ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ「目覚まし」
Ｐ「んぅ……うぅん」

カーテン「ﾋﾗﾋﾗ」
小鳥「ﾁｭﾝﾁｭﾝ」

Ｐ「六時。……朝か」
Ｐ「……仕事、行かなきゃな」
Ｐ「仕事かぁ」

ケータイ「メールだぞ」
Ｐ「？」

from 小梅
件名　おはようございます
本文
おはようございます、プロデューサー。もう、起きてますか？
起きてたら、お返事ください。

Ｐ「……小梅か。なんだろ、こんな時間に」
Ｐ「」ｶﾁｶﾁ

for 小梅
件名　起きてるぞ
本文
どうしたんだ？

from　小梅
件名　あたしメリーさんです
本文
今、プロデューサーの家の前に居ます。うふふ。

Ｐ「はぁ？」

ぴんぽーん

Ｐ「……おいおい」

ぴんぽーん

Ｐ「はいはい、今でますよー」

ｶﾞﾁｬ

小梅「おはよう……ございます。……プロデューサー、今、目の前に居るの……私、メリーさん」

Ｐ「……おはよう、小梅。今日は、どうしたんだ？」

小梅「……会いに来ました。……あの子が、ほら、えへへ……。昨日からプロデューサーと会いたいって言ってて、今、喜んでますよ……？」

Ｐ「俺の家には現役アイドルは来ちゃ行けないんだけどな」

小梅「……じゃあ、私は外で待ってます。……一緒に見たい映画があったんですけど、外で待ってますね……」

Ｐ「……上がって」

小梅「……えへへっ、ありがとうございます」

Ｐ「今回だけな。それと、映画は見れない。これから仕事なんだ」

小梅「……そうなんですか」

Ｐ「うん。……小梅、僕の予定を知らないのは当然として、押しかける前に、ちゃんと相手の都合を確認しないとダメだぞ」

小梅「……すみません」

Ｐ「まぁ、小梅くらいの歳なら仕方ないことかもしれないな。これから気を付けるようにな」

小梅「あの」

Ｐ「？」

小梅「今日はじゃあ、もう帰りますけど、あの子だけは、しばらくここに住まわせてもいいですか？」

Ｐ（さっきから、何を言っているんだ）

Ｐ「あの子か誰か知らないが、アイドルでなければいいよ」

Ｐ「それと、今日はここまで、歩いてきたのか？」

小梅「……はい。そんなに遠くは……なかったので……」

Ｐ「じゃあ、別にすぐ帰らなくてもいいよ。今日はレッスンも仕事もないだろうし、送ってくよ」

小梅「……いいんですか？」

Ｐ「ああ。どうせ、時間は余裕があるしな」

小梅「……まだ、事務所が開くまで、時間、ありますもんね……」

小梅「Ｐさん……早起き、なんですね……」

Ｐ「……」

小梅「聞こえ、なかったかな……」

Ｐ（聞こえてたよ）

Ｐ「……早起き、クセになってるんだよ」

小梅「……？」

Ｐ（なに口走ってんだろ、俺）

Ｐ「……健康的だろ」

小梅「……そう、ですね……」

Ｐ（あー。変な空気なったし。……めんどくさいなぁ、色々）ｼｬｺｼｬｺ

Ｐ（拓海相手だったら、こんな空気になんなかったのになぁ）ｸﾁｭｸﾁｭ　ﾍﾟｯ

Ｐ（女々しいなぁ、僕も）ｳﾞｨｰﾝ

Ｐ（シェーバー、刃こぼれしてるし。ヒリヒリするなぁ）