男「……お前の存在を否定する」(9)

……ここは……どこだ?……

なんだ……夢にしては……変だな……

『…男』

……?……誰だ、お前……

『……貴方にこの力を差し上げます』

…おい、質問に答えろ……お前は誰だ

おいっ……あれ…居なくなった?……

男「ッ!?」ガバァ

…チュンチュン

男「……夢か」

男「……だよな……ハハッ、変な夢だったな」

男「…………」

男(…………力……か…)

男(……顔洗お)トテトテ

男「あ」

男(昨日、飯炊くの忘れたよ……)

男(しゃーない、行きにコンビニで買ってくか……)

男「……はぁ」

~~~~~~
~~~


カランカラン

男「……らっしゃいませー……二名でよろしいですか?」

客「あ、はい」

男「あー…喫煙席でよろしいですか?」

客「はい」

男「では、あちらの席に……」

~~~~~~
~~~


店員「男さん、休憩入っても大丈夫ですよ」

男「あ、そうすっか…じゃあ遠慮なく」スタコラ

~~~
~~

男「ふぃ~……疲れた」

店長「あ、男君居た居た」スタスタ

男「あ、店長」

店長「ちょっと男君、貴方ねぇ…何度言えば分かるのかしら」

男「な、なんですか?」

店長「なんですかじゃないわよ……接客の態度よ!なに?あのだるそーな接客の態度っ」

男「あー、はいはい…分かってますよ笑顔言葉使い感謝の気持ち」

男「てか、俺の仕事皿洗いの筈なんですけど?」

店長「貴方の容姿じゃ裏方よりホールでしょうが」

男「えぇー………」

男「あ、そうだ店長、俺来月からシフトを…」

店長「はいはい減らすんでしょ?ふざけんな」

男「えぇー……」

店長「貴方目的で来るお客もいるだから、売上げが下がるような真似はさせないわよ」

男「ここファミレスだよね?」

~~~~~~
~~~

男「やっとバイト終わったぁ……」

店員a「お疲れー あ、男君、この後食事行かない?」

男「ファミレスのまかない頂いたんでお腹一杯ですので遠慮しときます……てか、このあと俺……」

店員a「あぁ、学校だっけ?」

男「…はい」

店員a「定時制の学校だったよね?大変じゃない?夜から学校って」

男「…まぁ、慣れれば大丈夫です…」

店員a「……そっか、まぁ無理しないでね」

男「あ、はい」

店員a「………じゃ、バイバイ」ノシ

~~~~~~
~~~

男「ふぁ………眠……授業だるいかったなぁ……」スタスタスタ

男(……中学時代、いじめられてから学校に行かなくなって…ひきこもるようになって…)

男(……死にたい死にたい思ってたけど……無事、なんとかまだ生き続けられてる…)

男(カウンセラーの人に定時制の高校進められてから、次第に自分も落ち着いてきて…一昨年、なんとか受験で受かって、高校から、また新しい道へ進もうとしたけど……)

男(なんていうか、まぁ……人生うまく行かないよな……)

男(昼間は働いて、夜は学校……両立してやるのは大変だな……)

男(それに、学校が家から遠いからって、親に学校の近くのアパートで一人で暮らしたい……なんて頼んで現在は一人暮らし……)

男(炊事洗濯家事…………)

男(……はぁ…)



バキィ……グシャアッ……

男(……?なんの音だ?………それに、少し生臭い臭いが……)スタスタスタ

男「……確か、この道の角の向こうで音が………」スタスタスタ

男(………なんだ……)ヒョイ

男(ッア!?!)

???「ジュルジュル………ァムッ……ンヂャンチャ」ムシャムシャ

男(………な…なんだ………今の………嘘だろ)ガクガクブルブル

男(………バ、バケモノが……ひ、人を喰ってる……)ガクガクブルブル

男(ヤバイ………に、逃げなきゃ)グルン

カランカラン!


男「!?(ヤベッ!!)」

???「?…………ヴヴ」ドスッドスッ

男(…ッ!!こっちに向かってる……)

男(逃げないとッ!!)ダッ

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