提督「どうにかして扶桑と恋仲になりたい」【安価】 (284)

提督「ああ扶桑が好きで仕方がない」

提督「流れる黒髪、美しい瞳、包み込むような心」

提督「まさに理想の女、理想の人」

提督「ケッコンカッコカリがあるとは言えやっぱり俺のことを心から好きになってほしいしな…………」

提督「どうにかして扶桑と恋仲になりたい」

提督「まずは扶桑の気をひくために>>3をしよう」



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山城と恋人になろう

提督「扶桑はぶっちゃけ俺のことを単なる司令官としか思ってないだろう。特別な感情は抱いてないはずだ」

提督「ちょくちょく会話したり食事したりするのも手だがやはり一気に畳み掛けるには…………」

提督「やはり山城をどうにかする必要があるだろう」

提督「身持ちの固さは半端じゃない山城だ。山城と仲良くなることができれば扶桑との仲も絶対に進展する」

提督「将を討つならまずは馬を射る必要があるからな」

提督「そうと決まれば山城にアプローチだ安価下2をするぞ」

提督「やはり無難に食事だ。食事をするという行為は緊張感をほぐし同族であるという心理を働かせることができるというからな」

提督「山城は今日は暇なはずだ。おそらく自室にいるだろう、行くぞ!」


――――――――――

提督「山城、いるか?」コンコン

山城「はい、今開けます提督」ガチャリ

提督「山城、突然すまないが昼食まだだろ?一緒にどうだ?」

山城「え? 私とですか…………?」

山城の提督への好感度
安価下コンマ

山城「て、提督と食事…………?」///

提督「ああ、お前さえ良ければなんだが…………」

山城「い、行きます! 行かせてください!」

提督「いいのか? よかった。てっきり断られるかと思ったからびっくりだよ」

山城「そんな、私が提督のお誘いを断るなんて…………」

提督「そうか、ありがとう。なんなら扶桑も連れてくるといい。今日も二人で食べる予定だったんじゃないか?」

山城「あ! そ、その…………今日は扶桑姉様は他の方と食事されるそうなので…………提督と二人で…………なんて」

山城(申し訳ありません姉様! この埋め合わせは必ずしますのでどうか今日だけは許してください!)

提督(そうか…………あわよくばと思ったが…………残念だ)

提督「よしそれじゃ二人で食堂に行こう。何食べようかな…………」

山城「ふ、二人で…………二人で…………ふふふ」///

食堂

提督「それで俺は言ってやったんだ、『失っている過去を守るのは間違いで、今ある現実を守ることだけが正義なのかよ!』ってな」

山城「大変だったんですね提督…………」

山城(ああどうしよう…………ちゃんと話せているかしら、髪は乱れてないかしら…………食べ方が変だなんて思われてないわよね…………)

提督「俺は過去に縛られて戦うんじゃない、過去に決着をつけるために戦うんだと」

山城「そんなに熱くなるほどおもしろいゲームなんですね…………」

山城(会話がさっきから頭に入らない…………提督に失礼な態度とってないかしら…………)

提督「それより山城、この後暇なら安価下なんてどうだ?もちろん予定があるなら無理とは言わない」

山城「えっ、あっ、で、デート!? デートですか…………!?」

提督「ああ、今日は俺も暇なんだがいかんせん用事もないからな。このまま付き合ってくれると嬉しい」

山城「つ、付き合って…………」///

提督「あ、いやすまん。そういう意味ではなくて一日一緒に暇をつぶそうって意味だ」

山城「あ…………はい、わかってます」シュン

山城(デートって言っても男女二人が一緒に遊べばデートって呼ぶものね…………特別な意味なんてない…………のよね)

提督「それで、どうだ? せっかくだから安価下に行こうと思ってるんだが」

山城(遊園地…………!? 完全にデート…………お決まりの定番じゃない)

山城(もしかして…………提督も少しは私に気が…………)

提督「あー、嫌か? 遊園地なんて子供っぽいかやっぱり」

山城「いいえ、お伴します! ふ、ふふふ…………」///

提督「そうか、ありがとう。えーと…………それでなんだが、もしアレなら扶桑も連れてくるといい」

山城「え?…………姉様、もですか?」

提督「ああ、さすがに扶桑一人置いていくのもな」

山城(やはり…………私に気はないのかしら…………それとも気を使ってくれているの?)

山城(できれば二人きりがいいけれど…………姉様を置いていくのも…………)

安価下コンマ偶数で連れて行く奇数で空気読む

山城「そ、そうですね…………姉様も誘ってみます」

提督「あ、ああ!そ、そうかありがとう…………! じゃあ用意ができたら鎮守府の玄関で」

山城「はい…………わかりました」

山城(このまま姉様を置いて行っても罪悪感で素直に楽しめないわ…………それに昼食の約束も破ってしまったし…………)

山城「でも、提督と遊園地なんて…………ふふ」///

山城(これをチャンスに少しでも前に進むことができれば…………)

―――――――――――

鎮守府玄関

山城「お待たせしました提督!」

提督「いや大丈夫、全然待ってないぞ」

山城(…………今の少しデートみたい)

提督「あれ? 扶桑はどうした?」

山城「あ、姉様は少し用意に時間がかかるので私に先に行って提督を待たせないようにと」

提督「そうか、じゃあ扶桑は来ることになったんだな」

山城「はい…………不幸だわ」ボソッ

提督「え?」

山城「い、いえ何も…………」

山城(思わずそんなことを思ってしまった自分が恥ずかしい…………ごめんなさい姉様…………本当に…………)

扶桑の提督への好感度
安価下コンマ

扶桑「お、お待たせしました提督!」

山城「姉様!」

提督「ふ、扶桑! 大丈夫だ全然、全然待ってないからさ!」

提督(ああ…………かわいい、美しい、私服の扶桑は初めて見たが綺麗だ…………美しい…………)

扶桑「申し訳ありません…………お待たせしてしまって…………山城もごめんなさいね…………」

提督「いや! 突然誘ったのは俺の方だしな、そんなことより元々予定なんかあったんじゃないか? 俺の方こそ無理に付き合わせたなんてことは…………」

扶桑「い、いえ!恥ずかしながら 私も山城もそろって暇でしたので…………お誘いいただいてよかったです」

提督「そ、そうかははは! それなら…………よかった」

扶桑「それに…………山城がいつになく元気でどうしても提督と遊園地に行きたいと言うので」

山城「な、ね、姉様! そ、それは…………」///

提督「なんだそんなに遊園地楽しみなのか? じゃあ時間あるうちに急ごうか」

山城「も、もう! 本当に…………鈍感というか…………」

扶桑「さ、行きましょう山城。たまには私達も楽しみましょう?」

ーーーーーーーーーー

遊園地

提督「うーん、思ったより人が少ないな」

山城「子供ばかりで私たち浮いてるような…………」

扶桑「そんなこと気にしても仕方ないわ山城。せっかく来たのだから」

提督「さてとまずは安価下に乗るか」

山城「ご、ゴーカートですか?」

提督「ああ。俺好きなんだガキの頃から」

山城(…………っ!)ドキッ

提督「ん? どうしたそんな驚いた顔して。確かにあんまり目立たんアトラクションかもしれんが…………」

山城「い、いえ…………楽しいですよねゴーカート。…………その…………私も…………大好きです」///

山城(つい反応してしまった…………中学生じゃないんだから…………)

提督「あ、でも三人だから一人余るな」

扶桑「そうですね、二人乗りですし」

山城「さ、さすがに…………一人で乗るのは嫌です」

扶桑「二人で乗って一人は待つことにしましょう」

提督「じゃあ昔ながらのグーとパーで別れよう」

山城「えっ!? グーとパーで、ですか?」

提督「よっし。じゃあ行くぜ」

結果安価下コンマ0~33提督と山城
33~66提督と扶桑
66~99扶桑と山城

ちょっと中断
一時間くらい

提督「あっ」

扶桑「えっ」

山城「…………」

山城「あの…………提督が運転したいならば私と姉様がじゃんけんすれば良かったのでは…………」

提督「…………しまった」

提督(扶桑とドライブもどきができる絶好のチャンスだったのに…………!)

扶桑「私が待っていますので提督と山城で行きますか?」

山城「えっ? そ、それはつまり……」///

提督「いや、せっかく分けたんだ。このままで行こう」

扶桑「しかしそれでは提督は…………」

提督「一人で乗る」

山城「えっ」

提督「一人で乗る。せっかくのゴーカートだ、二人にもその素晴らしさを感じてもらいたい」

山城(それこそせっかくなら提督と二人で乗りたかったのに…………不幸だわ…………)

ーーーーーーーーーー

山城「提督ったら…………本当に一人で乗るなんて」

扶桑「よっぽど乗りたかったのかしら、ゴーカート」ブーン

山城「そもそもこういう時は男性が運転して女性が助手席に座るっていうのが普通なはず…………」

扶桑「あっ、提督が振り向いてるわ。手を振りましょう」ヒラヒラ

山城「先々行ってしまうかと思ったけどちゃんと先導してくれているのね…………ふふ」

扶桑「…………ねえ山城?」ブーン

山城「は、はい! なんでしょう姉様」

扶桑「最近、提督にあまり辛辣じゃなくなったわね」ブーン

山城「え?」

扶桑「…………いいえ。なんでもないわ。…………運転って思ってたより楽しいのね」ブーン

山城「運転する姉様も素敵…………。私も本当の免許取ろうかしら」

扶桑「ふふ、免許あっても車がないわね」

山城「その時は提督に借りましょう。二人でドライブにでも、なんて…………」

扶桑「それは提督と? 私と?」

山城「へ? …………そ、そんなの姉様に決まっています! も、もう!」///

扶桑「そう、ね。また二人でどこか遊びに行きましょう」


ーーーーーーーーーー

提督「あー! 久しぶりにゴーカート乗った……」

山城「本当に好きだったんですねゴーカート。本物の車も持っているのに…………」

提督「それとこれとはまた違うんだよね。ペダルがアクセルとブレーキしかないっていう単純なところも楽しいし」

扶桑「そういうものなんですか…………」

山城「と、ところで提督。ゴーカートはもう乗らないのですか?」

提督「うーん、名残惜しくはあるけど着いた時間も昼過ぎだからな。次は安価下に乗ろう」

提督「売店でも行こう。遊園地特有の食べ物ってなんかこう、ワクワクするよな」

山城「でもさっきお昼ご飯食べたばかりじゃないですか」

扶桑「たまにはいいじゃない、私はチュロスってお菓子が気になるわ」

提督「喉も渇いたしな。好きなの選べよ」

ーーーーーーーーーー

山城「提督…………本当に払ってもらっていいのでしょうか」

提督「元は俺が誘ったんだからな。遠慮すんな」

扶桑「ではお言葉に甘えて、ありがとうございます」

扶桑「ん…………山城、このチュロスってお菓子、なかなか美味しいわ」

山城「それはよかったです姉様!」

扶桑「はい…………山城、あーん」

山城「え? そんな、悪いです」

扶桑「いいから……はい、あーん」

山城「あ、あーん」

山城「……………………おいひいです」

扶桑「ふふ、慌ててるからってほうばりすぎよ」

山城「っ……! す、すみまへん…………!」///

提督「山城もそんな所があったんだな」

山城「へ? べ、別にいいじゃないですか」//.

扶桑「あ、そうだ提督。私あのアトラクションに行ってみたいのですが」

提督「安価下か。構わないぞ」

山城「じ、ジェットコースターですか…………」

提督「ん? もしかして苦手なのか」

山城「そ、そんなわけないじゃないですか!」

扶桑「やっぱり遊園地と言ったらジェットコースターよね。さ、早く行きましょう!」

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提督「これは三席シートなんだな」

扶桑「みんなで一緒に座れますね」

山城「じゃあ提督が真ん中で私たちは端に座ります」

提督「両手に花だな」

山城「馬鹿なこと言ってないで乗りましょう…………ふふ」

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山城「あ、あの…………提督……」

提督「ん? どうした」

山城「…………その、ですね。手を…………握っていただいても…………」

提督「え?」

山城「…………手を握っていてください、どうか」

提督「あ、ああ。……これでいいか?」ギュッ

山城「…………ん。ありがとうございます提督」

扶桑「はあ…………緊張してきたわ…………」

提督「おい大丈夫か? …………ふ、扶桑も……その、手を握るか?」

扶桑「いえ、私は滑走中に手を上げてみたいんです」

提督「ああ、よくあるやつか……」

扶桑「実はちょっと憧れがあって…………」キラキラ

ビリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ

山城「ひっ!」

提督「うお! 動き始めた!」ガタンガタン

扶桑「ああ…………す、少し後悔しそうだわ」ガタンガタン

山城「て、提督! お願いですから絶対手を離さないでくださいね!」ガタンガタン

提督「おう! つーか俺も割と怖い」ガタンガタン

扶桑「ああもうこんなに高いところまで…………」ガタンガタン

提督「ぶっちゃけ一番怖いのはこのあたりだ、ここが過ぎればなんてことはない大丈夫だ大丈夫俺には二人の女神がついてる安心しろこんなの深海棲艦にくらべたら屁でもねえ大丈夫だ大丈夫」ガタンガタ……

山城「っ!」ギュッ

ガタン

扶桑「~~~~~~~~~~!!!」ゴオオオオオオ

提督「死イイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!」ゴオオオオオオ

山城「提督っ!提督うううううう!」ゴオオオオオオ

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提督「…………」

山城「…………」///

扶桑「あ、あの…………飲み物買ってきました」

提督「あ、ありがとう扶桑。思ったよりすごくてびっくりしてしまった…………」

扶桑「二人とも意外とこういうの苦手だったんですね…………すいません」

提督「いや、扶桑が楽しんでくれたなら全く問題はない、俺もつまらなかったわけじゃないからなちょっと死を覚悟しただけで」

山城「は、はい! 姉様が楽しんでいただいてなによりです!」///

扶桑「山城も顔真っ赤になるほど我慢してたのね…………ごめんなさい」

山城「いえ……こ、これは関係ないです………勢いに任せてあんな大胆な………不幸だわ」

提督「そろそろ……時間が迫ってるな。もっと早くに来ればよかった」

山城「あ、でしたら…………最後に行きたいアトラクションが…………安価下なんですが」

提督「…………お、鎮守府が見える」

山城「え? ああ、本当ですね! 姉様!」

扶桑「ここからだとあんなに小さなように見えるのね」

提督「夕焼けの海ってあんなに綺麗なんだな。お前たちはあんな景色を毎日見れるのか」

山城「毎日見てたらさすがに飽きますけどね、カレーだって毎日は嫌です」

扶桑「その日ごとに違う味わいがあるものよ、夕日も、カレーも」

山城「そうでしょうか…………」

提督「二人とも今日はありがとな。付き合ってくれて」

扶桑「ふふ…………私も、楽しかったですから」

山城「また三人で出かけましょう」

提督「ああ。…………いい感じに進展したかな」

山城「え?」

提督「いや、こっちの話だ。…………それよりも山城」

山城「は、はい」

提督「最近、俺にも笑顔を見せてくれるようになってすごい嬉しい」

山城「…………っ」

提督「出会ったときはいつも最低限しか話してなかったし山城もあまり俺と関わりたくないみたいだったから」

山城「…………」

提督「だから今日、こうして扶桑と山城と三人で遊んでいられるのが本当に嬉しい。また三人で遊ぼうな」

扶桑「…………」

山城「ええ……そうですね。……………………三人、で」

鎮守府

提督「ただいまだな、我が執務室」

提督「扶桑、山城も私室に帰ったし今日はさっさと寝るか…………」

提督「まさか山城があそこまで俺に素直になってくれるとは思わなかった…………」

提督「これはもう山城との仲は十分だと言えるのではないだろうか」

提督「明日は扶桑との仲を深めていくことに専念しよう。最大の難関山城も俺に敵対してないし」

提督「…………………………」


山城『…………手を握っていてください、どうか』

山城『て、提督! お願いですから絶対手を離さないでくださいね!』


提督「………………なんとなく、なんでだろう、山城の顔が浮かぶのは」

提督「………………」

提督「よし! 明日は安価下2して扶桑の気を引こう! そうしよう! うん!」



提督「やっぱり、なんというかほら、もうちょっと山城と関係を深める必要があると思うのよ」

提督「うん、そうだ。山城と仲良くなることがそのまま扶桑との関係を深めることにつながるからな」

提督「…………だよな。俺、自分に嘘はついてないよな? 大丈夫だよな」

提督「…………まあいい。山城に会いに行こう。飯でも一緒に食うか」

山城の居場所
安価下

扶桑姉妹の部屋

コンコン

提督「山城、いるか?」

「提督?…………今開けます」

ガチャリ

扶桑「提督…………山城をお探しですか?」

提督「ああ、食堂を探しても見つからなかったからな」

扶桑「山城でしたら今ごろお風呂に入っていると」

提督「朝風呂か。そりゃ見つからないわな」

扶桑「ええ、私も今からちょうど向かうところだったんです。ご一緒しませんか?」

提督「一緒に行っても別々だけどな」

扶桑「…………ふふふ、提督なら構いませんよ?混浴でも」

提督「…………本当に?」

扶桑「なんて、冗談です」

提督「じゃあ黙って待つしかないか。さすがに風呂の中まで探しに行くことはできないからな」

扶桑「それでしたら私から山城に伝えておきますのでどうぞ部屋で待っていてください」

提督「え? いいのか?」

扶桑「ええ、信頼している提督ですから。それでは私もお風呂に入ってきますので。失礼します」

提督「ああ、ありがとう」


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提督「扶桑と山城の私室、ほんのりいい匂いがする…………」

提督「なんか普段二人がここで生活していると思うとなんだか落ち着かないな………………」

提督「それより昨日より緊張せずに扶桑と話せたな」

提督「これも昨日の遊園地の成果の一つかな…………なんて」

提督「ん? この写真は昨日のジェットコースターか。ふーんこんなサービスあったんだな二人とも言ってくれればいいのに」

提督「…………わあ、山城と手をつないでる俺がはっきり写ってる…………恥ずかしいなこれは意外と」

提督「…………遅いな山城。まあ来たところで何言うか考えてないんだけどな。飯でも誘うくらいしか」ゴトッ

提督「…………? なんだこれ」

なにかしら
安価下2

提督「俺の、写真?」

提督「…………二段ベッドの上から落ちてきたってことは、山城のだな。気になって前に質問したとき上が山城だって聞いたし」

提督「…………よく撮れてるな」

提督「普通、さ。自分の身に覚えのない写真を誰かが持ってること知ったら少しくらい気味悪がるはずだよな」

提督「なんで…………嬉しいんだろう」

提督「ま、まあ元の場所に戻しとこう-----」

ガチャリ

山城「て、提督!」

提督「うおお! 山城!?」

山城「も、もう! 姉様…………本当に提督を部屋にいれるなんて…………」

提督「す、すまん。そうだよな、普通嫌だよな……」

山城「呼ぶなら掃除してからでないと恥ずかしいからです! べ、別に提督が部屋に居るのは構いませんけど」

山城「それより…………その、て、提督が私になにか用があるからと……姉様が言うので急いで来たのですが」

提督「ああそれなんだが………そうだな、安価下しないか」

提督「朝ご飯はまだだろ? 一緒にどうかと思ってさ」

山城「え? いいんですか…………? 私とで…………」

提督「ああ、なんとなく山城と食堂に行きたくてさ」

山城「そ、そうですか…………か、構いませんよ。行きましょう」///

提督「ん。じゃあ行こうか-----」

カタン

提督「っ!」

山城「どうかしましたか……?…………ってそれ…………写真……」

提督「あ、いや、その……待ってる時にここに転がってたからさ。誰のかわからないんだよな」

山城「………………っ!」カァァァァ

提督「ほ、ほら行こう山城、飯だ飯」

山城「うう…………一番見つかりたくなかったものが…………」

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食堂

提督(座ったはいいが山城がずっと俯いて耳まで真っ赤で…………)

山城「……………………」

提督「ほ、ほら食べよう山城。冷める前に」

山城「はい…………」

提督「…………そうだ、みかんあげる」

山城「え、そんな悪いわ……」

提督「風呂入ってるのに俺を優先してくれてここまで来てくれたんだろ?お礼にさ」

山城「…………まあ、そういうことならもらっておきます」

提督「…………でさ、後で山城の写真を撮らせてくれないか」

山城「え………………?」

提督「俺の執務室さ、殺風景だからなにか飾るものないかと思ってんだけどまずは写真かなって。だから俺のインテリア第一号は山城。だめか?」

山城「………………いいですよ」

提督「じゃあ朝ご飯食べたら安価下2に行こうか。そこで写真を撮ろう」

提督「山城、こっちみて」

山城「…………いやです。なんだか……恥ずかしいので」

提督「じゃないといつまでたっても終わらないぞ」

山城「………………そのほうが、いいかも」ボソッ

提督「よしまずは一枚撮るぞ…………はい、チーズ」パシャッ

山城「……ぷふっ…………ふふっふふふふ」

提督「なんだよ、何がおかしいんだ」

山城「いえ……すいませ…………ふふっ、提督がカメラ構えて『はい、チーズ』ってなんだか……滑稽で……ふふ……ふふふふふ」

提督「ひどいな…………これでも真面目にやってんだぞ」

山城「…………わかってますよ。提督がいつも、私たちのことに真面目に向き合ってくれているのは」

山城「あの時だってそうでしたもんね。小さなことでも大きなことでも関係なくあなたは私たちの味方でいてくれる」

山城「だから私は…………あなたのおかげで…………」

提督「山城……………………?」

山城「…………はい?」

提督「今だ!」パシャッ

山城「あっ! ふ、不意打ちなんて!……………………不幸だわ」

提督「…………いい写真だ」

提督(海風に山城の短い髪が揺れる。風呂上がりですこし滑らかな髪が優しく風に乗っている。小さな灯台と綺麗な水平線が優しく山城の影を支えて何故か憂げに微笑む山城の表情に太陽が光を指す)

提督「………………うん。しばらくはこの写真だけ飾っておく」

山城「ええ!? は、恥ずかしいですから…………やめてください……」

提督「だめだ。これ見て毎日頑張るからな」

山城「も、もう…………」

----------

昼前 扶桑姉妹の部屋

山城「姉様、山城ただいま戻りました」

山城「…………? 姉様?」

扶桑「…………山城」

山城「あの…………姉様、どうか…………されまさたか」

扶桑「い、いえ……なんでもないわ。私今日は演習があるから一人でで食事するわね……」

山城「わかりました…………あの、姉様」

扶桑「なに山城……」

山城「なにか……悩み事があるなら言ってくださいね……」

扶桑「………………ええ。ありがとう山城」

ガチャリ

山城「…………どうしたのかしら姉様……」

山城「…………あ、提督の写真、片付けるの忘れてたわ…………はあ、よりによって提督に見られるなんて…………姉様にも見つかってないわよね?」



提督「うーん。なんか山城とばかり会話してるような…………当初の目的は扶桑と恋仲になること……」

提督「いやでも…………このままでもいいかもしれない。山城とこのまま仲良くなって、扶桑と万が一付き合うなんてことになったら山城切れるんじゃないだろうか、『私の扶桑姉様をとるな』と」

提督「やはり山城が俺を認めてくれるまでちょっかいをかけたほうがいいのか?」

提督「…………そもそも俺は扶桑のことを本当に好きなのか?」

提督「いや好きだろ。扶桑とケッコンしたくて今まで行動してきたんだし」

提督「まあいい…………安価下2をしよう」

提督「山城に秘書官を頼もう。ここまで来たんだ、とことん山城と関わってやる」

提督「昨日と今朝で少し遊びすぎたからな。仕事も溜まってる」

提督「山城のそばで仕事頑張れば頼り甲斐がある男として認めてもらえるかもしれないしな。よし!」

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山城「はあ、こんなに仕事があるなら昨日遊ばなければよかったじゃない…………」

提督「いやこれは今日の分の仕事だよ、たまたまいつも以上に忙しいだけだ」

山城「ふうん…………本当に司令官って大変なのね…………休む時には休んでくださいよ」

提督「ああ」

提督「それより最近どうだ? 扶桑も山城も。二人はいつも姉妹で行動してばかりであまり他の人と関わらない印象があるからな」

山城「そんなことありません。私たちだって普通に友人だっていますし遊びに行く友達もいますから。もう…………どんなイメージ持ってたんですか」

提督「いや、ならいいんだ」

山城「と、ところでどうして急に私を秘書艦に?」

提督「山城なら真面目だし、きちっと仕事もこなしてくれそうだからな」

山城「………………なんだ、それだけですか」

提督「なんだよそれ以外になんかあるか?」

山城「いーえ別に。なんでもありませんから」

提督「あ、そうだ山城。さっき撮った写真早速現像したんだ」

山城「えっそんなに早くできるものなんですか?」

提督「ああ一時間もあればすぐできるぞ、ほらこんな感じ」

山城「わっ! いいです見せなくて!」

提督「なんでだよ、よく撮れてるぞほら」

山城「なんだか恥ずかしいんです!」

提督「こんなにかわいく撮れたのにな…………」

山城「……………な、なんですか急に…………か、かわいいなんて……もう」///

提督「うし、ほら机に飾るといい感じだろ」

山城「本当に飾るんですか…………!?」

提督「あたりまえだろ。何のために撮った写真なんだよ」

山城「そ、そう……ですか。…………ふふっ」

提督「さて、昼飯までに一通り書類はかたづけよう」

山城「…………あの、て、提督。書類仕事がひと段落したら私と昼食でもどうでしょうか、姉様が演習で今日は約束もないので」

提督「ん? うーんそうだな…………」

安価下
受けるか受けないか

提督「よし。じゃあこの山をなくしてからな」

山城「はい! …………ありがとう、ございます」

提督「なんだ昼飯くらい誘ってくれればいつでも行くよ」

山城「そうですか? それでも……嬉しいので」

提督「そうか? まあ…………悪い気はしないか」

山城(なんだか最近…………提督と距離がずっと近づいたような気がするわ)

山城(このまま少しずつでも気が引ければ…………)

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食堂

提督「結局ちょっと遅めの昼になったな」

山城「だけど人も少なくて落ち着けます」

提督「結果オーライってことにしとくか」

山城「…………あの、提督。こんなこと聞くのも変なんですが……最近私をよく気にかけてくれますよね」

提督「そ、そうか?」

山城「はい…………食事に誘ってくれたり、遊びに連れて行ってくれたり、秘書艦を任せてくださったり」

山城「あの…………なぜ、なんですか? そ、その……何か特別な理由でもあるのかしら」

提督「理由? 理由…………というか…………安価下2」

提督「山城のことが気になるんだ」

山城「…………へ?」カチャーン

提督「おいスプーン落としたぞ」

山城「あ、あの…………気になる、というのは」

提督「え? なんというか、そのまんまの意味だよ。山城と仲良くしたいとか山城と話がしたいとかそう思うんだ」

山城「…………そ、そうですか」///

山城(これは…………私に気があるということなの? 提督も私を想ってくれているの?)

山城(はっきりとはわからない…………でも、素直にうれしい…………)///

提督(…………なんでこんなこと言ったんだ俺は)

提督(元は扶桑と恋仲になるために山城と仲良くなるって寸法だっただろ?)

提督(思わず口から出た、山城が気になってるって。確かに…………最近山城のことばかり考えてる気がする)

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夜 執務室

提督「……………………」

提督「俺は本当に扶桑が好きなのか?」

提督「そもそもなんで山城が候補に入らなかった? どうして扶桑を好きになった?」

提督「わかんねえ…………」

提督「最近の山城はどうしてあんなに素直なんだろう…………。出会ってすぐはあんなに冷たくあしらわれていたのに」

提督「…………あーもう、自分のこともわかんねえんじゃ考えたって無駄だよな」

提督「明日は安価下2しよう」

提督「また三人でどっか遊びに行こう」

提督「今日だってなんとかなったし仕事のことは考えんでも大丈夫だろう」

提督「問題は二人だな、演習も遠征もなかったと思うがなにせ昨日遊園地に行ったばかりだしな…………」

提督「まあいいかなるようになるさ」

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朝 食堂

提督「この時間なら多分二人とも朝食食べてるはず…………」

提督「…………おっ、いたいた。おーい二人とも」

山城「あっ、て、提督!?」///

扶桑「あら提督、おはようございます」

提督「ああ、おはよう」

山城(どうしよう…………昨日の昼食のときからまともに提督の顔が見れない)

提督「俺も一緒に朝食食べてもいいか?」

扶桑「ええ、もちろんです。どうぞ座ってください」

提督「じゃあ遠慮なく。ありがとうな」

扶桑「そうだ提督、この玉子焼き、とても美味しく焼けているんですよ。おひとついかがですか?」

提督「くれるのか? じゃあもらおうかな」

扶桑「ふふっ…………どうぞ、口を開けてください」

提督「え?」

山城「え?」

扶桑「その……あーんってしてください。私が食べさせてあげます」

提督「い、いいのか?」

扶桑「ええ、どうぞ」スッ

提督「あ、あーん…………」パクッ

提督「う、うまい」ドキドキ

扶桑「そ、そうですか……それはよかったです」///

山城「…………っ」

提督(なんだ急に! 扶桑も顔真っ赤だしなんの思惑があるんだ!?)

提督(というか扶桑からすごくいい香りがした……。やばい、心臓が高鳴って苦しい…………)

山城「ね、姉様…………?」

扶桑「…………な、なんでもないの。なんでも……突然ごめんなさい……」///

扶桑(いくらなんでも不自然すぎたかしら…………はしたないと思われてない…………?)

提督「あ、あのさ二人とも。今日は一日暇だよな?」

山城「え、ええ。演習もないし遠征も…………」

扶桑「それがどうかしましたか?」

提督「ああ、一昨日も遊んだばかりだが三人で安価下2に行かないかと誘おうと思ってな」

扶桑「提督のご実家ですか?」

山城「なぜ急に……?」

提督「特に深い意味はないんだが二人を俺の実家に招きたいって思ってさ。もちろん無理にとは言わないが」

山城「行きます! …………行きたいです」

扶桑「私も是非、行ってみたいです」

提督「じゃあ後で玄関に来てくれ。悪いな突然」

山城「提督の実家…………ご両親とも会うのかしら…………」

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玄関

提督「お、来たな二人とも」

扶桑「お待たせしました提督」

山城「ご実家はここから遠いんですか?」

提督「うん、まあ夜までには帰ってこれる距離だよ。車でちょっと走るくらいだ」

扶桑「車で行くんですか?」

提督「ああ俺の運転でな。安心しろ鎮守府じゃあ乗ることもないからゴールド免許だ」

山城「それは逆に怪しいのでは…………」

提督「さて俺が運転して行くからどっちかが助手席でどっちかが後ろに乗ることになるんだが……」

「「なら私が助手席で」」

提督「え?」

山城「…………姉様」

扶桑「…………山城?」

山城「姉様、最近お疲れでしょう? 昨日も演習がありましたし是非後部座席でお休みください」

扶桑「あら大丈夫よ山城、山城こそ昨日の昼食の後からずっとうきうきして夜もなかなか寝付けなかったみたいじゃない」

山城「…………っ!? そ、それは…………なんでも、なんでもありませんから!」

扶桑「はあ…………じゃんけんで決めましょう、恨みっこなしよ山城」

山城「ええ! 扶桑型戦艦山城! 絶対に負けません」

提督「………………そんなに重要か? 助手席……」

勝った方
安価下コンマ奇数山城偶数扶桑

山城「かっ! 勝ったわ! うそ…………! 提督! 見ててくれた!?」

提督「あ、ああ。おめでとう山城……」

扶桑「…………今回は譲ることにしましょう」

提督「じゃあ帰りは扶桑が助手席な。ほら乗れ」

山城「なっ…………!」

扶桑「あら! ふふふ…………では行きましょう提督、山城?」

山城「…………か、帰りの方が……雰囲気は良かったかも…………不幸だわ…………」

提督「おーい山城早く乗れ、置いてくぞ」

山城「わかりました…………うう」

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山城(提督の隣…………なんだか落ち着かない)

山城「あ、あの……提督? 提督のご実家ってどんなところなんですか?」

提督「んー? 普通の住宅だよ。でかくもないし、ちいさくもない」

山城「そ、そうですか…………」

山城(どうしよう…………なに話そうかしら……)

山城「提督の子供のころってどんな感じだったんですか?」

提督「…………あんまり覚えてないな。刹那的に生きすぎた。まあ普通だろうと思うよ。そんな変人じゃなかったと思う」

山城「変人じゃないって…………どんな子供がいるんですか…………」

提督「うーん……まあ確かにそうか」

山城「…………」

提督「…………」

提督「あー久しぶりに帰るから道わかんなくなってきた…………」

提督「山城、助手席のイスに小物入れがついてるだろ」

山城「え? ど、どこに……」

提督「イスの下というか中というか……足元に取っ手があるだろう」

山城「あ、本当ですね……こんなところにスペースが…………よいしょ」パカッ

提督「その中に簡単な地図が…………っ!」

山城「ううん…………な、なかなか難しいわ……」ゴトゴト

提督(やべえ山城が屈んでるせいで服が持ち上がって背中と尻が微妙にチラチラ見える)

山城「あ! これかしら……」ヒョイッ

提督(あー…………あの隙間に手入れたい……)

ガタンッ!

提督「ぬあ!」

扶桑「きゃっ!」

山城「痛いっ!」ガツン

提督「あっ、あっぶねえ…………すまん段差に乗り上げた」

扶桑「大丈夫ですか提督……気をつけてくださいね」

提督「ああすまない……………………山城?」

山城「~~~~~~~~~~~~っ!!!」

提督「大丈夫か!? ああ……頭ぶつけたのか……すまん……マジですまん……」

山城「うう…………痛い…………不幸だわ…………」

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実家

提督「ついたな…………思ったより時間かかったが」

山城「提督が高速道路の降りるところ間違えたからでしょう……」

扶桑「ここが提督の…………綺麗ですね」

提督「いや普通の家だよ。気使わなくていいって」

扶桑「普通が一番ですよ。こういうところで家族で暮せるのが一番幸せです」

提督「…………そうか」

山城「そういえばご両親には今日訪れると連絡されてるんですか?」

提督「ん? してないぞ」

山城「だ、大丈夫なんですか? 提督はともかく私たちは…………」

提督「俺の仕事についても知りたがってたし良い機会だろう。大丈夫、大丈夫。さあ行こう俺の家だ」

会話
扶桑山城どちらか安価下

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山城「提督」

提督「ん? おお、すまんな二人とも放ってしまって。扶桑はどうした?」

山城「姉様は提督のお母さまと談笑しています。姉様もそりが合うようでとても楽しそうに話していますよ」

提督「うちの母さん話長いだろうすまんな。それより昼飯どうだった? 俺は食べ慣れてるが二人の口にあったかな」

山城「ええ、とてもおいしかったです。おふくろの味っていいものですね…………ふふ」

山城「それよりここで何をしてるんですか?」

提督「ここは俺の部屋だよ。ちょっと懐かしくなって数年ぶりに卒業アルバムなんて見ようかなと」

山城「提督の卒業アルバム……興味あります」

提督「見せないけどな。恥ずかしいからなこういうの」

山城「いいじゃないですか見せてくださいよ」

提督「いやだ。卒業アルバムと文集だけは見せないと決めてるんだ」

山城「はあ……わかりました。無理にとは言いませんから。それにしても学生時代の提督…………私がもしも提督の後輩だったりしたらどうなってたんでしょうね」

提督「山城が後輩? ははは、そうなってもまず会うこともないだろ。山城は扶桑にべったりだろうし」

山城「そう、ですか。そうですよね」

提督「今こうして上司と部下みたいな関係でもみんなで戦ってみんなで幸せになろうってだけで十分だろ」

山城「………………」

提督「後輩でも部下でもとにかくどんな形であっても扶桑にも山城にも会えて良かったと思うよ」

山城「…………ふふ。提督、今日は家に誘ってくれてありがとうございました」スッ

提督「ああ。こちらこそ急に誘ったのに」

山城「提督…………」ギュッ

提督「っ…………! や、山城……?」

提督(山城が俺の背中に抱きついてきて……)

山城「私も…………どんな形であろうと提督と出会って、提督と過ごした日々は掛け替えのない宝物です」

提督「…………ああ」

山城「そろそろ…………夕方ですね」

提督「…………そうだな、そろそろ帰る用意もするか」

山城「…………」ギュッ

提督(山城の心臓の鼓動が伝わる…………)

山城「………………………………………………………………好き」

提督「え?」

山城「さ、提督も一階に降りましょう? 姉様もそろそろ待っているかもしれません」スッ

提督「ああ…………」

提督(振り返った時部屋から出て行く山城の顔が真っ赤になっているのだけがわかった)

提督「…………少し風に当たってからにしよう」

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提督「よーし、帰りは行きよりも早くなるはずだから予定通り夜には帰れるはずだぞ」

扶桑「ええ。では私たちの鎮守府へ帰りましょう」

山城「…………帰りはやっぱり後ろの席でよかったかも……顔がまだ少し熱いわ」

提督「山城ー?早く乗れよー」

山城「はい、すぐに行きます」

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扶桑「あ、そこの道を右です」

提督「あぶねえ、通り過ぎるところだった」

扶桑「そのまま行けばバイパスを通れるのであとはほとんど一直線ですね」

提督「ありがとう扶桑。おかげで無駄に高速道路の料金払わなくてすみそうだ」

扶桑「ふふっ、私憧れがあったんです。こうして助手席で地図を広げて運転の手伝いをするのに」

提督「なんで?」

扶桑「だって…………その、カップルみたいですよね……仲のいい」

提督「…………なんか恥ずかしいな」

扶桑「あ、そうだ提督。私お母さまにお料理を教えてもらったんですよ」

提督「母さんの?」

扶桑「ええ。ですから言ってくだされば頑張ってお母さまに似た味を作ります」

提督「それは…………ありがとう。素直に嬉しいよ」

扶桑「お母さまにも褒めていただいてすぐにでも嫁にこいだなんて…………ふふ、まだ早いですよねそんな話」

提督「そ、そんなこと言ったのか母さんは…………すまないな扶桑……」

扶桑「いいえ、私も決して満更ではありませんから」

提督「そ、そう言ってもらえると助かる」

提督(やばいマジで扶桑嫁に欲しい)

提督「…………………………」

扶桑「…………………………」

提督(さっきから扶桑に喋らせてばかりだな…………安価下2の話でもしようかな)

提督「…………」チラッ

山城「…………んっ……」スゥスゥ

提督(山城は寝てるな)

提督「扶桑、山城のことなんだが」

扶桑「え? 山城……ですか」

提督「ああ、最近の山城は随分素直になったというか、俺とも隔てなく話してくれるようになっただろ」

扶桑「………………そうですね」

提督「昔は扶桑と話をしようとしても嫌味を言うし本人に声をかけてもあまり良い反応はしてくれなかった」

扶桑「…………」

提督「だけどいつからかこうして三人でどこかに出かけることもできるようになっただろ。何かあったのかと思ってな」

扶桑「………………提督」

提督「ん?」

扶桑「こうしてせっかく二人で一緒にデートしているときに例え妹であっても他の女性の話はするものではありませんよ」

提督「で、デート…………っ!?」

扶桑「ふふっ、今回は許してあげます。それにそういうことは山城本人に聞いたほうがいいですよ」

提督「そうか……」

扶桑「…………あの、提督。私からも聞きたいのですがどうして最近私たちに…………いえ、『山城に』よく接するのですか?」

提督「え?」

扶桑「…………その、最近の提督は山城以上に変わったような気がします。なんだか……私から、…………………………私から遠く離れてしまったような」

提督「……………………」

扶桑「私の勘違いなら謝ります……しかし提督は確かに山城を特別に想っているような…………そんな、…………気が…………」

提督「ふ、扶桑…………」

扶桑「こ、こちらを見ないでください」

提督「っ…………!」

扶桑「あ、そ、そこの道を右に進んでください。鎮守府まではもうすぐみたいです」

提督「あ、ああ」

提督(扶桑が………………泣いてたような)


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夜 執務室

提督「………………なんかもうこんがらがってきた」

提督「こんなつもりじゃなかったんだけどなあ…………」

提督「そろそろ潮時だな…………扶桑のことも山城のことも俺が自分で決着をつけないと…………」

提督「山城…………俺が山城を範囲外だと感じていたのはおまえがずっと扶桑一筋だったからだ」

提督「そこには俺どころか他の誰も入る余地なんてなくて、だから自然に俺はおまえを気にしないようにしてたのかな」

提督「真剣に考えよう、この先のこと……」

提督「明日は安価下2しよう」

ここまで
いつも寝落ちしてすまんな
せっかくだからハーレムっぽい内容が書きたかったのにどうしてこうなったいつからこうなった



提督「扶桑、第二艦隊の遠征の編成って……」

扶桑「ええ、もう滞りなく完了しています」

提督「ありがとう、頼りになるな」

扶桑「そんな……私でなくともこれくらいは……」

提督「これで今日の執務は全部完了、助かったよ扶桑」

扶桑「いえ、お役に立てたなら幸いですから」

提督「ところでこの後少しだけ酒に付き合ってくれないか。扶桑と飲みたいんだ」

扶桑「ええ、構いませんよ。でもほどほどにお願いしますね。明日もお仕事なんですから」

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提督「扶桑って酒は強いのか? あまり飲む印象はないんだが」

扶桑「ええ、どちらかというと山城の方が強いですね。日本酒をよく嗜んでいるみたいです」

提督「…………なんとなく似合うような似合わないような」

扶桑「提督は……お酒はお強い方がお好みですか?」

提督「それは……一緒に楽しめるならそれに越したことはないがあまり関係はないだろうな」

扶桑「………………」

提督「………………」

扶桑「あの……提督、どうして今日は私を秘書艦に? あまり私を秘書艦にすることはなかったような……」

提督「ああ、ちょっと話があってな」

扶桑「……話ですか?」

提督「……」

扶桑「……」

提督「その、な。おまえに一つ言いたいことがあるんだ」

扶桑「…………」

提督「…………俺は、扶桑が好きだ」

扶桑「っ…………」

提督「扶桑とずっと一緒にいたい。ずっと前から扶桑のことが好きだったんだ」

扶桑「…………私、を?」

提督「……ああ」

扶桑「…………、です」

提督「え?」

扶桑「嘘です!」

提督「っ!」

扶桑「嘘を……つかないでください……」

扶桑「どうして……私をちゃんと見てくれないのですか?」

扶桑「どうしてそんなに不安そうな顔をしているのですか?」

扶桑「……てい、とく……嘘を、つかないでください……」

提督「嘘なんてついてない! 俺は扶桑のことを本当に-----

扶桑「なら私の目をしっかり見てください!」

提督「…………!」

扶桑「…………私に、後ろめたいことがあるのでしょう?」

提督「…………」

扶桑「山城の気持ちに気付いてないとは、言わせません」

提督「…………」

扶桑「あの子を、どうか幸せにしてあげてください。私のために……不幸にしないでください」ガチャッ

扶桑「それでも……私を選んでくれるのなら……」

提督「扶桑……っ!」





提督「…………なにやってんだ、俺は」

提督「俺は……自分が揺れてることをわかっていながら最初から好きだった扶桑への罪悪感でいっぱいだった」

提督「山城のことも好きになっていたんだ。扶桑と同じくらいに」

提督「一番してはいけないことをした。なにも決着をつけないまま扶桑に許してもらおうとした」


扶桑『…………あの、提督。私からも聞きたいのですがどうして最近私たちに…………いえ、『山城に』よく接するのですか?』

扶桑『…………その、最近の提督は山城以上に変わったような気がします。なんだか……私から、…………………………私から遠く離れてしまったような』


提督「扶桑を……悲しませたくなかったのに」

提督「俺は扶桑を不安にさせたまま……山城の気持ちも山城への想いも全部無かったことにしようとして……」

提督「もう……『嘘』はつかない。扶桑のためにも、山城のためにも、この優柔不断な馬鹿に決着をつけるんだ」

提督「俺が本当に好きなのは……」


最後
安価下2
扶桑か山城

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提督「山城」

山城「…………提督? ど、どうしてここに」

提督「おまえこそなんで灯台なんかにいるんだよ」

山城「……その、提督に、写真を撮ってもらったときのことを思い出して」

提督「……」

山城「な、なんて…………別に意味はないですよ、本当に!」

提督「…………」

山城「…………」

山城「昨日、姉様が泣いてました」

山城「私には気付かれないように振舞っていましたがそんな強がっていても丸分かりです」

山城「提督、ですよね」

提督「…………ああ」

山城「私、滑稽ですね。本当に知らなかったんですよ。姉様が提督をお慕いしていた事、提督が姉様をお慕いしていた事」

山城「………姉様のことですから、自ら身を引いたのでしょう? 私のためだと言って。…………本当に、本当に、不幸だわ」

山城「そもそもこんな事になっているのがおかしいんです。私が愛しているのは扶桑姉様だけだったんですから」

山城「だから、私は大丈夫です。扶桑姉様を幸せにしてください」

山城「扶桑姉様が幸せであれば私は大丈夫ですから」

提督「山城……もう自分だけが不幸であろうとするのなんかやめろ」

山城「………………」

提督「俺は、山城が好きだ。もう自分に嘘はつかない」

山城「…………やめて」

提督「扶桑を傷つけたのは俺のせいだ。だからもう俺は繰り返さない」

山城「…………やめてください」

提督「ごめん、山城。おまえのこと傷つけてしまって」

山城「私が……! 私が不幸にならないと! 姉様が幸せになれないんです……! 私がいつも不幸でないと…………姉様がいつまでも不幸のままだから!」

提督「山城……いいんだよお前が不幸になんかならなくても。お前が不幸になっても誰も幸せになんかなれない」ギュッ

山城「……っ……っ!」

提督「俺は、山城のことが好きだよ」

山城「…………てい、とく…………」

提督「ずっと後ろめたかったんだ。山城にも扶桑にも。でももう辞める。俺はもう迷わない」

山城「…………」

提督「おまえが俺を拒絶しても俺は扶桑の元へはもう向かわない。俺が好きなのは、山城だ」

山城「…………」

提督「…………」

山城「…………馬鹿」ギュッ

提督「ああ」

山城「馬鹿、馬鹿提督」

提督「ああ」

山城「提督のせいで姉様と顔が合わせられません」

提督「すまない」

山城「許しません。ちゃんと姉様に謝って私のことも許してもらわないと許してあげませんから」

提督「…………がんばる」

山城「…………」

提督「…………山城?」

山城「……もう少しだけ、このままでお願いします」

提督「わかった……ごめんな山城」

山城「……こういうときは謝るんじゃないです」

提督「…………え?」

山城「こういうときは……こういうんですよ提督」



山城「愛してます、提督」

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山城「提督! まだ執務が終わってないんですからしっかりしてください!」

提督「…………すまん。まじで眠くて」

山城「だから昨日は早く寝ましょうねって言ったのに…………」

提督「……少なくとも俺はそのつもりだったんだがな」

山城「……なっ! 誰のせいで寝坊したんですか! ほら明日までにまとめないといけないんですから頑張ってください!」

提督「これは徹夜コースだな…………」

ガチャリ

扶桑「提督。第二艦隊の演習、完了しました」

提督「お、ありがとう扶桑。報告ご苦労様」

山城「姉様! 提督が執務中に居眠りするんです、なんとか言ってください!」

扶桑「あら、ずいぶんお疲れなのね。私が代わりに執務を行うので提督は少し休まれてはいかがですか?」

山城「も、もう! そうやって提督を甘やかすからつけあがるんです!」

扶桑「提督も最近まともに食事してないでしょう? 今夜私とお食事でもどうですか?」

提督「…………どうしよう山城」

山城「な、何言ってるんですか! 姉様も出て行ってください! 知りません!」

扶桑「あら山城、余裕のない女性はすぐ愛想を尽かされてしまうわよ」

山城「くぅっ! いいから! あとは私と提督で頑張ります!」

扶桑「ふふっ……提督」

提督「……な、なんだ」

扶桑「私、まだ諦めてませんからね」ボソッ

提督「……っ!」

山城「ううっ! 姉様ー!」グイグイ

バタン!

山城「…………て、い、と、く」

提督「なんだ山城、さっさと仕事を終わらせよう」

山城「なんですかさっきの態度は! わ、私というものが…………あらながら……も、もう!」

提督「安心しろ山城、俺は山城一筋だからな」

山城「私の目を見て言ってください」

提督「…………」

山城「ひっぱたきますよ」

提督「…………だ、大丈夫だ! 俺は山城のことを-----

チュッ

山城「ん…………っ……」チュパ

提督「っ……!?」

山城「…………これで、釘付けですよね。提督」

提督「…………ああ、愛してる、山城」






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扶桑「…………はあ、本当に損な役回りね私って」

扶桑「……こういうときに言うのかしら、…………私は初めて使うのだけれど」

扶桑「あーあ……不幸だわ…………ふふっ」

終わり

終わり
駄文に付き合ってくれてありがとう
ハーレムっぽくしたりとかもっと修羅場修羅場したりとかしたかったけど俺の腕じゃあこれが限界です
このスレがうまくいったら「なんとかして山城と~」ってスレを立てようと思ってたけど初っ端の高コンマで吹っ飛んだ
あと最後の安価は完全に扶桑取られること前提だったから山城エンド全く考えてなくて時間かかった
精進する

乙!最高だったぜ!
んじゃまあ扶桑√ハーレム√修羅場√
全部書こうか(ニッコリ
次スレ行ってもいいんやで(ニッコリ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月22日 (水) 23:04:56   ID: Tpel57x2

何という安価だ…

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