美穂「ちいさな冒険」 (13)




「あっお姉ちゃんだ!」


美穂「へっ?」


「お姉ちゃんっ! 探してたんだよっ!」


美穂「えっ…ええぇ?!」





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美穂(えっと…誰なんだろう……8歳くらいかな? だけど親戚にこのくらいの子はいなかったはず…)


美穂(ここは名前を聞くのが一番だよね。よし!)


美穂「えっと、僕のお名前を教えてくれる?」


「知らない人に名前を教えちゃダメなんだよ!」


美穂(うん、その通りなんだけど…うーん困ったな……)


美穂「そ、そうだ! どうして私のことを知ってるのかな?」


「写真で見たことあるからだよ!」エヘン


美穂(そうするとファンの子かな? そもそも何でここに居るんだろう…)


美穂「それじゃあ質問を変えるよ。どうして僕はここにいるの?」


「どうしても言わなくちゃダメ?」ウルウル


美穂「ご、ごめんね。つらかったら言わなくてもいいよ」


「うんじゃあ言わない!」ペカー


美穂「う、うん。つらいことは今だけ忘れよう!」


「お姉ちゃんダイスキっ!」


美穂(どうすればいいんだろう……)





「はっそうだ、お出かけの途中だったんだ」


美穂「えっと…どこに行く途中なの?」


「お兄ちゃんのとこだよ!」


美穂「そのお兄ちゃんはこの近くにいるの?」


「うん! お姉ちゃんも一緒に来る?」


美穂(ここはついて行くべきかな)


美穂「私もお兄ちゃんのところに一緒に行っていいの?」


「もちろんだよ! それじゃあ一緒に行こう!」


美穂「おー!」


「それじゃあこっちだよ。離れないでね」


美穂「わかりました、隊長さん」


「えへへ…」


美穂(どうしてお兄ちゃんのいる場所がわかるんだろう…?)







「えっと…こっち」


美穂(そういえば、そのお兄さんにあった時なんて言えばいいんだろう……)


「うーん…」


美穂「どうしたの?」


「なんでもない。こっち」


美穂「もしかして、迷っちゃったの?」


「う、うるさい! まよってなんか……」


美穂「私この近くによく来るから、お兄さんがいるところのヒントがあれば教えてあげられるかも」


「うぅ……それじゃあこの場所を教えて………くださぃ…」


美穂「ありがと」


美穂(うーん…お兄さんメールで教えてくれたんだ。けどこれって……)


美穂「ありがとう。場所がわかったよ」


「ほんと……?」


美穂「うん! だから涙をふいて」


「な、ないてなんかいないもんっ」


美穂「はい。よかったらこのハンカチを使って」


「うぅ………ありがとう……」


美穂「どういたしまして」







美穂「それじゃあ…」グー


「……」 美穂「……」


「お姉ちゃん…」ヤレヤレ


美穂「違うよ! 君のお腹がなったんでしょ!」


「違うもんっ! お姉ちゃんのお腹がなったんだよ」


美穂「あっあんなところに屋台が」マルメターノ!!


「うぅ…」


美穂「食べる?」


「しょうがないなぁ。勧められたから食べるんだからね。ほんとはお腹いっぱいなんだからね」


美穂「えへへ、はいはい。わかりました」


「なんで笑うんだよ!」ウガー


美穂「えへへ。それじゃ行こうっか」


「ふんだ」




―――――


「「ごちそうさまでした」」


美穂「あ、ソースついてる。動かないでね」


「ん、ん~~っ! やめろ~! 自分でふく!」


美穂「ご、ごめんね。はいどうぞ」


「ん、ありがと…」


美穂「それで、目的地なんだけど…ここのイベントが行われてる場所なんだ。本当にここで合ってる?」


「うん。ここからは僕がまた案内するからついてきてね」


美穂「う、うん(大丈夫かな…)」





スタッフ「この先は関係者以外立ち入り禁止です」


「関係者だもんっ!」


スタッフ「そうは言っても…あれ? 小日向さん?」


美穂「は、はい。お疲れ様です」


スタッフ「この子小日向さんの知り合いの子?」


美穂「えっと、そうです」


スタッフ「それならいいか…内緒だからね」


美穂「ありがとうございます」


「ありがとう……」


スタッフ「機材が多いから小日向さんの言うことを良く聞いてね」


「うん、わかった」


美穂「本当にありがとうございます」


スタッフ「お疲れ様」





美穂(今日はここでトライアドプリズムのライブがあったんだよね。Pさんに会った方がいいかな…)


美穂「あっトライアドのみなさんお疲れ様です」


奈緒「ん? 美穂じゃんどったの?」


凛「美穂その子…いったいどうしたの?」


加蓮「美穂の隠し子?!」


美穂「どうしてそうなるの~!!」


「!! このお姉ちゃんたちも知ってる」


凛「ファンのこかな?」


加蓮「どうして知ってるの?」


「写真で見たんだ。けど、そこのお姉ちゃんはビデオでも見たことがあるよ」


奈緒「あたし?」


「あっお兄ちゃん!!!」


4人「えっ?」


P「おっこんなとこに来たのか」


4人「はぁああああ~?!」







凛「なんだPさんのお姉さんの子なんだ」


加蓮「ずいぶん歳の離れた兄弟かと思っちゃった」


美穂「お兄ちゃんってPさんのことだったんだね。会えてよかった」


P「お母さんずいぶん怒ってたぞ」


「だって勝手に僕の分のお菓子食べちゃうんだもん…」


P「あぁ…あとでお母さんを叱っとくよ」


奈緒「Pさんがあたしたちの写真を見せてたから知ってたのか」


「うん。かわいい写真やエプロン姿n……」ムググ・・・


P「後でお菓子たくさん買ってあげるから、その話はやめよう」


凛「後でじゃなくて今買ってあげるから聞かせて」


加蓮「アイスとか好き?」


「うん!」


奈緒「まさか……」


美穂「そのエプロンの写真このお姉さんが映ってた?」


「うん。あとビデオも」




P「…サラダ!」


奈緒「逃がすか! しかもなんで噛んでだよ、まてー!!」








美穂(こうして突然であった男の子との冒険が終わりました)


「あの…お姉ちゃん?」


美穂「ん? どうしたの?」


「今日はありがと。その…また遊んでくれる?」


美穂「もちろん! また冒険しよう、隊長さん♪」


「うん!!」






おしまい

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