ハス太「三日前はフォークシールドが出来るようになって今度はそれ? いきなり強くなりすぎじゃない?」
真尋「成長期だからごく自然だろ?」
ハス太「人として不自然だよ」
真尋「母さんは邪神ハンター、僕の周りにはお前達邪神がいる、今更不自然なのも仕方ないだろ」
ハス太「自分の特異性を周りのせいにするのはよくないよっ」
真尋「とにかくいつも通り技を見てくれ、客観的に見てくれる人がいないと自分の技がどれほどなのかわからない」
ハス太「確かに今のまひろくんにたりないのは客観性だねっ」
ハス太「でもそれならニャル子ちゃんの方がいいんじゃない?」
真尋「心配をかけそう」
ハス太「そっか」
真尋「まずはフライングフォーク」シュッ
木「ひでぶっ!」ザクッ
ハス太「前より威力があがったねっ、木がへし折れたよ」
真尋「さらに普通のフォークだとこんな感じだ」シュッ
木「うわばらっ!」ドカアァァン
ハス太「木っ端微塵どころか今度は跡形もなく灰になったねっ」
真尋「もちろんこれで連射可能、連射しすぎてフォークを切らす事が多い」
ハス太「でも誤射したら危ないよっ」
真尋「大丈夫、僕の腕前はそんなヤワじゃない、たとえ対象以外に当たったとしても、その威力は素人が投げたフォークと同等になるよう工夫してるから心配いらないよ」
ハス太「さらっとおかしな事いってるよね……」
真尋「ほら、連射すると外れたフォークは地面に刺さる場合がある、この技術がないと大地がえぐれて自分の足場がなくなるだろ?」
ハス太「ちがう、そうじゃない」
真尋「続いて0フレームで放てるようになったレッグフォーク!」シュッ
木々「「たわばっ!」」ドガドガドガッ
田中「ぐはっ!」バタッ
田中の妹「何……だと……」
田中の弟「もしもし! 病院ですか! 散歩してたら横から衝撃波がうちの兄貴に刺さって!! はい、毎度おなじみの田中です!」
真尋「すごい貫通力だろ?」
ハス太「何で毎回田中くんは通りすがっているのかな?」
真尋「そしてキャノンフォークだ、……どりゃ!」シュッ
木々「「わひゃら!」」ドガドガッ
ハス太「レッグフォークと結構な破壊力だねっ、でもレッグフォークより威力が少ないかな?」
真尋「確かに、言われて気付いたよ、元々パンチよりキックのほうが得意なのが原因かな?」
ハス太「フライングフォークの上位種でしょ、フライングフォークの威力を高めないとまともに扱えないんじゃない? 溜めるのにも時間がかかってるよね」
真尋「ああ、エネルギーを発射させるタイプの技は身体に負担がかかる、とくにカロリーが足りなくなるし筋肉痛にまでなる」
ハス太「最近ニャル子ちゃんばりの食欲になってたのはそれがげんいんなんだ」
真尋「当分はレッグフォークとフォークで事足りればいいな」
ハス太「そうだ、キャノンフォークってフライングフォークがスイミーした技だよね」
真尋「そうだよ、ってかスイミー?」
ハス太「普通のフォークでキャノンフォークを使えないかな?」
真尋「なるほど、その手があったか」
ハス太「まぁ、なんということだろう」
真尋「今あるだけのフォークをすべて集中させて出来たキャノンフォーク」シャキン
ハス太「どういう原理で固めたのかよくわからないけど、簡単に振り回せてるね」
真尋「かなりの威力があるはずだ、さっそくためすか」ゴゴゴゴゴッ
ハス太「……」
真尋「よし、いくぞ……」ゴゴゴゴゴゥ
ハス太「……」
真尋「キャノンフォー――」
ハス太「それ以上いけない!」
真尋「?」
ハス太「さっきまでのキャノンフォークはフライングフォークの威力が少なかったから惨事はまぬがれたけど、これは嫌なよかんしかしないよっ」
ハス太「そのフォークからまがまがしいにおいがする、ぜったい大惨事だよっ!」
真尋「いや、人間がでかいフォーク投げたくらいで惨事になるわけないだろ?」
ハス太「今まで演習で自然破壊した人がなにをいっているのかな?」
ぬーこ「おっ、今日も練習捗ってるねぇ」
真尋「高原さん、こんばんは」
ぬーこ「それと琥太郎くん2Pカラーくんだっけ?」
ハス太「ハス太です、わざとでしょ、もぅ」
ぬーこ「てへぺろっ」
真尋(高1の息子を持つ1児の母親が『てへぺろっ』はねぇだろ)
ぬーこ「何か失礼な事考えなかった?」
真尋「決してそんな事はございません」
ぬーこ「そうだ、明日トロルコング捕まえに行くけど一緒に来る? 1匹脱走したらしいのよ」
真尋「お願いします」
ハス太「また負けに行くの?」
真尋「縁起でもないこと言うな」
次の日
真尋「何で毒蛇投げてくるんだ、何であんなに素早いんだ、なんで落とし穴があるんだ、なんで腕が4つあるんだ、カイリキーかあいつは」
ハス太「予想通りボロボロだね」
真尋「お前に勧められたフォークによるキャノンフォークを試そうとしたがまとめるのに時間がかかりすぎてその隙にやられた」
ハス太「もぅ、ニャル子ちゃんがものすごく心配してたよ、もうやめたら?」
真尋「まだ……大丈夫、自分の身は自分で守れるくらいに強くなりたい」
ハス太「その気持ちはわからなくないけど……これ以上ニャル子ちゃんを心配させる気?」
真尋「……」
ハス太「まひろくんはニャル子ちゃんをしんらいしていないの?」
真尋「なっ!」
真尋「そんなわけないだろ!」
ハス太「どんな事件でもニャル子ちゃんが助けてくれたよね、ニャル子ちゃん1人の手に負えなかったとしてもぼくやクー子ちゃんがいるでしょ」
ハス太「おとこらしく……強くなっておんなのこを守りたい気持ちはわかる、でもそれがどんなにきけんでニャル子ちゃんを心配させるのかりかいしてる?」
ハス太「正直、どうしてそこまで強さをもとめるのか、訳がわからないよっ」
真尋「……」
真尋(ハス太達は知らない、以前自分達が一度死んだ事)
真尋(またニョグ太のように僕の体質目的の邪神がくるかもしれない、穏健派がそれを阻止してくれるはずだがそれも殺意が沸くドジッ子と元過激派じゃ正直信頼できない)
真尋(今更だがあの組織は相当な人材不足じゃ……)
真尋(もし同じような事がまた起きた時、1人で行動しなければならない事がある)
真尋(今の僕にそれほどの強さはない、でも……)
真尋「信頼はしてる、けど……それに甘んじるつもりはない」
ハス太「……」
真尋「まだ強くなれる、邪神ハンターの件で僕と同い年の邪神ハンターに会った、あいつは平気で獲物と渡り合えてた」
真尋「僕はまだ自分の限界に達していない、今まで受身な自分じゃなくもっと積極的になりたいんだ」
ハス太「じゃあその積極性をニャル子ちゃんの前に出しなよ」
真尋「……どういう事?」
ハス太「投擲術の練習とかでニャル子ちゃんのあいてをできてないでしょ? ニャル子ちゃんのもろい面を守るおとこになるんじゃなかったの?」
真尋「……あ」
ハス太「もうっ、いちばんたいせつなものを忘れちゃだめだよっ」
真尋「……そうだな、今日はたっぷりニャル子と一緒にいるよ」
ハス太「そうだね、クー子ちゃんはぼくとシャンタッ君が阻止しておくから頑張ってねっ」
ハス太「そうだ、今回も使う? レッグフォークの時名前を間違えていた事でおなじみのハストゥール製薬の精力増強ドリンク」
真尋「ありがたくもらうとして少し問題が……」
ハス太「ふぇ?」
真尋「今まで邪神ハンターとしてまったく成果を出せなかった事を高原さんに相談したら高原さんの幼馴染から空手を習う事になってさ……」
ハス太「あー、明日からニャル子ちゃんと一緒にいる時間が少なくなっちゃう?」
真尋「そうなんだ、もしニャル子がそれでクー音が来た時のようになったら……その……励ましておいてくれないか?」
ハス太「別に良いけどその間にクー子ちゃんに寝取られてもしらないよ」
真尋「気をつけるよ、いろいろありがとな、ハス太」
ハス太「だってまひろくんより年上だもんっ、年上はしっかりしなきゃ」エッヘン
真尋「そうだったな、それだと呼び捨てはおかしい、今度からハス太兄さんって呼んだ方が――」
ハス太「!」ガタッ
真尋(あ、すごく目を輝かせてる、やっぱりニャル子が記憶喪失になった時のようにお兄ちゃんになりたい願望があるのか?)
ハス太「もういっかいいって!」キラキラ
真尋「え……ハス太兄さん」
ハス太「もっともっと!」ピョンピョン
真尋「ハス太兄さん、流石ハス太兄さん、さす兄」
ハス太「うんうん!」
ハス太(それはそれとして、もしかして強さに執着する理由、『男らしく』とかじゃなくて別の心配があるのかな?)
二日後
真尋「えらい事になった」
ハス太「どうしたの?」
真尋「昨日空手習いにいったら、高原さんの息子である耕平と居合わせたから、邪神ハンターの話したら……」
ハス太「邪神ハンターのことしらなかったとか?」
真尋「そう、しかも前々から疑問に思っていたらしくその件で点と点が線で繋がり混乱した勢いでフライングナイフ覚えて、今グレてるらしい」
ハス太「グレるのは仕方ないとして勢いでフライングナイフ覚えるのはどうかとおもう」
真尋「それが原因で耕平の幼馴染2人に殺されかけた」
真尋「まさか対人戦でフォークシールドを使うとは思わなかったよ」
ハス太「ぼくはまひろくんがレッグフォークやキャノンフォークを習得するとはおもってなかったよっ」
完
逢空万太作品で兄と良好な関係を築いている可能性が存在する妹キャラが田中の妹だけという事実
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