進ノ介「戦う交通安全」 (43)
※仮面ライダードライブと激走戦隊カーレンジャーのクロスオーバーSSです
――久留間東公園
進ノ介「仕事サボって食べるひとやすミルクって何でこんなに美味いんだろう?」
霧子「ちょっと泊さん?怠けてないでちゃんと真面目にして下さい」
進ノ介「そうは言ったってさ、かれこれ1時間も辺りを捜査してるのに測定器は全く反応しないだろ、やっぱり誤報なんじゃないのか?」
霧子「まあそれもそうですが……」
ベルトさん「確かに、他の証言が『蛸壺のような物が上空から墜落した』というものしかない以上、ロイミュードが事件に関与している事は考えにくいだろう」
進ノ介「結局モノもなかったし、これ以上はどうしようもなさそうだな」
霧子「だったらもう戻りましょう、もう車検に出していた特状課の車が返ってくる頃です」
進ノ介「あれ?そんな事あったっけ?」
霧子「忘れたんですか?泊さんが向こうの会社に連絡したんじゃないですか」
進ノ介「そうそう思い出した、向こうの訪問時間に遅れたら事だし帰るか」
進ノ介「たしか社名は……ペガサス?」
――公園前ガソリンスタンド
恭介「仕事サボって食べるアイスクリームって何でこんなに美味いんだろ?」
実「せやな~!って今は一応給油待ち中なんやからサボりやないで恭介~」
直樹「でも一気に5台分の車検なんて大口の取引久しぶりでございますね、さっすが自動車運転免許試験場!でございます」
菜摘「違う違う、今日の相手先は久留間運転免許試験場じゃなくて、そこに設置された特状課ってとこ」
直樹「特状課、でございますか?」
洋子「そ、なんか聞いた事ないけど、ちゃーんとした警察みたいだから、くれぐれも粗相しないでね」
実「警察かー……なんやシグナルマンのせいでものっそい印象悪いわぁ……」
恭介「…………」
菜摘「恭介ー、どうしたのぼーっとして」
恭介「あ、いや、ちょっと天気が気になってさ」
洋子「お天気?」
恭介「曇り空で、薄暗ーくて、空気もどーんよりとしてて」
恭介「なんだかこう、ボーゾックが発生しそうな空模様だな……」
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キャー ワーワー バタバタ
進ノ介「なんだ?人が大勢こっちに向かって逃げてくるぞ?」
ベルトさん「事件かもしれないぞシンノスケ!」
一般市民1「あっ婦警さん大変です!向こうでカラフルな全身タイツの怪人が暴れてるんです!」
霧子「なんですって!?」
進ノ介「どうやら本当に事件だったようだな!」
ベルトさん「2人とも早くトライドロンに乗りたまえ!」
霧子「重加速も起きてないのにどうして!?」バタン
進ノ介「なんだっていい!とにかく現場に行くぞ!」バタン
進ノ介「変身!!」
《Drive!! Type Speed!!》
~~~~~
実「なんや急に周りが騒がしなったな!?」
直樹「アクセルチェンジャーも反応してるでございます!」
恭介「みんな!ボーゾック発生だ!!」
菜摘「!見てあれ!!」
ワンパー「チーッス! チーッス!!」
洋子「大変!ワンパーが暴れてるわ!」
恭介「あいつら~!よくも出張先でまでこんな事を!」
恭介「よし皆、行くぞ!!」
四人「「「「おう!!!!」」」」
『激走!!アクセル・チェンジャー!!』
ワンパーs「チーッス!チーッス!」
レッドレーサー(以下レッド)「出やがったなボーゾック!観念しろ!」バキッ
≪Tridoron!! shooot!!≫
バァン! ガァン!
ワンパー「チーッス!?」チュドーン
レッド「ぐわぁ!?なんで俺までー!?」バターン
グリーンレーサー(以下グリーン)「な、何や!?」
ピンクレーサー(以下ピンク)「銃撃!?」
ブロロロロ キキーッ
イエローレーサー(以下イエロー)「見てあの車……!凄い……!」
ブルーレーサー(以下ブルー)「溜息の出るかっこよさでございますね」ホゥ
レッド「そうだ、俺たちはあんな夢の車が作りたくて、これまでペガサスで頑張ってきて……」
レッド「ってそんな事考えてる場合じゃない!何なんだ一体!?」
仮面ライダードライブ(以下ドライブ)「派手なロイミュード達だな……しかも、こんなに沢山」
レッド「なんだあいつ、タイヤ担いでんぞ」
ブルー「特訓中なのでございますのでしょうか?」
グリーン「ロイミュうどん?って何の話や?」
ドライブ「とぼけるな!色とりどりの怪人が街を襲ってるって通報があったんだ!」
ドライブ「市民の平和を乱す奴らは俺達が倒す!覚悟しろ!!」
ピンク「んーと、この人もしかしてボーゾックじゃないっぽい?」
イエロー「怪人……ってもしかして私達ワンパーと一緒くたにされてない!?」
レッド「おい!俺たちをワンパーなんかと間違えるなんて失礼だな!俺たちは……」
カーレン一同「「「「「戦う交通安全!!激走戦隊!!カ~~~~レンジャー!!!!」」」」」
ドライブ「た、戦う交通安全?」
レッド「そうだ!宇宙の平和を守ってる俺たち激走戦隊カ~レンジャーをボーゾックの怪人扱いなんて、ひでぇタイヤ人間だ!あったまきた!」
ドライブ「タイヤ人間……って俺か!?」
ピンク「第一、現在進行形で暴れてる方が明らか敵に決まってるじゃない!ほら!」
ワンパーs「「チーッスチーッス」」
ドライブ「それもそうだが……」
レッド「あーもうまどろっこしいっ!俺たちがこいつらを倒す所を見て判断すればいいだろ!!」
レッド「うおらぁっ!!」バキャ
ワンパー「チッス!?」ステーン
ガキィン ドカァン ズバッ
ドライブ「一体なにがなんなんだ……」
霧子「泊さん、ここに来た時から重加速粒子測定器にはずっと反応が無いんです」
霧子「数日たった事件現場でも残存重加速粒子検出が出来る精度なのに……色とりどりの彼らもあの怪人も、本当にロイミュードと関係が無いかもしれません」
ベルトさん「私も先ほどからシフトカーを通して調べていたのだが……どちらの集団も分析不可能という結果が出た」
ベルトさん「地球上ではありえない質量の武装だ。あの色とりどりの集団、危険な存在かもしれないぞ」
ドライブ(…………)
ガサッ
子供「うえぇーん……」
ワンパー「チーッスチーッス」
霧子「あんな所にまだ子供が!」
ドライブ「逃げ遅れたのかくそっ!」ダッ
レッド「待てぇいワンパー!」ドゲシッ
ワンパー「グエッ」
ドライブ「!」
レッド「大丈夫か?」
子供「……うん!」
レッド「よし早く逃げるんだ!」
子供「ありがとう!赤いおじさん!」
レッド「お、おじさん!?俺まだ23だぜ!?」
ドライブ「……ぶっ!」
ドライブ「お前らの正義は見せてもらったぜ!もう考えるのはやめた!」
ドライブ「カーレンジャー!協力して戦おう!」
レッド「はい、そーしましょっ!」
レッド「フェンダーソード!」
グリーン「バイブレード!」
ドライブ「ハンドル剣……」
ブルー「マフラーガン!」
イエロー「オートブラスター!」
ピンク「ナビックショット!」
ドライブ「……ドア銃…」
ベルトさん「どうやらネーミングセンスは向こうの方が君より一段上のようだな?」ニヤニヤ
ドライブ「ほっとけ!」パン パンッ
≪タイヤコウカーン!! マァックスフレーア!!≫ボオォォ
レッド「別のタイヤが飛んで来た!?」
グリーン「なんや火ぃ吹いたで!」
ドライブ「お次はこれだ!」
≪タイヤコウカーン!! ドゥリィームベガァス!!≫ジャリンジャリン
ブルー「今度は別のタイヤでございます!」
レッド「身体どうなってんだ!?怖っ!!」
ベルトさん「シンノスケ!奴らは数は多いものの大して強くないようだ!」
ドライブ「OK、ワイルドで一気にカタをつけるぜ!」
《Drive!! Type wild!!》
レッド「全身が黒い4WD車みたいになっただと!?」
ピンク「色々変われるなんてなんかズルい!」
イエロー「私達なんて万年同じスーツの着たきりスズメなのに!」
≪ターン!! ドリフトスラァーッシュ!!≫
ワンパー一同「「「チーッス!?」」」ズババババッ
ベルトさん「nice drive!!」
レッド「いや~なんか手伝ってもらっちゃったりしてありがとうね~」
ドライブ「こちらこそ、最初疑って悪かったな」
ピンク「じゃあ改めまして!……あなた達誰?」
ドライブ「俺?あぁ、仮面ライダードライブ」
カーレン一同「「「「「仮面ライダー??」」」」」
グリーン「なんじゃそりゃ」
レッド「聞いたことないな」
グリーン「てかそこの婦警さんは何もんなん?」
ブルー「失礼ですが、もしかして貴方も警察の方でございますか?」
ドライブ「あ!いやー……アハハ…」
ピンク「ね、ね!それより名乗りとかないわけ?」
ドライブ「えっ何名乗りって」
レッド「戦う交通安全!激走戦隊!カ~~レンジャー!!みたいなやつの事だよ」
イエロー「だって今超フツーに名前言っただけじゃない」
ドライブ「名乗りって言わなきゃいけないのか!?」
レッド「いけなく…」
グリーン「ないけど…」
イエロー「物足りなくない?」
ブルー「せっかく見た目カッコいいのに勿体無いでございますよ」
ドライブ(よく考えたら剛も毎回言ってるし……もしかして俺の方が非常識なのか!?)
霧子「名乗りの話は後にしてください。それより先程の怪人やあなた方激走戦隊カーレンジャーについて色々聞きたい事があります」
霧子「特に先程の怪人……あれは普段私達が戦っているロイミュードとも異なる、市民の安全を脅かしかねない存在です」
ドライブ「俺たちの使命はロイミュードを倒すだけじゃない、一般市民を守ることが俺たち仮面ライダーの使命なんだ」
ドライブ「だからその為にも、知っている事を教えて欲しいんだ」
レッド「……一般市民を守る、ね…」
レッド「ここまで言われちゃ宇宙の平和を守る激走戦隊カ~レンジャーとしては断れないな」
イエロー「ちょっとちょっと!聞きたい事はこっちだって山ほどあるんだから!」
グリーン「なんやうどん屋さんと戦ってるなんてそば屋さんかなんかか?」
ドライブ「うどん屋じゃねえロイミュードだ!俺がそば屋に見えるってのか!」
ブルー「タイヤ屋さんになら見えるでございます」
霧子「ああもう話の腰を折らないでください……」ゲッソリ
レッド「んじゃ改めて言うと、さっきの奴等はボーゾックの手下だ」
ドライブ「ボーゾック?」
レッド「そうだ。ボーゾックってのはだな……」
prrrrrrrrr prrrrrrrrrr
レッド「やべっ、電話だ!」
ドライブ「えっ」
レッド「はいもしもし……あー社長!いつもお世話に……はい……いえちょっと向かう途中でトラブルがありましてまだ久留間運転免許試験場に到着できていなくて……はい、はい……」
ドライブ「今、社長って……」
霧子「ってか、うちの住所……」
レッド「……あーすみません!はい、皆も一緒です……はい!すぐに向かいます!!失礼します!!」ピッ
レッド「やべぇみんな!もう時間とっくに過ぎてるぞ!戻ろう!!」
ピンク「しまった忘れてた!」
グリーン「えらいこっちゃで!」
レッド「じゃあそういう訳で、俺達急いでるから!バイバーイ!!」ダッ
ドライブ「あ、おい!ちょっと待て!!」
霧子「……行ってしまいましたね」
ベルトさん「先ほどの怪人、それに激走戦隊カーレンジャー……」
ドライブ「いったい何者なんだ……」
霧子「泊さん大変です!もう約束の時間を完全に越えてますよ!」
ドライブ「やっべマジか!急がないと!」
霧子「今日は皆出払っていて課内がカラッポです、業者の方もうカンカンでしょうね」
ベルトさん「菓子折りでも持って謝った方がいいのではないかね?」
ドライブ「だよなぁー……あー気が重い…」
バタン ブロロロロ・・・
ガサガサッ
ロイミュードA「……おいっ、もう行ったぞ」
ロイミュードB「出て大丈夫?襲われない?」ヒョコッ
ロイミュードC「まさか、落ちてた蛸壺を拾って開けてみたら、中からタコ顔の全身タイツがわらわら出てくるなんて思わなかった」
ロイミュードD「しかも仮面ライダーや謎の色とりどりの5人組まで出てきてタコ顔の全身タイツを全滅させちゃうし」
ロイミュードE「戦況を見極めるため様子見に徹して正解だったな」
ロイミュードC「正直ビビって隠れてただけだけどな」
ロイミュードB「なー」
ロイミュードE「それを言うんじゃねえ」
ロイミュードA「だが、あれは一体……なんだったんだ?」
~~~~~
恭介「激走戦隊カーレンジャー以外にあんな奴らがいたなんてな」
洋子「正義の味方って思ったよりいるもんなのねー」
菜摘「でもさっきの車カッコ良かったよね」
実「ほんまそれ!やるならやっぱあれくらいどーんっといきたいよな」
直樹「デザインもどうせならスケッチさせてもらえばよかったでございます」
恭介「あ~、俺達もいつかあーんなカッコいい夢の車作りたいよな~」
洋子「そのカッコいい車が、取引先の久留間運転免許試験場に停まってるんだけど」
カーレン一同「「「「…………」」」」
恭介「えっと、同じ車種でオーナーが違うだけとか……」
実「あんな車が二台もあってたまるかい」
恭介「め、免許更新しに来ただけかもしれないし……」
菜摘「あのスペース、もろ職員専用スペースよ」
恭介「……もしかして、ここの関係者?」
直樹「もしかしなくても、そうでございましょうね」
恭介「何か、激しくやな予感しかしないな……」
霧子「運が良かったですね、向こうもトラブルがあったらしく今到着したそうですよ」
進ノ介「…………」
霧子「どうしました?」
進ノ介「いや……なんかさっきの事が引っかかってて」
コンコン
恭介「すいません自動車会社ペガサスです~、大変お待たせしまし……」
進ノ介「こちらこそお世話になります、お電話させていただきました特状課の泊と申しま……」
進ノ介「…………」
霧子「…………」
カーレン一同「「「「「…………」」」」」
一同「「「「「「……あ~~~~~っ!?!?!?」」」」」」
洋子「恭介!あのミニスカポリス、さっき居た人じゃん!」ヒソッ
菜摘「ってことはでっかい刑事さんの方が一緒に戦った……これ、まずくない!?」ヒソヒソッ
実「ええええらいこっちゃ~、俺らの正体バレてまうで~!」ヒッソリーノ
直樹「どうするんですか恭介さん!」ヒソヒソヒソ
恭介「しゃあねぇ、やることやって撤収だ!」ヒソ
進ノ介(カーレンジャー、社長との電話、久留間に『まだ』着いていなかった、今の反応…………なんてこった、繋がっちまった!)
霧子「泊さん、あの人たちってまさか……」コソッ
進ノ介「そのまさかかもなんだよ!とにかく話を聞かない事には……」コソコソッ
恭介「いやいやいや~この度はどーもご利用ありがとうございました」
直樹「はいこれ車のキーと、あと料金はこの額をよろしくお願いしまーすでございまーす」テキパキ
洋子「それとはいっ、お詫びの芋長の芋羊羹です」サッ
進ノ介「え、あ、どうも。あと少し事件のことでお話が」
カーレン一同「「「「「と、いうわけで……撤収~~~!!!」」」」」ダッ
進ノ介「こら!逃げんな!!」
進ノ介「ちょ、ちょっと待ってくれよ!」
恭介「い~や、待たない~!」
進ノ介「霧子!逃がすな!」
霧子「勿論です!」タンッ ヒラリ
恭介「げげっ!回り込まれた!」
菜摘「どういう運動神経してるのよ!」
実「いや~ん、逃げられへ~ん!」
進ノ介「あの、カーレンジャーって知ってるか?」
実「え?ああ、知ってる知ってる!めちゃめちゃよう知ってるで」
恭介「いやあの、でもね、もしかしてあっちのほうにいちゃったりなんかしちゃったりして」シドロモドロ
霧子「……っていいますか、貴方達がカーレンジャーですよね?」
カーレン一同「「「「「ギクッ!」」」」」
霧子「先程泊さん……仮面ライダーと共に闘いましたよね?」
進ノ介「お、おい霧子!」
霧子「いいんです、どうせ私の顔も割れてますし、事情を聞くためにはこれが一番手っ取り早いんです」
恭介「な、なな、何の話かな?仮面ライダードライブなんて見た事も聞いた事もないなぁ~~」
霧子「私は公園以来一度も、仮面ライダー『ドライブ』なんて呼んでませんが?」
実「ええええーとあれや!さっきドライブさんと会うて名刺交換したんや!」
進ノ介「いやしてねーから」
霧子「そもそもカーレンジャーとまるっきり同じ声じゃないですか!」
恭介「き、気のせいじゃないか?(裏声)」
直樹「他人の空耳でございまーす(裏声)」
霧子「5人ともお揃いの怪しげなブレスも付けて!」
洋子「あ!あれは、そのー……ポケベル?」
進ノ介「いつの時代だよ!」
実「大体なー、そこの刑事さんかて変なブレス付けてんのは一緒やろ~!」
実「第一それさっきの仮面ライダーとおn……もごぁ!」
菜摘「バカッ!語るに落ちちゃってどうするのよ!」
ギャーギャーワーワー
霧子「皆さん!!いい加減にしないと偽証罪で確保しますよ!」
恭介「分かった~!言う~!何でも言うから裁判沙汰だけはやめて~~!!」
とりあえず今回ここまでです、読んで下さってたらありがとうございます
目下多忙なので投下頻度も投下量もかなり遅く少なくなりそうですすみません
一応時系列は
ドライブ:チェイス死神時代らへんのパラレル(登場アイテム的に)
カーレンジャー:クリスマス大決戦前後(41~44話あたり)
にしてます
一応時系列は
ドライブ:チェイス死神時代らへんのパラレル(登場アイテム的に)
カーレンジャー:クリスマス大決戦前後(41~44話あたり)
にしてます
現在放映分準拠だと来週らへんから剛が出せなくなりそうで…
――ドライブピット
恭介「うっひょ~~~!!ここが仮面ライダーの秘密基地か~!!」
進ノ介「ウヒョーってホントに言う奴初めて見た……」
菜摘「職場のすぐ下に秘密基地があるのはうちと同じね」
直樹「うちより整然としてて近未来的なデザインでございますね」
進ノ介「あれ、そっちもそうなのか?」
実「頼む~!内緒にしててくれへんか~?勝手に工場の下秘密基地にしてるって社長にバレたらクビになってまう~!」
霧子「は、はぁ……」
菜摘「そういやあの時、他にももう1人分声が聞こえてたわよね」
洋子「誰の声?」
実「どっからしてたんや?」
恭介「まさかとは思うが、仮面ライダーの方から2人分の声が聞こえてきた気がしたよーなしないよーな…」
ベルトさん「Exactly!! 正解だ、よく気が付いたね」
直樹「ベルトが喋ったでございます!」
実「なんや無駄にええ声のベルトやなあ」
恭介「んな訳ねーよ、どうせうさんくさそーなおっさんがどっかから通信してんだろ」
ベルトさん「残念だったね、私はベルトだ。通信端末ではなくベルトそのものが本体なのだよ」
恭介「ふぅ~ん、ベルトねぇ」
ベルトさん「呼び捨てとは失礼だな、さんを付けたまえ」
恭介「んじゃベルトのおっさん」
ベルトさん「違う、そうじゃない」
菜摘「それでもうさんくさそーなことには変わりないわよ」
進ノ介「おっやっぱそう思う?」
ベルトさん「シ、シンノスケまで!」
進ノ介「文句があるならいつもの秘密主義やめろよな」
洋子「液晶の顔文字って変わるのね可愛い!い~な~、うちにも一台欲しい~!」
実「よう考えや洋子、可愛らしい顔文字使うてるけど中身はおっさんなんやで」
洋子「えー、じゃあいらなーい」
ベルトさん「私が傷つかないとでも思っているのかね」
霧子「クリムをいじるのはその辺にして、そろそろちゃんと話の続きを聞かせてください」
霧子「貴方たちをこのドライブピットに入れたのも、他の人に話を邪魔されないようにするためです」
ベルトさん(あ…助かった……)ホッ
恭介「さっきまで戦ってたのはワンパーっていって、言うなればボーゾックのよくいる弱めの戦闘員だ」
ベルトさん「我々で言う下級ロイミュードをもう少し弱体化させたようなものだろうか」
霧子「そのボーゾックというのは一体なんなんです?」
恭介「ボーゾックは宇宙の暴走族だ」
ベルトさん「また随分と突拍子もない組み合わせだな」
進ノ介「詳しく、話を聞かせてもらえないか」
恭介「ああ、ボーゾックってのはな……」
~~~~~
~~~
~
――ボーゾックアジト バリバリアン内 酒場
ワイワイ ガヤガヤ
グラッチ「そういやゼルモダ、ワンパー入れてた壺ってどこへ置いたんだ?」
ゼルモダ「ああ、あれ虫干ししてたらチーキュに落っことしちまってよ~」
グラッチ「そりゃ災難だな、ま、飲んで忘れようぜ!」
ゼルモダ「そうだな飲め飲め~!」
ゾンネット「ねえ見て綺麗でしょ、この指輪」
ガイナモ「エヘヘヘヘ、可愛いおてて~」デレデレ
ガラガラピッシャーン
エグゾス「宇宙暴走族ボーゾックよ」
ガイナモ「出た!全宇宙に君臨する悪の支配者、暴走皇帝エグゾス!」
エグゾス「最近、宇宙暴走族には必要不可欠な構成員が不足していると聞いたが」
ガイナモ「その通りだ」
グラッチ「最近ボーゾック辞めるやつ多いんだよなぁ~」
ガイナモ「どいつもこいつも、根性のねえヤツばっかり……」
ゾンネット「ケガしたとか実家継ぐとかボーゾックやってる歳じゃないとか、切ない理由よねぇ」
グラッチ「もう俺もボーゾックやめて真面目になっちゃおうか……」
ガイナモ「土星でおでん屋でもするか」
ゾンネット「あたし宇宙の田舎に帰って、農業でもする!」
エグゾス「暴走族が落ち込んでどうする。暴走魂を失った暴走族に、勝利は訪れない」
ガイナモ「とは言ってもよお、実際激走戦隊カーレンジャーのせいで戦える奴は減るばかりだし、金も無いから新しいボーゾックも増やせないし、どうしろっていうんだよ」
エグゾス「全宇宙の悪者に、余が毎月1回配っている『宇宙ランド』の春休み合併号とその付録の『家計節約!宇宙人再利用コピーキット』。これを使って激走戦隊カーレンジャーを倒すがいい」
エグゾス「ではさらばだボーゾックよ。悪の自信を取り戻せ、誇りある暴走魂を忘れてはならん」
ゼルモダ「だったらこいつにまかせようぜ」
ガイナモ「ボーゾック一の節約上手、RR(リーリー)サイク!」
RRサイク「お呼びでサイク~?」
グラッチ「えー説明書説明書…『スーパー戦隊に倒された宇宙怪人も、このキットとハサミとのりを使って他の宇宙怪人に貼り付けるとあら不思議!
1人でコピーした怪人の能力と姿とHPを使える様になっちゃいます!ただし3人分までしか使えず、一人の怪人あたり一回の再利用が限度です
再生怪人で人件費を大幅削減!楽しい悪の組織ライフを!』だってよ」
ガイナモ「おい!激走戦隊カーレンジャーに倒された奴等のボディって、どれぐらいあったっけか?」
ゼルモダ「基本ほったらかしの癖によくいうぜ」
ゾンネット「だいたい普段爆発しちゃうからロクに残ってないのよね」
ガイナモ「んなこたあねぇ、探したらどっかその辺に転がってるだろ」
RRサイク「探したらホントにその辺に3人分転がってたでサイク~!」
ガイナモ「おお見つかったか!で、どいつのボディなんだ?」
RRサイク「えーっとねー耳貸して……ごにょごにょごにょ」
ゾンネット「ふんふんふん……ってちょっと!どさくさに紛れてあたしの耳舐めないでよこの変態!」ゲシッ
ゼルモダ「マジでこいつらのボディしかなかったのかよ?もっと強そうなやつのはなかったのか?」
ガイナモ「バカ野郎!そんな強い奴がいたらここまで激走戦隊カーレンジャーに負けてねえよ!」
グラッチ「とにかくやってみようぜ、お~い、のりとハサミ持ってこい~」
~~十数分後~~
ガイナモ「よし、じゃあ行って来いRRサイク!改め、再生したボーゾック一のガソリンスタンド店員、SSスタタンゾよ!」
SSスタタンゾ「任せるでサイク~!じゃなかった、任せるでスタタンゾ~!」
~~~~~
~~~
~
恭介「……っていうのがざっくりとしたボーゾックについての説明だ」
恭介「ってあれ、どうしたんだ頭なんか抱えて?」
進ノ介「……なんなんだそいつら…目論見や行動がトチ狂ってて全く理解できねえ…俺の脳細胞がエンストしかかってる…!」
ベルトさん「奇遇だねシンノスケ……私ももう考えるのを止めたいよ……」
霧子「ロイミュードがまだまともに見えてきました……ああ頭が痛い……」
洋子「そういえばトライドロンって普段ここに入れてるんでしょ?」
菜摘「ターンテーブルもその為のでしょ?ピットインしないの?」
進ノ介「一応トライドロンは特状課の車だから、怪しまれないようにしばらくは普通に駐車してるけど」
霧子「人のいない頃合いを見計らって隠し道路からピットインさせてます」
実「隠し道路!かっこええ響きやな~!」
直樹「いかにも秘密基地!って感じの趣があるでございますね」
進ノ介「普段はベルトさんが入れてくれてるけど、えっと確かこのボタンを押したら呼び出せるはず…」
恭介「俺にも押させて押させて!ぽちっとな!」ポチッ
進ノ介「こら!勝手に押すな!」
ウィーン グオーン ガガガ
シーン・・・
恭介「……あれ?」
直樹「来ないでございますね」
菜摘「ちょっと恭介!あんたが勝手にいじるから壊しちゃったんじゃないの!?」
実「あーあ、弁償やなー」
恭介「ええ~~~!!俺のせい~~~!?」
進ノ介「いや、押した人間は関係ないはずだ……でもおかしいな、一体どうして…」
ベルトさん「大変だシンノスケ!」
進ノ介「どうしたベルトさん」
ベルトさん「トライドロンが、家出した……」
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