ハロウィンイベント前
穂乃果「インパクト…インパクト…」
ことり「うまくいかないね…穂乃果ちゃん…」
にこ「あんた達!ふざけてる場合じゃ無いのよ!?」
真姫「ならにこちゃんが何か案を出しなさいよ!」
花陽「け、喧嘩はやめて…」
凛「にゃー!ババ引いたにゃ~!」
希「残念やったねぇ凛ちゃん」
海未「希はババ抜き上手いですね…参考になります…」
絵里「ちょっといいかしら」
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絵里「難航しているし少し、聞いてくれないかしら」
真姫「何か思いついたの?」
絵里「この前、亜里沙と夜中にコンビニに行った時の話なんだけれど」
にこ「駄目そうね」
回想
絵里『本当はこんな時間に食べるの、良くないんだけどね』
亜里沙『お姉ちゃんスタイルいいから、大丈夫大丈夫』
絵里『ありがと』
絵里『何食べようかしら』
亜里沙『ハラショ、コンビニのパスタの品揃えは最高!』
絵里『パスタ、かぁ…』
亜里沙『お姉ちゃんパスタ嫌い?』
絵里『いいえ、大好きだけれど』
絵里『普段そんなこと考えないんだけれど、原価が気になって…』
亜里沙『ハッラァ…パスタは原価安いの?』
絵里『ええ、まあ家で作ればすっごく、手頃に美味しくできるし』
亜里沙『そんなこと言ったらコンビニに来てる時点でハラショーじゃない?』
絵里『まあそうなんだけれど』
絵里「原価なんて全く気にしないんだけどね、私」
絵里「その時はなんか気になっちゃったのよね」
絵里「気になったのよ、すっごく」
花陽「コンビニのお弁当とかパスタって結構高くついちゃうから気になるの分かるよ」
にこ「私もカップ麺なら安くつくし、お弁当の類は買わないわね」
絵里「そう、それなのよ」
回想
絵里『でもほら、たとえばパスタってこれで五百円じゃない?』
絵里『でもってあっちの棚を見てみて?』
絵里『おっきいカップ麺は二百円で買えちゃうのよ?スーパーと同じ』
絵里『それにパスタは少し物足りない「小腹感」が残るけどおっきいカップ麺だと「満腹感」、かなりの「満足感」が得られるわよね』
絵里『パスタを買うのはコスパ悪くない?』
真姫「んー…ん?」
絵里「そう、そうなの」
絵里「私も亜里沙に言われて気付いたのよ」
亜里沙『ん?待って、待って待って』
絵里『ラ?』
亜里沙『亜里沙、論点ずれてると思う』
絵里『論点?』
亜里沙『お姉ちゃんは今、コスパの話をしていたの?満足度の話をしていたの?』
絵里『原価の話よ?』
亜里沙『そうだよね、パスタは原価が安いから、買うのがはばかられるって話だよね』
絵里『そうね』
亜里沙『んー、亜里沙思うんだけど』
亜里沙『原価とコスパと満足度は別じゃない?』
絵里『んー…んー…んー…』
絵里『んー…』
亜里沙『こんがらがってきたね…』
真姫「原価が低いから買いたくないパスタとコスパが良いから買いたくなるカップ麺を比べてたのね」
絵里「そうなのよ」
絵里「つまり私って何を悩んでいたのかしら?」
にこ「知らないわよ」
花陽「これで話は終わっちゃったの?」
絵里「いいえ、続きがあるわ」
亜里沙『お姉ちゃんは原価率が高いものなら満足感を得られるの?』
絵里『そういう訳では無いわね…』
亜里沙『じゃあお姉ちゃんが気にしてるのは原価じゃなくてコスパ?』
絵里『そうなのかしら…?』
亜里沙『じゃあお姉ちゃんは今おっきいサイズのカップ麺が食べたい?』
絵里『いえ、そういう気分では無いわね…』
亜里沙『亜里沙もカップ麺って気分ではないかな…』
亜里沙『たとえば亜里沙は今、パスタが食べたい』
亜里沙『今、亜里沙はカップ麺を食べる気分じゃない』
亜里沙『予算五百円として、カップ麺は安いからおにぎり二個つけれるよ』
亜里沙『カップ麺とおにぎり二個を買ったら確かに満腹感はすごい』
絵里『お腹いっぱいね』
亜里沙『でも亜里沙が本当に食べたいのはパスタ』
亜里沙『カップ麺とおにぎり二個を買ったら満腹度は120%…でも…』
亜里沙『満足感は80%』
絵里『!』
亜里沙『パスタなら100%!』
絵里『!!』
亜里沙『満腹度と満足感も違う!言わばこれは値段と量のコスパの話じゃあない!』
亜里沙『値段に対する「幸福度」のコスパの話!』
絵里『!?』
花陽「論点…論線がばがばだよぅ…」
絵里「そうね、あの夜、私達の論点はブレまくったわ」
絵里「ブレッブレよ」
にこ「原価を気にしていたのは?」
絵里「気のせいだったわ」
真姫「結局絵里は何を買ったの?」
絵里「チキンを買ったわ」
絵里「極端に言うとこうよ」
パスタ
値段 500円
原価 10%
満腹度 80%
幸福度 100%
カップ麺
値段 200円
原価 50%
満腹度 100%
幸福度 80%
絵里「これで何を買うかって話よ、話」
絵里「もし同じ値段にならすとしても予算の中でどれだけ幸福度を得られるかは量でも原価でも無いんだから食べたい物食べろって話よ!」
にこ「なんで切れてるのよ!」
真姫「コンビニでご飯を買うにしても選択の基準は様々だったわけね」
にこ「いまいち要領の掴めない話をありがとう」
にこ「それで?」
絵里「終わりよ」
にこ「ハロウィンイベントでしょ!?」
花陽「今のがハロウィンイベントとどんな関係が…」
絵里「あ…えっと…」
絵里「だからその、設備投資とか衣装代とかね、そういうお金の話っていうのは」
真姫「誰もそんな話してないわ」
絵里「…」
園田「私も少しいいですか?」
にこ「あら、トランプはもういいの?」
園田「はい、一抜けしまして暫くかかりそうなもので…」
凛「に"ゃ~!?」
希「終わらない馬場抜き、はじめよ!」
園田「そうですね、私が穂乃果とことりと初めて出会った日の事です」
真姫「確か強引にかくれんぼに誘ってくれたのよね」
絵里「前にも聞いたわ」
にこ「何回目よ」
園田「ある日私は近所の公園で遊んでいる穂乃果達を見かけました、いいえ、仲間に入れてもらう勇気が出なくて木の陰から覗いていました…」
花陽「少し席を外すね」
回想
高坂『次はあなたが鬼ね!』
園田『え!?』
高坂『じゃあ、千数えてね!』
園田『え!?』
高坂『英語で!』
園田『え!?』
高坂『隠れるよ!よーい、どん!!』
園田『え!?え!?えっと…』
園田『One o'clock !!』
高坂『え!?』
園田「穂乃果は小さい時から無茶振りで強引に物事を進めるんです…」
園田「そのお陰で救われたのですが…」
真姫「μ'sの発足もね、全く、大変だったわ…」
にこ「穂乃果と真姫ちゃんは音楽室で出会ったのよね」
真姫「ええ」
絵里「音楽室から聞こえてくる美しいピアノの音に」
絵里「導かれて、なんてロマンチックよね」
真姫「そんな大したものじゃないわよ」
園田「続けますよ」
園田『ふぉー、ふぁいぶ、しっくす…』
園田『せぶん、えいっ、ないん、てん!』
園田『てん…てん…てん…』
園田『てん…わん…?』
ことり『いれぶんだよ~』
園田『!』
園田『ありがとうございます!』
園田『いれぶん!』
園田『…い、いれぶん…』
園田『…』
高坂『…』
ことり『とぅうぇるぶ!!』
園田『!』
園田『ありがとうございます!』
にこ「ちっちゃい頃でしょう?」
にこ「英語で数字、しかも千までなんて無理じゃないかしら」
園田「はい、そこからは3人で力を合わせて千まで数えました」
真姫「なるほどね」
絵里「いい話じゃない」
園田「だから今回のハロウィンイベントもみんなで力を合わせればきっと乗り越えられると思うんです」
にこ「協力するのは当たり前じゃない」
にこ「協力して、何をするかって話をしていたんでしょう?」
絵里「海未が鬼なのに穂乃果とことりが数を数えるのを手伝ってくれたって言う話よね」
真姫「つまりこういうこと?」
真姫「イベントを盛り上げるためにアライズと合同ライブをしよう、と?」
園田「そ、それは…」
にこ「ちょっと…」
絵里「ねえ…」
真姫「別に私の本意じゃないわ」
真姫「はぁ、もう二人とも意味分かんない」
にこ「どれだけ的を得られないのよ」
園田「にこ、的を射る、ですよ」
にこ「そんなふいんきとふんいきみたいな…」
絵里「今は的を得る、でもいいんじゃなかった?」
園田「え、そうなのですか?」
真姫「重複がちょうふくでもじゅうふくでも間違いじゃないと認められてるようなものね」
にこ「ああ、こういうのあるわよね」
園田「言葉は生き物、とはよく言ったものです」
絵里「壁ドン、とかもね」
園田「え、壁ドンに他にも意味があるのですか?」
真姫「壁ドンって言ったら壁ドンよね…」
真姫「二つも意味があるのかしら…?」
にこ「…何よ、壁ドンって…?」
真姫「壁ドンって言うのは…」
真姫「にこちゃん、ちょっと壁際に寄って立ってくれる?」
にこ「にこが?」
にこ「この辺?」
真姫「そのまま、そのまま」
どんっ!
にこ「わっ」
真姫「…」
にこ「ま、真姫ちゃん…?」
真姫「…」
にこ「わわわ近い近い…!」
真姫「にこちゃん、いい匂いね…」
にこ「は、は!?」
真姫「直截嗅いでもいいかしら…?」
にこ「ちょちょちょちょ待って!」
園田「ハレンヂです!!!!!!」
絵里「ハラショー…やるわね、真姫」
真姫「…/////////」
絵里「真っ赤よ」
にこ「もう…これが壁ドンなの?」
園田「壁ドンは隣人がうるさい時に部屋の壁を叩く行為かと…」
絵里「本当はね」
絵里「でも浸透しちゃったのよ」
絵里「なぜか」
にこ「ふぅん…」
にこ「壁ドン…男の人にやられたら、怖いかも…」
絵里「そうね…」
凛「負けたにゃー!」
希「終わったよ~、海未ちゃんどうする?」
園田「あ、参加します」
園田「それではまた」
絵里「ええ、頑張ってね」
真姫「はぁ…」
にこ「穂乃果とことりは寝てるみたいね」
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