忍「綺麗な金髪ですね」ソーニャ「は?」 (36)

忍「少し触らせて頂いてもいいですか?」ハァハァ

ソーニャ「嫌に決まってんだろ、何だお前気持ち悪い」

忍「おっと、これは申し遅れました。私、大宮忍といいます」

ソーニャ「どうでもいい。消えろ」

忍「お気軽にしのとでも呼んでください」ニコニコ

ソーニャ「聞いてねーよ」

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忍「あなたのお名前は?」

ソーニャ「は…?なんで教える必要がある?」

忍「挨拶されたら挨拶し返すものですよ?日本の礼儀です」

ソーニャ「別に私は日本人じゃないんだが」

忍「郷に入っては郷に従え、ですよ」ニコニコ

ソーニャ(なんだこのこけし)

忍「それで、お名前は?」

ソーニャ「私はゴスロリの見るからに怪しい奴に名前を教える程バカじゃない」

忍「むむ…強情ですね」

ソーニャ「お前が言うな」

やすな「あれ?おーい!ソーニャちゃーん」

ソーニャ「……チッ…厄介な奴が…」

忍「ん?ソーニャ?ソーニャさんと言うのですか?」

ソーニャ「違う」

忍「でも、あちらの方はお友達ですよね?」

ソーニャ「断じて違う」

やすな「ねぇねぇソーニャちゃん、なんで無視するの?」

ソーニャ「……」

やすな「ソーニャちゃん?ソーニャちゃん?」

ソーニャ「……」

やすな「怖い顔」

ソーニャ「あ!?」

やすな「ふふふ…反応したね…」

ソーニャ「ぐっ…!やかましい!お前のことなんか知らん!人違いだ!」

忍「??」

やすな「ん?あなたは?」

忍「はじめまして、大宮忍といいます」

やすな「これはこれは、折部やすなです。人付き合いの悪いソーニャちゃんの唯一の友達です」

ソーニャ「あ!?」

忍「そうだったんですか。仲がよろしいんですね」ニコニコ

ソーニャ「今の状況で何でそう思えるんだ…後こいつは友達でもなんでもない」

忍「そ…そんな…ソーニャさん!たった一人の大事な友達にそんなこと言ってはダメです!」

やすな「そうだよ、ぼっちになっちゃうよ?」

ソーニャ「あぁ!_?」ビキビキ

やすな「ヒィィ!」

忍「さ、謝りましょう。仲なおりです」

ソーニャ「なんで私が…」

忍「友達は大切にするものですよ?」

やすな「そうそう!ほら、土下座」

ソーニャ「フンッ!」ボグッ

やすな「ブヒイィ!」ズザァァァ

忍「ぼ、暴力はいけません!やめて下さい」サッ

ソーニャ「う…」ピタッ

やすな「ぅぐああぁあぁぉぁあああっっ!!痛いいぃぃぃい!!」ゴロゴロ

忍「だ、大丈夫ですか!?ひ、酷いですよソーニャさん!」

ソーニャ「……わ、悪かったよ」

やすな「……」ニヤ

ソーニャ「!?」

忍「ソーニャさんもあぁ言っていますし、仲直りしてあげて下さい」

やすな「仕方ないなぁ…しのさんに免じて許してやろう」フン

ソーニャ「何様だお前」

忍「ほら、仲直りの握手です」

やすな「えっ」

ソーニャ「はい仲直り」ギュゥゥゥゥ

やすな「アギギギギギギギ」バキバキバキバキ

忍「仲良しが一番です」ニコニコ

~~~~

ソーニャ「それで?お前は何者なんだ?」

忍「?大宮忍です」

やすな「さっきも言ってたじゃん、人の話はちゃんと聞こうよ」

ソーニャ「黙ってろ。そうじゃない、名前以外何も聞いてないぞ」

忍「そうでした。千葉県習志野市出身で高校1年生です」

ソーニャ「千葉?ここは東京の小平市だぞ」

忍「東京だったんですか!?でも思ってたよりパッとしませんね」

ソーニャ「ほっとけ」

忍「でも私、東京に来たの初めてなんです!なんだか感動します!」キラキラ

ソーニャ「そうか、よかったな。他には?」

忍「えーっと…………あれ……覚えてないです」

ソーニャ「……は?」

忍「すみません、何分記憶が曖昧なもので…」

ソーニャ「記憶が曖昧?何があった?」

忍「それが…気がついたらここで倒れていまして…名前と出身以外は何も…」

やすな「つまり記憶喪失ってこと…!?……なんかかっこいい」

ソーニャ「誰か一緒じゃなかったのか?」

忍「すいません…交友関係、家族構成すら覚えてなくて…」

ソーニャ「……なんか面倒くさいなお前」

忍「酷いです!」

やすな「好きなものとかも覚えてないの?」

忍「好きなもの…」

ソーニャ「……」

忍「…そうです!金髪です!」

やすな「金髪?ソーニャちゃんみたいな?」

忍「はい!私、金髪美少女に目がないんです!」

やすな「美少女?え?よかったねソーニャちゃん(笑)」

ソーニャ「[ピーーー]ぞ」

忍「あの、というわけなので髪…触らせて頂いてもいいでしょうか?」

ソーニャ「は?アホなのか?なんでそんなことさせなきゃならん」

やすな「何もったいぶってんの?はっ…もしかして自慢の髪に触らせたくないの?顔のわりにそんなこと気にするんだ……」

ソーニャ「お前の髪綺麗だな…触らせろよ」ブチブチ

やすな「んひぃぃ!!」

忍「仲良しさんですね」ニコニコ

ソーニャ「どこがだよ、ていうかまだいたのか。さっさと失せろ」

忍「そんな!まだ何も思い出してないのに!」

ソーニャ「知るか。警察にでもいけ」

忍「警察に行けば金髪美少女にあえるんですか!?」

ソーニャ「目的見失ってんじゃねーよ!」

やすな「髪くらい触らせてあげなよ。もしかしたら何か思い出すかも!」

ソーニャ「そんな都合のいいことあるわけ…」

忍「!…あ~何か思い出せそうです!くっ…金髪さえ触ることが出来れば…金髪さえ触らせてもらえれば~…」チラッチラッ

ソーニャ「触らせないぞ」

忍「うぅ~…」ショボン

やすな「酷い!この人でなし!」

ソーニャ「私は殺し屋だからな。どうとでも言うがいい」

忍「……?そういえば、殺し屋ってどういうことですか?」

ソーニャ「あ…いや、なんでもない」

やすな「そういう設定なんだよ。察してあげてよ」ニヤニヤ

忍「なるほど、そういうことですか」ニコニコ

ソーニャ「ま、まぁそういうことだ…」ヒクヒク

やすな「殺し屋(笑)ヒューッ!!素敵!!かっこいーー!!(笑)」

ソーニャ「後で覚えてろ…」ビキビキ

忍「あ、そういえば家の住所は覚えてました」

ソーニャ「は!?」

やすな(なんなんだろうこの人)

ソーニャ「いや…それを覚えてるなら十分だろ…交番まで案内するぐらいならしてやるよ。後は自分でなんとかしろ」

忍「…!ありがとうございます!」

やすな「ソーニャちゃんが優しい…!?何を企んでるの!?」

ソーニャ「ややこしくなるから黙ってろ」

忍「ふふ…では、よろしくお願いします」

ソーニャ「まぁすぐそこなんだけどな」

やすな「殺し屋のくせに警察に頼るってのもおかしな話だよね」

忍「……」

ソーニャ「黙れ。さっさと行くぞ」

忍「……」ソーッ

ソーニャ「…おい」

忍「…!は、はい?」

ソーニャ「勝手に触るなよ?」

忍「は、はい…」ショボン

やすな「殺し屋のくせに神経質だね」

ソーニャ「殺し屋殺し屋うるせーな[ピーーー]ぞ。殺し屋だから神経質なんだよ」

ソーニャ(最近私を狙う刺客がこの町に潜んでいると情報が入った……こいつがその刺客だったらどうする)ヒソヒソ

やすな(しのさんが刺客!?まさかそんなわけ)ヒソヒソ

ソーニャ(これまでの刺客も怪しい奴ばかりだったがコイツも群を抜いて怪しい)ヒソヒソ

やすな(確かにしのさんもソーニャちゃん達みたいにアホっぽいもんね)ヒソヒソ

ソーニャ(あ!?)

忍「……」ソーッ

ソーニャ「……っていうか」ドゴォ

やすな「ブボァ」ズシャァァ

忍「……っ!」ビクッ

ソーニャ「…触るなよ?触るとこうなる」

忍「は、はい!」サッ

やすな「酷い!まだ何もしてないのに!」

ソーニャ「バカにした罰だ」

~~

ソーニャ「ついたぞ」

忍「ありがとうございました」

ソーニャ「ああ。私はもういいよな。じゃあな」

やすな「もういっちゃうの!?ちゃんとしたお別れもせずに行くなんて酷い!」

忍「ソーニャさん!お礼がまだです!ちょっと待ってて下さい!」

ソーニャ「わかったからお前はさっさと行け!」

~数十分後~

忍「……」ガチャ

ソーニャ「やっと終わったのか。ずいぶん時間がかかったな」

やすな「どうだった?」

忍「ありませんでした…」フラフラ

ソーニャ「は?」

忍「……私の家も…私の家族も…私の戸籍も…存在してないそうです…」

忍「イタズラだと思われて追い返されちゃいました…ふふ….」

やすな「?」

ソーニャ「おい…それってどういうことだ…」

忍「私はいったい誰なんでしょう…私は本当に大宮忍…?よく考えたら名前と出身はちゃんと覚えてるなんておかしいじゃないですか…」ガタガタ

ソーニャ「おい、落ち着け…」

忍「っ…すいません…取り乱しました…」

やすな「…よくわからないけど困ってるなら私たちがなんとかしてあげるよ?」

ソーニャ「は?」

忍「……本当ですか…?」

やすな「もちろん!ソーニャちゃんはこう見えて頼りになるんだから!」

ソーニャ「おい、勝手に巻き込むな」

やすな「は?何言ってんの?こんな状態になってるしのさんを放っておくっていうの!?」

ソーニャ「それは…」

忍「ソーニャさん…」ウルウル

やすな「ほら、しのさん震えちゃって!死にかけのおばあさんみたいになってるよ!?」

忍「おばっ…」ガーン

ソーニャ「追い打ちかけてんじゃねーよ…あぁもう、わかったよ…」

忍「……いいんですか?」

ソーニャ「あぁ…とりあえずお前の記憶を思い出させる方向で考えてみよう」

忍「…ソーニャさん!ありがとうございます!!」ダキッ

ソーニャ「うわっ急にだきつくな!離れろ!!」

忍「……ほぁぁ…金髪…」スリスリ

ソーニャ「どさくさに紛れて触ってんじゃねーよ!」

やすな「あれ?私は?」

~~

忍「よかったです」ホワホワ

ソーニャ「黙れ。次やったら殺す」

やすな「こう見えて照れ屋なんだよ」

忍「かわいいです」ホワホワ

ソーニャ「黙れ……で、どうする」

忍「思い出したいです」

ソーニャ「だからその方法をどうするのかって聞いてんだ。何か考えはあるのか?」

忍「その髪を触らせて頂ければきっと…」

ソーニャ「ふざけんな。さっき触って何もなかっただろ」

忍「あと少し!あと少しでいいんです!なんなら先っちょだけでも!!」

ソーニャ「気持ち悪」

忍「そんな!?」

やすな「相変わらずケチだね」

ソーニャ「あ!?……ったく少しだけだからな」

忍「やった!ありがとうございます!」スッ

ソーニャ「……///」

やすな「ソーニャちゃん顔赤いよ」

ソーニャ「うるさい。慣れてないんだよこういうの…」

忍「………oh…good…」スーハースーハー

ソーニャ「っっっ!?てめぇ匂い嗅いでんじゃねーよ!!」ドン

忍「ひゃぁっ!!」ゴンッ

忍「」ドサッ

やすな「あぁっ!!やっぱり手を出した!!!いつかやると思ってた!!!!」

ソーニャ「う、うるさい!今のはあきらかにこいつが悪いだろ!…おい、大丈夫か?」ユサユサ

やすな「酷い!油断させておいて殺害するなんて!この人でなし!クズ!」

ソーニャ「黙れ」バキッ

やすな「バブッ」ドサッ

忍「……ぅう…ここは?」

ソーニャ「…お前さらに忘れてないだろうな」

忍「だ、大丈夫ですソーニャさん」

ソーニャ「そうか。それで、どうだった?」

忍「えっ!?ど、どうってそんな///…その、すごくいい匂いでした…///」

ソーニャ「髪の感想は聞いてねーんだよ!!」

忍「えっ?えーと……」

ソーニャ「おい、お前…結局何も思い出してないんじゃないだろうな…」ゴゴゴゴ

忍「だ、大丈夫です!…えっと……あっ!」

ソーニャ「ん?」

忍「両親とお姉ちゃん、そして大切なお友達のこと、思い出しました!陽子ちゃんに綾ちゃん、そしてカレンに穂乃花ちゃん!それから烏丸先生に久瀬橋先生!…それからですね…」

ソーニャ「興味ないから別に全員言わなくてもいいぞ」

忍「それから……あれ…?」

ソーニャ「なんだよ」

忍「ダメです……大切な、大好きな人がいたんですが思い出せません…」

ソーニャ「……そうか…まぁいい。わりと効果あったみたいだな」

忍「みたいですね!ならもう一度!」

ソーニャ「そうだな。じゃあ避けるなよ」グッ

忍「こ、拳を構えて一体なにを!?…ぼ、暴力はよくないです!」ガタガタ

ソーニャ「なんだ?髪触らせるとでも思ったのか?今のはあきらかに倒れたショックによるものだろ」

忍「い、痛いのはいけません…」ガタガタ

ソーニャ「手っ取り早い方法はこれしかないだろ。早く帰りたいんだ私は。あきらめろ」

忍「ひぃぃ…」


??「こんな天下の往来で殺しか…?思っていたより大したことないのかもしれんな」

ソーニャ「!?誰だ!」

刺客「フフ…私はお前を殺すために送られてきた刺客…覚悟するんだな」シャキーン

ソーニャ「くっ…例の奴か…」チャキ

忍「こちらの怪しい方もソーニャさんのお友達ですか?」

ソーニャ「違う!こいつは敵だ!」

忍「敵?あっ…そういう設定なんですね」ニコニコ

ソーニャ「遊びでやってんじゃねーんだよ!見ろ!本物のナイフだ!」スッ

忍「まさかそんな、本当はよく出来たおもちゃなんでしょう?」ツンツンサクッ

忍「……………血が…」サーッ

ソーニャ「お前もあいつと同レベルのアホか!」

やすな「」←アホ

忍「あぁぁあぁぁ……死んじゃう…死んじゃいます…」ガクガク

ソーニャ「お、落ち着け!」

刺客「なんか知らんが絆創膏ならあるぞ」スッ

忍「えっ…やさしい…やっぱり敵じゃない…?」

ソーニャ「おい」

刺客「勿論だ、これは遊び。そしてあいつは敵」

忍「なるほど…ソーニャさんは敵…」

ソーニャ「は?」

刺客「フフフ…私は催眠が得意でね……行け」

忍「覚悟!」バッ

ソーニャ「……」バッゴ

忍「ぶっ…!」ドサッ

忍「」

刺客「な…何!?味方を殴り倒しただと!?そいつは味方じゃなかったのか貴様!」

ソーニャ「やかましい、もともとぶん殴るつもりだったからな」

刺客「こ、この人殺し!」

ソーニャ「お前が言うな、手加減はした」シュッシュッ

刺客「うわっ!!刃物を投げるな!危ないだろう!」サッ

ソーニャ「あ、おい逃げるな……っと…おい、大丈夫か」ユサユサ

忍「……」スースー

ソーニャ「寝てやがる…」

ソーニャ「……まぁ路肩に寝かしときゃ大丈夫だろ」ズルズル

忍「ぐぅ…」zZZ

ソーニャ「…よし、あいつを探して捕まえなければ」ダッ




忍「……」スヤスヤ

忍「……アリス…」ムニャ

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