艦これっs (32)


・二人のお姉ちゃん


長波「ん? こんなところで何してんだ、島風?」

島風「あ、長波ちゃん……」

長波「さてはまた天津風と喧嘩したのか?」

島風「べ、別に喧嘩とかしてないもん! それより長波ちゃんこそなんでここにいるの?」

長波「あたしか? あたしはただの散歩だよ……隣座るぞ」

島風「あ、うん」

長波「んー……潮風が気持ちいいな」

島風「……」

長波「なあ、島風? お前は天津風のことどう思ってる?」

島風「えっ? ……ど、どうって?」

長波「そうだな、あたしの場合は天津風のことを同じ艦隊で戦う仲間で大事な戦友だと思ってる。もちろん、天津風だけじゃなく、他のみんなもだ」

島風「仲間……」

長波「そして、その中でも同じ姉妹艦である夕雲たちのことはまた特別で他のみんなとはまた違った感情を持ってる……まあ、いわゆる『家族』みたいなものだな」

島風「『家族』…………で、でも、私には天津風ちゃんや長波ちゃんと違って姉妹艦なんていないもん!」

長波「ああ、たしかに島風にはあたしたちと違って姉妹艦はいない。でもな、島風。『家族』ってのは別に姉妹艦である必要はないんだよ」

島風「……えっ?」

長波「だってあたしはお前のことを大事な友達であると同時に大切な『家族』だと思ってるからな」

島風「え、えぇ!? わ、私が長波ちゃんの『家族』!?」

長波「ああ、そうだ。あたしはお前のことを夕雲たちと同じくらい大切で特別だと思ってる……そうだな、手の掛かる『妹』ってところだな」

島風「私が『妹』……って、手の掛かるってどういう意味!?」

長波「はは、そのまんまの意味だよ……それで、もう一度聞くが、お前は天津風のことをどう思ってるんだ?」

島風「……天津風ちゃんは私の大切な友達で私の…………お、お姉ちゃんだと思ってる……よ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428101569


長波「そうか、なら大好きなお姉ちゃんと喧嘩したんだから、ちゃんと仲直りしないと駄目だよな?」

島風「う……で、でもぉ……」

長波「あのな、島風。あたしは喧嘩すること自体はいいと思うんだ」

島風「え、いいの……?」

長波「ああ、物言わぬただの艦(ふね)だった頃にはそうやって喧嘩することも出来なかったからな。こうして心と身体を持った以上、たまには全力でぶつかったほうがいいんだよ」

島風「うん」

長波「むしろ、大事なのは喧嘩した後だ。喧嘩したまま仲直りをせずに過ごしてるとどんどん仲直りしづらくなる。特にあたしら艦娘は戦場に出る関係上、別れとは常にとなり合わせだからな。運が悪いと仲直りできないまま別れて一生後悔することもあるかもしれないんだ」

島風「……うん」

長波「だから、喧嘩したら謝れるうちに謝って仲直りするのがいいんだよ……わかるだろ、島風?」

島風「うん……うん……っ!」ギュウッ

長波「って、ちょっと説教くさくなっちまったか……ごめんな、島風」ナデナデ

島風「ぐすっ……ひっぐ……」

長波「……ま、あたしの胸でいいなら好きなだけ泣いてくれ」

島風「うぅ……ぐすっ……」



長波「島風? おーい、島風ー?」

島風「すぅ……すぅ……」

長波「……泣き疲れて寝ちゃったか。参ったな、これじゃ身動きもできん」

島風「ん……すぅ……」

長波「やれやれ、ホント手の掛かる『妹』だよ、お前は」ナデナデ

島風「んん……」

長波「……それで、お前はいつまでそこに立ってんだ、天津風?」

天津風「っ、き、気づいてたのね」

長波「そりゃあ、ちょっと離れてるとはいえ隠れもせずに突っ立ってたら気づくさ……島風は気づいてなかったみたいだけどな」

天津風「そもそもここじゃ隠れる場所も無いわよ」

長波「まあな、とりあえず座りなよ」

天津風「そうね……よいしょっと」

長波「それで? お探しの島風なら夢の世界だが、何で喧嘩したんだ?」

天津風「はぁ……実は島風が私のために作ったっていうプリンを間違えて時津風が食べちゃったみたいでね。時津風もすぐに反省して島風に謝ったし、私も気にしてないっていったんだけど、島風が時津風に怒りっぱなしで……つい、時津風のほうを庇って島風を叱っちゃったのよ。『ちゃんと名前を書いておかなかった島風も悪い』とか言って」

長波「あー……」

天津風「よくよく考えたら他人の部屋の冷蔵庫を漁って勝手に食べた時津風のほうがいけないし、島風が怒るのも当たり前だってわかるのに、聞く耳を持たずに怒ったままの島風を見てたらつい、ね。そしたら『やっぱり私より時津風ちゃんたちのほうが大事なんだ』って言って出てっちゃったの」

長波「島風はどうしてもそのプリンを天津風に食べてもらいたかったんだろうなぁ」

天津風「うん、後で知ったんだけど、この子ったらわざわざ間宮さんのところで作り方を教わってあのプリンを一人で作ったみたいなの」

長波「このせっかちで飽きっぽいところもある島風がか……やるなぁ」ナデナデ

島風「んぅ……すぅ……」


天津風「それなのにあたしったら……バカよね」

長波「……なあ、天津風? お前は島風のことをどう思ってる?」

天津風「……えっ?」

長波「さっきの話、お前も聞いてたんだろ?」

天津風「……そうね、あたしも島風のことは大切な『妹』だと思ってるわ。私にとって島風は初風たちと同じ大切な『家族』だもの」

長波「そうか…………そういうことらしいぞ? 寝たふりたぬきの島風さん」

島風「!」ビクッ

天津風「えっ!? お、起きてたの?」

長波「ほら、二人ともお互いが大好きな姉妹同士だってわかったことだし、さっさと仲直りしたらどうだ?」

島風「う……うん……」

天津風「し、島風、あの、あたし……」

島風「ごめんなさい! 私ちょっと言い過ぎてた……ごめんね、天津風ちゃん」

天津風「っ、こっちこそごめんなさい! あなたは悪くないのにあんな風に言っちゃって……」

島風「あ、天津風ちゃんは悪くないもん! あれは私が……」

天津風「いいえ、島風は悪くないわ。むしろ、私が……」

長波「はいはい、それ以上はキリがないからそこまでにしとけ。二人とも反省してお互い謝ったんだからこれで仲直り。それでいいだろ?」

島風「……う、うん」

天津風「……そ、そうね」

長波「よし、これで一件落着だな」

島風「えっと、その……長波ちゃん、ありがとう!」

天津風「あたしからもお礼を言わせて……ありがとう、長波」

長波「な、なんだ? あたしは特に何もしてないぞ?」

島風「ううん、長波ちゃんのおかげで天津風ちゃんと早く仲直りできたんだと思う。だから、ありがとう!」

天津風「ええ、本当にありがとうね」

長波「よ、よせって、なんか照れるな……」

島風「それじゃ私、時津風ちゃんとも仲直りしなきゃいけないからもう戻るね! またね、長波ちゃ……長波お姉ちゃん!」

天津風「あ、島風っ……もうあの子ったら」

長波「お姉ちゃん、か……ホント、手の抱える『妹』だな」

天津風「ええ、まったくね……それじゃ、あたしもそろそろ戻るわね」

長波「ああ」

天津風「……それと言い忘れてただけど、あたしはあなたのことだって大切な『妹』だって思ってるわよ?」

長波「えっ?」

天津風「ふふ、それじゃまたね、長波!」

長波「……ああ、またな! ……天津風姉さん」



・二人のお姉ちゃん
終わり


・かわいくぬい


陽炎「あっられー!」

霰「? ……わっ」

陽炎「んー、やっぱり霰の抱き心地は最高ね~……すりすり」ギュウウ

霰「陽炎……苦しい……」

陽炎「あーもうちっちゃくて本当にかわいいなぁ、霰は~」ギュウウ

霰「あの……ほんと、苦し……」

陽炎「♪~」

霞「こら、陽炎! 霰が苦しがってるからいい加減放しなさいな!」

陽炎「え? ……あ、ご、ごめん、霰!」バサッ

霰「うぅ……」

霞「ったく、霰に抱きつくのは良いけど相手のことを考えろっていつも言ってるでしょうが!」

陽炎「うっ……ご、ごめん」

霞「……まったく抱きつくんんなら自分とこの妹たちにすればいいじゃない」

陽炎「だ、だって、おとなしく抱きつかれてくれる子がいないんだもん」

霞「はぁ? 一人くらい居るでしょ……例えば不知火とか」

陽炎「うーん、たしかに不知火は抱きついても黙って抱きつかれてくれるけど、反応がつまらないというか、かわいくないのよね……」

霞「へぇ、そうなの……あんた、かわいくないらしいわよ、不知火」

不知火「……」

陽炎「げぇっ!? 不知火!?」

不知火「……チッ」

陽炎「あ、あの、不知火?」

不知火「不知火に何か落ち度でも?」ギロッ

陽炎「あ、いえ、ごめんなさい。落ち度があるのは私のほうでしたごめんなさい」

霞「はぁ……」

霰「……?」



不知火「……はぁ」

提督「ん、どうした、不知火? お前がため息なんて珍しいな……何かあったのか」

不知火「いえ、そういうわけでは……」

提督「本当か? お前はいつも一人で何でも解決しようとするからな。たまには誰かを頼ることを覚えろ」

不知火「……では、司令に一つお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか?」

提督「なんだ、言ってみろ」

不知火「その、不知火は……か……」

提督「か?」

不知火「……かわいくぬいのでしょうか?」

提督「かわいくぬい?」

不知火「っ、間違えました。不知火はかわいくないのでしょうか?」

提督「誰かにそう言われたのか?」

不知火「……ええ、まあ」

提督「そうだな……普段のお前はかわいいというよりもかっこいいと言った方がいいくらい、クールで頼りがいのある奴だと思う」

不知火「かっこいい、ですか」

提督「ああ」

不知火「では、やはり不知火は司令から見てもかわいくないのですね」

提督「まあ、待て。話を聞け」

不知火「?」

提督「たしかに、普段はどちらかというとかっこいいと言って良いくらいだが、時折かわいいと思うところも多々あるんだぞ? 例えばさっきみたいに会話中舌を噛んだりとかな」

不知火「っ!」

提督「他にも中破して帰ってきたとき両目に涙を浮かべて悔しそうにしてる姿とか、夜の相手をしてるときのトロ顔とか、普段がクールな分、そのギャップがかわいいと俺は思ってる」

不知火「そ、そう……」

提督「そして、何より一番かわいいと思うのは、お前が自然に微笑んだときだな。あれは写真に残したいくらいだ」

不知火「不知火の微笑んだ顔、ですか……」

提督「ま、つまりお前は十分かわいいってことだ。だから、いちいちそんなことで悩む必要はない」

不知火「……はい、ありがとうございました、司令」ニコッ

提督「おっ、それだそれ。今の顔だ」

不知火「?」キョトン

提督「笑ってたぞ、お前。やっぱり不知火は笑った顔がかわいいな」

不知火「……」ニタァ

提督「そうじゃねぇよ」


・かわいくぬい
終わり


・陽炎の憂鬱


陽炎「はぁ……」

提督「……」

陽炎「はぁぁ……」

提督「……」

陽炎「はぁぁ~……」

提督「おい、陽炎」

陽炎「ん、なあに、司令?」

提督「それはこっちの台詞だ。さっきから何度もため息ついてるが、どうした?」

陽炎「はぁ……実は霞に霰へ抱きつくのを禁止されちゃったのよ」

提督「抱きつくのを禁止? 理由は?」

陽炎「はぁ……霰が苦しがってるのに気づかず抱きしめまくったからだってさ」

提督「そりゃお前が悪い」

陽炎「そうなのよねぇ……はぁ、霰分が足りないわ」

提督「そもそもなんでお前は霰に抱きつくんだ?」

陽炎「え? そんなのかわいくてちっちゃくて抱き心地が良いからに決まってるじゃない」

提督「なるほどな、たしかに霰の抱き心地がいいのはわかる」

陽炎「……司令が言うと違う意味に聞こえるわ」

提督「思ったんだが、それは霰じゃないと駄目なのか? お前には妹がたくさん居るだろう?」

陽炎「それ霞にも言われたけど、うちの妹たちはちょっとねぇ……」

提督「どういうことだ? 不知火とかじゃ駄目なのか?」

陽炎「霞にも言ったけど、不知火は抱きついたときの反応がちょっと、霰と比べるとかわいくないって言うか……ねぇ?」

提督「あぁ、この前不知火にかわいくないとか言ったのはお前だったのか」

陽炎「あ、いや、不知火もかわいいっちゃかわいいのよ? でも、反応が微妙だから……」

提督「そうなのか? 俺が不知火を抱くときはいつもかわいい反応を見せてくれるんだが」

陽炎「それは司令だからでしょっていうか、意味が違うわよねそれ」

提督「なら、黒潮はどうだ?」

陽炎「あの子は母性が強すぎてむしろ抱かれたいほうね。ちなみに浦風も同じ理由で」

提督「初風はどうだ?」

陽炎「前抱きついたときに首をなめたら、それ以来一定範囲内に近寄ると避けられるようになったわ」

提督「俺が舐めたり噛みついたりするときは喜ぶんだがな」

陽炎「あれは初風じゃなくても……ああ、いや、何でもないわ」


提督「雪風はどうだ? 雪風ならピッタリだと思うが」

陽炎「うっ、前は雪風もよく抱きしめさせてくれたんだけど、最近は時津風たちと遊んでるから抱きつきにくいのよね。あの子最近はすごく楽しそうだしそれの邪魔をするのはちょっとね……」

提督「お前もちゃんと姉をやってるんだな」

陽炎「そりゃね……だから、時津風や天津風も抱きつくのは無理ね」

提督「なら、磯風はどうだ?」

陽炎「やろうとしたら組み手と間違えられたわ」

提督「浜風は?」

陽炎「揉みしだきたくなる衝動におそわれるから無理ね」

提督「ああ、それはわかるな」

陽炎「はぁ……姉である私より大きいってどういうことなのよ」

提督「俺はお前の胸も好きだぞ」

陽炎「だからっていつも吸いまくるのはやめてよね。そのせいで……って話が脱線してる」

提督「弄りがいがあるからな……で、谷風はどうだ? あいつも小さくて抱き心地は良いぞ」

陽炎「前に抱きついたらいつの間にか谷風によしよしされて泣いてたわ……あの子も黒潮や浦風に劣らず母性が強いとこがあるのよね」

提督「ああ、俺も思わずそうなりかけたな……」

陽炎「谷風、恐ろしい子!」

提督「なら、野分はどうだ?」

陽炎「あの子は……というより、野分と舞風たち二人に関しては雪風たちと同じ理由で駄目ね。最近の舞風は心から笑っててかわいいんだけどね」

提督「なるほどな……あとは、秋雲か」

陽炎「秋雲は抱きついてもいい代わりにあの子のかいてる本のモデルを要求されたからちょっとね……」

提督「本当に妹たちは全員駄目だったってことか」

陽炎「そういうこと……はぁ」

提督「……そうだ、妹ではないがある意味妹と呼べる夕雲型の皆はどうだ?」

陽炎「夕雲型の子たち?」

提督「ああ、巻雲や清霜あたりはいいんじゃないか?」

陽炎「そういえば巻雲ちゃんは前に抱きつこうとしたとき夕雲ちゃんに止められちゃったけど、清霜ちゃんには頼んだこと無かったわ……司令、ちょっと席を外すわね」

提督「一応、お前今日の秘書艦だからな? ……って行っちまったか」



陽炎「清霜ちゃん!」

清霜「あ、陽炎さん! どうしたの?」

陽炎「実は清霜ちゃんに頼みたいことぐわっ!? ……え?」

霞「……」ゴゴゴゴゴッ

陽炎「げぇっ!? 霞っ!?」

霞「霰の次は清霜? これはいい加減あんたの性根を叩き直したほうが良さそうね、陽炎?」

陽炎「あ、あの、霞さん?」

霞「丁度いま訓練に行くところだったの。ついでにあんたも付き合いなさい陽炎」

陽炎「あ、そういえば私秘書艦の仕事があるんだったわ! だから、訓練にはつき合えそうにないわごめんね霞それじゃ!」

霞「待 ち な さ い」ガシッ

陽炎「ひっ!?」

霞「まさか、秘書艦の仕事までサボってたなんて、これは尚更訓練につきあってもらったほうがよさそうね」

陽炎「」

霞「清霜、今から陽炎と訓練に行くから陽炎の代わりに秘書艦代理を頼んだわよ」

清霜「うん、わかった! 霞ちゃんも頑張ってね!」

陽炎「だ、誰か助けてぇ~!」

霞「ほら、さっさと行くわよ、このへっぽこネームシップ!」

陽炎「いやあああぁぁっ!」



・陽炎の憂鬱
終わり


・B×3+C+D=?


翔鶴「ふぅ……良い湯ですね」

秋雲「うんうん、執務室のお風呂って意外と豪華だよねぇ」

秋月「岩風呂って露天風呂みたいでなんだか良いですね!」

朧「気持ちいい……」

瑞鶴「……」ジー

翔鶴「瑞鶴? さっきから黙ってこっち見てるけどどうしたの?」

瑞鶴「へ? べ、別になんでもない! ……はぁ」

秋雲「とかいいつつ姉の豊乳と自分の微乳を見比べる瑞鶴姐さんであった」

瑞鶴「は、はぁ!? べ、別に見比べてなんてないし! 変なこと言わないでよね、秋雲!」

翔鶴「やっぱり気にしてたのね、瑞鶴……」

瑞鶴「だから、気にしてないってば! その哀れんだ目で見るのはやめてよ翔鶴姉!」

朧「……提督も、やっぱり胸の大きい子のほうが好きなのかな」

秋雲「いやいや、あの提督が胸の大小とかきにするとは思えないんだけど」

秋月「ですが、もしも司令が胸の大きい方が好みだとして、胸を大きくするにはどうしたらいいのでしょう?」

秋雲「まあ、ベタな話だけどエロ本曰く他人に揉まれると大きくなるらしいよ」

翔鶴「そうなの? でも、瑞鶴位の大きさだと揉むことすら出来な」

瑞鶴「揉めるくらいにはあるわよ!?」

朧「私も一応、あります」

秋雲「相変わらず翔鶴姐さんは天然なのか全力で地雷を踏み抜くよねぇ」

秋月「揉まれると大きく……」カァァ

秋雲「こっちはこっちでなんか思い出して悶えてるし」

瑞鶴「はぁ……」

秋雲「……えいっ」

瑞鶴「きゃっ!? あ、秋雲!?」

秋雲「ふむふむ、たしかにもめる程度にはあるね」モミモミ

瑞鶴「ちょっと、あんっ! や、やめて!」

秋雲「小ぶりながらも感度は抜群だねぇ……」モミモミ

瑞鶴「んっ、だめっ! これ、以上はっ! あっ」

秋雲「っと、これ以上は流石にまずそうかな」パッ

瑞鶴「はぁ……はぁ……」グッタリ

秋雲「さて、お次は……」


朧「えっ? ……んっ!」

秋雲「前から思ってたけど、朧姐さんも駆逐艦にしてはあるほうだよね」モミモミ

朧「あっ、ん、秋雲、やめて、んっ」

秋雲「こちらも感度良好……なんだけど、朧姐さんってこんな風に喘ぐんだ……なんだかこっちが興奮してくるね」モミモミ

朧「なに、ん、言って……」

秋雲「これ以上はこっちがヤバいからこのくらいにして、次は……」

秋月「ひゃんっ!?」

秋雲「おっ、良い反応。秋月ちゃんもなかなかのものをお持ちですなぁ」モミモミ

秋月「い、いけません、あっ、だ、だめです!」

秋雲「この胸といい尻といい、秋月ちゃんってすごくエロいよね」モミモミ

秋月「え、えろっ!? ぁんっ」

秋雲「ええんか? ここがええんかー?」

秋月「あっ、やっ、らめぇっ!」

瑞鶴「いい加減にしなさい!」ゴンッ

秋雲「あいたっ!? いきなりげんこつはひどいって瑞鶴姐さん」

瑞鶴「ったく、調子に乗りすぎなのよ、もう!」

秋雲「まあでも、三人のを揉んで一つ気がついたことがあるんだけど……」

瑞鶴「? なによ?」

秋雲「瑞鶴姐さんの胸って朧姐さんや秋月ちゃんと大差な……」

瑞鶴「……」ニコッ

秋雲「あっ」

朧「……秋雲も翔鶴さんのこと言えないよね」

秋雲「あー、いやぁ、あはは……」

瑞鶴「ふ、ふふ……そういうあんたは随分と立派なものをお持ちのようね、秋雲?」モミッ

秋雲「ひゃあ!?」

瑞鶴「む、本当に大きいわね……」モミモミ

秋雲「ちょ、やめ、んぁっ」

瑞鶴「それに人のこと言えないくらいあんたも感度いいんじゃないの?」モミモミ

秋雲「はぁっ、あぁっ、んんっ」

翔鶴「もう瑞鶴ったら……あら、秋月さん? どうしたの?」

秋月「え、えいっ!」モミッ

翔鶴「ひゃあ!? あ、秋月さん!?」

秋月「これが、おっきなおっぱい……」モミモミ

翔鶴「だ、だめっ、んぅ、あんっ」

秋月「これがあれば司令も……羨ましいです」モミモミ

翔鶴「あっ、ん、だめぇっ」

瑞鶴「ほらほら、いつもの調子はどうしたの?」モミモミ

秋雲「んっ、やぁっ、くぅ」



朧「ふぅ……良い湯だなぁ」


・B×3+C+D=?
終わり


・お好み焼き VS お好み焼き VS もんじゃ焼き VS (?)


黒潮「例え浦風やろうとこれだけは譲れんで! お好み焼きは大阪が一番や!」

浦風「いいや! お好み焼きは広島が一番じゃ! 例え黒潮姉さんだろうとこれは譲れん!」

谷風「お好み焼き? いやいや、もんじゃ焼きが一番だと思うね、谷風さんは!」

黒潮「なんやて!?」
浦風「なんじゃて!?」

陽炎「あーあ、まーた同じ話題で喧嘩してる。いつもの母性はどこへ行ったんだか」モグモグ

不知火「鉄板パーティの度にしてるわね。どれも美味しいことに変わりないと思うのだけど」モグモグ

初風「ま、どうしても譲れない何かがあるんでしょ」モグモグ

雪風「どれもおいしくて雪風は大好きです!」モグモグ

時津風「天津風、マヨネーズとってー」モグモグ

天津風「そのくらい自分でとりなさいよ……ほら」

磯風「ふむ、これなら今度こそ私も作れそうだな」

浜風「そう言って前回ホットケーキを真っ黒に焦がしたのは誰ですか……」

野分「あ、舞風、ほっぺにソースがついてる」

舞風「え、どこどこ?」

秋雲「あれ、秋雲の肉玉そばがないんだけど……」

提督「すまん、俺が食った」

浦風「! ほら、提督さんもうちが作ったお好み焼きを食べとるし、やっぱり広島が一番なんじゃ!」

黒潮「それを言ったら最初に司令はんが食べたのはうちのお好み焼きやで!」

谷風「提督は谷風のもんじゃ焼きもいっぱい食ってたよ!」

浦風「……こうなったらどれが一番か提督さんに決めてもらうべきじゃね」

黒潮「せやな、いい加減黒白はっきりとつけたいと思ってたところや」

谷風「谷風さんも異議なし!」

浦風「そういうわけじゃけぇ、提督さんは広島のお好み焼きと」

黒潮「大阪のお好み焼き」

谷風「そして、もんじゃ焼き」

浦風「どれが一番なんじゃ!?」
黒潮「どれが一番なんや!?」
谷風「どれが一番なんだい!?」

提督「俺が一番好きなのは……」







提督「フライ、だな」








・お好み焼き VS お好み焼き VS もんじゃ焼き VS (?)
終わり


・姉の威厳


バンッ

島風「長波ちゃんっ!」

長波「うおっ!? なんだ、島風か。入るときは一応ノックしてくれ」

島風「あ、忘れてた。ごめん!」

長波「ああ、次から気をつけろよ? それであたしに何か用か、島風?」

島風「うんっ! 長波ちゃん、私と一緒に遊ぼう!」

長波「それはいいが、天津風はどうした? まさか、また喧嘩したのか?」

島風「ううん、してないよ。今日は天津風ちゃんたち陽炎型のみんなで鉄筋パーティ? とかいうのに参加するみたいだから、長波ちゃんのとこに遊びに来たの!」

長波「鉄筋じゃなくて鉄板だろ。そういや、陽炎型の姉妹は定期的にそういうのやってたな……」

島風「うん、なんとか焼きとか作るらしいよ」

長波「そうか。でも、わざわざあたしのところにこなくても、別にお前が陽炎型のパーティに参加してもよかったんじゃないか? 前にも言ったとおりお前も天津風の妹といってもいいんだし」

島風「うん、天津風ちゃんたちにも誘われたんだけど、今日は長波ちゃんと遊びたい気分だったの! …………もしかして、嫌だった、かな?」

長波「い、いや、そんなことはないぞ、島風! あたしも丁度暇だったしな」

島風「ほんと? やった! ありがとう、長波お姉ちゃん!」

長波「ぐふっ!」

島風「? どうしたの、長波ちゃん?」

長波「い、いや、何でもない……それで今日は何して遊ぶんだ? おまえの好きなかけっこか?」

島風「うーん、かけっこも良いけど、今日は長波ちゃんに決めて欲しいな」


長波「あたしがか? そうだな……たまにはゲームでもするか」

島風「ゲーム?」

長波「ああ、この前秋雲にヨンロクを貰ってな……えっと、これだこれ」

島風「あ、これってゲーム機ってやつでしょ?」

長波「といってももう何世代も前のゲーム機らしいがな」

島風「ふーん……それで何のゲームをするの?」

長波「まあ、無難にレースゲームだな。簡単に言うと速さを競うゲームだ」

島風「何それ面白そう!」

長波「じゃあ、このマルオカート46をやるか。操作法はあとで教えるが、とりあえずこの取説を見てだいたい覚えてくれ」

島風「わかった!」

長波「それじゃ……ふー、ふー」

ガチャン
ミドリガメン

長波「む、一発でつかないか……ふー」

ガチャン
ミドリガメン

長波「またか……ふぅー」

島風「ねぇ、なんでそれに息を吹きかけてるの?」

長波「これか? カセットにこうやって息を吹きかけるとつきやすいらしいんだよ。秋雲がそう言ってた」

島風「へぇー」

ガチャン
ブウウン……

『マルオカート!』

長波「お、ついた」

島風「やった!」


長波「ええと、2人プレイで最初だし50ccにしとくか」

島風「50cc?」

長波「あー、早さの違いみたいなもんだ」

島風「50ccってのははやいの?」

長波「ちょっと遅いかもな」

島風「えー、なら一番速いのがいい!」

長波「いいのか? 初心者にはちょっと難しいぞ」

島風「うん、速い方がいい!」

長波「それなら150ccにしとくか……つぎはキャラクターだな」

島風「どれが一番速いの?」

長波「たしかこのきのこみたいなのが速かったと思うぞ」

島風「じゃあ、これにする!」

長波「なら、あたしは無難にマルオにしとくか……ステージは最初のでいいだろう」

島風「ええと、Aで進んでスティックで方向変えるんだよね?」

長波「ああ、他にも?のブロックを割ったときに手に入るアイテムなんてのはZで使えるし、Rでジャンプするとドリフトを使えたりするぞ」

島風「わかった!」

長波「それじゃあ、始めるぞ? 準備はいいか?」

島風「いいよ!」

長波「よし、じゃあ始めるか!」



~数時間後~



島風「やった! また私が一番!」

長波「おいおい、嘘だろ……ショートカットもしたのに負けただと……?」

島風「これで16回連続1位だね!」

長波「な、なあ、島風? お前、このゲームをするの本当に今日が初めてなんだよな?」

島風「? そうだよ?」

長波「は、はは、そうか、島風はすごいな……」

島風「えへへ、ゲームって楽しいね、長波ちゃん!」

長波「そう、だな……」








朝霜「長波、いるかー? ……って、またゲームしてんのか」

長波「ん、なんだ朝霜か。入るときは一応ノックくらいしてくれ」

朝霜「こまけぇことは気にすんな。それよりなんで最近ずっとゲームなんてしてんだ?」

長波「……を保つためだ」

朝霜「あん? なんだって?」

長波「…………『姉』の威厳を保つためだ」

朝霜「なんだそりゃ?」


・姉の威厳
終わり


・心と身体


提督「……」

菊月「……」

提督「……今日の仕事はこのくらいにしとくか」

菊月「……ああ」

提督「菊月、秘書艦ご苦労だった。あとはゆっくり風呂にでも入って明日への英気を養ってくれ」

菊月「……ああ」

提督「……菊月?」

菊月「……」

提督「おい、菊月」

菊月「……なあ、司令官」

提督「……なんだ?」

菊月「私は……いつまで司令官と共にいられるのだろうか」

提督「……前にも言ったが、居られる限りずっと一緒だ」

菊月「そうか、ずっと一緒か……」

提督「ああ」

菊月「だが、最近思うんだ……この戦いが終わっても、本当に司令官とずっと一緒に居られるのか、と不安に思っている」

提督「……」

菊月「私たちはこの世に再び現れたときより、本能的に深海棲艦を倒し平和な海を取り戻そうと思って戦っている……だが、最近思うんだ……深海棲艦を全て倒して平和な海を取り戻したとき、私たちはどうなるのか、と」

提督「……どういうことだ?」

菊月「あの海に再び平和を取り戻したとき、私たちが戦う必要は無くなる…………そうなると、私たちが存在する意味も無くなってしまうのではないか……?」

提督「……」

菊月「この身体、この心を持って再びこの海に現れたのは深海棲艦を倒すため……ならば、全て終わらせたとき、この身体も心も消え、再びあの海へと帰ることになってもおかしくはない……そう、思うんだ」

提督「……」

菊月「……私はそれが怖い」

提督「菊月……」

菊月「私は今のこの身体、この心、そしてみんながいるこの場所が好きだ……それら全て私にとってかけがえのない大切なものなんだ……」

提督「……」

菊月「そして何より、ここには司令官……あなたがいる……愛するあなたが……」

提督「ああ……菊月、俺もお前を愛してる」

菊月「もしも、叶うなら司令官と、みんなとずっと一緒に居たい……司令官も、そう思う、よな……?」

提督「……ああ」


菊月「そう、か…………だが、怖いのはそれだけじゃない……もしもこの戦いが終わったあともこの世に存在することが出来たとしても……本当に司令官の側に居られるのか、と」

提督「菊月……?」

菊月「この身体は見た目だけなら人間と変わらないだろう……だが、どれほど人間に似ていようと私は司令官と違って人間ではないんだ」

提督「……」

菊月「この身体は人の女のように愛する男の……子をなすことも出来ず……人と違って老いることもない……そんな私が本当に司令官の側に居てもよいのだろうか……?」

提督「……良いに決まってるだろう」

菊月「ああ、司令官ならそういうと思った……だがな、老いることが無いということは……いつか……いつか司令官のほうが先に逝ってしまうだろう…………私はそれが怖い」

提督「……そうなるだろうな」

菊月「っ……最近はずっと、そういうことばかり私は考えてしまう……いつかくる、司令官との別れ……それが怖くて、悲しくて、悔しくて、苦しくて……頭がおかしくなりそうなんだ……」

提督「菊月……」

菊月「心が痛い、苦しい……こんな思いをするくらいならいっそ、こんな身体も心も欲しくなんかなかった! ただの駆逐艦菊月として何も考えず何も感じず何も……っ!」

提督「菊月っ!」ギュッ

菊月「あっ……」

提督「……俺はな、菊月……お前がその身体で、その心を持っていてよかったと思っている」

菊月「……」

提督「たしかに心があるということは、悲しいことも苦しいことも多々あるだろう」

菊月「……」

提督「だが、それ以上に心があるからこそ、楽しい、嬉しいと思うことも多い……お前だって言ってただろう? 皆がいる今のこの場所が好きだと」

菊月「……ああ」

提督「それにこうやってお前を抱きしめることも、愛し愛されることができるのも、その身体と心があるからだ」

菊月「っ……ああ」

提督「お前の言うとおりいつか別れの時は訪れるだろう……俺が人である以上、それは避けようのない事実だ」

菊月「……」

提督「お前が先か、俺が先かはわからないが、別れのときはくる……だが、今はそんな先のことを考えるより、今を楽しむほうが有意義だ」

菊月「今を、楽しむ……? いつか別れがくるのにか……?」

提督「ああ、そうだ……いつか、別れのときが来たとき、お前も俺も悲しく苦しいと思うときがくる……だからこそ、それ以上にお前と今を楽しみ、喜び、この限られた刻を生きたい、俺はそう思っている」

菊月「司令官……」

提督「不安ならいつでもこうやってお前を抱きしめて不安を和らげてやろう……だから、菊月……今のお前が欲しくなかったなんてもう言わないでくれ」

菊月「っ……すまない、司令官……私はっ!」

提督「気にするな……だから、お前はお前らしくこれからも一緒に居てくれ」

菊月「っ……ああ! ずっと……一緒だ……この菊月、ずっと司令官と共にあろう!」

提督「ああ、一緒だ」

菊月「一緒……だ……ぐすっ、ひっぐ……」

提督「……ああ」ナデナデ



・心と身体
終わり


・記憶、過去、現在、そして


深雪「♪~……ん?」クルッ

電「……!」ササッ

深雪「? ……♪~」

電「……」ジー

深雪「……」クルッ、タタタッ

電「!?」ビクッ

深雪「あっ、やっぱり電か」

電「あ、あの、こんにちは深雪ちゃん!」

深雪「おう、こんにちは、電っ! それで、今日もこの深雪さまに何か用か?」

電「え、ええと、調子はどうですか!?」

深雪「今日もバッチリ、元気ハツラツだぜ!」

電「そ、そうですか、それならよかったのです! それじゃあ!」

深雪「あ、おいっ、電!? ……行っちまった」





電「はぁ……」

提督「……そろそろ一息いれるか。電、茶を用意してくれ」

提督「……電?」

電「……」

提督「電、聞いてるか?」

電「はわわっ!? し、司令官さん? どうかしましたか?」

提督「それはこっちの台詞だ」

電「ご、ごめんなさいなのです……ちょっと考えごとをしててぼーっとしてたのです」

提督「まあ、別にいいが……何か悩み事でもあるなら相談に乗るぞ?」

電「よ、良いのですか?」

提督「ああ、丁度一息つこうと思ってたところだ。とりあえず、茶を入れてくれ」

電「はわっ!? す、すぐにご用意するのです!」




提督「……ふぅ、それでお前は何を悩んでるんだ?」

電「その…………実は深雪ちゃんのことで、ちょっと……」

提督「深雪がどうかしたのか?」

電「司令官さんは、あの……かつて深雪ちゃんが理由って知っていますか?」

提督「ああ、知っている……演習中に駆逐艦『電』が駆逐艦『深雪』に衝突し、沈没……一説には乗員の応急措置が不手際だったことで沈んだとも考えられている……だったか?」

電「はい、そうなのです……深雪ちゃんは電が衝突したことで、沈んでしまったのです……だから、電は深雪ちゃんに謝りたいと思ってるのです」

提督「だが、それは今のように心がなく、自分の意志で動かすことも出来なかった頃の話だろう?」

電「でも、それでも、電は深雪ちゃんに謝りたいのです……だけど、どう謝ればいいのか、深雪ちゃんを前にすると頭が真っ白になってしまって……」

提督「それが悩んでる理由、か」

電「はい……それに……」


提督「それに?」

電「深雪ちゃんは自分がどういう風に沈んでしまったのか覚えてはないのです……これは電たち艦娘全員に言えることなのですが、電たち艦娘は自分が沈んだときの記憶があやふやで曖昧なのです。電も自分がどういう風に沈んだのか覚えてないですし……そのせいで深雪ちゃんも自分が沈んだ原因が電だと覚えてないのです」

提督「だから、言いづらいのか」

電「それだけじゃなくて、電はたぶん怖いんだと思います……深雪ちゃんに謝って、自分が沈んだのが電のせいだと知ってしまった深雪ちゃんに嫌われてしまうことが、怖いのです……」

提督「嫌われるのが怖い、か」

電「そんな風に自分のことを一番に考えてしまうことは嫌なのに……本当は謝りたいと思ってるのに……」

提督「嫌われたくないのは深雪が好きだからか?」

電「はい、深雪ちゃんも電の大切なお姉ちゃんだから大好きなのです……だから……だから、電はっ!」

提督「そうか…………そういうことらしいぞ、深雪?」

電「えっ?」

ガチャッ

深雪「なんだ、司令官にはバレてたか」

提督「……なんとなくだがな」

電「み、深雪ちゃん!?」

深雪「おう、深雪さまだぜ、電!」

電「あ、あの、その、電は……っ!」

深雪「……この深雪さまに謝りたいんだって?」

電「っ! そう、なのです……電のせいで深雪ちゃんはっ!」


深雪「沈んだんだろ? ぶっちゃけた話、知ってたぜ? 自分が沈んだ理由」

電「!?」

提督「記憶を思い出したのか?」

深雪「いや、そういうわけじゃないけど、最後の記憶はあの演習のときに『誰か』とぶつかったとこあたりで途切れてるし、そのままそれが原因で沈んだんだろうなーとは思ってた」

電「深雪ちゃん……」

深雪「それに、周りの雰囲気とか着任して以来ずっと電がこの深雪さまのことを何かと気にかけてるのを見て、たぶんそうなんだろうなって思ってた」

電「っ、ごめんなさい! 電のせいで深雪ちゃんは……ごめんなさいなのです!」

深雪「電のせいで、か」

電「はい……電が悪いのです……だから、電のことを嫌って貰ってもいいのです……むしろ、嫌われて当然なのです……本当にごめんなさい」

深雪「……はぁぁ~」

電「!」ビクッ

深雪「あのなぁ、電? そんなことくらいで嫌ってるんなら、沈んだ理由がわかった時点で電のことを嫌ってるに決まってるだろ?」

電「深雪、ちゃん……?」

深雪「せっかくだからハッキリ言わせて貰うけどよ。ぶっちゃけ電のことを嫌ってなんかないぜ? むしろ、お前のことは結構気にってるくらいなんだぞ?」

電「えっ? ど、どうしてなのです……?」

深雪「そりゃあ、電は特型のくくりで言えばこの深雪さまのかわいい妹だし、自分ではさりげなくやってたつもりなんだろうけど、いつも気にかけてくれてただろ? そんなかわいくて優しい妹のことをこの深雪さまが嫌うわけないじゃないか」

電「で、でもっ!」

深雪「それに実感がないんだよなぁ。こうやって沈んだ理由を聞かされても、そのときの記憶は全然思い出せないし、へぇそうなのかとしか言えないっていうの? そんば感じなんだよ。だから、電が気にすることないって! 昔は昔、今は今、だろ? なっ!」ワシャワシャ

深雪「はわわっ!? く、くすぐったいのです!」

深雪「はは、それだよそれ! 電は笑ったほうがぜんぜん良いんだからこんなこまかいこと気にしてないで笑ってくれてたらいいんだよ! 電ってば他の子の前だと笑うのに深雪さまの前だと笑ってくれないから、寂しかったんだぜ?」ナデナデ

電「深雪ちゃん……深雪ちゃんっ!」ギュッ

深雪「っとと!? ……電?」

電「ぐすっ……ありがとう、なのです……ひぐっ……電も深雪ちゃんのこと、大好きなのですっ」

深雪「お、おい、泣くなって電……」

電「ぐすっ……本当にありがとうなのです…………深雪お姉ちゃん」

深雪「お、お姉ちゃん!?」

電「はいっ! 深雪お姉ちゃんは電の自慢のお姉ちゃんなのですっ!」ニコッ



提督「これで一件落着だな……ん、茶が美味い」


~数日後~


電「あっ、深雪お姉ちゃん!」

深雪「お、電か! どうした?」

電「あ、あの、またこの前みたいにぎゅっとしてもらっても良いですか……?」

深雪「おう、いいぜ! 電は甘えん坊だなぁ」ナデナデ

電「深雪お姉ちゃん、あったかいのです……♪」スリスリ

深雪「おー、よしよし」ナデナデ

電「♪~」スリスリ

初雪「……なにこの甘々空間」

暁「むぅ~! 私だって電に『お姉ちゃん』って呼ばれたことないのに! 深雪、ずるい!」

Bep「たしかにこれは少し羨ましいな」

雷「私に頼ってくれてもいいのに」

深雪「っと、そろそろ行かないといけないから、このくらいでな」

電「はい、ありがとうなのです! いってらっしゃい、深雪お姉ちゃん!」

深雪「おう、行ってくるぜ! ほら、初雪もぼけっとしてないで行くぞ!」

初雪「あ、ちょ、ひっぱらないで~」



暁「ね、ねぇ、電? 私のことも『お姉ちゃん』と呼んでもいいのよ?」

Bep「私も呼んでくれると嬉しいな」

雷「うんうん!」

電「え? えっと……暁ちゃんたちはお姉ちゃんというより友達って感じなのです。だから、それはちょっと……」


暁「がーん!」
Bep「そうか……」ズーン
雷「がーん!」





深雪「なあ、初雪」

初雪「ん、なに?」

深雪「最近思うんだけどさ、電ってすごくかわいくないか?」

初雪「え? あー、そうだね」

深雪「ちっちゃくてかわいいし、抱き心地も抜群! それに、すごく優しくて……はっ! もしかして、電って天使なんじゃないか!?」

初雪「うわぁ……」

深雪「なんて言えばいいんだろうな、この気持ち……電の魅力をどう言葉に表せばいいのかわかんねぇ!」

初雪「姉バカここに極まれり……」

深雪「ん? なんか言ったか?」

初雪「何にも……そうだね、それはいわゆる『萌え』っていうやつなんじゃないの?」

深雪「『モエ』?」

初雪「かわいいの上位版? みたいなものらしいよ」

深雪「そうか、『モエ』か……なんかこれが一番しっくりくるな! 電マジモエだぜ!」

初雪「ブホッ!」

深雪「? いきなり吹き出してどうしたんだ?」

初雪「な、なんでもない……プフッ」

深雪「?」



・記憶、過去、現在、そして
終わり

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom