拓海「…一晩経ったけど、夢じゃねえんだな」

拓海（アタシがＣＤデビューか…信じらんねえな）

拓海（色んな奴らに支えられて、ここまで来れた。だが、ここがスタートラインだ）

拓海「フンドシしめなおして、一発かましてやるぜッ！」



拓海「とはいえ、ＣＤデビューに向けて何すりゃいいんだ？」

…ｬｳｨｺﾞｰ

…ﾓﾝｯ



拓海「ん？」



…ﾋｬｳｨｺﾞｰ

…ｶﾓﾝｯ


拓海「何か近づいてきてる…？」

楓「デビューは～、ドキドキ～、蘭子は神崎～」

楓「ナナナナ～、ナナナナ～、長富蓮実～」

楓「いきなり出てきてゴッメ～ン、まことにすいまメ～ン」ﾋﾟﾀｯ

拓海「……」

楓「……」ｸﾞﾜﾝｸﾞﾜﾝ

拓海「な…」

楓「ラップでＣＤデビュー、しようよー」ｸﾞﾜﾝｸﾞﾜﾝ

拓海「何だこいつゥゥゥ？！」

拓海「つーか、楓さんじゃねーか！」

楓「はい。高垣楓、２５歳です」

拓海「年齢言う必要あんのか？　何してんだよ…」

楓「…プロデューサーさんに、お願いされまして」

拓海「Ｐの奴に…？」

楓「ＣＤデビューについて、色々悩んでいるのではないか、と」

拓海「！」

楓「プロデューサー相手では言いづらいこともたくさんあるだろうからと」

拓海「それで楓さんが来たってワケか」

楓「Ｙｅｓ，Ｎｏ！」

拓海「どっちだよ！？」

楓「あなたが本当に欲しいものは～、何かな～、ＳＡＹ！」

拓海「欲しいモノ…？　あー…強さ、か？」

楓「ＯＫ，強さ、カシミヤ～」

拓海「カシミヤ！？」

楓「カシミヤ～、霧島～、I wanna　beer～」

拓海「英語！？」

楓「beer～、市場～、相葉夕美、４位、Yes！」ｷﾒｯ

拓海「何なんだよこれ！？」

楓「向井さん」ｷﾘｯ

拓海「ど、どうしたんだよ。急に真面目な顔になって…」

楓「あなたは、これまでアイドルとしてやってこれた」

拓海「……」

楓「その過程の中で、自分を表現する術を既に手に入れているはずよ」

拓海「あ……」

楓「難しく考える必要はないわ。自分の感情を素直に表現すればいい…それだけよ」

拓海「自分の感情を…か」

拓海「ああ！　アタシ、やってやるぜ！」

楓「…いい顔に、なりましたね」

拓海「自分を素直に表現…それだけだ！」

楓「表現…」

楓「ＯＫ，表現、モルテン～」

拓海「！？」

楓「表現～、モルテン～、結城晴、レアル、Yes！」

拓海「帰れェェェ！」