終わりのセラフss
原作のネタバレは含まない方向で
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優一郎「おいミカ、お前どうしたんだよ」
ミカエラ「どうしたもこうしたもないよ。僕たちは家畜じゃないんだよ?毎日毎日血を採られてさ」
優一郎「いやでも、お前は頭を使って生活しろって言ってたじゃねーかよ」
ミカエラ「ものには限度があるんだよ優ちゃん。もう堪忍袋の緒が切れたよ」
優一郎「何をするんだよ」
ミカエラ「フェリド様の料理にニンニクをぶちこんでやる」
優一郎(あぁ、ミカは疲れてるんだな)
ミカエラ「昔からよく言うでしょ?ニンニクは吸血鬼の弱点だって」
優一郎「人に頭を使えっていうわりにはお前も迷信じゃねーかよ」
ミカエラ「昔からそう言うんだから間違いないよ。それにニンニクならフェリド様の家にも置いてあるだろうし」
優一郎「どうやって入れるんだよ」
ミカエラ「うるさいなぁ。じゃあ他に何かあるの?」
優一郎「なんでキレるんだよ!?えーっと、……銀で焼いたりとか?」
ミカエラ「はぁ……これだから優ちゃんは」
ミカエラ「貴族の家だから銀細工とかも沢山あるし、食器も銀食器だからそんなの意味ないに決まってるじゃん」
優一郎「行ったことねーから知らねーよ!!」
ミカエラ「まぁ、そんなことはおいといて」
優一郎「お前マジでぶん殴るぞ」
ミカエラ「優ちゃん、僕より弱いのに無理に決まってるじゃん」
優一郎「うるせぇ!俺だって鍛えてるんだ!もう負けたりしねーよ!」
ミカエラ「ふーん」
優一郎「信じてねーな!?クソッ、覚悟そろよミカっ!」
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ミカエラ「でさ、話の続きなんだけど」
優一郎「お前、本当に血を吸われてんのか?」ボロッ
ミカエラ「優ちゃんよりも多くね」
優一郎「次は絶対に負けねーからな!!」
ミカエラ「……強い優ちゃんもステキだな」ボソッ
優一郎「なんかいったか?」
ミカエラ「まだまだ先は長いっていったんだよ」
優一郎「んで、そのニンニク作戦はいつ決行するんだ?」
ミカエラ「明日、フェリド様からまた誘われてるからその時に」
優一郎「お前!そんなのバレたら逃げられないじゃねーか!」
ミカエラ「大丈夫だよ。優ちゃんと違って僕はしっかりと作戦立ててるしー?」
優一郎「……本当に大丈夫なんだよな?」
ミカエラ「ん?心配してくれるの?」
優一郎「当たり前だろ!その、俺たちはか、か家族なんだから……」
ミカエラ「優ちゃん…」キュン
ミカエラ「じゃあ僕はもう寝るから」
優一郎「飯は食わねーのか?」
ミカエラ「うん!僕の分は皆で分けて!」
優一郎「分かった。茜には伝えておく」
ミカエラ「ありがとう優ちゃん。大好きだよ」
優一郎「何いってんだよ、気持ちわりーなぁ」
ミカエラ「えへへへ」
優一郎「変なこと口走ってるくらい疲れてんだからさっさと寝ろよ」
ミカエラ「はーい!おやすみ優ちゃん」
優一郎「はいはい、おやすみおやすみ」
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優一郎「で、結論からいうと」
ミカエラ「うん、失敗しちゃった!」テヘッ
優一郎「本当に実行してんじゃねーよこの馬鹿!」
ミカエラ「優ちゃんにだけは馬鹿って言われたくないでーす」
優一郎「うるせぇ馬鹿!心配させるな!」
ミカエラ「大丈夫だよ、僕はドジ踏まないから」
優一郎「そういう話じゃねぇよ!」
ミカエラ「……優ちゃんや皆が待ってるからね絶対に帰るよ」
優一郎「…ったくよぉ」
ミカエラ「それにしてもまさかニンニクが効かないなんてさ」
優一郎「昨日も聞いたけど、なんでいけると思ってんだよ」
ミカエラ「だーかーらー、古き知恵に頼ったんだよ」
優一郎「古すぎてカビが生えてる知識じゃん」
ミカエラ「まったく困ったもんだよね」
優一郎「お前は……」
優一郎「そのフェリドっていう貴族は本当に何ともなかったのか?」
ミカエラ「え?」
優一郎「だから、少しも様子が変わらなかったのかって聞いてんだよ!」
ミカエラ「うーん、見た感じ痩せ我慢してるわけでもなさそうだったよ」
優一郎「そっか……」
ミカエラ「あ、でも!」
優一郎「少しは効いてたのか!?」
ミカエラ「(物理的に)効くというより……」
フェリド『フフフ、ミカ君。僕のお料理にニンニクを入れちゃうだなんて』
フェリド『誘ってるということでいいんだよねぇ?』ペロリ
ミカエラ「てな感じで凄く(性的に)効いてたなぁ」
優一郎「大丈夫じゃねーだろそれ!?」
ミカエラ「で、でも!一晩中僕の首筋を舐めて来たけどそれ以外はされなかったよ」
優一郎「血を吸われまくったとかじゃねーよな?」
ミカエラ「うーん、……分かんないや!」
優一郎「いやいや、自分のことなんだから分かれよ」
ミカエラ「……じゃあさ、優ちゃん」
優一郎「なんだよ」
ミカエラ「僕の首筋を見てくんない?吸われてないかどうかさ」ペロン
優一郎「嫌だよ!」
ミカエラ「あーあ、優ちゃんが見てくれないから僕は知らない内に血を吸われまくって死んじゃうんだー」
優一郎「縁起でもねぇこと言うな!」
ミカエラ「じゃあ、見てくれるよね?」
優一郎「うぅ…」
ミカエラ「じーっ」
優一郎「分かったよ!見れば良いんだろ!?」
ミカエラ「そうだよ。最初からそういってるじゃん。やっぱり優ちゃんは馬鹿だなー」
優一郎「お前は絶対ぶん殴る」
優一郎「どこら辺だよ」グイッ
ミカエラ「あぁん!優ちゃん乱暴だよ」
優一郎「気持ちわりー声出すな馬鹿!」
ミカエラ「僕もうお婿にいけないよ」
優一郎「そうだな、今ここで[ピーーー]ばそんなこと一生なくなるな」
ミカエラ「冗談なのに」
優一郎「ふんっ」ゴチン
ミカエラ「痛っ!?優ちゃんと違って僕は石頭じゃないんだけど」
優一郎「少し黙ってろ」
ミカエラ「はーい」
優一郎「……特になにもねーぞ」
ミカエラ「当たり前だろ?僕は優ちゃん以外には身体を許さないよ」
優一郎「本当に何を言ってるんだお前は」
ミカエラ「前も後ろも優ちゃんの為に初めてはとってあるから安心してね」
優一郎「俺にはミカが何を言ってるのかさっぱりわからねぇから」
ミカエラ「えっ、優ちゃんも僕の為に初めてはとっておいてくれてるんでしょ?」
優一郎「ミカ、今日から寝るときはお互いに端と端で寝よう」
ミカエラ「優ちゃんには冗談が通じないなぁ。僕はつまらないよ」
優一郎「一瞬目がマジだったくせに何を言ってるんだ」
ミカエラ「よし、それじゃ次の吸血鬼ぶっころ計画について考えようか」
優一郎「露骨に話題を変えるな。そしてもうそれは辞めろ!」
ミカエラ「いやいや、まだまだやるよ?次こそは絶対にぶっころなんだから!」
ミカエラ「ニンニクはダメ、銀は効かないとすると」
優一郎「あとは棺で寝てる時に心臓に木の杭を打つんだろ」
ミカエラ「木の杭か、そんなもんないからな」
優一郎「ならさっさと諦めろよ」
ミカエラ「……いや、用意出きるかもしれないよ」
優一郎「どこにも木なんて生えてねーだろ」
ミカエラ「優ちゃん発想は柔軟に、だよ」
優一郎「は?」
茜「あ、二人とも見つけた!もー、皆ご飯待ってるよ!」
ミカエラ「あーごめんごめん」
優一郎「わりぃ、今いくから」
茜「二人でなんのお話してたの?」
優一郎「ミカが馬鹿みたいなこといってたんだよ」
茜「あははは、優ちゃんじゃないんだからミカがそんなこと言うわけないじゃん!」
ミカエラ「ハハハ、だよねー。もう優ちゃんだら何いってんだよ」
優一郎「なんでだよ!?」
ミカエラ「うーん、日頃の行いかな?」
茜「ほら二人とも早く!皆お腹すかせてるから」
ミカエラ「ごめんね、よし急ごうか」
優一郎「スッゲー納得いかねぇ」ブツブツ
ミカエラ「ご馳走さまでした」
皆「「「ごちそーさまでした!」」」
ミカエラ「片付けは僕がやるから皆は早く寝なよ」
茜「えー、でもミカは疲れてるでしょ?私がやるからミカこそ寝なよ」
ミカエラ「僕は大丈夫だから。ね?」
優一郎「俺が手伝ってやるよ。そうすりゃ早く終わるだろ」
茜「うーむ、優ちゃんが手伝うと何だか終らなさそう」
ミカエラ「それはいえてるかもね」
優一郎「なんなんだよお前ら!」
ミカエラ「冗談だよ優ちゃん。ほら、優ちゃんが手伝ってくれるみたいだから茜ちゃんは寝なよ」
茜「…うん。優ちゃん、ミカの邪魔しちゃダメだからね!」
優一郎「するかぁ!!茜はさっさと寝ろ!!」
ミカエラ「優ちゃん、皆が寝れないなら静かにしてよね」
優一郎「うっ、わりぃ」
茜「フフフ、じゃあ二人ともおやすみなさい」
優一郎「おいミカ、洗い物はもうないのか?」
ミカエラ「優ちゃんが洗ってる奴で最後だよ」
優一郎「わかった」カチャカチャ
ミカエラ「……なんかこうして並んでるとさ」
優一郎「ん?」
ミカエラ「僕たちって夫婦みたいだよね///」
優一郎「ふんっ!」ゲシッ
ミカエラ「痛っ!足踏まないでよぉ!」
優一郎「次は脛だからな」
ミカエラ「本当にいじわるだよね」
優一郎「今のはお前が悪い」
ミカエラ「そんなことないよ」
優一郎「そんなことしかねーよ」
ミカエラ「ああいえばこういう」
優一郎「ふんっ!」
ミカエラ「おっと」ヒョイ
優一郎「避けんな!」
ミカエラ「嫌だよ、痛いし」
優一郎「なんで脛蹴るってわかったんだよ」
ミカエラ「だってさっき優ちゃんがいってたから」
優一郎「なんでそこは信じてるんだよ!」
ミカエラ「僕は優ちゃんのことをずーっと信じてるよ?」
優一郎「な、なんだよ急に」
ミカエラ「僕は優ちゃんのことを信じてるから」
優一郎「ん……」
ミカエラ「いつか吸血鬼を倒してここから皆で出るって優ちゃんのことずっと、ずーっと信じてる」
優一郎「///」
ミカエラ「だから今日は一緒に寝よ?」
優一郎「なんでそえなるんだよ!?」
ミカエラ「……僕だって人肌恋しくなるさ」
優一郎「ミカ……」
ミカエラ「だからお互いに裸で温まろう!」
優一郎「くたばれ」ゴン
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茜「うーん、よく寝た。……あれ、ミカは?」
優一郎「ミカなら下で寝てるよ」ヒョイ
茜「あ、優ちゃんおはよう。なんで下で寝てるの?」
優一郎「ミカの持病が悪化したから下で簀巻きにしてある」
茜(ミカに持病なんてあったっけ?)
〈オーイ、ホドイテヨー!ユウチャーン
優一郎「ほどかなくていいからな」
茜「え?でも可哀想だよ」
優一郎「これはミカの為なんだ」
〈ユウチャーン
茜「わ、わかった」
〈モレチャウヨー
優一郎「好きに漏らせよ!」
〈ユウチャンガショリシテクレルノ!?
優一郎「自分でやれ!」
茜(後でほどいてあげなきゃ)
ミカエラ「まったく、危うく漏らす所だったよ」
茜「ミカは何をしたの?」
ミカエラ「ちょっと優ちゃんをからかっただけだよ。いつも肩肘張ってるからね」
茜「そっか……確かに優ちゃんも息抜きが必要だもんね!」
ミカエラ「そうそう、無理して倒れられても困るからね」
茜「それはミカもだからね!」
ミカエラ「わかってるよ。僕たちは家族なんだから、心配は掛けないし何かあったら家族を頼るよ」
茜「うん、それならよし!それじゃ今日も1日頑張ろうか」
優一郎「おい、茜…って、なんでミカをほどいてるんだよ!!」
茜「だって可哀想じゃない!それにトイレって言ってたし……」
ミカエラ「もしかして優ちゃんは僕が漏らしてる所をみたかったの?」
優一郎「んなわけあるか!」
茜「ふーん、いつも勝てないからってそういうことするんだー」
優一郎「だから俺の話を聞けよ!?」
ミカエラ「冗談だよ、優ちゃん」
茜「本当に優ちゃんは簡単に引っ掛かるよね」
優一郎「うがぁぁぁ!お前ら、今日という今日は許さん!!」
ミカエラ「うわーっ!優ちゃんが怒ったー」
茜「逃げろー」
優一郎「まてコラー!」
優一郎「クソッ……」ゼーゼー
ミカエラ「に、逃げきったぞ」ハーハー
優一郎「疲れた、アホらしい」ゼーゼー
ミカエラ「確かに優ちゃんはアホだよね」アハハ
優一郎「ミ~カ~?」ニッコリ
ミカエラ「じょ、冗談だよー」
優一郎「もお前なんかう知らね!ふん!」
ミカエラ「ごめんってば優ちゃん!お詫びに良いもの見せるから」
優一郎「……なんだよ、良いものって」
ミカエラ「待ってね。今ズボン脱ぐから……」
優一郎「……この石でいいか」ヒョイ
ミカエラ「違う違う!ふざけてないよ!危ないからズボンの内側にいれてるだけだよ!」
優一郎「じょーだんだよ、じょーだん」ポイッ
ミカエラ(目が笑ってないよ)
優一郎「早くしろよ」
ミカエラ「んーと、あった。これだよ」
優一郎「なんだよ、それ。……割りばし?」
ミカエラ「その通り。ただし、先は鋭く尖っていまーす!」
優一郎「なんだよそれ、刺さったら危ないだろ」
ミカエラ「これを杭の代わりに心臓に突き刺します。材料は同じ木だから大丈夫だよね」
優一郎「ミカ……」
ミカエラ「どうしたの?」
優一郎「今日と明日は休め。その分俺が働くから」
ミカエラ「きゅ、急にどうしたのさ!?」
優一郎「疲れでミカの頭は馬鹿になってるだけだ。だからしっかり休め!」
ミカエラ「疲れてないし、僕なりにしっかり考えたんだけど」
優一郎「そっか、ならミカの頭はもうダメなんだな。血を吸われ過ぎたんだ。そうに違いない」
ミカエラ「それをいうなら優ちゃんもおんなじだよ。いつもいつも吸血鬼ぶっころすって叫んでるしさー」
優一郎「俺はいいんだよ!」
ミカエラ「良くないでしょ。結構目をつけられてるし。その点僕は普段はしっかりしてるから特に問題ナッシング」
優一郎「俺が普段から問題ありみたいじゃねーか!」
ミカエラ「いやいや、実際そうでしょ?僕が何回庇ってると思うの」
優一郎「うっ……」
ミカエラ「これで成功すれば、僕たちは自由になれるんだ」
優一郎「でも、それじゃお前だけが危ない目に遭うじゃねーか!」
ミカエラ「僕は大丈夫だから、心配しながら皆で待ってて」
優一郎「……そこは普通心配しないでだろ」
ミカエラ「皆が僕のことを考えてくれてるだけで元気もりもりになるんだよ」
優一郎「ミカ…」
ミカエラ「あ、でも優ちゃんのことを思うと股間がもりm」
優一郎「よし、さっさといってこい!」
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優一郎「言わなくていい。その顔を見れば分かる」
ミカエラ「うん、大誤算だった」
優一郎「なんで失敗したんだ?」
ミカエラ「うん、フェリド様って寝るときベッドだった」
優一郎「棺で寝てねーのか。初めて知った」
ミカエラ「ベッドで寝てる時に杭「割りばしな」……杭を打っても効くかわからないし、何より隙がないよ」
優一郎「そりゃ隙なんてねーだろうな。そこら辺の雑魚吸血鬼より強いんだろ?」
ミカエラ「優ちゃん雑魚吸血鬼とかいってるけど、その雑魚にもまだ勝てないよね」
優一郎「いいんだよ!いつか倒すんだから!で、どうなんだよ」
ミカエラ「確かに部下が反逆したりしないから実力はあるんだと思うけど……」
優一郎「やっぱり無理だったんだよ。もう諦めろよ」
ミカエラ「あと少しなんだよ!あと少しで何とかなるんだ」
優一郎「お前、何を焦ってんだ?」
ミカエラ「焦ってないよ。時間もないけど…」
優一郎「何があるんだよ」
ミカエラ「優ちゃんには秘密。いったら優ちゃんの態度で何かあるってすぐバレちゃうもの」
優一郎「失礼だな!そんなことねーよ!」
ミカエラ「そんなことありますー」
優一郎「ぶっ飛ばすぞ!?」
ミカエラ「でもやらないんでしょ?優ちゃんへ優しいからね」
優一郎「ふんっ!」ゲシッ
ミカエラ「痛っ!?」
優一郎「俺は優しくなんかねーよ」
ミカエラ「もう、照れ隠しならもっと優しくしてよねー」
優一郎「うるせぇ!俺は先に帰るからな!」
ミカエラ「はーい、寄り道しちゃダメだよ?」
優一郎「するか!」
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ミカエラ「吸血鬼には他の弱点ないのかなぁ」
優一郎「まだその話なんだ」
ミカエラ「当たり前だろ?やられっぱなしじゃ堪らないよ」
優一郎「お前も負けず嫌いだな」
ミカエラ「優ちゃんみたいにしょっちゅう負けてるわけじゃないし、その少ない負けが悔しいんだよ」
優一郎「そんなに負けてねーよ!」
ミカエラ「それは説得力ないよ優ちゃん」
優一郎「お前、水路に落とすぞ」
ミカエラ「僕は泳げるから問題ナッシングです」
優一郎「錘でもつけて沈めるか……」
ミカエラ「……そっか、沈めるのか」
優一郎「冗談だよ。だいたい俺がそんなこと一人で出きるわけねーよ」
ミカエラ「優ちゃん流石だよ!吸血鬼は水に沈むから水路に落とせばいいんだよ」
優一郎「突き落とすなんて無理だろ。あいつらの身体能力なら水路も飛び越えるだろうし」
ミカエラ「なら水繋がりで吸血鬼に聖水をかけるとか」
優一郎「聖水なんてねーだろ。作り方も知らねーし」
ミカエラ「……優ちゃんの聖水」ボソッ
優一郎「なんだよ、聞こえねーぞ?」
ミカエラ「何もいってないよ」
優一郎「もう他に案なんて浮かばねぇだろ」
ミカエラ「なんでそこで優ちゃんが勝ち誇った顔をしてるのさ」
優一郎「いつもお前に負けてるからこういう時くらいいいだろ」
ミカエラ「自分で言ってて悲しくならないの?」
優一郎「うるせぇ!」
ミカエラ「優ちゃんはもっと語彙を増やしなよ。やっぱり生き残るには頭がないとね」
優一郎「俺は体力担当だから、そこら辺はミカに任せる」
ミカエラ「その体力や力でさえ僕に負けてるのに」ハァ
優一郎「今に見てろ!すぐに追い越してやる!」
ミカエラ「はいはい、僕がおじいちゃんになる前によろしくね」
優一郎「…修行してくる」
ミカエラ「この前みたいにヘロヘロになって倒れないでよね?連れて帰るの大変なんだからさぁ」
優一郎「わかってるよ!」
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優一郎「俺は強くなって吸血鬼どもをぶっころす…。そのためにも強くならなきゃいけない!」ブン!
優一郎「取り敢えず、今日の素振りは終了っと」ハァハァ
ミカエラ「優ちゃん終わった?もうそろそろご飯の時間だよー」
優一郎「あぁ、今いく!」
ミカエラ「それで?強くなれそう?」
優一郎「今はわかんねーけど、いつか必ず奴らを滅ぼしてやるくらいには強くなる!」
ミカエラ「そっか……」
優一郎「なんだよ、元気ねーな」
ミカエラ「優ちゃんの顔見てたら力抜けちゃったよ」
優一郎「うるせぇ!…心配して損したぜ」
ミカエラ「まぁまぁ、夕御飯でも食べて落ち着きなよ。イライラしてるけどカルシウム足りてる?」
優一郎「原因は全部お前のせいだよ!」
ミカエラ「そっかぁ、それじゃ優ちゃんは原因の僕が作った今晩のカレーはいらないよね?」
優一郎「はぁ!?誰もそんなこといってねーだろ!」
ミカエラ「いやぁ、残念だなぁー。一生懸命作ったのに」チラッ
優一郎「だからそんなこといってねー!!」
ミカエラ「フフフ、じょーだんだよー。」
優一郎「ミ~カ~!!」
ミカエラ「よーし、家まで競争だよ!」
優一郎「あ、まてコラ!」
ミカエラ(あのね、優ちゃん。きっと僕には吸血鬼を倒すことなんて出来ない……。でも優ちゃんなら、絶対に出来るって信じてるから)
ミカエラ「さぁ、帰ろう優ちゃん。皆が待ってる」
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ミカエラ「行って……優ちゃん……。地図の通り…なら…出口は……すぐ…」
優一郎「ふざけんな!!ミカも一緒に行くんだ!!一緒に…!!」
ミカエラ「行って……早く……僕たちを……無駄に…しないで……」
優一郎「い……嫌だ…」ポロッ
ミカエラ「……」
優一郎「俺の………家族……やっと……やっと手に入れたのに……」
ミカエラ「……っ!」
優一郎「置いてなんかいけるか……!」
ミカエラ「行けよ早く!!!バカ!!!」
ドンッ
優一郎「……くっ」ダッ
ミカエラ「……バイバイ、優ちゃん…」
________________________
優一郎「なぁ、グレン」
グレン「中佐くらい付けろよクソガキ」
優一郎「俺はクソガキじゃねぇ!!」
グレン「ふーん……で?なんだよ」
優一郎「グレンは吸血鬼の弱点って知ってるか?」
グレン「あぁ?なんだよ急に……知ってるに決まってんだろ」
優一郎「……だよな」
グレン「本当にどうしたんだクソガキ」
優一郎「吸血鬼の所にいるとき、家族だったミカが吸血鬼を倒すって色々やってたんだ。ニンニクやったり、木の杭を用意したり」
グレン「ほぅ……」
優一郎「結局どれも効かなかったけどよ」
グレン「だろうな。今のところ奴らに有効かつ実用的なのは鬼呪装備くらいだ」
優一郎「でも、あいつはきっとそれを俺のためにやってた。今ならわかる」
グレン「……」
優一郎「理想だけを語ってた俺に現実を見せてきた……。だから、今度こそ理想じゃなくて現実で、奴らをこの手で滅ぼしてやる!!」
グレン「……お前がまだクソガキのうちは無理だ」
優一郎「……俺は強くなりたい!!ミカの……家族の仇をとるために!!」
グレン「……復讐心だけで暴走して自滅するぞ」
優一郎「だから!!」
グレン「……」
優一郎「だから……俺を鍛えてくれ!!」
グレン「いやだね」
優一郎「なっ!?」
グレン「こうみえても俺は忙しいんだよ。クソガキの世話なんかしている暇はない」
優一郎「……くそっ!!」
グレン「……だからな、しばらくしたらもう一度だけ聞く。そしてお前が奴らと戦うのに使えるんだったら、その時は改めて使ってやる」
優一郎「……約束だからな!?」
グレン「あー、もうめんどくせーな……これだからクソガキの相手は……」
優一郎「だから俺はクソガキじゃねぇ!!」
グレン「……クソガキじゃないんだったらなんなんだよ」
優一郎「俺は……俺の名前は」
優一郎「"百夜"優一郎だ!!」
以上で終わりです
アニメのセラフも始まったので、これからちょくちょくセラフネタを書きたいと思います。
HTML化だしてきます。
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