島風「ねえ、遊ぼうよ」提督「…」 (175)
提督「(島風には姉妹艦がいない)」
提督「(着任当時、連装砲くんと毎日のように話している様があまりにも可哀想だったので…)」
提督「(食堂に誘ったり、話を聞いてやったりしていたら…)」
島風「提督ーっ!」バァーン
提督「うお、ノックしろっていつも言ってるだろ!」
島風「えへへ、ごめんなさい!」
島風「それよりぃ提督ー、お仕事終わった?終わったよね?」
提督「ま、まぁ今はないけども…」
島風「じゃあなにかして遊ぼうよ!遊ぼう!いいでしょ?」ピョンピョン
提督「(妙に懐かれた)」
提督「(最初こそ困惑していたが最近は抵抗がなくなってきている)」
提督「(くやしい)」
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提督「あのなあ島風、一応な、一応俺たちは司令官と兵器っていう立場なんだよ」
島風「うん」
提督「…まあ、艤装背負ってないお前を兵器とするのはちょっとあれなんだけど、部下の一種ってことよ」
提督「だからね、こういう休憩、ブレークタイムまで一緒にいちゃうと風紀的にも青葉的にもまずいっていうかね…」
島風「え"っ」ガーン
島風「じゃ、じゃあ…あそんでくれないの…」じわっ
提督「…あれ…」
島風「さ、さいきん、連装砲くんにも、しんぱいされなくなってきたのに」
島風「えぐ、ぐすっ、めいわくでしたか…?」
提督「いや、あの…」
島風「うぇ、うう、ご、ごめん、なさ…」
提督「いや!!!そんなことなかった!!!!!」
提督「そんな考え旧時代のものだよな!!時代は仲のいい上司と部下だよ!!!」
提督「休憩時間ぐらい仲良く過ごして何が悪いのか!?いや悪くない!!依然問題は無しッッ!!」
島風「じ、じゃあ、わたしといてくれるの…?」
提督「もちろん!!!むしろ遊んでくれ!!この冴えない俺とっ!!!」
島風「なーんだ☆じゃあ何して遊ぼう?」ケロッ
提督「ん?」
島風「ことば遊び?トランプ?ジェ◯ガとか?」
島風「このまえ教えてくれた花札でもいいな!」ニパー
提督「…騙されたのかな…」
提督「…まあいいや、なにしようか」
島風「うーん、なにがある?」
提督「花札とトランプは部屋に持って帰っちゃったし、ジェン◯は漣たちに貸しちゃったんだよ」
島風「えー」ガサゴソ
提督「(先週隼鷹達とやったのがあるけど…流石にこの歳に麻雀はまずいよな…)」
島風「あ!これはどう?」
提督「…プッキーじゃないか、お菓子だぞ」
※プッキー…棒状のスナックにチョコレートを塗ったお菓子。ドイツの三輪車会社やパンツの人とは無関係である
島風「プッキーゲームだよ」
提督「ぶっ!!!?」
島風「この前テレビでやってたの、面白そうじゃない?」
提督「…お前、ちゃんと分かって言ってるんだろうな?」
島風「うん、端っこから二人で折れないように食べていくやつでしょ?」
提督「ま、まあそうなんだけど…」
島風「だめ?」
提督「ダメ…いや…ダメじゃ…」
提督「…今日はダメじゃない」
島風「今日…?」
島風「まあいいや、じゃあやろ?隣座るね」ストン
提督「(本当にやるのか…)」
島風「どれにしよう…これでいいや」スッ
島風「私がチョコの方ね、んっ」パク
提督「じ、じゃあ…」パク
島風「」サクサクサクサクサクサク
提督「んんんーっっ!!?」
ポキッ
提督「ゲホッゲホッ!!」
島風「…んー、折れちゃったじゃん」
提督「早いよ!!」
島風「えー、早い方がいいじゃん」
提督「そういうゲームじゃないわ!そもそもこれ目を瞑ってやるんだぞ」
島風「そうなの?」
提督「そうなの。そんで雰囲気を大事に、しめやかにだな…」
島風「じゃあ次からそうしよ、二回せーん」ゴソゴソ
提督「うーん」
島風「じゃあこれ、はい」パク
島風「んー…」
お菓子を加えた島風が、目を瞑って顔をこちらに向ける。
可憐な少女のその表情は提督の目を釘付けにするのに十分な魅力を持っていた。
提督「…っ」
島風「…どうしたの?早くしてよ」フリフリ
薄く眼を開け、お菓子を上下に振って催促する。
茶目っ気と妖艶さを兼ねる動作に、提督は現実に引き戻された。
提督「あ、ああ…」
浅くスナックの部分をくわえて、目を閉じる。
妙な汗が頰のあたりを伝った。
そう遠くない距離に島風はいる。
もし、成功して、唇が触れてしまったら、俺はどうなるのだろうか。
今更、そんな考えがよぎる。
それは彼女の頰を赤らめるだけにとどまってくれるだろうか?
彼女を傷つけてしまうのでは?
いろいろな感情が浮かんでは、まぶたに視界を閉ざされたことによる恐怖が、それを倍増させる。
じゃあわざと折るか?島風はそういった「インチキ」を敏感に感じ取る。
それは俺からの拒絶として彼女の目に映るのは明確だった。
では、その先は?
カリッ
提督「っ…」
僅かな振動とともに、乾いた音を聞く。
始まったのだ。
ならばこちらも食べ始めなければならない。
ほんの少し、だが誤って落としてしまわないように、菓子をかじる。
どうしてこんなことをしているのだろう。
なぜ断れなかったのだ。言いようはいくらでもあった。
そんな自責の念が湧いて出る。
またゲームが進んだことを感じる。こちらもまた一歩、ゲームを進める。
提督は自分が女性に甘いことを知っていた。困っているとついつい手を出してしまうし、逆にわざと良識に欠けた冗談で困らせたこともあった。
だが彼女たちの心にだけは、気を配り続けた。
島風にかまうようになったのもそれが理由だろう。
心に傷をつけることは自分が許さなかった。たとえどんなどす黒い欲求が目の奥に宿ったとしても、抑制し続けた。
ほんの少し、気を許してしまった。このゲームの最後にどんな結末が待っているかを知っておきながら、初めて自分を抑えきれなかったことに身が震えた。
おそらく、四分の一ほど食べ進めた。随分と時間が長く感じる。
目を開けることは彼女を裏切ることになる。無意識に、ぎゅうっと力を込めた。
少しずつ、少しずつ食べ進める。結末を先送りする。
到達する事実は変わらないのに、それでも止められない。
熱を感じた。それは彼女の息遣いか、空気を伝わった肌の温度かはわからなかったが、生を感じる熱だった。
結末は近づいている。少しずつ食べ進める。チョコレートの味などもはや感じなかった。
歯に力を込めて、菓子を齧った。
唇の先の端に、何か触れたような気がした。
提督「…はっ!?」
唐突に感じていた力を失った。口先を見ると、あとひと齧りほど残った棒状の菓子が残っていた。
島風「…あーあ、折れちゃったね」
全くの無意識に、彼女と同時に、提督は必要以上の力を込めてしまったのだろう。
菓子は、直前で折れたのだ。
提督「はっ…はぁ…そうか…」
島風「もうちょっとだったのにね」
提督「はっ、ははは、そうだな、残念だな」
緊張から解放され、自然と笑みが零れる。
最悪の結末の可能性は回避した。
島風「へー、残念なんだ」
提督「ふ、ふふ、まあな、いやー残念」
島風「じゃあする?」
ずい、と彼女が、急に顔を寄せた。
提督「…えっ」
島風「できなかったから、…残念なんでしょ?」
少しずつ距離を詰めてくる。
提督「………」
島風「私ね、いいと思ってるよ」
桃色の唇が言葉を紡ぐ。
島風「提督なら、ね」
蕩けた瞳に支配される。
島風「…キス、しない?」
肩に手をのせられた。
頭が熱い。
自分の手が何かに操られたかのように動きだす。
ゆっくりと、彼女の腰を抱き寄せるようにーーー
足柄「勝利よ!!!勝利が私を呼んでいるわ!!!」バァーン
提督「うぉっ!!!?」バッ
島風「わっっ」パッ
足柄「提督!間宮さんから連絡よ!カツが揚げ終わったんですって!!」
提督「え、いや、それがどうしたんだよ」
足柄「なに言ってるのよ!今日は勝利定食を食べて語り合う日だって約束でしょう!」
提督「あ…そうか、今日金曜日だったっけ…」
足柄「さあほら、冷めないうちに行きましょう!隼鷹たちも待ってるわよ!」
島風「…」ポカーン
足柄「あ、島風ちゃん。提督ちょっと借りるわね。多分明日まで帰ってこないと思うけど」
島風「あ、はい…」
足柄「そういえば、漣ちゃん達がジェンガやってたから入れてもらいなさい。盛り上がってたわ。ほら、提督、早く!」
提督「わわわ、痛い痛いって!島風ごめん、また今度っ…!」
ダダダダ バタン
提督「(…助かった……)」
足柄「さーあ、今日こそ国土無双決めるわよー!!」ダダダダ
島風「…」ポツン
島風「…なーんだ、つまんないの」ポスン
島風「……」
連装砲くん「…キュー」ヒョイ
島風「…あ、連装砲くん」
連装砲くん「キュキュー」パタパタ
島風「迎えに来てくれたんだね」
連装砲くん「キュゥ」ギュー
島風「じゃあ、一緒に帰ろ。今日はね、とってもいいことがあったんだよ」
連装砲くん「キュ?」
島風「いっぱい話してあげるね。…いーっぱい、ね」
こちらオムニバス形式になります
筆が乗った時に続けられたらと思います
お尻をZ旗に見立てるとか天才のそれですね
連装砲くんの性別は本当にすみませんでした
もうあの形態のペットが増えすぎていろいろ混ざりました
この鎮守府の連装砲くんは連装砲くんということでご勘弁ください
提督「…」
提督「そろそろだな…」
提督「…」
島風「提督ーーっ!」バァーン
提督「ほいきた」
島風「遠征終わったし、連装砲くんの整備もしてきたよ!」
島風「ねね、えらいでしょ?」
提督「えらいえらい」ナデナデ
島風「えへへ……」
提督「(あれから暫く過ぎた)」
提督「(彼女はあの出来事に言及することはなかった。再び迫ってくることもなかった)」
提督「(俺も蒸し返すことはしなかった。きっと、少しの気の迷いだったんだろう)」
提督「(追求することもないか)」
提督「でも、残念ながら今日は仕事終わってないんだよ…」
島風「えーおっそーい…せっかく急いで来たのに…」
提督「すまんな、月末だから書類も多いんだ」
島風「ぶー…」プクー
島風「…あ、そうだ!」ピコーン
島風「お仕事見てるだけならいいですよね?邪魔しないから。いいよね?」
提督「まあそれくらいならいいけど…多分つまらないと思うぞ」
島風「いいからいいから。そっちいくね」
提督「そっちって…ソファじゃないのか」
島風「んっふっふ、こうするんですよ」モゾモゾ
提督「うおっと」
島風「ぷはっ、こうやってお膝に座れば見やすいでしょ?」
島風「お、重くない…かな…」
提督「大丈夫だぞ」
提督「でもこのカチューシャは外してくれ、目に刺さる」ビヨンビヨン
島風「あ、そうだね、ごめんなさい」パッ
提督「…」カリカリ
島風「…」ソワソワ
島風「…それ、何て読むの?」
提督「ドイツでの手紙の挨拶だよ、日本で言う『拝啓~』ってやつかな」
島風「ふーん、そうなんだ…」
提督「…」カリカリ
提督「(…めっちゃいい匂いする)」
提督「(…平常心だ、騙されちゃあならない、俺は提督なんだ)」
提督「…」カリカリ
提督「…寒くないのか?」
島風「お膝あったかいよ?」
提督「…いや、服装だよ、お腹とか冷やしたことないか?」
島風「んー、ないかも。冬でも特に寒いって思ったことないし…」
島風「妖精さんのデザインだし、きっとそういうものなのかな」
提督「そうか…」
提督「(最初はどんなド変態妖精なのかと思ったが…)」
提督「(一体どういう原理なんだ…)」
島風「……」ウトウト
提督「…眠いのか?」
島風「うん…ちょっと疲れちゃったかも…」
島風「しまかぜ頑張ったし…ちょっと寝てもいいよね…」
提督「…部屋に戻ったほうがいいんじゃないか?」
島風「…おやすみ…」
提督「お…おいおい…」
右頬を提督に押し付けるようにして、島風は寝息を立て始めた。
華奢な彼女の身体は女性の柔らかさのみを伝え、重さを感じさせなかった。
心臓の鼓動が体中に響く。
提督「…っ」
生唾を飲み込んだ。
…………
何故だか、集中力が目に見えて切れ始めた。
それまでスラスラと浮かんできた独文が、ピリオドまでもう少しというところなのに、さっぱり出てこない。
胸の中で、呼吸に合わせて上下する少女の躰に、意識を奪われる。
さっきまで平然と話していたことに変わりはないはずなのに、気にかけずにいられない。
意識する方がおかしいのだろう。指揮官たるもの、気にせず仕事をして、起きてしまったら部屋に送り返す。
それが当然の反応なのだろう。
起きて欲しくないと心のどこかで思っていたのかもしれない。
腕以外を極力動かさないようにして、視線を落とす。
手入れされたクリーム色の長髪。閉じられた眼。押し付けられて変形した瑞々しい唇。添えられた小さな手。
薄いものの確かにある胸。幼いながらも鍛えられた腹。露わにされた鼠蹊部。
なんと魅力的な要素だろうか。惹かれない男がいるものか。
それが妖精によって計算された合理的な戦闘コスチュームだったとしても。
それが今や自分の腕の中に無防備でいる。
鼓動で胸が痛くなる。
ペンを過剰なまでにゆっくりと置き、背もたれに全体重を預けた。
最後の三行あたりは字が震えていたが、もはやどうでもいい。
全身に血を送り出すたびに、彼女が押し上げられる。
それほど強く脈打っているのに頭は晴れなかった。
もはや提督は、彼女を引き剥がすことは考えなかった。
理性を好奇心に支配されていた。
提督「…ーっ、…」
食いしばった歯の隙間から息を押し出すように呼吸をする。
少しずつ掌を開きながら、島風の左手に腕を伸ばした。
握られた手の中に親指を滑り込ませ、ゆっくりと持ち上げる。
彼女の手は自分より一回り小さく、柔らかい。
『兵器の腕』とはとても言えないものだった。
弱く圧迫しながら、躰の左側に腕を下ろしていく。
島風の背中と自分の胸がぴたりと合うようにして開かせた。
依然島風は眠りについていた。疲れているのだ。
起きるはずがない。
喉が詰まりそうだった。
頰に触れる。
ふわりと指が沈む。大福のようにしっとりとした感触。
ぐにぐにと周辺も連動して形を変えた。
指を下に滑らせる。
溝を作りながら進み、顎のあたりから、指先で首筋をなぞった。
「うんっ…」
ほんの少し、小さな唸り声が聞こえる。
心臓が跳ね上がった。
ただの反射だ。起きない。
そうに違いない。
まだ大丈夫だ。ならば。
指先を揃える。
圧力は面積が小さいほど大きくなる。
面で触れれば刺激は少なくなる。
ゆっくり、ゆっくりと、ずれない様に、腕を下に伸ばす。
剥き出しの横腹に。
4本の指の腹を、ぴたり、と張り付かせた。
「…っ」
一瞬、島風が背を伸ばした。それだけ。
服が擦れたようなものだ。まだいける。
柔らかな脇腹から、僅かに盛り上がった腹筋に、
すすすす、と、手を滑らせた。
「…んぅっ…」
少女が身をよじった。腹に添えた腕が、痙攣するかのように震えた。
小さく開かれた桃色の唇から奏でられる息遣いが、心なしか、荒くなった。
首筋に一筋の汗が垂れた。これ以上は危険だ。
これ以上、自分に従うのはまずい。
常軌を逸している。
彼女を傷つけてはならないと誓ったではないか。
…だが、彼女に起きる気配はない。
別に唇を奪うわけではない。
別に純潔を奪うわけでもない。
彼女が知らないのならば、俺だけが知るのならば、それはなかったことと同じ。
それなら、あと少しだけ、遊んでもいいだろう。
斜め下へ手を滑らせる。腰の骨が外に突っ張り、黒い下着の線が引っかかっている。
撫ぜるように掌で骨を包み込み、人差し指を伸ばす。
こりこりとした皮膚に指を沈ませ、下着の紐の下に潜らせた。
そして、脚の付け根の溝に、沿うように、指を進めーー
「……遅い」
「えーーー」
首に手が伸ばされた。
ぐいと下に引っ張られる。
「ん」
唇に柔らかい感触。
潤った感触。
薄く目を開けていた彼女は、ゆっくりと目を閉じた。
冷たい釘を頭に撃ち込まれたように、頭が真っ白になった。
島風は口づけをしたまま、提督の上唇を食み、舌で内側を撫ぜる。
「はむっ…ん…れろぉ……っ」
男が動けない間に、少女はその細く甘い舌を絡ませ、吸い付き、貪った。
下品な水音が部屋に響いた。
提督は抵抗をしようとしなかった。できなかった。
唐突に訪れた絶望と快感で自らを失っていた。
「…っはぁ……」
口端から銀色の橋を作りながら、彼女は唇を離す。
どろどろと濁った提督の目を見つめながら、島風は言葉を紡ぐ。
「…遅い、遅すぎます。こんなに待ってたのに…」
「わたしの提督のくせに、遅すぎ……」
耳もとに近づき、ささやく。
「告白とか、ケッコンとか……そんな陳腐なの、いらない…」
「もっともっと、かまってほしいの……ね?いいでしょ…?」
「いいよ…ね……?」
「…ああ……」
「じゃあ…もう一度……提督から…して…」
提督は黙って、彼女を抱き寄せようとして、止めた。
ノックの音が響く。
赤髪の女性が、興奮した様子で部屋に飛び込んでくる。
明石「失礼します!提督、ついに列風改の開発に成こ「明石」」
明石「え、はい…何か?」
提督「取り込み中だ」
島風「……」
明石「は、はぁ…で、でも、数ヶ月前からの計画がついに「明石」」
提督「後にしろ」
明石「あ…えと…わ、わかりました…」
赤髪の女性はすごすごと引き下がり、ドアを閉めた。
再び、部屋は静寂に包まれた。
島風は提督の方を振り向く。
日は傾きかけ、空間を黄昏色に彩っていた。
ゆっくりと手を添えて、引き寄せる。
「お前はひとりじゃない」
「もう、ひとりにはしない」
二人の陰は、再び重なった。
…………
明石「…もう!なんですか!島風ちゃんいたじゃない!なにが取り込み中よっ!」
明石「大方まーたしりとりで負けそうになって焦ってたに違いないわ、せっかく頑張ったのに…!」
明石「…えぇーいイライラするっ!もう今日はやけよ!大淀と飲み明かしてやるんだから!」
明石「あぁんのクソ提督ーーーっっ!!」
島風のイカ腹を枕にして死にたい人生だった
鼠蹊部は見えていれば見えているほどいいですね
改二はよ
よく見たらお"ぅ"っが入ってないやん
次はいれます
途中まで更新
若干R-18要素が強くなります
提督「島風!仕事終わったぞ!遊ぶか!」
島風「ふーん…」ゴロゴロ
提督「…あれ……」
提督「いや、終わったんだぞ、今日は早いほうだぞ」
島風「わかってますよぉ…」
島風「でも今漫画読んでるしぃ…」
提督「お、俺より漫画のほうが大事なのか!そう言うんだな!?」
島風「そんなこと言ってませんよ」
島風「でも優先順位ってあるでしょー…」
提督「くっ…あんなに甘えん坊だったのに…すっかり反抗期に…」
島風「その言い方やめてくれます?」
提督「(あの日から、俺は島風を秘書艦にした)」
提督「(ここでは特に秘書艦がやることはないが、俺が島風を側に置いておきたかったのだ)」
提督「(ある意味で吹っ切れた俺たちは、他の艦娘に隠してはいたものの)」
提督「(割と日常的にいちゃいちゃしていた)」
提督「それ、あと何ページくらいあるんだ」
島風「…560-124してー」
提督「…436ページ……」
提督「いつ読み終わる?」
島風「寝る前くらーい…」
提督「遊べないじゃないか!」
島風「別に1日くらいいいじゃないですか、提督も言ってたでしょ」
島風「風紀的にも青葉的にも危ないって。秘書艦になったばかりだから、どこから見てるかわかんないよ?」クスクス
提督「ぐぬぬ…」
提督「わかったよいいよ、あっちで適当に菓子でも食ってるから」
島風「はーい…」ゴロゴロ
提督「……」
その場を離れる振りをして、ちらりと後ろを見る。
黒塗りの重厚なソファの上でうつ伏せになり、足をばたつかせながら気怠そうに返事をする島風。
意識は完全に漫画へ向き、その足、その腹は完全な無防備であった。
隙だらけな少女の仕草は、提督の悪戯心に火をつけた。
あれだけ情熱的に迫っておいて、あんな淡白な反応で諦めてたまるものか。
現に昨日まではべたべたとくっついて一時も離れなかった癖に。
別にその場でくすぐって意識をこちらに向けてやっても構わなかったが、一工夫加えてやろう。
日頃から受けている悪戯のお返しだ。
提督は部屋の隅にある冷蔵庫をゆっくりと開けた。
その中の製氷室に手を突っ込み、氷を二個取り出し、両手に握り込む。
張り付くような痛みが手に走るが、気にしない。
拳の中から流し台へポタポタと水が溢れ出した。
だんだんと手の中の感覚がなくなり、同時に硬い塊も小さくなっていく。
全てが水に戻ったのを感じて手を開き、島風へ向き直った。
彼女は提督の方を振り返ってもいなかったようで、気にする様子もない。
0℃近くまで下がった表皮を島風に突き出しながら、足音を立てないように近づく。
気づかれれば一巻の終わり。影にも気を配り、一切の気配を消す。
一歩一歩、確実に進む。笑いをかみ殺す。
…ついに島風のすぐ斜め後ろまでたどり着いた。
思わず、にやりと口角が上がってしまう。
さあいい声で鳴くがいい。大人を無下にした罰だ。
静止した状態から一気に加速し、その剥き出しの脇腹を、両手でがっと捉える。
ぐにいと指を沈み込ませた瞬間、少女の躰が大きく跳ねた。
「お"う"っ"!!?」
背中を思い切り逸らし、何とも表現しがたい悲鳴を上げる。
原因不明の刺激から逃れようと激しく身をよじるが、提督はそれを許さない。
「つめたぃっ!なにっ、やだっやめてっ、あはっ!ひゃふっ、やめてよぉっ!」
「はははははっ!逃がさん逃がさんぞっ!おらおらおらっ!」
ぐるりと仰向けになった柔肌をこれでもかと撫で回す。
その度に小さな肉体はびくびくと痙攣し、笑いとも嗚咽ともつかない声が漏れる。
「ひゅぅっ、あふっ、つめた、あっ、やめて、あはっ、はっ…」
疲れたのか、抵抗を諦めたのか、だんだんと声が弱々しくなっていく。
とろりとした目から一筋の涙がこぼれた。
手についていた水滴で彼女の腹部はべちゃべちゃに濡れ、薄い上着はぺたりと張り付いていた。
最後には提督の手も彼女の熱によって常温まで戻され、すっと撫でるのをやめ、手を離した。
「ふふふ、これで分かったか?俺を本気にさせるとろくなことに…」
提督が冗談めかして声をかける。が、島風はそれを聞いているようには見えなかった。
「はーっ、はーっ、はっ、ふうっ、かふっ、はぁーっ…」
激しい運動によって疲弊した島風は全身から力を抜き、息を荒げていた。
敏感な部分を大量に刺激され、顔は真っ赤に上気し、小さな口で必死に酸素を取り込みながら、潤んだ瞳で虚空を見つめている。
「…」
「はーっ、ていと、くぅ、っ、はっ、はぁっ…」
華奢な少女が乱れたその様子は、提督が劣情を催すのに事欠かなかった。
ここまで
やっぱ攻めるなら腹ですね
疲れてはあはあいってる女の子とか最高ですね
つまり島風を生み出したしずま先生は変た天才ですね
がっつりR-18になったので注意してください
変態度高めです
提督はぐいと顔を島風に近づけ、両手を彼女の頭に添え、無理矢理唇を奪った。
「んぐっ!?…っ、っぷはぁ、ぁっ…んむ……!」
荒く呼吸をしていた口を塞がれた島風は、くぐもった呻き声とともに、無意識に提督を押しのけようとする。
しかし大の大人の体重を細い腕で押し返せるわけもない。
それどころか、胸にあてられた腕に気づいた提督は、頭から両手を離すと、彼女の腕を掴み、ソファに押し付けてしまった。
時たまに訪れる息継ぎの合間に、島風は苦しそうにあえぐ。
弱々しく顔をそらし逃れようとするが、提督が唇を吸い、舌で口腔を犯すのをやめることはない。
内側を撫ぜられる快感を強制され、否応なしに身体が熱くなっていく。
差し入れ、舐めまわし、吸い上げ、お互いの唾液がまざりあって、どちらのものかわからなくなるほどになったころ、ようやく提督は唇をゆっくりと離した。
「んんっ…っはぁ!……ぁ…」
「島…か、ぜぇ…」
提督の目は蕩け、理性を感じさせなかった。腕を抑えられ身動きが取れない島風は、ぞくりとした恐怖と、ただならぬ興奮が湧き上がるのを感じた。
「はぁっ…てーとく……っ、あんまり、乱暴しちゃやだぁ……」
その甘えるような、縋るような少女のささやきは、提督の加虐心のたがを吹き飛ばした。
提督は島風の薄く湿った上着に手をかけると、ばりばりとボタンごと引き剥がしてしまった。
少女の発展途上な桜色の突起が露わになる。
「きゃ、てーとくぅ、乱暴しないでってぇ…!」
その所業に驚くのも束の間、その艶やかな頂点に提督は唇を押し付け、吸いあげる。
上から少女の年に不相応な、淫靡な鳴き声があがるのを聞きながら、舌でさらにこね回す。
ついばんで引っ張るようにして口を離すと、てらてらと唾液にまみれた乳頭はぷっくりと膨らんでいた。
もう一つの乳房にも舌を這わせながら移動し、かぶりつく。
つんつんと歯と舌で刺激するたびに切なそうな吐息を漏らし、男を昂らせる。
少女の母性の象徴を両方ともしゃぶりつくした頃には、提督の逸物は今にもズボンを破いてしまいそうなほどに怒張していた。
窮屈な不快感に耐えかねず、提督はベルトに手をかけ、慌ただしく下着ごとズボンを下ろした。
縛るものがなくなった剛直は勢いよく飛び出し、ばちんと島風の太ももを弾いた。
小さな悲鳴があがる。
「……そ、それ、どうするの…?」
不安と好奇心が同居したような震えた声で、少女は尋ねる。無意識に足をきゅっと閉じてしまっていた。
「はぁーっ、はぁーっ…」
提督は島風の背中に手を回し、強く抱き寄せた。
対面座位のように提督の足の上に座らされ、上向きに反った陰茎は島風の腹に強く押し付けられる。
「あ…あつ、いぃ……」
赤黒い肉の棒がどくり、どくりと波打つたびに、島風の腹筋を鋭く圧迫してくる。
未知の感覚に混乱しているのも御構い無しに、提督は本能のままに腰を動かし始めた。
腰を引けば、ずるずると鈴口から涎を垂らしながら、沿うようにして下腹部まで後退する。
腰を突き出せば、垂らした涎をなぞるように滑り、島風の腹肉と提督の亀頭に激しい刺激を与えながら進む。
その動きによって上下される島風の柔らかな身体は、提督の上着の硬い生地に擦り付けられ、勃起した二つの頂点から継続した快感を送り込まれる。
刻まれる快楽と、体験したことのない背徳感に酔い、島風はただ提督の肩に顎をのせるのみで、何も考えられなくなっていった。
そこに提督はさらに追い打ちをかけるべく、首筋をべろりと舐め上げる。
対比するかのような冷たい触覚に、身体が跳ね上がった。
「ひゃぁっ…!」
「かわいいよ島風、やわらかくて、すごくイイっ…」
「やだぁっ、へんたい、へんたいっ」
耳もとでささやかれる優しい声で、頭の中がぐちゃぐちゃにかき混ぜられる。
小さな肉体はとっくに限界を越え、与えられる刺激をただ享受するほかなかった。
「はぁ、はぁ、あつっ、くる、なにかぁ…っ」
ろれつの回らない口で訴える。
彼女の腹は、提督の肉棒が臍にひっかかるたびに分泌されるカウパーでべとべとにされていた。
提督の息遣いも荒くなり、逸物が時折、びくびくと脈打つ。
「出るっ、島風ぇっ、出すぞっ…!」
「ぁあっ、やぁ、くるっ、くるぅ…!」
がっちりと細い身体を抱え込み、ますます早く腹を擦り上げる。
「ぐうっ…あぁっ…!」
ぐりっと臍に鈴口を押しつけると、剛直から肉体の奥底で煮え滾った精液が迸った。
どくり、どくりと大きく伸縮しながら精を吐き出し、島風の白い肌をさらに白く染めながら胸元まで吹き上がり、べたべたに汚していく。
「ぁぁ…~~~~~~~っっ!!」
身体中から感じる熱々の粘液の感触。むせ返るような雄の匂い。
眠っていた生物の、雌の本能が呼び覚まされ、少女の肉体を電流のような快感が駆け巡る。
吊り上げられたかのように身体を反らせると、びくびくと震えながら絶頂した。
「…っぁ……はぁ…♡」
紐のような下着から大量の愛液が滴り、提督の足を濡らす。
点滅する視界の中、島風は快楽の余韻にどっぷりと浸りながら、体重を提督に預けた…。
…………
提督「……」フキフキ
島風「…………」ムスーッ
提督「……なあ、ちょっと手伝ってもらっても…」
島風「やだ。提督が勝手にしたことじゃないですかっ」
提督「悪かったって…合意なしにいろいろしたのは…」
島風「いろいろしすぎでしょう!なんですか服まで破って、お腹責めですか、この変態っ、変態てーとく!」
島風「すっごい苦しいしっ!私じゃなかったらとっくに憲兵さん呼ばれてお縄ですよ!」
提督「いやそれは…すっごいすべすべだったからつい出来心で…」
提督「それに最後らへんはお前だって気持ち良さそうに…」
島風「うるさーーい!!」
島風「とにかく!突然こんなことするのはもうだめですからねっ!」
島風「やってもちゅーまで!分かりました!?返事ぃ!」
提督「はい…反省してまーす…」
提督「(突然じゃなきゃいいのか…次はそうしよう…)」
島風「…ねえ」
提督「…なんだ」
島風「…暇」
提督「俺も」
提督「…この前読んでた本はどうしたんだ」
島風「もう読み終わっちゃったし、秋雲に返しちゃったよ」
提督「あれ借り物だったのか…」
提督「…俺の貸してやろうか?漫画」
島風「いらない。あれこわいもん…」
提督「…面白いんだけどな、不安の種…」
島風「…お仕事もないんですか」
提督「お前からそんな言葉が出る日がくるとは…」
提督「…ないよ、俺もやることなかったし、溜め込んだのもみんなやっちゃったよ」
島風「えー…」
提督「…テレビゲームでもするか?マ◯カとか」
島風「あれおっそーい……まだ200ccこないし…」
提督「…F-ZER◯の新作まだですか…」
島風「………」グデー
提督「………」
ガタッ
提督「」ソローリ
島風「……はっ!!」
島風「止まりなさい!ストップ!」ビシッ
提督「くそぅバレたか」
島風「もうくすぐろうたって無駄ですからね!絶対引っかかりませんよ!」
島風「ていうか、やることなくなったら脇腹触りにくるのやめてください!味しめすぎでしょ!」
提督「お前が美肌過ぎるのが悪いんだよ」
島風「えっ…………じゃなーい!いきなり褒めたって無駄ですから!ごまかすなー!」
提督「ちぇー」
島風「まったく。自分は見せない癖にひとの身体ばっかり弄くりまわして…」
島風「(最近の提督は調子にのってる。前まではキスぐらいでうろたえてたのに…)」
島風「(これじゃ私が提督のおもちゃみたい)」
島風「(ぎゃふんと言わせるような機会が、なにかないかな…)」
島風「……あ」
島風「提督、ちょっと待っててください!どこにも行かないでね!」ピューン
提督「ん?ああ」
提督「……何か企んでるな」
…………
提督「数分経った…あいつにしては遅いな…」
島風「…てーとくっ!お待たせしました!」バーン
提督「うお、お前……なんだその格好」
島風「そ、それはどうでもいいんですよ!そんなことより、暇なんでしょ?じゃあ、アレやりましょう!」
島風「あの、ジャンケンして服を脱いでいく、アレです!アレで勝負です!」
提督「…厳密には違うが、俗に言う野球拳か?」
島風「そう、それ!」
提督「…ははぁ、だからそんな格好に着替えてきたのか」
提督「コートに耳当て、スカートの下にジーパン…その辺にあったやつ全部着てきたな」
島風「ま、まさかぁ~…たまたまですよ、ちょっと寒いな~って思ったから着込んできただけだし…」
提督「(苦しすぎるだろ…)」
島風「で、やるんですか!やらないんですか!?」
島風「まさかてーとくの癖に勝負から逃げるなんてこと…しないですよね…?」
提督「(あの下に何枚着てるか分からんが、素の島風は相当な薄着だ)」
提督「(いくらカサ増ししたってそう変わらないだろう。俺よりちょっと多いくらいか?)」
提督「(それに今日の朝の占い2位だったし…いけるだろ)」
提督「わかった、やってやろうじゃないか」
島風「言いましたね!もー取り消せませんよ!」
島風「じゃあジャンケンで負けた方は一枚ずつ服を脱いでいく、靴下とかは両方で一つ扱いね」
島風「そして最後に負けた方は勝った方の言うことを一つなんでも聞く!」
提督「…ん?おい、最後のは聞いてないぞ!」
島風「…あれ~?さっきやるって言いましたよねぇ?」
島風「勝てると思って乗ったならこの程度なんでもないでしょ?優勝商品が増えるだけだし」
島風「…まさか、わざと負けて見せつけようとするような変態じゃないですよね」
提督「あーあー違う違う。わかったいいだろう、その程度屁でもない」
島風「じゃあ決まりね!さあ、早速スタートしますよ!」
島風「(これでてーとくを裸にひん剥いて、どっちが上か教えてあげるんだからっ)」
島風「(おもちゃにされるのはもうおしまい、これからは私がてーとくで遊ぶのよっ!)」
提督「よしこい」
島風「いきまーす…」
「せーのっ」
提督「最初はグー!」
島風「最初はグー!」
提督「ジャンケンポン!」パー
島風「ジャンケンポン!」チョキ
島風「やったっ!」
提督「ぐ…幸先が悪い」
島風「ほらほら、何脱ぐんですか?早くしてくださいよぅ」
提督「いきなり上着脱いでたまるか、帽子だ帽子」ヒョイ
島風「二回せーん、いきますよ!」
提督「さあこい」
提督「最初はグー!」
島風「最初はグー!」
提督「ジャンケンポン!」グー
島風「ジャンケンポン!」チョキ
提督「見たかっ」
島風「まあまあ、まだ1着目ですから。コート脱ぎます」スルリ
提督「…この時期にセーターも着てたか、本当になんでも重ね着してきたって感じだな」
島風「違いますぅー。たまたま寒かったから着たんですぅー」
提督「ふん、減らず口を叩けるのも今のうちだぜ…」
島風「さあさあペース上げていきますよ!」
提督「暑いから早く脱ぎたいんじゃあないのか?」
島風「だから違うって!ほら、じゃーんけーん!」
提督「ぽん!」チョキ
島風「ぽん!」グー
島風「よしっ!」
提督「畜生、靴を脱ぐ。さあどんどんやるぞ」
提督「じゃんけん」チョキ
島風「ぽん!」パー
島風「セーター!」バッ
提督「じゃんけん」パー
島風「ぽん!」チョキ
提督「…靴下だ」
提督「じゃんけん」グー
島風「ぽん!」チョキ
島風「耳当てー」
提督「じゃんけん」グー
島風「ぽん!」パー
提督「ぐ…手袋を…」
…………
「じゃあ腹巻外しまーす。はー、暑かった」
「やっぱり暑かったんじゃあないか」
提督は追い詰められていた。
「ふふん、そんな減らず口を言えるような格好ですか?」
「ぐ……」
やっとの思いで島風を「元の格好」まで戻した。
しかし、提督は既に下着しか身につけていなかったのだ。
「…ていうか、なんでパンツそんな柄なんですか。どんなセンスですか」
「何を言ってる。男の下着姿といえばこれだろう」
おそらく提督が最後に脱ぐのはこのイチゴ柄のトランクスだろう。
負けられるのは、あと一回だけだ。
ひん剥くところまでいけませんでした
時間を金で買えたら食費以上に使っているだろうに
ところでコント番組ってなかなかインスピレーションが刺激されていいですね
LIFEの「我慢する男」はネタにも使えそうで面白かったです
次はまた一週間後くらいかそれより早いかです
提督「(どうしてこんな不利な勝負を受けてしまったのだろう)」
提督「(普通に考えて無理に決まってんだろ)」
提督はこれまでの行動によって自分が招いてきた状況を顧みながら、軽率な判断を悔いた。
どうにも自分は、重要な場面でこそ致命的に足を踏み外してしまう性らしかった。
「(今までの勝率はほぼ5分…今までのように闇雲に手を出すわけにはいかない)」
「(冷静になれ、いくら苦しくても、勝つ方法は必ずある)」
神経を集中させ、目の前の敵を見据える。
「…な、なんか急に静かになりましたね」
その頭の中を見透かしてくるような鋭い眼に、やや島風は気圧されていた。
「そんな目してもハンデとかあげませんからね、無駄ですよ無駄」
流し目でそう切り捨てる少女だったが、提督にとってそれは既に諦めていることであったので、特に反応を返すこともなかった。
「(ジャンケンは…ただの運勝負じゃあない。心理戦だ)」
「(勝負を諦める…心が折れたその時、真に敗北するんだ)」
「(どんな不利な勝負でも、艦隊を指揮する提督として、こんな小娘に負けるわけにはいかない)」
「さあやるぞ、手を出せ!」
「は、はい!」
「「じゃーんけーん」」
「「ぽんっ!」」
「チョキとパー…俺の勝ちだ」
「えー、ここで連敗…」
「さあ脱ぎな…」
「わかってますって」
頰をわざとらしく膨らませながらブーツを脱ぐ。
提督は着実に勝利に近づいた安心感と同時にいささかの不安も抱いた。
「(ブーツを抜いてあとは、リボン、カチューシャ、靴下、手袋、スカート、上着とぱんつ…)」
「(7つ…最悪でも上着までは脱がさねばならん、やれるのか…)」
かぶりを振ってそんな考えを払う。
「(いいや、心が折れた方の負けだと言ったじゃあないか!やれる、やれるさ)」
「さあ、次だ!」
「なんか、人変わりました…?」
「うるさい、行くぞっ」
「「じゃーんけーん」」
「「ぽんっ!」」
「き…きたっ!やったぞッ!」
「う、嘘…」
提督は自分の手のグーを、更に強く握りしめた。
「(来ている、流れが来ている!心理戦において流れはなによりも勝敗を支配する!)」
「(十分だ、勝てるぞ!)」
「さ…さぁ脱ぎな!遅いぞ!」
「ぐぬ…ぐぬぬぬ…」
「で、でもそっちはもう下着!このカチューシャを外したところで、大した差はありません!」
「あなたは、既に負けているようなものなの!」
「どうかな…!さあ次だ!」
「「じゃーんけーん!」」
「「ぽんっ!」」
「ふ…ふふふ…」
「あ、ありえない…」
「いやあり得ている、お前のそのチョキがなによりの証拠…」
「俺は読み切った、お前はここであえて同じ手を繰り返して勝利をもぎ取ろうとするだろうことを!」
「い、イカサマ!?なにか仕組んで…!」
「違うッ!」
きょろきょろと周りを見渡す島風を、提督は一喝した。
「さっき言ったな!既に負けているようなものだと!勝負は決まっているのだと!」
「それは慢心だ、お前を盲目にした!だからこそお前は、俺に勝てなかった!」
「俺に心で打ち勝たない限り、勝利の女神は微笑まないんだよ!」
「ぐうぅ…!」
下着姿の男の言葉が胸に響き、瞳を潤ませる。
「(悔しい…わけわかんないけどこんな格好で言われるだけですごく腹立つ…!)」
悔し涙をこらえながら手袋を外す。慢心、敗北…下向きの言葉が心の中で渦を巻いた。
「さぁ、勝つんだろ、続きだ」
「わ、わかってます!」
「「じゃーんけーん!」」
「「ぽんっ!」」
「…これだ、これでわかるだろう、人間の心理というものがどれほど戦果に影響するか…」
「……っ」
「勝ちたい一心で無意識に、最後に俺が出したグーに勝つ手を出してしまったんだよ、お前は!」
「さあ脱いでもらおうか!靴下だろわかってる、なかなかフェチズムをそそらせる部位だな!さあ、晒せ!」
「ぐううぅ……!」
男の高笑いのなか、縞模様のソックスに手をかけて下ろしていく。
瑞々しく健康的な白い脚が露わになった。
太ももには、靴下に締められていた跡がうっすらと残っている。
「ほう、なかなかいい眺めだな、その涙目も色っぽくてグッドだ」
「う、うるさい!そんな目で見ないで!」
「今更何を言うか!ははははは、さーあ次だ!」
「「じゃーんけーん」」
「「ぽんっ!」」
「え…や、やったっ!やったぁ!!」
「む…読み違えたか…」
「まぁ、こんなこともあるさ」
提督は躊躇うことなくシャツを脱いだ。
「あ、あの…もっと悔しがるとか…あと一枚ですよ…?」
「あと一枚だからなんだ?ここから3連勝すれば勝ちなんだろう」
「ま、まあそうですけど…」
「既に5連勝している。出来ないことはないなぁ~?」
少女が下唇を噛んで唸る。
「(…なんで!?どこからくるのその自信っ!?)」
「(むかつく、腹立つ、許せない!こんなにコケにされて裸にもされるなんてやだ!)」
「(…なにかインパクトのある一撃を、そうしないと勝てない…)」
「どうした、棄権か?」
「…っ、まさか!」
「そうだろうな、あと一枚だぜ?」
「「じゃーんけーん」」
「「ぽんっ!」」
「そら見たか、現実味を帯びてきたぞ」
「っ…そうで、すね…」
「たかがジャンケン、されどジャンケンだ、心持ちひとつでここまで逆転もできる」
「…スカートだろ?ぱちっと外してしまえ、元からあってないようなものだしな」
「…わかりました」
端についている大きなボタンを外すと、ストンと床に落ちた。
歳に不相応で、あまりに刺激的な下着が丸見えになる。
「ンッン~流石Z旗、すさまじいデザインだ…」
「どうせだからもっとしっかり見たい。ちょっと三角座りでもしてくれないか?」
「…冗談言わないでください」
「つれないな、まああと二回勝った後の楽しみにでもしておくか」
その何気ない一言に、わずかな引っかかりを覚える。
はっとあるアイデアが、彼女の中に閃いた。
「(そうだ…提督は勘違いしてる。この前の…その…アレの時、私の上着を脱がせた時だ)」
「(私は上着の下に何も着てなかった。いつもそうだけど…今日は違う。こんなゲームだもん、着るに決まってる)」
「(だから、本当に私が負けるのは、あと3回後…)」
「(次、私は多分負ける…何か強烈な一撃を浴びせるのは、そのときぐらいしかない)」
「(…賭けてみよう)」
「さあ、やろうか」
「ええ…」
「「じゃーんけーん」」
「「ぽんっ」」
提督は勝利を確信していた。
今迄もっともらしい御託を並べ立てたが、どれも口からのでまかせである。
それは島風に、勝てない相手であるという心理的圧迫を与えるための作戦であった。
振りかぶった手を下ろす。
「(勝てない訳はない。俺はこの場を支配している。余裕だ)」
「(上着を脱がせれば、こちらが勝ったも同然、恥辱に苛まれた少女相手に押し切るのなどお茶の子さいさい)」
パーを出す。
当然のように勝った。
無意識のうちに、いじわるに口角が上がる。
「やってしまったな、…勝ってしまったな!」
「………」
「さあまさか下着を先に脱ぐことはなかろう。上、見せてみろよ」
「既に見てるし、そう変わらないだろう?」
「……てーとく、あと一回ですね」
「私を裸に剥くまで、あと一回なんですね」
「ああそうだ、数え間違えるわけはない」
「その紐みたいなぱんつ一枚だろ?」
「…どうした?」
「……残念でした」
少女は、勢いよく上着を脱ぎ捨てた。
「…な……」
提督の目に飛び込んできた景色。
細い首。鎖骨。雪のように白い肌。鍛えられた腹筋。女性を強調するくびれ。
全ては目を奪うのに十分な魅力があったはずだった。
しかし、提督の目はある二箇所に集中していた。
それは小ぶりな乳房をちょうど包み込むほどの大きさで、そして真っ赤だった。
「そ、それ、それ、はぁ……」
「…くすっ」
「まさ、か、嘘だろ、お前…」
「に…」
「二プレスだってぇーーーーーッッ!!?」
「お前っ、服の下にも仕込んでやがったな!?」
「仕込んだぁ?」
少女は哀れな男を嘲笑した。
「ただ今日はつけてただけです。勝手に勘違いしたんでしょ?」
「か、勝手に?」
「面白かったですよ?あの犬みたいな目。そんなに私の胸が見たかったですか?」
「そ、そんなこと…!」
「あーあ、残念ですね。あと一回のところが、三回に増えちゃった」
「さ、三回ぃ!?」
「あれぇ?まさかぱんつの下にも、なにも着てないって思ってました?」
「え……ま、さかぁ…」
血の気が引いていく。
「そう…"アレ"張ってきました。だから、提督は三回も勝たなきゃいけないの…」
「いまの提督にできますかねぇ?あんなにリーチだリーチだってはしゃいでた提督こそ…」
「慢心してるんです…勝利を確信したはずです…!」
「が…ぁ」
「さ、ほら、最後の一回ですよ?やりましょう?」
「あ…あぁ…」
「じゃーんけーん」
「ぽんっ」
「あーあ…」
少女の低い声が頭に響く。
「勝っちゃったぁ……」
視界がぐにゃりと曲がっていく。
「あーんなに自信満々だったのに、負けちゃったねぇ…提督…?」
彼女が上目遣いでこちらを見る。その目に温かみは一切なかった。
完全に見下した、勝者の目だ。
「約束だから、ほら…脱いでよ」
「く…くそ…」
「…早く!」
語調が強くなる。屈辱で身が震えそうだった。
もはやヤケクソだ。
「…目を離すなよッ!見やがれってんだッ!!」
提督は、全力でイチゴ柄のトランクスを脱げ捨てた。
「ぷっ、あははははっ!」
島風は嘲笑った。
「すっごくいい眺め!あのてーとくが、負けて裸になってる!あはは、おっかしい!」
罵倒が次々に突き刺さった。目を瞑りたいが、ボロボロのプライドが邪魔をして出来ない。
「…っしかも、なんですかぁ?ちょーっとずつ、大きくなってません?」
「ち、違う!不可抗力だ!」
「まさか女の子に馬鹿にされて、感じちゃってるの?とんだ変態さんですね!」
「違うって…!」
「そう言う割に、どんどん反り上がってますよぉ?これは言い逃れできませんよねぇ?」
顔から湯気が出そうだった。
だが、それも直ぐに、氷のように冷え上がることとなる。
「はーぁ、一通り笑ったし、次に行きましょう」
「な、なあ、もう着ていいだろう?寒いんだ」
「は?」
少女が冷たく言い放つ。
「いいわけないじゃないですか。てーとくは負けたの。始める前に言いましたよね?」
「勝った方の言うことを何でも聞くって、まだ聞いてませんよね?」
「ふ、服を着た後でも…」
「それじゃあ意味ないじゃないですか、野球拳で負けるってことは、そういうことですよ?」
冷や汗が額を流れる。
提督は後悔した。勝負所で弱い自分を責めた。
愚かな戦略を練り、少女の怒りを溜め込んだ過去の自分を憎んだ。
「そーですねぇ……」
「じゃあ、今日一日…」
ごくりと、生唾を飲んだ。
「てーとくには、私のおもちゃになってもらいます」
「いいです…ね?」
粘ついた甘い声が耳に張り付いて、離れなくなった。
逆襲までが長いとは思った
島風はSでありMです間違いない
いじめられたい
更新はやくしたい
このSSまとめへのコメント
着込んでる状態の時に長めのトイレにいって汗をたっぷり掻かせてから再開するべきだと思うんだ
1コメ自重してくれwww
更新楽しみです。
お待ちしております。