勇者「ま…魔王…っ、ボクだよ…」 魔王「おっ」(19)

勇者「むっ」

勇者「……ぅぅぅ////」

勇者「すぅーはぁー…すぅーはぁー…」

勇者「こっ、これでよしっ…」

勇者「魔王の家に行くぞっ…」

勇者「や…やっぱり、この服じゃダメかな…」ソワソワ

勇者「心配だから電話してみよ…」

ピポパポ プルルルルルル

魔王『もしもし…あぁ、勇者か。何だ?』

勇者「あ、あのさ…ま、魔王は、どんな服が好き?」

魔王『俺か?俺はなー…シンプルな服が一番だな』

勇者「え…っ。じゃあ、フリフリしたのとか…ダメかな…?」

魔王『んー…俺はあんまり好みじゃないな』

勇者「」ウル

魔王『ぁーっ、ウソウソ!嘘だって!!』

魔王『俺の為にオシャレしてくれるのか?』

勇者「…ぅん//」

魔王『ありがとな』

魔王『楽しみにしてるな』

勇者「うん!ありがとう!まっててね!」

魔王『はは。焦んなくても大丈夫だって』

勇者「いってきまーすっ!じゃあまたね」プッ


魔王「服のことで電話してくるなんて…」

魔王「そんなに俺のこと…///」

魔王「うぅ…ヤバい…めっちゃ嬉しいっ」

魔王「早く片付けないとっ」バタバタ


勇者「ふんふーん♪」ルンルン

勇者「うふふふ…こんな格好するの久しぶりだなぁ…」

勇者「ここ数年、ずぅっと冒険だったから…」

勇者「ボクもこんなフリフリの服、恥ずかしくって自分からじゃ
   とてもじゃないけど着れないよ…//」

勇者(お母さんが選んでくれた洋服だから…//)

勇者「あ、ケーキ屋さんだぁ」

勇者「魔王甘いもの好きだからなぁ…」

勇者(魔王『ちょうど腹減ってたんだ。ありがとう、勇者』ニコッ)

勇者「……//////」

勇者「はにゃ~~~~……/////」プシュー

勇者「す、すみません」

ケーキ屋「はい、なんでしょうか」

勇者「うーん…」

ケーキ屋「お迷いですか?」

勇者「はい…」ウーンウーン

ケーキ屋「では、こちらの苺のロールケーキはいかがですか?
     甘くて美味しいですよ」

勇者「わぁ…美味しそう!じゃ、それで…」

ケーキ屋「ありがとうございます!1900円になります」

ケーキ屋「可愛らしい格好ですね~」ニコ

勇者「はぅぅ…//」

ケーキ屋「さては、お客様っ、これからデートですか?」

勇者「そ、そんなんじゃありませんよぉ/////」ババッ

ケーキ屋「どうぞお二人で美味しく召し上がってくださいね~」ニヤニヤ

勇者「はぅ~…///ど、どうも~」カランカラン


ケーキ屋「デートと見たっ」シャキーン

勇者「あ、やばいっ…もうちょっとで待ち合わせの時間に
   なっちゃうっ」タタッ


魔王「よしっ」

魔王「部屋もキレイにしたし!」

魔王「俺も着替えたし!」

魔王「かっ、、、完璧!なはずだ!」

魔王「あとは勇者を待つだけ…//」

勇者「つ、つつつつついに……着いたっ」ドーン

勇者「魔王のお家って…想像より全然…」

勇者「悪い空気がないっていうか……」

勇者「きれいなお家…お花まで植えてあるよー」フフ

勇者「……いざっ…、出陣!」ピンポーン

魔王「き、来たぜっ!」ガバッ

魔王「はいはーい!」バタバタ

魔王「よ、ようこそ…」ハァハァ

勇者「こ、こんにちわ//」ニコ

魔王(はうっ!きゃわいいいいいっ)

勇者「おじゃましまぁす…」ドキドキ

勇者「大丈夫…?いっぱい汗かいてるけど…」スッ フキフキ

魔王「わひゃっ……///だ、大丈夫だから…」

魔王「それよりゴメンな…初デートが俺ん家って…」

魔王「もっと遊園地とか映画館にすれば良かったかんだろうけど…」

魔王「俺と歩いてると怖がられちゃうもんな」

勇者「……!ううん!そんなこと、ないっ!」ギュ

勇者「ボクは一緒にいて怖いなんて…感じないもん」ギュゥ・・・

魔王「ゆ、勇者……//」ドキドキ

勇者「だから、そんなこと言っちゃダメだよ…//」

魔王「あ、あぁ…分かった…」

勇者「お部屋、行こ?」ニコ

魔王「…」コクン

テトテト ストン

魔王「あっ」(クッション…1つしかないんだった…)

魔王(失敗したぁぁぁぁあああぁぁ!!)

魔王「勇者、これに座ってて」スッ

勇者「え、ぁ、ありがと…///」

勇者「ボクは別に床で大丈夫だから、魔王が座んなよ…」

魔王「いや、ほんと大丈夫…///」

勇者「あ、そうだ」

勇者「じゃあ、一緒に買いに行こうよ」ニコ

魔王「えっ、えぇぇぇぇえええぇぇ!!」

勇者「一緒にお買い物、行こ…?///」キュ

魔王(はうぅぅぅぅ!!!!//////)ズキューン

勇者「他にも、色々必要なもの…買おうよ…///」

魔王「あ、ぁぁ……/////////」

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