アスカ「さて、今日もシンジの布団に私の匂いを付けなくちゃ」 (31)


リツコ「人間が本能的に落ち着くのは寝床の匂いだって言われているの」

アスカ「へー」

リツコ「布団やベッドは特に匂いを吸収しやすいから、その匂いを嗅ぐと落ち着くのよ」

アスカ「で?」

リツコ「エヴァとのシンクロ率を高めるためにLCLの匂いを布団の匂いにしようと思うんだけれど、あなたの布団の匂いを」

アスカ「却下、冗談じゃないわ」

リツコ「ま、そうでしょうね」

アスカ「っていうか私の布団は無臭よ。匂いなんか計測も採取もできないわよ」

リツコ「どうかしら、自分の匂いって案外気がつかないものよ。特に寝ている時の匂いなんて」

アスカ「どうでもいいわよ!話はそれだけ?こんな下らないことで呼び出さないでよね、ったく…」

プシュッ

アスカ「……本能的に落ち着く、か…」

アスカ「……」


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アスカ(布団の匂いは落ち着く匂い…)

アスカ(確かに、そういえばそうね…)

アスカ(…じゃあ、シンジの布団の匂いが、私の匂いと同じだったら…)

アスカ(シンジは私といると落ち着く、っていうこと…?)

アスカ(もしそうだったら、シンジは私のことをどう思うのかしら…)

アスカ(もし…もしもそれを勘違いして、私のことを好きになって…)

アスカ(告白なんてされたら…)

アスカ(……断ったら、泣いちゃいそうだものね。泣いて自殺しちゃいそうだものね。)

アスカ(告白されたら、付き合うしかないわね。仕方ないけど、ホント仕方ないけど)

アスカ「……」

アスカ「…よし」



ーー
ーーー

シンジ「アスカ、今日はケンスケ達と遊んでから帰るから…」

アスカ「またぁ?夜ご飯遅れたら承知しないわよ!」

シンジ「は、早めに帰るよ」

アスカ「そう言って前も…」

トウジ「センセ!ゲーセン行くで!」

シンジ「トウジが呼んでるから、行くね!」タッ

アスカ「あ!ちょっと!」

アスカ「……」

ヒカリ「アスカ、途中まで一緒に…」

アスカ「私、今日は走って帰るから。ばいばいヒカリ」ダッ

ヒカリ「えっ?アスカ?!」



ヒカリ「…えぇー…?」ポツン


ーミサト宅ー

プシュッ

アスカ「…着いた。時間は…」ハァハァ

ー4:24ー

アスカ(…シンジが帰ってくるまで1時間半はあるわね)

アスカ(…長ければ2時間は1人…)

アスカ(ミサトは帰ってくるのはいつも7時前後だし…よし、いける!)

アスカ「さて、今日もシンジの布団に私の匂いを付けなくちゃ」

アスカ「…と、その前に手洗って着替えてこよっと」トテトテ


<チョット!ペンペンジャマヨ!

<クェェー!


アスカ「…シンジの部屋…」

ガチャ

アスカ(…シンジの匂い…)

アスカ「…」スゥー

アスカ「…」ハァー

アスカ「…」ドキドキ

アスカ「早くしないと」バサッ

アスカ「…シンジの布団に入る瞬間は、いつも緊張するわね」

アスカ「よいしょ…っと」モゾモゾ

アスカ「…」

アスカ「…」ゴロン

アスカ「…」ゴロゴロ

アスカ「…」

アスカ「…」ドキドキドキドキ


アスカ「…」ムフー

アスカ「…あ、シンジの枕…」

アスカ「…」

アスカ「…んぶ」ボフ

アスカ「…」スゥー

アスカ「…」

アスカ「…ぷはー」

アスカ「…はぁ…」ポス

アスカ「…」ゴロゴロ

アスカ「シンジ…」ゴロゴロ

アスカ「…」

アスカ「…んー…」

アスカ「…」チュッ

アスカ「…ふふ」

アスカ「…シンジが布団のここに口を付けたら…んふ…」ゴロゴロゴロ


アスカ「…」パタパタ

アスカ「…んんっ」ノビー

アスカ「…はぁ」パタッ

アスカ「…しゃーわせ…」ゴロン

ピピピピ

アスカ「!」

アスカ「もう5時半…」ピッ

アスカ「…」

アスカ「…あと30分…」ポチポチ

アスカ「…」

アスカ「…やっぱ、やめとこ…」ポチッ

アスカ「見つかったら…」

アスカ(見つかったら恥ずかしくて死んじゃう)

アスカ「布団とシーツと枕を元の状態に戻しておかないと…」サッサッ

アスカ「…よし」


ガチャ パタン

アスカ「…ふぅ」

アスカ「…暑い…」

アスカ(…これは、年中夏だから暑いだけよね)

アスカ(別に変な熱とかじゃなくて、気温のせい)ウンウン

アスカ「…」

アスカ「テレビでも見よっと」ポチッ

アスカ「…」ポチポチ

アスカ「あっ」

アスカ(また相棒見逃しちゃった…)シュン

アスカ「…ニュースしかやってない…」ポチポチ

アスカ「つまーんないっ」

アスカ(早くシンジ帰ってこないかなー…)

アスカ「…」

アスカ「…zzZ」



ーー
ーーー

「…ア…カ…」

「アスカっ…」

アスカ「ん…?」

シンジ「アスカ…起きた?」

アスカ「…!」ガバッ

シンジ「わっ!」

アスカ(寝てた…!)

アスカ「…あんた、帰ってたんなら言いなさいよ!」

シンジ「いや、だから今帰ってきたから起こしたんだけど…」

アスカ「口ごたえしない!今何時?」

シンジ「6時…8分だよ」

アスカ(20分…いや、30分くらい寝てたんだ…)

アスカ「帰ってくんのが遅いから寝ちゃってたじゃない!」

シンジ「前よりかは早いじゃないか!」


アスカ「さっさと夜ご飯作りなさいよね!」

シンジ「帰ってきたばっかりなのに…」

アスカ「遊んでたくせに!」

アスカ「っていうか、せっかくならご飯できてから起こしなさいよね!」

アスカ「まったく気がきかないんだから!」

シンジ「わかったよ、もう…。すぐ作るから」タタッ

アスカ「…はぁ…」

アスカ(…言い過ぎたかしら…)

アスカ「…」

アスカ「シンジー、夜ご飯なにー?」

<ハンバーグダヨー

アスカ(よかった、あんまり怒ってないみたい…)



アスカ(ハンバーグ…)ワクワク


シンジ「いただきます」

アスカ「いただきまーす」パク

シンジ「どうかな?」パク

アスカ「んー♪まぁまぁね!」モグモグ

シンジ(おいしいみたいだ、よかった)モグモグ

シンジ「そういえば…」

アスカ「んー…?」モグモグ

シンジ「アスカは、最近体調とかに変化はない…?」

アスカ「? 別に、何もないわよ」

シンジ「そっか…」

アスカ「急になによ」

シンジ「僕、最近体臭が変わったみたいなんだ」

アスカ「はぁ?体臭?」

シンジ「うん、ベッドの匂いが変わったような気がして…」

アスカ「!」


アスカ「ふーん、あんた元々くっさいからわかんなかったわ」

シンジ「ひどいなぁ…」

アスカ「加齢臭じゃない?」

シンジ「まさか…まだ中学生なのに…」

アスカ「お風呂でちゃんと体洗ってんのぉ?」

シンジ「洗ってるよ!洗ってない自覚があったらこんな話しないよ!」

アスカ「あんた体堅いし、背中届いてないんじゃない?」

シンジ「そんなこと…」

アスカ(私が背中洗ってあげよっか?)

アスカ(背中だけじゃなくて、体中洗ってあげる…なーんて…)

アスカ「…」ドキドキ

シンジ(…僕ってくさいのかな…)シュン


シンジ「ごちそうさま。…ミサトさん帰ってこないね」

アスカ「どーせ残業でしょー」

シンジ(ハンバーグにしておいてよかった)

シンジ「お風呂入ってくるね」ガタ

アスカ「はぁ?あんた一番風呂入る気ぃ?」

シンジ「アスカ先入る?」

アスカ(シンジ『…アスカ、先シャワー浴びてこいよ』…なーんて…)ドキドキ

アスカ「…たまにはいいわ、譲るわよ」

アスカ「ハンバーグで胃が重いし…」

シンジ「…じゃあ、先に入ってくるよ」

アスカ「……」

アスカ(またシンジの布団入りたい…)

アスカ(でも、今は…どうしよう…)


アスカ(…5分だけの高速ミッションよ)

アスカ(タイマーをセットして…)ピッ

アスカ(シンジがお風呂に入った戸の音がゴング…)

<ガチャ バタン

アスカ「今っ!」ピッ ダッ

ガチャッ パタン

アスカ「…よし、早く…」モソモソ

アスカ「…んー…」

アスカ「はぁ…///」ゴロゴロ

アスカ「シンジ…」モゾモゾ

アスカ「…枕…」ヒョイ

アスカ「…」ギュウゥ

アスカ「…」ニヘラ

アスカ「…この匂い…」クンクン

アスカ「シンジの匂い…」トロン


ピピピピ

アスカ「!」

アスカ(もう…早すぎる…)ピッ

アスカ「仕方ないわね…」バサッ

アスカ(次はいつになるかわからないけど…)

アスカ(シンジが、匂いに気づいてるみたいだし…)

アスカ(きっと、きっともうすぐ…)

アスカ「…」ニヘ

アスカ「!」

アスカ(笑ってる場合じゃない、早く布団を直して…)サッサッ

アスカ(出ないとっ)タッ

ガチャ パタン

<プシュッ

アスカ「!」

<タダイマー

アスカ「お、おかえりー」

アスカ(ミサトが帰ってきた…。危なかった…)



ーー
ーーー

アスカ「ミサトっ!寝るなら部屋で寝なさいよ!」ペシッ

ミサト「痛ーいー…アスカにはたかれたー…」

アスカ「帰ってきてご飯食べたと思ったらすぐこれなんだから…」

シンジ「ミサトさん、大丈夫ですか?」

ミサト「はぁーい、だいじょぶよー…」フラフラ

ガチャ

アスカ「まったく、どっちが保護者かわかんないわね…あの酔っぱらいは」

シンジ「あはは…ビールの缶も片付いたし…じゃあ、僕たちも寝ようか」

アスカ(新婚さんみたいなセリフ言わないでよね…///)

アスカ「そうね。じゃ、おやすみー」

シンジ「うん、おやすみアスカ」

ガチャ パタン

アスカ「…ふぅー…」ボスン


アスカ「今日は2回も匂いを付けに行っちゃった…」

アスカ(シンジ、今布団に入ってるのかしら…)

アスカ(もし入ってたら…)

アスカ(今ごろ、私の匂いを嗅いで…)

アスカ(安心、してるのかしら…)

アスカ(…)

アスカ「…///」ドキドキ

アスカ(もしかして、私の匂いで…)

アスカ(発情してたりして…)

アスカ(…あり得るわね…シンジは変態だし…)

アスカ(今、シンジは…あの布団で…)

アスカ(……///)

モゾモゾ…モゾモゾモゾ…



ーー
ーーー

アスカ「はぁー…」

シンジ「大きなため息ついて、どうかしたの?」

アスカ「寝不足なだけよ」フン

シンジ「そっか、もう帰ろう?みんな帰っちゃったよ」

アスカ「先帰ってていいわよ」

シンジ「え、でも…」

アスカ「あ、カバンよろしく」グイッ

シンジ「…わかったよ。じゃあ先帰ってるね」タッ

アスカ「…はぁ…」

アスカ(シンジと顔合わせづらい…)

アスカ「…眠い…」グシグシ

アスカ「…」

アスカ「…あ、シンジ…もう校庭にいる…」

アスカ「…やっぱり私も帰ろう」ガタ


プシュッ

アスカ「…シンジ帰ってきてるのね」

アスカ(今日は買い物行かなかったんだ…)

アスカ「…?私の部屋の戸が開いてる…」

アスカ(朝に閉め忘れたのかしら…)トテトテ

キィ…

アスカ「!」

シンジ「! ア、アスカっ…!」

アスカ(えっ…なんでシンジが私の部屋に?!っていうか…私の布団…)

シンジ「あの、アスカ…これは…」

アスカ「…これは、なに?」

アスカ(シンジが、私の布団の…匂いを嗅いでた…?)

シンジ「…ごめん、僕のベッドの匂いと、アスカのベッドの匂いが同じような気がして…それで…」

アスカ(…そっか、シンジの布団に入った時に私にもシンジの匂いが…)


アスカ「…ふーん」

シンジ「…アスカ…ホントにごめん…」

シンジ「なにも、言い訳できないよ…こんなことして…」

アスカ(シンジも、私の匂いが好きなんだ…)

アスカ「…いいわよ、別に」

シンジ「…えっ…?」

アスカ「…」スタスタ

シンジ「わっ…!」ビクッ

アスカ「…」ボスッ ゴロン

シンジ「…?」

シンジ「…アスカ?」

アスカ「…」プイッ

シンジ「いいって、どういうこと…?」

アスカ「…」



シンジ「……匂い、嗅いでもいいの?」


アスカ「…」

シンジ「…アスカ、いいんだね…?」ギシッ

アスカ「!」ビクッ

シンジ「アスカ…」スンスン

アスカ「!!」ピクピクッ

アスカ(シ、シンジに匂い嗅がれてる…恥ずかしい…)プルプル

シンジ「…違う…」

アスカ「えっ…?」

シンジ「似てるけど…やっぱり、アスカのほうがいい匂いだよ」

シンジ「かわいい女の子の匂いがする…」

アスカ「…バカ…」

アスカ「…バカシンジっ」ギュウッ

シンジ「わっ!」

シンジ「…」ギュウ



ーー
ーーー

シンジ「ア、アスカ…もう…」

アスカ「…なによ」スンスン

シンジ「もう、寝たいんだけど…」

アスカ「いいわよ」スンスン

シンジ「いや、いいって言われても…アスカがいるし…」

アスカ「一緒に寝るんだから当然でしょ」フン

シンジ「えぇっ!一緒に?!」

アスカ「声が大きいっ!ミサトが起きるでしょ!」シッ

シンジ「で、でも…」

アスカ「人の布団の匂い嗅いでたくせに、文句言えんの?」

アスカ(私も嗅いでたけど…)

シンジ「…わかったよ…」

シンジ「…でも、抱きついたまま寝るのはやめようよ…」

アスカ「なんでよ」ギュウ スンスン

シンジ「それは……」

アスカ「……エロシンジ」ギュ

シンジ「…ごめん…」ギュウ

〜end〜


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綾波「アスカお姉ちゃん」 アスカ「なに?レイ」
綾波「アスカお姉ちゃん」 アスカ「なに?レイ」 - SSまとめ速報
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