男「大人ってどんな人」女「人に大人っぽいと言われたら」 (13)

女「おはよう」

男「おはよう」

女「朝ご飯は?」

男「うん」

女「うんじゃ分からないよ」

男「うん」

女「・・・はぁ」

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男が交通事故に遭って一ヶ月になる。
医者が言うには下半身付随であると言う。
自己の影響か、すっかり口数が少なくなってしまった。

女「私もね、あんまり長くはここに居られないんだよ?」

女「ほら、ここ一週間くらいは病院に泊まりきりだし、そろそろ仕事もあるし・・・」

男「うん」

女「退院とか考えてるの? 一人でやってけるの?」

男「・・・」

女「・・・はぁ」

女「トラックの運転手さんが良い人でね、お金はすぐにでも渡してくれるって」

女「だからお金の事は当分は心配しなくて大丈夫だから」

女「わかった?」

男「・・・うん」

女「ほんとに一人でやっていけるの?」

男「・・・」

女「私が行ってあげてもいいんだよ?」

男「・・・」

男「・・・それは、・・・いい」

女「要らないってこと? 一人でやっていけるんだね?」

女「まあ一人でやってみて、ダメそうだったら呼んで」

女「じゃあ私仕事あるから帰るね、退院のこととかちゃんと聞くんだよ?」

男「・・・うん」

看護婦「カーテン開けますねー」

男「・・・」

看護婦「良い彼女さんですねー。もう一週間位泊まりきりじゃないですか」

男「・・・」

看護婦「そういう方ってなかなか居ないんですよー。辛い顔も見せずに、素晴らしいと思います」

男「・・・」

看護婦「今日はちょっとお庭を散歩しましょうか」

男「・・・うん」

男「・・・」ゴロゴロ

看護婦「車いすにもだいぶ慣れてきたでしょう」

男「・・・うん」ゴロゴロ

看護婦「車いすを自分で動かすってのは意外と力が要るんですよ」

看護婦「まあ男さんはガッチリしてらっしゃるから心配しなくても大丈夫かな」

男「・・・」ゴロゴロ

看護婦「ここに来る前はどんな仕事をしてらっしゃってたんですか?」

男「・・・いろんなこと」

看護婦「いろんなこと、ですか。雑務とかかな? 現役バリバリの時に大変でしたね」

男「・・・いや、別に・・・」

看護婦「・・・そうですか」

男「・・・」ゴロゴロ

看護婦「そろそろ帰りますか」

男「・・・うん」ゴロゴロ…

みたいな感じで書いていきたいと思います
よかったらたまに覗いていってください

看護婦「『上記のような一般的な会話に対する応答から精神に特に問題があるという訳ではなく』」カタカタ…

看護婦「『心理的なスレトスによる一時的な、軽度の統合失調症の症状と思われる。』」カタカタ…

医者「レポート書き終わった?」

看護婦「はい、ちょうど今終わりました。」

医者「いつも通りに私のとこに送信しといて、君のパソコンにもバックアップは取っておいてね、念のため」

看護婦「分かってますよ。大丈夫です。きちんと管理してますから」

医者「・・・ふむふむ。つまり護送はまだ先延ばしにした方が良いってことだね」

看護婦「はい、しばらくは厳しいかと。」

看護婦「身体の方は持ちこたえるだけの体力はあるようですが精神面が少し…」

医者「わかった。もう少しだけ待つように付け加えて私の方から送っておこう」

看護婦「先生もきちんとバックアップ取っておいてくださいね」

医者「はは、そうだね。きちんとしておこう。」

男「・・・んん」

看護婦「ほらー、起きてくださーい」

男「・・・ん」

看護婦「朝ご飯ですよー、早く食べてくださいねー」

男「・・・うん」

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