銀「お礼参り」

黒「は？」

銀「お礼参り」

黒「銀、お前その言葉の意味を知っているのか？」

銀「詳しくは知らない…でもお世話になった人に会いに行く行為と、本に書いてあった」

黒「全く…どんな本を読んだんだ」

銀「借りた本」

黒「あの探偵のとこの娘か…」ﾊｧ…

黒「あまり関係を深めるなと言っただろう…」

銀「うん、ごめんなさい」

黒「…まあ、いい」

黒「それで、最初は誰に会いたいんだ？」

銀「≫5」

銀「ノーベンバー11達」

黒「MI6の連中か…厳しいな」

銀「厳しいのは解ってる…でも、一度会っておきたい」

黒「だが、ノーベンバー11はすでにこの世には…」

銀「…うん、でも彼の墓は東京にある」

黒（確かに警察、あの霧原とかいう警視が墓を作ったと聞いたな）

黒「…わかった、ノーベンバー11の所には行こう」

黒「だが、エイプリル達に会うのはだめだ、危険すぎる」

銀「…わかった、あの人達は諦める」

黒「良し、行くぞ」

銀「待って」

黒「何だ…」

銀「花を買いたい」

黒「わざわざ買わなくてもいいだろう」

黒「それに証拠を残すことにもなる」

銀「…お願い」

黒「はぁ……分かった、行こう」

銀「うん、ありがとう、黒」

～花屋～

黒「早く決めろ、のんびりとはしてられない」

銀「うん、だから選ぶの、手伝って」

黒「なんで俺が…」

銀「黒は花言葉に詳しいと聞いた、アンバーに」

黒「っ……白（パイ）から聞いたんだ、良く」

銀「だから手伝って」

銀「お願い、黒…」

黒「わかったよ…」

黒（今日は妥協しっぱなしだな…）ﾊｧ

銀「黒、これはどう？」

黒「…お前は目ざといな、それはアリウム」

黒「花言葉は、正しい主張だ」
　（本来、墓に備えるような花ではないが、まあいいだろう）
銀「そう、なら私はこれにする…あなたは？」

黒「俺も買うのか、そうだな……」

黒「！……これは…」

銀「決まった？」

黒「ああ、待っていろ、買ってくる」

銀「わかった」ｺｸ

ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏｼﾀｰ
黒「よし、行くぞ」

～とある墓地～
銀「なんでここだってわかったの？」

黒「仏教系じゃなく管理が行き届いてる外国人用墓地は、東京にはここしかない」

黒「あとは管理人に尋ねれば、場所がわかるはずだ」

黒「少し待っていろ、話してくる」ｽﾀｽﾀｽﾀ

銀「わかった」ｺｸ

銀（もうすぐ、来るはず…）

銀「！…来た、コードネーム『エイプリル』、そして『ジュライ』」

エイプリル「！！…あんたは…！」

エイプリル「ジュライ、あんた気づかなかったの！？」

ジュライ「気づいてた、でも」

銀「私が頼んだ、知らせないように」

銀「そうしないと、あなたたちはここに来ないかもしれないと思ったから」

ジュライ「敵意はないとわかった、から」

エイプリル「だから伝えなかったって訳か、どうせBK201も近くにいるんでしょ？」ﾊｧ

銀「…」ｺｸ

エイプリル「それで、組織を抜けた貴方たちがMI6の私たちに何の用？」

銀「…特に用は無い」

エイプリル「はい？」

銀「ただ会いたかっただけ…特にエイプリル、貴女には」

エイプリル「それはまた…どうして？」

銀「きっと貴女とはこれが今生の別れになる、と思ったから」

すまぬ、少し用事が
また明日

がんがる

エイプリル「ふうん…まあいいわ」

エイプリル「その花を見る限り、あいつの墓参りに来たってとこみたいだしね」

エイプリル「ありがとうあいつはこれまで契約者達には嫌われっぱなしだったから、喜ぶと思うよ」

銀「そう…」

エイプリル「おっと、あんたの相方が来たみたいだよ」

黒「動くな…！そのまま両手を挙げて跪け！」

エイプリル「全く…今日は戦う気はないんだよ」

銀「ナイフを仕舞って、黒」

黒「銀！…お前これがどれだけ危険なことか解っているのか！？」

銀「今日はこの人たちはお参りに来た…私たちも同じ」

銀「ナイフをどけて、黒」

黒「……今日の事を上には伝えないと誓え…！」

エイプリル「解ってる、約束しよう」

黒「………」ｽｯ

銀「ありがとう、黒」

黒「もういい…」ﾊｧ

黒「先にいけ、俺たちはお前らが戻ってきてから行く…」

エイプリル「りょーかい、じゃあお先に」

エイプリル「行くよ、ジュライ」

ジュライ「…」ｺｸ

銀「……」ﾊﾞｲﾊﾞｲ

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黒「今のうちに次行く場所を決めておくか…」

黒「銀、お前どこに行きたい？」

黒「いや、この場合誰の所にということか…」

銀「≫22」