ネルフ本部 休憩所
アスカ「あんた、バカぁ? それじゃあダメージが与えられないでしょ」
シンジ「でも横はダメージを受ける壁があるから」
アスカ「どーせあと一撃で倒せるんだからいいでしょ」
シンジ「それだと次のステージで苦しくなるよ」
アスカ「大丈夫よ。次は私のターンなんだから」
シンジ「でも……」
アスカ「ほら、さっさとする!」スッ
シンジ「あー!! なにするんだよ、アスカ!! HPが0になったじゃないか!」
アスカ「ヘーキだっていってるでしょ。バカシンジのくせに生意気よ」
シンジ「もう……僕のスタミナなのに……」
レイ「……」
ミサト「まーたあの二人、エヴァストやってるのね。楽しそうでいいけど、訓練に支障がないようにしてほしいわ」
レイ「エヴァスト……?」
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アスカ「いくわよ! ストライクショット!!」
アスカ「ちっ。倒しきれなかった」
シンジ「あぁ……負けた……」
アスカ「おかしいわね」
シンジ「だから前のステージでHPを温存しようっていったのに……」
アスカ「別にいいじゃない。たかがゲームでごちゃごちゃ言わないの」
シンジ「ひどいよ……このあと楽しみにしていたイベントがあったのに……スタミナが……」
アスカ「そろそろ訓練の時間ね。いくわよ、シンジ」
シンジ「……」
アスカ「なによ?」
シンジ「別に……」
レイ「エヴァストってなんですか?」
ミサト「あれ、レイは知らないの? ああ、そっか。レイは連絡用の携帯端末もってないもんね。そりゃしらないか」
レイ「はい。赤木博士は私には必要ないものだからと言っていました」
ミサト「エヴァストっていうのは、エヴァンゲリオンストライクの略称で、この携帯端末でプレイできるゲームのことよ」
レイ「エヴァンゲリオンストライク……」
ミサト「リツコが趣味で作ったゲームでね。ネルフスタッフの息抜きになればと思ってこうして連絡用端末でプレイできるようになってるアプリケーションなの」
レイ「……」
ミサト「ここにボールみたいな絵になってるエヴァがいるでしょ? で、指で画面に触れてみて」
レイ「こうですか?」
ミサト「それでひっぱるのよ。こう下に擦るように」
レイ「……」ググッ
ミサト「ちょっち力が入ってる気がするけど、まぁいいわ。で、画面から指を離す」
レイ「……」スッ
レイ「あ……初号機が動いた……」
ミサト「こうやって画面上のエヴァを動かして目標物を撃破するのがゲームの目的よん。単純だけど意外と面白いのよね」
レイ「これを碇くんが……」
ミサト「そうそう。最近は暇さえあれば二人でゲームしてるの。まぁ、結構な数のネルフスタッフもはまってるし、シンジくんとアスカだけに言うのも違うけど」
レイ「……この携帯端末は赤木博士に頼めばもらえますか?」
ミサト「もらえるんじゃない? 頼んでみれば?」
リツコの部屋
レイ「赤木博士」
リツコ「あら、どうしたの? メディカルチェックの時間はまだよ」
レイ「……連絡用の携帯端末を私に支給してもらえないですか?」
リツコ「貴女には必要のないものだと説明したはずよ」
レイ「ダメですか」
リツコ「必要のないものをわざわざ支給することもないわ」
レイ「……」
リツコ「あなたへはネルフスタッフが直接連絡することになっている。携帯端末は不要よ」
レイ「……」
リツコ「どうして支給してほしいのか言ってみて」
レイ「それは……」
リツコ「遊ぶためかしら? まさかね。優等生の貴女がそんなことで高価な携帯端末を欲しがるわけないわね。ごめんなさい」
レイ「……」
リツコ「まだ書類整理が残っているの。レイ、またあとでいらっしゃい」
休憩所
アスカ「あー、つっかれたぁ。今日も散々、バカシンジに足をひっぱられたわね」
シンジ「そこまでいうことないじゃないか。それにアスカはエヴァストで……」
アスカ「ゲームはゲームでしょ。訓練と一緒にするなんて、ホントバカね」
シンジ「もう……」
アスカ「それより、そろそろイベントが始まる時間じゃない? ほら、スタミナも回復したでしょ。やるわよ」
シンジ「また僕のスタミナを使うの? たまにはアスカが……」
アスカ「いいじゃない。今日のは新しいイベントなんだし、どんなステージなのか偵察しないといけないでしょ」
シンジ「いつもそういって、僕のスタミナを無駄にするよね、アスカって」
アスカ「男のくせに女々しいわねぇ。ゲームなんだからいいでしょ」
シンジ「そうだけど……」
アスカ「ほら、早くするわよ」
シンジ「わかったよ」
レイ「……」
レイ「私には必要のないもの……」
アスカ「なるほど。このステージはやたらとA.T.フィールドがあるのね。アンチA.T.フィールド持ちがいないと厳しいわね」
シンジ「アスカ、もう負けそうだよ。ここで回復しておいてよ」
アスカ「はぁ? ここからじゃどうしたって敵のA.T.フィールドでスピードが落ちるんだから、回復アイテムをとりにいけるわけないじゃない」
シンジ「でも、ここで取っておかないと死んじゃうよ」
アスカ「それよりも敵の弱点にストライクショットをきめるほうがいいわね」
シンジ「やめてよ、アスカ!! 倒しきれなくてまたやられちゃうよ!!」
アスカ「ストライクーショットー」スッ
シンジ「うわぁぁぁぁぁ!!!!!」
アスカ「ちっ。やられた」
シンジ「まただ……またスタミナが0に……」
アスカ「ま、これで対策を練れるわね。ありがと、シンジ」
シンジ「もしかして、次はアスカが――」
アスカ「ソロで行くわよ。1人のほうがやりやすいし」
シンジ「……」
アスカ「ええと、メンバーは弐号機三体と……」ピッピッ
アスカ「やった! みてみて、シンジ! ほら、四体もマトリエルとかいうのをゲットしたわよ」
シンジ「よかったね」
アスカ「でも、こいつ能力がザコ過ぎるわ。売却ね」
シンジ「……」
アスカ「んー、楽しかったぁ」
シンジ「そうだね」
アスカ「なによ。拗ねてるわけ?」
シンジ「別に……」
アスカ「次はちゃんと協力してあげるわよ。このアスカ様の手にかかればどんなクエストもヨユーだし」
シンジ「いつもそうやってアスカは僕の先を行こうとするよね」
アスカ「だって、新しいキャラは真っ先に手に入れたいでしょ。シンジに先を越されたくなんてないもん」
シンジ「それを僕にいえるってすごいよね……」
アスカ「今までも私のおかげで強いキャラを手に入れてるのによく言うわ」
シンジ「確かにそうだけど……」
アスカ「ほら、おなかすいた。早く帰るわよ」
葛城宅
ミサト「んぐっ……んぐっ……」
ミサト「ぷっはぁー!! くぅぅぅ~!! さいこー!!!」
ペンペン「クェ!」
アスカ「だから! その角度じゃダメだっていってるでしょ!! 何回言えばわかるのよ!!」
シンジ「え、でも、こうやれば……」
アスカ「違う! あーあ。ほら、失敗したじゃないの」
シンジ「おかしいな……」
アスカ「微妙に角度を変えるだけで敵と敵の間に入れないの」
シンジ「ごめん……」
アスカ「もう。あんたは横でカンカンしてればいいわ。私の邪魔しないで」
シンジ「ごめん……」
アスカ「これだからヘタクソと一緒にエヴァストしたくないのよ」
シンジ「ごめん……」
ミサト「……」
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