やよい「ぎ、ぎあんと、きるりんぐ?」 (199)

──────


──美希 思い出アピール Success!!──

Vo.+110p Da. +104p Vi.197p


亜美「(ナイスミキミキっ!)」Vo.appeal +75pt

やよい「(美希さん、すごい……)」Da.appeal +73pt

伊織「(よし、これで……)」Vi.appeal +78pt

真美「(……どーよっ!?)」Vo.appel +73pt


律子「出た、結果は……!」


:総合:

1位…765Angels(★×13)
2位…雪町(★×10)
3位…ヴァイオレット(★×7)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428310685

亜美「……や」

やよい「や」

伊織「……や、った」


P「ん。よくやった」

一同「やったーっ!!」

真美「勝ったよ、勝ったんだよ兄ちゃん!」

美希「あはっ。なんだか、久しぶりーって感じなの」

やよい「わたしたち、やっと……」


ざわっ

伊織「!?」

P「お。向こうも、終わったみたいだな」

亜美「あれは……」

真美「お姫ちんと、あずさお姉ちゃん?」

貴音「どうやら、そちらも終わったようですね」

伊織「そちらも、ってことは……」

あずさ「ええ。勝ったわよ、伊織ちゃん。それと、プロデューサーさんも」

P「そうかい。お疲れさん」

貴音「いえ。ご尽力、感謝いたします」

P「なんのなんの」

真「……って、ことは」

P「これにてめでたく、3ユニットとも初勝利、ってわけだな」

春香「…………!」

雪歩「ゆ、夢みたい……!」

響「よーし、今日は事務所でお祝いだな!」

律子「……。…………」


律子(連敗続きであとがない私たちの事務所に、社長がどこからか連れてきた、新しいプロデューサー)

律子(もともとはプロサッカーの監督だというあの人―――達海猛)

律子(あの人が、765プロに来てから)

律子(春香たち高校生ユニットは、あのジュピターと引き分け優勝を果たし)

律子(美希たち中学生ユニット、あずささんたちの大人組ユニットもそれぞれ初勝利を収めるまでに成長した)

律子(初めは胡散臭いと思っていたけれど)

律子(あの人のおかげで私たちは少しずつ、ほんの少しずつ良い方向へと向き始めた……)


律子(……そう、思えた)

──────


真「(……よいしょっ!!)」

──Double appeal!!── Vo.+40pt Da.+41pt

春香「(もう少し……。バランスを……)」Da.appeal +79pt

千早「(……萩原さん)」Vo.appeal +82pt

雪歩「(わ、私の、番……!)」

雪歩「(……ここで、決めれば……!)」

──雪歩 思い出アピール Failure!!──

雪歩「(ぁっ……!!)」

春香「(……!)」

真「(……雪歩っ)」Da.appeal +80pt

響「(……自分が、ラストっ)」Da.appeal +79pt


P「…………」

:総合:

1位…ガジガジ(★×12)
2位…765Angels(★×11)
3位…two style(★×7)


千早「……くっ」

響「うあー! 惜しいっ!」

春香「あと、★ひとつ……」

雪歩「う、うぅ……。私のせいで……」

真「ま、まぁまぁ! これまでに比べたらすごい進歩だよ!」

響「うん、そうだな! 次頑張ろう、次!」


P「…………」

──────


美希「(~~♪)」Da.appeal +79pt

やよい「(……あっ!)」ふらっDa.appeal +57pt

伊織「(! やよい……このっ!!)」

──伊織 思い出アピール Success!!──

Vo.+108p Da. +104p Vi.194p


真美「(……よし、亜美、Goっ!!)」Vi.appeal +72pt

亜美「(……てぇぇぇいっ!!)」


──亜美 思い出アピール Success!!──

Vo.+109p Da. +188p Vi.103p

伊織「(これで……)」

やよい「(……届いて、くださいっ)」Da.appeal +74pt


P「…………」

:総合:

1位…せんせい(★×15)
2位…765Angels(★×13)
3位…サファイア(★×2)


やよい「あ……」

美希「ありゃりゃ。負けちゃったの」


P「…………」

──────

あずさ「(こう、かしら……?)」Da.appeal +79pt

貴音「(……あずさ。このままでは、少しばかり……)」Vo.appeal +76pt

あずさ「(……そうね。……えいっ!)」

──あずさ 思い出アピール Success!!──

Vo.+194p Da. +101p Vi.+110p

貴音「(……これなら)」Vi.appeal +78pt

あずさ「(どうかしら……!?)」


P「…………」

:総合:

1位…ジャンプ!(★×11)
2位…765Angels(★×10)
3位…singing(★×9)

あずさ「…………っ」

貴音「わずかに、届きませんでしたか……」

あずさ「……もう少し、だったわね。これなら、次は……」

貴音「ええ。……しかし、もっと研鑽を積まねばならない、ということでもありますね」


P「…………」

──────

P「お疲れお疲れ。よくやったよ」

春香「……」

P「今日は3チームとも2位」

P「これでお前たちは、充分合格を争える位置にいるってことが分かったわけだ」

P「自信持っていいと思うよ」

やよい「……」

P「内容がよかったとは言いがたいけど、それでも競ったってことが大きい」

P「相手もみんな強かったしね」

P「反省会はまた明日」

P「とりあえずゆっくり休もう」

千早「…………」

P「ただーし」

P「萩原! お前だけ特別反省会!」

萩原「ひぅっ……!」びくっ

やよい「……!」

亜美「あははっ! ゆきぴょん、呼び出しだ→!」

伊織「ほんと、ムラがあるわよね……」

美希「雪歩のおかげでチャンス逃しちゃったもんねー」

あずさ「美希ちゃん、それはばっさり言いすぎじゃないかしら……」

P「こっち来―い」

萩原「は、はぃぃ……」

春香「(前回のジュピターに対する勝利でプレッシャーから解放されたかと思ったけど)」

春香「(むしろ、その逆かな……)」

春香「(相手からは警戒、味方からは期待……。待ってたのは新しいプレッシャー)」

春香「(……雪歩はこの先当分、それと闘っていくことになるのかもしれない)」

春香「(…………)」


やよい(……みんな)

やよい(おんなじようなことを、わたしにも思ってるのかな……)

やよい(わたしも、細かいミスたくさんしちゃってるもん)

やよい(雪歩さんは時々すごいアピールをするし、期待されてるから怒られるんだろうけど……)

やよい(わたしは、怒られもしない……?)

響「どうしたんだやよいー! 元気ないぞ、お腹減ってるのかー?」

わしゃわしゃ

やよい「わわわっ! 響さん、どうしたんですかっ」

響「やよいがそんな顔してると、みんな元気なくなっちゃうんだからなー? うりうりっ!」

やよい「ひ、響さん、くすぐったいですよーっ!」

春香「えーと、響ちゃん」

響「何だ春香?」わしゃわしゃ

春香「そんな風に後ろ向きで歩いてたら、そのうち……」

響「ふぇ」

ごんっ

響「うぎゃーっ!!」

春香「躓いて転ぶよ、って言おうとしたんだけど……。遅かったね」

真美「あははははっ、何やってんのひびきんっ!」

響「やってしまった……、転ぶのは春香の専売特許なのに」

春香「せ、専売特許じゃないもんっ!」

やよい「……ふふっ、気をつけてくださいね響さん、春香さん!」

春香「私も!?」

やよい「えへへ」

やよい「…………」

──────

雪歩「(……きょ、今日は……。失敗してない……)」Vi.appeal +77pt

春香「(これで、いいの……? 本当に……?)」Da.appeal +79pt

真「(……雪歩の分は、ボクが)」

──真 思い出アピール Success!!──

雪歩「(……真ちゃん……!)」

響「(……!)」Da.appeal +80pt

千早「(……どう、かしら)」Vo.appeal +81pt


P「…………」

:総合:

1位…Dream!!(★×13)
2位…765Angels(★×11)
3位…せんねん(★×6)


雪歩「……あ」

千早「……!」

響「く……。っそー……!」

春香「……むぅ」

真「……」

真「ま、まぁまぁ……! あと★ふたつってことは、ちょっと運が向いて来れば勝てる差ってことだよ!」

真「それだけボクたちもレベルアップしたってことじゃないかな。だから暗くならずに、次に繋げよう、ね?」

響「……そうだな、ポジティブに捉えないと」


伊織「……あら」

伊織「何よアンタたち、またDa落としてるじゃないの」

千早「!」

真「伊織。……それがどうしたのさ」

伊織「どうしたの、って……。決まってるでしょ、Daはアンタと響の担当なんだから」

響「!」

真「……ボクたちのせいだって言うのか?」

伊織「★2つの差でしょ? それ以外何があるっていうの」

やよい「ちょ、ちょっと、伊織ちゃん……」

伊織「大体アンタ、雪歩のカバーに走りすぎなのよ。その分をDaに回していたら今のは勝ててた勝負なんじゃないの?」

雪歩「……っ!」

伊織「それを棚に上げて、『運が向いてくれば』なんて……。呆れちゃうわね」

律子「ちょっと、プロデューサー! 止めなくていいんですか!?」

P「んー?」

ぎゃーぎゃー

ばたばた

P「…………」

P「いいんじゃない? やらせとけば」

律子「ええっ!?」

P「面白いもんでさ」

P「あと一歩の勝負を続けてるときって、チームの状態がよく見えるんだ」

律子「……え?」

P「例えばね……」

P「勝負のあと全員が悔しそうな顔をしてたら、それはチームに課題の残った試合……」

P「で」

P「逆にそれなりに満足げな顔をしてたら、それは全員でなんとか詰め寄った試合」

すみません>>20の前にこれを


真「……ふん。そういう伊織だって、ここのところVi落としてばっかりみたいじゃないか」

伊織「……はぁ?」

真「大体、カバーの話だって伊織も同じだろ。伊織はやよいに過保護すぎるんじゃないの?」

やよい「……!」

伊織「……何ですって……!?」

真「……自分のことを棚に上げて人のことを指摘する余裕があるんなら、そこを修正すればいいだけの話なんじゃないの?」にやっ

ぷちっ

伊織「何よその言いぐさは! 私はアンタたちのためを思って……!」

真「ボクたちのためを思ってって言うならもっと言い方があるだろ!? だいたい伊織はいつも……!」

やよい&雪歩「ふ、ふたりとも……!」おろおろ


P「…………」

ぎゃー! ぎゃー!

律子「いや、あの……。そんな場合じゃ」

P「そんな中で一番よくないのが」

P「全員がバラバラの顔してること」

律子「!」

P「ここ最近のあいつらだ」

律子「……!」

春香「……。……」

P「俺たちは連敗のあと連勝して、今度はあと一歩が続いてる」

P「……つまり、強くなってんのかどうかわかりづらい結果になってる」

P「765プロはただでさえ長いこと低迷してたプロダクションだし、経験を積んだベテランなんてものもいない」

P「だからバラバラになっても、仕方ないといえば仕方ないけど……」

P「こうなってくれりゃ、大丈夫そうだ」

P「はい、ちゅーもーく」ぱんっ

伊織「!」

真「……!?」

P「抱えた想いはいろいろあると思うけど」

P「……伸びしろってのは人それぞれあるもんだ」

真&伊織「……」

P「でもチームってのはひとつしかねえ」

P「勝ちたがってんなら、その想いをケンカしてでもすり合わせりゃいい」

P「そうすりゃ相手の考えが分かる」

P「それが次々広がって、チームっていうひとつの生き物になる」

やよい「……」

雪歩「……」

P「そうやってね」

P「強いチームってのはできるんだぜ」

──────

どたどたどた

小鳥「ぷ、ぷ、ぷ、プロデューサーさんっ!」ぜぇぜぇ

P「およ。どうしたのピヨちゃん、そんなに血相変えて」

小鳥「こ、これ、見てください、これ……」

P「ん? 来週のTOP×TOPの通知じゃん」

P「……って、これ」

P「……魔王、エンジェル?」

律子「!!?」

小鳥「そうなんです! あの東豪寺プロが、急遽エントリーって!」

律子「そんな……! このオーディションは、あの人たちが受けるようなレベルのものじゃあないですよ!」

小鳥「魔王、エンジェル……」

小鳥「……今季は舞さんがプロデュースする、同世代では最高の潜在能力を持つと名高いユニットのひとつ」

P「……はっ。なるほどね」

P「宣戦布告ってわけかい、日高舞さんよ」

律子「TOP×TOPは前後編に分割された、普段より長いオーディション」

律子「うちは中学生組の集中力と柔軟性アップも兼ねて、メンバーチェンジしながら全員の実力の底上げを図ろうと思っていたのに……」

小鳥「……どうするんです、プロデューサーさん?」

P「決まってるよ」

P「負けるつもりで勝負に臨む選手なんていやしない」

P「そういう相手をぶち破ってこそ、痛快ってもんでしょ」にっ

伊織「と、東豪寺プロですって!!?」

亜美「うあうあー! なんでそんな強豪がこのオーディションに出てくんのさー!」

真美「魔王にエンジェルだなんて、名前だけでもう強さびんびんっしょ……!」

律子「どうもプロデューサーと、小鳥さんに浅からぬ因縁があるみたいでね……」

やよい「わたしたちが、そんなひとたちと……」

美希「……プロデューサーは」

律子「……?」

美希「勝つ、つもりなの?」

律子「!」

伊織「!」

やよい「!」

律子「……ええ。……そのつもりで作戦を立てるって言ってたわ」

美希「……ふーん。じゃあミキたちも、期待に応えられるよう頑張らなきゃね」

美希「ね、デコちゃん?」

伊織「!」

伊織「…… え、ええ! もちろんじゃない!」

伊織「……っていうか、デコちゃん言うな!」

──────

春香「まあ……」

春香「一時期よりは、マシになったんじゃないですか?」

P「…………」しゃくしゃく

春香「(……何で棒アイス?)」


春香「一見ギクシャクしてる感じもありますけど……。みんな本音でモノを言うようになりましたし」

春香「勝ちたがってるのはみんなから一貫して感じます。……でなきゃ、負けてあそこまで悔しがらない」

P「……うん」

P「おーし、了解了解」

P「これで次の魔王エンジェル戦も何とかやれるかな」

春香「…………」

P「あーん」しゃく

春香「何とかやれるって……。自信はあるんですか? プロデューサー」

P「そりゃあるよー。お前は無理だと思うのか? 天海」しゃりしゃり

春香「……私はいつだって765プロのみんなを信じています」

P「なら関係ねーじゃん。ガツンと魔王エンジェルやっつけようぜ」

P「そのためにあいつらは明日から、対魔王エンジェル用の猛練習だからな」

P「お前にも協力してもらうぜ、天海。覚悟しとけよ」

春香「(プロデューサーさん……。もう魔王エンジェルとの戦い方のビジョンがあるの?)」

春香「(どこまで本気で、先のことを考えているんですか?)」

P「お! 当たったラッキー! やっぱ魔王エンジェル戦勝てっかも」

春香「…………」

ばたん

律子「…………」

律子「はぁーっ…………」

P「あ? 何死にそうな顔してんの? 律子」

律子「!!」

律子「ちょっとプロデューサーに春香! こんな時に何してるんですかー!!」

P「何ってそりゃ、アイスの当たり棒の交換に……」

律子「た、大変なことになってるんですから!」

P&春香「…………?」

りん「(~~~♪)」Da.appeal +86p

ともみ「(…………)」

──Double appeal!!── Vo.+44pt Da.+45pt

麗華「(…………!)」

──麗華 思い出アピール Success!!──


春香「これは……。魔王エンジェルの、昨日のオーディションの映像ですか?」

律子「そう……。問題は、この後よ。よく見なさい」

:総合:

1位…魔王エンジェル(★×30)
2位…×
3位…×


伊織「……なっ」

千早「完、封……」

亜美「うわぁ……」

真美「こりゃ強い……!」

やよい「こんな人たち、と……」

律子「ね! まずいでしょう、プロデューサー!? ……って、あれ」

律子「居ない……?」

春香「…………」


P「…………♪」すたすた

りん「ははっ、今日も楽勝だったな! あたしたち絶好調なんじゃん?」

ともみ「麗華も、周りがよく見えてる。調子いいんじゃない?」

麗華「んー……。まぁね。格下だし、このくらいじゃなきゃダメでしょ」

麗華「……徹底的に叩き潰す、いい予行演習になったわ」

りん&ともみ「……っ」ぞく

舞「(……ふむ)」

舞「(……私たちの仕上がりは現状、完璧と言っていい)」

舞「(この段階で765プロとぶつかるのは、予想外といえば予想外だけど……)」

舞「(悪いけど全力で当たらせてもらうわよ)」にっ

──────

がちゃり

P(…………うー)

P(……結局徹夜しちまった)

P「えーっと、東豪寺麗華のアピール傾向は……」

P「…………zzz」

P「……だめだ、頭まわんね」

??「あ、あの……。大丈夫ですか?」

P「その声は……」

P「高槻か。どったの」

やよい「はいっ。あの、プロデューサー、すっごく大変そうな顔してますけど……。何かお手伝いできることとか、あるかなーって」

P「おお、そりゃいいところに。……んじゃ一つ頼んでもいい?」

やよい「もちろんです! 何でも任せてくださいっ!」

P「そんじゃ、あそこに俺の財布があるんだけどさ……。コンビニでなんか適当に食べ物買ってきてくんないかな」

やよい「朝ごはん、まだなんですか??」

P「んー……。朝ごはんというか。徹夜だったからさ」

やよい「もしかして、ばんごはんも食べてないんですか?」

P「んにゃ。多分その前から」

やよい「……。……?」

やよい「……えええええっ!? だめですプロデューサー、そんなんじゃ死んじゃいますよ!?」

P「……そういうわけだから、死んじゃう前に何か買ってきてー。お釣りでおやつ買ってきてもいいからさ」

やよい「ちょ、ちょっと待っててくださいっ!」

どたどたどた


どたどたどた

P「(……?)」

やよい「プロデューサーっ!」

P「どうした、何か忘れ物かー……? ……って、それ」

やよい「これ、良かったらどうぞっ!」

P「(お弁当の包み……?)」

P「……これ、もらっていいの?」

やよい「はいっ」

P「よっ」

ぱかっ

やよい「……ばんごはんの残りを詰めただけですから、お口に合わないかもしれないですけど」

P「んにゃ、助かるよ」

P「じゃあ遠慮なく」ひょい

やよい「あー!!」

P「??」

やよい「ご飯の前はいただきます、ですよ? プロデューサー!」

P「……そうだな」

P「じゃあ改めて……『いただきます』」ぱんっ

やよい「どうぞ召し上がってください!」にこっ

P「……美味え」

やよい「ほんとですか! 良かった……」

P「いや、ほんと美味い。腹減ってるからなおさら……。……って」

やよい「?」

P「これ、高槻の昼メシじゃないの?」

やよい「そうですけど……。わたしは大丈夫です! あんまりおなか減ってないで」

きゅるるる

P「……」

やよい「あ、いや、これは、えっと……」あたふた

P「……んじゃ、これ半分にするか」

やよい「そんな、いいですよっ!」

P「そんで、ファミレスでもメシ食いに行こうぜ。多分俺、これ全部食べたとしても足りないからさ」

やよい「……!」

すみませんちょっと休憩
今日中には終わるといいな

書き忘れてました

・アイマスとGIANT KILLINGのクロスの三次創作
・前作にあたる話は千早「ジャイアント・キリングを起こす72の方法…」を参照のこと
・この話だけでも読めるようになっているはず
・ジャイキリ本編、アイマスrelationsを読んでいるとなお楽しめるかも

──────

やよい「す、すみませんプロデューサー……。結局、ごはん連れて来てもらっちゃって」

P「いーよー。お弁当のお礼に、好きなもん頼んでくれな」

やよい「い、いいんですか?」

P「うん。弁当、うまかったし」

やよい「……わかりました。じゃあわたし、これにします!」

P「なんだ、もう決めたのか……。って」

P「(……もしかして、単に一番安いやつなんじゃねーの?)」

やよい「?」にこにこ

P「(…………)」

P「なあ高槻」

やよい「何ですか?」

P「あの弁当って、お前が毎日作ってんの?」

やよい「え? うーん……。毎日ではないですけど」

やよい「ばんごはんの残りを詰めるだけ、とか。簡単なときはわたしがやってることが多いです」

P「ふーん……」

やよい「お父さんもお母さんも忙しいですから。できることはわたしがやらないと、って!」

P「……それなのか? 高槻が頑張る理由」

やよい「へ?」

P「……いや、高槻ってなんかアイドルって職業と縁遠そうな感じだから。……悪い意味じゃなくな」

やよい「……そう、ですよね」

P「…………」

P「……高槻はさ」

P「最近の765プロの雰囲気、どう思う?」

やよい「雰囲気、ですか? うーん……」

やよい「……楽しい、ですよ?」

P「楽しい?」

やよい「はいっ。オーディションでも、少しずつ結果が出るようになって、みなさん、すごく張り切ってて……」

やよい「新しいことが始まってる、って感じで、すっごくわくわくします!」

P「…………そんだけ?」

やよい「……え」

P「…………」

やよい「…………」

P「確認しとくけど」

P「アイドルが楽しいって言うのは、本当なんだよな?」

やよい「は、はいっ! それはもちろんですっ!」

やよい「最初は、わたしがアイドルなんて信じられなくて……。ううん、今でも信じられないんですけど」

やよい「春香さんや伊織ちゃんたちと一緒に、ステージで歌ったり踊ったりするのは、ほんとに楽しいです!」

P「オッケー。なら、期待してな」

P「高槻がもっと楽しいと思えるような舞台を、俺が用意してやるから」

やよい「!」

──────

伊織「……全く。なんでこの伊織ちゃんが偵察なんか……」

律子「しょうがないでしょ。プロデューサーとやよい、見当たらなかったんだから」

伊織「アイツ、どっかでさぼってるんじゃないでしょうね……!」

律子「で、どうだった? 魔王エンジェル。……今日も圧勝だったみたいだけど」

伊織「どうもこうもないわよ。もともとランク的にも差があるっていうのに、更に日高舞でしょ?」

伊織「ほんとに勝ち目なんてあるのかしら……」

麗華「こそこそ覗いて、作戦会議かしら? ……無駄な努力ね、伊織」

律子「!」

伊織「……麗華」

りん「どったの麗華。……ってあれ、そいつって」

ともみ「……765プロの?」

麗華「ええ」

伊織「…………」

うわ、また抜けてた
>>51の次にこれを


やよい「……本当のことを、言うと」

やよい「ちょっとだけ、不安です」

P「!」

やよい「765プロの人たちは、みんなすごい人たちばっかりで……。わたしはいつも、着いていくのに精いっぱいですから」

やよい「せめて自分にできることはしっかりしないと、って。レッスンを一生懸命やって」

やよい「新しいことがひとつひとつできるようになっていくのは、とっても嬉しいんですけど」

やよい「……いつか着いていけなくなっちゃうんじゃないかって、やっぱりちょっとだけ不安かなって」

P「……そうか」

やよい「うぅ、すいません……。あっ、別に新しくプロデューサーが来たせいだとか、そういうことじゃあ……!」

P「分かってる分かってる」

P「……いや、よく言ってくれたよ」

麗華「この前のオーディション、見たわよ。……随分楽しくやってるみたいじゃない?」

伊織「……っ!」

麗華「いいわよね、気楽で。羨ましいわ」

律子「気楽、って……!」

伊織「アンタ、喧嘩売りに来たの?」

麗華「違うわよ。……あなたにひとつ、アドバイスしておいてあげようと思って」

伊織「……何よ」

麗華「あなたたちのやり方じゃあ、絶対にトップアイドルになんてなれない」

麗華「IU優勝なんて夢のまた夢、よ」

伊織「……どうしてそう言い切れるのかしら?」

麗華「アイドルは、ファンに夢や希望を与える存在……。そう思っているでしょう、伊織?」

伊織「ええ」

麗華「……それが間違いなのよ。この世界は、嘘と下衆な打算だらけの偽物が勝利する世界」

麗華「アイドルなんて……。夢や希望から最も遠い存在だわ。あなたも薄々分かっているでしょう?」


りん「……」

ともみ「……」


伊織「…………」ぎりっ

伊織「……なら、麗華。あなたはどうしてまだ……」

麗華「ふっ」

麗華「だから私は証明してやるのよ」

麗華「アイドルの頂点なんて……。こんな私でも立つことのできる、くだらないものだって」

麗華「そして私が、このくだらない世界……。『アイドルの支配者』になる」

麗華「そうしなきゃ……。私の夢は、終われない」

伊織「……!?」

伊織「ゆ、め……」

麗華「……じゃあね、伊織。せいぜい、いい勝負になることを祈ってるわ」

伊織「……」

律子「あれが東豪寺麗華……。伊織、知り合いなの?」

伊織「言ってなかったかしら? 水瀬財閥と東豪寺財閥は、昔から交流があるのよ」

伊織「……同じ年頃の子供が居て嬉しかったのを覚えているわ」

律子「昔から、彼女はあんな感じだったの?」

伊織「いいえ。かつては同じ目標を夢見た友達だったわ」

伊織「でも、ある時をきっかけに……。麗華は変わってしまった」

伊織「日高舞がプロデューサーについた今でこそ、鳴りを潜めているけど」

伊織「他のユニットの曲を奪ったり、審査員を買収した、なんて噂もあったくらいよ。知ってるでしょ?」

律子「…………」

伊織「だからこそ、私は負けられない。負けたくない」

伊織「……たとえ、アイツの手を借りてでもね」

──────

春香「…………」

P「はい。以上が今回の作戦です」

P「皆わかりましたかー? 質問ある人ー?」

伊織「……」

亜美真美「……」

やよい「……」

春香千早「……」

P「あれ」

P「反応がないぞ?」

美希「ミキは面白いと思ったよ? プロデューサーさん」

P「お前はなんか胡散臭い」

美希「ぶー」

伊織「いや……。あのね」

伊織「アンタの作戦は面白いわ。でも」

伊織「そんなにうまくいくものかしら?」

伊織「向こうは完封勝利を治めるくらい好調なのよ? その点私たちは、前のオーディション落としてるし……」

やよい「……」

P「どうしたデコちゃん、自信ねえのか?」

伊織「!! なっ……」

伊織「そんなことないわよ、バカ!! できるに決まってるじゃない!!」

P「ははっ」

P「上手くいくもいかないもお前ら次第だけどね」

P「上手くいくと思ってっから、俺はこの作戦を立てたんだ」

春香「…………」

P「……」

P「さっき水瀬がいいこと言ったよ」

P「俺の作戦『面白い』ってね。大事なのはそこだ」

P「お前らがこの勝負を面白がれるかどうか!」

P「……俺の作戦通りいったら、そりゃ面白い勝負になる」

亜美「……!」

真美「……!」

P「面白い勝負になればファンたちも盛り上がる」

P「お前たちも余計楽しくアピールできる」

P「そういう時だよ」

P「自分の想像を超えたいいアピールができちまうって時は」

雪歩「……!」

やよい「たの、しく……」

P「そんで結果的に、今絶好調の魔王エンジェルを格下扱いの俺たちがやっつけるんだ」

P「ほーら」

P「面白いことずくめだろ?」


伊織「……」ぐっ

やよい「……」きゅっ

亜美真美「……」にや

美希「……」すやぁ

春香「…………!」


P「うし」

P「いいね」

P「じゃあそのためにこれからコイツを頭と身体に叩き込んでもらう」

P「始めっぞ」

一同「!」

一同「はいっ!!!」

律子「(それから伊織たち中学生組は、プロデューサーの指揮のもと、ある作戦のための特別レッスンを重ねていった)」

律子「(あまつさえ、私にすらその内容を極秘にして。……って、小鳥さんはともかくなんで私にまで秘密なのよ!)」

律子「(こほん。……とにかく、打倒魔王エンジェルのため、そして連敗脱出のため、彼女たちは必死にレッスンを重ね)」

律子「(そしてすぐに、決戦の日がやってきた―――)」

──────

P「ねー、俺のジャケット知んない?」

律子「え!? 知りませんよ?」

P「あれー……どこ置いたっけ……」

舞「!」

P「……!」

舞「どうも。久しぶりね、765プロのプロデューサーさん」

P「ヘロウ」

P「日高舞、さん」

舞「それで、どうなのかしら? このオーディションに対する自信のほどは」

P「……」

舞「……」

P「まあ……」

P「なくも、ないような。そんな感じ?」

舞「……ふふ。多くは語らずといったところかしら」

舞「まあ、しかし……。取りようによっては、自信の無さの表れとも見えるのかしらね?」

P「……」

P「じゃあ俺からも質問していい?」

舞「ええ」

P「日高舞さん、あんたってトップアイドルだったんだよね」

舞「…………!」

P「トップアイドルってさ……」

P「ロケ弁めっちゃ豪華ってホント?」

舞「!!?」

舞「な……!」

舞「(なんという緊張感のない、どうでもいい質問……! このオーディション前のピリピリしたムードの中で……!」

舞「(この男に気負いなんてものは、存在しないのかしらね……?)」

P「?」

舞「……ええ、本当よ。私はあまり好きじゃなかったけど」

P「ふーん。いいなぁ」

舞「……」

舞「……それじゃあオーディションの時間も迫ってきたことだし、立ち話はこの辺にしましょうか?」

P「うん……。そだね」

舞「」すっ

P「……」すっ

ぎゅっ

舞「お互いベストを尽くしましょう?」にやり

P「…………!」

──────

舞「さあ」

舞「戦う準備はできているかしら?」

りん「もち!」

ともみ「はい」

麗華「……」

ともみ「……麗華?」

麗華「ああ、ごめんなさい。……なんでもないわ」

りん「麗華……」

舞「ミーティングでも話したけれど、前半はいつも通りに」

舞「───圧倒してきなさい」

──────

律子「あ! いたいた!」

P「?」

律子「プロデューサー! ジャケットありましたよー!」

P「おお」

律子「やよいが洗面所で見つけてくれたんです。駄目じゃないですか、置きっぱなしにしちゃあ」

P「わり。高槻にお礼言っといて」

律子「自分で言ってくださいよ……。もう、どこ行ってたんですか? この時間のないときに」

P「んー?」

P「日高舞と喋ってた」

律子「いっ……!?」

P「いやー、自信たっぷりって顔してたよ」

P「そりゃ負けなしで絶好調だってんだから当然だけど」

P「まあ良かった良かった、ちょっと安心」

律子「え……」

P「あの様子なら、いつもの布陣で来てくれるよ」

律子「……」

──────

伊織「さあて。ついにこの日が来たわね」

亜美「兄ちゃんのサクセンがあるとはいえ……」

真美「本当に大丈夫なのかな→……」

やよい「うう、不安かも……」

美希「あはっ。大丈夫だよ、みんな」

やよい「美希、さん……?」

美希「プロデューサーさんが言ってたでしょ。楽しもう、って」

美希「ミキ、なんだか今日はとっても楽しい日になる気がするんだ」

伊織「……はっ。今回ばかりはこのゆとりの言う通りね」

伊織「全力で楽しんで……そして、全力で、勝ちましょう」

亜美「うん……。うん、そうだね!」

真美「全力でいっちゃおう!!」

伊織「……よし。それじゃあ、いくわよ」


765プロ、ファイトーっ!!!

おーっ!!!


──────


流行
① Vo.★★★★★②Da.★★★③Vi.★★


:参加ユニット:

No.1…魔王エンジェル RankC ImageLv.11
No.2…765Angels  RankD ILv.9
No.3…さくらぎ RankD ILv.8
No.4…ピース RankD ILv.6
No.5…おはよう! RankE ILv.6
No.6…てぶくろくろ RankE ILv.4




律子「……言うまでもないとは思いますが」

律子「今回のオーディションで着目すべきルールは、みっつです」

P「うん。まあ、一応確認しとこっか」

律子「はい。……ひとつは、前後半の計6回審査を行うということ」

P「長いとだれちゃいそうだけどねー。審査員も大変だ」

律子「……。……ふたつめは、前半と後半の間のインターバルで自由にメンバーをチェンジできるということ」

律子「サッカーの監督だというプロデューサーには、合っているルールでしょうか」

P「お。律子もサッカー見たりするんだ?」

律子「見るというわけではありませんが、ルールくらいは」

P「ふぅん。……で、3つ目は?」

律子「……3つ目は、『思い出ボムは前後半合わせて4個』ということ」

律子「4個しか使えない、というべきかもしれませんね」

P「ん。まぁ、そんなとこだろ」

律子「……」

律子(……この人は、本気であの魔王エンジェルに勝つ気でいる)

律子(いったい今回は、どんな策を……)


P「うし」

P「行ってみようかい」

・(前半)第一回審査開始

麗華「(緊張も気負いも……ない)」Vo.appeal +86p

りん「(……日高舞は、なんだってこんなオーディションにこだわんのかね)」Da.appeal +88p

ともみ「(いつも通り、冷静に……)」Vi.appeal +86p

美希「(んーっと……)」Vi.appeal +82p

やよい「(いつも通り、いつも通り……)」Vi.appeal +73p

伊織「(……出足は順調、ね)」Vo.appeal +76p




律子「……立ち上がりは問題ないみたいですね」

P「……まずは第一関門クリアかな」

P「そんで、俺の予想が正しければ……」

麗華「(……頼んだわよ、りん)」Da.appeal +85p

ともみ「(……こう、かな)」Vi.appeal +84p


舞「…………」


りん「(……はっ。そんなに攻めろ攻めろ光線出さなくっても、分かってるっての)」

りん「(……まずは、先手っ!!)」


──りん 思い出アピール Success!!──

Vo. +215p Da. +124p Vi.124p



律子「……来ましたね、1つ目のボム」

P「ジュピターほどではないとはいえ、魔王エンジェルも先行逃げ切りを好むタイプなのはリサーチ済」

P「実力があるからこそ、あらゆる展開に対応できるって強みを生かしたいんだろうね」

P「……もっとも」


舞「…………」きっ


P「あちらさんも、読まれてることは知ったうえで、王道を貫いてきたって感じだけど」

律子「……それにしても」

P「?」

律子「なぜ朝比奈さんが思い出アピールを使ったんでしょう?」

P「!」

律子「仮に先手を取って逃げ切るなら、リーダーの東豪寺さんが使った方が、勢いもptも着くと思うんですが……」

P「…………おお」

律子「なんですかその目は。……私、何か変なこと言いましたか?」

P「んにゃ、逆だよ逆。いいところに目をつけたなって」

律子「……え?」

P「その理由は、見てれば分かるよ」

P「そしてそれこそが、俺たちが突くべきあいつらの『スキ』だ」

律子「…………?」

伊織「(……焦らない。焦らない)」Da.appeal +77p

やよい「(次は……こう!)」Vi.appeal +74p

美希「(……んっ)」

──Double appeal!!── Vo.+39pt Vi.+38pt


律子「……!」


舞「金髪ちゃんに、ダブルアピール……?」

舞「(確かに、実力差のある相手に2種類3種類の項目を取りに行くなら)」

舞「(一番実力のある金髪ちゃんにダブル、あるいはトリプルアピールをさせるのが正攻法かもしれない)」

舞「(……けど)」

麗華「(……ptは、そんなに伸びてない)」Vi.appeal +87p

やよい「(美希さん……)」Vi.appeal +74p

りん「(……それじゃあ、ボムを使ったあたしたちには届かないよっ)」Vo.appeal +85p

伊織「(……次は、こう)」Vi.appeal +77p

ともみ「(ボムは、使って来ないの……?)」Da.appeal +86p

美希「(……もう、一回!)」

──Triple appeal!!── Vo.+26pt Da.+26pt Vi.+27pt

・第一回審査結果

Vo. 1位…魔王エンジェル(386p) 2位…てぶくろくろ(360p) 3位…さくらぎ(355p)

Da. 1位…魔王エンジェル(383p) 2位…さくらぎ(356p) 3位…ピース(342p)

Vi. 1位…765Angels (445p) 2位…魔王エンジェル(381p) 3位…ピース(345p)


総合:現在2位(★×2)




美希「(むー……)」

伊織「(……作戦通り、でいいのかしら? いいのよね……?)」

やよい「(……次は、えーっと)」



麗華「(何、かしら。何か、違和感が……)」

りん「(さすがに全部は取らせてくんないかー)」

ともみ「(……Viを、押さえに来た……?)」

P「星井のおかげで、なんとかViは確保できたか」

律子「3つ落とすと、大差をつけられるところでしたね……。ですが、差をつけられたのには変わりありませんよ?」

P「その代わりにこちらはボム1つ分の優位を得たってわけだ」

律子「……それと」

P「?」

律子「美希。動きに違和感があります。本調子ではないのかも」

P「……」



舞「(……ふむ)」

舞「(ジュピターとの対決でも、ある分野に絞ってptを稼ぐパターンは何度もあった)」

舞「(大きく離されることを防ぎつつ、スキを見つけて一気に逆転を狙う……それがあなたのやり方なんでしょうけど)」

舞「……あいにく、魔王エンジェルには突くべきスキなんてない」

舞「このままジリ貧になるのが関の山じゃないかしら?」

・(前半)第二回審査開始


麗華「(なんなの、この感じ……!)」Vi.appeal +88p

りん「(楽勝ムード、ってか? どうなんだろね)」Vo.appeal +84p

ともみ「(油断は、しない……)」Da.appeal +83p

美希「(……なんだかなぁ)」Vi.appeal +83p

やよい「(……ここ、ですよね……?)」Da.appeal +76p

伊織「(……そろそろ)」Vi.appeal +81p

P「さてと」すくっ

律子「……動くんですか?」

P「動くってほどじゃないけど。さすがにこれ以上離されると、勝負決まっちゃうし」

律子「……まあ、確かに」

P「むしろ問題は、そのあと」

律子「え?」

P「あいつらがこっちの動きにどう対応してくるかで、展開は大きく変わるよ」

麗華「(……まさ、か? いや、そんな……!)」Da.appeal +87p

りん「(そろそろ、来るんじゃないの?)」Vo.appeal +86p

ともみ「(……次、かな)」Vo.appeal +87p


P「ここだぞ、高槻」

やよい「(……はいっ!!)」


──やよい 思い出アピール Success!!──

Vo. +118p Da. +202p Vi.116p

麗華「(………!)」Vi.appeal +89p

りん「(……おっけぃ! 読みもバッチリ!)」Vo.appeal +88p

ともみ「(……予想、通り……)」


──ともみ 思い出アピール Success!!──

Vo. +217p Da. +126p Vi.128p

律子「すぐさま、着いてきた……!」

P「……ん。さすがの対応力だね」

律子「の、のんきに誉めてる場合なんですか?」

P「うん。いいんだよ、これで」

P「これで、もうひとつの仕掛けが生きてくる」

律子「……? もうひとつの、仕掛け……?」

舞「…………」


やよい「(や、やりましたっ!)」

美希「(やよい、ナイスなのー)」

──Double appeal!!── Da.+38pt Vi.+40pt

伊織「(次は、Vi……!)」Vi.appeal +82p


P「……ほんとは気づいてるはずだぜ?」

P「……どうするよ、日高舞」


舞「…ちっ……!」

りん「(これで、いけたかな……?)」Vo.appeal +86p

ともみ「(封じた、はず……?)」Vo.appeal +87p


麗華「(……こいつ)」

麗華「(こいつ、まさかっ……!?)」Da.appeal +87p


やよい「(……!)」Da.appeal +78p

美希「(んー……)」Vo.appeal +80p

伊織「(……最後は、Da!)」Da.appeal +84p

>>88 訂正です


麗華「(……まさ、か? いや、そんな……!)」

りん「(そろそろ、来るんじゃないの?)」

ともみ「(……次、かな)」


P「ここだぞ、高槻」

やよい「(……はいっ!!)」


──やよい 思い出アピール Success!!──

Vo. +118p Da. +202p Vi.116p

律子「…………!」


P「気づいた?」

律子「最初から……。これを、意図的に……?」

律子「……でも。まさか、そんな、できるはずが……」

P「まあ、なかなか難しい要求ではあるんだけどさ。俺は、水瀬ならできると踏んだ」

P「あいつの東豪寺麗華に対する対抗意識とプロ意識を買ったんだ」

律子「……信じられません。信じられませんが、プロデューサーの作戦は」


律子「伊織に、『東豪寺さんと全く同じアピールをさせる』こと……!?」


P「その通り」

伊織「(……ふんっ)」きっ

麗華「(舐めた、真似をっ……!)」ぎっ

・第二回審査結果

Vo. 1位…魔王エンジェル(557p) 2位…さくらぎ(425p) 3位…てぶくろくろ(401p)

Da. 1位…765Angels(478p) 2位…魔王エンジェル(286p) 3位…さくらぎ(276p)

Vi. 1位…765Angels(402p) 2位…魔王エンジェル(305p) 3位…おはよう!(289p)


総合:現在2位(★×7)




美希「(……むぅ)」

やよい「(……よし)」

りん「(……同点? マジで??)」

ともみ「(Voを捨てて、今度はDaとViを……!)」

律子「で、でも! 口で言うのは簡単ですけど、実際にそんなことができるはずありません!」

P「何で?」

律子「何で、って……!」

律子「……審査員に対するアピールは、オーディションの肝です」

律子「ステージの上のアイドルは、全身全霊をアピールに注いでいるといっても過言ではありません」

P「うん」

律子「VoならVo、DaならDa、それぞれに対する自分の特徴を精一杯表現するために。心であれ、身体であれ、一定の準備が必要なんです」

律子「それを、目の前でされたアピールに合わせて瞬時に切り替えていくだなんて……! 」

律子「……無謀すぎます。そのうちアピールの質が落ちていってしまうに決まっています!」

P「……うん、普通ならそうなんだろね」

律子「……普通なら?」

P「あいつら、長いことお互いをライバル視してるんだろ?」

律子「え、ええ……。あの子、よく東豪寺さんのオーディション映像なんかも研究してました」

P「そういうやつっていうのは得てして、無意識のうちにお互いの動きを理解してるもんだ」

律子「……!」

P「加えて、水瀬のあの性格だ。できると宣言した以上、きっと死にもの狂いでトレースしたこったろうぜ」

P「……まあ、ここまで完璧にいくとは思わなかったけど」

律子「……し、しかし! そもそもこんなことをして、なんの意味が……!」

P「それもすぐに分かるよ」

P「……見てな。きっと次の審査、面白いことになるから」

・第三回審査開始

麗華「(……このっ!)」

──Double appeal!!── Vo.+42pt Da.+42pt

りん「(……およ?)」Da.appeal +86p

ともみ「(……麗華、冷静じゃない……?)」Vo.appeal +84p


律子「……! 東豪寺さんが、焦れている……?」

P「あんだけ煽られたら、平常心ではアピールできないだろ。あれは水瀬の才能だね」

律子「それにしても、どうしてあそこまで……」

P「それはさっき律子が自分で言ってたでしょ」

律子「……え」

P「普通にやれば、全て同じアピールに合わせていくなんて、質が落ちるに決まってる」

P「なのに、水瀬は全くパフォーマンスを落とすことなく着いていっている」

P「そりゃあ、いつも通りには居られない」

P「怒りと焦り、戸惑い。いろんな感情が渦巻いてることだろ」

P「ましてあちらさんは、俺たちを格下に見てる」

P「『まさか、あいつとの間には、もっと実力差があるはずなのに……?』」

P「とか、まあそんなとこじゃないかな」

伊織「(……今頃、パターン変えてきたかしら?)」

伊織「(まぁ、丸わかりなんだけど!)」

──Double appeal!!── Vo.+38pt Da.+39pt

麗華「(……っ)」

美希「(デコちゃん、やるなぁ)」Vi.appeal +82p

やよい「(……わたしも、しっかり……!)」Da.appeal +77p

麗華「(……っこの! いい加減に……!)」

──Triple appeal!!── Vo.+29pt Da.+28pt Vi.+28pt

伊織「(単純すぎんのよアンタはっ!)」

──Triple appeal!!── Vo.+26pt Da.+26pt Vi.+27pt

麗華「……!!」

美希「(おー……)」Vo.appeal+80pt

りん「(……ちょ、ちょっとちょっと?)」Vo.appeal +80pt

ともみ「(……麗華)」Vi.appeal +81pt

やよい「(…………伊織ちゃんっ!)」Vi.appeal +78pt

すみませんちょっと外します
日はまたぎそうですがなんとか今晩には終わらせたいです

律子「東豪寺さんだけじゃなく、全体のptが落ちてきている……?」

律子「いったい、どうして」

P「『隙』の話」

律子「え」

P「さっきしたろ」

律子「え、ええ……」

P「あれなんだよ、魔王エンジェルの隙」

律子「と、言うと?」

P「魔王エンジェルってユニットはね」

P「リーダーとしての東豪寺麗華の存在がでかすぎるんだ」

P「普段のレッスンもそうだろうけど、オーディション最中の細かな指示も」

P「目くばせや自らのアピールの選択によって、東豪寺が修正していることが多い」

P「もともとプロデューサーも兼任してたっていうんだから当然といえば当然なんだけど」

P「今季から日高舞というプロデューサーがついたとはいえ、そういう体制はあまりいじらなかったみたいだね」

律子「……!」

P「さっき律子が気にしてた、最初に東豪寺がボムを使わなかった理由もそれ」

P「これまでのデータを見ても、東豪寺自身がボムを使うのは最終盤の調整として必要に駆られた場面がほとんど」

P「だからそれまでは、なるべく自分が動くことはしたくないんだろうよ」

P「自らもアピールを続けながら、他の二人と意思疎通を図り、オーディションの全体を整える」

P「大したリーダーだ」

律子「まさか、それで伊織に……!」

P「……そ。東豪寺の意識を他へ裂けば裂くほど、ほかの二人への揺さぶりにもなっていくってわけ」

P「集中力が切れれば、他の二人のアピールの質も下がる」

P「一石二鳥……。いや、三鳥ってわけだ」

律子「……!」

律子「(……なんてことを考えるの)」

律子「(最初からこれが狙いだったというのなら)」

律子「(この作戦の矛先は、苦手分野とか駆け引きとかそういう次元の話ではなく)」

律子「(魔王エンジェルというユニットの存り方、そのもの……!)」


P「そして、もうひとつ」

麗華「(人を、コケにして……!)」

麗華「(……それで、私に並んだつもりなのかしら?)」

麗華「(……日高舞まで呼び寄せて、この世界の頂点を目指す私と)」

麗華「(二流のプロダクションで仲良しこよしのアイドル活動しているあんたを……)」

麗華「(…………一緒に、するなっ!!!)」


──麗華 思い出アピール Success!!──

Vo. +223p Da. +124p Vi.125p


麗華「(これが私の実力よ! 着いてこれるものなら、着いてくるといいわ!!)」

舞「……っ!」

P「……!」

伊織「……!」





P「に」

伊織「(ひっ!)」Da.appeal +80p


麗華「(……え)」

麗華「(……着いて、こな)」

麗華「(しまっ…………!?)」

律子「3個目のボム……。まさか、これを引き出すために!」

P「うん。でも……」

美希「(……こんなカンジ?)」Vi.appeal +82p

やよい「(わたしは、こう……!)」Da.appeal +77p

ともみ「(! りん……!)」Vi.appeal +78p

りん「(くっ……!)」Vi.appeal +79p


P「…………!」

・第三回審査結果

Vo. 1位…魔王エンジェル(453p) 2位…さくらぎ(424p) 3位…ピース(422p)

Da. 1位…765Angels (299p) 2位… 魔王エンジェル(278p) 3位…さくらぎ(254p)

Vi. 1位… 魔王エンジェル(391p) 2位…765Angels (350p) 3位…てぶくろくろ(267p)


:(前半)総合:

1位…魔王エンジェル(★×20)
1位…765Angels (★×10)
3位…×



律子「……★10個差……!」

P「……もう少し」

P「詰めたかったんだけどな」

律子「最後、三条さんが……」

P「……うん。独断で朝比奈とアピール先を変えた」

P「初めからVoは取る気なかったからいいけど……」

P「最高の結果とまではいかなかった、かな」

伊織「……ぜぇっ、ぜぇっ、はっ……!」

やよい「い、伊織ちゃん……? 大丈夫?」

P「よ、水瀬。よくやった」

伊織「あ、あれで……。っ、本当に、ごほっ、よかったんでしょうね……?」

P「始まる前に話したろ? 大丈夫だ」

伊織「っそう……。それなら、いい、わ……」よろっ

P「ん、お疲れ様。後半は双海と交代だ」

伊織「ええ、ちょっと、休ませてもらうわ……。あとは、任せたわよ」

P「おう」

律子「(あの伊織が、意地をはらずにあっさり交代……)」

律子「(……よほど、消耗したのもあるでしょうけれど)

律子「(……それだけじゃない、か)」

美希「ただいまーなのー」

P「星井もお帰り。よかったよ」

美希「もう、ミキって呼んでって言ってるのに。プロデューサーさんは、いけずなの」

P「……ミーティング通り、星井は後半も引き続きセンター。頼めるか?」

美希「もちろん。ここで変わっちゃったら、なんのために出てるのか分かんないもん」

P「ん、あとは……」

美希「あ、プロデューサーさん」

P「……何だ、星井?」

美希「……いけずなプロデューサーさんに、ミキからひとつてーあん、なの」

美希「あのね……」ごにょごにょ

P「……!」

麗華「…………」

りん「…………」

ともみ「…………」

舞「…………」

舞「……言いたいことは、分かっているかしら」

麗華「……ええ。私が、軽率だったわ」

舞「違う。そんなことが聞きたいんじゃないわ」

麗華「……え」

舞「確かに、挑発に乗ってボムを無駄遣いしたのは反省点。でも、分かっているならそれでいい」

舞「あなたたちが今言うべきことはただ一つ」

舞「『後半は、実力で叩き潰す』」

舞「これだけよ」

麗華「!!」

舞「……幸い、向こうのセンターの金髪ちゃんは不調みたいだし」

舞「ボムなんかなくたって、相手をねじ伏せるくらいのアピールを見せてきなさい」

麗華「…………!!」

舞「それができないというのなら、後半は……」

麗華「……やるわ」

りん「やるよ」

ともみ「……やります」

舞「……そう。ならいいわ」

舞「……後半は、フォーメーションを変える」

麗華「! そんな……!」

舞「勘違いしないでちょうだい。ユニットのコンセプトはこれからも変わらない」

舞「ただ、こういう勝負もあるということを……。今の私たちは経験しても良い段階にある」

舞「アイドルアルティメイトへの道は、まだまだ続いていくのだから」

りん「……!」

すみません、やっぱり今日はここまでです……
続きはまた明日きます

速報はすごく久しぶりですので、何かおかしなところがありましたら教えてください

お付き合いくださった方、特にレスくださった方はありがとうございました

>>1です
すみません予定外で投下できませんでした……
明日、というか今晩には必ず来ます
レスくださった方本当にありがとうございます

もう少ししたら再開します

・(後半)第一回審査開始


美希「(いっくのー!)」Vi.appeal +82p

真美「(……このトリオは新鮮かもかも?)」Vo.appeal +78p

やよい「(……後半、も……)」Da.appeal +77p



麗華「(……絶対に、負けない)」Da.appeal +87p

りん「(はっ。ずいぶんマジな勝負になっちゃったなぁ)」Da.appeal +86p

ともみ「(……隙はもう、見せない)」Vo.appeal +88p

律子「魔王エンジェルは……。朝比奈さんをセンターに!?」

P「さっそく対応してきたか。もうちっと迷うと思ったんだけどな」

律子「(……今まで一度だって、魔王エンジェルのセンターが変わったことはなかったはず)」

律子「(それを引き出したのは、間違いなく)」

P「…………」

律子「(……本当に)」

律子「(不思議な、人……)」

律子「プロデューサー。……本当に後半、逆転は可能なんですか?」

P「可能か不可能かで行ったら、可能だよ。もちろん絶対ではないけど」

律子「……」

P「……後半における俺たちの最も大きなアドバンテージは、ボムの数に2つも差があるってことだ」

P「……これは律子の想像以上に魔王エンジェルのアピールを縛るはず」

律子「縛る、って……?」

P「具体的に言うとね」

P「おそらく、向こうは最後までボムを『使えない』」

律子「使わないじゃなくて、使えない……? いったい、どういう」

P「考えてみ、前半のptを。魔王エンジェルのptは、Voにずいぶん偏ってるだろ」

律子「……! まさか……」

P「……そう、俺たちの狙い目の一つは」

舞「……ジェノサイド」

舞「(仮に私たちが先に思い出アピールを使いきってしまえば)」

舞「(Voを崩されて前半のリードはすべて無かったことになる)」

舞「(ジェノサイドのために思い出アピールを失敗することによるマイナスポイントを鑑みても)」

舞「(さすがにそこから勝利することは難しい)」

舞「(必然的に、私たちは最後の審査まで温存せざるを得ない……!)」

P「つまり、第一審査と第二審査でどれだけリードできるかが、こっちのカギになるってわけ」

P「その中でキーパーソンになるのがあいつだよ」


麗華「(……そろそろ来るかしら?)」Da.appeal +89p

りん「(……こっち)」Vi.appeal +86p


ともみ「(鍵になるのは……Viだ)」

ともみ「(おそらくボムを使ってくるだろう今、Voに関しては仕方ない……)」

ともみ「(……でも。Daは麗華とりんが全力で取りに行ってくれている)」

ともみ「(……星井さんが不調で、水瀬さんが引っ込んだ今)」Vi.appeal +90p

ともみ「(Daを抑えた上で……Viまで取れば、結局ptは変わらない!)」

真美「(……あらよっと)」Vo.appeal +77p

やよい「(……わたし、が……!)」Da.appeal +76p

美希「(……あふぅ)」Vo.appeal +79p


ともみ「(……でも、本当にそう?)」

ともみ「(不調にしては、今日の星井さんは要所要所で光るアピールをしていた)」

ともみ「(もしもあれが、力をセーブした結果だとしたら)」

ともみ「(今日の彼女は、とてつもなく調子がいい可能性がある……!)」

ともみ「(……考えたくない、可能性だけれど……!)」

ともみ「(いや、じゃあ、あの表情は何!?)」

ともみ「(もし、狙い通りだったというなら……)」

ともみ「(オーディションの最中に、あんなに浮かない表情をするもの?)」

美希「……いやあ、参っちゃうよね」ぼそっ


ともみ「(…………!?)」

美希「初めにサクセンを聞いたときは、ミキ、なんだか面白そうって思ったんだけど」

美希「いざやってみると問題があってね……」

ともみ「(この子っ…………!)」

美希「……これ、周りから見たらミキができないコみたいに映っちゃうんだよね」

美希「……わざと中途半端なアピールしてると、さ!」ぷん

ともみ「(……やっ、ぱり……!!)」


P「行ったれ。星井」


美希「ほんと、参っちゃうの!!」

──美希 思い出アピール Success!!──

Vo. +115p Da. +112p Vi.211p

ともみ「(…………!!)」

麗華「(う、そっ……!)」

りん「(……はぁっ!?)」


律子「あの子、まさか……!」

P「星井にムラがあるってことは分かってたからな。どうせなら後半爆発してもらった方が得じゃん?」

律子「美希が前半ずっと低テンションだったのは、もしかして」

P「……前半、ずっと温存させたからな。思う存分発散してもらわないと」

律子「(そこまで、計算に入れて……!)」

P「これで、相手はもっかいバタついたはず」

P「……畳みかけるぞ」

やよい「(……美希さん)」Da.appeal +79p

真美「(……すっご)」Vo.appeal +77p

麗華「(……ちぃっ!)」Vo.appeal +87p

りん「(猫被ってやがったのかよ……!)」Da.appeal +85p

ともみ「(……これで、届いて……!)」Vi.appeal +87p

・第一回審査結果

Vo. 1位…765Angels(422p) 2位…てぶくろくろ(403p) 3位…さくらぎ(347p)

Da. 1位…魔王エンジェル(347p) 2位…765Angels (345p) 3位…さくらぎ(310p)

Vi. 1位…765Angels (293p) 2位…魔王エンジェル(258p) 3位…ピース(209p)


総合:現在2位(★×17)

・(後半)第二回審査開始

美希「(……♪♪)」Vo.appeal +83p

真美「(……ミキミキ、ノリノリじゃん……!)」Vi.appeal +80p

やよい「(……会場が、美希さんの、雰囲気に……!)」Da.appeal +79p

麗華「(今日の星井美希は、不調なんかじゃない……!)」Vo.appeal +83p

りん「(……ど、どうすんの? Vi? Da? それともVo?)」Vo.appeal +82p

ともみ「(……落ち着いて、りん……!)」

──Double appeal!!── Da.+42pt Vi.+42pt

麗華「(!)」

りん「(! ……そっか)」

律子「三条さんが、ダブルアピール……!」

P「うまいな」

律子「……ええ」

P「浮き足立ちそうになったところを、一手で鎮めてみせた」


ともみ「(例え星井さんが絶好調であるとしても、私たちのやるべきことは変わらない)」

ともみ「(Voは諦めて、ViとDaの取れる方を確実に……)」

ともみ「(……もちろん、隙があれば狙っていく。そうでしょう?)」

りん「(……そうだった。今は、粘れるだけ粘って……)」

麗華「(勝負は、私たちもボムの使える……)

ともみ「(……最終審査)」


P「思ったより立て直しが早い」

律子「三条さん。どうして、あそこまで冷静に……」

P「……あれは」

P「……何かしらの信念、かな」

ともみ「(…………)」

ともみ「(……『幸運エンジェル』)」

ともみ「(……もう、今では誰も呼ぶことのないユニット名)」

ともみ「(誓ったんだ。私たちが『魔王エンジェル』になったあの日)」

ともみ「(……麗華が魔王。りんがエンジェル)」

ともみ「(……私はそれを支える影でいい、と)」

美希「(……むむ……? いい感じだったと思ったんだけどな……?)」Vi.appeal +82p

やよい「(…………)」Vo.appeal +76p

真美「(……兄ちゃん、まだなの?)」Vo.appeal +78p

りん「(……こっちだ)」Da.appeal +85p

ともみ「(悪く、ない……。……麗華)」Vi.appeal +87p

麗華「(……これで、どちらでも……)」

──Double appeal!!── Da.+43pt Vi.+44pt


P「ちっ」

P「これでもう一回揺さぶれるといいけど……」

すっ

P「双海、頼んだ」

真美「(……待ってましたっ!!)」

──真美 思い出アピール Success!!──

Vo. +210p Da. +114p Vi.112p

りん「(……なめんなっ)」Da.appeal +88p

美希「(……えいっ、なの)」Da.appeal +80p

ともみ「(……これなら)」

──Double appeal!!── Da.+43pt Vi.+43pt

やよい「(……わたしは、こっち……)」Vi.appeal +77p

麗華「(……大丈夫)」Da.appeal +88p


P「そう甘くはない、か」

・第二回審査結果


Vi. 1位…765Angels (447p) 2位…さくらぎ(300p) 3位…てぶくろくろ(258p)

Vo. 1位…魔王エンジェル(389p) 2位…765Angels (350p) 3位…ピース(238p)

Da. 1位…765Angels(274p) 2位…魔王エンジェル(216p) 3位…おはよう!(187p)


総合:現在2位(★×24)



律子「……いよいよ、最終審査」

律子「……魔王エンジェルとの差は、★2つ……!」

P「分厚い分厚い……。★2つの差、だ」

律子「!」

P「俺のプラン通りなら、さっきの審査までに逆転してるはずだった」

律子「最終審査は相手も当然ボムを使ってくる……。それを見越して、ですか」

P「うん。全く同じ条件なら、互角がやっとだろうし」

律子「……そんな」

P「前半のラストの独断と、さっきの立て直し……。三条にやられてるな」

律子「何か、何か手はないんですか!?」

P「……もともと、勝つとしてもぎりぎりの予定だったから」

P「何か手って言われてもなぁ……」

律子「せっかくここまで、追い詰めたのに……!」

P「……まあ」

P「期待はしてるよ」

小鳥「……期待?」

P「あいつが、このチームに足りない最後の粘り強さ……。そいつを変えてくれるって期待」

律子「……え」

律子「いったい、誰のことですか……?」

・(後半)第三回審査開始

真美「(……これが、最後……!)」Vo.appeal +78p

りん「(……ボムは、最後まで温存だね)」Vo.appeal +89p

ともみ「(星井さんの動向に、合わせる……)」Vi.appeal +90p

美希「(……どっちかなー……)」Vi.appeal +82p

麗華「(……絶対に、勝つ)」Da.appeal +88p

やよい「(……………………)」Da.appeal +78p

律子「……いくら美希でも、これ以上は」

P「……ん。今日の星井は絶好調。現状、自分に持ってるものを出し切ってる」

P「双海はさっきメンバーチェンジしたばっかりだってのに、二人に合わせてよくやってくれてるよ」

P「……でも、いるだろ? もう一人。最初から、陰で一番がんばってるやつが」

律子「……!」

律子「まさ、か……!?」

やよい「(……わたし)」


やよい「(……交代させられなかった……んだよね)」

やよい「(こんな大事な勝負で、前半も、後半も……!)」

やよい「(う、ううん! こんなことで喜んでちゃだめ!)」

やよい「(……でも)」

やよい「(……どうしてプロデューサーは)」

やよい「(こんなわたしを、出し続けるんだろう……?)」

律子「じわじわと、離されていく……!」

律子「……やっぱりこういう競った場面、どれかに秀でたアイドルでないと……!?」

P「そんなことないよ」

律子「……え」

P「まったくもって、そんなことない」

やよい「(……もっと)」

やよい「(もっと、集中しないと……)」

やよい「(わたしは、真さんみたいにダンスが得意なわけでも)」

やよい「(千早さんみたいに歌が上手なわけでも)」

やよい「(美希さんみたいなビジュアルが備わっているわけでも、ない)」

やよい「(……わたしに)」

やよい「(才能なんてものは、ない……)」

P「……確かに高槻は、技術や素質には今の段階で恵まれてないのかもしれない」

律子「え」

P「……でもね」

P「高槻みたいなやつってのは、自分に何ができないかを知ってる」

P「それはつまり」

P「自分にできる限られたことが分かってるってことだ」

P「だから迷わない。できないことを消去法で削ぎ落とし、できることだけを磨いてアピールしてる」

P「…………」


P「……磨いて輝かないものなんて、ない」


律子「……!」

P「だから期待するんだ俺は」

P「そういうやつが才能ってもんを凌駕すんのを」

P「そういうやつの頑張りが、チームを強くするんだ」

やよい「(プロデューサーは、いってた)」

やよい「(今日のオーディション、楽しむことが大事だ……って)」

やよい「(みんなで、楽しく歌って踊るのは、わたしの得意なところだけど)」

やよい「(今日、一番楽しんでるのは、きっと、わたしじゃなくて……)」


真美「(……あと、2回っ!)」Vo.appeal +79p

美希「(……もうちょっと)」Vi.appeal +83p


伊織「(みんな、お願い……!)」きゅっ


やよい「(…………)」

P「実はね」

律子「……?」

P「高槻は、もともと双海妹の方と交代させる予定だった」

律子「え?」

P「……でも前半終わった時の高槻の顔を見て、後半もいくかどうか悩んだ」

律子「……なら一体、どうして……?」

P「……星井が言ったんだ」

P「『今日はやよいと一緒の方が、楽しくなる気がするの』って」

律子「!」

P「俺と同じ考えのやつが居るとは思わなかった」

P「だからすぐに高槻に伝えたよ」

P「後半も楽しんで来い、ってね」

やよい「(……そうだ。プロデューサーは)」

やよい「(わたしが楽しめる舞台を用意してくれるって言った)」

やよい「(……だったら)」

やよい「(わたしだって)」

やよい「(わたし、だって……!)」

やよい「(伊織ちゃんや、美希さんみたい、にっ……!!)」

──Triple appeal!!── Vo.+30pt Da.+30pt Vi.+31pt


P「!」

律子「!」

伊織「!」

春香「!」

美希「…………!」

りん「(なっ……!)」Vo.appeal +86p

麗華「(ここにきて、高槻やよいが……!?)」Da.appeal +89p

ともみ「(落ち、着いて……! マークすべきは、どう考えても、Viの星井さ)」Vi.appeal +88p

P「……星井っ!!!」

美希「(分かってるよ、タッツミー)」

美希「(後半、顔を見たときから決めてたの)」

美希「(……こういう展開になったら、やよいしかないって、ね!)」

──Double appeal!!── Vo.+43pt Da.+42pt

やよい「!!」

ともみ「!!」


りん「(星井美希じゃ、な……!)」

やよい「(……わたしには、才能なんてものはない)」

やよい「(アイドルとしてやれているだけで、奇跡的なのかもしれない)」

やよい「(……けど)」

やよい「(……プロデューサーは)」

やよい「(伊織ちゃんは、美希さんは)」

やよい「(こんなわたしを、期待してくれている……!)」

やよい「(……それなら)」

やよい「(信じてみても、いいのかもしれない)」

やよい「(わたしが、『わたしというアイドル』のことを……!)」


──やよい 思い出アピール 








































Success!!──























P「……この勝負」

P「本当は、もっと早い段階で決めるはずだった」

P「俺の描いたプランをことごとく外したのは」

P「東豪寺の意地、朝比奈の底力……そして、三条の献身。いろんなものが詰まってる」


・第三回審査結果

Vo. 1位…765Angels (485p) 2位…魔王エンジェル(451p) 3位…ピース(382p)

Da. 1位…765Angels (413p) 2位… 魔王エンジェル(405p) 3位…さくらぎ(334p)

Vi. 1位… 魔王エンジェル (374p) 2位…765Angels (326p) 3位…てぶくろくろ(212p)


:(後半)総合:

1位…765Angels(★×22)
2位…魔王エンジェル(★×8)
3位…×



P「いいユニットだったよ。魔王エンジェル」





:全体結果:

1位…765Angels(★×32)
2位…魔王エンジェル(★×28)
3位…×

律子「32対、28……! と、いう、こと、は……?」

真「か、かっ」

亜美「勝っ……!」

一同「勝ったあああああああああ!!!!」

だだだだだっ

ばしばしばしっ!

やよい「ひゃ、ひゃあああああっ!?」

響「スゴい! スゴいぞやよい! いつの間にあんな……!」

雪歩「すごいよ、やよいちゃん! ほんとに、ほんとにすごいことをしたんだよ……!」

やよい「う、うぅ……。ほ、ほんとに……? ほんとに勝ったんですか……!?」

亜美「あったりまえじゃん! あの魔王エンジェルに勝ったんだよ! やよいっちの力で!」

春香「やよい……。すごかったよ。おめでとう」

やよい「みんな……。えへへ、わたし、すっごく嬉しいかも!」

ぽんっ

やよい「!」

伊織「やよい」

やよい「……伊織ちゃん!」

伊織「…………」にっ

やよい「…………」にぱっ


ぱちぃ………ん!

伊織「おめでとう。ほんと、よくやったわね」

やよい「えへへ。なんだか、ね」

伊織「?」

やよい「伊織ちゃんみたいに、って思ってたら、身体が勝手に動いちゃったんだ」

伊織「……!」

伊織「……まったく。私が交代した途端にあんな凄いパフォーマンスをするんだから……」

伊織「私って本当は、やよいに嫌われてるのかしら? ……はあ」

やよい「え、えええっ!? そんなことないよっ!」

伊織「冗談よ、冗談」

伊織「……でも、そんな意地悪を言いたくなるくらい、今日のやよいは魅力的だったってことよ」

伊織「……私なんかより、ずっとね」

やよい「……!」

やよい「う、うぅ……」じわっ

伊織「……頑張ったわね、やよい」

やよい「伊織ぢゃぁぁぁぁぁんっ!!!」

伊織「……よしよし」

伊織「……お疲れ様、やよい」ぎゅっ

美希「タッツミー!」

P「!」

美希「えへへ、見ててくれた? ミキ、カンペキだったでしょ?」

P「ん。最後の判断はナイスだった。勝てたのはお前のお蔭だよ」

美希「でしょでしょ? 後半はね、ミキ、なんて言ったらいいのかな……」

美希「すっごく楽しくて、すっごく、うーんと……」

P&美希「キラキラしてた」

美希「!」

P「だろ? 『ミキミキ』」

美希「……!」

美希「うんっ!!」ぱぁっ


律子「(30過ぎたオッサンが、『ミキミキ』って……)」

P「んじゃ、帰るとするか。双海、高槻、星井、それから水瀬も。身体を冷やさないようにしとけよ」

美希「! そこはミキミキでいいのに……!」

P「いや、さすがにそれはな……」

くぃっ

小鳥「……プロデューサーさん」

P「? ピヨちゃん、どーし」

小鳥「……あれを」



舞「…………」



P「……はっ」

P「試合後の握手でもお願いしてきますか」

伊織「……じゃあ、私もちょっと外すわよ」

やよい「……?」ぐしゅ

律子「え? いお」



麗華「…………」



律子「……!」

伊織「ちょっと野暮用みたいだからね」

舞「…………」ごごごごごご

P「……」

がしっ

舞「…………」ごごごごごご

P「……」

舞「……ふんっ」

くるっ

P「…………!」

すたすた

P「ただいまー」

小鳥「……ど、どうでした? 何か言ってましたか?」

P「……ううん。スゲー睨まれた」

小鳥「……」

P「次やるときも面倒臭そうだ。ああいう負けず嫌いのプロデューサーは」

P「はっ、でもそうこなくっちゃね……。倒しがいってもんがない」

律子「……そうですね。次に対戦するときには、向こうも成長しているはずですし」

P「うん。……ま、それだけじゃないと思うけど」

律子「え?」

麗華「…………」

伊織「…………」

麗華「…………」

伊織「……アンタねぇ。何か言ったらどうなのよ」

伊織「話があるから来たんでしょ?」

麗華「…………」

伊織「…………?」


麗華「……たった一回で」

麗華「勝ったと思ってるんじゃないでしょうね?」

伊織「……はぁ。散々考えて、最初に出てきた言葉がそれ? ……あのねぇ」

伊織「そんなこと思ってるわけないでしょ?」

麗華「……え?」

伊織「大体、私は今回途中交代なんだから。そりゃあ私たちのユニットは勝利したかもしれないけど」

伊織「……策を弄して、全員が全力を出し切ってあの結果。私個人としては、勝ったなんて思えるわけないでしょうが」

麗華「……」

伊織「ただね。これでようやく正面切って、アンタにこれだけは言ってあげられるわ」

伊織「麗華。あなたが目指すべき場所は、『アイドルの支配者』なんかじゃない」

伊織「この世界、汚いことも、後ろ暗いことも、そりゃあたくさんあるけれど。……でも、決してそれだけじゃない」

伊織「……たとえ私たちが、大きな力に翻弄されざるを得ない偶像だとしても」

伊織「『すべての人が夢見る偶像』。そんなものを目指してみたって、いいんじゃないの?」

伊織「……あの頃の、無邪気な私たちが、思い描いていたみたいに」

麗華「……はっ。言ってなさい」

麗華「あの絶望を味わったことのないあなたには、一生分からない世界があるのよ」

伊織「……な、ん……!」

麗華「……ただ、もし」

麗華「もし頂点に立つまでそんな絶望を味わわないで済んだアイドルがいたとしたら……。あるいは、ね」

伊織「……!」

麗華「じゃあね伊織。IU予選であっさり敗退するようなら指さして笑ってやるから」

伊織「はん。麗華こそ、私たちと当たる前に春香たちにコテンパンにやられないようせいぜい気を付けることね!」

くるっ

すたすたすた…………

伊織「……麗華」



伊織「……ほんものは、いるよ。麗華が夢見たアイドルだって、きっといる」

──────


どんっ

P「うおっ?」

「あ、す、すみませんっ! わたし、あまり前見てなくて……!」

P「んにゃ、いいよ。大丈夫?」

「は、はいっ! ……あ」

P「?」

「あなた、もしかして、765プロの……」

P「……そうだけど」

「私、あなたたちの歌、素敵だと思いました。頑張ってくださいね」

律子「わ、ありがとうございます」

たたたっ

律子「ふふ。ああ言ってくれる人がいると、頑張ろうって気分になりますよね」

P「ん? うん」

律子「? どうか、したんですか?」

P「……いや」

P「(……あいつ)」

P「(……なんで俺が765プロの関係者って分かったんだ?)」

P「(それに、どこかで見たような……?)」

律子「ふふ。ああ言ってくれる人がいると、頑張ろうって気分になりますよね」

P「ん? うん」

律子「? どうか、したんですか?」

P「……いや」

P「(……あいつ)」

P「(……なんで俺が765プロの関係者って分かったんだ?)」

P「(それに、どこかで見たような……?)」

小鳥「あ、あのぅ……」おず

P「ん? どったの、ピヨちゃん」

小鳥「さっきの、『それだけじゃない』っていうのは……?」

律子「あ、そうそう! それです! 何か知っているなら聞かせてください!」

P「……あ、うん」

P「おかしいと思わなかった? 今回のオーディションのこと」

律子「おかしい、と言いますと……」

P「魔王エンジェルが、あえてTOP×TOPにエントリーしてきた、その意味」

律子「そ、それは……。確かにずっと、気にはなっていましたが」

小鳥「私たち765プロと、勝負をしたかっただけなんじゃないんですか?」

P「……それなら同じ高校生組か、少なくとも三浦と四条のユニットにぶつけてくるはずだ」

P「年下の中学生組に勝っても、本来同じ条件とは言えないはずだもん」

律子「確かに……。じゃあ、東豪寺さんの伊織との因縁が原因とか?」

P「それも、あるかもしれないけど……」

P「東豪寺はともかく、日高舞がそんなことを優先してまで格下のオーディションにエントリーするとは思えない」

P「だから、そこには何か目的があったはずなんだ」

小鳥「……確かに。舞さんもどちらかというと、格上を倒したいって考える人ですし」

律子「じゃあ、何で……?」

小鳥「何か、心当たりはあるんですか? プロデューサーさん」

P「……俺は、このオーディションの特別なルールが理由とみてる」

小鳥「特別ルール、というと……」

P「最初に律子が話してくれたろ?」

律子「え」

P「あれだよ。魔王エンジェルは今回、このルールだからこそTOP×TOPにエントリーしたんだ」

小鳥「あの、3つのルールですか? いったい、どれのことです?」

律子「……単純に考えるなら、このオーディションが前後半に分かれているからということですか?」

律子「私たちも、初めは長丁場のオーディションの経験を積ませるためって考えていたわけですし」

P「いや、それは違うかな。魔王エンジェルほどのユニットなら、そんなことに拘る必要はないだろ」

律子「……? じゃあ、ボムが4つしか使えないというところですか?」

P「……それも違う。俺たちみたいな格下ならともかく、あいつらはボムの数で戦略が変わるようなタイプじゃないはずだ」

律子「はあ。まあ、確かに」

律子「……って、まさか……!!?」


P「そう。あいつらが敢えてこのオーディションに参戦した理由。それは」


律子「『前後半でのメンバーチェンジ』……!?」


P「うん」

律子「……ば、馬鹿な! 魔王エンジェルはずっとトリオのユニットで……!」

P「本気でIU優勝を目指すなら、戦力増強のためにカルテットになるとしたって不思議じゃないだろ?」

P「……その、試運転を目論んでいたとしたら」

律子「い、いやいや、ありえません! そんな……!」

P「といっても、消去法でいくとこれしか考えられないし」

律子「しょ、消去法って……! 消去法でいくと真っ先に消えそうな選択肢じゃないですか……!」

小鳥「……何か、根拠はあるんですか?」

P「根拠? ……あるよ」

律子「え」

P「……さっきの日高舞の、目」

律子「……目?」

P「ああ。あの目は、切れる切り札があるのに切らなかった。……いや、切れなかった。そういう目だった」

律子「なっ……!?」

P「……ほーんと、面倒くさくなりそうだね」にっ

──────


「…………」

舞「……どう見た?」

「そうですね」

「……昨日までのあなたたちの歌は、正直不愉快でしたが」

麗華「…………」

りん「…………」

ともみ「…………」

「今日の」

「それも、後半のあなたたちの歌は、悪くありませんでしたよ♪」

麗華「……そう」

──────

P「よーし、いいかお前ら」

P「魔王エンジェルを下したと言っても、これはただの一勝に過ぎない」

P「IU制覇への道のりはまだまだ続くんだ、これくらいで浮かれてもらっちゃ困るぞ」


P「んじゃ、今日も厳しくレッスンするから」

P「いいな?」

「「「「はいっ!!!!」」」」


つづかない

嘘次回予告


春香「IU予選2回戦、相手は……876プロ!?」


律子「はーい、こちら事務が私しか働いていない765プロー」


P「その勝利はお前の勝利か? チームの勝利か?」


響「やってみせるよ! 自分、カンペキだからな!」


貴音「いい傾向……なのでしょうか」

愛「涼さん絵理さん、ファイトですよーっ!!!!」


春香「(私たちの動きが、全部読まれてる……!?)」


絵理「(負けたく……ない?)」


千早「(相当研究されているわね……。水谷さん、か)」


涼「(真さんに、勝つ……!)」


真「(涼には、負けられないっ!)」


雪歩「(私が、チャンスを作るんだ……!)」


尾崎「……萩原さん」


尾崎「……まるで、妖精みたい……」

真「(……響?)」


春香「(響ちゃんっ!?)」


響「(っ……。自分、いったいどうしたら……!?)」


P「いい加減吹っ切れろよ、我那覇」


P「本能を貫けよ」


P「『カンペキ』なんだろ、お前は」


響「(…………!)」





To be continued…?

つづきません


上でも三次創作と書きましたが、あの作者さんではありません
すごくすごく久しぶりにアイマスssが書きたくなったので、一番大好きだったシリーズの続きを妄想してしまいました
もう書かれないのかもしれませんが、作者さんの続きを今でも心待ちにし続けております

少しでもお付き合いくださった方、特にレスくださった方は本当にありがとうございました!

亜美真美P俺、悔し涙を流す
ともあれ乙です

すみません、読み返したら1レス飛んでました
>>169>>170の間に脳内でこれを入れておいてください


麗華「アイドルアルティメイト」

麗華「もちろん、目指すところはそこなんでしょう?」

伊織「……ええ」

麗華「今回はTOP×TOPという、年齢制限のない特殊な舞台での対決となったわけだけれど……」

麗華「IU3部門の優勝が決まったあと、優勝者同士で争うエキシビジョンマッチがあるのは知っているかしら?」

伊織「!!!」

麗華「必ずそこまで上がって来なさい。……あなたと私、どちらが正しいのか。そこで決着を着けましょう」

伊織「……にひひっ」

麗華「ふふっ」

たたたっ

りん「おーい、麗華! ミーティングするらしいからこっちに……! ……っと」

>>186
亜美真美Pのみなさんには本当申し訳ないと思ってます……
ですが世良やよいをメインで活躍する話にしたかったので、すみませぬ


乙くださった皆さん本当にありがとうございました!
ではまたどこかでお会いすることがありましたら

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom