提督「鎮守府解体式」 (63)
山なしオチなし書き溜め途中まであり。
一部安価です。
鎮守府の卒業式っぽいものが書きたいです。
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朝。
昨日と同じように今日も、そして恐らくは明日も、万物に等しくやってくるもの。
ヴェル「司令官、時間だよ」
しかし、今日この日の朝に限って、俺たちにとって違う意味を持つ。
提督「あぁ、今行こう」
本日最後の、いや、一生で最後になるであろう「提督」としての書類仕事を全うし、俺は秘書艦ヴェールヌイへ返事をする。
今日で、この鎮守府は解体される。
長くに渡った深海凄艦との闘いも、昨年の本拠地強襲作戦により一応の決着を見せた。
深海凄艦の本拠地を発見した大本営は、各地に散らばる鎮守府に決戦命令を発令し、多くの鎮守府が共同で戦った。
我が鎮守府も戦艦大和や陸奥、赤城を始め所属する精鋭メンバーが作戦に参加。
火力が足りない軽巡艦や駆逐艦は何度も遠征に出撃し、資材消費の激しい戦艦や空母をサポートした。
かくして作戦は成功した。多くの犠牲を出しいくつもの悲劇が生まれた大きな戦争が、終わりを告げたのだ。
深海棲艦との決戦以降、各地の鎮守府の解体が決定した。
深海棲艦の脅威が去った今日、艦娘という強力すぎる戦力は世界各国との摩擦を引き起こしかねないと判断された。
我が鎮守府は、他の鎮守府に比べ比較的損害が軽微だったこともあり、鎮守府解体が延期されしばらくは深海棲艦の残党討伐に当てられた。
ヴェル「緊張するかい?」
提督「あぁ」
ヴェールヌイと俺は、言葉少なに食堂へと向かう。
期待
鎮守府の解体の際艦娘は消えてしまうのか普通の人間になるのか
一ヶ月程前、大本営の指令書が我が鎮守府に届いた。
曰く「鎮守府を解体せよ」とのことだった。
それからは本当に大忙しだった。
艦娘を徐々に解体し、艦娘「だった」子の新しい戸籍登録や就活の斡旋、各種報告や工房を始めとする施設の整備など、目が回る毎日だった。
...それも、今日で終わり。
艦娘も隣を歩むヴェールヌイで最後となり、残りの艦娘は皆解体をすませ、艤装を外している。
>>6 人間に戻る説採用してます。
ヴェル「司令官、開けるよ」
提督「あぁ」
食堂のドアを開けると、皆既に着席していた。
机は端に避けられ、パイプ椅子のみが整列し、我が鎮守府を今まで支えてくれた元艦娘たちが着席している。
我が鎮守府はそれほど大きい場所ではなかったため、艦娘全員が一堂に集まれる場所は多くはなかった。
そのため、大規模作戦を発表するときや新たな仲間を迎える時の公表式では食堂を使っていた。
食堂の一番先頭に置かれた壇の前に、艦娘たちに向かいようにして立つ。
提督「では、始めようか」
陸奥「起立!」
陸奥の声に合わせ、全員が起立する。
ヴェールヌイも他の暁型が並ぶ列へ移動していた。
提督「それでは、これより鎮守府解体式を執り行う」
陸奥「礼!」
一堂が礼をする。
司会進行を進めてくれるのは、我が鎮守府に来てくれた始めての戦艦「陸奥」だ。
陸奥以降しばらく戦艦は誰も迎えることが出来なかったため、艦娘のリーダーとしてずっと頑張ってくれた。
陸奥「国家、斉唱」
国を思う歌、君が代を斉唱する。
---君が代は
深海棲艦が出現し、我が国の制海権が奪われた時、人々は絶望する他無かった。
---千代に八千代に
特に食料を始めとする資源の多くを輸入に頼る我が国では、制海権の喪失は直接「死」に繋がった。
---さざれ石の
そんな中、艦娘として彼女らが名乗りを上げ、深海棲艦の討伐に向かってくれた。
---いわおとなりて
某大戦以降、死力を尽くして平和を作り上げ、誰よりも平和を愛したこの国が、今再び平和を取り戻したのだ。
---こけのむすまで
願わくば、「今」が、幾千年も続きますように。
--------それこそ、唯の石ころが大きな岩になり、苔さえも生やすその時まで。
陸奥「証書、授与」
長期間、艦娘として死力を尽くしてくれた彼女らには、艦娘として戦い抜いた功績を讃え、証書が授与される。
一人一人に、証書を授与する。
陸奥「一番、伊168!」
伊168「はい!」
イムヤが起立し、俺と机を挟んで反対側の位置へと移動する。
提督「伊168殿」
提督「貴殿は、我が鎮守府において深海棲艦の討伐に尽力し、多大な功績を残しました」
提督「栄誉を讃え、これを証します」
提督「某年、某月某日、某鎮守府、提督より」
証書の文面を読み終え、伊168に向き直る。
提督「君には、資源を確保するため何度もオリョールの海へと行ってもらったね」
伊168「...」
提督「中々前線には出してあげられなかったけど、君が集めてくれる資源のおかげで、戦艦や空母のみんなに十分な補給をしてあげられた。満足な修理をして、戦線へと送ることができた」
提督「今があるのは間違いなく、君がいてくれたからだ
提督「本当に、ありがとう」
伊168「司令官...」
陸奥「二番、伊58!」
伊58「はい!」
先程まで168が立っていた位置に、58が移動し、俺に向き直る。
提督「伊58殿。以下、同文」
証書を、58の方へ向けるように持ち直す。
提督「君は、うちに始めてきた潜水艦だった」
提督「潜水艦の艦娘が居るなんて思いもしなかった俺は、初対面の時にとても驚いたものだよ」
提督「他の潜水艦のリーダーとして、今まで良く頑張ってくれた」
提督「ありがとう」
伊58「提督さん...」
証書授与式は、まだまだ続く...
提督「五番、陸奥」
陸奥「はい!」
司会として、食堂正面左手に立っていた彼女が、俺の正面まで移動する。
提督「君は、うちに始めて来てくれた戦艦だった。重巡も空母もいない中、君が始めて出撃してくれた時は、その火力に痺れたものだ」
陸奥「そんな、私は...」
提督「君はよく運が無いと言われるが、そんなこと物ともせず、よく今まで頑張ってくれた。攻略の厳しい海域では、君に頼りっぱなしだった気がするよ」
提督「本当に、ありがとう」
陸奥「提督...」
陸奥「六番、>>+2!」
>>+2「はい!」
安価です。何人かやりたいと思います。
順番とか特に無いんで、自由にどうぞ。
艦娘以外と重複は安価下。
陸奥「六番、秋月!」
秋月「はい!」
司会の定位置へ戻った陸奥と入れ替わりに、秋月が前へ出る。
提督「君の着任は、確かE海域の攻略中だった」
提督「大規模作戦中だった故に、君の歓迎会もかなり遅くなってしまったね」
提督「歓迎会の最中に「こんな料理もったいないです!」なんて言い出すから、こっちは焦ったものだったよ」
秋月「だって、あんな豪華な食事...」
提督「出撃任務中には、優れた防空力で艦隊を守ってくれた」
提督「特に装甲の薄い駆逐艦たちは、君のお陰で守られていた」
提督「本当に、ありがとう」
秋月「司令...」
目に涙を浮かべながら、秋月が証書を受け取り、席へ戻っていく。
----
陸奥「七番、>>+2!」
>>+2「はい!」
陸奥「七番、足柄!」
足柄「はい!」
足柄が壇前へと移動してくる
提督「重巡でよく育ってくれたのが、君と愛宕だった」
提督「君の貪欲に勝利を求める姿勢には、本当に助けられたよ」
提督「少々怪我を負っても、諦めずに主砲を構える姿はまさに狼のようだった」
提督「そんな君のことは、尊敬すらしていたんだ」
足柄「そんな、私だって提督のことを...」
足柄が口元を押さえながら、涙で赤くなった目でこちらを見つめてくる
提督「君は、鎮守府解体後は教鞭を取るのだったかな」
提督「君の厳しい指導なら、多くの優秀な若者を育てられることだろう」
艦娘の多くは、今後の勤務先や編入する学校が既に決まっている。
足柄は士官学校の教員になるのだと、聞いていた。
提督「どうか、頑張って欲しい」
提督「今まで、ありがとう」
足柄は、何も言わずに席へと戻っていった。
--------
陸奥「八番、 >>+2!」
>>+2「はい!」
>>+2から>>+6まで、5人分まとめて安価とります。
陸奥「八番、瑞鳳!」
瑞鳳「はい!」
名前を呼ばれた瑞鳳が、ゆっくりと歩いて移動してくる。
提督「我が鎮守府では、比較的後期に着任した空母だったな」
提督「そのせいで、中々前線にだしてやれなかったのは申し訳なく思っている」
提督「しかし、そんな境遇にもめげず来たるべき時に備え、欠かさず訓練を行っていたこと、知っていたぞ」
提督「秘書艦を頼んだ時は、少々古いネタで場を明るくしてくれたりもした」
提督「そんな気遣い、中々出来るものではないと思う」
瑞鳳「やだなぁ、やめてよ提督」
ポリポリと、瑞鳳が気恥ずかしそうに頬を書く
提督「お前の作ってくれた玉子焼き、いつも美味しかったぞ」
提督「ありがとう」
陸奥「九番、那珂!」
那珂「はい!」
彼女は立ち上がると、真面目な面持ちで俺の正面に立った。
提督「…お前が真面目な顔なんて、らしくないじゃないか」
那珂「なっ!?」
しんみりとした空気の中、僅かにクスクスと言う笑い声が聞こえる。
那珂「あ、アイドルは、へこたれないんだよ!」
提督「そう、お前は何時だってへこたれなかった」
提督「何度砲撃を食らおうが、何度雷撃を食らおうが、お前は何時だって笑っていた」
提督「俺自身、深海棲艦との戦いの中で、何度へこたれそうになったか分からない」
提督「そんな時、笑顔でバカやってるお前には本当に助けられた」
那珂「バカって...」
提督「お前の歌声に、笑顔に、鎮守府のみんなが助けられていたんだ」
提督「まさしくお前は艦隊のアイドルだったんだ」
那珂「提督…」
提督「外へ出たら、アイドルを目指すんだろう?」
那珂「」コクリ
提督「一ファンとして、応援している」
提督「頑張ってくれ」
陸奥「十番、瑞鶴!」
瑞鶴「はい!」
いつもの胴着で、ただし胸当てを外した瑞鶴が、こちらへ歩みよってくる。
提督「お前は、ウチで一番早く着任した空母だった」
提督「赤城よりも先に着任したと同僚に話したら、みんなに驚かれたぞ」
瑞鶴「大本営からの任務もまともに確認してなかったもんね...」
提督「一時期は任務の存在すら忘れていたからな...」
提督「当時の俺は、右も左も分からなかったためにボーキサイトを与え忘れて出撃させたこともあったな」
瑞鶴「あれ、本当に怖かったんだから...!」
提督「本当に申し訳ない」
提督「だが、十分に補給して出撃したときのお前の活躍には、本当に痺れたよ」
提督「砲撃戦が始まるよりも早く先制攻撃を放ち、正にアウトレンジで決めてくれた」
提督「戦力が十分でない、当時の我が鎮守府では、エースはお前だった」
提督「初期の鎮守府を支えてくれたのは、間違いなくお前だ」
提督「本当に、ありがとう」
陸奥「十一番、川内!」
川内「はい!」
朝の比較的早い時間にも関わらず、珍しくシャキッとした出で立ちで、こちらへ歩んでくる
提督「俺が神通と共に、軽巡のエースを任せていたのは、お前だったな」
提督「夜になる度夜戦だー夜戦だーと騒ぎやがって」
川内「えへへ...」
提督「他の艦娘からもかなり苦情が出ていたんだぞ。夜戦バカが煩いって」
川内「...それ、今言うべきことなの?」
提督「そんなこともあった、という話だ」
提督「だが、いざ夜戦に行ってもらった時はその力を十分に発揮してくれた」
提督「巧みに探照灯を使い、雷撃を決めてくれる姿はとても頼もしく感じた」
提督「戦艦にさえ果敢に立ち向かう姿は、さすがだったよ」
提督「しかし、これからは夜戦とは、...戦いとは無縁な生活が送れるはずだ」
提督「これからは、学生として今までの勉学の遅れを取り戻して欲しい」
川内は学校への編入が決まっていた。
一般の青春を体験してみたかったのだという。
提督「何か困ったことがあれば、いつでも頼ってくれ」
提督「何があっても、俺は、俺たちはお前の味方だ」
川内「提督...」
陸奥「十二番、青葉」
青葉「はい!」
艦娘の並ぶ列ではなく、正面向かって右側から、カメラを首に下げた彼女が歩いてくる。
青葉は、最後のこの瞬間まで取材を、我が鎮守府を記録し続けてくれていた。
提督「お前は、ウチきっての問題児だったな」
青葉「問題児って...」
提督「俺のことをパパラッチしてみたり、訳の分からん新聞を発行してみたり、しまいには敵に砲撃されながら「敵はまだこちらに気付いてないよ」ってどれだけ楽観的思考なんだよ」
青葉「そ、それは、場を和ませようとですね...」
提督「あんなもの戦場が混乱するだけだ」
青葉「...」
提督「...でもな、E海域の解放作戦に失敗し、鎮守府全体が敗戦ムードだった時」
提督「お前は相変わらず訳の分からん新聞を発行して、鎮守府を盛り上げてくれたよな」
提督「何かイベントがある度に、お前と那珂と霧島と、三人で会場を沸かせてくれた」
提督「お前が居なかったら、あの暗いムードを断ち切れたか俺には分からない」
青葉「司令...官...」
提督「それだけじゃない。刻々と変化する戦況を、艦娘の増えたウチで皆が把握出来ていたのは、お前の新聞があったからだ」
提督「お前のお陰で、皆に正確な情報が行き渡り、俺の指示にも納得して戦場へ出てくれたんだ」
提督「お前のジャーナリズムは本物だ。俺が保証する」
青葉「そんな...褒めすぎですよ...」
提督「お前の記事は、皆を笑顔にできる。皆に真実を知らせることが出来る」
提督「これからも、そんなジャーナリストを目指して欲しい」
提督「記者になっても大変だろうが、応援している」
提督「頑張ってくれ」
陸奥「提督、送辞」
皆に証書を渡し終え、式が進行する。
鎮守府を解体して、海軍に残るのは俺だけだ。
皆、海軍からは除籍され、「普通の」日常を送るはずだ。
陸奥「一同起立」
普段では見られないような真面目な顔で、皆が起立する
陸奥「礼。...着席」
提督「みんな、聞いてくれ。恐らくこれが俺から皆に送る、最後の言葉だ」
提督「すまないが、俺には格式ばった送辞は出来そうにないから、普段の口調で話させてもらう」
提督「数年に渡る深海棲艦との戦いの中、皆よく頑張ってくれた」
提督「本当はもっと早く解放してやりたかったんだが、大本営の決定を変えることはできず、この日まで延期になってしまった。本当にすまない」
陸奥「そんな...」
提督「厳しい戦いが続く中、我が鎮守府では一人の轟沈も出さず最後までやってこられた。これは一重に皆の努力のお陰だ」
提督「月並みな言葉しかでないが、何度でも言おう」
提督「本当にありがとう」
提督「明日からは、皆各々の新しい毎日が始まる」
提督「本来なら学校で勉学に励み、放課後には部活やバイトに明け暮れ、夜には夜更かしをして友達とゲームをする...」
提督「そんな普通の青春を皆に経験させることが出来なかったこと、本当に申し訳なく思っている」
提督「可能ならば、これからそんな時間を少しでも取り戻して欲しい」
提督「また、今まで鎮守府という限られた世界で過ごしてきた皆が、外の世界では困ることもあるだろう」
提督「そんな時は迷わず相談してくれて構わない」
提督「皆は俺にとって、娘のように思っている。それは鎮守府が解体されようが、皆が新しい道を歩もうが、変わらない」
提督「最後にもう一度だけ言わせてくれ」
提督「本当に、今までありがとう」
提督「以上だ」
言い終わり、一礼だけすると、提督用に用意された席へと移動する。
食堂全体がよりしんみりとした空気となり、すすり泣く声が聞こえる。
陸奥「艦娘、答辞」
陸奥「艦娘を代表して、長らく提督秘書を務めたヴェールヌイ秘書艦より、答辞を行います」
昨日、一昨日と彼女がソワソワしていたのは、これが理由か。
陸奥「一同、起立」
陸奥「礼。...着席」
ヴェル「一応、私も形式ばったものを用意していたんだけどね」
ヴェル「司令官があんな感じだったのだから、私も普段どうりに行こう」
ヴェル「まずは司令官、お礼を言い過ぎだ」
ヴェル「そんなに言ってたら、一回の価値がどんどん下がるよ」
提督「うぐっ」
ヴェル「それはいいとして、私からも言わせてもらおう」
ヴェル「司令官、今までありがとう」
提督「...」
ヴェル「司令官の作戦は、突拍子もないところもあったけど、信頼はしていたよ」
ヴェル「何よりも、私達が生きて帰ることを重視してくれたのが本当に嬉しかった」
ヴェル「覚えているかい、司令官?まだ私が響だった頃、艦娘が10人も揃っていないときのことさ」
ヴェル「あの頃は中破でも撤退、下手したら小破でも撤退していたために海域の解放が全く進まなかった」
ヴェル「私たちが何度言っても、進軍を認めてくれなかったね」
ヴェル「E海域が解放されている時もそうさ。深海棲艦の驚異的な自己治癒力の為に、連続で出撃しなければならなかった時があっただろう?」
ヴェル「周りの鎮守府では「捨て艦戦法」なんてやってるのに、うちでは結局最後まで大破撤退を繰り返してたよね」
ヴェル「そのせいでE海域は解放できず、大本営にも怒られてたみたいだけど」
ヴェル「でも、そんな司令官だからこそ私は、私たちは信頼できた」
ヴェル「出撃しても必ず帰ってこられる。その安心感があったからこそ、私たちは全力で戦えたし、全力で戦えるからこそ、轟沈することなく帰ってくることができた」
ヴェル「さっき轟沈がでなかったのは艦娘のお陰だとか言っていたけど、そうじゃない」
ヴェル「そんな空気を作ってくれた司令官のお陰さ」
ヴェル「私はね、今日までの生活が終わるのが寂しい半面、明日からの新しい生活が楽しみなんだ」
ヴェル「誰と会うのか、何をするのか、どんな毎日が送れるのか」
ヴェル「私たちをそんな気持ちにさせてくれた司令官に、気持ちを伝えるとしたら」
ヴェル「ありがとう」
ヴェル「それ以上の言葉はないよ」
ヴェル「私からはこれだけだ」
陸奥「艦娘合唱。全員起立!」
艦娘全員が一斉に立ち上がり、私の方を見つめる。
これで最後かと思うと、寂しく感じる
----白い光の中に 山並みは萌えて
伊168(今までは、深海棲艦を倒す為にがむしゃらにやってきた)
----はるかな空の果てまでも 君は飛び立つ
伊58(それが終わりだと思うと、少し、寂しいでち)
----限りなく青い空に 心ふるわせ
陸奥(なんだかんだ言って、提督の下で働くの、楽しかったのよねぇ)
----自由をかける鳥よ 振り返ることもせず
秋月(出撃、遠征、)
----勇気を翼に込めて 希望の風に乗り
足柄(演習だって何度やったか分からないわ)
----この広い大空に 夢を託して
瑞鳳(訓練に明け暮れた日々も、もう終わりなのね...)
----今 別れの時 飛び立とう 未来信じて
那珂(でも、これから新しい生活が始まる)
----はずむ 若い力 信じて
瑞鶴(もう、深海棲艦の艦載機と制空権を争うこともない)
----この広い
川内(もう、夜戦で魚雷をぶん投げることもない)
----この広い
青葉(これからはジャーナリストとして、夢を追いかけられる!)
----大空へ
ヴェル(戦争が、本当に)
ヴェル(本当に、終わったんだ...)
.
陸奥「閉会の辞」
ついにこの時がきた。
これで、本当に、終わりだ。
提督「皆、最後の命令だ。よく聞いてくれ」
提督「全員、必ず幸せになること」
提督「命令違反は重罪だ、分かっているな」
提督「それでは、現時刻を持って某鎮守府を解体とする」
提督「所属艦娘全員の除籍と、某鎮守府の除名をここに宣言する」
提督「以上、今までありがとう」
提督「解散だ」
.
終わりです。長々とありがとうございました。
卒業式シーズンにふと思い立ち、書き溜めてました。
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