八幡「俺の右手……なんで」 (26)

四月某日

比企谷家
比企谷八幡自室

八幡「……」スースー

一人の少年の自室に

?「……」

化物が侵入した

八幡「……んっ……戸塚…」

その化物は世の中でこう言われていた

?「……」

「寄生虫」


八幡「んっ?……なんだ夢か」

?「!?!?!?」

八幡「あ?……虫……?」

考えを巡らす間も無くその虫と思える生き物は俺の腕の中に侵入してきた

八幡「ッ!?!?!」

そして俺はとっさに延長コードを腕に巻きつけ奴のそれ以上の侵入を防いだ
だがそれが悪夢の始まりだったのかもしれない

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翌朝

八幡「昨日のは夢だったのか?」

うるさい黙れ

八幡「ッ!?……どこから聞こえたんだよ今の」

俺はいつものように歯を磨き小町と一緒に飯を食べて家を出た

そしてようやく学校に着くその時に

結衣「やっはろ!ヒッキー」

由比ヶ浜に捕まったorz

結衣「露骨に嫌そうな顔するなし」

八幡「すまん……」

ぽよん……こういう表現で正しいんだろうか?
でも確かに俺の右手には柔らかい感触があった

ふと目をやるとそこにはたわわに実った由比ヶ浜のおっp……は?


八幡「す、すまん!わざとじゃないんだ!?許してくれ!」

手を離しひたすら謝るが返答はこない由比ヶ浜の顔を覗くがそこには怒りの表情ではなく、嬉しさと悲しさの混じった顔をした由比ヶ浜がいた

結衣「ヒ…ヒッキーの気持ちは嬉しいっていうかなんというか……でもこういうのって順序とかあるし…嫌でもそこから始まる恋も……」

八幡「ゆ、由比ヶ浜さん?」

学校

教室前廊下

八幡「はぁ……何でこうなったんだよ」

誰かに相談しようもこんな話信じるはずがない
ある日突然腕に何かが侵入してきたなんて
今まで当たり前のように使ってた腕がまるで自分のものじゃないかのような…

八幡「どうっすかっなぁ…」

・「八幡ったら!」

この声はっ!?!?!
その時八幡に不思議なことが起こった!
なんてな

八幡「ん?どうした戸塚」

戸塚「八幡、僕の話聞いてた?」

八幡「もちろん聞いてたぞ、アレだろ?いや、もちろんアレだよな?」

戸塚「八幡……僕の話聞いてなかったんだ……」

八幡「すまん、なんでもするから許してくれ」

戸塚「八幡……」

八幡「……?」

戸塚「今……何でもするって言ったよね?」

八幡「あぁ……ッ!?」

俺は今自分の言ったことに後悔した


二日後の日曜日

戸塚「はっちまーん!!」

戸塚とのデートが決まった

しかし今の俺にとってはある意味地獄なのだ

この日曜日来るまでの2日間にあいつは目覚めた

2日前

俺の右手は……本当に俺のなのか?
さっきからずっとこのことを考えていた

ちょうど交差点に差し掛かった時
目の前に女の子が飛び込んできた
ボールを追いかけている。

そしてその少し横には……一台の車

八幡「あぶねぇっ!!」

とっさに右手を車側に突き出し庇おうとするが、俺の華奢な右手じゃこの子を守ることはできないだろう

ごめんな……

グシャッ……ブーブーブー

車から嫌な音がなり響く
ふと目をやると俺の右手はSF映画でよく見る化物の腕になっていた
俺がそれを確認したら右手はまた元に戻った

八幡「…………な……なんだってんだよ!」

八幡が自分の右手に関して悩んでいる頃総武高では

葉山「じゃあ俺は帰るよ」

戸部「また明日っしょ!」

葉山隼人は考え事をしていた
今朝見かけた生物に関して

葉山(あれはまぎれもない現実だった)

そしてまた……

グジュッ……グジャッ

嫌な音が路地裏に響く
そしてその場所では

・「ミラレタ……」

葉山隼人という存在の意識はそこで途切れた

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