穂乃果「ねむいんだもん」雪穂「誰か起こして」 (88)

穂乃果が寝てるだけ


とある日曜

チュンチュン

穂乃果「……」

ゴロゴロ

穂乃果「ん……」

ゴロゴロ

穂乃果「……む」

ゴロゴロ

穂乃果「……ッシュン」

ジリリリ!

穂乃果「ッう……」

ワサワサ

ジリリリ!

穂乃果「……むう」

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穂乃果「……」

ガシッ――ポチ

穂乃果「……ねむい」

ゴソゴソ―

穂乃果「……」ウトウト

ピッピッピッピッ!

穂乃果「!?」ドキドキ

ノソノソ―

穂乃果「これ、どこ……」キョロ

ガチャ―

雪穂「お姉ちゃん! 起きれないからって、私の部屋の時計のアラームいじるの止めてよ!」

穂乃果「……うー……ごめ」

雪穂「しかも、自分は起きてないし!」

穂乃果「起きてる……よォ」

雪穂「布団に丸まってる状態で何言ってるの? 起きてるって言うのはね、私みたいに立って目を開いてるような状態を言うの」

穂乃果「……さむいもん」

雪穂「……でい!」

ドサッ

穂乃果「……おもッ」ゲフッ

雪穂「重くないし!」

穂乃果「ごめ……」

雪穂「ほらほら、今日は練習しなくていいの?」

ユサユサ

穂乃果「昼から……だから……」スヤ

雪穂「朝ごはんできてるよ?」

穂乃果「食べるよ……」

雪穂「じゃあ、起きなよ」

穂乃果「……」

雪穂「こらッ」

ユサユサ!

穂乃果「やめ……」

雪穂「いつまでもだらだらしないの!」

穂乃果「お母さんみたいなこと……」

雪穂「お姉ちゃんのこと任されてるからね」

穂乃果「えー……」

雪穂「もお」

ゴソゴソ

穂乃果「……入って来ないでよお」

雪穂「温かい……はッ?! じゃなくて、ほら、布団から出るの!」

グイグイ

穂乃果「押さないで……よ」

雪穂「お姉ちゃんが大人しく起きればいいだけだからね」ホカホカ

ゴゾゴゾ――ピタ

穂乃果「雪穂ッ……足冷たい……やだもん」

雪穂「私の足が冷たかろうが温かろうが、起きるのに関係ないじゃんかッ」

ピタピタッ

穂乃果「ひゃッ……やだやだ」

※唐突に安価始まります。


雪穂「布団、いただき!」

グイッ――バサッ

穂乃果「やッ……さむッ」ブル

雪穂「……もお、イモムシみたいに丸まってないで」

穂乃果「……雪穂」

雪穂「なに?」

穂乃果「……一緒に、ねよ?」ニコ

雪穂「……」ドキッ

雪穂「反則だって……それ」

穂乃果「ねえねえ……」

クイクイ

雪穂「うッ……ここで負けるわけには」

雪穂「しょ、しょうがない助っ人を呼ぶしかない」

雪穂「>>7さんなら……」

のんたん

雪穂「……お姉ちゃん、ちょっと携帯借りるよ」

カタッ

穂乃果「う……ん」スヤ

雪穂「幸せそうな顔して……」

ススッ――プルル

雪穂「朝早いし出るかな……」

ピッ

希『もしもし、穂乃果ちゃん? どしたん?』

雪穂「あ、すいません。私、妹の雪穂なんですが」

希『雪穂ちゃん? どないしたんよ』

雪穂「朝早くにすいません。あの、お姉ちゃん、今日昼から練習があると思うんですけど、全然起きてくれなくて……別にこのまま放っておいてもいいんですけど、もしお暇だったら……このどうしようもない姉を起こしてもらえたらなあって……もちろんお礼はします!」

希『へえ、ちょっと面白うそうやん。ちなみに、お礼は?』

雪穂「お姉ちゃんが、なんでも一回言うこと聞きます」

希『のった! すぐ行くから、待っててな』

ピッ

穂乃果「……まだ、寝かせて……」

ゴロン―

希の家――

希「何でも一回って、めっちゃ面白そうやん……」ワクワク

希「ウチも、着替えな」

ゴソゴソ―

希「どうやって起こそうか……。パンやろか」

希「うーん、ワシワシしたら起きるような気もするけど」

希「それじゃつまらんような」

希「……雪穂ちゃんの反応も見てみたいし」

希「困った困った……」

穂乃果の部屋――


ガチャッ

雪穂「おねえーちゃん? 東條先輩来たよー」

希「穂乃果ちゃん、やほー」

穂乃果「……まだ、絶対、起きない」

雪穂「なんでか意思がさらに固まってるし……お願いします先輩」

希(……布団にしっかりしがみついて可愛らしいな)

希「ふふ……」

希(雪穂ちゃんもよお見たらおそろいで色違いのパジャマか……なんかええなこういうの)

穂乃果「……むう」

希「穂乃果ちゃん、そんなに眠いん?」

穂乃果「う……ん」

希「穂乃果ちゃん起きてこないと……ワシワシするで? 雪穂ちゃんに」

雪穂「ええ?!」

穂乃果「べつに……いいよ」

雪穂「お姉ちゃん!?」

希「ほんまにええの? 可愛い妹が、毒牙にかかってもうても」

雪穂「先輩、何するつもりなんですか?!」

穂乃果「ゆるす……むにゃ」

雪穂「お姉ちゃん?!」

希(あんまり効果なかったか?)

希「それじゃあ遠慮なく」

ワキワキ

雪穂「ま、待ってくださいッ。おかしいッ、この流れは絶対におかしい!」

希「恨むならお姉ちゃんを恨むんやな」

雪穂「ひ、やッ――!」

ワシワシワシワシッ

希「どやどやどや!」

雪穂「あはッはははッ……やめッ、せんぱッ……だ……めッ」

ジタバタッ

希「手にすっぽり収まる小ささやけど、弾力があって、うん、ええな」

ワシワシワシッ

雪穂「や……らッ……ひッ……あ!?」

穂乃果「……うる……さいもん」

雪穂「ば、ばか姉ッ……!!」

希「穂乃果ちゃんは、ほんとにお寝坊さんやな」

雪穂(こ、このままでは違う世界の扉を開いてしまう……べ、べつの誰かを、>>15さんなら)

うみ

希「このまま、雪穂ちゃんの部屋行こか?」ニヤニヤ

雪穂「わ、悪ふざけはよしてくださいッ」ウルッ

希「おっと、ごめんごめん。お姉さんが悪かった」

ヨシヨシ

雪穂「うう……もお、お姉ちゃんと一緒にベッドにでも入っていてください!」

希「……それはそれで楽しそうやん」

ゴソゴソ

雪穂(あ、ホントに入り込んだ)

穂乃果「……や、希ちゃんの足……も……つめた」

希「穂乃果ちゃん、もうちょい……つめてや」

雪穂「……お姉ちゃん、もう一回借りるから」

ススッ――プルルルッ

海未『はい、なんでしょうか?』

雪穂「あの、かくかくしかじかで……来ていただけないでしょうか」

海未『あまり、状況が飲み込めませんが、穂乃果と希が迷惑をかけているということはよく分かりました。すぐに向かいますので待っていてください』

雪穂「お、お願いします」

プツッ

雪穂「お姉ちゃん、海未さんもうすぐ来てくれるって」

穂乃果「……」ビクッ

希「あったかいなあ……」

モゾモゾ

雪穂(馴染み過ぎてこわい……)

穂乃果「……」

モゾモゾ

希「ありゃ、穂乃果ちゃんお布団の中に潜り込んで……子どもみたいやん」

穂乃果「うむむ……」

希「そんなにしがみつかれたらくすぐったいって」

雪穂(……そんなに海未さんが怖いのか)

ピンポーン

雪穂「あ、もしかして」

トタタ―

ガチャッ

海未「お邪魔します」

雪穂「わー! ありがとうございますッ」

海未「いえ、どうせ出かける予定でしたから」

雪穂「あ、の、飲み物何かいりますか?」

海未「おかまいなく。それより、元凶の二人は?」

雪穂「姉の部屋のベッドで、二人ともすやすやと……」

海未「希もですか? 困ったものですね」

トントン

雪穂「お姉ちゃん、海未さん来てくれたよ」

海未「穂乃果?」

ガチャ

「……」

「……」

コンモリ

雪穂「あの山の中にいます」

海未「穂乃果はまだしも、希まで何をやっているんですか」

雪穂「希さんは、何ていうか、完全に楽しんでくださってます……」

海未「希は悪ノリしますからね……」

雪穂「ははッ……」

海未「よし。とにかく、カーテンを開けて……」

シャアア―

海未「クローゼットから、服を出して……」

ガラ―カチャカチャ

雪穂(……あ、海未さんてそういうのが好きなんだ)

海未「準備完了です。ほら、起きなさい二人とも」

ユサユサ――むにゅ

海未「え? 感触が……せいや!」

バサッ

クマ「……」

ウサギ「……」

雪穂「か、変わり身の術?!」

海未「本体はどこに……」

ドタドタ―

雪穂「もう、ご飯食べに行ったのかな?」

海未「黙って起きるなんて、まったく……」



居間

トタタ―

雪穂「お姉ちゃん?」

海未「希?」

母「あら、海未ちゃんどうしたの?」

海未「あ、おはようございます。お邪魔しております」

母「ごめんねー、何か約束があったんでしょ? 穂乃果、まだ起きてないのよ」

雪穂「え、うそ? じゃあ、どこ行ったんだろ」

海未「他に行きそうな所ありますか?」

雪穂「えっと、トイレかなあ?」

トタタ―



トイレ


海未「……穂乃果?」

トントン――

雪穂「鍵はかかってるけど……」

――トントン

父「……ッ」カアッ

雪穂「お父さんかい」

海未「し、失礼しましたッ」カアッ

雪穂「トイレでもないとすると……」

海未「外ですかね?」

雪穂「……うーん、まさか、まさかねえ」

海未「心当たりが?」

雪穂「こっち……」

トタトタ――



父の部屋

ガチャッ

雪穂「……」

海未「勝手に入ってもいいのですか……?」

雪穂「荒らさなかったら大丈夫……たぶん、あ」

コンモリ

海未「……何かいます」

雪穂「……お姉ちゃん、バカでしょ」

海未「希は人の家で何をしているんですか」

テクテク―バサッ

穂乃果「んー……」

チラッ

雪穂「ちょ、お姉ちゃん胸見えてるしッ」

海未「……ハ、ハレンチですよ」

穂乃果「眠い……」

ムクッ――ガバッ

海未「ひいッ?!」

ドサッ!!

雪穂「う、海未さんが押し倒された!」

穂乃果「くましゃん……むちゅー」

チュパパパパ!

海未「☆¥♯%¥♪?!」

希(またベタな驚きかたやな)

穂乃果「ぷはッ! むにゃ」

雪穂「……」ドキドキ

海未「ふにゃ……」

トサッ

雪穂「海未さん……だ、大丈夫ですか?」

海未「……キス怖いキス怖いキス怖い」ブツブツ

雪穂「トラウマが生まれてしまった……恐るべし、我が姉」

モゾモゾ

希「……こ、こら穂乃果ちゃん、そんな所揉まんの」ボソボソ

穂乃果「むにゃ……むにゃ」

雪穂「……お父さんの部屋でみんな何してるんですか……はッ、このままじゃマズイ」

クルッ――トタタタ!



穂乃果の部屋

ダダダッ

ガチャッ――バン!

雪穂「お姉ちゃん、携帯借りるからね……もしかしたら、>>30さんなら!」

えり

ススッ――プルルル

雪穂「……」

ピッ

絵里『穂乃果? 何? 今日のこと?』

雪穂「あ、あの私妹の雪穂です。朝早くからすいませんッ。今、お電話大丈夫でした?」

絵里『え、ええ。どうしたの』

雪穂「実は、うちの姉が全然布団から起きてくれなくて、希さんと海未さんに起こしてもらうように頼んだんですが……お二人共失敗に終わってしまって」

絵里『なにそれ……ふふッ』

雪穂「笑い事じゃないんですって、ホントに」

絵里『希と海未は今どうしてるの?」

雪穂「父の部屋のベッドで、お姉ちゃんと希さんは寝てて、海未さんは床で放心してます」

絵里『全然、想像がつかないんだけど……

雪穂「で、ですよね……私も自分でちょっと言ってる意味分からないです」

絵里『お昼から練習だし、希と課題もやるつもりだったから……今から、行くわね。あ、あとこの間祖母がロシアのお菓子を持ってきてくれたの。スフィロークって言って、チーズの周りをチョコでコーティングしたものなんだけど、食べる?」

雪穂「あ、食べます食べますッ」ピョンピョン

絵里『ふふッ……じゃあ、持っていくわ』

雪穂「わーい! 楽しみにしてます」

絵里「ええ。じゃあ、15分ほどで着くと思うから」

雪穂「はーいッ」

ピッ

雪穂「わー楽しみッ……」ワクワク

トタタ――ピタッ

雪穂「……」

雪穂(私、日曜の朝になにしてるんだろう……)

グーー

雪穂「……お腹空いた。お姉ちゃん、待つ必要あるのかな……」

雪穂「……でも、絵里さんも来てくださるし」

雪穂「そもそも、ここまでしてるのに当の本人はスヤスヤって、どうなのよ……」


「……!?」


雪穂「あ、この声はお父さん……自分の部屋の惨状を見てしまったか」

トタタタ――

雪穂「ん?」

ガチャッ

父「……!!」ワタワタ

雪穂「あ、うん、そうなの。どうにもなんなかったの」

父「!?」

雪穂「え、お父さんも二度寝しようとしてたの? 休みだからって、何言ってるの」

父「……」シュン

雪穂(お父さんに似たのか……)

雪穂「お姉ちゃんが寝ぼすけなのは、お父さんに似たんじゃない?」

父「……」ギク

雪穂「まあ、二人共さ、普段すっごく頑張ってるからさ……しょーがないとは思うけど」

父「……」チジコマリ

雪穂「休みの日くらいさ、みんなでゆっくり朝ごはん食べたいじゃん……平日は、みんなバタバタするし」

父「……」ブワッ

雪穂「え? や、やだ、何も泣くことないじゃんッ。キモッ」

父「……」ブワワッ

雪穂「お姉ちゃんさっさと起こして連れて行くから、お父さんは居間で待っててよ」

父「……」コクリ

トタトタ―

雪穂「……ああ、余計なこと言っちゃった」カアッ

ピンポーン!

父「……」

トタトタ―

ガチャ

絵里「おはようございます」

父「……」ペコ

絵里「あ、お構いなく」

父「……」

絵里「ご丁寧に、ありがとうございます。これ、良ければロシアのお菓子なんですが……あ、大丈夫ですよ、みんなで食べる分は取り分けてあるので」

父「……」コク

タタタ―

雪穂「あ、絵里さん!」

絵里「あ、これ、ご家族のみんなで食べてね」

父「……」

ヒョイ―ガサ

雪穂「ありがとうございます」

絵里「さて、じゃあ穂乃果の所に連れていってもらえる?」

父・雪穂「……」コク

雪穂「あ、お父さん」

父「?」

雪穂「来なくていいから」

父「……ッ!」シュン

雪穂「絵里さん、こっちです」

絵里「だ、大丈夫?」

雪穂「見せれたものじゃないので」



父の部屋

海未「……キス怖いキス怖いキス怖い」

コンモリ―モゾモゾ

絵里「……で、電気付けてもいい?」

雪穂「あ、そうですよねッ」

カチカチ―

雪穂「あれ?」

絵里「ど、どうしたの?」

雪穂「電気が付かないです……そろそろ取り替えかな?」

カチカチ―

絵里「こ、この部屋けっこう暗いわね」

雪穂「日当たり悪くて……」

眠いのでまた明日の夜に

海未「キス怖いキス怖いキス怖い」ブツブツ

絵里「う、海未、ちょっと怖いじゃないの」

雪穂「さっきからずっとあんな感じで」

絵里「ふ、ふうん……の、希? いるんでしょ?」

希「……なん? あ、ちょ、穂乃果ちゃんやめッ」

ゴソゴソ

穂乃果「くましゃ……」

絵里「……あなたたち、一体」

雪穂「お恥ずかしい限りです……」

希「こらこらッ、そこ吸っても何もでんでッ」

チューチュー

穂乃果「……むちゅー」

絵里「……」ピク

雪穂「絵里さん……?」

絵里「……ずるい」

雪穂「は?」

絵里「私だって、希と一緒の布団で寝たことないのに……」ボソ

雪穂「……」

海未「キス怖いキス怖い……」

絵里「ひどいッ……希のバカッ……」ウルッ

雪穂「え、ええー」

希「え、なに? えりち?」

ガバッ

絵里「……知らない」

希「ちょ、なんで拗ねてるん」

ガタッ―トタタ

絵里「朝は一緒に課題しよって言ったじゃない……」

希「やるつもりはあったんよ」

ポンポン

絵里「や、やだ何で頭撫でるのよ」

希「寂しくさせてごめんな」

絵里「……今日、泊まりに行っていいなら許してあげる」

希「甘えん坊さんがここにも……」ニコ

絵里「ダメなら、いいのよ……」

希「そんなわけないやん」

絵里「希…」

希「えりち…」

ダキッ―

穂乃果「……うさしゃん」むにゃ

雪穂「よそでやってください」

ここまで

イチャイチャ―

キスコワイキスコワイ―

ウサシャ―

雪穂「もお! なんでこうなるのよ……」

雪穂「お姉ちゃん、また携帯借りるよ!」

ススッ――プルルル

雪穂「もしかしたら、>>46さんなら!」

にこ

用事が入ったので抜けます

ピッ

にこ「っくしゅん……穂乃果……っしゅん、ごめ今日風邪引いて……行くには行くんだけど」

雪穂「あ、す、すいません。私、妹の雪穂です」

にこ「へ?」

雪穂「お風邪の所すいませんでした……」

にこ「妹の方が私になんの……っしゅん」

雪穂「だ、大丈夫ですか?」

にこ「へーきよ……用事があるんでしょ、言ってみなさい」

雪穂「あ、あの実はかくかくしかじかで、先輩方が惨敗してまして……」

にこ「で、私ってわけ」

雪穂「はいッ。でも、体調が優れないということなので……」

にこ「うちの3年は役に立たなかったんでしょ? なら、にこが行くしかないじゃないッ」

雪穂「む、無理なさらず」

にこ「すぐ行くから、待ってなさいッ……っしゅん」

ピッ

雪穂「あ……」

数分後―

穂乃果の家、玄関前

にこ「……たく、にこがいないとダメダメなんだから……」

フラフラッ

にこ「っしゅん……あー、頭痛い」

テクテク――

にこ「インターホンどこよ」

テクテク――ズルッ

にこ「あ」

ベシャッ




雪穂「? 今、何か物音が」

トタタ―

雪穂「にこさんかな」

ガチャッ

にこ「……」グテ

雪穂「ひいい!?」




父の部屋


雪穂「……だ、大丈夫ですかね」

海未「恐らくは」

にこ「……」グテ

希「幸せそうな顔してる」

絵里「そうね」

雪穂「……お姉ちゃん」

穂乃果「……ううん」スヤスヤ

雪穂「ち、ちなみに……今、全員でかかれば起きるんじゃないかと……」

海未「しかし、これだけの騒ぎで起きないとなると……」

希「せやね、責任とってもらわんとね」

海未「え、あ、そういう意味では」

絵里「そうね。穂乃果が寝ている間におヘソの周りに落書きとか」

希「穂乃果ちゃんがなんでも一つ言うこと聞いてくれるってことやしな……」ニヤニヤ

絵里「あら、そうなの」

雪穂「あ、はいそれはお約束します。せっかく来てくださってるので、起こせなくてももちろん皆さんにお礼の方をさせます」

希「末恐ろしい妹やん」

海未(穂乃果、早く起きないと……大変なことになりますよ)

ガチャッ―

母「雪穂、ご飯どうするの?」

雪穂「あ」

母「お父さんがお腹空いたって」

雪穂「むー……でもお姉ちゃんが」

希「ここはうちらに任せて、雪穂ちゃんはご飯食べておいで」

雪穂「そ、それだと意味がないんです」

絵里「雪穂はお姉ちゃんとみんなで朝ごはんが食べたいのよね」

雪穂「は……はい」カア

海未「そうだったんですか……」

母「ごめん雪穂、お母さん先にご飯食べて出かけるから」

ガチャ――バタン

雪穂「あれ?」




希「現実は時として残酷やな」

絵里「どうする?」

雪穂「いや、今あっけなく夢が途絶えたのでびっくりしてます」

海未「穂乃果……起きなさい」ビクビク

ペチペチ

穂乃果「……」

ガバッ――

海未「いやああ?!」

じゅるるる!

希「またか」

絵里「懲りないわね」

雪穂「もう、お姉ちゃん! ホントは起きてるんでしょ!?」

穂乃果「……」ビクッ

「「「「……」」」」

雪穂「え?」

絵里「そうなると……」

希「ふーん……」ニヤニヤ

海未「そ、それって、つまり……」カアア

バタッ

雪穂「海未さん!」

絵里「どこから起きてたのかしら」

希「穂乃果ちゃん、策士やなあ」

絵里「案外かまってもらいたかっただけだったりして」

穂乃果「……」

絵里「雪穂に」

穂乃果「……」ビクッ

希「ほう」ニヤ

雪穂「……絵里さん、希さん」

希「なん?」

雪穂「お姉ちゃんにしたいことさせたいことありますか?」

絵里「そうねえ」

希「>>55とか」

とりあえず責任を取ってにこっちを看病

雪穂「そうですね」チラ

にこ「……」グテ

雪穂「お姉ちゃん、にこさんをお姉ちゃんの部屋に運ぶから起きて」

穂乃果「……は、はい」

ノソノソ

雪穂「もお、ホントに! 朝ごはん食べずに待って損した!」プンプン

穂乃果「ご、ごめんね雪穂……絵里ちゃん、希ちゃんもありがとう……」

希「穂乃果ちゃんも、こんな大事になるなんて思ってなかったんやろ?」

絵里「気がついたら、起きるに起きれなくなってたしね」

穂乃果「えへへ……」

雪穂「えへへじゃないし! 何かの病気かちょっと思っちゃったじゃんか! ほら、にこさんの足持って」プンプン

にこ「……」グテ

穂乃果「ありがとう雪穂」ニヘ

雪穂(散々振り回されたのに、これで許しちゃえるんだから……私も相当甘いなあ)

穂乃果の部屋


雪穂「というわけで、お姉ちゃんはにこさんの看病が終わったら朝ごはん一緒に食べること!」

絵里「お許しが出たわね」

希「そう言えば、お父さんの部屋に海未ちゃん置いてきてるで」

雪穂「あ、やば」



父『……!?』


希「階下で、何か叫び声が」

雪穂「あちゃー。じゃ、下で待ってるから」

絵里「頑張ってね穂乃果」

雪穂「お二人も良かったら、朝ごはんまだでしたら」

希「ほんま? じゃあ遠慮なく」

絵里「ありがとう。少し食べてきたから、ちょっとだけなら」

トタトタ――

にこ「……はッ」パチ

穂乃果「あ、起きた?」

ギュウ――ポタポタ

にこ「……あれ、ここどこ?」

穂乃果「私の部屋だよ」

にこ「……っしゅん」

穂乃果「もしかして風邪?」

にこ「もしかしなくてもよ。あんたが起きないからって、来てみれば……ああ、玄関で転んだんだっけ、情けない」

穂乃果「お世話かけました……」

にこ「まったくよ……ううッ、さむッ」ブル

穂乃果「熱上がったのかなッ」

ピトッ

にこ「おでこなんかで分かるわけ?」

穂乃果「あんまり」

にこ「なんじゃそりゃ……」クタ

穂乃果「タオル、おでこに置いておくね」

にこ「……冷た」

穂乃果「だ、だいじょうぶ」

にこ「ひんやりして気持い……」

穂乃果「体も拭いておく?」

にこ「いいわ!」クラッ

穂乃果「ああ、安静してないとッ」

にこ「あんたには言われたくない……」

穂乃果「……確かに」




にこ「……風邪の時に看病されるなんて、久しぶりだわ」

穂乃果「そうなんだ……」

にこ「いつもする側だからね」

穂乃果「そう言えば、風邪って誰かに移すと治るんだって」

にこ「は、い、いや何言ってるのよ」

穂乃果「どうやって移すか知ってる?」

にこ「し、知らないわよ、私は」

穂乃果「にこちゃん知ってるの?」

にこ「知らないってば」

穂乃果「穂乃果、知ってるよ?」

にこ「ふえ?」

ドサッ

にこ「な、なんで覆いかぶさってくるのよ」

穂乃果「こうやるんだって……」ヒソ

にこ「☆♪♯$&!?」

居間――

穂乃果「お腹空いたー……」

雪穂「あ、来た来た」

父「……!」

穂乃果「ごめんね、ご飯食べよー」

希「にこっち大丈夫?」

穂乃果「うん、さっき起きて、また寝ちゃった」

絵里「無理させちゃったみたいね」

穂乃果「うん、ごめんね」

雪穂「とりあえずご飯にするよ。はい、いただきます」

穂乃果「いただきまーす」

雪穂「卵焼きどうぞ」

希「あ、どもども」

パク

希「ほんのり甘くて美味しいなあ」

父「……」ニコ

雪穂「なんでお父さんが嬉しそうなの? え? 今日お父さんが作ったの?」

父「……」コクコク

穂乃果「お母さん急いでたもんね……。あ、絵里ちゃん、里芋の煮付けどうぞ?」

絵里「ありがとう……」

パク――モグ

絵里「凄く美味しいです。とろっとしたあんに鳥そぼろが入ってて、里芋とすごくよく合いますね」

父「……」テレ

父「……ッ」

雪穂「娘が増えたみたいで嬉しい?」

穂乃果「そうなると、私のお姉ちゃんになるのかあ」

希「うちは全然かまわんで」

絵里「あら、楽しそうね」

雪穂(……この2人が姉か)

雪穂(全く想像が付かない)

雪穂「あ、そうそう。この後なんですが、絵里さんがお姉ちゃんにしたいことさせたいことがあったら今のうちにどうぞ」

絵里「うーん、>>63かなあ」

妹になってほしい

穂乃果「え」

絵里「今日、一日だけでいいんだけど」

雪穂「どうぞどうぞ、もらってください」

父「……!」

雪穂「娘は渡さんって? いやいや、そういうのいいから」

父「……」テレ

穂乃果「妹って言われても、私お姉ちゃんだから……妹がどんなのかよく分からないよ?」

希「穂乃果ちゃん、そのままで大丈夫やで」

穂乃果「そーなの?」

絵里「そうね」

雪穂「あれ、その場合私の姉の姉ということですね……」

絵里「お姉ちゃんって呼んでもらっていいチカ」

雪穂(妄想が現実に)

穂乃果「お姉ちゃんッ」ニコ

ダキッ

絵里「うッ……」

雪穂「お、お姉ちゃん」チラ

絵里「……はうッ」

雪穂(絵里さんて……けっこう変な嗜好の人だったんだ)

希「現実の妹が見たら泣いてしまうかもなあ」

絵里「内緒にしておいてね、希」

希「はいはい」

雪穂「お姉ちゃん、お醤油とって」

穂乃果・絵里「はい」

雪穂「ややこしい……」

父「……」オズオズ

雪穂「え? お父さんも絵里さんにお姉ちゃんって言いたい?」

絵里「かまいませんよ」

父「……ッ」

絵里「はい、お父さんお塩」ニコ

父「……」グッ

穂乃果「お父さん、嬉しそう」

雪穂「この場合、希さんの立ち位置は……」

希「近所に住む一人暮らしのお姉さんという設定でどうやろ」

雪穂「もう、この家訳がわからないですね」

雪穂「絵里さん、お姉ちゃんのお姉ちゃんになっても得なことはありませんよ?」

穂乃果「雪穂、ひどいよ!」

絵里「ううん、そんなことない。例えばね……」


絵里脳内小劇場


風呂場

絵里『穂乃果、入るわよ』

ガチャ

穂乃果『え、お姉ちゃん?』

絵里『久しぶりに一緒に入ろうか』

穂乃果『2人だと狭いよ?』

絵里『いいじゃない』

穂乃果『それに、私お姉ちゃんみたいにスタイル良くないし……』

絵里『そんなことないわよ』

穂乃果『ちんちくりんだし』

絵里『そこが穂乃果のいいところじゃない』

穂乃果『お姉ちゃんがそう言ってくれるなら……いっか!』

絵里『ほら、頭洗ってあげるから、洗いっこしましょう』

穂乃果『わーい!』



絵里「っていうことができるわけよ」

雪穂「何がいいかさっぱりでした」

穂乃果「なんで? すごく楽しそうだよ! そうだ! この後、一緒にお風呂入ろう」

絵里「ほ、穂乃果……物には順序というものが」

穂乃果「ううん、せっかく来てくれたのにここで妹を演じきれなきゃ穂乃果が廃るよ!」

絵里「そ、そう。そこまで言うなら」

雪穂「もお、お姉ちゃん達は……」

父「……ッ」

雪穂「何言ってるの、ダメ! 犯罪だよ、お父さん!」

父「……」シュン

穂乃果「そんなつもりじゃないよねー?」

絵里「でも、さすがに、一緒には入れませんね」

雪穂「ほんとだよ。冗談は顔だけにしてよね!」

父「……」ガンッ

スクッ――ダダダッ!

穂乃果「お父さんどこ行くの?! もう、雪穂は口が悪いんだから」

絵里「雪穂、お父さんに謝っておいで」

雪穂「……はいはい」ヨッコイセ

穂乃果「じゃあ、私たちはお風呂に行こっか!」

絵里「ええ」

トタトタ―




希「うち、寂しくないもん」グスン

希「……」

希「にこっちいいいい!」

トタタタッ


「うっさい!」

父の部屋

雪穂「……」ソー

「そうですか。なるほど、そうですよね……」

雪穂「?」

カチャ―キイ

父「……!」

海未「ですが、それはとてもハレンチなことですから。やはり世間一般の常識から考えると……」

父「……ッ」

海未「お父さんの気持ちだけではだめですよ。対話と言うのは、互いに意思の疎通を図らなければ。頑張ってくださいね」

父「……!!」

雪穂「なにやってんの?」

父「……ッ」カア

雪穂「ま、まあお父さんにも色々あるんだよね。ご、ごめんね、さっきは怒鳴って」

父「……」フルフル

雪穂「う、海未さん起きたんだ」

海未「ええ、今しがた」

雪穂「かくかくしかじかで、良ければお姉ちゃんを自由にこき使ってください」

海未「いえ、私はそのようなことは別に……」

雪穂「気を遣わないで大丈夫ですって」

海未「そうですか……じゃあ、何を頼みましょうか……>>70」とか

麻雀

>>70
ごめん



雪穂「ごめんね、海未さん。1さんがしたことないから無理なんです」

海未「じゃあ、>>72にしましょうか」

登山

雪穂「じゃあ、お姉ちゃんに伝えてきますね。ほら、お父さんもいつまでも正座してない!」

父「……!」




風呂場


雪穂「お姉ちゃん? 海未さん、登山がしたいってー」

穂乃果『はーい!』

雪穂「……あれ、絵里さんの気配がない」

穂乃果『今日は練習だから、明日の朝行こうって、伝えてー』

雪穂「はーい」

穂乃果『……っしょ』

雪穂「ま……いいか」

居間

父「……」

海未「そうですね、穂乃果と二人だけで登山は少しヒヤヒヤするかもしれません」

父「……」

海未「え? 連れて行って欲しい?」

雪穂「ちょっとお父さんてば、女子高生の行楽に着いて行こうとしないでよ」

父「……!」

雪穂「弁当だけでも作らせてって……海未さん、いいですか?」

海未「いえ、こちらこそ。願ってもみないことです……お願いしてもかまいませんか?」

雪穂「良かったね、お父さん」

父「……」ニコ

風呂場

穂乃果「よいせ……」

ズルズル

絵里「……」

穂乃果「起きてよー絵里ちゃんッ」

絵里「……」

穂乃果「まさかのぼせちゃうなんて……やり過ぎちゃったよ」

穂乃果「今日の練習大丈夫かな」

穂乃果「それより、明日登山かー……あの時ちゃんと起きておけば良かった」

穂乃果「そう言えば、登山てなにを持っていけばいいんだろう……あ、>>76持っていこう」

ほむまん

穂乃果「海未ちゃん、喜んでくれるかな」

フキフキ

絵里「……」

穂乃果「絵里ちゃん、体私が拭いておくね?」

フキフキ

穂乃果「わわッ……意識して見てなかったけど、髪と同じ色なんだ……わあッ」ドキドキ

絵里「んッ……んん」

穂乃果「あ、起きた?」

絵里「ひいッ……」

穂乃果「や、やだななんでそんなに怯えるの?」

絵里「キス怖いキス怖いキス怖い……」

穂乃果「もー、ちょっとしたスキンシップなだけなのに大げさだよ、お・ね・え・ちゃ・ん」

次の日―

海未「穂乃果、準備はいいですね……って何ですかその軽装備は!」

穂乃果「え? だ、だって近所の高台まででしょ?」

海未「ご近所と言っても山は山! どんな山に登ろうとも、常に万全を期すべきです」

穂乃果「大丈夫大丈夫ッ」

海未「……もお」

穂乃果「えへへ」

海未「……」じッ

穂乃果「? 私の口に何かついてる?」

海未「い、いえ」

穂乃果「あ、もしかして……むちゅーってして欲しい?」

海未「そ、そんな淫らなこと考えてませんッ!」

穂乃果「ぶー……海未ちゃんまで。ただのスキンシップなのに」

海未「ああ言うことは……その」

穂乃果「その?」

海未「ごにょごにょ……」

穂乃果「よく聞こえない……あ、海未ちゃんまぶたにまつ毛ついてる。ちょっと目つむって」

海未「あ、はい」パチ

むちゅ―

海未「?!」パチ

穂乃果「へへ、残念ほむまんでした」

海未「残念とかじゃないですからッ」

穂乃果「よっし、行くぞー!」

タタタッ

海未「待ってください穂乃果!」

タタタッ

穂乃果「早くー!」

海未「そっちじゃありません。こっちです」

穂乃果「えー」クル

海未「一人で突っ走らないでください」

穂乃果「じゃあ、手繋いでいこ?」

海未「い、いやです」

穂乃果「なんでー? ことりちゃんは繋いでくれるよー?」

海未「ことりとは違いますッ」

穂乃果「ぶー……」

海未「どうして、私が拗ねられないといけないんですか……だいたい街中で手を繋ぐなんて恥ずかし過ぎます」

穂乃果「じゃあ、山に着いたら繋いでくれる? というか、私たぶん繋いでないと……迷子になりそうかも」

海未「それは否めませんね……分かりました。山に着いたら」

穂乃果「わーい」

ギュウッ

海未「抱きつくのもダメですッ」

穂乃果「そんなに意識しなくても」

海未「あんなことされたら、誰だって意識しますッ」

穂乃果「大丈夫大丈夫。にこちゃんと、絵里ちゃんにもしたから」

海未「……」

パンパンッ

穂乃果「あうッ!」






おわり

お付き合いどうもです。

ここでオワッチャウノォ!?

>>82
山頂アタックは脳内補完で

これはもっと続くべき

>>84
HTML申請しちゃったけど、誰か乗っ取って書いて欲しい

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