男「クビか、死ぬかな……」 女悪魔「その前に私と契約を。。」(18)


男「もしかして?悪魔なのかな?」

女悪魔「お察しの通り。」

女悪魔「貴方はブラック企業で働いていた社畜ね。入院過労死寸前、お金も尽きるところかしら。」

男「むっ、俺の現状をよく知ってるな。」

女悪魔「もちろん。悪魔ですからリサーチ済みですわ。」

男「そうか、、一生懸命に色々手を尽くしたけどさ、金も体力も気力もない。あるのは会社に恨みぐらいだよ。」

男「俺はあのブラック企業の社長が憎くてしかたがないよ。本当に同じ人間とは思えない。」

男「全く嫌な世の中だよ……」


女悪魔「だったら、私と契約してみない?」

男「契約?」

男「もしかして、死後の、あの世での魂の受け渡しを約束すること?」

女悪魔「察しがいいわね、その通り。」

男「……、確かに、このままでは三日と持たず死ぬ気がするな。」

男「だけど、生きたとしても社会復帰が難しそうだ。」


女悪魔「絶望と迷いと欲望の葛藤が生じた時、我々は現れるのよ。」

男「……。」

男「よし、わかった。契約してみよう。」

女悪魔「ふふ、賢明な判断ですわ。では、願いをどうぞ。」

男「俺のかわりに、君が会社で働いてくれるとかはダメかな?」

女悪魔「あら、そんな簡単なことでいいのかしら?」

男「ただし、試用期間は六ヶ月というのはどうだろう?」

女悪魔「え?」


男「俺と君との契約に試用期間を設けてみる。」

男「会社によれば試用期間があって、本契約するかどうかの見定めの期間があるんだよ。」

男「それが、お互いの為だとも思うんだけど。」

男「会社も社員もお互いの了承の上で働くほうが、気持ちよく働けるだろ?」

女悪魔「なるほど、確かに、そういうケースもあるわね。」

男「いや、その通りだと思わない?あくまで、君と契約を結ぶのは俺だろ?」

男「その際に、君の能力を見極めさせてくれないか。」


女悪魔「……、お言葉ですが、恨みがあるのでしたら、もっと直接的な方法もございますわ。」

女悪魔「わかりやすくて、とっても暴力的で男らしいやり方よ。」

男「うーん、そんなことをしてもなー。」

男「俺をこのような目に合わせた連中がにくいよ。復讐もしてやりたいよ。」

男「そうやって相手をボコボコにできれば気持ちがよいとは思うけど……」

女悪魔「ふふ、辛酸を舐めさせられた相手に屈辱を味わわせるのは気持ちいいわよ。」

男「でもさ、それでどうなるの?」

女悪魔「え?」


男「それで、どうなるの?」

女悪魔「当然、スカッーとして気持ちいいでしょ。」

男「……。一時的にはそうだろうけどさ、、、。」

女悪魔「ふふ、立場の逆転する様を見るのは楽しいものよ。」

男「そうだろうね。でもさ、俺は、その後も社会で生きなきゃならないじゃん。」

男「昔だったら知らないけど、悪い奴を懲らしめたところで、結局さ、働かないと生きていけないよね?」

女悪魔「……もちろん、堅実的に生きようとすればそうなりますわね。」

男「だから、もうちょっと現実的に働ける方のがいいかなと思うんだけどね。」

女悪魔「ふふ、でしたらこういう方法は如何かしら?」

男「ん?」


女悪魔「貴方の条件はふたつ。」

女悪魔「会社に復讐してやりたい、それと、社会で現実的に働いて生きたい。」


女悪魔「このふたつでいいかしら?」

男「まぁ簡単にいえば、そういうことになるよね。」

女悪魔「復讐を除けば、地道な望みですこと。」

男「でも、だからって、それが叶うとは限らないじゃん。」

男「だから君との契約に試用期間作らないか?って提案してるんだよね。」

女悪魔「はい。」

男「朝から晩まで働いてさ、無理して体壊して、挙句にそのまま、ぽいだよ。」

男「でも今の世の中、働けるだけでも有難いからさ、それでも構わないんだけど、あんまりだよね。」

男「大金を手に入れたいとか、そういう気持ちもあるけど、どちらかっていうと馬鹿にした奴らを見返したい。」

男「こんなのは、恨み辛みのたまった奴にしかわからない気持ちなのかな。」

女悪魔「ふふ、よくわかりますわ。」


男「俺も俺なりに一生懸命頑張ってきたんだけどさ、出来ないのを努力が足りないとか言われても……。」

男「無理なもんは無理な時だってあるよ。」

女悪魔「そうですよね、よくわかりましたわ、貴方のお気持ち。」

女悪魔「では、試用期間は半年でよろしかったでしょうか?」

男「ん?それでいいの?それで、その期間に俺が納得いかなかったら契約しないよ?」

女悪魔「ふふ、承知しましたわ。」

女悪魔「貴方のように一生懸命働いても、それが全く報われないどころか仇になるなんて、おかしな世の中ね。」

男「そうだね、自分ではやってきたつもりだよ。」

男「会社から、お前は役に立たない呼ばわりも何回されてきたことか……」

女悪魔「そうね、辛いわね。」

女悪魔「貴方は優しいから、特にそうなのかもしれないわね。」


女悪魔「では明日から仕事をできるようにするわ。」

女悪魔「だけど働くのは貴方よ、しかも同じ会社でね。」

男「え?俺が?いいけど、気まずくない?。」

女悪魔「ふふ、大丈夫よ。」

男「まぁ仕事内容はわかっているから、安心といえば安心でもあるけどね。」

女悪魔「貴方は心配せずに、今までどおり働きにいけばいい。」

男「普通にしていればいいんだね?それで俺は君との契約に半年間様子を見る。」

女悪魔「そうね、」

女悪魔「それで納得いかなかったら、私との契約をやめて貰っても結構よ。」

女悪魔「きっと、貴方も私もそして誰もが予想通りの方向へ、貴方は動くわ。」

男「ん?よくわからないけど、無理せずに頑張ってみるよ。」


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半年後


男「いやーーこんなに仕事で頑張るのが楽しいと思わなかったよ!」

女悪魔「それはよかったですわ。」

男「今まで朝起きて出勤するのも嫌だったのに、早く働きたくてしょうがないよ。」

男「周囲からも頼りにされて、仕事するのが充実感にあふれているよ!」

女悪魔「すっかり元気を取り戻されて何よりです。」

男「今まで馬鹿にしてた人間は相変わらずだけど、それでも少しでも信頼してくれている人がいるってことは嬉しいよ。」

男「ところで、今日は約束の日だったよね。ここまで満足したらいうことないよ。契約するよ。」

女悪魔「あら、それは結構なことで。」

女悪魔「でもね、せっかく貴方はここまで頑張ってこれたじゃない。」

男「まぁ色んなお陰だと思うし、君のお陰でもあるよ、ありがとうね。」

女悪魔「ふふ、でしたら選択肢を選んでみないかしら?」

男「ん?」


女悪魔「ひとつめは、貴方が満足しているなら、そのまま私と契約をする。」

女悪魔「ふたつめは、契約をしない。」

女悪魔「みっつめは、試用期間の延長よ。」


女悪魔「ゲームでいえば今がセーブポイントかもしれないわね、ふふふ。」


男「え?それでもいいの?俺としては契約するつもりでいたからなぁ。」

男「んー今のままでもやっていけそうな気もするし、でも契約しないと君との縁は切れるんだよね?」

女悪魔「それは勿論、契約ですから。」

男「んー、保留するのが一番いいのかもなー、正直にいって、君との縁は切りたくない。」

男「かといって完全に君と契約するのも、余裕が出来た今だと、勿体無い気もするんだよね。」

女悪魔「ふふ、でしたら試用期間の延長ということにしましょうか?また半年後に伺いますわ。」

男「君は本当に優しいね。天使の間違いじゃないの?じゃそうさせて貰うよ。」

女悪魔「ふふ。」


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三年後


男「フフッハッハ!ハッハッハァ、もうな笑いが止まらんよ。」

男「もう俺の会社で逆らえる奴なんていない。部下も完全に掌握した。」

男「今まで馬鹿にして見下してきた奴の弱みは全部握った。もう二度と俺の会社以外では働けないようにしてやるよ。」

男「あいつらが逃げて、新しい働き先を見つけたとしても、嫌がらせして辞めさせてやる。あいつらの怯える顔がたまらんわ。」

男「君には感謝しているよ。」

女悪魔「ふふ、それは貴方の能力の賜物ですわ。」

男「こうしてみると世の中使えない奴らばかりだな、無理ですとか、やる前から諦めるなよ。俺だって無理なのを承知で頑張ってきたんだ。」

女悪魔「……。おっしゃる通りですわ。」

女悪魔「あなたの慎ましながらも、社会で働きたいという願望はとっても素敵だと思いましたわ。」

女悪魔「復讐はおいたとしても、それも立派な原動力には違いないものね。」

女悪魔「ですから、それに見合ったチャンスもあったのかもしれないのにね、、、ふふ。」

男「ん?」


男「しかし、半年の試用期間を延長しっぱなし、もう六回目だろ?」

男「君には感謝しきれないよ、契約をしないでいてくれたなんて。本当に君は天使そのものだね。」

女悪魔「……。」

女悪魔「お互いwin-winの関係だったかしらね。でも貴方は、一人で立派にやっていけるわ。」

女悪魔「だから残念だけど、試用期間も打ち切り、契約も不成立ね。」

男「え?しかし、、、さすがにそれでは君が大損をするのでは?」

女悪魔「…………ふふ、大丈夫よ。」


女悪魔「これまでの豊富な経験を生かされ、ますますのご発展を心よりお祈りいたしますわ、、、じゃあね。」


男「ん?え?おい????」


女悪魔「…………世の中、かわらないわね。」

女悪魔「……それにしても天使か、、、確かに貴方からすればそうだったのかもね。」

女悪魔「でも、他の誰かからすればどうだったのかしら。」

女悪魔「……ふふ。」




女悪魔「それに大丈夫よ、、、貴方の魂はきっちりと頂いたわ、あの世ではなく…………この世でね。」

女悪魔「みっつの選択、どれなら本当に幸せになれたのかしら……」



女悪魔「ふ、全く嫌な世の中よね。」



おわり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月28日 (金) 14:01:58   ID: b_aPYsFA

理解力のない俺に教えてくれ

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