―346プロダクション―
タッタッタッタ
みく(授業が長引いて、着くのがちょっと遅くなっちゃった)
みく(アスタリスクのライブも近いし、出来るだけレッスンしたいんだけど……)
みく(李衣菜ちゃん待ってるかなぁ……)
みく(よしっ、シンデレラプロジェクトルームのまで来たっ)タッ
ガチャ
李衣菜「――れるの?―――りがとう――」
みく「ん?」ピタッ
かな子「――だよ―――――てもらおうと思って―――んだ――」
みく(李衣菜ちゃんとかな子ちゃんがお喋りしてる)
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みく(そういえば、二人だけで話してるところってあんまり見たことないかも)
みく(どんなお話するんだろ?)コソッ
李衣菜「―――って――――すごい―――」
かな子「―――ない――――が―――れるくらい―――」
みく(んー、よく聞き取れないなぁー)
かな子「―――ん―――――いなぁ――」
李衣菜「―――な子―――すきだよ――」
みく「………………」ピシッ
みく(…………にゃ!?)
かな子「――嬉し―――――たしも―――すき」
みく(い、いま……好きって……?)
李衣菜「――――んとうに―――くて――すきだ――――」
みく(にゃーー!?)
みく(ななななに言ってるの李衣菜ちゃん!?)
みく(まままままさかふたりってそーゆー関係!?)(汗ダラダラ
みく(い、いやいやいや二人は女の子だし……)
李衣菜「――こんど―――かな子ちゃんの家に――ても―――」
みく「んん?」
かな子「―――ちろん―――いつでも―――」
みく(かな子ちゃんの……家って言った?)
みく(お、お家でデートするってこと?)
李衣菜「――だね―――たのしみ――」
みく(…………まさか本当に……)
みく(李衣菜ちゃんがそっちもイケるのはいいとして……)
みく(私、何も聞いてないよ)
みく(仮にも二人でユニット組んで、お互い信頼してやってきたのに)
みく(何でかな子ちゃんと二人の秘密作ってるにゃ……!)
みりあ「あっ!みくちゃん、おはよう!」
莉嘉「おっはよー!中入らないのー?」
みく「んぁああ!?」
美波「おはよう、みくちゃん…………って」
美波「怖い顔してるよ?どうしたの?」
みく「え……?な、なんでもないよ!」
みりあ「あれ?今日はみくちゃん、ネコのことばじゃないの?」
みく「あっ……え、えっと、な、なんでもないにゃー」
莉嘉「ネコミミも忘れてるしー」
みく「ちゃ、ちゃんと持って来てるにゃ!」スチャ
美波「……本当に大丈夫?」
みく「も、もちろんにゃ!」ニコッ
みりあ「えへへっ、みくちゃん今日も可愛いねっ」
莉嘉「大丈夫なら早く入ろうよ!みんな、おはよー!」タタッ
みく「あっ!ちょ、ちょっと待つにゃ!」
李衣菜「おっ、おはよー」
かな子「みなさん、おはようございます~」
みく「……お、おはよ……にゃ」シドロモドロ
李衣菜「あーっ!みく、遅いよ!」タタタッ
李衣菜「今日はダンスレッスンの日だから、二人で事前に確認しとこうって言ってたじゃん」
みく「あ……ご、ごめん」フイッ
みく「り、李衣菜ちゃん」
李衣菜「なに?」
みく「そ、その……みりあちゃんと莉嘉ちゃんもいるんだから……この部屋でああいう話はやめた方がいいと……思うにゃ」
李衣菜「え?なんのこと?」
ガチャ
武内P「みなさん、おはようございます」
李衣菜「うわっ!びっくりした!」
莉嘉「P君だー!おっはよー」
P「今日はユニットごとのレッスンになります。メンバーが揃ったユニットから各自トレーニングルームへ向かってください」
李衣菜「揃ってるのは私たちだけかな」
李衣菜「よし、行こっか」
みく「……うん」
―レッスン後―
李衣菜「ふぅー、おつかれー」パタパタ
みく「……なんだか今日はすごく疲れたにゃ」
李衣菜「そういえば、今日元気ないじゃん」
みく「……っ……誰のせいにゃ……」ボソッ
李衣菜「っと、もうこんな時間か、ちょっと用事あるから私急ぐね!」タッ
李衣菜「また明日!」ダダッ
みく「あっ……うん、ばい……ばい」
みく「…………」ポツーン
みく(やっぱり……聞き間違いじゃなかったんだ……)
みく(用事って……はっきり言えばいいのに、かな子ちゃん家に遊びに行くって)
みく(もしかして、人に言えないようなことする気じゃ…………って何考えてるんだろ)
みく(……李衣菜ちゃんがお仕事の後に何をしようが関係ないじゃん)
みく(私と李衣菜ちゃんは……仕事だからユニット組んでるだけで…………)
みく「…………はぁ……」
みく「…………帰ろ……」
―翌日・夕方―
李衣菜「やー、今日も練習疲れたねー」
みく「…………」
李衣菜「……みくちゃん?」
みく「あ、あの……りーなちゃん……」ボソッ
李衣菜「ん、なに?」
みく「き、今日このあと……暇……?」
みく「よ、良かったら……みくと……!」
李衣菜「あー、ごめん、今日も用事あるんだー」
みく「えっ……」
李衣菜「っと、やっばい、約束の時間になっちゃう!」
李衣菜「ごめん、先帰るね!じゃ!」ダッ
みく「あっ……」
みく「…………」
みく(ばいばいも、言えなかった……)
みく「……はぁ……」
みく(これからずっと……なのかな……)
みく(それは……いや……)
みく(……嫌にゃ……!)
智絵里「あっ、みくちゃん、おつかれさまです」
みく「……ち、智絵里ちゃん……?」
智絵里「アスタリスクもレッスンおわったの?」
みく「ちょ、ちょうど今終わったところにゃ」
智絵里「そうなんだ~、キャンディアイランドもついさっき終わったんです」
みく「へ、へぇ~」
みく「あ、あの、杏ちゃんと……その……かな子ちゃんは?」
智絵里「杏ちゃんは、疲れたから帰るって言っていつの間にかいなくなっちゃった」
みく「あはは……杏ちゃんらしいにゃ」
智絵里「かな子ちゃんは、用事があるんだーって言って急いで着替えて帰ったよ」
みく「……そう……なんだ」
智絵里「だからちょっと寂しくて……みくちゃんに会えて良かったです、えへへ」
みく「…………ね、ねぇ、智絵里ちゃん」
智絵里「はい、なんですか?」
みく「このあと、みくの部屋に遊びに来ない?」
智絵里「え!?い、行っていいの……?」
みく「もちろんにゃ!いつでもうぇるかむにゃ」
智絵里「女子寮に住んでるんだよね、わぁ~、楽しみだなぁ」
みく「……きっと、智絵里ちゃんにも……には気に入ってもらえると思うにゃ」
―女子寮・みくの部屋―
智絵里「お、おじゃまします」
みく「ただいまにゃ~」
智絵里「わぁ~……」キョロキョロ
みく「どう?みくの部屋!」
智絵里「すごいです……ネコさんのグッズがいっぱい……!」
みく「へへっ、可愛いっしょー!」
智絵里「はいっ、とっても可愛い…!」
みく「智絵里ちゃんならこのネコちゃん達の可愛さが分かると思ってたにゃ」
智絵里「こういうのって、どうやって集めてるの?」
みく「んー、雑貨屋さんで探したり、猫カフェ行った時のお土産で買ってきたりしてるにゃ」
智絵里「へぇー、私も猫カフェ行ってみたいなぁ……あ、このダンボール箱は……?」パカッ
みく「あ……!そ、それは……!」
智絵里「あっ、ネコミミ!……じゃなくて」
みく「え、えーっと……」
智絵里「ヘッドフォン?」
みく「り、李衣菜ちゃんが遊びに来た時置いていったやつにゃ……」
智絵里「え……この箱持って遊びに来たの……?」
みく「と、泊まりに来た時なぜか持ってきたにゃ、大事なコレクションだからーって」
智絵里「あ……アスタリスク結成した時だよね」
みく「それからも泊まりに来る度に持って帰れって言ってるのに、毎回置いてくの」
智絵里「そっかぁ……そんな大事なコレクションをみくちゃんの部屋に置きっぱなしにするってことは……信頼されてるんだね」ニコッ
みく「なっ、んな……、み、みくはさっさと持って帰って欲しいって思ってるモン!」フイッ
智絵里「ふふっ、いいな~」
みく「そ、そもそも頭悪すぎにゃ!こんな同じようなヘッドフォン集めて……自慢されたけど全然違いが分からないし」
智絵里「確かに……ちょっと珍しい趣味だよね」
みく「そうでしょー?きっと本人も大して分かってないにゃ!」
智絵里「そうなんだぁ」
みく「どう音が違うの?って聞いても『そういうの説明するのはロックじゃない』とか言ってごまかすだけだし」
智絵里「へぇー……」
みく「実際このヘッドフォンで聴かせてもらったけどフツーのヘッドフォンと大して変わらなかったにゃ」ベラベラ
みく「まぁ仕方ないから、ちょっと低音が響いて良いかもって李衣菜ちゃんに言ったら『それそれ!それを言いたかったんだよ!」って食いついてきて、もうまさにニワカって感じで……!」ベラベラ
智絵里「う、うん」
みく「あっ!そういえばその時お返しに李衣菜ちゃんにネコミミつけてやったにゃ!」
みく「やっぱりみくの見立て通り、李衣菜ちゃんにはネコミミがぴったり似合うにゃ~」
智絵里「……うん……」
みく「あれは可愛かったにゃ~……って、あああっ!ね、ネコミミが可愛いって意味で李衣菜ちゃんのことは何とも思ってないし!」
智絵里「…………」
智絵里(あれ……?李衣菜ちゃんの趣味がよく分からないって話だったのに……)
みく「そ、そりゃ、たまに可愛いところもあるし、ご飯作ってくれる時はすごく嬉しいけど……」
智絵里(どうしよう……このままノロケ話に入るのかな……)
みく「あ、李衣菜ちゃんと言えば……」
智絵里(うわぁ……やっぱり……)
智絵里「な、なに……?」
みく「シンデレラプロジェクトが始まった頃の話だけど、うちの李衣菜ちゃんがパンチして悪かったにゃ」
智絵里「え……?」
智絵里(うちのって……もう結婚でもしてる気分なのかな……)
智絵里「あ、ああ、そういうこともあったね」
みく「あの後、李衣菜ちゃんのこと怖がってたみたいだから心配だったの」
智絵里「だ、大丈夫だよ。あの時は……その……李衣菜ちゃんがちょっと男の人みたいだなと思って……」
みく「にゃ?」ピクッ
みく「えぇぇ~?李衣菜ちゃんが男の人ぉ~?」ニマニマ
智絵里(あっ……絶対変なスイッチ押しちゃった……!)
みく「ふふっ……智絵里ちゃんっ、あははははっ!なに言ってるにゃー!あんなのが男っぽいわけないにゃ!」
みく「泊まりにきても夜にはママと電話しなきゃ眠れないし、小梅ちゃんの怪談にはビビってたし、得意料理が魚の煮付けなんてまさに女の中の女って感じ!」ベラベラ
智絵里「く、詳しいね」
智絵里(どうしよう……どうやったらこの話切り上げられるのかな……)
みく「普段ロックだロックだって言ってるけど、そういうところのギャップはいいよね~」
智絵里(……ってダメダメ!友達がお話してくれてるんだから、ちゃんと考えて返事しないと……!)
智絵里「み、みくちゃんは、李衣菜ちゃんのことが好きなんだね」
みく「……はっ…………?」
みく「はぁぁああああっ!?ち、違うにゃ!な、何を言ってるにゃ!」
智絵里「つ、つんでれだよね」
みく「ちょ、ほんと……!ち、違うの!智絵里ちゃん!誤解してるにゃ!」
智絵里「えと……じゃあ好きじゃないの?」
みく「え……!?す、好きじゃないわけじゃ……ないけど……」
智絵里「や、やっぱり好きなんだね」
みく「好きじゃないモン!」
智絵里「なんでやねん……」
みく「……みくは…………みくは……」カァァァッ
智絵里(重症だなぁ……)
みく「……あの、ね……智絵里ちゃん?」
智絵里「あ……えっと、なに?」
みく「かな子ちゃんから……その……何か聞いてない?」
智絵里「かな子ちゃんから……?何かって?」
みく「……り、りーなちゃんのこと」
智絵里「そういえば……かな子ちゃん、今日李衣菜ちゃんが家に来るって言ってたよ」
みく「そ、それって……やっぱり……」
みく「ふたりは……つきあってるのかな……」
智絵里「……え?」
智絵里「ち、違うんじゃ……ないかな」
みく「で、でも!二日連続で家に遊びに行くなんておかしいにゃ!それもみくに内緒で!」
智絵里「えっと……みくちゃんのお部屋には一週間も泊まりに来てたんだよね……?」
みく「でもでも!この前、聞いちゃったの……李衣菜ちゃんがかな子ちゃんに『好き』って言ってるところ……」
智絵里「う、うん……それはべつに大丈夫じゃないかな……」
みく「な、なんでそう言えるにゃ」
智絵里「友達同士だったら好きって言うよ、私もかな子ちゃんのこと好き……李衣菜ちゃんも、みくちゃんも好きだよ……」
みく「あ……」
智絵里「みくちゃんは私のこと好き?」
みく「うん、好きにゃ!」
智絵里「ね、大丈夫だよ」
智絵里「私もかな子ちゃんから何も聞いてないよ。もし付き合ったりしてるなら、言ってくれると思うから……」
みく「そう……だよね……」
みく「大事なことなら……言ってくれるよね……!」
智絵里「私は……そう思います」
―――
――
―
みく「智絵里ちゃん、話聞いてくれてありがとにゃ」
智絵里「ううん、少しでも力になれたら嬉しいな」
みく「ちょっとだけど、心がすっきりしたにゃ」
智絵里「えへへ♪」
智絵里「じゃあ、みくちゃんにプレゼントあげるね」ゴソゴソ
みく「ん、なに?」
智絵里「はいっ、四つ葉のクローバーのストラップだよ」
みく「わぁっ……かわいいっ……!貰っちゃっていいの?」
智絵里「うん、誰かにあげようと思ってた物だから……」
智絵里「李衣菜ちゃんとお話して、もし言いたいことを伝えられなくなりそうだったら、この四つ葉を思い出してね」
智絵里「きっと幸せになれるから」
みく「智絵里ちゃん……!ありがとにゃ!」
智絵里「どういたしまして」
智絵里「それじゃあ、私はそろそろ帰るね……」
みく「うん、本当に助かったにゃ!」
智絵里「またね、みくちゃん」
みく「ばいばいにゃー!」
智絵里「うん、ばいばいっ」
ガチャ
バタン
みく「…………」
みく「……っはぁ~……!」(布団へポフッ
みく(智絵里ちゃん優しい……天使みたいだったにゃ)
みく「…………」
みく(ちゃんと言いたいこと、言えるかな……)
みく(李衣菜ちゃん……)
みく(いまごろ何してるかな……)
みく(今日は……かな子ちゃんの部屋で……)
みく「…………」
みく(……今日は早く寝よう……)
翌日
―シンデレラプロジェクトルーム―
李衣菜「―――で――うまく――のは――」
かな子「――なら――できるよ――――かな?」
みく(あっ……また二人が喋ってる……)
みく(今日はちゃんと……!)
みく「お、おはようにゃ!な、何の話してるにゃ?」
李衣菜「あ!みく!?お、おはようー」ビクッ
李衣菜「……っと、ごめんかな子ちゃん、また後でね」ヒソッ
かな子「は~い」ヒソヒソ
かな子「おはようございます、みくちゃん」
みく「ん……」
みく(あからさまに動揺してたにゃ……)
みく(やっぱり……触れない方がいいのかな……)
―トレーニングルーム―
李衣菜「ちょっと!いまのところの振り、何回やってもみくが遅れてるって!」
みく「……ごめん」
P「どうしましたか、前川さん。あまり集中できていないようですが」
みく「な、なんでもないにゃ」
李衣菜「困るんだよね、ちゃんとやってくれないと」
みく「…………」
李衣菜「本番も近いのに……」
みく「…………」
李衣菜「みく、聞いてる?」
みく「……うるさいにゃ!いまは李衣菜ちゃんと話したくないにゃ!」
李衣菜「っ!せっかく心配してやってんのに!」
みく「そういう気分の時もあるの!」
李衣菜「あー、そうですか!じゃあ一人で練習するから!アスタリスク解散だ!」フンッ
みく「えっ……!?」
李衣菜「…………あれ?」
みく「あっ……そ、そうにゃ!解散してやるにゃ!」
P「お二人とも、落ち着いてください」
未央「まーたやってるよ、あの二人」
卯月「いつもケンカしてますよね~」
凛「ま、ケンカするほど仲が良いって言うしね」
美波「うーん……ほんとに大丈夫かなぁ?いつもとはちょっと違う気が……」
未央「みなみん?どうかした?」
美波「なにも起こらなければいいんだけど……」
―レッスン後―
李衣菜「あー……結局、一回も合わせられなかったじゃん……」
みく「…………」
李衣菜「本番大丈夫かな……」
みく「…………」
李衣菜「あ、あの……みくさん」
みく「…………」
李衣菜「き、今日さ……」
みく「……帰るにゃ」クルッ
李衣菜「え、ちょ、ちょっとまっ……!」
みく「……じゃあ!」タッ
バタン
李衣菜「え、えー……?私何かやっちゃった……?」
李衣菜「そりゃケンカはしたけど、いつものことだし……」
かな子「李衣菜ちゃん?どうしたの?」
李衣菜「かな子ちゃん……」
李衣菜「あのさ……この後みくちゃん家行こうと思ってたんだけど……」
李衣菜「なんか怒ってるみたいで……」
かな子「えっとね、そのことなんだけど……実は智絵里ちゃんがみくちゃんからお話聞いたらしいの」
智絵里「あの……みくちゃん、誤解してるみたいだから……」
智絵里「ちゃんと説明してあげてほしいな」
李衣菜「……ん……わかった」
かな子「ごめんね……もしかしたら私余計なことしちゃったかも……」
李衣菜「ううん!そんなこと絶対ない!」
李衣菜「じゃ、悪いけど私はもう行くね!」ダッ
―女子寮・みくの部屋―
みく「……ぅにゃぁぁ…………」
みく(最悪だ……李衣菜ちゃんとまともに話せないどころかプロデューサーにまで心配されて……)
みく(大事なレッスンも集中できないで……)
みく(私は仕事とプライベートはしっかり分けたい派なのに)
みく(李衣菜ちゃんが仕事以外のところで誰と何してようが関係ないはずなのに)
みく(なんでこんなに気持ちが悪いにゃ……)
みく(……そもそも李衣菜ちゃんはユニットの相方ってだけで、プライベートまで入りこめるわけじゃない……)
みく(その相方に黙ってこそこそやってるのが気に入らないだけで……)
みく(……うぅ~……やっぱり気に入らないにゃ……!)
みく(あああ!もう!文句の一つでも言ってやりたくなってきた……!)
コンコン
みく「にゃ……?」ムクッ
李衣菜『みくー?いるー?』
みく「李衣菜ちゃん……?」
李衣菜『いるなら開けてよー』
みく「な、なんで……?」タタッ
ガチャ
李衣菜「おっ、元気?」
みく「げ、元気……じゃない」
李衣菜「あのさ……私、みくに何かした?」
みく「あ……えっと……そのことなんだけど……」
みく(あぁ……いまさら畏まって言いたいこと言うの恥ずかしいにゃ……!考えも上手くまとまってないのに……)
みく(ここはもう一旦帰ってもらって……)
みく「…………」
みく(でも……そしたらまた気まずいままで……)
みく「……!」チャリッ
みく(……そうだ、智絵里ちゃんから貰った四つ葉のクローバー……)
みく(伝えたいことは伝えなきゃ……)
みく「李衣菜ちゃん……」
みく「その……みくに隠し事するのはやめてほしいにゃ」
李衣菜「え?」
みく「お互いプライバシーも無しってわけじゃないけど、大事なことくらい知っておきたいの」
李衣菜「う、うん、分かったけど……」
みく「だから……秘密にしてることあるならすぐに言うにゃ」
李衣菜「秘密…………じゃあ……」
李衣菜「昨日、かな子ちゃんの家に行って来たんだけど……」
みく「……っ……!」ビクッ
李衣菜「クッキーの作り方教わって来たから、台所借りていい?」
みく「…………え?」
李衣菜「ちょっと前からそれでかな子ちゃんに相談してたんだけどさ」
李衣菜「びっくりさせたくて黙ってたんだよね~」
みく「……は、はぁぁぁぁあああ!?」
李衣菜「おー、驚いてるねー、大成功」
みく「じ、じゃあ……ミーティングルームで好きとか言ってたのは……!?」
李衣菜「好き?ああ、かな子ちゃんの作るお菓子好きだから私にも作り方教えてって言ったっけ」
みく「お、おかし~……?」ワナワナ
みく「ふ、ふざけるにゃー!みくがどれだけ不安だったか……!」バンッ
李衣菜「え?不安?」
みく「はっ……!え、えっと……とにかく!」
みく「…………く……」
李衣菜「く?」
みく「…………く、クッキー……食べたいにゃ」
李衣菜「うん、おっけー」
李衣菜「私達って食べ物の好みもあんまり合わないけど、クッキーなら二人でおいしく食べられるよね」
みく「…………うん」ドキッ
―小一時間後―
李衣菜「よーし、焼けたっ」
みく「ん~……!甘くていい匂いだにゃ~」
李衣菜「オーブンから出すからちょっと離れててね」パカッ スッ
李衣菜「っと……どうかな?」
みく「おぉ~!色んな形があって可愛いにゃ~!」
みく「星……ハート……あっ!これってもしかして猫ちゃん!?」
李衣菜「へへっ、かな子から型を色々借りてきたんだー」
みく「李衣菜ちゃん、やっぱり女子力高い……」
李衣菜「んー、そこはロックって言ってもらいたいんだけどなー」
みく「ね、ねぇ、李衣菜ちゃん……」
みく「……あの……ごめんなさい」
李衣菜「え、なにが?」
みく「李衣菜ちゃんに冷たい態度取っちゃって……練習も集中してなくて……」
李衣菜「……そんなのいいから、謝る代わりにおいしくクッキー食べること」
李衣菜「かな子ちゃんも言ってたけど、やっぱり自分で作ったお菓子で笑顔になってもらいたいじゃん」
みく「……うんっ」コクッ
みく「……りーなちゃん、ありがとにゃ」パァッ
李衣菜「……っ!」ドキッ
李衣菜「……ま、まぁこれくらいだったらいつでも作るよ」
みく「……えへへ~、ほんとにゃ~?」
李衣菜「そ、その代わり、またオーブン貸してくれる……?」
みく「もちろんにゃ!いつでも来るといいにゃ!」
李衣菜「……うんっ!」
みく「さーてとっ、どれから食べようかな~」ジーッ
李衣菜「どれでもどうぞ」
みく「んー、悩むにゃー…………って、にゃああ!?!?」ビクッ
李衣菜「えっ!?なに!?」
みく「こ、こ、このクッキー!お魚の形してるのがあるにゃあああ!!」
李衣菜「あー、そういえば借りてきた型にあったような……」
李衣菜「って、これもダメなの!?」
みく「ダメに決まってるにゃ!りーなちゃんひどい!みくがお魚苦手なの知ってるくせに!」
李衣菜「知らないよ!魚の形してるクッキーもダメなんて!」
みく「ちょっと考えれば避けとこうって思うでしょー!」バンッ
李衣菜「ああもう!文句言うなら食べさせてあげないからね!」ドンッ
みく「食べないなんて言ってないにゃー!りーなちゃんのいじわる!」
李衣菜「そこまで言うなら……!」
みく「言うなら~……!」
*「アスタリスクぅ……!」
*「解散だ(にゃ)!!」
翌日
―シンデレラプロジェクトルーム―
みく「昨日は心配かけて悪かったにゃ」
智絵里「ううん、私は全然大丈夫だよ」
智絵里「それより、李衣菜ちゃんと仲直りはできた?」
みく「……えへへ、李衣菜ちゃんの優しいところ、また見つけられたにゃ」
智絵里「そっかぁ、良かったね」
みく「その後、結局ケンカになっちゃったんだけどね」
智絵里「え、え~?大丈夫なの?」
みく「うんっ!ちゃんと再結成もしたにゃ!」
智絵里「そ、そうなんだ」
タッタッタ
李衣菜(やばい、ちょっと遅れちゃった)
李衣菜(みく、先に着いちゃってるよねー)
李衣菜(本番にむけて最終段階のレッスン、頑張らなきゃ)
李衣菜(よしっ、シンデレラプロジェクトルームの前まで来たっ)タッ
李衣菜(ん?中から話声が聞こえる……)コソッ
李衣菜「…………あっ」
李衣菜(みくと智絵里ちゃんがお喋りしてる)
以上で終わりです
ありがとうございました
みくりーな尊い
(タイヤキは……すまん)
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