赤木研究室
ミサト「またマッドな薬を創ったもんね」
リツコ「パイロットの脳神経の負荷を減らすためよ」
ミサト「それでどんな風に性格が変わるの?中毒性とか無いでしょうね?」
リツコ「個体差はあるけど、戦闘ストレスが軽減される性格になるとの検査結果が出たわ」
ミサト「…えーと何々?動物実験の結果、中毒性も依存性も全くなしか…人体実験はまだな
のね」
ドア(シュイン)
マヤ「先輩、呼び出しがあったけど何でしょうか?」
リツコ「ああマヤ、今日はあなたの為に特別な栄養ドリンクを調合してみたの」
マヤ「えっ!?本当ですか?嬉しいです」
リツコ「これよ、緑色で見た目は鮮やかだけど無味無臭だから一気に飲んで」
マヤ「ありがとうございます、いただきまーす♪」ゴクリ
ミサト(アカンこれ)
マヤ「ひっく!!」
ミサト「マ、マヤ!大丈夫!?吐き出しても良いのよ!!」
リツコ「…マヤ、気分はどう?」
マヤ「おうっ!!気分爽快だぜっ!サンキュー先輩♪」
ミサト「」
マヤ「よーしみなぎってきた!!残りの仕事片付けてくるぜっ!!」
ドア(シュイン)
ミサト「……変わりすぎでしょ」
リツコ「自分の業に惚れ惚れするわ」
ミサト「…あなた、そのうち世界を敵に回すわよ」
リツコ「まあ無事人体実験も済んだし、ミサトも飲んでみる?」
ミサト「飲むわけあるかっ!!」
葛城家 ミサトの部屋
ミサト(結局サンプルとして性格変化薬を2リットル貰ったけど…)
ミサト(ペットボトルに入れたらまんま抹茶ね…)
ミサト(リツコは『こっそり飲ませたらわからないわよ』とか言ってるけど…私は常識側の人間なのよ…)
ミサト(後でこっそり廃棄しよっと…)
シンジ「ミサトさん、お風呂沸きましたよ」
ミサト「ああ有難うね、じゃあ先に入るわ」
ピンポーン
アスカ「誰か来たわね」
シンジ「はーい、誰ですか?」シュイン
レイ「碇君…これ、忘れ物…」
シンジ「あ!宿題のノート探してたんだよ!ありがと!」
レイ「…じゃあ明日…学校で…」
シンジ「待ってよ、お茶くらい飲んでいってよ」
アスカ「あれ、エコヒイキじゃない、何か用でもあんの?」
シンジ「そう言わないでよ、ノートを届けにきてくれたんだ」
アスカ「ふーん、どーせナナヒカリに取り入ろうとしてるだけでしょ」
レイ「…お茶を飲んだら…すぐ帰るわ」
シンジ「ピリピリしないでよ、ミサトさんの部屋にお茶があったはずだから取りに行ってくるね」
シンジ「はいお茶、今コップに注ぐね」トクトク
レイ「…ありがと、碇君」
アスカ「ちょっとナナヒカリ、私の分は?」
シンジ「ああごめん、今注ぐね」トクトク
アスカ「ずいぶんと色鮮やかなお茶ね?こういうの流行ってんのかしら?」
レイ「…いただきます」ゴクゴク
アスカ「緑茶は詳しくないけど、こういうのが高級茶なのかしら?」ゴクゴク
レイ「ひっく!!」
アスカ「ひっく!!」
アスカ「ねーナナヒカリ、これ全然味しないわよ…ま、嫌じゃないけどさ」
シンジ「そう?口に合わなかった?」
アスカ「ふんっ!どうせこんな事で機嫌取ろうとしてるんでしょ?べ…別にいいけどさっ!!」
シンジ「ん?(あれ?何か式波の口調が変だな)」
アスカ「エコヒイキはどう思う?」
レイ「は、はい、綾波はこの味好きです!」
シンジ「…え?」
レイ「どうしたんですか?碇君?」
アスカ「…え?あんたちょっと変じゃないの!?何でそんなに口調変わんのさ?」
レイ「あれ?そういえば何故でしょう?」
ミサト「ふぅーいいお湯だったわ、あれ?レイ来てたの?」
レイ「こんばんは葛城一佐、遅くにお邪魔しています」ニッコリ
ミサト「別に気にしなくても……ってええっ!!??」
翌日 学校
シンジ「…というわけなんだ」
トウジ「性格変える薬か、けったいなモンがあるんやな」
アスカ「まったく、人体実験ってか?こっちはたまったもんじゃないよ!ふんっ!」
ケンスケ「式波はそんなに変わってないみたいだな」
シンジ「個人差があるらしいからね」
レイ「洞木委員長、花瓶の水かえ完了しました!」
ヒカリ「ありがとう綾波さん、助かるわ」
レイ「はい!綾波、生まれ変わったみたいです!」ニッコリ
トウジ「あのままの方がええかもしれんな、薬の効果はいつ切れるんや?」
シンジ「薬の効果は24時間だから今日の20時半くらいまでだね」
ケンスケ「綾波に頼んで笑顔の写真撮らせてもらおうかな?」
ピリリリリリ
シンジ「あ、非常回線だ」スチャ
ミサト『もしもしシンジ君?使徒が現れたわ、アスカとレイと一緒に本部に直行して』
シンジ「わかりました」
ネルフ本部
アスカ「軌道上から落下する使徒を手で受け止めるって…それって本気で言ってんのかよ?」
ミサト「そうよ、飛来する使徒をエヴァのATフィールド全開で直接受け止めるの」
アスカ「いいのかよ?アタシに期待して?…まあ頑張るけどさ」
ミサト「物分かりが良くて助かるわ、正確な弾道計算は期待できないから状況に応じて多角的に三機で対処するの」
レイ「この配置の根拠は何ですか?」
ミサト「女の感よ」
アスカ「何そのアバウト?ま、エヴァの操縦は得意だからいいけどさ」
シンジ「…あの、勝算は?」
ミサト「神のみぞ知るってとこね」
アスカ「ふんだっ!ちょっとくらいパイロットを安心させろよ!」
レイ「いえ、綾波が守ります!」
ミサト「レイ、この作戦にはあなた達三人の力が必要なの、一人で背負い込むんじゃないわよ」
第三進東京市 郊外
シンジin初号機「何だろう…エヴァの中…こんな時なのに妙に落ち着く」
シンジ「何でだろう…懐かしい感じがする」
ブーッブーッブーッ
ミサト『おいでなすったわね…エヴァ全機、スタート位置』
ミサト『二次的データが当てにならない以上、現場各自の判断を優先します』
ミサト『エヴァとあなたたちに…全てを賭けるわ』
青葉『目標接近!距離およそ二万!』
ミサト『作戦開始…発進!』
アスカ『じゃ、いっきまーす!しゅっつげーき!!』
エヴァ全機全力失踪中
青葉『目標のATフィールド、変質!』
アスカ『何だよ!計算より速いじゃねーか!アタシじゃ間に合わないよ!』
シンジ「ミサトさん!」
ミサト『緊急コース形成!605から675!』
日向『はい!』
ガシッガシッガシッガシッガシッ
ミサト『次!1072から1078!』
シンジ「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
青葉『目標変形!距離1万2千!』
シンジ「ATフィールド、全開!」
キュイーン
サハクィエル「…」ニョキッガシッ
ザクッ
シンジ「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
レイ『式波さん!コアをお願い!』
アスカ『わかってるよ!!ちゃーんと見とけよ!!』
アスカ『どぉりゃぁぁぁぁ!!』
ガキン
アスカ『外した!?ちょこまかと往生際が悪いな!!』
ギュイイイイン
シンジ「アスカ、早く!!」ギリギリ
アスカ『わかってるよ!』
レイ『綾波…狙った敵は逃しません!!』コアガシッ
アスカ『エコヒイキ!!』
レイ『早く…!』
シンジ「アスカ…!」
アスカ『わかってるってーの!!』
ナイフザクッザクッ
アスカ『アタシは負ける気なんかないからねっ!!』トビヒザゲリッ
ガキーン
ブシャァァァァァ
ミサト『ふぅ…ありがとう、みんな』
青葉『電波システム回復、碇司令から通信が入っています』
ミサト『申し訳ありません、私の独断でエヴァ三体を破損、パイロットにも負傷を…』
しまいました』
冬月『構わん、目標殲滅に対しこの程度の被害はむしろ幸運といえる』
ゲンドウ『ああ、よくやってくれた葛城一佐』
ミサト『有難うございます』
ゲンドウ『初号機のパイロットに繋いでくれ』
ミサト『はい』
ゲンドウ『話は聞いたぞ、よくやったな、シンジ』
シンジ「えっ!?…はい」
ゲンドウ『では葛城一佐、後の処理は任せる』
ドック内
アスカ「ねぇねぇミサト!アタシ凄かったでしょ、ね?あ、いや…ま、どうでもいいんだけどさ…」
ミサト「いや、お手柄よ、三人とも良くやってくれたわ」
レイ「作戦部長、綾波やーりまーしたー!」
ミサト「レイもお疲れ、ゆっくり休んでいいわよ」ニッコリ
リツコ「今回の戦闘で性格変化薬の貴重なデータが取れたわね」
ミサト「あのさぁリツコ…それなんだけど」
リツコ「何かしら?」
ミサト「実は碇司令に…性格変化薬はもう使うなって言われたのよ…」
女子更衣室
アスカ「…ねえエコヒイキ」
レイ「なんですか?」
アスカ「アンタは良いの?せっかく明るい性格になったのにさ」
レイ「いえ…でもそれは…仕方がありませんから…」
アスカ「何だよー、それ本心かよ?」
レイ「…いえ…綾波は、平気です」
アスカ「…」ムンズッ
レイ「え?手を…どうしたんですか?」
アスカ「決まってるじゃない、これから一緒にシンジのところに行くよっ!」
病院ロビー
シンジ「痛て…」テクテク
アスカ「シンジ、やっと見つけたよっ!」
レイ「碇君、手の傷大丈夫ですか?」
シンジ「まあなんとか…それより式波、今シンジって…」
アスカ「アンタさっきアタシの事名前で呼んだだろ?だからアタシも名前で呼ぶよ、文句あんのかよ?ふんっ!」
レイ「碇君…性格が戻る前に少し話がしたいです」
しばらく経って
アスカ「シンジ、終わった?」
シンジ「うん、色々な事を話したよ」
アスカ「どんな事話したんだよ?」
シンジ「綾波がエヴァに乗る訳とか…父さんの事とか…」
アスカ「どうせ性格が変わったエコヒイキが可愛いんでしょうね。ふん!」
シンジ「いや、綾波は綾波だよ…アスカだってアスカじゃないか」
アスカ「な、何だよそれ…当たり前だろっ!」
シンジ「あとね、今度一緒に食事会をしたいって誘われたんだ」
アスカ「ふーん、まあアタシには関係ないけどさ」
葛城家 20時半
シンジ「そろそろ24時間だね」
アスカ「まあ自分の性格が変わるなんて中々貴重な体験だったかな…ひっく!!」
シンジ「アスカ?」
アスカ「あ…シンジ、どうやら戻ったみたいね」
シンジ「じゃあ綾波も多分もう戻ってるね」
ピリリリリリ
アスカ「電話?誰からかしら?」スチャ
レイ『…弐号機パイロット…?』
アスカ「あれ?ひょっとしてエコヒイキ?どういう風の吹き回し?」
レイ『…性格が戻ってから…伝えたかったの…』
アスカ「どうしたの?」
レイ『……』
アスカ「…ちっ!」
レイ『…ありがとう』
アスカ「!」ニコッ
レイ『…食事会には…あなたも来て欲しい…』
アスカ「…それはあんたの気持ち?」
レイ『…そう…性格は変わっても…気持ちは変わらない…』
アスカ「しょーがないわね、じゃあバカシンジと一緒に参加してあげるわよ」
レイ『…じゃあ切るわ』
アスカ「はいはい、明日学校でね」ピッ
十数日後
レイとゲンドウ食事中
レイ「…碇司令…食事って楽しいですか?」
ゲンドウ「ああ」
レイ「誰かと一緒に食べるって…嬉しいですか?」
ゲンドウ「ああ」
レイ「碇司令…今度の日曜…ネルフの皆で…一緒に食事…どうですか…?」
ゲンドウ「いや、その日は参号機の起動実験が…」
ユイ(あなた…シンジを…)
ゲンドウ(ユイ…)
ゲンドウ「わかった、参号機の起動実験は延期する事にしよう」
更に数日後
青葉「それにしても参号機が使徒に侵食されていたなんてな」
日向「あの親睦会で起動実験が延期されてなかったらと考えると恐ろしいよ」
マヤ「日向さん、青葉さん、お疲れ様です」
青葉「ああマヤちゃん、お疲れ」
日向「まいったよ、ここんとこずっと詰めっぱなしだからね」
マヤ「そうだと思って良いもの持ってきたんですよ!」
青葉「何これ?お茶かな?」
マヤ「先輩の作った栄養ドリンクです!凄く良く効くんですよ!」
日向「へーじゃあ飲んでみるよ」トクトク
青葉「じゃあ俺もいただくとするかな」トクトク
日向「どれどれ?ん?味がしないな」ゴクゴク
青葉「全く匂いもないな、こんなものなのかな?」ゴクゴク
日向「ひっく!!」
青葉「ひっく!!」
END
20でミス 正しくは以下
ミサト『ふぅ…ありがとう、みんな』
青葉『電波システム回復、碇司令から通信が入っています』
ミサト『申し訳ありません、私の独断でエヴァ三体を破損、パイロットにも負傷を負わせてしまいました』
冬月『構わん、目標殲滅に対しこの程度の被害はむしろ幸運といえる』
ゲンドウ『ああ、よくやってくれた葛城一佐』
ミサト『有難うございます』
ゲンドウ『初号機のパイロットに繋いでくれ』
ミサト『はい』
ゲンドウ『話は聞いたぞ、よくやったな、シンジ』
シンジ「えっ!?…はい」
ゲンドウ『では葛城一佐、後の処理は任せる』
このSSまとめへのコメント
なんかアイディアを活かせてないな