら、それをなんとかすることが必要だと思うんです」

P「そんなこと言ったって、いったいどうすればいいんだ? 千早は、俺のことを見るとどこかに行ってしまうから話すらできないぞ?」

律子「そうですか……それは困りましたね……うーん」

律子「……ちょっと思い付きませんね。次に会う時までに考えておきます」

19日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室


P「たまには仕事の息抜きも必要だよな」

P「さて、何か適当な本でも読んでいくか」



1 『眠り姫 ~THE SLEEPING BE@UTY~』

2 『どんと来い、育児問題』

3 『元アイドル衝撃の告白! 芸能界の裏側!』

P「なんだ、こんな本まで置いてあるのか」

P「芸能界の影……ねえ」ペラ

P「そういえば、ヤクザとの関係がバレたあの人は今頃どうしてるんだろう……沖縄にでもいるのかな」ペラ

P「…………」ペラ


しばらくして……


P「へーえ、枕営業……そういうのもあるのか」ペラ

P「アイドルってのも、意外と大変なんだなぁ」パタン

20日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室


P「律子ー……は、いないのか」

P(忙しいんだろうなぁ、パソコンがつけっぱなしだ……まあ、大した画面でもないから問題ないけど)


律子「あれ、Pさん?」

P「お、戻ってきた」

律子「何か用ですか?」



1 特にない
2 千早について

P「いや、特にはないかな」

律子「そうですか」

P「……しかし、律子は相変わらず忙しそうだな。休みとかとってるのか?」

律子「休み? ええ、とってますよ」

P「え? そうなの? いつ?」

律子「毎日午前0時から7時まで」

P「それは、睡眠時間、です」

律子「冗談ですよ。休みですか……ここに入ってからは殆どとったことないですねぇ」

P「やっぱりか……体壊したりとかしないのか?」

律子「もう慣れましたから。そういうPさんは大丈夫そうですか?」

P「まあ、俺はそんなにキツい仕事でもないし……」

律子「……ひとつ忠告しておきますけど、そのうちここを辞めるつもりでしたら、さっさと他の職を探したほうがいいですよ」

P「それは……どうしてだ?」

律子「……さあ?」

P「なんだよそれ」

律子「いつまでも喋ってないで、お仕事に戻られてはいかがですか? P殿」

P「誤魔化すなぁ……ま、いいや。そろそろ戻るとするかな」

律子「ええ、そうしてください」

20日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭


P(お、またいる……なんだかリセットさんを思い出すなぁ)

P「こんにちは、雪歩ちゃん」

雪歩「ふぇ!? ……あっ、Pさん……お、おはようございますぅ」

P(うーん、やっぱりなんだか怯えられてるような感じだな)

P「いつもここにいるよね。ここが好きなの?」

雪歩「は、はい……」

P「そっか。わかるよ、いい場所だもんね」

雪歩「…………」コク

P「ところで、どうして穴に入ってるの?」

雪歩「えっ……」

P「あ、訊いちゃだめだった?」

雪歩「い、いえ……その……そうじゃなくて……」

雪歩「……怖いんです」

P「怖い?」

雪歩「はい。怖いんです……広い場所が」

P「…………」

雪歩「小さい時からそうだったんですけど……だんだん、より怖くなっていって……今はもう、外に出られないんです」

P「でも、今こうしてここにいるよね?」

雪歩「ここは、一応囲まれているので……それにここでも、穴からは出られないんです」

P(なるほど、そのための穴だったのか)

雪歩「あ、そ、そろそろ行かないと……ごめんなさい、Pさん」

P「いやいいよ、いってらっしゃい」

雪歩「し、失礼しますぅ」ズズズ

P「…………」

P(…………外の世界は怖いけど、穴なら平気……ね)

20日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室


P「律子」

律子「Pさんですか。用件はなんですか?」

P「そうだな……」


1 特にない
2 千早について

P「千早の件、何か思いついた?」

律子「あ! そうでした、時間がある時に話そうと思ってたのに、すっかり忘れちゃってましたよ」

P「つまり、何か思いついたのか?」

律子「ええ。ま、何もしないよりはましだろうって程度の案ですけどね」

P「なんでもいい、聞かせてくれ」

律子「Pさん、千早と一緒に街に出てみてくれませんか?」

P「……どういうことだ?」

律子「えっとですね……今の状況って、千早にとって良くないと思うんですよ」

律子「自力で立ち直るような感じでもない以上、誰かのサポートが必要なのに……私達は忙しくてあまり役に立てませんし、千早自身、友達を作るようなタイプでもありません」

P「まあ、そうだな……」

律子「だから、ここはいっそ治療のためだとか適当な理由をつけて、多少強引でもいいので千早といっしょに過ごしてみるんです」

律子「せめてリフレッシュぐらいさせてあげられれば、あの子が前に進む手助けになると思うんですけど……どうですかね?」

P「ふむ……」


1 いいと思う
2 それはどうかな

P「それはどうかな。あの子はどうも俺と関わりたくないみたいだし、リフレッシュどころかストレスをためるだけに終わるんじゃないか?」

律子「……まあ、その可能性も否定はできません。ですが、他に何か方法がありますか?」

P「そう言われると困るが……」

律子「だったら、やるだけやってみてもいいんじゃないかと私は思います」

P「……でもなぁ……」

律子「……まあ、あなたがこの方法では駄目だと思うなら、無理に薦めはしませんけど」

P「せっかく考えてもらったのに、悪いな」

律子「いえ、構いませんよ。PさんはPさんなりに、千早のことを考えてあげてるんでしょう?」

P「ああ」

律子「じゃあ何も問題ありません。あなたがいいと思うことをしてください。間違ってしまった時は、私達が力になりますから」

P「……ありがとうな、律子」

律子「いえいえ」

P「じゃあ、俺はそろそろ仕事に戻るよ」

律子「ええ。そうしてください」


律子「あ、それと、考えが変わったらいつでも言ってくれていいですからねー」

P「ああ、わかった」

23日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭


雪歩「……ふぅ」

P「……あれ? 雪歩ちゃん、なにそれ」

雪歩「あ、Pさん……こ、これは湯呑みと急須と言うもので……」

P「いやそれは知ってるよ!」

雪歩「ひっ……ご、ごめんなさい」

P「あっ、いやその……」

P(てっきりツッコミ待ちかと思ったのに……まさか素だとは……)

P「……お、お茶が好きなの?」

雪歩「あ、はい……」

P「へえー」

雪歩「……えっと、Pさんも飲みますか……?」

P「いいの?」

雪歩「はい。あ、でも、湯呑みひとつしかない……どうしよう……」

P「んー、それなら今回は遠慮しておくよ。また今度飲ませてくれるかな?」

雪歩「じゃあ、次からは湯呑みをふたつ用意しておきますね」

P「ごめんね、ありがとう」

雪歩「ど、どういたしまして」

24日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭


雪歩「あ……Pさん」

P「おはよう」

雪歩「ちょ、ちょっと待ってくださいね」

P「あ、湯呑み、用意してくれたんだ」

雪歩「は、はい……どうぞ」

P「ありがとう、いただくよ」

ズズ……

P「!」

P「うまい!」

雪歩「ほ、ほんとですか? え、えへへへ……」

P「すごいね……へえー、お茶ってちゃんと淹れるとこんなに美味しいんだ……」

雪歩「Pさんも、お茶を淹れたりするんですか?」

P「適当だけどね。よかったら、今度お茶の淹れかたを教えてくれないかな?」

雪歩「ええ!? わ、私がですか……?」

P「うん。だめかな?」

雪歩「……わ、わかりました。じゃあ、また今度……」

P「ありがとう」



P(雪歩ちゃんとお茶を飲みながら話をした)

25日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

医務室


あずさ「あら、Pさん。どうしましたか?」

P「すいません、爪切りってありますかね? まだ新しいの買ってなくて……」

あずさ「ええ、ありますよ。はい、どうぞ」

P「ありがとうございます」

あずさ「お家、燃えたそうですね。大変でしょうけど、頑張ってくださいね?」

P「ええ。おかげさまでなんとか生活していけてますし、まだまだ頑張れますよ」

あずさ「うふふっ、頼もしいですね~。その意気ですよ」


しばらくして……


P「爪切り、ありがとうございました」

あずさ「どういたしまして~」

26日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

律子「…………」カタカタ

P「…………」

律子「…………」カタカタ

P「…………」

律子「…………」カタ……

P「…………」

律子「……あの、何か用ですか?」

P「え? いや別に?」

律子「だったら、やめてもらえませんか?」

P「何をだ? 俺は別に何もしてないが……」

律子「さっきからずっと私の方をガン見してるじゃないですか!」

P「……駄目だった?」

律子「駄目です」

P「えー」

律子「えー、じゃありません。だいたいまだ勤務時間中でしょう?」

P「いやー、子供達に付き合ってたら疲れたんだよね。俺も歳かなぁ……」

律子「二十代前半で歳とか言ってたら、小鳥さんなんかどうなるんですか」

P「あ、そういえば音無さんっていくつなの?」

律子「…………」カタカタ

P「……律子?」

ポン

P「?」クルッ


小鳥「…………」ニコッ


P「あっ……」

27日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭


雪歩「あ……Pさん」

P「こんにちは」

雪歩「ちょ、ちょっと待ってくださいね……」

P「…………」

雪歩「ど、どうぞ」

P「ありがとう」ズズ……

P「ん、今日はまた違うお茶なんだね」

雪歩「は、はい」

P「やっぱり色んな種類のお茶葉を持ってたりするの?」

雪歩「あ、いえ……私、あんまりお茶葉を持ってなくて……」

P「そうなの?」

雪歩「はい。昔はよくお店に行ったりしてたんですけど……」

P「ああ、なるほどね……」

雪歩「…………」

P「…………」

P(茶葉の店……か)

28日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


P(……本当にいつもいるよな)


千早「…………」


P「…………」


千早「…………」


P「……ねえ、千早ちゃん」


千早「…………」チラ

スタ……


P「声、出せないそうだね」


千早「…………」ピタ


P「いつもここで空を見てるけど……いったい、君はどうしたいの?」


千早「…………」


P「こうやって空を見てれば、いつか声が戻るの?」


千早「…………」

スタスタ……


P「…………」

P(しまったな。少し、踏み込み過ぎたか?)

P(この分だと、次からは立ち止まってもくれないかもしれないな……)

P(…………)

29日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

食堂


P「ここの食堂は安くて便利だなぁ……助かるよ」

P(あ、そういえば、俺の給料っていくらぐらいになるのかな?)

P(…………)

P(……まあいいや、どうせ給料日には分かるんだし)


P「さて、どこに座ろうか……な……?」


「…………」ズルズル


P「な、なんだあの丼の量……」


「…………」ズルズル


P「…………」

P「……おっと、ぼーっとしてないで座る所探さないと」


「…………」コトッ

「すみませんが、おかわりをお願いします……」


P(まだ食うのか!)

30日目


高木「おはよう、P君」

P「あ、おはようございます」

高木「その様子だと、ここでの生活にも大分慣れてきたようだね」

P「はい、おかげさまで……」

高木「新しい住居なんかは探しているのかね?」

P「ああいえ、それが、忙しくて中々……」

高木「ふむ、まあそう焦らなくてもいいさ。まだ時間はあるからね」

P「え?」

高木「おっと……すまない、気にしないでくれ。こっちの話だ。それでは私はこの辺で失礼するよ」

P「? はあ……」





P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

食堂


P「おばちゃん、A定食ひとつ」

「はいよー」

P「…………」チラッ


「…………」ズルズル


P「…………」

「はいおまちー」

P「ねえおばちゃん、あの子何者なの?」

「あの子? ああ、貴音ちゃんね」

P(貴音っていうのか)

「あの子はよくわかんないのよねー。なんでも、ある日突然院長が連れてきたらしいわよ」

P「院長が?」

「院長の愛人の子供なんじゃないかって噂もあるくらいよ」

P「へえ……」


「…………」ズルズル……

31日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


千早「…………」


P「…………」


千早「…………」


P「……千早ちゃん」


千早「…………」

スタスタ……


P「…………」

P(ついに、こっちに目を向けすらしなくなったな……)

P(やらなくて後悔するよりも、やって後悔したほうがいい……のか?)

32日目


律子「あ、Pさん。ちょっとお話したいことが」

P「なんだ?」

律子「今晩、夜の見回りお願いできませんか? ちょっと私、用事がありまして」

P「ああ、うん。いいよ」

律子「ありがとうございます」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室


P「律子」

律子「Pさんですか。用件はなんですか?」

P「そうだな……」


1 特にない
2 千早について

P「千早のことで、話がある」

律子「なんでしょうか」

P「この前、律子が提案した方法を却下したが……やっぱり、あれを試してみたいんだ」

律子「ええ、いいですよ。千早には私の方から話しておきますね」

P「……何も訊かないのか?」

律子「言ったでしょう? 気が変わったらいつでも言ってくださいって」

P「……悪いな、ありがとう」

律子「それはこっちの台詞ですよ。Pさんが来てくれたおかげで、私達みんな助かってるんですから」

P「そんなに大したこともしてないけどな……」

律子「すごいことをしてる人は、大抵そう言うんですよ」




律子「それじゃ、お願いしますね。一応戸締まりを確認したら、後は時間まで適当にしてていいんで」

P「ああ、わかった」


しばらくして……


P「よし、窓もドアもちゃんとしまってるな」


P「まだ時間はあるが……どうしようかな」


1 時間まで廊下を見て回る
2 屋上で夜風にあたる
3 事務室で暇をつぶす

P「……どうせ何もすることないし、事務室で暇をつぶすか」

P「パソコンさえあれば時間の浪費はたやすい……」


しばらくして……


P「……ん、もうこんな時間だな」

P「そろそろ部屋に戻るか」

33日目


律子「昨日はありがとうございました。何もありませんでしたか?」

P「ああ、変わったことは何もなかったよ」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


千早「…………」

P「えっと、千早ちゃん。律子から話は聞いてるかな?」

千早「…………」コク

P「そっか、じゃあ、改めて自己紹介するよ。俺はここの職員のP。よろしくね」

千早「…………」サラサラ

P(メモ帳?)

千早『如月千早です。よろしくお願いします。それと呼び捨てで結構ですから』

P「……わかった。よろしく、千早」

千早「…………」コク

P「じゃあ、今日はこのくらいで。外に出る日は、事前に連絡するから」

千早「…………」コク


P(よかった。ちゃんとコミュニケーションはとってもらえるみたいだ)

P(それにしても、メモ帳は前から持ってたのかなぁ…………持ってたんだろうなぁ……)

34日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

エントランス


P「……お、来たか。おはよう千早」

千早「…………」コク

P「じゃあ、行こうか」

千早『どこに行く予定なんですか?』

P「んー、今日はとくに予定はないかな」

千早「……?」

P「今はここに住んでるけど、元々俺は少し離れた所に住んでたからこの辺りのことをよく知らないんだよ」

P「だから、ちょうどいい機会だしこの辺を千早と一緒に見てまわろうと思ってるんだけど……駄目だったか?」

千早「…………」

千早「…………」フルフル

P「そうか、よかった。それじゃあ行こう」




P「へぇー」

P(いつもまっすぐ院に向かってたから気がつかなかったけど、そんなに小さな街でもないんだな)


しばらくして……


P(うん、だいたい見てまわれたかな)

P(千早の様子は……)チラ

千早「…………」

P(いつも通りの表情……いや、微かに不快な感情が表れてるな。まあしょうがないか)

P「悪いね、俺もこの辺りに慣れてないから……退屈だったかな?」

千早「…………」コク

P「うっ……ごめん、次からはちゃんとできるようにするよ」

千早「…………」

35日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

図書室


P「静かだなぁ……」

P「さて、せっかくだし何か読んでいくかな」


1 『眠り姫 ~THE SLEEPING BE@UTY~』

2 『どんと来い、育児問題』

3 『私が見たもの ―バル・ベルデの悪魔―』

P「海外の小説の和訳版か……」

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ


しばらくして……


P「…………」パタン

P「宇宙人……か。果たして本当にいるのかねぇ……」

36日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

エントランス


P「おはよう、千早」

千早「…………」コク

P「それじゃ行こうか」

千早『どこへ?』

P「そうだな……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地

公園


P「へえ……けっこう大きな公園なんだな。お、池もある……」

千早「…………」

P「……千早? やっぱり、こんな所じゃ物足りないか?」

千早「…………」フルフル

P「……な、なにか不満でもあるのか?」

千早「…………」フルフル

P(じゃあどうしてそんなに仏頂面してるんだ……)


P「……ん、あれは……」

P「千早、ちょっと待っててくれ」

千早「……?」


しばらくして……


P「ほら、クレープ。あっちで売ってたから、買ってきたよ」

千早「…………」

P「……い、いらなかった?」

千早「…………」

千早「…………」フルフル

P「よかった。じゃあ、これ」

千早「…………」

パク

P「味はどうだ?」

千早「…………」

P(微妙そうだな……やっぱり、食べ物で釣られるタイプじゃないか)

千早「…………」



P(結局、終始千早は仏頂面だった……)

37日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

エントランス


P「おはよう、千早」

千早「…………」コク

P「それじゃ行こうか」

千早『どこへ?』

P「そうだな……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地

映画館


P「へえ、ここの映画館は昔の映画もやってるのか」

P(映画なら、見てるだけでいいから千早も楽しめるだろう)

P「ええと、見たい映画とかある?」

千早『特にありません』

P「そっか、じゃあ……うーん」

P(この古そうな洋画でいいか)


しばらくして……


P「…………」

P(不覚にも泣いてしまった……コーフィ……)

千早「…………」

P「……それじゃ、そろそろ帰ろうか」

千早「…………」

千早「…………」コク

P(……ん? なんか千早、不満そうな感じだな……)

P「……えっと、面白くなかった?」

千早『いえ、とてもいい映画だったと思います』

P「…………」

P(あまり明るい映画でもなかったから、気分が沈んでいるのかな……?)


千早「…………」

38日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

エントランス


P「おはよう、千早」

千早「…………」コク

P「それじゃ行こうか」

千早『どこへ?』

P「そうだな……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地

商店街


P「ふむ、中々の規模だな……」

P「千早は、このあたりにはよく来てたのか?」

千早「…………」フルフル

P「ああ、そうなの? じゃあ、この辺りに住んでたわけじゃないんだ?」

千早「…………」コク

P「へぇー」

千早「…………」

P「…………」

P(うーん……やっぱり、声を出せない相手との会話は難しいな。特に千早は、積極的にコミュニケーションをとろうとしてくれないし……)

P(だけど、流石にこのまま喋りっぱなしは厳しい……何か間を持たせる方法は……)

P(……やっぱり、これぐらいしかないよなぁ)

P「千早、ちょっと待っててくれ」

千早「……?」


しばらくして……


P「ソフトクリーム買ってきたけど……食べる?」

P(機嫌とりにもならないだろうけど、今日は暑いからちょうどいいだろう)

千早「…………」コクッ

P(……ん? 今、いつもよりちょっとだけ反応がよかったような……)


そして……


千早「…………」ペロ

P「……美味しいか?」

千早「…………」コク

P(心なしか、いつもより機嫌がいいような気が……しなくもない)

千早「…………」ペロ

P(ソフトクリーム好きなのかな?)

エントランス


P「今日はこれで終わりにしようか」

千早「…………」

P「それじゃ、お疲れさま」

千早「…………」クイ

P「ん?」

千早「…………」

P「な、何か言いたいことがあるのか?」

千早『あなたは、何のために私を外に連れ出しているんですか?』

P「え……?」

千早「…………」

P「えっと、律子から聞かされてないかな」

千早『治療の一貫だとは聞きました。ですが、あなた自身は何を思って私と外に出ているんですか?』

P「何を思って……か。そうだな……」


1 千早を治そうと思って
2 千早と仲良くなろうと思って

P「千早と仲良くなりたいと思って……かな」

千早「…………」

千早『私は、あなたと仲良くしたいとは思っていません』

P「え?」

千早『私は早く治ってこんな所から出ていきたいんです。デート気分で付き合って欲しくなんかありません』

P「い、いや、別にデート気分ってわけじゃ……」

千早『今後、あなたとの外出は断らせていただきます』

P「え、ちょ、千早!」

千早「…………」スタスタ

P「待ってくれ! 話を……!」

スタスタ……

P「…………」

P(行ってしまった……)

39日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室


P「この独特の空気がいいんだよな、図書室って」

P「さて、せっかくだし何か読んでいくかな」


1 『眠り姫 ~THE SLEEPING BE@UTY~』

2 『どんと来い、育児問題』

3 『無尽合体キサラギ ~ 宇宙の果てまでイッテきM@S ~』

P「あれ? これ、先生の本かな?」

P「……違うのか、紛らわしいタイトルだなぁ」

P「育児本ね……役に立つ日がいつか来るといいんだけど……」

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ


しばらく後……


P「……ん? 『イマジナリーフレンド』?」

P(『空想の友達』……か)

P(…………)

40日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室


P「なあ、律子。ちょっと踏み込んだ話をしてもいいか?」

律子「? ええ、いいですよ。なんですか?」

P「えっとだな……なんていうか、その……」

P「律子は……つらくないのか?」

律子「つらい? どうしてですか?」

P「律子って、たしかまだ19だろ? なのに、こんな休みが無くて、満足に遊べもしない職場に勤めて……なんとも思わないのか?」

律子「……なんとも思わないって言ったら、嘘になりますね」

律子「でも、いいんですよ。こうして私が頑張れば、その分あの子達は少しずつ進んで行ける……それだけで、私は満足です」

P「……そう、か」

律子「ええ」

P「……じゃあ、俺はそろそろ仕事に戻るよ」

律子「はい、頑張ってくださいね」

P「ああ」


P(本人が満足なら、それでいい……のか?)

P(……まあ、少なくとも俺が軽々しく口を出せることじゃないのは確かだが……)

41日目


律子「すいません、Pさん。また見回りお願いできませんか?」

P「ああ、いいよ」

律子「ありがとうございます」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


P「んーっ……」グッ

P「…………」

P「はぁー……いい天気だ」

P「やっぱり屋上っていいとこだよなぁ……他では味わえない、特別な気分になるよ」

P「それに……いい眺めだ……」

P(この院の庭、近くの森、ちょっと向こうの街……その全てを一度に見渡せる)

P(鮮やかで、爽やかで……元気を貰える景色だ)


P「…………」


P(……でもそういえば、あんまり……いや殆ど、子供達がいないよな)

P(普通子供って屋上とか好きだと思うんだけど……最近の子は違うのかな?)

P(…………)

P「……ま、いいや。そろそろ戻らないとな」




律子「それじゃ、お願いしますね」

P「ああ、わかった」


しばらくして……


P「よし、窓もドアもちゃんとしまってるな」

P「まだ時間はあるし……どうしようかな」


1 時間まで廊下を歩き回ってみる
2 屋上で夜風にあたる
3 事務室で暇をつぶす

P「暇だし、適当にうろついてみるか」


しばらくして……


P「……うん、まあ予想通り、何もなかったな」

P「そろそろ部屋に戻ろう」

42日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室


P「めぼしい本も少なくなってきたなぁ……」

P「さて、何を読もうかな」


1 『眠り姫 ~THE SLEEPING BE@UTY~』

2 『無尽合体キサラギ ~ 宇宙の果てまでイッテきM@S ~』

P「ひさしぶりにラノベでも読んでみるか……」スッ


ピタッ


「あっ」
P「あっ」

P「ごめん、どうぞ」

「いや、別にいいぞ。先に読んで?」

P「いや、いいよ。他のにするから」

「そうか? じゃあ、遠慮なく」

P「好きなの? ラノベ」

「うん。えっと……」

P「ああ、俺はP。最近ここで働きだしたんだ」

響「そっか。自分、我那覇響。よろしくね、P」

P「よろしく、響」

43日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

P(そういえば、まだ美希ちゃんの動くところを見たことないな……美希ちゃんの部屋に行ってみようかな)



美希の部屋


コンコン
ガチャ

P「お邪魔します……」

美希「…………」

P「…………」

美希「…………」

P(きれいな寝相だなぁ……まるで死んでいるみたいだ)

美希「…………」

P(どうやら、起きる様子はなさそうだ)

44日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭


P「ねえ、雪歩ちゃん」

雪歩「な、なんですか?」

P「穴の外に出るのは、怖いの?」

雪歩「……はい」

P「出ると、どんな感じなの?」

雪歩「え、えっと……動けなくなるんです」

P「動けなくなる?」

雪歩「はい……逃げたくて、でもどこにも行けなくて……近くに穴がないと、その場でうずくまってしまうんです」

P「そっか」

雪歩「ご、ごめんなさい……わ、私、本当にダメダメで……」

P「謝らなくていいよ。雪歩ちゃんも、好きでこうなってるわけじゃないんだよね?」

雪歩「は、はい……」

P「大丈夫、雪歩ちゃんならきっと治せるよ」

雪歩「……そう、ですか……?」

P「そうだよ。だから焦らないで、ゆっくり前に進もう」

雪歩「……わ、わかりました……が、頑張ります」

P「うん。俺もできる限り手伝うから、いっしょに頑張ろう」

雪歩「は、はいっ……」

45日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


ガチャ


P「……いた! 千早!」

千早「…………」

スタスタ

P「ちょっと待ってくれ、話だけでも聞いてくれ! 」

千早「…………」スタスタ

P「千早……!」

千早「…………」スタスタ

P「ちは……」


バタン!


P「…………取り付く島もないな……」

46日目


律子「すいません、Pさん。また見回りお願いできませんか?」

P「ああ、いいよ」

律子「ありがとうございます」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


P「……千早」

千早「…………」

スタスタ

P「なあ千早、聞いてくれって……別に俺は……」

千早「…………」ピタ

P「……千早?」

千早「…………」クルッ

サラサラ

千早「…………」スッ

P「……?」パシ

千早「…………」クルッ

スタスタ……


P「メモの切れ端か……えっと」


『しつこいです』


P「…………ずいぶん嫌われたな」

P(これ以上は、逆効果だよなぁ……)




律子「それじゃ、お願いしますね」

P「ああ、わかった」


しばらくして……


P「よし、窓もドアもちゃんとしまってるな」

P「まだ時間はあるし……どうしようかな」


1 時間まで廊下を歩き回ってみる
2 屋上で夜風にあたる
3 事務室で暇をつぶす

P「……どうせ何もすることないし、事務室で暇をつぶすか」

P「この前買ったゲームでも持ってこよう」


しばらくして……


P「……ん、もうこんな時間か」

P「そろそろ部屋に戻るかな」

47日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室


P「律子」

律子「Pさんですか。用件はなんですか?」

P「そうだな……」


1 特にない
2 千早について

P「相談したいことがあるんだ」

律子「千早のことですか?」

P「! ……知ってたのか?」

律子「この前、千早本人から聞きましたよ。とりあえず、何があったのかをあなたの口からも聞かせてもらえますか?」

P「ああ、わかった」


しばらくして……


P「……というわけだ」

律子「はあ……なるほど」

P「別に、デート気分とかそういうわけじゃなかったんだが……」

律子「まあ、そうでしょうね。ですが、千早は真面目な子ですから……きっと、真剣に治療に取り組んでいないと判断されたんでしょう」

P「……それで、俺はどうすればいいと思う? 何回も謝ろうとはしてるんだが、聞く耳を持ってくれないんだ」

律子「そうですね……じゃあ、とりあえず一度私の方からも話してみますよ」

P「悪いな、余計な手間を取らせて」

律子「余計な手間? 何を言ってるんですか。同僚を助けるのも、立派な業務ですよ」

P「……ありがとう」

律子「千早のことは一旦私に任せて、あなたは他のことに専念してください」

P「ああ、そうさせてもらうよ」

48日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室


P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5あずさについて訊く
6雪歩について訊く
7千早について訊く
8響について訊く

P「千早って、なんというかその……難しい子ですよね」

小鳥「あー……まあ、ちょっぴり排他的と言いますか、あんまり他人と関わりたがらない子ですからね」

P「音無さん達にもそんな感じですか」

小鳥「ええ。拒絶ってほどじゃないんですけど……やっぱり、壁があるのは感じます」

P「…………」

小鳥「でも、仕方ないと思いますよ。千早ちゃんも、過去に色々あったんですから」

P「過去ですか……たしか、弟を失ったんでしたっけ」

小鳥「……まあ、関わるのが大変な子ではあるんですが……ああいう子にこそ、あなたの助けがいるんです」

小鳥「ですから、ちょっときついことを言われたりしても、嫌いになったりしないであげてくださいね」

P「もちろんですよ」

小鳥「気難しい子ですから、ふとしたことで機嫌を損ねちゃったりするかもしれませんが……そんな時は私達も力になりますから、頑張って下さい」

P「ええ、頑張ります」

49日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室


P「律子」

律子「Pさんですか。用件はなんですか?」

P「そうだな……」


1 特にない
2 千早について

P「千早のことなんだが……」

律子「ああ、そのことですか。大丈夫ですよ、きちんと話はつけておきましたから」

P「そうか、ありがとう」

律子「いえ、特に大したこともしてませんよ。元々があの子の早とちりと思い込みのせいなんですし、それさえ解ければ話は簡単でしたから」

P「でも、俺にはできなかったことだ。感謝するのは当然だろ?」

律子「まあ、別に構いませんが……」

律子「そんなことより、また何か些細なことで千早の機嫌を損ねたりしないようにしてくださいよ? 次もまた上手くフォローできるか、わからないんですから」

P「ああ、わかってる」

50日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

エントランス


P「……来てくれたか。おはよう、千早」

千早「…………」コク

P(……ふむ、どうやらすっかり元通りになったみたいだ。本当に律子には感謝しなきゃな)


P「それじゃ行こうか」

千早『どこへ?』

P「そうだな……」



1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地

商店街


P「…………」

千早「…………」


P(うーむ……やはり会話しにくいな……)

P(千早の負担を考えると、イエスかノーで答えられる質問をするというのがベストなんだが、それだけというのも……)

P(かといって、毎回食べ物で口を塞ぐわけにもいかないし……)

P「……うーん……」


千早「…………」

クイ

P「ん……なんだ?」

千早『あまり気を使わなくて結構です。筆談には慣れてますし、沈黙も特に苦ではないので』

P「そ、そうか、ごめん」

千早「…………」フルフル


P(しまったな……気を使おうとして、逆に気を使わせてしまった)

P(…………)

P(待てよ? 気を使わせてしまった? 誰に?)

P(……千早に?)

P(あの千早が、俺に気を使ってくれたのか……?)

P「…………」チラ

千早「…………」スタスタ

P「…………」

P(……いや、考え過ぎだな。きっと、俺のわざとらしい気遣いが不愉快だったんだろう……)

P「……はぁ」


千早「…………」

千早「…………」チラ

51日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭


P「そういえば、雪歩ちゃんってどこでご飯食べてるの?」

雪歩「あ、えっと……自分の部屋で食べてます。食堂には、行けないので……」

P「ああ、やっぱりそうなのか。じゃあ、部屋まで食事を持ってきてもらってるんだね」

雪歩「は、はい」

P「でも、それだと好きなメニューを選べないんじゃないの?」

雪歩「あ、いえ……ちゃんと部屋の端末で注文したものを持ってきてもらえますから、大丈夫ですよ」

P「え、なにそれ。俺そんなの知らない」

雪歩「あ、えっと、端末っていうのは、より大きなコンピューターと通信を行いデータのやり取りを行う装置のことで……」

P「いやそれは知ってるからね?」

雪歩「え?」

P「……えっと、雪歩ちゃんの部屋には端末が付いてるの?」

雪歩「はい」

P「それで何ができるの?」

雪歩「ええと……ご飯の注文とか、職員さんの呼び出しとか……」

P「ああ、なるほど。部屋から出られない子のための物ってことかな?」

雪歩「はい」

P「そんなものがあったのか……知らなかったな」

雪歩「たぶん、付いてる部屋と付いてない部屋があるんだと思います」

P「そうなんだろうね……ちなみに、雪歩ちゃんがよく頼むのは?」

雪歩「Y定食です」

P「ああ。おいしいよね、あれ」


雪歩「はい!」


P「!?」


雪歩「色んな種類のお肉がそれぞれに合った方法でちょうどよく焼き上げられていて、一口食べてみると柔らかいながらも適度な歯ごたえ、それに加えて溢れ出る肉汁とタレが混ざりあい口のなかに濃厚な旨味が広がって白いご飯が……」


P「へ、へえ~」

P(焼肉の話は下手に振らない方がいいみたいだ……)

52日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

食堂


P「あれ? 響?」

響「ん? ああ、Pか……何?」

P「いや、別に。響もここを利用してるんだなーって思ってさ」

響「そりゃそうでしょ。ここの子は大体ここを使ってるんだから」

P「ああ、言われてみればそうだな」

響「中には例外もいるけどね。ま、タダでこれだけ美味しいものが食べられるなら普通みんなここを使うぞ」

P「…………」

P(タダで……か。流石にここの資金源が気になってくるな……)


P「ところで、それなんだ?」

響「ソーメンだけど?」

P「へー。ここのソーメンってチャーシューのってるのか」

響「……あー、いや、これは自分が頼んだからだな」

P「ふーん」

P(チャーシュー好きなのかな?)

53日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

エントランス


P「おはよう、千早」

千早「…………」コク

P「それじゃ行こうか」

千早『どこへ?』

P「そうだな……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地

映画館


P「さて、どの映画にしようかな……っと。千早の希望は……」

千早『特にありません』

P「そうか。じゃあ…………ん?」


『果てしなく仁義ない戦い 頂上ねらいM@S!』


P「この女優、なんだか千早に似てないか?」

千早『そうでしょうか?』

P「……うん、やっぱり似てるな。これにしよう」

千早「…………」


しばらくして……


P「…………」

千早「…………」

P「……ごめん、あんなことになるなんて、知らなかったんだ」

千早『気にしていませんから、大丈夫です』

P「ならいいんだけど……」

P(似てるって言った女優が、まさか殺される役だったなんてな……)


千早「…………」


P(千早も微妙な表情をしてるし……あの映画を選んだのは失敗だったか。一応、映画自体は面白かったんだけどな……)

54日目


P「うーん……」

P(なんだろう、なにか忘れてる気がするなぁ……)

P「……まあ、いいか。そのうち思い出すだろう」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


P「ふーっ……」


P「青い空と白い雲の下の……屋上」

P「学生時代に、こんな所で彼女と弁当でも食べてたら、楽しかっただろうなぁ……」

P「…………」

P「まあ、彼女なんかいたことないんだけどな……」


P「……ん」

P(よく見ると、森の中に倒れてる木があるな……)

P(……まあ、古くなった木が倒れたんだろう。気にするほどでもないな)


P「さて、そろそろ仕事に戻るとするか」

55日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

エントランス


P「おはよう、千早」

千早「…………」コク

P「それじゃ行こうか」

千早『どこへ?』

P「そうだな……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地

遊園地


P「へえ、けっこう客がいるな」

千早「…………」

P(ここなら声が出せなくても楽しめるだろう)

千早「…………」チラ

P(うんうん、アトラクションもいい感じじゃないか……まずはどこから攻めようかな……)

千早「…………」チラ

P(……? さっきから千早はどこをチラチラ見てるんだ?)

P「……ん?」


マスコット「ヂュイッ」


千早「…………」チラ

P「……千早?」

千早「!」サッ

P(……ふーん)

P「なあ千早。俺、あのマスコットの写真撮りたくなったんだけど、協力してくれないか?」

千早「…………」

千早「…………」コクッ

P「よし、決まりだ。スイマセーンッ」


P(案外……と言ったら失礼だけど、かわいいものとか好きなのかな)

エントランス


P「じゃあ、今日はこれくらいで終わりにしようか」

千早「…………」コク

スタスタ……


P「…………」

P(果たして俺は、千早の役に立ててるのか……? 考えたって仕方のないことだが、やっぱり気になるよな……)

P「……まあいいや、とりあえず事務室に戻……ん?」

P(入り口そばの掲示板に、新しい張り紙があるな……えっと……)

P「……なんだ、町の祭り関係のお知らせか。俺には関係ないな」

P「しかし、そういえば祭りなんてもう何年も行ってないな……行ったって、特に楽しいとも思わないから別にいいんだが」

P「……まあいいや、そんなことより、仕事仕事」

56日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

エントランス


P「おはよう、千早」

千早「…………」コク

P「それじゃ行こうか」

千早『どこへ?』

P「そうだな……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地

ゲームセンター


P「うっ……」

P(覚悟はしてたけど、やっぱりうるさいな……)

P(千早の様子は……?)チラ


千早「…………」


P(眉をひそめてる……まあ、慣れてないとちょっと不快に思うかもな)

P「千早? とりあえず、一通り見てみるか?」

千早「…………」コク



しばらくして……


千早「…………」ピタ

P「ん? やりたいゲームでもあったか?」

千早「…………」スッ

P(『太鼓の達人』か……)

P「やってみるか?」

千早「…………」コク

P「よし、じゃあせっかくだし二人プレイにしよう。操作方法はわかるのか?」

千早「…………」フルフル

P「まあ、シンプルだから大丈夫だろう。えっと……」


しばらくして……


~♪ ~♪ ~~♪

P「…………」ドンドンカッドンドドドドドン

千早「…………」ドンドンカッドンドンドン……


そして……


<成績発表~!

P「俺はノルマクリア成功。千早は……失敗か」

千早「…………」

P「まあ、初めてにしてはよくできてたと思うぞ? それじゃ、そろそろ……」

千早「…………」ブンブン

P「……何?」

千早「…………」ピッ

P「……もう一回?」

千早「…………」コクッ

P「……オッケー」



P(その後、俺が負けるまで千早の『もう一回』は続いた……どうやら、結構な負けず嫌いのようだった)

58日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

屋上


P「……ふぅ。飯も食べたことだし、ここで一休みでもしようかな」

P「……ん? ……あっ」


千早「…………」


P(そうだった。千早は普段ここにいるんだったな……)

P(あ、でも、今なら……千早と関わりのある今なら、避けられることもないんじゃないか?)

P(……よし、試しに行ってみるか)



千早「…………」


P「……本当に、千早はいつもここにいるよな」

千早「…………」チラ

P「よかったら、理由を教えてくれないか?」

千早「…………」

P(よし、どこかに行くことはないみたいだな)


千早『特に理由はありません』

P「そうか? それにしては、いつも決まって屋上のこの場所にいるじゃないか」

千早「…………」

千早『強いて言うなら、ここが静かだからです』

P「ん? ああ、たしかにそう……だよ……な……」

千早「…………」

千早『そろそろ食堂に行かなくてはならないので、失礼します』

スタスタ……


P「……なるほど、そういうことか」

P(そうだよな……ここなら、子供達の声が聞こえないからな……)

P(昔、弟を失ったらしいが……やっぱりまだ、そのことを引きずっているのか……)

59日目


小鳥「おはようございます」

P「あ、おはようございます」

小鳥「…………」

P「……な、なんですか?」

小鳥「いいですよねPさんは……外に出る用事とかなくて」

P「え? ああ……なるほど、もう梅雨ですもんね」

小鳥「ええ。今日なんかも郵便局まで行かないといけないのに、雨のせいで面倒で仕方ないですよ」

P「まあ、頑張ってください」

小鳥「気楽そうですね……」

P「実際あんまり関係ないですからね」

P(家が燃えたことによって得た数少ないメリットとでも言うべきか……)


小鳥「あーあ……ウェザーリポート欲しいなー」





P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

中庭


P「突然だけど、雪歩ちゃんってUFOとか信じるタイプ?」

雪歩「UFOですか? 信じてますけど……それがどうかしたんですか?」

P「へぇ、信じてるんだね……いや、この間読んだ小説の題材が宇宙人?だったから、ちょっと訊いてみたくなってさ」

雪歩「あ、あの、えっと……信じてもらえないかもしれませんけど、私、UFOを見たことあるんです」

P「え? 本当に?」

雪歩「は、はい……今までに、何度か見たことがあります。ちょっと前にも見ました」

P「へえー……」

P(UFOねぇ……訊いてはみたけど、おれ自身は信じてないんだよなぁ)

雪歩「……や、やっぱり信じてもらえませんよね……」

P「え? ああいや、雪歩ちゃんの言ってることを信じてないわけじゃ……」

雪歩「う、うぅ……」

P「そ、そうだ! 喉も渇いたことだし、お茶のおかわりが欲しいなー!」

雪歩「え? あ、はい、すぐに淹れますね」

P「うん、おねがい」

P(よかった……なんとか誤魔化せた)

60日目


高木「やあ」

P「あ、院長。おはようございます」

高木「うむ、おはよう。……君もここで働きだしてそろそろ二ヶ月か。早いものだ」

P「ええ、そうですね」

高木「今後どうするかについては考えているのかね?」

P「……すいません、まだ決めきれなくて……」

高木「構わないよ。君の人生だ、納得がいくまで考えるといい。その結果君がどのような選択をしても、私はそれを支持するよ」

P「ありがとうございます。……ところで、院長はいつもどこにいるんですか? 院長室にはいませんよね?」

高木「……ん、まあ、いろいろと用事があってね……おっとすまない、そろそろ出かける時間だ。失礼するよ」

P「? は、はあ……」






P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

屋上


千早「…………」


P「……千早」

千早「…………」チラ

P「隣、いいか?」

千早「…………」

千早『何か用があるんですか?』

P「いや、ないよ。だから、千早が嫌だって言うならおとなしく移動するけど」

千早「…………」

千早『もうじき私は食堂に行きます。それまでの間でいいのなら、どうぞご自由に』

P「そうか、ありがとう」

千早「…………」


P「……ふぅ。いい天気だな」

千早「…………」

P「……千早は、声が出せるようになったらやりたいこととかあるか?」

千早『ありません』

P「ふーん……じゃあ、今何か考えてみてくれないか?」

千早『何故ですか?』

P「なんかそういう、目標とかあった方がいいじゃないか。モチベーションも上がるだろうし」

千早『そういうものなのでしょうか』

P「そういうものだよ。何でもいいから、思いついたことを言ってみてよ」

千早「…………」

P「…………」

千早「…………」

千早『カラオケに、行ってみたいです』

P「歌うのが好きなの?」

千早「…………」コク

P「そうか。じゃあ、治ったらお祝いにカラオケに行こう」

千早『あなたとですか?』

P「だめか?」

千早「…………」

千早『考えておきます』

P「そうか」

61日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

エントランス


P「おはよう、千早」

千早「…………」コク

P「それじゃ行こうか」

千早『どこへ?』

P「そうだな……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地

公園


~♪


P「お、路上ライブか。えっと……」チラ

千早「…………」コク

P「だよな。じゃあ、ちょっと聞いていくか」


しばらくして……


~♪

P(……ん)

P「なあ千早、俺ちょっとトイレに……」

千早「…………」

P(……聞こえてない、か。随分集中してるみたいだな……)

P(邪魔しても悪いし、黙って行くか)


数分後……


P「思ったより遠くて、時間がかかってしまった……」

P「……ん?」


千早「…………」


P(しまった、もう路上ライブ終わってる……待たせちゃったか)


P「……千早!」


千早「!」


P「…………」


千早「……?」


P「あ……ああ、えっと、すまん、ちょっとトイレに行ってたんだ……待たせちゃったな」

千早「…………」フルフル

P「そうか。じゃあ、もういい時間だしそろそろ帰ろうか」

千早「…………」コク


P「…………」

P(見間違いか?)

P(さっきの千早……俺を見つけた瞬間、ちょっとだけ、柔らかい表情をしたような……)


P「…………」チラ

千早「?」


P(…………)

62日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

エントランス


P「おはよう、千早」

千早「…………」コク

P「それじゃ行こうか」

千早『どこへ?』

P「そうだな……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地

商店街


P「あ、ちょっと服屋に寄ってもいいか?」

千早『何故ですか?』

P「いやー……なにしろ部屋が燃えたものだから、夏物がないんだよ。普段休みもないことだし、街に来たこの機会に買っておこうかと思って……」

千早『なるほど。そういうことでしたら構いませんよ』

P「ありがとう。じゃあ……」


キキキィィーッ!!!


P「うおっ」

P(ブレーキの音か。近いな……)

P(……ん?)


千早「…………」ガタガタ


P「ち……千早? 顔が真っ青だぞ……大丈夫か?」


千早「…………」ハーッ……ハーッ……


P「…………」

P「ごめん、千早」


ギュッ


千早「!」

P「文句なら、後でいくらでも受け付ける。だから今は……我慢してくれ」

千早「…………」ガタ……ガタ……

P「…………」ギュ

千早「…………」カタ……

P「…………」

千早「…………」

P「……落ち着いたか?」

千早「…………」

千早『はい。ありがとうございました』

P「……ごめんな、急に」

千早『私こそ、すみませんでした』

P「……今日はもう帰るか」

千早『いえ、もう大丈夫ですから』

P「そうか? じゃあ、行くか?」

千早「…………」コク


P「…………」

P(ブレーキ音が苦手なのか?)

P(もしかしたら、弟の件と関係があるのかもしれないな……)

63日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

食堂


P「うーん……」

響「ん? P、何やってるんだ?」

P「どの定食にしようか迷っててな。どれも安いとはいえ、今月もヤバイからちょっとでも食費を抑えたいんだけど……毎食M定食ってのもなんだかだし……」

響「えっ? Pはお金払わないといけないのか?」

P「……職員は払わないといけないんだよ」

響「へー……で、結局どれにするんだ?」

P「待ってくれ、まだ迷ってるんだ……ちなみに、響はどれにするつもりだ?」

響「んー、どうしよっかなー。自分はお金払わなくてもいいから、Pより選択肢が多くて尚更迷っちゃうぞー」

P「……くっくっく……いちいち癇にさわるヤローだ」

響「あ、そうだ! なんなら自分がPの分も貰ってきてあげようか? 『お願いします響様』って言ったらしてあげてもいいぞ?」

P「……でかいクチをきくのもそこまでだ! いますぐだまらせてやるぞ!」

響「あははっ、じゃあ自分もう行くね、お先!」

P「……まったく人をイライラさせるのがうまいやつだ……」

P「…………」

P「……F定食にするかな」

64日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

事務室


P「律子ー……は、いないのか」

P「……ん、またパソコンがつけっぱなしだな……」

P(これは……経理的な何かかな? よくわからないけど……)

P(……ん? この『M資金』ってなんだ……?)

律子「あっ! ちょっとPさん! なに人のパソコン覗いてるんですか!」

P「うおっ!? す、すまん!」

律子「まったく……まあ、つけっぱなしで場を離れた私も悪いとは言え、こういうのはやめてくださいよ?」

P「ああ、気をつける……ところで律子」

律子「なんです?」



1 特にない
2『M資金』について
3 見回りについて

P「たしか今日の見回り当番って律子だったよな?」

律子「ええ、まあ……それがなにか?」

P「代わるよ」

律子「え?」

P「最近の律子、すごく忙しそうだからな……今日くらいは俺が代わりに当番をするから、早めに休んでくれ」

律子「で、でも、Pさんに迷惑をかけるわけには」

P「別に大したことじゃないさ。それに、このまま働き続けて倒れる方がよっぽど周りの迷惑になるぞ?」

律子「う……」

P「埋め合わせはまた今度してもらうから……な?」

律子「……はぁ。わかりましたよ、じゃあお言葉に甘えて、今日の見回りはお任せますね」

P「そうしてくれ」




律子「それじゃ、お願いしますね」

P「ああ」


しばらくして……


P「よし、窓もドアもちゃんとしまってるな」

P「まだ時間はあるし……どうしようかな」


1 時間まで廊下を歩き回ってみる
2 屋上で夜風にあたる
3 事務室で暇をつぶす

屋上


ヒュウゥゥ……

P「……いい風だな」

P(それに……静かだ。街の方とは大違いだな……やっぱり、環境を重視しているんだろうか)

P「……ん?」


「…………」


P(あの子は……たしか食堂の……)

P「ねえ、君」

「なんでしょうか」

P「えっと、君は貴音ちゃん……だよね?」

貴音「はい、そうですが」

P「えっと……」

P(どうしよう、消灯時間はとっくに過ぎてるのに……ここまで堂々とされると何も言えない)

貴音「はて……? どうかされましたか?」

P「ええと、いや……なんていうか……なんでここにいるのかなって思ってさ」

貴音「私は、月を見るためにここに来ました」

P「いや、そうじゃなくて……」

貴音「?」

P(どうしようかな……)

P「えっと……」



1「月が好きなの?」
2「部屋に戻らなくていいの?」

P「貴音ちゃんは、月が好きなの?」

貴音「……どうなのでしょうか、自分でも、分かりません」

P「え?」

貴音「私には、記憶がないのです」

P「記憶喪失……ってこと?」

貴音「はい。ここのすぐそばの森の中で倒れていたそうです」

P「それで、ここにいるのか」

貴音「ええ。たまたま通りがかった高木殿が、私をここに置いてくださりました」

P「なるほどね……」

P(なんだかすごい話だけど、これが本当なら、食堂のおばちゃんが言ってたのはただの噂ってことか)

P(まあ、あのおっさんからこんな子が産まれるわけないよな)

P「……おっと、もうこんな時間か」

貴音「お帰りになるのですか?」

P「うん。あ、でもそういえばここの鍵って……」

貴音「ご心配なさらずとも、私が帰り際にきちんと施錠いたします。私もここの鍵を持っておりますゆえ」

P「そっか。じゃあ、おやすみ貴音ちゃん」

貴音「はい。おやすみなさい」

65日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

屋上


千早「…………」


P「お、いたいた」

千早「…………」チラ

P「おはよう千早」

千早『おはようございます』

P「千早はこれから昼飯か?」

千早「…………」コク

P「そうか」

P(いつもこのくらいの時間だよな……やっぱり、意識的にずらしてるのか)

P「……なあ千早、俺も一緒に行ってもいいか?」

千早「…………」

サラサラ

P「ちょっと忙しくて暇がなくてさ、まだ食べれてないんだよ」

千早「…………」ペラ

サラサラ

P「俺はほら、やっぱり一人より二人がいいと思うタイプだからさ」

千早「…………」ペラ

サラサラ

P「まあでも、千早が嫌ならやめとくけど」

千早「…………」クイッ

P「ん?」

千早『まだ何も言ってません。勝手に話を進めないでください』

P「ああ、ごめん。なんとなく予想できちゃったからさ……」

千早「…………」

千早『昼食の件ですが、私は別に構いません。あなたの好きなようにしてください』

P「そっか。ありがとう」


P(なんとなくだけど……最近、少しずつ……何て言うか、近づけるようになった気がする)

P(警戒心が解かれたとでも言うべきか? まあ、なんにせよいいことだよな……たぶん)

66日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

中庭


P「雪歩ちゃんって、高校生だっけ?」

雪歩「あ、はい……一応」

P「ふーん……自分でも勉強とかしてるの?」

雪歩「…………」

P「……ゆ、雪歩ちゃん?」

雪歩「……や、やってはいるんですよ? けど……」

P「いまいち分からない?」

雪歩「はい……」

P「そっか……」


P(高校生ぐらいの勉強なら、たぶん俺でも教えられる。でも、それじゃあ駄目だよな。根本的なところが解決してない)

P(普段何気なくみんなと接していて、それを普通だと思ってしまってたけど……やっぱり、みんなにとって、ここにいるのはよくないことなんだよな……)


雪歩「……あの、お茶のお代わりはいかがですか?」

P「え? ああ、もらうよ。ありがとう」

雪歩「いえ、そんな……」

雪歩「……あ、お湯が……すみませんPさん、ちょっと待っててくださいね」

P「うん」


P(いい子……だよな、本当に)

P(…………)

P「……たしか、穴なら平気だったよな……」ボソッ


雪歩「何か言いましたか?」

P「え? ああ、いや、何も?」

雪歩「……? そう、ですか」

P「あ、もう新しいの持ってきたんだ?」

雪歩「あ、はい。今淹れますね」

P「うん、ありがとう」

P(…………)

67日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

中庭


P「雪歩ちゃん」

雪歩「あ、Pさん。今お茶を……」


P「そこから出てみようか」


雪歩「……え?」

P「そこから出て、地面に立とう」

雪歩「……む、むむむ無理です! わ、私……!」

P「大丈夫。なにも外に出ろって言ってるわけじゃないよ」

雪歩「それでも無理ですぅ!」

P「……ねえ、雪歩ちゃん。たしか、穴の中なら大丈夫なんだよね?」

雪歩「ふぇ……? あ、は、はい……一応」

P「うん、それじゃあ、ちょっと周りをよく見てみようか」

雪歩「ま、周り……ですか?」

雪歩「…………」

雪歩「え……あれ……? ま、窓が……?」

P「そう。中庭に面する窓のカーテンを全部閉めてきた。ここは今、完全に囲まれた穴なんだ」

雪歩「穴……?」

P「そう、ちょっと大きいだけの穴だよ。だから、大丈夫だろう?」

雪歩「あ、穴……ここも、穴……」

P「…………」

雪歩「ここも穴……ここも……穴……」

P「…………」

雪歩「穴……穴……穴……」

スッ

P「!」

雪歩「はぁ……はぁ……」

P「頑張れ! 雪歩! もう少しだ!」

雪歩「っ……穴っ……! ……ここも……穴……! 穴っ……! 」


グッ


P「!!」


タッ!


雪歩「はぁっ、はぁっ……」プルプル


P「やった!」

雪歩「Pさん……! わ、わた、私っ……! た、立ててますぅ……!」

P「おめでとう……雪歩ちゃん。これで、一歩前進できたね」

雪歩「はいっ!」

68日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

食堂


P「……なあ、千早」

千早『なんでしょうか』

P「いや……よくまあそれだけの食事量で済むよなって思ってさ」

千早『特にこれといった運動もしていないので』

P「でもなあ……それにしたって、ちょっと少ないと思うぞ?」

千早『そうでしょうか?』

P「ああ。成長期なんだし、もうちょっと食べた方がいいと思う」

千早「…………」

千早『このままでは、身体の成長に影響が出るということですか?』

P「んー……断言はできないけど、その可能性もあるんじゃないか?」

千早「…………」

P「あ、でも、現状千早は結構背が高いし、もしかしたらかなり燃費がいいのかも……」

千早『わかりました。もう少し、追加で注文してきます』

P「え? あ、いや、ごめん。ああは言ったけどあくまで素人意見だし、別にそこまで気にしなくてもいいぞ?」

千早『いえ、あなたの言う通りです。身体の成長のためにも、この時期の食事はきちんとしないといけませんよね』

千早「…………」ガタ

スタスタ……


P「…………」

P(なんか、『身体の成長』って字だけやけに気合い入ってたような……)

P「……まあいいか」

69日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

中庭


雪歩「あ、Pさん……」

P「おはよう、雪歩ちゃん……その様子だと、もうその穴には入ってなくても大丈夫なのかな?」

雪歩「あ、はい……Pさんのおかげで、ここなら、もう大丈夫です」

P「いや、あくまで雪歩ちゃんが頑張ったからだよ」

P(やっぱりな、思った通りだ)

雪歩「……あ、あの!」

P「ん?」

雪歩「よ、呼んでくれないんですか……?」

P「?」

雪歩「こ、この前は……雪歩って、呼んでくれましたよね……」

P「え、ああ……」

P(そういえば、つい呼び捨てにしてたような……)

P「……えっと、呼び捨てがいいの?」

雪歩「で、できれば……」

P「そっか、じゃあ……雪歩」

雪歩「あ……え、えへへ」

雪歩「今お茶淹れますね♪」

P「うん、ありがとう」

70日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

食堂


千早「…………」

千早『最近、ずいぶん昼食が遅いんですね』

P「え?」

千早『まるで私が食べにくる時間を見計らって来ているのかと錯覚するほどです』

P「……あ、あはは、き、気のせいだろ」

千早「…………」

P「…………」

千早「…………」

P「……そんな目で見なくても、俺と仲良くする気がないって言ったのはちゃんと覚えてるよ」

千早「…………」

P「心配しなくても、治療に関しては俺なりに真面目にやってる。これはあくまでプライベートだ」

P「プライベートで個人的に患者と仲良くしようとしたって別にいいだろ? マイナスは無いはずだし」

千早「…………」

千早『そういうことなら、堂々と来ればいいのでは? 少なくとも、わざとらしく偶然の振りをする必要はないはずです』

P「ああ、そっちか……」

P(だってまた拗ねられるかと思ったから……)

千早「…………」

千早『また拗ねられるかと思ったから、みたいなことを考えてませんか?』

P「い、いや別に?」

千早「…………」ハア

千早『とにかく、今後そういった演技はしなくていいです。別に、昼食を同席するくらいで文句は言いませんから』

P「あ、うん……」

P(俺の演技が気にくわなかったのかな? そんなに下手だったかなぁ……)

71日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

屋上


千早「…………」


P「…………」

P(今日も今日とて屋上か……)

P(前に理由を訊いた時は、静かだからここにいるだけとかなんとか言ってたな)

P(……だけど、本当にそれだけなのか?)


千早「…………」


P(本当にそれだけの理由でここにいるのなら、もっと何かしてるものなんじゃないのか? 本を読むとか、音楽を聴くとか……)


千早「…………」


P(そうやって空を見上げ続けているのは、何か別の理由があるからじゃないのか?)

P(……いや、理由というよりは……)


千早「…………」


P(まあ、訊いても教えてくれないだろうし……今はいいか)


P(いずれ、千早の口から真実を聞ける日が来るといいんだけどな……)

72日目


律子「Pさん、ちょっといいですか?」

P「ん?」

律子「今日、とある患者の保護者との面談があるんですが……私の代わりにやってもらえませんか?」

P「……えっ?」

律子「本当は私がやる予定だったんですけど、手違いで他の方との約束と時間が被ってしまったんですよ。忙しくて気がつかなくて……いえ、これは言い訳ですね」

P「……どちらかの時間をずらしたりはできないのか? 俺なんかが代わりにやったところで、うまくいくとは思えないが……」

律子「……難しいですね。お二方ともお忙しいみたいですし、何よりもうすぐ時間ですから」

律子「それに、あなたなら大丈夫だと思いますよ。いえ、むしろあなたが適任だと言うべきかもしれません」

P「俺が適任……?」

律子「無理にとは言いませんが……お願いできませんか? 院長の許可はとってありますから、後はあなた次第です」

P「…………」

P「わかった……やってみよう……」

律子「おおっ、ありがとうございます」

エントランス


律子『それじゃ、担当者変更の旨は向こうに連絡しておきますね。患者の近況と今後の方針なんかを説明すればとりあえずオーケーなんで、頑張って下さい』


P「……とか言われてもなぁ」

P(正直、不安だ……そもそも俺は、それぞれの患者の事情なんて殆ど知らないんだぞ? もし何かおかしなことを言って保護者の機嫌を損ねたりしたら……)

P「……はぁ」


「……あの。Pさん……ですよね」


P「あ、はい、俺が…………」


千種「初めまして、如月千種と申します。如月千早の……母です」


P「……!」

投下日時の目処たったら、何日の何時頃開始予定とか早めに宣言したほうがいいかも
安価系だと一定の人がリアルタイムでいないとなかなか進めづらいしね、前回までの投下時も一人しかいないこと多かったりとか
せっかく参加したくてもタイミング逃しちゃうって人もいるだろうし

もうそろそろ更新厳しい?
あんまり無理せず大筋だけ落として終わらせちゃっても大丈夫なの

面談室


P「えーと……じゃあ、まずは娘さんの近況を報告したいと思います」

千種「お願いします」


しばらくして……


P「……というわけで、今後も同様の治療をおこなっていきたいと考えています」

千種「……わかりました」

P「何か気になった点などはありましたか?」

千種「いえ……特には」

P「そうですか」


P(うん……とりあえず、無事に乗り切れたな。律子が言ってたことはちゃんとやったし、十分だろう)

P(時間にはまだちょっと早いけど、もう伝えるべきこともないしな。この辺で……)


千種「……Pさんは、新しく入られた方ですか?」

P「え?」

千種「いえ、その……初めてお会いしたものですから、新しい職員の方かと思ったのですが……違いましたか?」

P「あ、いえ、あってますよ。この春からここで働き始めたんです」

千種「そうですか……」

千種「…………」

千種「……私が言えたことではありませんが……あの子と関わるのは、少し、難しいと思います」

千種「ですが、その……あの子を、よろしくお願い致します」

P「……ええ、もちろん」

P「大船に乗ったつもりで、とまでは言えませんが……精一杯、娘さんのサポートをしたいと思っています」

千種「……ありがとうございます」

P「いえ……それに、確かに知り合った当初は少し気難しい感じがしましたが、最近では比較的穏やかにコミュニケーションをとれていますから」

千種「そうですか……安心しました」


P「…………」

P(そうだったなぁ……思い返せば、初めて会った時なんか完璧に無視されてたんだよな)

P(仕方ないから治療ということで半ば無理矢理に接点をもって……それから、何度か一緒に街に出掛けたりして……)

P(…………)

P(…………ん)

P(そういえば、あの時……)

P「あの……如月さん」

千種「はい」

P「少し、その……不躾な質問をしてもよろしいでしょうか?」

千種「……ええ、どうぞ」

P「娘さんは、どうも急ブレーキの音が苦手なようなのですが……もしかすると、息子さんの件と何か関係があるのではないかと思いまして……」

P「その……息子さんは、どういう経緯でお亡くなりに……?」

千種「…………」

千種「……優は……あの子の弟は、交通事故で他界しました」

P「……やはり、そうでしたか。となると……」

千種「……ええ、お察しの通りです」

千種「あの子は……優の最期を、目の当たりにしたんです」

P「…………」

千種「急ブレーキの音が苦手だということは知りませんでしたが……恐らく、そのあたりのことが原因なのではないかと……」

P「……なるほど」

P(…………)

P「……如月さん。できたらでいいんです、気が進まないなら断っていただいて結構なのですが……」

P「事故当時の、詳しい話をお聞かせ願えませんか……?」


しばらくして……


P「……辛い思い出をお話してくださって、ありがとうございました」

千種「いえ……私には、このくらいしかできませんから。少しでもお力になれたなら、幸いです」

千種「…………」チラ

千種「……すみません、私、そろそろ時間が……」

P「あ、そうですね。では、今日はこのあたりで……お忙しい中、ありがとうございました」

千種「いえ……それでは、失礼します」


ガチャ
バタン


P(…………)

73日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

遅くなって申し訳ありません
このまま放っておくといつまでも出来ない気がしたので、もう細かい事は気にしないことにしました
以前のようなペースは無理だと思いますがなんとか終わらせたいと考えています
記憶違いや忘却によるミスがあるかもしれませんがご了承ください

屋上


ガチャ


P「……ん」


P(なんだ、いないのか。一緒に昼飯食べようと思ったのに)テクテク

P「…………」

P(段々暑くなってきてるなぁ……夏が近づいてるって感じがするよ)

P「…………」

P「……はぁ」


P(食堂行くか……一人飯なんていつものことだしな……)

P(…………)


P「千早と食べたかったなぁ……」ボソッ


P「…………」

P(あ、でも今行けばまだ食べてるかも……)クルッ


千早「…………」


P「…………」

千早「…………」


P「……いたのか」

千早『日差しが強い日はできるだけ日陰にいるようにしてるんです』

P「……そうか」

P(日差しが強い日は部屋にこもればいいんじゃないか? とは言いづらいな……)

P「えーと……」

千早『私はもうお昼の時間なので、食堂に行きますけど』

P「え?」

千早「?」

P「あ、いや、えっと……俺も行っていいか?」

千早『お好きにどうぞ』

クルッ
スタスタ……


P(……聞かれてなかった……のか?)


千早「…………」

74日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

前回書き忘れたので

>>871
予定を守れる気がしないので投下予告などはできる限りしないつもりです

>>872
どうしても無理になったらそうさせていただこうと思っています

中庭


P「…………」


雪歩「…………」ヒョコ


P(雪歩がまた穴に入ってる……)

P「……雪歩?」

雪歩「!」ビクッ

雪歩「あ……Pさんですか……よかったぁ」

P「えっと……何かあったのか? また穴に入ってるけど……」

雪歩「あ、えっと、これは……さっき犬に追いかけられて……」

P「犬?」

雪歩「は、はぃ……それで、咄嗟にここに逃げ込んだんです」

P「犬って……こんな所に?」

雪歩「ほ、本当にいたんです!」

P「あ、う、うん。もちろん信じるけど……」

P(うーん……犬、ねぇ。中庭の出入口のどこかが開いてて、野犬か何かが入ってきたとか……? あとで確認しなきゃな)


雪歩「うぅ……」

P「……雪歩は犬が苦手なのか?」

雪歩「は、はい……」

P「ふーん……」

P(犬に驚いて逃げる雪歩か……)

P(……ちょっと見てみたい気もする)


P「…………」

雪歩「……Pさん?」

P「え、あ、すまん。ちょっと考えごとしてて……ほら」スッ

雪歩「?」

P「もう犬もいないみたいだし、別に穴に入ってる必要もないだろ?」

雪歩「あ……えっと……」

雪歩「……そ、そうですね」スッ

P「よっと」グイッ

雪歩「んっ……」スタッ

P「ふぅ……雪歩は軽いな」

雪歩「……え、えっと、今お茶淹れますね」

P「うん、お願い」

P「…………」

P(そういえば……今普通に手繋いじゃったけど……案外平気そうだったな)

P(最近はあんまり怯えられることもないし……慣れてきたのかな?)

75日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

屋上


ガチャ

P「…………」


P「…………」キョロ


P「…………」キョロ


P「…………」


P(……いないのか)

P(ま、こんな日もあるよな……千早だって、流石にいつもここにいるわけじゃないし)


P「…………」


P「特にすることもないな……」


P「……戻るか」

76日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

屋上


ガチャ

P「……ん?」


千早「…………」


P(目を閉じてる……)


P「……千早?」

千早「…………」

P「……寝てるのか?」


P(…………)


P「…………」スッ

千早「…………」ピクッ


P「!」バッ


千早「…………」パチ

千早「…………」

千早「…………」

千早『もうお昼ですか?』

P「あ、ああ」

千早「……?」

千早『どうかしましたか?』

P「いや、別に? それよりも、早く食堂に行こう」

千早「……?」コク


P(肩を揺すろうとした途端起きるなんて……センサーでもついてるのか?)

77日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

色々と遅くてすみません
あと一、二ヶ月ほど忙しいのでもうしばらく待っていただけるとありがたいです

エントランス


P「おはよう、千早」

千早「…………」コク

P「それじゃ行こうか」

千早『どこへ?』

P「そうだな……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地

公園


千早「…………」


P「ん、どうした千早。何かあったか?」

千早『少し鳥を見ていました』

P「ああ、なるほど」

千早『あの青い尾の鳥はなんと言う名前なのでしょうか』

P「あれか。あれは……オナガだな」

千早『オナガ』

P「そう、オナガ。見た目は綺麗だが……たしかカラスの仲間だったかな」

千早「…………」

P「え、なにその残念そうな顔」

千早『いえ、別に』

P「ちなみにさっきから聞こえてるギュイギュイってのがオナガの鳴き声だ」

千早「……!?」


P(……前に来たときには、鳥なんか気にも止めてなかったのにな)

P(やっぱり、少しずつ……)

78日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、美希、貴音、千早、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3誰かと街に行く(千早)

エントランス


P「おはよう、千早」

千早「…………」コク

P「それじゃ行こうか」

千早『どこへ?』

P「そうだな……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地

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